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市場潮流

2014-02-23 12:21
    今週の東京株式相場は、日銀の追加緩和期待の再燃、中国の景気減速懸念の再燃といった強弱様々な材料に翻弄される動きとなっています。と言いますのも、従 来ですと、金曜日の大引けを確認してから当コラムの執筆に着手するのですが、本日は都合により、早めに書き始めております。

     14年の世界経済の展望として、「米国など主要先進国中心の景気回復、新興国の景気減速」をこれまで繰り返し申し上げてきました。

     新興国の景気は既に減速局面に入っており、このことが改めて株式相場の悪材料になるとは考えておりません。「円安になりながら、日本の輸出が伸びない」 との論議がなされますが、輸出数量が伸びているのは米国向けくらいであり、アジアをはじめその他の地域向けは伸びておりません。日本の電機・精密機器など の競争力が衰退していることも事実ですが、輸出先である新興国などの景気伸び悩みの影響も大きいと考えます。

     中国のシャドーバンキング問題も国際金融資本市場を揺るがす問題になろうとは思いません。こうした金融システム問題が悪化・波及するのは、民主主義を標 榜する国家では初動の段階で思い切った対策を講じるのが難しいからです。必ずモラル・ハザードの問題が生じ、抜本的対策についてのコンセンサスを得るまで に時間がかかり、その間に事態は悪化します。中国はこうしたコンセンサス形成とは無縁の国です。恐らく政府が強権を発動することで、事態を収拾することに なるものと予想します。問題はこうしたことを繰り返すことによって体制内の矛盾が蓄積され、長い目で見た場合に共産党一党独裁が揺らぐことでしょう。

     米国の景気は足元、厳しい寒波の影響を受けた経済指標の発表が相次ぐため、当面強弱感が対立するものの、歳出強制削減の影響が薄れることで、個人消費を中心とする民間部門の主導による景気拡大が再び鮮明化するものと予想します。
     米国の景気拡大は、欧州、中国はじめ新興国の景気にも好影響をもたらします。国内景気は消費増税の影響で一時的に落ち込むものの、設備投資の回復に加え て、海外景気の回復に伴う輸出の増勢などを背景に立ち直るものと考えます。国内企業業績も、今年度は大幅な増益は確実ですが、来年度も主要国では最も高い 増益率を維持しそうです。
     シティグループ証券によれば、来14年度の1株利益の増加率見通しは、日本が18%に対して欧州が10%、米国が7%となっています。足元、日本株がもたつくような局面は押し目買いのチャンスと考えます。

    (水島寒月)

    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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