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記事 9件
  • コロナ禍で活発化する自社株買い

    2021-06-16 13:19  

     自社株買いが盛んになってきた。ソフトバンクG(9984)が昨年7月31日から本年7月末まで実施するとした上限1兆円、上限2.4億株の自社株買いに続き、直近では日本郵政(6178)が上限2500億円、上限2.76億株、発行済み株式の6.83%の自社株買いを行った。 筆頭株主の財務大臣(国)が保有する株を引き取ったのだが、株価の水準は2015年の上場時よりもかなり低く時価総額=資本金(3.5兆円)という水準での自社株買いを実施。 利益の還元と資本効率向上を図るという目的が示されているが、株価はソフトバンクGにしろ日本郵政にしろ冴えない展開となっている。 ソフトバンクGの株主数は15万人以上、日本郵政に至っては60万人以上ということもあり、多くの投資家の自社株買いへの関心が高まっていると推察される。 そもそも「自社株買いって何?」と言われる読者も多いかも知れませんが、上場企業が事業運営のため
  • 株主思いの配当政策

    2019-11-26 13:26  
     熊本の山鹿市に本拠を構える注文住宅メーカー、LibWork(1431)の株価上昇が止まらない。 Qボードからマザーズに上場した同社は1000円台から本日は一気に前日比700円高の4430円。出来高も40万株を超えた。時価総額は120億円と言う水準。 私が億の近道の創刊20周年記念セミナーでお話させて頂いたから上がったという訳ではない(内心はそういう風に思ってはいる)が、この背景の一つは経営者の株主思いの対応にあると言っても良い。 20日に岡三証券で開催された株主向けセミナーで同社の瀬口社長は滔々と今後の事業展望を語った。 株主ファースト。四半期配当(9円配当×4)はその表れでもある。更には優待制度の実施。企業の成長を支えてくれる株主思いの施策。 住宅産業なんて成長しないと思う皆さんが多い中で、瀬口社長はIT×住宅でエリアの事業拡大を図り株主の負託に応えようと懸命だ。 目標となる時価総額を
  • 炎の自己主張

    2019-03-20 01:33  
    ~良い自己株買いと悪い自己株買いがある?~  企業活動の結果として生まれる期間利益及びその蓄積である内部留保を何に使うのかは経営者の重要な施策と言えます。  一般的には継続的な成長に向けた先行投資に振り向けるのが常ではあるが、市場の評価が低いと判断される場合は、自ら発行した株式を保有する現預金で買い取り、企業価値を高めることになります。  これを自社株買い、ないし自己株買いと称し多くの上場企業がごく当たり前のように行っています。  赤字続きでキャッシュに乏しい企業はむしろ新たな資金調達に奔走し、もし自己株を保有していれば外部に売却することになり、買うことはないでしょうが、長期間の利益計上でキャッシュフローが潤沢な場合、多くは株主還元の一環として増配するか自社株買いで対応します。  自社株は将来、また市場で売却することも可能で新たな成長に向けたM&A実施の際にも株式交換やキャッシュ化するな
  • 決算発表時のトレード

    2016-04-18 15:30  
    日本株は前日比1000円前後上昇し、反発の週となった。  背景は原油格の安定等により、リスクオンの相場背景から米国株の上昇、為替の円高方向の推移から日本株にも買いが集まった。  特に主力株、外国人持ち株比率が高い銘柄の上昇が目立ったことから、外国人の買い転換が想定される。  背景に4月1週の投資家別売買動向で外国人投資家が14週ぶりに買い越しに転じているため、売り越しのピークアウトによる自律反発も含まれていたと考えている。  米国は1Qの決算発表が始まっているが、日本企業も来週、再来週から本格化する。  今日は場中に発表される決算発表に注目したい。  場中に開示される決算発表は短期売買を主体とする投資家も参入してくるのでボラティリティが大きくなりやすいため、トレードチャンスになると思う。  業績予想との乖離を材料に株価は上下することが多いが、小型株は需給で方向性が決まってしまうこともあるの
  • 自社株買いについて その4

    2016-03-16 00:16  
    昨日のECBの追加緩和は市場予想を大幅に上回ったことで市場は好感し、世界的にリスクオンが進んだ。  しかし、ドラギ総裁の会見で今後のマイナス金利の拡大について後ろ向きの発言が出たことで株価は急落、ユーロがドルに対して急上昇した。  今回のECBの追加緩和の織り込みには1週間程度かかると考えているが、今回のドラギ総裁の発言で緩和の打ち止めが意識されれば、ユーロの上昇、欧州株安が続くことで世界的な株価の調整が進む可能性も頭に入れておきたい。  前回は自社株買いが入っている銘柄の売買タイミングについて記載した。  ・自社株買いによるイレギュラーな買いに対しての空売り  ・自社株買いが入る前に仕込んでいる玉の利食い  上記の理由で自社株買いが入ったのを見て上値を買いつくのは厳禁。  下値で買いを仕込んで自社株買いが入った際に利益を確定するためには自社株買いのパターンを把握することが必要になる。  
  • 自社株買いが救いの道?

    2016-02-23 23:41  
    増配や株主優待策など株主をつなぎとめるための手法を駆使してもなかなか株価の下落は食い止められないという現実があります。  自社の業績を一番良く知る立場にある企業は理不尽な株価下落を横目に、何らかの対応に迫られています。  最大の方法は業績を上げるということに尽きます。また、俗に言う未来の業績を浮上させるための好材料を提供し、同時にIRを積極的にやるというのもその方法のひとつとなります。  株価が長期的に低迷する中で企業として対応し得る方策の一つは自社株買い。  先般ソフトバンク(9984)が発行済み株式数の14.2%にも及ぶ大量の自社株買いを行うとの発表を行い、株価が急騰。米国型の企業運営を行うソフトバンクならではの自社株買いによる株価低迷打開策です。  こうした積極的な対応が他の企業にも広がっていけば、低迷する株式市場は落ち着いてくるのかも知れません。  実は、ソフトバンクに先立って日本
  • 自社株買いについて

    2016-02-22 11:58  
    先週末、ソフトバンクに5000億円の自社株買いが発表された。  発行株数に対して約8%と大きなインパクトとなるため、月曜日はストップ高、火曜日も上昇した。  ToSTNetを用いて市場外取引で終了してしまう場合もあるが、ザラバで購入すると需給に大きなインパクトを与えるため株価が上昇することが多い。  また、ザラバに自社株買いをする際は買い方に特徴があるので特徴を利用してトレードできるため、大きなチャンスである。  自社株買いに定められているルールを把握する上で頭に入れておきたいのは以下の3つ。 1.買い付け価格(寄り前)は指値、前日引けの価格を上回る価格で行われないこと 2.買い付け価格(寄り後)は指値、直前の売買の価格を上回る価格で反復継続して行われないこと、当日の高値を付けてはいけない 3.買い付けの数量は買付日の属する週の直前4週間の一日平均売買高(JPX自己株式取得に関するガイドラ
  • 明るくなる季節

    2016-02-22 11:54  
    冬至から早や2か月が過ぎ、陽も長くなってきました。ご存知の方もいらっしゃると思われますが、季節によって太陽の南中(一日のうちで太陽の高度が最も高い位置となる)時刻が変わります。  例えば東京では2月(今頃)が太陽の南中時刻が一番遅くなる時期です。  11:55前後ですが午前中が最も長く感じられる時期と言えましょうか。つまり冬の寒く暗い季節が過ぎて日の出が早まり、陽が長くなりつつあるこの時期に南中時刻が遅まるのですから「陽が伸びたなぁ~」と感じる訳です。  反対に南中時刻が最も早いのが10月下旬です。東京なら11:30より少し前くらいです。この頃は12月に向けてドンドンと日の入が早くなるのですから、あっという間に陽が傾きそして夕暮れを迎えます。  11月に入ると「随分と陽が暮れるのが早くなったなぁ~」と感じる理由と思います。  投資には関係無いお話しで恐縮ですが、ひょっとしたらメンタルな部分
  • 市場潮流

    2014-02-13 22:32  
    今週(2月3~7日)の東京株式市場は、前週に続き大幅な下落となり、日経平均株価の下げ幅は452円(3.0%)でした。週末には戻しましたが、一時は1万4000円を割り込む場面もありました。  国内企業の13年4~12月期決算は総じて堅調ですが、新興国経済への不安など海外情勢への懸念が勝る展開となっています。本日は米国の1月の雇用統計 の発表が予定されており、この結果により来週の相場も左右されそうですが、好業績銘柄を個別に物色する展開から、全体も徐々に落ち着きを取り戻すと見込ん でいます。  日経500種平均株価の採用銘柄で、今週上昇率の高かった銘柄をみてみますと、1)JVCケンウッド(6632)、2)ガイシ(5333)、3)エプソン(6724)、4)リコー(7752)、5)三井物(8031)の順となります。  三井物を含む総合商社の3Q決算は総じて順調であり、伊藤忠(8001)、三菱商(80