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記事 12件
  • 大型連休明けで

    2016-05-11 00:26  
    株式相場は大型連休前に急落し、連休の間においても円高の進展もあり大きく値を下げてきました。連休明け後は企業業績の発表が相次ぐことになる中で下値模索ないし下値固めが続くものと考えられます。  というのが一般的な前振りのコメントではありますが、これは日本の投資家が感じることです。外国人投資家、とりわけ欧米の投資家から見た日本株への印象は別のものとなります。  為替相場が円高となってドルベースでの日経平均は円ベースの指数とは異なった印象を持たれているものと見られます。つまり、円ではなくドル評価の日経平均株価は私たちが見ているよりは下げ率は大きくない点に留意しておく必要があります。  また、マザーズ指数に限って言えば、決して弱い動きではなく、ミニ調整後の上値追い期待を指摘した方が良いのかも知れません。  更には業績悪化のユニクロに影響されがちな日経平均をまともに見ると間違いとなります。また日本株の
  • 為替市場動向~欧州QEバブルはいったん終了?~

    2015-05-15 16:42  
    毎年、5月相場は荒れることが多いとされますが、今年きっかけを作ったのは、ドイツの長期金利急反発でした。先進国の債券市場の利回り急騰がリスク要因になりました。  欧州中銀による量的緩和が3月に実施されて以来、ドイツ国債10年物利回りは一本調子で低下。4月20日には史上最低水準の0.073%をつけ、マイナ ス金利までつけるか?と思わせました。その後、底ばいが続いてから、利回り急反発。日本がGW連休に入った28日から始まり、5月に入ると更に利回りは上 げ足を速め、12日には一時0.7%台をつけました。  ドイツ債券市場の急落(利回り上昇)は、米国債市場にも及び、米国債10年物も1.9%台から12日には2.3%台まで上昇。その猛スピードぶりに、量的緩和によって生じた債券バブルの破裂の序章か?と懸念しました。  ドイツ金利急騰(国債売り)、ユーロ買い戻し、と相関して原油価格も反発は、ファンド筋の一連
  • 為替市場動向~ドル高基調は変わらないか?~

    2015-04-02 11:54  
    4月1日、新年度入り、そして、2015年の第1四半期が終了しました。  今年の第1四半期の為替市場で最も顕著だったのは、米ドル高でした。主要通貨の対米ドルパフォーマンスをみると、上昇した通貨数も上昇幅も限定的で、大半の通貨が下落しました。  上昇トップはスイス・フラン(+約1.6%)、その他台湾ドル、インドルピー、香港ドル、中国元がわずかに上昇。下落トップはブラジルレアルの18%、 続いてデンマークローネ、トルコリラ、ユーロ、北欧の主に欧州通貨で下落幅は11%程度。その中で、日本円は昨年末比-0.4%程度の下落幅に過ぎません でした。  世界の殆どの国が、景気浮揚のための更なる金融緩和に進む中、米国は「ゼロ金利から金利を正常化する時期を探る方向にある」ことから、利上げ時期を推測するために、米FRBの出すサインに一番の関心が持たれました。  世界の金融市場に最も影響を与える米国の金融政策の二
  • 為替市場動向~ユーロ安はまだ続く、円安は小休止?~

    2015-01-30 09:14  
    ユーロ安が進んでいます。周知のように、欧州中銀による国債大量購入が発表されました。ドイツの反対や法的な基準もクリアして、本年3月から開始される ことになった量的緩和政策の内容は予想を上回る額に加えて、期限をオープンにしてインフレ目標(2%)を達成するまで続けるとされ、この決定は株式市場で も好感されました。  通貨ユーロは、決定直前の1.16米ドル台前半から下落、今週初26日には1.11割れまでありましたが、このレベルでは下落スピードの調整が入り、直 近では1ユーロ=1.13米ドル台後半まで買い戻されています。ただ、量的緩和という材料のみならず、ユーロを対米ドルでパリティ、1ユーロ=1米ドルま で下落させそうな材料も目立ちます。  ユーロ売りは、欧州中銀政策決定会合が予定されていた22日の前週から拍車がかかっていました。1月15日、日本時間18時半に突然飛び出したスイス中 銀の発表は、市場
  • 為替市場動向~米債市場もドル円相場も方向感不足~

    2014-06-26 14:57  
    サッカー・ワールドカップに注目が集まっているからというわけではないでしょうが、為替相場は低い変動率での推移が続いています。ドル円相場の先月末から 昨日までの動きは、安値101円61銭、高値102円80銭で、取引の殆どが101円90銭台周辺に集まっています。米国の雇用統計、欧州中銀理事会、米 国金融政策決定会合(FOMC)と注目のイベントをこなしてなお、異常に静かな動きです。  外債投資、為替相場を見るうえで、金利動向は重要なポイントです。  米国の金融政策を決定する直近のFOMCは6月17~18日に行われました。今年に入ってから毎月実施されてきた資産購入の100億ドル減額は予想通り でしたが、イエレンFRB議長が米国経済の成長予測を下方修正したことのは少し意外感がありました。イエレン氏は又、資産購入が終わっても相当の期間、政 策金利を低水準に維持する方針とのコメントを述べています。  米国
  • 為替市場動向~出口は?米国FOMCは今夜~

    2013-06-21 14:30  
    注目イベントをこなし、マーケットは少しずつ荒い熱が冷めてきたとの声もあります。  嵐が去った後には、マーケットはどんな風景になるのか。これから育つ種をじっくり探す時期に来ているのかもしれません。  5月の株式下落の嵐は、6月になってドル・円相場を大きく動かしました。5月分の米雇用統計が発表日(7日)を待たずに、100円を割ると、乱高下を繰 り返し、一時94円割れを示現しました。この背景にあるのは、ご存知、「米国の出口戦略」です。時期が早まるという憶測が出れば、株安からリスク回避の円 買い行動に走るというパターンが繰り返されています。  その間、ファンド筋による日本株買い・円売り取引失敗による手仕舞いの噂、米銀大手行にドル高により巨額損失が生じるのではないか、との観測記事など、 連ちゃんで売り材料が出て、黒田バズーカ砲発射日の相場水準をかすり始めたので、中長期でのポジションにも一部手仕舞いが
  • 為替市場動向~ドル高相場~

    2013-05-23 13:53  
    5月も後半に入り、例年言われるsell in Mayはどこのその、株式市場の上昇が続いています。押し目という言葉は死語!?と言いたくなるような相場は、まさに「異次元」。嬉しいけど恐さもあり。とにかく半端じゃない相場が続いています。  一方、為替相場は、調整を挟みつつ、100円の壁突破に時間がかかりましたが、ドル・円相場は米国の雇用情勢の改善をきっかけに久方ぶりの3ケタへ上 昇。あっという間に17日ニューヨーク市場で高値103円台まで急速に円安・ドル高が進みました。今週は、週末の甘利大臣の発言で102円台まで戻ったと は言え、底堅い展開が続いています。5月8日の拙コラムで、為替相場の動きはスローな展開で円安へ進み、その背景は円サイドの問題で円安になるだろう、と コメントしたのですが、スピードと背景についての推測は見事に違っておりました。  さて、このところの為替市場動向の特徴は、ドル高です。
  • 為替市場動向~世界は利下げ&金融緩和ラッシュ~

    2013-05-09 10:25  
    ゴールデンウィーク明け、7日の東京株式市場は一気に1万4000円台乗せ、為替市場ではドル・円相場が99円台に反騰しました。  ゴールデンウィーク前半は、冴えない米国や中国の経済指標を嫌気、米欧の金融政策決定会合や米国の4月の雇用統計といったビッグイベントを控えてマー ケットは調整しました。G20後に100円寸前まで上昇したドル・円相場は、97円割れ寸前まで反落。95円水準までの調整を見る向きもあり、海外市場動 向が気になっていた方も多かったようです。  連休後半に入ると、様相が一変。欧州中銀の利下げ、米国の雇用統計が予想よりも(良過ぎず)良い数字であったことから、中央銀行の金融緩和姿勢を好材料に株式市場は上昇。ニューヨークダウは15000乗せとなり、万々歳となりました。  この間、主な好材料とされたのは、米国FOMC、欧州中銀の利下げ、米国雇用統計です。  まず、4月30日5月1日実施の米
  • 為替市場動向~近くて遠い1ドル100円への道~

    2013-04-25 19:32  
     黒田日銀総裁率いる新体制による異次元金融緩和発表後は、株高円安が一気に進み1ドル=100円乗せか?という場面が何回かありました。その後、咲きそうな花を散らすイベントも続き、97円台~99円台の往ったり来たりが続いています。
     4月12日に米国財務省が議会に提出した半期為替報告には、日本が通貨切り下げや特定水準への誘導を行わないように継続的に「促して」いく、とありました。モスクワG20の共同声明を遵守しているか、監視していくということでしょう。
     米財務省による為替報告書の発表、金価格の暴落、ボストンでの爆破事件、中国経済の減速、欧州経済停滞によるECBの利下げの可能性、米経済指標のバラツキなどリスクオフのドル安円高材料で97円台半ばまで戻す場面がありましたが、ワシントンでのG20で、日本の金融政策が「デフレ脱却目的のみ」で円安誘導ではないことが認められ99円台に戻るきっかけになりました。
  • 為替市場動向~異次元の金融緩和サプライズ、キーワードは2~

    2013-04-11 10:56  
    関東地方では桜の花が吹雪となり、新緑が目の保養になっています。今年の植物の動きは例年よりも早いペース。今年起こる事象、キーワードは「早い」でしょうか。  4月に入り、注目されたのは新体制の日銀政策決定会合でした。新・黒田体制への期待はあったものの、発表されたのは事前予想の次元を見事に裏切る「異次元」。  内容はまさに「リフレ政策」。  市場へのバズーカ砲、強力爆弾投下とも報じられました。  安倍政権の3本の矢の1番目は「異次元」の矢。  政策発表直後の東京市場の反応以上に海外市場でのサプライズは大きく、欧州、米国へ時間帯が移るにしたがって為替市場では円安が進行。発表直前92円台 後半だったドル・円相場は4日のニューヨーク終値96円台前半、その後押し目ほぼ無く、5日の米雇用統計結果がドル売り要因だったにもかかわらずドル高円 安の97円台。  その後、今週に入り、一直線に9日の東京市場で99円