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【第3回】政治家に訊く:岸本周平
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【第3回】政治家に訊く:岸本周平

2009-09-29 18:08
    ───────【基本情報】───────

    名前:岸本周平(きしもと・しゅうへい)
    政党:民主党衆議院議員
    選挙区:和歌山1区
    生年月日:1956年7月12日
    血液型:AB型
    座右の銘:天は自ら助くる者を助く
    趣味:映画鑑賞
    好きな食べ物:焼いたお餅、和歌山ラーメン
    ホームページ:http://www.shuhei-k.jp/index-main.html

    ───────【質問事項】───────

    Q1:なぜ政治家になったのですか?

    kishimoto090930_1.jpg

    財務省・大蔵省とトヨタ自動車の合計25年間天下りをなくそうと提案してきましたが、自民党と官僚の長い間の癒着がありどうしてもそれを達成できませんでした。そして2004年の郵政解散の時、自民党政権を変えれば天下りの廃止を達成できるだろうと思い、政権交代という一点の目標だけで政治家になろうと決心しました。

    しかしものの見事に落選してしまいました。準備不足もありましたし小泉旋風もありました。しかしそこからが本当のスタートでしたね。それ以来毎日7時間、4年間街頭演説をし続けたわけです。

    Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

    立候補する前はトヨタ自動車にいました。社外との交渉窓口である渉外部というところで、税金や社会保障について政府と交渉していました。社会保障の専門家でもありましたから、案を書いたり、社内でブリーフィング(報告)することもありました。一時は内閣府にも出向しそこでの仕事は政府と経団連やトヨタ自動車との橋渡しをするものでした。

    Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

    kishimoto090930_2.jpg

    財務金融の専門家ですので本当の意味での財政構造のあり方、予算や政策の作り方を提案していきたいです。

    予算と聞くと財務省が各省庁から要望を聞いたり交渉したりするイメージかと思いますが、いまやそんなことをしているのは日本だけです。先進国では査定なんかしていません。イギリスも10年ほど前に切り替えましたが、旅費などの経費は事前に査定することはなく、まとまった予算をわりふります。そして査定をしないかわりに使った後の検証に力をかけます。何に使ったかを後からチェックする方が合理的です。

    日本では要求する作業に莫大なエネルギーが使われています。無駄な時間をなくして国家戦略局が最初に予算をきめてしまう。そのかわりに年金や医療保険など将来にかけてお金がかかるものは徹底的に議論して時間をかけていくべきと思います。また、年金などについては政党・政権が代わるたびに予算が変わるのは良くないと思いますので、超党派でオープンにしてやればいいと思います。

    Q4:日本をどのような国にしたいですか?

    今までの政治は役人、官僚主導でやってきました。官僚は情報を操作します。自分たちがやりたいと思ったことがあれば情報をコントロールし、政策が決まる段階を隠して、密室で決めます。これから官僚主導から政治家主導になったとき、100%情報公開するというあり方を追求したいです。

    情報公開といいますが役所のホームページは不親切ですね。私は役所に勤めていましたから資料のありかはわかります。その人間でも行き着くまでにとても時間がかかります。わざと不親切に作っているとしか思えません。すぐにアクセスできるようにしなければいけません。そして資料は膨大ですのでそれを整理して国民にわかるようにまとめるNPOが活躍してほしいです。まとめた資料を国民が見て、資料をもとに投票行動に移していくような国にしたいです。その時ようやく国民が一緒に政治に参加する「参加型社会」ができあがると思います。"おかみ"の責任にできなくなる社会です。

    Q5:今回の「政権交代」をどう感じましたか?

    kishimoto090930_3.jpg

    9月16日初登院の日に国会に入りました。私はもともと25年間国会議事堂の中で働いていましたから、建物には思い入れもなく「ただいま」感があったぐらいのものでした。しかし本会議場で首班指名があり、記名投票をし、鳩山総理が誕生する瞬間に居合わせるわけです。これはものすごく感動しました。肌で政権交代を感じることができました。その後大臣が従来とはまったく違い役人の解説なしに自分の言葉で堂々とノンペーパーで話し、前の政権が決めていたことと逆のことを実行していく。これが政権交代ですよね。これを60年間やってこなかった、やっぱりもう少し早くやるべきでした。

    Q6:民主党はどうしたら政権を維持できますか?

    具体的に言うと、私がもう一度当選することです。つまり150人近くの一年生議員は風のようですが、この一年生議員のおかげで政権が取れました。ということはこの議員がもう一度当選しなければ政権を失うのです。新人議員が2回当選することが政権を維持するためには必要です。

    これは小沢幹事長に登院の日に言われたことです。「君たちのおかげで政権をとれた。君たちの最大の仕事は2回目にうかることだよ。君たちが戻ってこなければ政権を失うんだから」と。

    自分のやるべきことは二つあり、一つは日常活動です。街頭演説を続けることです。もう一つはマニフェストで掲げた政策を4年間でどれだけ実行できるかです。その二つのレールが必要だと思っています。

    Q7:地元(和歌山)で取り組みたい課題は?

    kishimoto090930_4.jpg

    和歌山は高齢化が進んでおり、シニアの町になっています。ともかく今ある条件を活かすしかありませんから、シニアの町を逆手にとり、山・川・海の景色や温泉を楽しみに全国のシニアが集まるような楽しい町にして経済を活性化できればと思います。年寄りが住みやすい条件を徹底的に活かしたいです。これが私の4年間のテーマです。

    Q8:企業献金廃止に反対ですか?賛成ですか?

    賛成です。私も今は中小企業の経営者の方から企業を通じて献金を頂いています。応援してくれる方が会社からの方が出しやすいということもあります。ただ3年後にそれが駄目になれば半分になっても良いですから個人献金でお願いしますよということになります。そこは政治献金を企業から頂かないと一端決めたらそれはやりきります。

    Q9:国民・支持者にいいたい一言を!

    あきらめやんといて下さい。もうちょっと待ってて下さい。マニフェストに書かれていることには時間がかかるものもあります。甘える意味はありませんが、半年ぐらい経って、駄目じゃないかという風には思われないで下さい。初めてのことで行き違いもあるかもしれませんが、2、3年という長い目で見て判断して欲しいなと思います。岸本周平をあきらめやんといて下さい。よろしくお願いします。

    ───────【こだわり】───────

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    もうそろそろ時間が...というタイミングで聞いたので、ご本人も「え〜特にないな〜」と困ってらっしゃったのですが、絞り出すように「あ、プーアル茶にこってますね」という返答が。

    脂肪分が流れる効用があることを伝えると、「あんまり脂肪は減らないみたいだなあ...」と自身のお腹をさすりながら笑顔で話してくれました。茶葉の固まりを少しずつ崩して飲む「餅茶(ビンチャ)」を購入されているそうです。

    プーアル茶(普洱茶)
    中華人民共和国雲南省南部を原産地とする中国茶で、脂肪分解作用がある。一時、高級(ビンテージ)プーアル茶市場が投資の対象にもなったが、2008年に暴落し、現在は水準に戻っている。餅茶とは、円盤型に固められた茶葉で、元々持ち運びがしやすいように考案された。

    ───────【アイテム】───────

    book091005.jpg
    『中年英語組―プリンストン大学のにわか教授』
    2000年12月、集英社新書

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