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【結城登美雄の食の歳時記#40】八十八の手間をかけたコメ作り(農家の夏編・その1)

「朝は朝星、夜は夜星」と昔から言うように、夏の農作業はまだ星が残る夜明け前から始まって、星が出る日暮れまで精を出すような重労働です。農家の平均年齢も上がって、高齢者農業となっている今、夏の農家の作業について、思いを馳せてみましょう。※会員(月額540円)の方は全文購読できます。非会員の方は有料記事(108pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別記事を購読する場合は、ニコニコ動画にログイン後、ニコニコポイント108ptにて購入し御覧ください。ニコニコポイントは500円から購入可)*   *   *   *   * 【結城登美雄の食の歳時記#40】八十八の手間をかけたコメ作り(農家の夏編・その1) じゃがいも、トマト、キュウリ、とうもろこしと、夏の野菜が収穫の最盛期になって、農家の皆さんは毎日汗だくになって作業をしているのではないかと思います。今週はそうした食べ物を育ててくれている農家の夏の作業はどんなものか、普段私たちが食卓にいるとなかなか浮かんでこない食べ物を作ってくれている人たちの姿。この農家と食卓の距離が縮まっていけないいなという意味を込めて、農家の夏のお話をします。 田んぼ仕事。長雨が続いたかなと思うと、いきなり暑い日がやってきたり、かと思うと低温続きの日が多かったり、今年に限ったことではありませんが、農作業は毎年のことですが毎日違う天候との闘いなんですね。長雨は野菜に病害虫を発生させたり、虫が食べると商品にならないので、農家の人はとても気を使っています。暑ければ、暑さに弱い葉物などには日傘をさすように遮光ネットをかけたり、作物づくりというのは、どこか子育てに似ているなと思います。 さらに夏は雑草の勢いがましますよね。取っても取っても、次々に雑草は伸びてきます。私も息子がやっている農業の畑を手伝いっています。本当に疲れます。取っても取っても取りきりません。農業は雑草との根比べだなと、つくづく思います。でもそうした作業のかいあって、野菜ができたときは格別なんです。何がともあれ、自分で育てたトマトやキュウリをガブリと食べればとても美味しくて、ああ農業をやっていて良かったなと、これが農家の特権だなと実感します。 しかし、いざ出荷して、値段はどのくらいかと期待していると、これがまったく、嫌になるほど安いんですよね。農家の人はいっつもそんな思いを抱いてるのではないでしょうか。あんなに苦労したのに、お店の値段表がときどき恨めしくもなります。それでもめげないのが農家の強さ。夏の作業は炎天下をさけて、いつもより早く4、5時に起きて、作業をして暑いお昼には昼寝をたっぷりして、また夕暮れまでめいっぱい仕事をする。体力も気力も消耗する夏は怪我も多いです。そんな中でも夏祭り、お盆など、帰ってくる子どもや孫のための準備もする。この時期の農家の作業は大変だと思います。 夏の田んぼ作業といえば、何と言っても「けいはん」。畦の草刈りのことです。これが一番大事ですよね。この時期にしっかりと畦の草刈りをしておかないと、草のあるところにカメムシが発生して、大切なお米に黒い斑点がついてしまいます。これがつくと、規格外になってしまったり、値段が安くなってしまいます。この畦の草刈り、遅くとも穂が出てくる出穂(しゅっすい)日の10日前には、畦の草刈りをしておかないといけなんだそうです。それが遅れると、後から刈ってしまうとかえってそこにいたカメムシなどを田んぼに追い込んでしまうので、逆効果になってしまう。どんなに忙しくても、他の仕事があってもこの時期の畦刈りだけはしっかりとしなきゃいけない。農家のみなさんの健康と時間を見計らって、草刈りをする姿があちこちでみかけます。 さらに田んぼの中にはヒエなどの雑草もはえてくるんですね。その草取りは、もう薬ではできませんから、田んぼの中に入って腰をかがめて、ヒエを抜いている方もいるのではないでしょうか。どうも世間では「無農薬米がいい」とかいろいろ言いますけれども、そういうお米にするためには、大変な手作業がかかります。お米の値段が年々下がる一方で、消費者のお米の安全性への要求はかえって上がっていますね。その間で、農家の方のがんばりが続いているというのが今の季節です。 もう1つ農家の方が神経を使う農作業があります。それは、水の管理です。(ここまで1,631文字/1,903文字中) 

【結城登美雄の食の歳時記#40】八十八の手間をかけたコメ作り(農家の夏編・その1)

【結城登美雄の食の歳時記#38】食べる側の心得「功の多少を計り、彼の来所を図る」(禅と食編・その4)

その3までは、作る側の心得に触れてきました。続いて、食事を食べる側の心得を紹介します。※会員(月額540円)の方は全文購読できます。非会員の方は有料記事(108pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別記事を購読する場合は、ニコニコ動画にログイン後、ニコニコポイント108ptにて購入し御覧ください。ニコニコポイントは500円から購入可)*   *   *   *   * 【結城登美雄の食の歳時記#38】食べる側の心得「功の多少を計り、彼の来所を図る」(禅と食編・その4) 日本料理や家庭料理のルーツとも言える、精進料理を追い求めた道元禅師の考え方や、食べ物の作り手の心得を書いた「典座教訓」についておはなししてきました。道元さんは作り手だけではなく、それを食べる側にも作法を問いかけています。作る心と食べる心が向かい合ったとき食はすなわち禅、仏の心に出会える。そんな願いが込められているようです。そんな食べ物の心得を説いたのが「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」です。私たちが日常の中で食事をとるとき手を合わせて「いただきます」といって箸をとってご飯やおかずや汁物をいただく。その食べ方のありよう。食べ終われば再び合掌して「ごちそうさま」といって箸をおく。この作法も道元さんをはじめとする禅宗の影響が色濃いのです。 祝い事の「ハレの日」の食事。あるいは法事などの食事はもちろん、食生活の隅々にまで精進料理の影響があります。赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)は(ここまで387文字/1,225文字中) 

【結城登美雄の食の歳時記#38】食べる側の心得「功の多少を計り、彼の来所を図る」(禅と食編・その4)

【結城登美雄の食の歳時記#36】老僧との出会い(禅と食編・その2)

日本食文化とその礼儀作法の原点をつくったともいえる道元禅師。「食=すなわち禅なり」の境地は、ある中国の老僧との出会いにあったようです。※会員(月額540円)の方は全文購読できます。非会員の方は有料記事(100pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別記事を購読する場合は、ニコニコ動画にログイン後、ニコニコポイント100ptにて購入し御覧ください。ニコニコポイントは500円から購入可)*   *   *   *   * 【結城登美雄の食の歳時記#36】老僧との出会い(禅と食編・その2) 曹洞宗の開祖、道元禅師については、歴史の本、あるいは『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』などで知っている方も多いと思います。日本人の食を徹底して突き詰めた、最初の哲学者ではないかと思っています。 道元さんは24歳のとき、今から約800年くらい前でしょうか、中国の宗に留学して修行を積み、修行のなかで『典座教訓(てんぞきょうくん)』と『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』という書物を表しました。「典祖」というのは(ここまで201文字/1,676文字中) 

【結城登美雄の食の歳時記#36】老僧との出会い(禅と食編・その2)
THE JOURNAL

2008年9月に創設され、月間数百万ページビューを出してきた独立系メディア《THE JOURNAL》が「ニコニコ」で再出発!テキストと映像、音声を駆使した情報をお届けします。

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THE JOURNAL編集部

活動フィールドを政治、社会、国際から地域、農林漁業にまで広げて日々奮闘中。著書に『震災以降 東日本大震災レポート』(三一書房)、『自由報道協会が追った3.11』(共著・扶桑社)ほか。

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