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  • マクガイヤーチャンネル 第102号 【手塚治虫版『やれたかも委員会』】

    2017-01-16 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、前回の放送のまとめというか、『紙の砦』と『すきっ腹のブルース』について改めて語らせて下さい。
    ●『紙の砦』について
    1989年に手塚治虫が亡くなった時、色んな人が色んな媒体でお悔やみの言葉を書きました。
    COMIC BOXの手塚追悼号にて宮崎駿がアニメ制作者としてダンピングを始めた手塚治虫を批判したことは有名な話ですが、自分の記憶に強烈に残っているのは週刊少年ジャンプの最終頁、作家投稿欄です。
    「『ブラックジャック』が好きでした!」とか「『アトム』が心に残っています」とかいったコメントは少数派で、ほとんどが『紙の砦』の名前を挙げていたのです。
    当時中学生だった自分は父親の影響で手塚作品の大半を読んでいて、『紙の砦』もその続編である『すきっ腹のブルース』も既に読了済みでしたが、「普通に面白い」以上の感想を持っていませんでした。何故ジャンプの錚々たる漫画家たちが『火の鳥』でも『ジャングル大帝』でもなく『紙の砦』を挙げるのか不思議でした。
    しかし、その後自分もそれなりに自分の文章なり「作品」なりを作るようになってきて、ようやく意味が分かってくるようになりました。『紙の砦』は手塚にとって創作の原点を打ち明ける話だったのです。
    『紙の砦』の舞台は太平洋戦争末期の大阪、主人公は中学生で、「大寒哲郎(おおさむてつろう)」という名前です。絵柄も、名前も、どこからどうみても手塚治虫本人と思ってくれて構わないという意思表示ですね。
    主人公は、戦時下でもとにかく漫画を描くことばかり考えています。出版統制令下でも漫画、防空壕掘りしていても漫画、軍需工場で勤労動員されてもトイレを偽って抜け出し漫画、空襲警報が鳴って皆が防空壕に入っても「こりゃ静かでいいや」と描き続けます。
    そんな哲郎は宝塚音楽学校に通うヒロイン岡本京子に出会います。見目麗しい京子ちゃんに一発で惚れてしまいます。