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  • 「飲み屋潰しのセクハラ糾弾に言っとく!」小林よしのりライジング Vol.271

    2018-05-22 19:0076
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    第271号 2018.5.22発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…リベラル・左翼系メディアを中心に、巨大なセクハラ糾弾キャンペーンが繰り広げられている。「CMやテレビ番組等での性的に不快な表現を規制せよ」「酒類メーカーが共同で『アルコールを飲んで性的ハラスメントをすることは許さない』というキャンペーンを行えば良い」「キャバクラはセクハラの温床」等々、現実を知らないデタラメな言説がまかり通っている。机上の空論を並べ、女性を一方的に「弱者」「被害者」にするセクハラ糾弾を許すな!
    ※「ゴーマニズム宣言」…前々回では自称保守の劣化の顕著な例として、「別冊正論」31号に掲載された竹内久美子の「サヨクの男は睾丸が小さい説」を取り上げたが、劣化の実態はまだまだあんなもんじゃない!同じ「別冊正論」28号の特集はなんと「物質世界の向こう側 霊性・霊界ガイド―あの世を感じて生きる―」である!まるで「月刊ムー」のようなオカルト記事がこれでもかと並び、最後は“オススメ新宗教ガイド”まで載っている。近年のオカルト界は、ネトウヨ思想と相当に親和性が高いようだが、果たしてその理由とは?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!喘息になってしまった私にアドバイスを!朝鮮学校に対する国からの補助金を認めるべき?日本でお笑いの政治風刺が活性化するのは難しい?手塚治虫や石森章太郎に会ったことはある?「女性のスターには老いを見せて欲しくない」と思うのは男尊女卑?クオーター制が必要な理由は?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第82回「飲み屋潰しのセクハラ糾弾に言っとく!」
    2. ゴーマニズム宣言・第278回「自称保守・ネトウヨのカルト化現象~霊性・霊界ガイド~」
    3. しゃべらせてクリ!・第229回「究極のぺろぺろ父子愛ぶぁい!の巻〈前編〉」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第82回「飲み屋潰しのセクハラ糾弾に言っとく!」

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    《お酒を飲みながらの会話は、重篤なセクシャルハラスメントを引き起こし、社会的制裁を受ける可能性があります》
     缶ビールやチューハイに、こんな警告表示が義務付けられたら――。

     5月16日の朝日新聞オピニオン欄に、「セクハラ許す日本の謎」と題する巨大なセクハラ糾弾キャンペーンが繰り広げられた。このなかで、企業広告の効果測定やチェックを行うビデオリサーチ社の「ひと研究所」から研究員の村田玲子という人が登場し、テレビコマーシャルや番組、企業広告に対する所感を述べている。

     研究所では、企業やテレビ局の依頼を受けて、CMや番組に不快な表現が含まれていないかのチェックを行っており、たとえば視聴者から「女性のくちびるを映した映像がアップになりすぎていて不快な印象を持つ」などの声があれば、それを企業側に届けるという。
     企業はいまやネットでの炎上対策に保険をかけるほど神経を尖らせているから、くちびるのサイズひとつにもビクビクしている状態なのだろう。

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     保険会社も「ネット炎上対応保険商品」を販売している時代…。

     しかし、女性のくちびるがアップになりすぎているって、資生堂からカネボウ、花王、ライオンまで化粧品や歯ブラシ関係などのCMは軒並みNGだと思うが。放映されているものをざっと眺めるだけでも相当あった。

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     ※不快に思われる方を配慮して一部モザイク処理をしております

     村田研究員によると、企業のCM製作者には、“自分たちの視点が今の生活者の感覚に合っているのか”を意識する者が増えており、全体的にはCMやテレビ番組での性的な表現は減る傾向にあるという。そして、「それでも一部のウェブ向け宣伝動画などでは、多くの人が不快と感じる表現がみられる」と続ける。

     ふーん……。
     子供の頃、『志村けんのバカ殿様』で、おっぱい丸出しの女性をたくさん床に寝かせ、女体で神経衰弱ゲームをやるというコントが普通に放送されていて、お茶の間で見ていたりしたが、もうあんな企画は遺跡状態だし、公共の場で懐かしんでいたら「時代錯誤のアナクロおばさん」ということになってしまう。
     とにかく、私には特に文句を言いたくなるほど性的に不快なテレビ映像なんてのは見たことがない。YouTubeを開くと、広告として強制的に流れはじめる、「あべりょう」とかいう風刺音楽みたいなやつのほうが、口やかましい上に、いかにもネット的な安っぽく押しつけがましい音で非常に不快に感じるのだが。それでも自分で音を消すから別に苦情を申し立てるほどじゃない。

     それにだいたいが、たかだかくちびるがアップになっただけで「不快」とまで感じてしまう“今の時代の生活者の感覚”って、本当にくちびるが原因なのか? あまりにも超高解像度・超高精細で大画面のテレビを見ているから、セクシャル的な問題というより、映像がいちいちリアルに大きく見えすぎて気持ち悪い、という理由だってあるんじゃないかと思うがどうなんだろう?
     見たくもない顔がよく見えすぎて「きもっ」と思うときなら私にもある。
     薄型の大画面テレビの価格が下がり、データ放送の技術は毎年のように進歩、4Kだ8Kだと映像が高密度になる。色彩も階調も進化。通信速度もどんどん向上するから、パソコンやスマホで見る映像もやたらと綺麗な世の中だ。
     高密度・巨大映像に感覚が追いつかなくて、疲れているんじゃない? 女のくちびるひとつでゲンナリさせられる時代になってしまったんじゃないですかっ?

    ●そんなに性的な表現に反応してるの? 
  • 「フランスのセクハラ罪を知っているか?」小林よしのりライジング Vol.270

    2018-05-15 20:301005
    150pt
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    第270号 2018.5.15発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…麻生太郎氏の「セクハラ罪はない」発言に対する攻撃が止まない。弁護士の紀藤正樹はブログで「フランスでは、セクハラ罪が既に存在している」「麻生大臣の発言は、無知と国際感覚のなさの両者において、あまりに恥ずかしい」とボロカスに罵った。果たしてフランスの「セクハラ罪」とはどういったものなのか?セクハラ対策に関して、日本はフランスよりもずっと遅れているというのは本当なのか?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…世の中は不条理なことばかりである。今回は泉美さんが過去に遭遇した不条理、そしてそこから受けた影響が赤裸々に綴られる。泉美さんが「ルサンチマン弱者」に陥らない理由の一端が明らかに。
    よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!アイヌ問題はもう取り上げない?日頃、何か運動はしている?もし立憲的改憲が叶った場合、自衛隊の名称はどうなる?養子を貰うことを考えたことある?「エンタメとしては最高だけど歴史認識がダメ」な作品はあり?「可愛い」と思ってしまう男性はいる?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第277回「フランスのセクハラ罪を知っているか?」
    2. しゃべらせてクリ!・第228回「問題棚上げ、はっきょい、のこったぶぁ~い!の巻〈後編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第81回「不条理のままに」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第277回「フランスのセクハラ罪を知っているか?」

     麻生太郎氏の「セクハラ罪はない」発言に対する攻撃が止まない。
     麻生の発言がいつも大雑把なことくらい、誰でも知っている。中には擁護のしようがない暴言もあっただろうが、基本的に男っぽい美学と茶目っ気もあるキャラクターを持っているので、わしは人格として嫌いではない。
     かつて京都で芸者の踊りを見ながら、酒を飲んだこともある。
     アルファベット英語で堂々と外国人とおしゃべりする豪胆さは大したものだなと思う。
     安倍晋三の下で働いているから、損をしているなとわしは思う。
     麻生自身はセクハラをするような男ではない。部下が犯した道徳的な罪に対して、世間の風圧に負けて断罪するのではなく、「セクハラ罪はない」と抗弁するのは、それほど非難されるべきだろうか?

     問題とされているのは4日、麻生が訪問先のマニラで行った記者会見での発言だ。
     そもそもこの記者会見は、マニラで行われたアジア開発銀行年次総会などについてのものだったのだが、その質疑応答で朝日新聞の記者が、福田淳一前事務次官のセクハラ問題の調査を財務省が打ち切ったことに対して、テレビ朝日側がなおも徹底調査を求めるという文書を出したが、これについての見解を聞きたいという質問をした。
     それに対して麻生は「これは1対1の会食ということになっていたそうですから、そういったやりとりについて、財務省だけで詳細を把握していくということは不可能です。これはいくら正確であったとしても、それはいかにも偏った調査ではないかと言われるわけですから」と答え、さらにこう言ったのだ。
    「御存じのようにセクハラ罪という罪はないのですよね、あなたよく知っているように。殺人とか傷害とは違いますから。訴えられない限りは、親告罪ですから、あれは。」
     一対一の会食の場で何があったかを、財務省だけで詳細な調査をするのは不可能だし、仮に調査をして、それが正確なものだったとしても、偏った調査だと言われることは目に見えている。
     じゃあ警察に調査を委ねるかといっても、セクハラについて殺人や傷害と同様に警察が捜査できるような「セクハラ罪」というものがないのだから、それもできない…麻生はそう言ったのだ。

     福田は女性に直接手を触れたわけでもなく、ただ不快な言葉を言っただけだから「強制わいせつ罪」にも当たらず、罪に問うとすればせいぜい「名誉棄損罪」「侮辱罪」であり、これは本来、当事者同士で解決すべき軽微な罪ということで、被害者からの訴えがなければ刑事事件として起訴することができない「親告罪」となっている。
     福田に刑法上の犯罪行為があったとして、警察に捜査してもらおうというのであれば、まずは被害者が福田を「名誉棄損罪」か「侮辱罪」で刑事告訴しなければならない。
     ところがテレ朝は匿名の社員が被害を受けたと抗議をしているだけで、被害者は告訴どころか、被害届すら出していないのだから、どうしようもない。
     ここで麻生が言ったことは、全く正しいのである。

     やや余談であるが、強制わいせつも昨年、性犯罪を厳罰化した改正刑法が施行されるまでは親告罪だった。
     TOKIOの山口達也に呼び出され、無理やりキスされたり顔をなめまわされたり押し倒されたりした女子高生は、警察に被害届を提出したが、ジャニーズ事務所との話し合いで示談が成立、被害届を取り下げた。
     親告罪であれば、話はこれで終わっていた。おそらく事務所も山口も、昨年の法改正の意味をはっきり把握しておらず、今まで同様、これでもみ消したと思っていたのだろう。
     ところが強制わいせつは非親告罪になっていたため、被害者が被害届を取り下げても捜査は続き、山口は書類送検され、事件が表沙汰になったのだ。
     警視庁は書類送検の際、起訴を求める最も厳しい「厳重処分」の意見を付している。既に示談が成立しており、不起訴になるのはほぼ確実なのに「厳重処分」の意見がつくのは異例のことで、山口が有名タレントであることが考慮されたからかもしれないし、もしかしたら捜査において犯行が相当に悪質だったと認められたのかもしれない。 
  • 「芸術家と偏執性~ロダンとカミーユ編」小林よしのりライジング Vol.269

    2018-05-08 20:35114
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    第269号 2018.5.8発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…芸術家と偏執性シリーズ第2弾。今回は「ロダンとカミーユ編」である。“近代彫刻の父”と称されるフランスの彫刻家オーギュスト・ロダン。偏執的で鬼気迫る彫刻家である彼の傍らには、これまた鬼のように凄まじい才能を持つ女性が常に一緒にいた。美貌の彫刻家カミーユ・クローデルである。強烈な才能がぶつかり合った先にあるものとは?「ハラスメント」という言葉に覆い隠されつつある人間の真の姿。物事の本質を見失うな!
    ※「ゴーマニズム宣言」…「動物学研究家・随筆家」の竹内久美子が「『日本型リベラル』の男はキンタマが小さい」なるトンデモ説を唱えている。常識から考えれば一笑に付されて終わる珍説が、自称保守派の中で持て囃されている理由…それはナチスの優生思想にあった!笑ってばかりもいられない、この危険な現象から目を離してはならない!!
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!なぜ日本の男は甘ったれているの?昔のような“私生活が全く見えない”スターは誰が思い浮かぶ?アンコウの雄とカマキリの雄、どっちが哀れ?「九州ゴー宣道場」に参加予定!福岡のオススメは何?日本の三大都市といえば?セクハラ罪なんて作って大丈夫?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第80回「芸術家と偏執性~ロダンとカミーユ編」
    2. ゴーマニズム宣言・第276回「竹内久美子の睾丸トンデモ説とナチスの優生思想」
    3. しゃべらせてクリ!・第227回「問題棚上げ、はっきょい、のこったぶぁ~い!の巻〈前編〉」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第80回「芸術家と偏執性~ロダンとカミーユ編」

     彫刻『考える人』を知らない人はいないと思う。
    “近代彫刻の父”と称されるフランスの彫刻家オーギュスト・ロダンによるものだ。

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     (C) 江戸村のとくぞう (Edomura no Tokuzo) in 静岡県立美術館

     ロダンには『地獄の門』『カレーの市民』『接吻』など数えきれないほどの傑作がある。
     時代の先を走りすぎていて、当時は酷評・嘲笑されて引き下げられ、死後ようやく絶賛された超有名作もある。『バルザック記念像』という高さ3メートルの像だ。

     1891年、フランス文芸家協会から、『ゴリオ爺さん』などで知られる小説家オノレ・ド・バルザックを顕彰する像の注文を受けたロダンは、バルザックのすべての小説、書簡を何度も丹念に読み込み、バルザックの服の仕立て屋まで探し出して、正確な体の寸法を得るなど徹底調査していった。
     しまいには、まるで自身がバルザック作品の登場人物になったかのようにふるまいながら生活するという命の懸けっぷりで、なんと7年もかけて、裸体から着衣まで、さまざまなポーズ、表情、年齢のものを大量に彫り上げている。
     そうしてようやく「最終形」として仕上がったものをサロンに出品すると……

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     ロダン 『バルザック記念像』(最終作)

    「なにこれ傾いてるやん」
    「ひっくり返るよ。酔っぱらったバルザック?」「雪だるま(笑)」「袋に入ってるよ」「借金取りに叩き起こされてベッドから起き上がる瞬間のバルザックですか(笑)」「眼がなくて怖いんだけど」

     まったく理解されず、嘲笑われた挙句、文芸家協会からは受け取りを拒否され、挙句の果て、代金も支払われないという結果に。
     なんとも気の毒な話だが、ロダン本人は、この作品について、「右後方、台座から20歩離れたところから見よ」と不思議なコメントを残している。そういうわけで、指定の場所から眺めると、こうなる。

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     松岡茂雄「ロダンのバルザック 右側のプロフィルに隠されたファロスの表像」
    (『美術史論集 第7号』,神戸大学美術史研究会,2007)より

     ロ、ロダン・・・!

     おわかりいただけるだろうか。屹立した男性像が、「ナニ」を表現しているのかを。
     正解を書くと、Appleの都合により伏字対応か、削除依頼がくるかもしれない。
     当初傾斜角度は8°だったが、ロダンは「もっとグ~ンとそそり立たなあかんよ~」と、わざわざ12°まで傾けて調整したそうだ。
     バルザックという作家を研究し尽くし、作風と感性を吸い上げた巨匠ロダンが「バルザックの創作の根源とはなにか」を削り出してしまった、という話であった。
    「人が嘲笑い、破壊できないためしつこく笑いものにしたこの作品は、私の全人生の成果であり、私の美学の軸そのものである」 オーギュスト・ロダン
    (1908年、ル・マルタン紙にて)

    ■“ロダンのミューズ”カミーユ・クローデル
     偏執的で鬼気迫る彫刻家ロダンだが、彼の傍らにはこれまた鬼のように凄まじい才能を持つ女性が常に一緒にいた。

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     美貌の彫刻家カミーユ・クローデルである。