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企業経営者へ、自己株活用のススメ

2015-10-01 11:14
    株価がPER4倍から6倍台に低迷する銘柄、同じくPBRが0.4倍台から0.5倍台に低迷する銘柄などキャッシュリッチなのに評価が著しく低い銘柄が見られます。

     こうした銘柄に投資している投資家からはため息が聞かれそうですが、企業側の一手が見えない中で、株価のジリ貧状態は今も見られます。
     本来ならフェアバリューの水準まで買われても良いのですが、投資家の受けは悪く株価は安値圏に放置されたままとなっています。


     本日はそうした安値圏に放置されたままの企業経営者にオススメしたい低迷する株価のフェアバリュー水準までの上昇に向けた対処方法として、その自己株活用術をお届けします。


    【フュージョンパートナー(4845)の成功事例】

     サイト内検索サイトのトップ企業として成長が続くフュージョンパートナーは今期も増収増益を見込んでいます。2001年にJASDAQ上場後、同社は規 模の小さなITサービス系企業として目立たない存在で株価もそれほど目につく存在ではありませんでしたが、2010年あたりから女性スタッフ活用による営 業戦略でFAQシステムやサイト内検索システムが大企業に受け入れられ、業績を着実に伸ばして参りました。

     資本政策の中に他社との株式持ち合いを導入。高株価政策ともあって業績の伸びを上回る株価の上昇が見られました。

     手始めとしては、5000株を13020円で持ってもらったインフォメーションクリエーティブ(4769)との提携で100分割で現在は50万株の株主となってもらう一方で同社は12万株の株主になっています。

     昨年1月に同社は100分割を実施。この結果としては本年1月の高値1050円まで一貫して株価は上昇。一時、時価総額は150億円にまで達しました。 今期の予想経常利益は6億40百万円ですから、利益に比べた時価総額は高めです。現在の株価でも時価総額は76億円となっており成長性を加味してほぼフェ アバリューの水準を維持しています。

     同社は更にシステム開発会社のクエスト(2332)と事業提携し、本年2月には双方で株式の持ち合いを行っています。

     また6月にはエイジア(2352)の株式30%を所有し持ち分法会社化するなど、積極的な事業展開を行っています。

     このように同社は自己株を有効活用して時価総額を高めて、より積極的な経営に努めている成功事例として他の企業にも参考になると思われます。


     こうした戦略を採れるのもフュージョンパートナーには証券会社出身の役員がいるからなのかも知れませんが、他の企業でもこうした自己株活用による高株価政策と事業提携による時価総額の拡大戦略は可能と見られます。


     以下にそうした戦略が採れそうないくつかの企業の事例を取り上げておきます。もし、具体的なアクションが半年以内に起これば、来年にかけて更に何らかの株価変動につながるものと期待されます。
     下記に掲げた妥当時価総額は過去の決算推移で経常利益4期分を平均してそれを10倍したものです。この程度の時価総額を目標として持ち合いを実行することが当面の取り組み課題として求められます。

     なお、提携によって多少でもシナジー効果が生まれることが前提となります。


    1.テノックス(1905)発行済み株式数 769.4万株

     時価745円
     時価総額51.4億円
     保有現預金60.1億円

     今期予想経常利益12億円
     妥当時価総額120億円

     有利子負債 0
     自己株79.8万株
     時価換算額5.9億円

     今期予想EPS116.0円
     同PER6.4倍
     実績PBR0.56倍

     既に太洋基礎工業(1758)と株式持ち合い。業務提携発表済み。
     保有自己株を活用してライト工業(1926)、日特建設(1929)ないしE・Jホールディングス(2153)との業務・資本提携を図ることをオススメしたい。


    2.E・Jホールディングス(2153)発行済み株式数726.1万株

     時価1021円
     時価総額58.6億円
     保有現預金100.9億円

     今5月期予想経常利益16.1億円
     妥当時価総額140億円

     有利子負債6.5億円
     自己株152.1万株
     時価換算15.5億円

     今期予想EPS226.5円
     同PER4.51倍
     同PBR0.40倍

     上記、テノックス(1905)のほか、同じ岡山に本拠を置くKG情報(2408)との業務提携・株式持合いをオススメします。


    3.KG情報(2408)発行済み株式数739.8万株

     時価590円
     時価総額42.7億円
     保有現預金49.5億円

     今期予想経常利益6億円
     妥当時価総額 70億円

     有利子負債 0
     自己株16.49万株
     時価換算9729万円

     今期予想EPS50.0円
     同PER11.8倍
     同PBR0.60倍

     同じ岡山に拠点を有す上記、E・Jホールディングスとの株式持合いをオススメします。ないし、同じ岡山に拠点を置くスポーツ施設や住宅販売も兼業する建設コンサル企業、ウェスコHD(6091・実質時価総額45億円)との株式持合い、事業提携をオススメします。


    4.扶桑電通(7505)発行済み株式数1740.2万株

     時価281円
     時価総額40.4億円

     保有現預金(有価証券含む)99.29億円
     有利子負債 5億円
     実質保有現預金94.29億円

     今9月期予想経常利益10.5億円
     妥当時価総額80億円
     自己株303.5万株
     時価換算額8億5283万円

     今9月期予想EPS43.85円
     同PER6.4倍
     同PBR0.58倍

     他のシステム開発会社との業務提携・株式持合いをオススメします。とりわけ、アイティフォー(4743・時価総額134億円、無借金)との提携をオススメします。


     このほか数多くの無借金・キャッシュリッチ銘柄がありますので皆さんも独自に吟味してみてはいかがでしょうか。提携組合せも種々ありますので、この会社とこの会社がつながれば面白いだろうという発想で思いをめぐらせて頂ければと思います。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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