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記事 4件
  • 長期投資の入門 第4回 拡大再生産の背景

    2022-08-23 20:26  

    【拡大再生産の背景 資本の成長率の方が人件費の増加率よりも高い】 ここからは、企業がよい投資先がある状況を仮定し、利益の拡大再生産ができると仮定します。競争も厳しくなく、収益性の指標であるROEが長期に維持できると仮定します。 すると一株当たりの純資産であるBPSの成長率はROE×(1-配当性向)となります。ROEの水準の高さと配当性向の低さで複利効果が期待できるわけです。拡大再生産ができるという前提ですから。 一般に、ROEは配当利回りよりもずっと高いものです。 また所得の伸び率よりも企業の資本の伸び率の方が高いとトマ・ピケティは著書「21世紀の資本」(みすず書房2014年出版)で示しました。 資本収益率(=r)が経済成長率(=g)よりも高いという不等式が話題になった本でした。(r>g) アマゾンリンク ⇒ https://amzn.to/3KhJjvX ピケティの主張は至極当然のこと
  • 理不尽なバリュー株の急落

    2017-11-22 01:32  

     あなたは成長株指向ですかそれともバリュー株を指向されていますか?  先日開催された炎のセミナーでもこの2つの投資スタンスを問いかけさせて頂きましたが、多くの投資家にとってどちらを指向するにしても企業内容の吟味が必要なことは言うまでもありません。  PER、ROE、業績の伸び、経営者の成長への取り組み姿勢、リスクの把握、セクターの位置づけ、先行投資などのキイワードは成長株投資を指向する投資家にとっては、注目したいポイントです。  成長株投資では変動リスクもありますがキャピタルゲインを得る機会が多く、株式投資の醍醐味が味わえるものと思います。  一方でバリュー株投資ではPBRや配当利回り、配当性向、ROE、保有現預金、有価証券、投資有価証券、有利子負債、時価総額に加え、潜在的な成長企業としての位置づけがチェックポイントになります。  成長株にしろバリュー株にしろ投資家の期待が外れた場合は
  • 市場潮流

    2014-02-13 22:32  
    今週(2月3~7日)の東京株式市場は、前週に続き大幅な下落となり、日経平均株価の下げ幅は452円(3.0%)でした。週末には戻しましたが、一時は1万4000円を割り込む場面もありました。  国内企業の13年4~12月期決算は総じて堅調ですが、新興国経済への不安など海外情勢への懸念が勝る展開となっています。本日は米国の1月の雇用統計 の発表が予定されており、この結果により来週の相場も左右されそうですが、好業績銘柄を個別に物色する展開から、全体も徐々に落ち着きを取り戻すと見込ん でいます。  日経500種平均株価の採用銘柄で、今週上昇率の高かった銘柄をみてみますと、1)JVCケンウッド(6632)、2)ガイシ(5333)、3)エプソン(6724)、4)リコー(7752)、5)三井物(8031)の順となります。  三井物を含む総合商社の3Q決算は総じて順調であり、伊藤忠(8001)、三菱商(80
  • 市場潮流

    2013-12-30 14:02  
    本年最後にお届けする「市場潮流」となりました。  11月半ばから執筆を始めさせていただきましたが、日経平均株価は本日(27日)で8日続伸。年末にかけ国内株式相場は久々に「掉尾の一振(とうびのいっしん)」の様相を呈しています。14年も有益な情報をお届けできま すよう努力してまいります。何卒宜しくお願い致します。  先週も触れましたが、14年1~3月の株式相場の最大の注目ポイントは日銀の追加緩和の時期と考えます。日銀の金融政策決定会合の日程は、1月 (21~22日)、2月(17~18日)、3月(10~11日)、4月(7~8日、30日)、5月(20~21日)となっています。追加緩和の時期に関す るESPフォーキャストによる民間エコノミストの予想は、(1)3月以前、(2)4月、(3)7月の3通りに大別され、構成比は(1)が21%、(2)が 47%、(3)が13%と4月あるいは4月以前とみる向きが有