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一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
2017-07-20 12:2676ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマは「アントニオ猪木」です! イラストレーター・アカツキ@buchosenさんによる昭和プロレスあるある4コマ漫画「味のプロレス」出張版付き!
<これまでの連載記事! クリックすると試し読みできます!>嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田超獣ブルーザー・ブロディ【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴
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「プロレス取材の難しさ」――今回はIGF整理問題で渦中の猪木さんについてうかがいます。
小佐野 この連載で何度も触れていますが、私は高校時代に『炎のファイター』という新日本プロレスのファンクラブをやってましたので、猪木さんの大ファンだったんですよ。
――小佐野さんといえば「全日本プロレス!」というイメージが強いですけど(笑)。
小佐野 新日本だけじゃなくて、もちろん全日本や国際プロレスも見ていたけど、やっぱり子供のプロレスファンは猪木さんのことが大好きだったんですよ。小学生卒業式の日に、猪木vsストロング小林のテレビ放映があったとか、そういうこともいまだにしっかり覚えてますから(笑)。
――それくらい印象深いんですね。
小佐野 あの頃ってプロレスラーの自伝はあまりなかったけど、『燃えよ闘魂 アントニオ・猪木自伝』が東京スポーツから出ていて。最初の表紙は猪木さんの顔のイラスト、増刷したらタイガー・ジェット・シンに卍固めをかけている試合写真、増補改訂版はビル・ロビンソンに逆エビ固めをかけている写真。私は全部買いましたよ(笑)。
――猪木ファン!(笑)。
小佐野 私が通っていた小学校は、猪木さんと同じ鶴見の東台小学校。転校しなければ、中学校も猪木さんと同じ寺尾中学に進んでいた。そういう猪木さんの経歴も自伝を読んで知ってるんです。
――ファンクラブ時代はレスラー取材もしていたそうですけど、猪木さんをインタビューしたことはあったんですか?
小佐野 ファンクラブ時代に猪木さんと喋ったことは一度もなかったかな。新間さんにかわいがってもらっていたから、レセプションとかには行けたんですよ。でも、そこで猪木さんにサインや記念撮影をお願いできなかったです。ほかのレスラーはともかく、猪木さんには近寄れなかった。恐れ多くて声をかけちゃいけんじゃないかなって。小・中学生の会員は無邪気に「猪木さん、お願いします」とか平気で頼んでるから羨ましかったですよ(笑)。
――プロレスファンとして馬場さんのことはどう見てたんですか?
小佐野 大人のプロレスファンは馬場さんが好きだったと思う。外国人より身体の大きな日本人が大暴れする。戦争を経験した世代からすれば痛快なことでしょうし、高度成長期の頃だから、世界に羽ばたく日本を馬場さんに重ねたと思うんですよね。
――力道山だけではなく、馬場さんも戦後復興の象徴だったんですね。
小佐野 でも、子供からすると、そんなことは関係ないし、ジャイアント馬場はかけ離れた存在でしたね。猪木さんのほうが若いし、カッコよく見えるでしょ。それにちょっと暴走するところがある。
――アンチヒーローとしての輝きですね。
小佐野 馬場さんは優等生で反則はしない。でも、猪木さんは感情をむき出しにして、ナックルパートで相手のことを殴る。子供からすれば刺激的。あとマネしたくなる技を持っていますよね。「卍固めはどうやるんだろう」とかね。
――コブラツイストからの卍固めへの発展はマネしたくなりますよね(笑)。
小佐野 馬場さんの技ってマネのしようがないんですよ。チョップなんてなんの工夫もないし、16文キックに足が大きいから成立するんであって。ボクくらいの年代はやっぱりアントニオ猪木なんです。
――そんな小佐野さんが猪木さんの一番好きな試合はどれですか?
小佐野 やっぱり1回目の猪木vsドリー・ファンク・ジュニアの60分フルタイムドローなんですけど、その試合は会場でもテレビでも見ていないんですよ。なぜかというとあの試合は昭和44年12月3日にやってるんですが、大晦日に録画放送してるから。NET(現テレビ朝日)がNHK紅白歌合戦にぶつけたんですよ。ウチの家族は当然紅白を見るから、猪木vsドリーは見られなかった。
――当時はビデオもなかったですし、大晦日は紅白一強の時代ですもんねぇ。
小佐野 日本テレビの日プロ中継は馬場さんがメイン、NETの日プロ中継は猪木さんがエースだったでしょ。ドリー戦があったのはNETの放映が始まった年だったと思うんだけど、12月の頭にやった猪木vsドリーをわざわざ大晦日に放映したんですよね。
――その頃から猪木さんと大晦日の因縁はあったということですね。
小佐野 翌45年8月の福岡でやった猪木vsドリーはテレビで見ました。新日本になってからは猪木vs小林、猪木vs大木金太郎の実力日本一決定戦が始まって、そのあとはルー・テーズ、カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンとのプロレスルネッサンスシリーズがあって、異種格闘技戦シリーズが始まるんだけど。異種格闘技戦はあまり好きじゃなかった。だってプロレスとしては面白くないだもん。私はプロレスラーのアントニオ猪木が大好きだったから。
――日プロでのドリー戦や、実力日本一決定戦で日本人対決をやりあう猪木さんが好きだった。
小佐野 国際プロレスのエースだった小林さんとの試合なんて、力道山vs木村政彦以来の超大物日本人対決でしたからね。国際も見てたし、猪木一辺倒のプロレスファンじゃなかったから「どういう試合になるのかな」っていう興味が凄くあったんです。大木さんとの試合になると、2人の日プロ入門当時からのストーリーを知っていますから。昔は馬場さんを含めて三羽烏と呼ばれた2人が喧嘩腰でやりあい、猪木さんが初めてリングで涙を見せてね。
――猪木さんの“キラー”と呼ばれる部分はどう見えてたんですか?
小佐野 全日本は豪華外国人レスラーがたくさん来るんだけど、不透明決着が多かったんですよ。まあ、出落ちみたいなもんですよね(笑)。
――それもまた昭和プロレスというか(笑)。
小佐野 全日本にも試合内容を期待してるんだけど、「……やっぱりな」っていう展開が多い。たとえば全日本で馬場さんと小林さんがやっても完全決着はつかなかったんじゃないかって思うし、ファンからすれば「まあ、そうだよね」って変に納得してしまう。でも、新日本の場合は違うんですよ。新日本の場合は「こうなるだろうな」って考える裏を突いてくる。全日本と比べて新日本はハミ出してくるし、「こんなことをしちゃっていいの?」ということを猪木さんは平気でやっちゃうんですよ。
――その頃からファンの一歩先を行くプロレスだったんですね。
小佐野 地上波のゴールデンタイム中継でアナウンサーが「放送時間いっぱいです、さようなら!」って猪木さんの試合が終わらないまま番組が終わってしまう。コマーシャルがいくつか流れて、再び試合会場が映って提供クレジットが映される中、「ダーッ!」と雄叫びを上げている猪木さんの姿がチラッと見える。視聴者には何が起きてるのかはわからない。絶対にテレビの尺に収めないアントニオ猪木がいたはずだし、会場で見たくなりますよね。
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アントニオ猪木が「整理」したスポーツ平和党■ズンドコ・トラブル興行研究会<漁師JJ・編>
2017-07-20 12:2041pt「ズンドコ・トラブル興行研究会」!! プロレス格闘技のウラに精通する書き手たちがマット界を騒がせたズンドコな事件を振り返ります! 今回はプロレスブログ「多重ロマンチック」の漁師JJさん。今回のテーマは「アントニオ猪木が整理したスポーツ平和党」!【関連企画】アルティメットクラッシュ…新日本プロレスと総合格闘技
ファン不在から得た教訓……棚橋弘至、伝説のノーピープルマッチ何がやりたかったんだ「ジャイアント魔神&ニュー・ストロング魔神」
一寸先はハプニング。平穏なアントニオ猪木なんてノーサンキュー。5月24日に開いた記者会見で「IGFは整理する」と決別宣言。7月24日に開催する新たなイベントISMを開催。IGFとはイノキ・ゲノム・フェデレーション(猪木遺伝子連合)。娘婿であり心は一つと思っていたはずのサイモン・ケリー・猪木もびっくりの展開だ。さらに元秘書で「都民ファーストの会」代表も告発。猪木発言をまるっと信じれば公金横領があったようだが、告発された側は「金は全て猪木氏の指示に基づき猪木氏のために使った」と真逆の反応。IGFも猪木夫人を相手に“財布のように会社の使われた”資金の返還訴訟を起こしている。
ああ、めくるめく闘魂のオーバーラップ。一般の方の非日常も、アントニオ史では日常茶飯事。思い出す90年代、ほぼ同じような流れが行われていた。
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2017-07-20 12:17これまで500記事以上掲載されているDropkickメルマガ。その一部をご紹介します。
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6位 【矢地祐介戦】北岡悟のギラギラインタビュー「俺のことをわかってるつもりでいるなよ?」7位 所英男「戦いたくても夢叶わなかった人たちもいる。だから挑戦します!」8位 【検証「1984 -
【魂のプロレス伝承】大矢剛功インタビュー「新日本、SWS、FMW……辿り着いた北の大地」
2017-07-20 10:5191pt昭和・新日本を知る男、大矢剛功インタビュー。80年代後半に新日本プロレスでデビュー。SWSバブルに身を置き、FMWでは「男の中の男」と呼ばれ存在感を発揮した。現在は北海道の北都プロレスで現役を続けながら後進の指導を行っている大矢にこれまでのプロレス人生を振り返ってもらった。【関連企画】谷津嘉章「ガチだったら楽だけど、そうじゃないから」谷津嘉章インタビュー②「昭和・新日本のプロレスは早漏なんですよ」小原道由小原道由「石澤が止めなかったら、俺は◯◯を殺していたでしょうね」草間政一私が戦った暗黒・新日本プロレス 永島勝司アントニオ猪木と北朝鮮 田中ケロケロちゃんの新日本プロレス伝説 西村修「独裁者・長州力に逆らうってエネルギーが必要なんです」 高岩竜一「90年代ハチャメチャ新日本プロレスと俺が愛した橋本真也」 ――大矢さんは北都プロレスを主戦場としてますが、現在のお住いは神戸で試合のたびに北海道で出向いてるんですよね。
大矢 そうですね。北海道の観光客が立ち寄らない場所を回るから、これがまた面白いんですよ(笑)。
――観光客が立ち寄らない場所ですか(笑)。
大矢 北海道は移動するだけでも長時間かかるけど、大自然の中じゃないですか。普通の巡業とは訳が違うんですよね。真夏の河原でリングを組んでね、マットが熱い熱い(笑)。流氷なんかも初めて見ましたし、スキー場でやったときは4月だけど吹雪だったんですよ。リングを組み立てたから、やるしかない。氷点下12度。
――氷点下プロレス!(笑)。大矢さんはコーチもされてるんですよね。
大矢 いまの子は厳しくやるとやめちゃうんですよ。団体からも「適度に厳しくお願いします」ということでね(笑)。
――かつて大矢さんがプロレスの基礎を学んだ新日本道場のようにはいかないんですね。
大矢 あれを同じことをやったら誰もついてこれないですよ。練習も厳しいし、それとシゴキも酷かったから。
――大家さんは小さい頃からプロレスラーになりたかったんですか?
大矢 最初はね、野球が大好きでプロ野球選手になりたかったの。プロレスには興味がなかったんだけど、友達と野球をやっていたら「プロレスを見るから帰る」って。生まれの金沢は土曜日の16時からテレビで全日本プロレス中継がやってたんですよ。しかも1ヵ月遅れで。新日本プロレスは日曜日16時からやっていて。「そんなにプロレスって面白いのかな」って興味を持ち始めて、見てるうちにだんだんと面白くなってきて「プロレスラーにもなりたいな」と。本を買ってトレーニング方法を勉強したりね。
――プロレスラーになるアテはあったんですか?
大矢 金沢に永江トレーニングセンターというジムがありまして。いまはもうないですけど、そこの会長の永江さんが全日本の永源遥さんと知り合いで。私はそのジムに通ってたんで、永源さんとは一度だけお会いしたことがあるんですけど、「プロレスラーになりたいんです」とは言えなかったんですね。
――馳(浩)さんも金沢ですよね。
大矢 あ、そのジムに馳も来てたんですよ。オリンピックに出る前ですけど、金沢では有名な存在で。母校(星稜高校)で練習してましたから、そんなにジムには来なかったんですけど。その永江さんの知り合いに興行をやってる方がいて、新日本プロレス専門の。その方が入門の段取りを付けてくれて。
――テストを受けることになるんですね。
大矢 大阪府立体育館で興行があった日に、山本小鉄さんに面接してもらいました。小鉄さんは「身体は大きいな。スクワット3000回できるか?」って聞いてきて「はい、できます!」と。それで合格です(笑)。
――えっ、実際に3000回やらずに?
大矢 その場ではやらなかったんですよ。でも、足の運動は必要だってことはわかってたので、3000回できるようにしてきました。永江トレーニングセンターで2時間ずっとスクワットやって、真冬なのに足元に汗の水たまりができてね。自分の顔が映るんですよ。
――同期は誰になるんですか?
大矢 飯塚(高史)、エル・サムライ。ちょっとあとに鈴木(みのる)、ちょっと上の先輩には片山明選手。寮に住んでいたのはライガー、佐野(巧真)さん、船木(誠勝)選手、橋本(真也)さん、野上(彰、現AKIRA)さん、蝶野(正洋)さん。武藤(敬司)さんは途中で海外遠征に出ちゃって。
――いなくなった練習生はたくさんいるんですよね?
大矢 いっぱいいますよ、そんなの。チョコボール向井は自分より1日前に入ったんですよ。あの世界は1日でも早く入れば先輩なんですよね、どんだけ歳上でも。入門したときに「やめるときは夜逃げするなよ」と言われてたんですけど、チョコボール向井は夜逃げしちゃったんですよ。
――チョコさんはどれくらいいたんですか?
大矢 1週間くらいかな、もうちょっといたかな。夜逃げしたあとに電話がかかってきて「荷物を送ってくれ」って言われてね(笑)。そのあとFMWで一緒になるとは思わなかったんですけど。
――せっかく入門できたのに、1週間で逃げ出しちゃうほどキツかったんですね。
大矢 練習はホントにキツかったですよ。朝10時から練習して、昼飯を食って、夕方から20時頃まで練習。プロレスを習うというよりは、基礎体力トレーニングとスパーリングを延々とやるわけですよ。ホントにキツかったです。いまのプロレスはそうじゃないでしょ。
――逃げようと思いませんでした?
大矢 当日から思った。
――当日!(笑)。
大矢 入門した日は凄い大雨で、合宿所自体がイヤ〜な暗い雰囲気でね。合宿所に入ったら、大広間でいまは亡きブラックキャットさんが任天堂の野球ゲームをやってたんだよね。その大きな背中を見たら、もうやめたくなる感じなんだよね(笑)。
――いまはリフォームされてますけど、当時は重い雰囲気の建物でしたし。
大矢 そうそう、男の世界ですからね。掃除はしますけど、先輩たちは何かやっても絶対に片付けないんですよ。
――そこは練習生の仕事。
大矢 なんでも言うことを聞かなきゃいけない。道場の最寄りの駅は東急大井線の等々力駅。駅の近くに選手行きつけのラーメン屋があるの。
――香蘭ですよね。いまはもう閉めちゃいましたけど。
大矢 あ、閉めたの?
――マスターが高齢ということで
大矢 そうなんだ……。道場から香蘭まで走っていってラーメン食って帰ってくるレースをやらされるんだよ。
――ラーメン早食いレースですか(笑)。
大矢 ある選手がワゴン車を持ってきて、天井が開くんですよ。そこからビデオカメラでレースを撮るんですよね(笑)。
――ハハハハハハ! バカですねぇ。
大矢 どの練習生がラーメンを食べて一番早く帰ってくるか、先輩たちが賭けをやるんですよね。
――やっぱり賭けますか!(笑)。
大矢 賭けに負けた先輩は怒るんですよ。「何をやってるんだバカヤロー! 早くラーメンを食わないからだ!!」って(笑)。
――橋本さん、ライガーさん、船木さんのイタズラ好きの3人が一つ屋根の下にいる時点でヤバイですよね。
大矢 ヤバイ! イタズラが酷かったですね。ホント最悪でしたよ……。俺はね、どちらかというと、まだイジメられないほうだったんですよ。あるでしょ、そういうの。
――イジメられやすい人っていますね。
大矢 小柄な練習生はイジメられやすかったんですよ。山本小鉄さんは小さい選手をいっぱい入門させるんですけど。
――小鉄さんも身体が大きいほうではなかったですし。
大矢 でも、身体が小さい人間よりは大柄な者を残したい時代だったから。必要以上にしごいたり、イジメたりしてやめさせるように仕向けるんですよね。現在活躍しているある選手も入門はできなかったんですけど、かなりやられてましたね。片山選手なんかも酷かったですよ。デビューする前に3〜4回手術してるんです、ケガやイジメでね。
――そ、そうなんですか。
大矢 それでも最後まで逃げずにデビューしましたからね。あの人は根性がありましたよ。普通だったら逃げますよ。ホント酷かったですから。私もたびたびやられましたよ。
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【これも必読!】プレゼンター、ドン・フライの桜庭和志紹介スピーチ全文翻訳■MMA Unleashed
2017-07-14 11:4155ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは……桜庭UFCホール・オブ・フェイム入り記念:プレゼンター、ドン・フライの桜庭紹介スピーチ全文翻訳!!
【関連記事】【全文公開】桜庭和志、UFC殿堂入り!! 歴史的スピーチを読もう!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1295031塾長ドン・フライ、堂々のUFC殿堂入り ! 万感のスピーチを読め!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1080201ご承知のどおり、桜庭和志が2017年のUFCホール・オブ・フェイム、パイオニア部門を受賞した。表彰式は現地時間7月6日に行われ、桜庭の感動のスピーチはDropkickを始め、ネット上でも広く速報された。
アメリカのこの手の授賞式ではよく見られることだが、受賞した本人を呼び込むためのプレゼンターという役が存在し、時には本人よりも長いスピーチをしたりする。今回桜庭を呼び込んだのは、昨年のUFCホール・オブ・フェイム、パイオニア部門受賞者、ドン・フライであった。そこで今回は、桜庭の露払いとして登場したフライが、いったい何を延々と語っていたのかを明らかにすることにしたい。
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(女性にエスコートされてフライ登壇)
何だお前ら、幽霊でも見たような顔をしやがって(会場笑)。
さっきバス・ルッテンが私の物まねをしていたが、見たこともないほど最低の出来(でき)だったな(会場笑)。
何を笑ってやがる(会場笑)。
このステージに戻って来られてうれしいよ。去年の7月、私はホール・オブ・フェイムに入れていただいた。しかしそれ以降の12か月はなかなかにきつかった。ちょっと説明させてくれ。
まず、私は離婚した。それから、馬が死んだ。で、私は心臓麻痺(まひ)に襲われた。9月には、背骨に入れたチタンを入れ替える手術をした。そこからがすごかった。3週間の昏睡(こんすい)状態に陥り、目が覚めたらもうハロウィーンになっていた。体重が50パウンド(約23キロ)も落ちて、自分でも自分が誰なのかわからないほどやせ衰えた。洋服も全部買い換えた。
まあ、今日は私の愚痴を聞かせている場合ではないんだ。今週はここラスベガスで、久しぶりに試合を楽しむつもりだしな。
私が今日、ここに来たのには2つの理由がある。
まず第1に、ミーシャ・テイトがフリーになったと聞いた(会場笑。客席のテイト苦笑)。これだけでも、カーボーイが街に駆けつけるには充分だ。ミーシャのDNAと、私のDNAが合体したら、どうなると思うね。なんてコンビネーションなんだ!(フライ、ガッツポーズ)。彼女の格闘技のスキルとハート、そして私のグッドルッキングな顔が合わさるんだぞ。彼女も私と同じくらいグッドルッキングだがな。
キミらは何年か前に、ESPNマガジンに載ったミーシャの写真を見たか。あの、裸で宙を飛んでいるヤツだ。私はあれをスクリーンセーバーにしたいがために、初めてのパソコンを買ったんだ(会場笑)。
(訳注:フライのいう写真とはこれのことと思われる)
http://www.espn.com/espn/photos/gallery/_/id/9428872/image/37/miesha-tate-2013-body-issue-bodies-want-espn-magazine
http://www.espn.com/espn/photos/gallery/_/id/9428872/image/38/miesha-tate-2013-body-issue-bodies-want-espn-magazine
ミーシャ、長く続く関係がイヤなら、ちょうどいいぞ。何せ私は、いつ心臓麻痺(まひ)や昏睡(こんすい)状態になるのか、わからんのだからな(会場笑)。
そして、アンクル・ドンがここにやってきたもう1つの理由、それは、MMAを見始めてまだ2〜3年の、せいぜいコナー・マクレガーしか知らないようなキミら若造を教育するためだ。そう、カズシ・サクラバサンの話をしに来たんだ(会場大歓声)。
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【UFC参戦!】朱里インタビュー「チャンピオンになって、ASUKA選手とプロレスのリングで再会したいです」
2017-07-12 18:5291ptついに念願のUFCへ! 9月23日の日本大会でUFCデビューすることになった朱里インタビュー!! プロレス、キックボクシング、そしてMMA……ファイトスポーツを縦横無尽に駆け巡る朱里のこれまでの格闘技人生を振り返ってもらった。『ハッスル』のドン底生活は涙なしには読めないです!【関連記事】「朱里がMMAデビュー1年1ヵ月でUFCと契約できた裏側」■石井史彦http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1297417ファイティングオペラ『ハッスル』とはなんだったのか■中村祥之http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1034482――UFC契約おめでとうございます!朱里 ありがとうございます!――朱里選手は『ハッスル』でレイザーラモンHG・RGの妹分「KG」(カラテガール)としてデビューしましたが、プロレスだけじゃなくてキックボクシングでも活躍されて、ついにはUFCと契約することになるなんてあのときは想像もできませんでした。ちなみに朱里選手が初めてメディアに取り上げられたのは、『kamipro』誌上で連載されていた掟ポルシェさんの『萌え萌え叙々苑』だと思うんですね(笑)。
朱里 ……あっ、おぼえてます!(笑)。凄く髪が長い方ですよね。なつかしい。あれが初めてなんですか?
――たぶんそうです!(笑)。『ハッスル』からここまでの道のりは波乱万丈でしたよね。
朱里 自分で言うのもなんですけど、超大変でしたねぇ。結果を出せたからよかったですけど、最初はいろいろ言われたりしたので。
――言われたんですか、いろいろと。
朱里 キックボクシングに出ると「たかがプロレスラーが」とかみたいに。「こっちはちゃんと練習してるわ!!」って感じなんですけど(笑)。
――プロレスラーということで色眼鏡で見られちゃったんですね。
朱里 初めてMMAに出て浅倉カンナちゃんと試合をしたときも、私が「コブラツイストを出したい」と言ったということで、いろいろと……。
――相手陣営からMMAをナメてるみたいに言われてましたね。
朱里 自分はそんなこと言ってないんです。あれは記者さんから「MMAでもプロレス技を出しちゃうんですか?」って聞かれたので「無理ですけど、コブラツイストが出せたら凄いですよね」って答えたら「コブラツイストを出したい」みたいな記事になって(苦笑)。
――マスコミにいいように書かれちゃったわけですね!(笑)。MMAデビュー1年ちょっとでUFCと契約ですから、最短コースで目標に到達されましたね。
朱里 1年1ヵ月で5試合やりました。パンクラスでデビューしたときからUFCを目標にしてましたけど、「3試合勝てばいける」みたいな話ってあるじゃないですか。
――契約の好材料にはなりますね。決定打とは言えないですけど。
朱里 3試合勝った。でも、動きはない。5試合勝って動きが出てきて……。
――5連勝しても、どうなるかわからない不安ってなかったですか?
朱里 ありました〜。メチャクチャありましたね。ホント不安で。
――ここで契約ができなくても、引き続きUFCは目指してたんですか?
朱里 UFCに出たいという気持ちはありましたけど……いつになるかわからないところがあるじゃないですか。女子なので年齢のこともあるので、もしかしたら違う道を考えたかもしれないですね。
――それは格闘技方面で別の選択肢を考えたと?
朱里 そうですね。パンクラスで防衛戦をやりつつ、UFC以外のメジャーの舞台に上がるとか。
――たしかにいろいろと考えちゃいますよねぇ。5連勝して、日本大会を控えてるのに、これで契約ができなかったら。
朱里 ここで出られなかったら「もう契約できない……」って思っちゃいますよね。やっぱりどうなるかわからないというか、UFCは規模が大きすぎるので、私なんて単なるひと駒にすぎないでしょうから。
――じゃあ契約成立の連絡があったときは……。
朱里 本当にホッとしました。凄く嬉しかったんですけど、記者会見で発表されるまで安心できませんでしたね(苦笑)。
――無事に発表されてよかったです(笑)。――それでデビュー当時からを振り返っていただきたいんですが、朱里選手はプロレスをよく知らないまま『ハッスル』に入ったんですよね?
朱里 はい。そもそもプロレスを見たこともなかったです。
――プロレスを見たことないのに『ハッスル』のオーディションを受けるってどういうことだったんですか?
朱里 もともと舞台やモデルの仕事をやりたかったんです。そんなときに知り合いから『ハッスル』のオーディションがあるから受けてみれば……ってことで。何もわからぬまま受けたのが始まりで。そうしたら合格して、何もわからぬまま受け身の練習をやることになって(笑)。
――それはどういうオーディションだったんですか?
朱里 あのオーディションは非公開で行なわれて、10人くらい受けたんですけど。簡単に言うとタレント枠ですね。
――『ハッスル』は芸能人を起用してましたけど、その一環だったんですね。朱里選手は芸能の仕事をしたくて、お母さんとケンカして家出したそうで。
朱里 3ヵ月間、漫画喫茶で寝泊まりしてて。いま振り返ると自分でもバカだなって思いますね。お母さんに凄く迷惑をかけてましたね。
――本当は公務員とか安定した職業に就きたかったんですよね。
朱里 そうなんですよ。お母さんは私にダンサーになってほしかったんですよね。小さい頃からダンスを教えてもらっていたし、きらびやかな世界で活躍してほしいと。
――プロレスも、きらびやかな世界ではありますね。
朱里 『ハッスル』を受けた頃はもう家に戻ってたんですけど、モデルとかそういう世界に入ったはずなのに、急に身体にアザを作って帰ってくるから「いったい何をやってるの?」って(笑)。
――しかも朱里選手が入った頃の『ハッスル』って経営がヤバくなっていくあたりで。
朱里 低迷期ですよね、低迷期。
――低迷期というか、そのまま沈没していくんですけど(笑)。
朱里 まあ、そうでしたね(笑)。
――『ハッスル』とはどういう契約だったんですか?
朱里 デビューしたら1ヵ月給料10万円という契約で。交通費とかはそこから自分で出して。
――その給与額で交通費が出ないってブラック企業すぎますよ(笑)。
朱里 でも、もらえないよりはマシですから。……でも、給料はずっと未払いでもらえなかったんですけど(笑)。
――ハハハハハハハ!
朱里 最初の2ヵ月だけもらって、あとはずっと未払い。
――というと、1年近く給料なしでハッスルしてたんですか……。・給料未払い!お金がなくて歩いて帰ったことも……・高田延彦の入場曲「トレーニングモンタージュ」を使っていた理由・RIZINからのオファーがあったが……
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【緊急取材!!】朱里がMMAデビュー1年1ヵ月でUFCと契約できた裏側■石井史彦
2017-07-12 18:3741pt堀口恭司など多くのMMAファイターをマネジメントしている石井史彦氏は、このたびUFCと契約した朱里のマネジメントも手掛けている。わずか1年で世界最高峰の舞台に到達した裏側を語ってもらった。<関連記事>【UFC参戦!】朱里インタビュー「チャンピオンになって、ASUKA選手とプロレスのリングで再会したいです」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1297428代理人が告白! 堀口恭司RIZIN電撃契約の舞台裏「このままじゃUFCにダメにされる。UFCを捨てるしかなかった」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1193831「じつは6月上旬の時点で契約は内定していました」――朱里選手UFC契約の件ですが、いつ頃から交渉されていたんですか?
石井 2015年のUFC日本大会の企画で『Road to UFC Japan』がありましたよね。あの企画に出た上迫(博仁)選手が負傷して、代わりがハルク大城選手になったじゃないですか。ハルク選手が出場するための交渉でラスベガスに来たときにボクがサポートしたんですが、朱里選手と同じボスジム所属ということもあって、ボスジムの関係者と雑談をしまして。そのときに朱里選手が今度MMAをやるということで「いつかUFCに出られればいいですよね」なんて話をしてたんです。
――朱里選手がMMAに出る前から接点があったんですね。
石井 朱里選手はプロレスやキックボクシングとか、MMA以外のコンバットスポーツをすべてやってきている。キックではチャンピオンでしたし、レコードは13勝1敗。UFCが欲しがる素材だと思ったんですね。
――朱里選手はパンクラスでMMAデビューしましたね。
石井 そのときはまだUFCと交渉をしてません。ボスジムからは「パンクラスでどれくらい経験を積めばいいのか」と聞かれたので「最低でも5試合はやらないといけないですかね」というやり取りをしてて。ボクがUFCに打診したのは3連勝したあとですね。
――2016年の年末ですね。
石井 そのあたりから具体的に動き出しました。そのときにUFCに尋ねたのは「どれくらい経験を積めばいいのか」と。UFCからは「最低でも5試合はしていないと難しい」という回答をもらいまして。
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佐々木憂流迦、UFCで勝って1000万円!!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク活字版
2017-07-12 18:0755pt
向かって左がシュウ・ヒラタさん。インヴィクタで勝利した魅津希選手と勝利の記念撮影©Invicta Fighting Championship
多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるDropkickニコ生配信コーナー。深くてタメになるトークを活字でもお届けします!(6月に配信された一部を書き起こしたものです)。
――シュウさんがマネジメントしている佐々木憂流迦選手、井上直樹選手がUFCシンガポール大会で揃って勝利を収めました。シュウさんのブログによれば、井上選手の対戦相手の計量オーバーでドタバタしていたようですね。
シュウ そうなんですよ。平気で体重オーバーしてくるので辟易してたんですけども(笑)。ぶっちゃけ今回の相手は直樹くんが9割方勝てると思ってたんですね。映像チェックしたりして相手を選びましたので。
――UFCが契約したわりには微妙な戦績でしたね。
シュウ フィリピンではかなり有名な選手なんですよ、彼は。世間一般でも知られているんです。いまフィリピンではUFCの人気が高いので、フィリピン人選手を入れてほしいというテレビ局のリクエストがあったみたいですね。だから今回欠場した選手の代役もフィリピン人だったんです。いまのUFCは必ずしも強い選手と契約するというわけじゃないんですよね。
――興行的な事情があったんですね。
シュウ じつは計量オーバーはなんとなく予想はできてたんですね。彼は打撃で展開を作れなかったら、レスリングもやっているからタックルで倒して上に乗って固めるというタイプなんですよ。だから体重が重いほうが有利だと思ってたはずなんです。
――ザ・確信犯ですか(笑)。
シュウ ボクはそうだと思ってるんですよ(笑)。
――それに井上選手は今回デビュー戦だからキャンセルしてこないだろう、と。
シュウ 直樹くんが所属する白心会の山口(定則)会長は「試合をしないという選択肢はない」と言ってたんです。なのでUFCのマッチメイカーには「この試合は受けるけど、もしも井上選手が負けたとしても、UFC内部で負けとみなすな」という確約を取ったんですよ。次の試合で負けて2連敗とされるのはマズイじゃないですか。
――外堀から埋めていったんですね。
シュウ あとは、こちらが納得できるだけのペナルティを相手に与えるしかないですよね。井上選手は計量パスはしてますから、試合をしなくてもファイトマネーはもらえるんです。でも、ウィンボーナスやパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト獲得の機会を失うことになったら、とんでもない損失ですよね。
――相手はファイトマネー30パーセントのカットにゴネたんですよね。
シュウ 相手選手の生活状況も調べたんですよ。もしメチャクチャお金持ちだったら「そこまでカットされるなら試合をやらない」となる。でも、向こうは娘さんが病気でお金に困ってるので、どんな条件でもやると思ったので。やっぱり情報収集しないと交渉できないですから。
――UFCデビュー戦でお金に困ってるのに体重をコントロールしてこないなって……これがもし日本人選手の失態だったらガッカリしますねぇ。
シュウ メチャクチャ批判されるでしょう。フィリピン方面の記事を確認したんですけど、まあ都合のいいことを書いてるんですよ。体重オーバーのこと書かずに「負けたかもしれないが彼はUFCでサバイバルできるハートがあることが証明された」とか書いてあって(笑)。
――報道しない自由、発動(笑)。
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新日本で「金返せ」コールが初めて起こった日…■ズンドコ・トラブル興行研究会<小泉悦次・編>
2017-07-12 17:4455ptズンドコ・トラブル興行研究会――プロレス格闘技のウラに精通する書き手たちがマット界を騒がせたズンドコな事件を振り返ります! 今回は昭和プロレス研究家の小泉悦次さんによる「新日本で金返せコールが初めて起こった日…」です!<非会員でも購入できる関連記事>■ディック・ザ・ブル&クラ・リソワスキー金網逃亡事件http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1280794
■ダフ屋と興行師の哀歌!! 岩手水沢騒動
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1216955■マンモス鈴木鉄拳制裁から見える力道山のセンスと狂気
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1242627■負けることに慣れた組織……国際プロレス崩壊直前を私は見たhttp://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1263308私は「金返せ」コールは嫌いだ。試合の内容に不満があっても、金を払った分だけ見て帰るのがプロのファンというものではないか?(村松友視)
1980年、『私、プロレスの味方です』でプロレス文壇に颯爽とデビューされた村松友視氏が「金返せコール批判」を始めたのは82年の春頃でした。思い当たるふしがあるんです。82年の元日に東京・後楽園ホールで行われた新日本プロレスの興行では一部ファンから「金返せ」コールが起きていました。そして村松氏もこの日いらしていたらしいのです。ちなみにそれまで、新日本で「金返せ」コールは、私の知るかぎりありませんでした。つまり、初めての「金返せ」コールです。
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アメリカボクシング界から見た「メイウェザーvsマクレガー」/杉浦大介
2017-07-09 12:2366pt本当に実現してしまうフロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーのビッグファイト!UFCのスーパースターが無敗のまま引退した天才ボクサーにボクシングルールで挑むという世紀の対決。PPVを売りまくる話題性の高い両雄だけにビジネスとしての大成功は約束されているが、この異例の対決をアメリカボクシング界はどのように見ているのだろうか。ボクシングやMLB、NBAなどを精力的に取材しているニューヨーク在住のスポーツライター杉浦大介氏に話を聞いた。――アメリカボクシング界はメイウェザーvsマクレガーにどのような反応を示しているのでしょうか?
杉浦 かなり前から「やる、やらない」と話題になってましたし、発表自体が晴天の霹靂というわけではなかったので、さほど驚きはなかったんですね。覚悟はできていた、という言い方は変ですけど(笑)。ただ、ほとんどのボクシングファンは好意的に捉えてはいないですね。
――やっぱりそうですか。
杉浦 否定的、無視、無関心……いや、関心は持ってるかな。いずれにせよ否定的なボクシングファンは多いですよね。「ボクシング界を代表するメイウェザーがこんなに試合に出るべきなのか?」という声が大半で、ファイトというよりは「イベント」として見られていますね。
――賛否になるだけに注目度は高いんですか?
杉浦 いろんな意味で凄く高いです。この試合の対象は、普段はボクシングを見ない一般のスポーツファンや、ビッグファイトしか見ない人たちだと思うんですね。
――ターゲットは一般層なんですね。
杉浦 ボクはMMAには詳しくないので、MMAのコアファンがこのカードをどう捉えてるかはわからないんですが、どんな試合でも見るボクシングのコアファンではなく、1年に1回大きな試合があれば見ようとする人たちが注目しています。なのでファイトではなくイベントという捉え方がされてますし、よく例えられているのがモハメド・アリvsアントニオ猪木なんですね。
――ああ、アメリカでもそうなんですね。
杉浦 アリvs猪木は異種格闘技戦で、今回はボクシングルールなので厳密に言えば同じではないんですけど。
――杉浦さんはメイウェザーvsマクレガーが実現すると思ってましたか?
杉浦 うーん、当初はやるとは思わなかったですよねぇ。ボクシングとMMA、同じコンバットスポーツとはいえ、まるで違うものじゃないですか。最大の障害としてアスレチックコミッションが認めるはずがないと思ってたんですよね。
――49戦無敗の元ボクサーと、ボクシングデビュー戦のMMAファイターのマッチアップですし。
杉浦 これだけのキャリア差のある選手同士を対戦させて、もし事故が起きたらコミッションの責任問題になると思うんですよ。日本でいえば10回戦ボクサーとデビュー戦のボクサーは試合はできません。それは日本のボクシングコミッションがOKを出さないからです。
――メイウェザーvsマクレガーもアスレチックコミッションが認めないと思っていたら……。
杉浦 当初はコミッションも否定的なコメントを出していたんですよ。「難しいだろう」と。それが手のひらを返したように認めてしまった。その背後には、この試合が実現することで莫大なお金が動き、ラスベガスの街全体が潤うということもあるんでしょう。マクレガーはボクシングの実績はなくともMMAというコンバットスポーツのチャンピオン。打たれ強さはあるということで最終的にGOサインは出たんですけど、「常識がビジネスに負けた」という報道がされてますね。
――経済効果は凄そうですよね……。ところでいまアメリカのボクシング人気はどうなんでしょうか。
杉浦 PPVの数字はよくないですね。2015年5月に行なわれたメイウェザーvsパッキャオ世紀の一戦は、一般層を巻き込んだことでPPVは460万件を記録したんですけど。
――とてつもない数字ですよね(笑)。
杉浦 あの試合以降、PPVビジネスは下り坂なんです。メイウェザーvsパッキャオは試合内容が低調だったことで、かなり酷評されてしまったんですよね。事前に盛り上がりすぎたその反動というか、「二度とボクシングは見ない」という人が多かったんです。
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