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記事 2件
  • マクガイヤーチャンネル 第183号 【ここがヘンだよ『未来のミライ』】

    2018-08-08 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、ニコ生の補講とまとめというか、『未来のミライ』について改めて書かせて下さい。
    ●細田守の理想とする「映画」とは?
    2012年、「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」に出演した細田守は、自身が影響を受けた80年代映画として以下の5作品を挙げていました。
    ・『台風クラブ』
    ・『雪の断章 情熱』
    ・『ときめきに死す』
    ・『マルサの女』
    ・『となりのトトロ』
    『台風クラブ』、『雪の断章 -情熱』、『ときめきに死す』はいずれも、アイドル映画やサスペンス映画のふりをした、まごうことなきカルト映画です。相米慎二作品は長回しにより、芝居ともアドリブとも、現実とも虚構ともつかぬ情念に満ちた演技を役者から引き出す演出が有名で、結果として役者が虚構を前提とした芝居をすることから「相米慎二作品は本質的にミュージカル」と言われたりするのですが、この時期の森田芳光もフィックス(すなわち同ポジ)の長まわしで同じようなことをやっていたのでした。
  • マクガイヤーチャンネル 第26号 【2015夏映画ガイド その2】

    2015-08-03 07:00  
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    さて、前回の続き、今年の夏映画鑑賞ガイドです。
    ちなみに星は五つで満点になっております。
    『リアル鬼ごっこ』
    園子温の映画の特徴として、 観客をあっと言わせるエログロと、少年のようなイノセンスの同居があります。 一見相反するもののように見えるその二つは、「世間」や「良識」への反発として園子温の中では密接に繋がっているのでしょう。
    今夏は『新宿スワン』『ラブ&ピース』そして『リアル鬼ごっこ』と、園子温映画が三作連続公開されるという信じられない年になりました。ポレポレ東中野でしか園子温映画が観られなかった時期を思い出すと、本当に信じられません。
    ただ、『新宿スワン』と『ラブ&ピース』は園子温のエログロというよりもイノセンスが目立つ映画でした。もしかすると園子温は良い意味でも悪い意味でもこのまま第二の三池崇史化するのかな……などと思っていたのですが、『リアル鬼ごっこ』には『自殺サークル』の頃の園子温に戻ったかのようなエログロさがありました。