5日、TPPについて、米アトランタ閣僚会議で合意された。
その本質的な怖さが国民の間でほとんど、認識されないままの合意である。
TPPは単なる関税交渉ではない。
経済の在り様を、「企業の利益確保が全て」というシステムにするものである。
そのかなめにISD条項(「投資家対国家間の紛争解決条項」)がある。
昨日ある大学で講義した。約200名位が聞いた。「ISD条項を知っているか()と問うたが誰も手をあげる人はいなかった。ISD条項により、間違いなく国家主権を相当程度多国籍企業に譲り渡す。それを承知で、それを国民に隠して、国は合意した。大手マスコミはそれを承知で、報道してこなかった。国家的犯罪とすら言える。
この問題には様々な解説がなしうるが、エリザベス・ワレンの記事が参考になるので、掲載する。これは本ブログで紹介したものの、再掲載である。
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今日の講義でこのブログ使わせて頂きます。しかし、あれよあれよという間に、とんでもない事態になりました。
軍事日米同盟「安保」条約に対し、憲法、法律の効力が及ばない。同じように、経済面にあっては、TPP締結国間にあって企業の利益確保が優先し、国の法律による公共性確保も及ばない。
商品に対する「目」を養わないと、長い間には「知らず知らず」が災いし、健康がむしばまれていくことが予想される。安全が確保された商品は、おのずから価格が高く一般庶民が口にできなくなってしまう。他の商品も同じであり、医療面では命の格差が大きくなり、貧困格差がそのまま医療格差に直結してしまう。貧困者が増えていき貧困者が富者階級に上がるためには限られた才能あるものに限定されることになってしまう。能力があるものは能力がますます発揮できるが、能力のないものは切り捨てられていくシステムであり、社会不安が蔓延し、あちこちで紛争が起き、紛争を商売とするシステムが正当化される条約ということもできる。
知らされていない事が大きな交渉の裏にあるのですね。ただこの記事は米国の立場から書かれているので米国の主導権が失われると言う事に最大の視点が置かれている。ケースバイケースという事もあるように思えるが・・・。多国籍企業のみの利益になるとは限らないのではとも思える。さしたる根拠があって言っているのではないが・・・。
大昔、地中海を挟んでローマ帝国が成立し、崩壊した。しかし、この帝国はかなり続いた。
今、太平洋を挟んでアメリカ帝国が成立しようとしている。この帝国は成立してもあっという間に崩壊する。そして大きな後遺症を残すだろう。その理由は下記の通り。
1.タックス・ヘイブンの存在は残る。資本は税を逃れ、その大番頭も脱税する。資本はマフィアと同じになる。
2.労働者がアメリカ帝国に対峙する形で組織化され、同盟罷業を行うことになる。その力はアルカイダやISの力の比ではない。そして、帝国全体にアナーキーが蔓延る。
3.ドルと円の際限なきアベック印刷でハイパーインフレが起こる。
4.世界がアメリカ帝国、ロシア・中国のユーラシア、ヨーロッパ、南米大西洋岸、アフリカ、中東、その他アジアに政治経済的に分かれる。人道、福祉、弱者救済の理念を排除するアメリカ帝国は説得力を失い、孤立する。
そんなわけで、日本の民衆は批准阻止に向けて新たなる抵抗を展開せねばならない。安保法制、辺野古は安倍を倒せば何とか見通せるが、このTPP批准阻止には議員を入れ替えるぐらいの力が欠かせない。大変だがやるしかない。
ISD条項で日本の国や都道府県が訴えられても、政府とマスゴミは完全に隠蔽しようとするだろう。そして勝手に税金から巨額の賠償金がしはらわれることにも。
現存する国際仲裁裁判所の所業を今からウオッチしていくことが必要ではないか。
ISD条項については、以前から孫崎氏が警告を発しておられ、TPPに反対する論客も問題視しているが、メデイアでは全く取り上げられていない。これ程の重大な問題が何故とり上げられないのか、不思議でならない。
「TPP閣僚級討議が大筋合意を迎え世界のGDP4割の自由貿易圏へ」などというニュースが巷に流れているようです。
閣僚級というと正に国と国がそれぞれの国益を賭けて丁々発止とやっているように思いますよね。
でも、条約を作っているのは各業界の大企業の利益担当者達で、条約成立後5年間は内容も公開されないんです。
多国籍企業にとっての正義は金儲けですから、自分の儲けの邪魔をする各国の法律は邪魔、
企業活動の妨げになる物は全て排除すべき対象になります。
反面、国境は税務署の追求を逃れる事が出来るので、とっても都合良い物ともなっています。
企業活動によって得た莫大な利益は世界中を飛び回り静かにタックスヘイブンに消えていき、法人税として国に納められることはないわけです。
タックスヘイブンで有名なケイマン諸島のお得意さん世界第2位は日本だそうですからTPP交渉で頑張っているのは日本の経団連もアメリカと呉越同舟の側面も有るかもしれません。
ここで見えてくる図式は、TPPが国と国との交渉なのではなく多国籍企業が国境を越え、環境や健康の為の規制に縛られることなく自由な企業活動が出来るようにするための物だと言うことです。
国際仲裁裁判所の裁定は
「訴えた企業が得られるべき利益を得られたかどうか」
が判断基準になるので、規制の理由は考慮の対象外、上告はなしw
各国政府は莫大な訴訟を恐れ大甘な規制にするか、企業の言いなりになって規制をしなくなる。
TPPは企業のための条約なのですから(国民の代表者なんて一人も条約作成の場にいない)多くの国民にとって有益な条約になる訳がありません。
甘利大臣が何時間交渉の場にいようが何の意味もないのですが、さも自国のためにヘヴィな交渉をしたかのような報道がなされています。所謂アリバイ作りと言うやつですかねw
今の自民党政府は少なくとも国民第一という政策ではないようですね。
「大本営発表」を毎日聞く歴史の証人になる日がくるとはねえ。
公共放送を名乗っているNHKが、どれほど悪いか、、、、、、。
NHKが、憲法9条の原文を、tppの内容を、その他色々小沢一郎の時のように、テレビを見る人に皆知れ渡るように報道したら日本は激変するでしょう。そのためには、総理大臣、nhk会長,nhk経営委員会を入れ替えねばいけません。