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記事 3件
  • 「非常識なルールに従うべからず」小林よしのりライジング Vol.387

    2021-02-02 18:25  
    150pt
     戦後民主主義は「学級民主主義」だと何度も批判してきたが、ついにそれも極まれりで、国会が本当に小学校のホームルームそのものとしか言いようのない有様になってしまった。
     今国会で、蓮舫ら野党議員が与党議員の「会食」を非難している様子は、ホームルームで風紀委員が生活態度の乱れを指摘しているようにしか見えない。
    「菅くんが、二階くんに呼ばれてステーキを食べました! いけないと思いまーす!」
    「石破くんが、9人も集まった席で、ひとり4万円のふぐを食べました! なんてことでしょうか!」
    「松ジュンくんが、銀座のクラブをハシゴしてました! 反省してくださーい!!」
     あまりにも、幼稚過ぎる!
     自分の支持者に呼ばれて行った先で、何人も集まっていてふぐ懐石が用意してあったら、そこで「会食は自粛だと言われているから、ボクは食べません」なんて言えるわけがない。たったそれだけのことで、ふぐを食べていたとは何事かと責められたのでは、たまったものではないだろう。
     銀座のクラブで飲み食いできるなんて羨ましいというのはわかるが、銀座のクラブのママだって、今は大変なのだ。ただ店を開けていても誰も来なくて、「同伴」で確実に客が来るようにしなければ、店を開くことすらできないのだ。
     そんな時に馴染みのママさんから声をかけられたら、もう助けるつもりで行かなきゃしょうがないだろう。ところがそれをまた風紀委員が、ケシカランと批判するのだ。じゃあ銀座のクラブは潰れろと言うのか?
     その他にもやり玉に上げられた国会議員の会食を列挙すると…
    ・橋本聖子オリンピック・パラリンピック担当大臣が、都内の寿司屋において6人で会食。
    ・自民党・宮腰光寛元特命担当大臣が富山市内で約30人が集まる懇親会に出席、飲酒の後転倒、出血して救急搬送される。
    ・石原伸晃元幹事長と坂本哲志地方創生担当相ら3人が派閥の会合で会食、石原はその翌日コロナ感染が判明。
    ・公明党・遠山清彦前財務副大臣が、銀座のクラブを訪れていた。
    ・自民党・金田勝年元法相が、高級ホテルにて4人でランチ会食。
     マスコミは誰がどこで何人で食事したかを血眼で追い回し、野党は国会でいちいちそれを取り上げて追及する。
     他にも、自民党のコロナ対策会議に100人ほどが出席して、「密」な状態だったなんてことまで国会で批判している。
      国会は「コロナ風紀委員会」か?
     そんなことのために国会を開くのは、税金の無駄遣いだ!
     全部どうでもいいことなのに、野党は懸命に批判している。
     おかげで、ずっとマウスシールドだった麻生太郎まで黒マスクを着けるようになってしまった。あの何の役にも立たないマウスシールドを平然と着け続けているところがよかったのに、全くひどい有様だ。
     確かに、国民に自粛しろとか、会食は4人までとか、くだらないルールを押し付けた国会議員が、自分たちはこそこそルール破りしていたなんて聞けば、なんじゃそりゃとは思うが、だったら国民もそんなルールは守らなきゃいいだけのことだ。
     政府がバカバカしいこと言い出したけど、勝手に言わせとけと、せせら笑って従わなければいいのだ。
     わしは今でも普通に大人数で会食している。よしりん企画だけでも4人以上になってしまうのだ。そんなバカげたルールなど守ったことはないし、飲食店だって、それを拒否するようなところばかりではない。向こうも商売だし、黙って入れてくれる店はあるものだ。
      あまりにもくだらない政策が出てきたら、それなりに対策をとってやろうという態度でいればいいだけだ。中国人のお家芸だが、「上に政策あれば、下に対策あり」を、公のために学べばいい。
     公のためにならぬ馬鹿馬鹿しいお上の言いつけにただ従順に従っておいて、お上はそれを守っていないじゃないかと文句をつけている感覚が、わしには全く理解できない。
     そもそも、会食は4人までなどという幼稚過ぎるルールが、いったい何の感染対策になるというのだろうか?
  • 「詳しすぎるスウェーデン情報:集団免疫は失敗ではありません」小林よしのりライジング Vol.384

    2021-01-12 17:30  
    150pt
     説得力のある意見だと感じる専門家や、現場を知っているという人物であっても、よくよく話を聞いていると矛盾が見える場合がある。特に、スウェーデンに対する評価は、世界的なデマ、誤報、偏見が横行していることもあり、見解がぐらつきやすい。
    「スウェーデンは秋冬になって感染が再拡大し、マスク着用や営業制限など方針転換を余儀なくされた。国王も『失敗』を認めた。スウェーデンは、集団免疫策に失敗した」
     現在は、おおむねこのような意見が、既成事実であるかのように語られがちだ。
    「失敗」については、昨年12月のスウェーデン国王の発言を「ロックダウンしなかった我が国のコロナ政策は失敗だった」という意味に誤読・曲解した世界中のメディア報道を、鵜呑みにして流されているところもあるだろう。だがそれは、第196回「”スウェーデンは失敗だ”を問い質す」で解説したとおり、立憲君主国の国王とはなにかということも、スウェーデンならではの問題も理解せずに、ただレッテルを貼っているだけだ。重なる部分もあるが、改めてさらに現状を精査しレポートする。
    ●スウェーデンと各国の比較
     まず、スウェーデンの現状を確認しておこう。
     2021年1月10日現在の最新のデータによると、スウェーデンは11月ごろから急激に感染者が増えはじめ、現在も上昇中だ。「今週が山場」という警鐘も鳴らされている。では、たびたびスウェーデンをこき下ろすアメリカ、そして、ロックダウン政策に転じたイギリスと比べてみよう。
        
     
     どこも大して推移に変わりはない。そして現状、感染者数、死者数ともに一番多いのは、3回目のロックダウンに入り、小中学校まで再び閉鎖してしまったイギリスだ。
     グラフを眺める私は、
    「3月にデビューしたこの新しいウイルスは、最初はバッと感染して患者を出したけど、すぐにピークアウトした。でも冬になるとやっぱり風邪っぴきが増えるのと同じ経過をたどるんだな」
    という風に考える。
     なにしろ、 南半球のオーストラリアは、冬にあたる6~8月に見事に感染者が急増して、そして春先の9月には収束している のだ。
     
     オーストラリアは、真夏の現在も、集団感染が発生するたびに3~6日間の超短期ロックダウンを行っている。なんの意味があるのか不明だが、窮屈で気の毒だ。 
     PCR検査の偽陽性にかなり慎重な姿勢をとるニュージーランドも、3月の時点でウイルスは入り込んでいた。その後、「封じ込めた」とされたものの、真冬の8月にふたたび感染者が発見されているのだから、根絶はしていない。
     ほかにも「そりゃ、寒けりゃ熱出す人は増えるだろう」としか言いようのないデータは、世界中にいっぱいあって、なんだか呆れてしまう。
     
     こう眺めると、 「スウェーデンって、そんなにおかしいか?」 としか思えない。
    ●「集団免疫」のとらえ方
     いまスウェーデンを「失敗」と評する人々の不思議なところは、 「冬になって、結局、感染拡大した」 という点をあげつらうところだ。各国のグラフを見れば、ロックダウンしていても、冬になれば感染拡大しているのに、である。
  • 「『コロナ論』の反響」小林よしのりライジング Vol.373

    2020-09-22 18:00  
    150pt
    『ゴーマニズム宣言SPECIALコロナ論』が発売されて、1か月が過ぎた。といっても、そのうち11日間は品切れで買えない状態だったわけで、それが実に悔やまれる。
     わしはこの本が10万部売れれば世の中は変わると言ってきたが、それはまだまだ先というのが現状だ。
     そんな、ちょっと気落ちしそうな時に、扶桑社に寄せられた「愛読者カード」がわしのもとに届いたが、それを見てわしは驚いた。近年まれに見る量で、しかも書かれている感想が、どれも半端ない熱さなのである。
     扶桑社の愛読者カードは、感想を宣伝に使用する際に本名で載せるか、あるいは匿名か、ペンネームかを選んでもらうようになっているが、本名で載せていいという人もかなりいて、それにも驚かされた。
     これを読んで、わしの闘志にはさらに火がついた。
     わしだけが読むのではもったいない感想があまりにも多いので、今回はその中から一部を紹介しようと思う。
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     2日間で一気に読みました。
     最終章の内容、そして「経済の方が命より重い」の言葉に感涙しました。
     エンタメ業に生きがいを見出している者としては、辛い毎日が続きますが、ここまで踏み込んだ表現をされるとは思ってもみませんでした。
    「文化」を担う「現場」の人間の気持ちを代弁していただいたことには感謝の言葉しかありません。
     おかげでマスコミに心を乱されることなく、仕事に邁進できます。ありがとうございました。
    (M.Oさん/大阪府・47歳男性・アルバイト)
     ステイホームが出来ない零細インフラ関係企業経営の、いわゆるコロナ弱者です。日々データを見て報道や世の中の空気に大変な違和感を感じていました。
     普段感じていて家族や親しい友人にだけ漏らしていた「本音」をコロナ論では余すことなく語ってくれました。
     世の中の「空気の支配」に抵抗して声を上げていくことで自分の生活基盤を脅かすのではと思い、声を上げることを躊躇していました。でも、このままでは我が国の存続そのものが危うい。少しでもこの空気感への抵抗になればと願ってやみません。読ませていただいて本当にありがとうございました。
    (渡辺弘輔さん/新潟県・42歳男性・自営)
     よしりん先生、私のクリニックも今回のコロナ騒ぎで37度の微熱→念のためPCR検査を!!という患者がいて困りました。正しく恐れることを説明するのは本当に難しい。この本はモーニングショーに出てくる疫学を弄する医学者を斬り捨てるのみならず、「自然免疫」と「獲得免疫」まで科学的に解説してあるので、すばらしい。
     漫画の発信力はつまらんTVよりはるかに強い。
     当院の不安がる患者の教科書にしたい!!
    (西村正さん/兵庫県・71歳男性・医師)
     とても共感しました。私は看護師をしており、感染者差別が何より恐いです。娘もいるので、自分が感染したら学校でフクロ叩きに遭うのか…など、職業柄、職をバラされて…など、自粛ぎみになっています。でも本当はよしりんさんのように思っています。早く指定感染症2類から転落し差別をなくしたいです。医療関係者は外食もしてはいけないの!?
    (まりんこさん/愛知県・40代女性・看護師)
     小学5年生の息子が、突然の長期にわたる休校で、心を病みかけました。「ステイホーム」という言葉は二度と聞きたくない、と小林先生と同じ事を言っています。
    「自粛」の弊害は本当に大きく、しかも今もまだ続いています。『コロナ論』、多くの人に読んでもらいたいです。息子がテレビの煽り報道を嫌がるので、我が家はこの半年テレビを一切観ていません。
    (北海道・47歳女性・公務員)