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記事 25件
  • 【第217号】藤子不二雄Ⓐと弁当

    2019-04-17 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、藤子不二雄Ⓐと弁当について書かせて下さい。
    ●『恐妻カズヨ氏の元気弁当』
    昨年末、藤子不二雄Ⓐによる語りおろしエッセイ『恐妻カズヨ氏の元気弁当』が編集作業中であることがアナウンスされました。
    本ブロマガをお読みになっている人にとっては常識だと思いますが、Ⓐは肉と魚が食べられません。ヴィーガンのような宗教的・思想的理由からではなく、実家がお寺で幼いころから精進料理ばかり食べていたため、肉や魚を食べない習慣が身についてしまったのです(だから、卵や牛乳は食べるそうです)。つまりⒶは偏食です。
  • 【第209号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その14 『憂夢』 その2

    2019-02-20 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、引き続き藤子不二雄Ⓐの『憂夢』について紹介させて下さい。これまで書いてきた藤子不二雄Ⓐ作品解説の最終回になります。
    ●テーマとしての「夢」
    Ⓐ作品に共通するテーマとして「現実との折り合い」があります。
    自分の中にある幻想や妄想や夢に象徴される箱庭のような内的世界を大事にする――これはFとⒶに共通する特徴なのですが、F作品が内的世界での冒険や友情に終始するのに対し、Ⓐ作品は必ず「内的世界を抱える主人公と、辛く厳しい現実」、「まるで子宮のような内的ユートピア世界に耽溺し、破滅してしまう主人公」、「ナイーブな主人公が変身や成熟で現実の困難に立ち向かう」……といったように、内的世界と現実との折り合いがテーマとして内包されているのです。
  • 【第208号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その14 『憂夢』 その1

    2019-02-13 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、藤子不二雄Ⓐの『憂夢』について紹介させて下さい。これまで書いてきた藤子不二雄Ⓐ作品解説の最終回になります。
    ●『憂夢』とは
    『魔太郎が来る!!』の解説でも触れましたが、いま一度紹介させて下さい。
    『憂夢』は1991~95年にビッグコミックオリジナルに連載されていた連作短編です。
  • 【第206号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その13 『まんが道』その4

    2019-01-30 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、前回に引き続き藤子不二雄Ⓐの『まんが道』について書かせて下さい。
    ●『愛…しりそめし頃に…』でⒶが描きたかったものとは?
    しかし、「春雷編」までの『まんが道』では不十分だということを理解していたのは、誰よりもⒶ自身であったのかもしれません。
    そんなことを考えてしまうのは、「愛しり編」がそれまでの『まんが道』とは若干異なる雰囲気を持っているからです。成長するということは、青年がオトナになるということです。『まんが道』にふさわしい形で、満賀が女性を知ってオトナに近づくと共に、それまであまり描かれなかった人生の暗黒面を描いていこうというねらいが、そこかしこに垣間見えるからです。
    まず、満賀と才野のキャラクターデザインが大幅に変更されました。全体的に頭身が上がっているのですが、イガグリ坊主ではなく、それなりに髪が伸びた満賀は「愛…」のタイトル通り、これまでの『まんが道』に比べて恋愛もこなせそうです。才野は目が黒点化しました。これは漫画表現的に内面を窺えないキャラであることを意味し、脇役に回ったことがデザインでも示されます。
  • 【第205号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その13 『まんが道』その3

    2019-01-23 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、前回に引き続き藤子不二雄Ⓐの『まんが道』について書かせて下さい。
    ●満賀にとっての「敵」とは誰か?
    また、本作の特徴の一つして、「悪人がほとんど出てこない」という点が挙げられます。
    Ⓐが描く大人向け漫画には珍しく、本作に出てくる大人は、全員善人です。しかも、善人であるばかりか、満賀と才野が漫画家になろうとするのを応援します。
  • 【第204号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その13 『まんが道』その2

    2019-01-16 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、前々々回に引き続き藤子不二雄Ⓐの『まんが道』について書かせて下さい。
    ●原型としての「あすなろ編」
    いま『まんが道』を読んで感じるのは、「あすなろ編」の完成度の高さです。
    たとえば「あすなろ編」の前半では、主人公である満賀が、同級生にも関わらず自分よりも大きな才能、高いプロ意識を持ち、努力に励んでいる才野に打ちのめされるというエピソードが、一つのパターンとして繰り返されます。
  • 【第201号】藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その13 『まんが道』その1

    2018-12-26 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、藤子不二雄Ⓐの『まんが道』について書かせて下さい。
    ●『まんが道』とは
    「童貞」と「映画」を共通点として藤子不二雄Ⓐの作品について語る本シリーズですが、いよいよ『まんが道』について語る回になりました。
    いわゆる「漫画家漫画」というジャンルがあります。漫画家を目指す過程や道程をテーマとした漫画のことです。『かくかくしかじか』『そしてボクは外道マンになる』や『激マン!』のようなフィクションが多分に混じったノンフィクション、『燃えよペン』や『Rin』や『バクマン。』のような明らかにフィクションですが漫画家の「真実」が含まれている作品まで、多岐にわたります。
    そして、どの作品もヒットすると「女性版『まんが道』」とか「21世紀の『まんが道』?」とかいったコピーが電車内広告や単行本の帯に踊ることとなります。『まんが道』以前にも、永島慎二の『漫画家残酷物語』や川崎のぼるの『男の条件』といった「漫画家漫画」が存在していたにも関わらず、です。
    つまり現在、『まんが道』は「漫画家漫画」のマスターピースであり、ジャンルの原点であり、名作として評価されているのです。
    ●「藤子不二雄」にとっての長編・大河ドラマ
    Ⓐにとっての『まんが道』は、様々な意味で特別な作品です。
  • マクガイヤーチャンネル 第199号 【藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その12 「『劇画 毛沢東伝』から『プロジェクトPOS』まで――Ⓐのドキュメンタリータッチ作品群】

    2018-12-12 07:00  
    さて、今回のブロマガですが、ちょっと趣向を変えて、藤子不二雄Ⓐが描いてきたドキュメンタリータッチの作品群について紹介させて下さい。
    ●Ⓐによるドキュメンタリータッチ
    『シルバークロス』の回で少し触れましたが、Ⓐには「ドキュメンタリータッチ」とでも呼ぶべき作風の作品群があります。また、そのような作風を様々な作品で部分的に使っています。
    最初にこれが用いられたのは『シルバークロス』の冒頭です。「悪の組織」である、スケルトン帝国の説明が、ナレーションと印象的な画が組み合わさったコマ割りを徹底し、ニュース映像を模した形式で行われるのです。この部分が描かれたのは1960~63年の連載時ではなく、後年になって単行本にまとまる際に描き足された可能性もあるのですが、キャリアの早い段階からこのような作風を部分的に取り入れていたわけです。
  • マクガイヤーチャンネル 第198号 【藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その11 『少年時代』その2】

    2018-12-05 07:00  
    さて、今回のブロマガですが、先々週に引き続き藤子不二雄Ⓐの『少年時代』について書かせて下さい。
    ●『少年時代』と当時の少年漫画誌
    当時の「マガジン」は、『釣りキチ三平』や『おれは鉄兵』が人気を博していたものの、発行部数で「ジャンプ」はおろか「サンデー」や「チャンピオン」に負ける長い低迷の時期にありました。60年代後半~70年代前半にヒットし、部数を押し上げる要因となった『巨人の星』や『あしたのジョー』といったスポ根マンガに代わるヒット作を見出せなかったのです。
    『少年時代』が連載されたのと同じ78年には、『翔んだカップル』『1・2の三四郎』などの連載がはじまり、これらが少年漫画誌界において「マガジン」が復権するきっかけとなります。
    一方、当時のジャンプは『東大一直線』『すすめ!!パイレーツ』『ドーベルマン刑事』『リングにかけろ』などがヒットし、公称発行部数が200万部を突破しました。少年漫画誌のトップランナーの位置を確固としたものにしていたわけです。現在も描き継がれる『キン肉マン』の連載がはじまるのは翌1979年だったりします。
  • マクガイヤーチャンネル 第196号 【藤子不二雄Ⓐと映画と童貞 その11 『少年時代』その1】

    2018-11-21 07:00  
    さて、今回のブロマガですが、藤子不二雄Ⓐの『少年時代』について書かせて下さい。
    ●『少年時代』とは当時の少年漫画
    「藤子不二雄Ⓐと映画と童貞」というタイトルの本連載ですが、『少年時代』を外すわけにはいきません。
    『少年時代』は78年の夏から79年までの一年間「週間少年マガジン」に連載された作品なのですが、『少年時代』は作家 柏原兵三の自伝的小説『長い道』を漫画化したものです。そして、『少年時代』はⒶ作品の中では珍しく実写映画化されました。それも、Ⓐ自らがプロデューサーとなって。
    舞台は太平洋戦争の末期、昭和19年の夏、主人公は小学5年生の風間進一です。東京から富山へ縁故疎開した進一は、進藤武(通称タケシ)という少年と親友になります。タケシは級長であり、番長であり、同級生の中でリーダーを通り越して権力者的存在でした。放課後、二人だけの時は親切に接してくれるのですが、学校や他の同級生がいる前では新一に対し常に冷たい態度で接します。やがてタケシに対してクーデターが起きるのですが……というのが『少年時代』のあらすじです。
    このあらすじは原作小説『長い道』、漫画『少年時代』、映画『少年時代』の三作品で共通しています。