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記事 3件
  • マクガイヤーチャンネル 第110号 【科学で映画を楽しむ法 第3回「『静かなる決闘』と梅毒 その3」】

    2017-03-13 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第3回「『静かなる決闘』と梅毒」の最終回になります。
    ●恭二の慟哭
    恭二にとっての梅毒――本作にとっての梅毒が、いったいどんな意味を持っているのか、
    「医者だって人間でしょう?」
    と更に尋ねる峰岸に対して、恭二は慟哭します。
    「あの人が他のものになってしまった今日、おそらく何もかも諦めることができると思ってたんだが……駄目だ!」
    (中略)
    「考えてみりゃ、僕の欲望なんて奴は、かわいそうな奴さ。
    戦争が始まる前は若い潔癖な感情で、ただぎゅうぎゅう押えつけていた。
    戦争中は、帰りさえすれば平和な結婚が待っている、美佐雄さんが待っててくれてるって、言い聞かせながら押えつけていた。
    ところがある日、僕の体は、破廉恥な男の汚れた血液のために、なんの享楽もなく汚されてしまった」
  • マクガイヤーチャンネル 第109号 【科学で映画を楽しむ法 第3回「『静かなる決闘』と梅毒 その2」】

    2017-03-06 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第3回「『静かなる決闘』と梅毒」の続きになります。
    ●黒澤映画と女
    黒澤明といえば、「女を描くのが不得意」などと言われた時期がありました。黒澤の過去作を観るのが難しかった時代です。
    しかし、『我が青春に悔いなし』の原節子や、『素晴らしき日曜日』の中北千枝子などをみると、そんなことは全くないというのが分かります。この原節子も中北千枝子も、ヒロインとして魅力たっぷりです(中北千枝子は原節子ほど美人じゃないのに!)。黒澤の女優に対する恋というか、「萌え」を感じます。
    黒澤明が女性を描かないようになった理由はおそらく、三船敏郎に出会ったからです。『酔いどれ天使』も『野良犬』も『用心棒』も『七人の侍』も、闇市を野良犬のように彷徨したり包丁を投げナイフのように投げたり半ケツで刀を振るったりする三船敏郎無しでは成立しませんし、志村喬演じる年長者に自分を仮託しつつ、三船に対する恋ごころのようなもの――「萌え」をどの作品にも感じてしまいます。
  • マクガイヤーチャンネル 第107号 【科学で映画を楽しむ法 第3回「『静かなる決闘』と梅毒 その1」】

    2017-02-20 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、久しぶりな「科学で映画を楽しむ法」第3回として『静かなる決闘』について書かせて下さい。
    ●はじめに
    『静かなる決闘』は世界の黒澤明が1949年、約70年前にに監督した作品です。黒澤にとって8本目の劇場用長編映画であり、三船敏郎を主演に迎えた2本目の映画です。
    主人公は医者なのですが、軍医として参加していた戦時中、手術中の事故で梅毒に感染してしまいます。戦後も梅毒は治らず、婚約者に梅毒感染も結婚も申し出ることができず、思い悩む……というのが基本的なストーリーです。
    古い映画なのでご存知無い方もいるかもしれませんが、この映画、ある時期までの感染症、それも梅毒を描いた映画として実に正しい描写に溢れているのですよ。