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【無料公開】田中良紹:憲法改正の政治術
2013-04-09 07:16
スティーブン・スピルバーグ監督のハリウッド映画「リンカーン」を観た。スピルバーグが作る映画と言えば娯楽性の高い作品を想像するが、これは奴隷制を廃止する憲法改正が成立するまでの28日間の議会審議に焦点を当てた政治映画である。政治のリアリズムに関心がある方には面白いだろうが、政治を理想化して考えるタイプの人間には退屈かもしれない。映画ではリンカーンを理想化するために語られてきた幼少時代の丸太小屋生活も、リンカーンが大統領に就任した事で始まった南北戦争も、南軍が支配する地域の奴隷解放を命じた奴隷解放宣言も、「人民の人民による人民のための政治」で有名なゲティスバーグの演説もほとんど出てこない。描かれているのは奴隷制を廃止する憲法修正第13条を成立させるため議会で駆け引きを繰り返すリンカーンの政治術と、政治に没頭するリンカーンへの不満からヒステリーを起こす妻や父親に反抗する息子などとの苦悩に満ちた
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