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記事 21件
  • 【13万字・記事詰め合わせセット】斎藤裕、ボンサイ柔術、菊地成孔☓佐藤大輔、AKIRA、笹原圭一……

    2021-06-30 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part89大好評記事18本、13万字で600円!!(税込み)

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    part89

    ☆RIZINフェザー級王者・斎藤裕、「ケラモフのダーティファイト」「朝倉未来vsクレベル」を語る
    ☆斎藤裕はケラモフ戦前に何を語っていたのか
    ☆サトシ、クレベル…ボンサイ柔術の大恩人・坂本健インタビュー
    ☆修斗はローカルなのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ☆菊地成孔☓佐藤大輔■「ローリング20」におけるRIZINと東京オリンピックの行く末
    ☆那須川天心の1vs3ハンディキャップマッチとは何か
    ☆【歴史探偵】朝倉未来vsクレベル・コイケに降臨した「怪物ノゲイラ」
    ☆【ドーム震撼】井上直樹フリップ事件の真相■水垣偉弥
    ☆焼き肉7人前ならぬジャッジ7人制を提言!佐伯繁のジャッジ論
    ☆18年ぶりに帰還! “魔物”が棲む東京ドーム大会総括■RIZIN広報・笹原圭一
    ☆【再録】日本柔術界の最高傑作! サトシ・ソウザは何が凄いのか?■柔術ライター・橋本欽也
    ☆“台風の目の中の男”斎藤裕をめぐる騒動の解釈
    ☆ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■斎藤文彦INTERVIEWS
    ☆高野拳磁とPWC伝説■渡辺宏志塾長
    ☆「我々はカサイに無礼なことしてしまったのか?」……葛西純がアメリカでふたたび血を流す日
    ☆AKIRAインタビュー⑤「新日本プロレスと全日本プロレスの違い」
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    難敵ケラモフを薄氷の判定勝利でクリアしたRIZINフェザー級王者斎藤裕インタビュー。物議を醸した判定、ケラモフのダーティファイトぶり、そして朝倉未来vsクレベル・コイケ戦までスカッと語ってくれた!(聞き手/ジャン斉藤)
     
    ――すっかりSNSに嵐を巻き起こす男になってますね。いや、斎藤選手が何かやったわけではないんですけど(笑)。
    斎藤 そうですね(笑)。 何をやっても騒がれてしまって、お騒がせな感じになってましたね。
    ――まず今回の試合順が騒ぎになってましたし。「第3試合だなんてチャンピオンに失礼!」とか。
    斎藤 ハハハハハハハ。ボクを応援しているファンの方々は怒ってましたね。
    ――アゼルバイジャンズ(ムサエフ&ケラモフ)のセコンドの人数の関係で、2人の試合の間隔を空ける理由もあってケラモフの試合が3試合目になったそうですけど。RIZINから第3試合だと伝えられたときはどう思われたんですか?
    斎藤  地上波が絡んでいたり大人の事情を察しましたね。
    ――変な感情はなかったんですか?
    斎藤 うーん、決まったものに何か言ってもしょうがないし、目の前に試合に集中したいなと思ってました。
    ――選手って試合順は気にするんですか?
    斎藤 ボクはあんまり気にしないですね。第1試合だったら「えっ!?」ってなるかもしれないですけど。
    ――第1試合はあまり。
    斎藤 どうしても会場入りしてから試合までの準備時間が短くなってしまうので。東京ドームは初めての会場でしたし、地上波があるということでバックステージに関係者も多かったんですよね。「いつもと違うなぁ」と思いながら過ごしていたので。できれば準備する時間があったほうが気持ち的にも楽かなと思っていたんですけど。
    ――場の空気に馴染みたいということですかね。
    斎藤 そうですね。テレビが入ってのドームというのはボクは初めてだったので、いい経験になりましたけど。
    ――今回の試合は体調を含めて万全の状態で臨めたんですか。
    斎藤 なかなか試合が発表されずに……。そこも嵐を呼んでいたわけですけど(笑)。
    ――ケラモフ戦はとっくに内定していたけど、緊急事態宣言下の入国問題の事情で公にはできなかった。なかなかカードが発表されないことで「クレベルから逃げた」とか批判されてしまったという(笑)。
    斎藤 そうですね(笑)。淡々と試合に向けて準備はできていたとは思うのでコンディション的には問題はなく……あ、ノンタイトル戦問題もありましたけど。 
    ――ハハハハハハハ。
    斎藤 話題に事欠かない感じになっちゃいましたね(笑)。
    ――あらためて質問するのも馬鹿馬鹿しいんですけど、斎藤選手がノンタイトル戦を希望したんじゃないわけですよね(笑)。
    斎藤 そうですね。 防衛戦にするならするで全然いいんですけど。何か……生きづらい時代になりましたねぇ。
    ――ガハハハハハハハ。 いまってわからないことや、疑問があると、SNSを通して怒りに変換しやいですからね。「斎藤はベルトを失いたくないからノンタイトル戦にしたの?」とか。
    斎藤  格闘技のファン層が広くなったのかなと前向きに捉えてますけど。
    ――今回の判定結果も嵐を呼ぶことになって。イエローカードが判定に影響を与えて斎藤選手が2-1で勝ったわけですが。公式動画のコメント欄の書き込みの指摘によれば、なんとケラモフは17回も反則していたという。 https://www.youtube.com/watch?v=AEZosftj1GE
    斎藤 映像で見えないところでもグローブを掴んできたりしてて。あれ、クラッチされると離れられないんですよね。
    ――17回どころじゃないと。たしかにサミングもあったみたいですし……ここまで反則が酷い試合はなかなかないということで、海外メディアからも斎藤選手に取材の問い合わせが入ったとか。
    斎藤 まあ、あんまり言うとあれなんですけど……ダーティというか確信犯だったとは思うので。そこは海外選手の図太いところというか、日本人とは違うところをまざまざと感じましたね。そこはサブレフェリーだった和田(良覚)さんがずっと「掴んでいるぞ」としっかり見ていてくれましたね。そこは感謝したいです。
    ――瞬間的な動きの多いスポーツということもあって、グラップリングの際の反則をチェックするのはなかなか難しいみたいですね。
    斎藤 たしかにグローブやショーツ掴みは普通に起きたりするんですけど、「それを5分3ラウンドやり続けるのか!?」っていう話なので。
    ――あー、なるほど、たしかに。
    斎藤 何かの瞬間に結果的に反則行為になってしまったのなら仕方ない……とは言わないですけど。 今回の場合は最初から最後まで確信犯でやり続けてましたからね。 
    ――中でも1ラウンド後半に斎藤選手がテイクダウンをしようとしたときにケラモフが一瞬ロープを掴んだシーンがあったんですけど。あの場面はけっこう大きいんじゃないかなと。
    斎藤 四つで倒そうとしたときですよね? あそこでロープが掴まれてなかったら展開はだいぶ違ったと思うんですけど。あそこは相手に有利に働いたところですよね。
    ――今回からそのへんの反則チェックを厳しくなったという印象はありましたか?
    斎藤 そうですね。ロープに引っかかったりすると、すぐにレフェリーの方々が対応したりしていたので、より明確になったというか。反則を“やり得”させないようになってるのかなと感じたんですけど。これからもずっとそうだとありがたいです。
    ――格闘技には見えない反則はあるとはいえ、ロープ掴みって視覚的にも認識もされやすいし、テイクダウンを防がれた事の重大さは伝わってますよね。でも、ショーツ掴みは理解が難しい。
    斎藤 言うならば髪の毛を掴まれるのと一緒ですからね。髪を掴まれたら離れないですよね。
    ――ああ、それはキツイです。
    斎藤 ケンカが強い人は髪掴みが上手って聞きますからね(笑)。 技術といえば技術なんですけど、やってはいけないものなので、 1回注意されたらやめてほしかったですね。 
    ――斎藤選手の金的を掴まれそうになったという指摘もありますけど。要はファールカップをズラそうとしていたのか。
    斎藤  それはどうなんだろう(笑)。必死だったのでそういう意識はないですけど。それが本当だったらヤバイですね(苦笑)。よく気持ちを切らせずに頑張れたらと思います。
    ――あそこまで反則をされたのに、試合後のリング上でケラモフやそのセコンドに挨拶に行ってましたよね。
    斎藤 終わったらノーサイド、 自分の中ではそういう考えがあるので。しかもこの大変な中、来日してくれたし、隔離生活も厳しかったと思うんですよ。それでも体重を落として身体を作って戦ってくれたという意味での感謝はあります。
    ――ケラモフはバックステージではかなり荒れてたみたいですね。 あそこまで反則やっておいて、なんで怒ってるんだって話なんですけど(笑)。
    斎藤  ボクはバックステージでムサエフに捕まっちゃいましたよ。 
    ――えっ!?
    斎藤 何を言ってるのかわからないんですけど、通訳の方があいだに入ってくれて「君は今回の試合についてどう思う?」って聞かれて。まあ、いろんな波紋を投げかけてしまいましたね(笑)。 
    ――いろんな意味で死闘ですねぇ。反則されたときにもっと怒ってもいいんじゃないかなって。
    斎藤 明らかに変なことされたら。頭突きとかやられたらさすがに怒りますけど(笑)。
    ――そこがラインですか(笑)。
    斎藤  それでも試合中に「パンツを掴んでる」とアピールしてたんですけどね。
    ――注目される試合だからこそこうやって反則がクローズアップされたとこはありますよね。
    斎藤 そうですね。これを機にレフェリングのほうも明確になっていくのかなという気がしますね。
    ――ケラモフってライト級のムサエフより身体が大きいんじゃないかって見えたんですよ。
    斎藤 リングで向き合ったときは計量とはだいぶ違いましたね。10キロぐらい戻ってんじゃないかな。凄い身体してたもんな。
    ――斎藤選手も見劣りしませんでしたよね?
    斎藤 あ、そうですか。並んだときに「同じ体格に見えた」っていろんな人に言われるんですけど。ボクは10キロは戻らないんですけど。6キロも戻ってないと思いますね。
    ――テイクダウンは何回もされちゃいましたけど、フィジカル負けはしなかった感じですか。
    斎藤 そうですね。昔だったらテイクダウンされて押さえ込まれて時間がなくなっちゃう……というのが負けパターンなんですけど。そこから脱出はできていたので。その後スタンドで決定的な場面を作れたらよかったんですけど 。相手は1ラウンドから3ラウンドまでテイクダウンからトップキープという作戦だったので、ボクももうちょっと何かできたんじゃないかなって、いまだに思いますね。
    ――テイクダウンされたのは大きな反省材料ですけども、封じ込められるわけでもなく戻せたのは大きいですね。
    斎藤 そこは相手がポジションを取る気配はなかったので。バックを奪われたりとかになったら判定でも分が悪いとは思ってたんですけど、 しがみつくだけだったら、なんとか立ち上がることはできましたね。石渡(伸太郎)さんから負けるんだったらここじゃないかってことで、あそこから逃げる練習は重点的にしてましたね。そこはしっかり理解したうえで試合には臨んだんですけど。 
    ――パウンドもほとんど打たせなかったですね。
    斎藤 最初は鉄槌を打ってきたんです。ボクは1回もらった攻撃は次はもらわない自信があるんですけど。頭の位置を変えれば大丈夫だなって。左目がちょっとケガをしてるんですけど、これは最初の鉄槌ですね。あのあともパウンドを打ってきたら逃げられる自信はあったので、それで相手も固める作戦になったのかなと思いますね。 
    ――今回の予想でケラモフ有利が多かったのは、斎藤選手が修斗で外国人相手(アギー・サルダリ)に封じ込まれた敗戦があったからですけど。今回は何度もリカバリーして進化を見せ付けましたね。
    斎藤 解説の川尻(達也)さんも同じような事を言ってましたね。ボクが2年前に負けた修斗でも川尻さんは解説してたんですよね。
    ――ああ、そんな感慨深いドラマがあった。
    斎藤 あの敗戦を経て、どこを補えばいいのかというのをずっとやってきたので。ここを改善すれば、もっと強くなるんじゃないかと。
    ――2年間の成果がケラモフ戦で出たわけですね。
    斎藤 そうですね。金網とリングは違いますけど、あのくらいのフィジカルの強さの選手から逃げられたことは大きいですね。 ケラモフって後半は強くない選手だと思っていたので、その攻防を続けていくうちに体力を削れていくだろうし、後半はこっちは頑張ることができるので、チャンスが来たら勝負をかけようと思ってましたね。大好評記事18本、13万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • “台風の目の中の男”斎藤裕をめぐる騒動の解釈

    2021-06-26 19:59  
    110pt
    この記事は斎藤裕を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・恋のマジカルRIZIN.27名古屋大会を語ろう■RIZIN広報・笹原圭一・悪評と富を得たベン・アスクレン――彼をもっとも評価したのは、だれなのか・マスヴィダルが救いたい「殺人をコーディネイトした元MMAファイター」・レイザーラモン「学生プロレスから見たプロレスが変わった瞬間」

    Dropkickでは「難しい判定」を「おかしな判定」に変換しがちである、と常々言ってきました。「おかしい!」と批判されがちな判定は、ジャッジが難しい判定だったりするわけですね。もうひとつ言えるのは判定は感情では見ていけないということです。 応援している選手もいれば、そうでない選手もいるから感情で見ちゃうと絶対に冷静に判断できないですよね。 疑問を持つことはおかしなことではないですが、ある程度、判断材料が揃うまで極論をぶつけないほうが無難というか。この試合直後に朝倉未来選手サイドの選手・関係者が「斎藤裕vsケラモフの判定はおかしい」ってツイートしていたのは、未来選手と斎藤選手との関係を考えると早計だったのかなと。それってあきらかに斎藤裕という格闘家に対する感情じゃないですか。 今回の判定は「2-1」のスプリットでケラモフに1票入っていたからケラモフの勝ちという見方もあるわけですし、全否定はちょっとなあと。しかもクレベル・コイケ戦という大一番直前に、未来陣営は浮足立ってるのかなあと心配でした。今回の判定であらためてわかったのは、斎藤チャンプはいつもに勝手に騒動化されるってことですね。斎藤選手が何かやったわけじゃないんですけど、周りで嵐が起こる。

    この続きと、斎藤裕、ボンサイ柔術、菊地成孔☓佐藤大輔、AKIRA、笹原圭一……などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
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  • 【再録】日本柔術界の最高傑作! ホベルト・サトシ・ソウザは何が凄いのか?■柔術ライター・橋本欽也

    2021-06-26 19:19  
    91pt
    サトシRIZINライト級王座ゲット記念! ブラジリアン柔術黒帯にして柔術専門ライターの橋本欽也さんがサトシの凄さを語ったキ記事を再録します! ライト級GPでジョーニー・ケースに負ける前!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■開催が迫るRIZINライト級GP、その主人公のひとりとして目されているのが日系ブラジル人柔術家ホベルト・サトシ・ソウザだ。「柔術ぼんやり層」でもそのヤバさは耳にしたことがあるだろう。いったい彼の何が凄いのか? なぜ「日本代表」として誇らしいのか。ブラジリアン柔術黒帯にして柔術専門ライターの橋本欽也氏に熱く語ってもらった。【1記事から購入できるバックナンバー】・語ろうグレイシー!! ヒクソンの息子クロンのMMAデビューを10倍楽しむ方法
    ・MMAが一番格上なのか? 格闘技原理主義者対談〜橋本欽也vs大沢ケンジ〜・アナタはまだ知らない! 本当に恐ろしいグレイシー一族!!・日本人柔術家が衝撃提言!? 「日本人格闘家はどんどんドーピングしたほうがいい!」【橋本欽也氏がソウザ兄弟にインタビューした動画はコチラです!】https://www.youtube.com/watch?v=28XD6qXPids&t=867s――RIZINでサトシ・ソウザがブレイク寸前なんですが「柔術ぼんやり層」なので何が凄いのかよくわかってないんですよ。そこでアジア・ナンバーワン柔術ライターと言われる欽也さんにお話を聞きたいなと。
    欽也 簡単に言うとね、「日本柔術界の最高傑作」がサトシなんだよっ!
    ――「日本柔術界の最高傑作」!
    欽也 うん。だから本当は“そっち”に行ってほしくなかったんだよなあ。柔術をやってる側からすれば、ダミアン・マイアやビビアーノ・フェルナンデスとか柔術でどんなに実績を残していても、彼らのMMAにはまるで興味がないの。
    ――それは欽也さんだけじゃなくて?
    欽也 ないったらないよ! みんな間違いなくないと思うよ。
    ――じゃあ、そういうことにしておきましょう(笑)。
    欽也 かつての日本には柔術のスターがいっぱいいたじゃないですか。ノゲイラとか。でも、いまのMMAってテイクダウンしてパウンドして……だからやっぱり柔術家としてはつまんないんだよね(笑)。でも、クロン・グレイシーとサトシは別で、この2人のMMAは気になっちゃう。日本柔術界にとってサトシはそれほどスペシャルな存在なんですよ。
    ――クロンはグレイシー直系、あのヒクソンの息子……だから特別な存在であることはわかります。サトシはRIZINでまだ寝技で勝ったことがないので本領発揮はしてないとも言えますよね。
    欽也 ああ、RIZINでは2試合とも打撃で倒したわけだもんね。誤解される言い方になっちゃうけど、サトシってまだMMAを本気でやってないんですよ。柔術ライフの中で「一度はMMA をやっとかないとね」というノリなんですよ。もともと柔術大好きの山田(重孝)さんがサトシにMMAをやらせたんだけど。
    ――REALですね。山田さんはクロン・グレイシーも口説き落としてMMAビューさせて。
    欽也 山田さんは大枚を叩いたんですよ。じゃなかったらサトシもクロンもMMAをやってないんじゃないかな。他のファイターよりギャラが全然違っただろうし、ちゃんと見合った相手をぶつけて育てていったわけですよ。
    ――一流のグラップラーのMMA転向でいえば、ONEのゲイリー・トノンもメチャクチャ成長してますね。
    欽也 そんなに強いの?
    ――強くなってますねぇ。北米のレスラータイプが相手になったらまだわからないですけど。
    欽也 ゲーリーって足関が得意じゃないですか。 柔術でも足関で勝つと「足関かよ……」って卑下されるところがあるんですよ。
    ――へえ、邪道扱いされるんですね。
    欽也 結局足関ってパスにいかないでできる技でしょ。もちろん足関に技術論はありますけど、そういう風潮はいまだ根強く残っていて。ゲイリーは足関に特化した柔術家。もちろんバックチョークもできるけど、足関がクローズアップされてるから。一発はあるけどポジショニングで抑えられたら厳しい。
    ――だからなのか、そこまでレベルが高くない相手にMMAで寝技に持ち込んでも逃しちゃうケースが多かったんですかね。
    欽也 足関が強い人たちは総じてパスがそこまで強くない。パスができないから足関というのはプランBじゃないですか。それで極められるならいいけど、極められなかったら負けるパターンの足関タイプはけっこう多いでしょ。
    ――一発がハマると強いけど……っていう。
    欽也 ゲイリー・トノンは柔術家だけど、「柔術柔術」はしてないですよね。でも、サトシは「柔術柔術」している。
    ――サトシは「柔術柔術した柔術家」なんですよね。舌を噛みそうになっちゃいましたけど(笑)。
    欽也 サトシは日本をベースにした柔術家の中ではトップ中のトップ、スーパートップですよ。以前ヒクソンの話をしたときにも言ったけど、ブラジル人の柔術家たちが「俺が一番だ」「いや、俺のほうが強い」と言い争っても、ヒクソンの名前が出ると「ああ、ヒクソンは別だから」って口を揃えるんですよ。
    ――ヒクソンはそれくらい別格。
    欽也 サトシは日本でそういう存在なんです。みんな「俺が強い!」って言うけど「サトシは別として」。 そんな存在が日本という国で育ったんですよ。
    ――サトシの生まれはブラジルなんですよね。
    欽也 日系ブラジル人。お父さんがブラジル人のアジウソン・ソウザ といってボンサイ柔術の創始者で、奥さんが日本人。長男はマウリシオ・ソウザ、次男がマルキーニョス(RIZIN.19で中村K太郎と対戦)、三男がサトシ、長女でマルキーニョスの妹でサトシの姉に当たるクリスチアーニ、その下にムリーロという弟がいて全員柔術兄弟。グレイシーファミリーと一緒で物心ついたときから柔術をやるのがあたりまえの環境で。
    ――それがまたどうして日本に来たんですか。
    欽也 長男のマウリシオがまず出稼ぎで来日したんですよ。浜松の工場の出稼ぎブラジル人だったんです。サトシの家はそこまで裕福じゃなくてね、俺は一度ブラジルのサトシの家に行ったことがあるんですけど、それがお父さんが自分の手で作った家なんですよ。
    ――だから日本に出稼ぎに。
    欽也 お父さんは自分たちより貧しい人たちがいるってことで、貧しい子たちに柔術を教えてあげたりしてて。そうやって地域貢献をしてるから裕福じゃなくても、彼らには品があるんですよね。ブラジル人特有のガツガツしたところはあるのかもしれないけど、俺に限っていえばそういう姿は見たことない。シュレック(関根秀樹)さんは元警察官で浜松の不良外国人の相手をしてたじゃないですか。ブラジル人のイメージはよくなかったんだけど、ソウザ兄弟が始めたボンサイ柔術に通うようになってから、ブラジル人のイメージが全然変わったと言ってたくらいだから。
    ――シュレックさんが柔術道場に通ったのは、警官としてブラジル人ネットワークを探りにいったところもあったみたいですもんね。
    欽也 兄貴たちの後を追うかたちでサトシも来日して。ブラジルの高校を出てなくて17歳のときかな。 マウリシオは父ちゃんから柔術黒帯をもらってて、日本でもボンサイ柔術を立ち上げていたんですよ。ボンサイ柔術は世界中にあるんですけど、マウリシオは長男だから直系の道場ではあるんですよね。

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  • 【復刻記事】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」

    2021-06-26 19:15  
    110pt



    2020年2月に掲載した小橋建太さんと小佐野景浩さんの14000字対談を再録します!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は特別編! 小橋建太さんとのスペシャル対談です!!




    ――小橋さんと小佐野さんが初めて会ったときのことはおぼえてますか?
    小橋 おぼえてますよ。
    小佐野 私も鮮明におぼえてますね。初めて小橋さんに会ったのは1987年6月20日。
    ――日付までおぼえてるんですか(笑)。
    小佐野 なぜかというと、その日に小橋さんが入門したから。小橋さんが初めてしゃべったプロレスマスコミが私になるのかな。
    小橋 そうなりますね。入門した日に当時六本木にあった全日本プロレス事務所に行ったんですよ。そうしたら、もの凄い数のマスコミが集まっていたからビックリしちゃって。「なんで新人の入門者が来るのにこんなにマスコミがいるんだろう?」と。そうこうしてるうちに小佐野さんと日刊スポーツの記者の方に「ちょっとこっちへ……」と別の場所に連れて行かれたんですよ。
    小佐野 他のマスコミに気付かれる前にこっそり個室に連れて行ったんですよね(笑)。
    小橋 そこでいきなりインタビューが始まってたんですけど、どうも話が合わないんですよね。小佐野さんは「おかしいなあ……」という顔をしてて。なんのことはない、ボクと田上明を間違えたんですよ(笑)。
    小佐野 フフフフフフ。上半身裸にして写真も撮ったりしてたのにね(笑)。
    小橋 あの大勢のマスコミは玉麒麟(田上明の四股名)が入門するということで事務所で待ち構えていんですよね?
    小佐野 いや、というわけじゃなかったんですよ。あのときは全日本のシリーズオフで、何も話題がないからマスコミは事務所に集まって記事のネタを探してて。玉麒麟が入門してくることを知ってる記者は限られていたんだけど、こっちは相撲の知識がまるでないでしょ。身体の大きい小橋さんが入ってきたから「これが玉麒麟か!もう髷を切ってるんだ」と勘違いしちゃってね(笑)。
    小橋 丸坊主なんですけどね(笑)。
    小佐野 日刊スポーツの記者と顔を見合わせて「他のマスコミに気付かれる前に別の場所で取材するしかない」と。いざインタビューしてみるとプロフィールが全然違うわけですよ。
    ――別人ですもんね(笑)。
    小佐野 インタビューを始めた以上はやめるわけにはいかないし、とりあえず写真も撮っておくかと(笑)。 
    小橋 それから1週間ぐらいしたあとに、砧の全日本道場に小佐野さんがやってきたので「あのときの写真をください」とお願いしたら「なくなったからまた撮るね」とアッサリ言われて(笑)。
    小佐野 「記事にはできないんだよ」とも言ったのかな。その頃は玉麒麟クラスだとすぐに記事にはなるけど、一介の新人だとデビューする前にやめちゃうかもしれないから記事にはできなかったんですよ。
    小橋 でも、北ちゃん(北原光騎)と菊地(毅)さんの記事は載ったでしょ? 何かで読みましたよ。 
    小佐野 菊池くんはアマレスの全日本チャンピオンだったし、北原くんはスーパータイガージムのインストラクターだったから載せられたのかもしれないね。
    小橋 ボクは何もバックボーンがないから最初は書類審査で落とされましたからね。不合格通知が来たから、電話で広報の方に「なんでダメなんですか?」と聞いたら「キミには実績がない。会社は辞めたの?だったら別の会社を探しなさい」とガチャンと切られて(笑)。
    小佐野 その頃の身長・体重は?
    小橋 身長は186センチで体重は100キロです。北ちゃんや菊地さんのプロフィールを知っていたので「なんで彼らより身体の大きいボクが入れないんだろう?」と。
    小佐野 それだったら全然問題なく入門できるはずだよね。不運だったのは前の年に相撲出身のジョン・テンタと高木功(嵐)が入って、そしてこの87年にはアマレスの菊地くん、シューティングの北原くんが入って。そのあとに田上明が入ることが決まっていたから、全日本からすればもう新人はいらないということになってたんですよね。
    小橋 ボクが入門したときに何の実績もない新弟子がひとりいたんですよね。スカしましたけどね。
    小佐野 逃げちゃったわけね。なにせ全日本は新弟子が育たない。小川良成がデビューして以降、小橋さんたちの代まで3年ぐらいあいだが空いていたし。
    ――そんな環境の中、小佐野さんは小橋さんがデビューできると思ってました?
    小佐野 できると思ってましたよ。まず田上明と間違えたということは、それだけ身体ができあがっていたということですからね。 普通の新弟子はあそこまで身体ができてない。
    小橋 入門したときは100キロぐらいあったんですけど、2週間で10キロぐらい減ちゃったんですけどね。トレーニングもキツイですけど、先輩・後輩の関係もキツかったです。
    小佐野 いろいろと雑用をやるわけだもんね。いまだったらパワハラだなんだって騒がれるようなことも当時は関係ないし。
    小橋 みんなそれでやめちゃうんですよ。大学のレスリング部のキャプテンとかも入ってきましたけど、みんなスカしましたから。
    小佐野 全日本は本当に新人がデビューしなかった。新日本の場合はテストで一斉採用するから同期と切磋琢磨して頑張れるところがあるでしょ。全日本の場合はパラパラっと入門させるから、最後に入った人間が雑用なんかで大変な目にあっちゃうんですよね。小橋さんのあとにデビューしたのは折原昌夫?
    小橋 そうですね。新人はたくさん入ってきたんですけどね。
    小佐野 当時の『週刊プロレス』ってレスラーの格に関係なく若い選手をピックアップしていて、『週刊ゴング』はそれが許されない本だったんだけど。私としては小橋さんの人気が出てから扱うのがイヤだったわけ。この選手は『ゴング』と共に育った……というイメージが欲しかったから、小橋さん、菊池くん、北原くんは新人の頃から押さえておきたかったんですよね。
    小橋 それでもやっぱり田上明でしょ?(笑)。
    小佐野 ハハハハハ。デビュー1年目の小橋さんが自分の誕生日にアジアタッグに挑戦することが決まったときに、『ゴング』でスタジオ撮影したじゃないですか。
    小橋 ああ、そんな取材ありましたっけ。
    小佐野 当時の編集長の舟木(昭太郎)さんに怒られたんですよ。「新人をこんな扱いをするんじゃない」と。あの頃の小橋さんはシングルで1勝もしてなかった時期だから。
    小橋 してないですね。ずっと勝てなかったですね。
    小佐野 それはどちらかというと、上のほうの選手と当てられていたこともあったからなんだけどね。
    小橋 外国人選手ともやってましたし。あの頃の全日本は変革期というか、「新人は海外修行に行かせない」という方針に変わって。ボクが馬場さんに「海外に行かせてください」と何度もお願いしても頑として「ダメだ」と。
    小佐野 馬場さんは「海外に学ぶものはもうない」という考えになってたからね。当時の全日本の変わりようにビックリしたのは、小橋さんがデビューした直後の試合でベテランの大熊元司さんにブレーンバスターをやってたこと。だって昔の新人はドロップキックにボディスラム、腕を取ることくらいしか許されてなかったら。当時でもアーダコーダうるさい先輩はいたと思うけど。
    小橋 いろいろと言われることもありましたよ。
    小佐野 ミサイルキックなんかやったら「若手がコーナーポストに上がるんじゃない!」とかね。
    小橋 ヒザにサポーターをつけただけで言われましたから。「そんなものをつけてるんじゃねえよ。顔じゃねえよ」と。だからケガをしてるヒザだけサポーターをつけるという不格好なことをやってましたね(笑)。
    小佐野 当時はサポーターをつけないのがあたりまえだみたいな雰囲気だったよね。馬場さんはちゃんとできるのなら、大技を使っていいよというスタンスだったはずだけど。
    小橋 他の先輩にはけっこう言われましたね。言われても、使ってしまえば、こっちのもんみたいな感じでしたけど(笑)。
    小佐野 あとは先輩が使わない技、使えない技をやればいいと。
    小橋 馬場さんは「使っていい」と言ってましたからね。 馬場さんは「アメリカから学ぶものはもうない。俺が教える」と。海外修行に行かせられないぶん、そうやって「どんどん使え」と言ってくださったんじゃないですかね。だって海外だと好き勝手できるじゃないですか。
    小佐野 海外に出ちゃえば、誰にも文句を言われないもんね。小橋さんは馬場さんに好かれて付き人になったわけじゃないけど、周りからそうは思われなかったところはありましたよね。要は「小橋健太だけ特別扱いされてるんじゃないか」と。
    小橋 いやいや、ボクはデビューするまで馬場さんに口を利いてもらえなかったですけどね、付き人なのに。 人間無視されることがどれだけつらいことか……。
    小佐野 一日中、ずっと身の回りの世話をしてるのに。
    小橋 無視してくるのが同級生だったら「じゃあ、いいよ」ってなるけど、相手は馬場さんですよ。会社のトップですよ。いつ追い返されるのか本当に怖かったです。 周りからは、すんなり行ったように思われるかもしれませんが、人生はなかなか……。
    小佐野 他のレスラーからすれば、馬場さんにかわいがられて、チャンスをもらって「あの野郎!」って目で見ていただろうし、当然試合になればキツイ当たりをしてくる選手もいたんじゃないのかなあと思うんだけど。
    小橋 でも、エリートとして入ってきてチャンスを取り逃したり、チャンスを掴みに行ってない選手もいましたからね。ボクはチャンスをもらったときに必死で掴みに行きました。そこの違いだけですよ。
    小佐野 よく小橋さんが言っていたのは「自分はバックボーンがないから、もしチャンスを逃したら次はない」という危機感があったと。
    小橋 その危機感はありました。必死でしたよ。 
    小佐野 だってはじめは田上明のドロップキックの練習台だったわけだもんね。田上明は馬場さんからドロップキックを教わって、その実験台が小橋さんで。
    小橋 そんなのばっかですよ。ボクは練習のときに馬場さんの前で田上さんのことを投げたことは一度もないです。投げられてばっかりで。ボディスラムやバックドロップ、ブレーンバスター、ビッグブーツの練習台ですよ。<14000字対談はまだまだ続く……>
     
  • 18年ぶりに帰還! “魔物”が棲む東京ドーム大会総括■RIZIN広報・笹原圭一

    2021-06-22 17:00  
    110pt
    毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はRIZIN東京ドーム大会を振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・恋のマジカルRIZIN.27名古屋大会を語ろう■RIZIN広報・笹原圭一
    ・朝倉兄弟とYouTube論■菊地成孔・レスリングエリートをMMAファイターに育てる方法■宮田和幸インタビュー・ボンサイ柔術の戦友が語るクレベル・コイケの強さ■関根シュレック秀樹

     
    ――MMAにとって18年ぶりの東京ドーム大会はどうでした?
    笹原 何か東京ドームはすごくそわそわする会場というか……谷川(貞治)さんも来場されていたんですけど「東京ドームってやっぱり色気があるよねぇ」と言ってて。
    ――んあ~!(懐かしのサダハルンバ語)。特別感がある会場なんですね。
    笹原 その感じはすごくわかるんですよ。ボクもPRDIE時代の記憶が残っているので、それこそPRIDE.1のときに高田(延彦)さんが控え室として使っていた部屋の前を通るだけでドキドキしますから。
    ――高田延彦vsヒクソン戦の緊張感がよみがえってくる……。
    笹原 それくらいPRIDE.1の記憶が強烈に残っているってことなんですけどね。 いまの会社(RIZIN)では社長(榊原信行)ぐらいしかあの緊張感を共有できないんですけど。社長も「東京ドームは何か違うんだよな……」って言ってましたから、やっぱり不思議な緊張感があるんですよ。
    ――“東京ドームの格闘技イベント”を体感した関係者も減ってますよね。
    笹原  ボクは18年前どころか、25年前のPRIDE.1とやっている仕事がほとんど変わっていないので、 それが幸せなことなのか、どうなのか(笑)。RIZINオフィシャルカメラマンの保高(幸子)さんともそういう話になって。当時の保高さんは駆け出しのカメラマンだったそうですけど。 
    ――ボクもプロレス格闘技を見ながら麻雀を打つ日々なので、変わりのなさに絶望しますね(笑)。
    笹原 18年間って子供が生まれて成人するまでの時間ですからね。PRIDEを知らずにRIZINを見る人もいる。ひとつの大会でも見方が当然違ってきますよね。
    ――オープニングVもCOMPLEXの「BE MY BABY 」が使用されていましたけど、あれも若い世代はなんでこの曲なのか意味わからないですよね。知ってても知らなくても楽しめるんですけど。
    RIZIN東京ドームのオープニングVより笹原 大会が終わってもボクの頭の中には「BE MY BABY 」が流れ続けていますけど(笑)、本当はなぜあの曲を使ったのか、みたいなことまで掘り下げると、もっと楽しめるんですけどね。
    ――そこらへんはDropkickの他の記事でもちょっと触れてるんですど……あのオープニングVのPRIDE振り返りは写真で構成されてますけど、会場ではUFCの協力により実際のPRIDE映像が使われた限定版だったそうです。
    笹原 じつはそうなんです。だから会場観戦組の方々はものすごく貴重な映像を見られたということなんです。
    ――よくUFCから映像を借りられましたね。
    笹原 チャーリー柏木がUFCに問い合わせたら「会場で使うぶんにはいいよ」と。配信や放送なんかで流すのはNGだけどってことでした。
    ――すべてNGというわけじゃないのが興味深いですね。
    笹原 まぁでも映像を借りる・貸し出すくらいの話はできる関係性があるってことです。
    ――そういう発言でご飯が何杯も食べられるRIZINファンはいっぱいいます(笑)。ただ、朝倉未来選手が負けてしまったことで「格闘技人気が下がる!」と心配しているファンも多いんですよ。
    笹原 あー、そうなんですね。でもPRIDEは東京ドームの高田延彦vsヒクソンから始まったじゃないですか。未来選手の敗北はたしかにショッキングだったかもしれませんど、高田さんが負けたときの絶望感ったらなかったじゃないですか。
    ――正直、終末感がありましたねぇ。
    笹原 いまでいえば「RIZINも修斗もパンクラスもDEEPもすべて終了です。明日から大会もやりません!」みたいな感じじゃないですか(笑)。
    ――佐伯さんが「ジュエルスも入れてよ!」と吠える声が聞こえてきました(笑)。
    笹原 PRIDEは敗北からスタートしたからこそ「負けからどう這い上がるのか」というテーマがイベント自体に刻印されてしまったわけです。なのでPRIDEを母とするRIZINも当然、そこからは逃れられない。未来選手もこの敗北からどうやって這い上がっていくのか。負けたら負けたでここからドラマが紡がれるわけですから。
    ――RIZINの中でも、堀口選手の復活とかはまさにそのテーマですよね。
    笹原 未来選手が「引退するかも」という発言をしていたじゃないですか。まぁ正直負けた選手からそういう言葉はこれまで7万回くらい聞いているので、「そういうモードね」くらいの感じなんですよ、我々は(笑)。でも勘違いしないでほしいんですが、未来選手の言葉を軽く考えているとかじゃなくて、格闘技で受けた敗北や屈辱って、結局格闘技でしか贖えない、という思考に選手が戻ってくることをボクらが確信しているからってことなんです。
    ――実際に翌日、引退発言を撤回しましたけど。それは「もうRIZINが終わってしまう……」くらい、のめり込んでるファンが多いってことでしょうね。
    笹原 熱狂的なファンがRIZINに付いていることは、つくり手として嬉しいことですね。いろんな声を見ていると、RIZINは他人の人生を狂わせるなあって思いますよ。PRIDEやDREAMのときもこの手の熱はありましたけど、あのときとは何か違うなあという印象がありますね。
    ――SNSで直接ものが言えることが大きいんでしょうね。
    笹原 ああ、SNSの存在は大きいですね、たしかに。
    ――ボクは毎日中日ドラゴンズの試合を見ながらテレビ画面に文句を言い続けてますけど、RIZINの場合は選手本人に「その考えはおかしい!」「ざまあみろ!」とかぶつけてるわけですからね(笑)。 
    笹原 喜怒哀楽をSNSで表現できるからこそ、こういった熱が生まれることを加速させているかもしれませんね。
    ――それと自分と同じ感情を共有したいという願望も強いでしょうし。 
    笹原  今回でいえば、サトシやクレベルの勝利に「柔術最高!」と叫ぶ人がいれば、「柔術じゃなくて、サトシやクレベルが最高なんだ」と主張する人がいて。 いろんなところで争いが起こっていてみんなエネルギーがすごいですよね。「もっとほかのことにそのエネルギーを使えよ!」って言いたくなるくらい(笑)。それくらいRIZINが生み出した熱がいろんな人に伝播しているっていうことなんでしょう。天心選手の1vs3の企画もそうだし、斎藤裕選手の判定もそうだし、みんなのエネルギーが凄くて、自分では手に負えないくらいの元気玉を背負わされている感じです(笑)。
    ――猪木さんが「世の中には怒りが足りない」って言ってますけど、全然足りているという(笑)。 
    笹原 大会の翌朝から「三角絞めでタップは是か非か」みたいなことで盛り上がっているんですよ。もう、こっちからしたら翌日くらいゆっくり休ませてくれって感じですよ(笑)。まぁこれも選手が大舞台で、真剣に取り組んでいるからこそなんですけどね。
    ――あの試合形式はどうなんだ、みたいな批判の声もあった天心選手にしても、試合後のマイクは何か熱いものがあったというか。天心選手本人が一番満足してない感がマイクを通して伝わってきて。 
    笹原 天心選手のYoutubeにもupされていますけど、いわく「試合前にメイウェザー戦のことが頭をよぎった。恐怖に囚われてしまった」と。ボクもリングサイドで見ていて、すごく変な空気感を感じていたんです。なんか不穏な感じというか。
    ――そこは視聴者とのギャップは確実にあったんですね。どうしてもYouTube っぽい企画として見ちゃうでしょうし。やっぱりハンディキャップマッチってアンドレ・ザ・ジャイアントのように見た目のハンディがないと難しいのかなって。
    笹原 そこの温度差はどうしても出ちゃいますね。リングサイドで見ているぶんには緊張感がとんでもなかったんですよ。 天心選手からすれば、リングに上がったら3人の対戦相手がいて初めてやるルールですから、いつもと勝手が違う感じが、リングインした時に伝わってきましたし。
    ――全然スケールが違いますけど、ボクも初めての雀荘で打つときには多少、緊張しますからね(笑)。
    笹原 このままインタビューを打ち切りたくなるくらいスケールが違いますけど、そういうことですよね(笑)。「1vs3」で戦ったらどうなるかを想像できても、 実際にやってみたらその想像との乖離はあったでしょうし。あの天才・那須川天心でさえ15キロ近い体重差がある人と練習はすると思いますけど、ガチンコで殴り合うことなんてないでしょうし。 
    ――これもまたスケールが違いますけど、麻雀で赤ドラが1枚入るだけでゲーム性が全然違いますからね。
    笹原 競技麻雀ばかりしていた人が、いきなり赤5筒・赤5索・赤5万全部入ったルールでやるみたいなもんですよ……って、こんな例え誰もわかりませんよ!(笑)。でも、ここからが那須川天心の天才たる所以なんですが、「3人倒そう」とする自分が空回りしていることに気づいて、このままだとまずいと冷静になって一度引いて、1ラウンドは無理せず倒されないようにパンチをかわすことを考えたと。
    ――一度、自分を捨てたわけですね。「破壊と建設」の概念だ。 
    笹原 我々レベルだと、もう面倒くさくなって「こうなりゃリーチだ!」みたいな感じになると思うんですけど、あの局面でというか、戦っている最中に軌道修正できるのはやっぱりすごいですよ。
    ――格闘技をろくに知らないウチの奥さんが1vs3を見て「これは本当に意味がわからない」と固まっていたので視聴率が心配だったんですけど。 
    笹原 それが昨年9月のRIZINより上なんですよね。斉藤さんの奥さんが興味を持って見たように、一般世間の人からすれば「知っている人が戦っている」ことが大きいんでしょうね。
    ――ああ、マスってそういうことですよね。一般人ってMMAやキックルールの違いもわかってなかったりしますし。 
    笹原 それは我々の努力が生き届いていないってことも当然ありますけど、一般世間というのはそういうもんなんだろうなっていうことですよね。BTSのメンバーの名前を我々が言えないことって、 BTSファンからしたら「は?ありえない!」ってことなんでしょうけど、どれだけ情報が流れてきても、ボクも斎藤さんも覚えようなんて気にならないことと同じですよね。
    ――BTSと言われても「GSPやJDSと違うのかな~」というオヤジギャグな切り返ししかできませんよ(笑)。地上波の放送で新規ファイターを売り込めばいいっていう考えもあるけど、一般世間は「知らない人は見ない」わけですし。そう考えると那須川天心も朝倉未来も世間にお披露目する前から地熱はありましたから。
    笹原 テレビに出せばスターになるわけではなく、世間を振り向いてくれる存在にならないとテレビに出ても跳ねないってことではありますね。試合翌朝の『めざまし8』の最初のトピックスが朝倉未来の敗戦で、 コメンテーターの橋下徹が三角絞めのことに触れて、「引退しないでほしいですね」って言っていたらしいんですね。フジテレビのRIZIN担当が仕込んだとかじゃなくて、話題になったので普通に触れていたと聞きました。
    ――それだけ注目されていたってことですね。笹原 そうです。衝撃的な決着シーンだったことも大きかったと思いますし、大会後のツイッターとかも、日本中がRIZINのことを議論してんじゃないか(笑)くらい活況でしたからね。
    ――決して冷めた言い方するつもりはないんですが、タップする・しないって状況によるとしか言えないんですけどね。なんならRIZIN直前の UFC では、腕十字で腕を脱臼させられたあとに三角絞めを固められて肘打ちを喰らい続けてもタップしなかった選手がいましたし(笑)。
    笹原 ホントそうなんですよね。試合直後とか、うかつなことを言うと炎上しそうなくらい熱くなっていましたよね(笑)。斉藤さんがRIZIN RADIOで言ってましたけど、RIZINってホントに格闘技啓発イベントになってますよね。RIZINで何か起きるとみんなが勉強できる。
    ――そこで異常な熱が生まれるのは、全肯定と全否定のぶつかり合いが起きるからでしょうね。
    ・斎藤裕vsケラモフの判定について
    ・ムサエフが「あの人」に詰め寄った!?
    ・井上直樹のフリップ芸で生放送ピンチ!?
    ・朝倉未来の「タップしない」発言の受け止め方……などなど11000字総括はまだまだ続く!

    この続きと、斎藤裕、ボンサイ柔術、菊地成孔☓佐藤大輔、AKIRA、笹原圭一……などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
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  • 焼き肉7人前ならぬジャッジ7人制を提言!佐伯繁のジャッジ論

    2021-06-22 17:00  
    110pt
    佐伯繁DEEP代表にジャッジを伺うインタビュー!【1記事から購入できるバックナンバー】
    【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」

    【必読】笹原圭一広報「RIZINの判定基準について説明いたします」

    【選手必読!!】判定基準が10倍よくわかるジャッジ対談■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジこれでわかったRIZINの判定基準!■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ〜模擬ジャッジ編〜


    ――日本で一番グルメとジャッジにうるさいと言われる格闘技関係者、佐伯さんにジャッジについてお伺いします。
    佐伯 ジャッジもそうなんだけど、競技運営っていろいろと難しいことが多いんですよね。こないだRIZINの公開練習のときに川名(雄生)くんがワセリンとカットマンの話をしていたでしょ。
    ――RIZINは縦ヒジも含め全試合ヒジ打ちありになりますね。それに伴ってワセリンが使用されますが、川名選手はカットマンも導入してほしいと。RIZINの場合はドクターが塗るそうですけど。
    佐伯 誤解されてるのは、カットしたからって試合中にワセリンはダメなんだよね。インターバル中に規定の場所に塗るだけで、それ以外は医療行為になっちゃうから。
    ――笹原さんはRIZIN RADIOで医療行為になるからという理由でワセリン自体の導入を嫌がってましたね。
    佐伯 阿部大治vsレッツ豪太の試合で、阿部選手のパンチを手で防いだらレッツ選手の指が外れたんですよ。 本人が試合中やインターバル中に指が入れれば試合は続けられるけど、それ以外は医療行為になるから。
    ――セコンドじゃなくて自分がハメればオッケーなんですね。
    佐伯 そうそう。で、試合はそのままドクターストップで終わったんですよ。以前オーストラリアの試合で相手選手の腕が外れてレフェリーが入れていたことがあって。大会関係者から「ゴメンね、地元の選手だから」って言われましたよ(笑)。
    ――ホーム判定ならぬホーム医療行為(笑)。
    佐伯 そのへんを含めてMMAにはまだまだ矛盾点はあるわけだよね。 人間が戦って人間が裁いているスポーツだから。
    ――それは格闘技にかぎらず採点制のスポーツは何かしら矛盾を孕んだものになっちゃいますね。
    佐伯 ジャッジにしても基準というものは明確にあるんですけど、ジャッジする人のそれぞれの基準というのもあるわけですよね。昔だったらレスリング出身の人はレスリングベースで戦う選手にポイントを付けがちだったかもしれません。
    ――レスリング五輪の金メダリストでPRIDEジャッジをやっていた小林孝至さんとか。いまはユニファイドになってて基準があるとはいえ、競った試合になると個人の見方は出てきますよね。
    佐伯 判定基準をベースに個人個人何かしらをポイントにしてジャッジしてるわけですよ。 あとみんな気付いてないですけど、ジャッジの物言いは文章で抗議できませんからね。偶発的なアクシデントは検証しますけど、基本的に判定結果は検証できないルールが日本ではスタンダードなんです。それにみんながテレビカメラで見ているのとは違うわけですよ。ジャッジの目線の位置の映像を見ているわけでないですからね。
    ――リングサイドのジャッジ席から見てるわけですよね。
    佐伯 近くからじゃないとわからないこともある。となるとビックリするくらい印象が違ってくるから。
    ――佐伯さんは話題の斎藤裕vsケラモフをどう見たんですか?
    佐伯 ボクの意見をいえば、テイクダウンの評価だよね。ONEなんかはテイクダウンは全然評価してないでしょ。
    ――ONEは世界で一番テイクダウンを評価しない団体ですね。
    佐伯 今回のケラモフがテイクダウンから先の展開はなかったことは事実。だけどテイクダウン回数は多かったので、どこからが有効なのかは難しいですね。
    ――展開を作らなかったらテイクダウンの回数は関係ないのか?と。


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  • RIZINフェザー級王者・斎藤裕、「ケラモフのダーティファイト」「朝倉未来vsクレベル」を語る

    2021-06-19 08:45  
    110pt
    難敵ケラモフを薄氷の判定勝利でクリアしたRIZINフェザー級王者斎藤裕インタビュー。物議を醸した判定、ケラモフのダーティファイトぶり、そして朝倉未来vsクレベル・コイケ戦までスカッと語ってくれた!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・女性から見た「女子格闘家の減量」/元シュートボクシング王者・髙橋藍・RIZIN男塾塾長・石渡伸太郎「舐められてる自分にムカついてます」・ボンサイ柔術の戦友が語るクレベル・コイケの強さ■関根シュレック秀樹
    ・RIZINがスタッツ導入! 数字で楽しむMMA■RIZIN海外事業部・柏木信吾

    ――すっかりSNSに嵐を巻き起こす男になってますね。いや、斎藤選手が何かやったわけではないんですけど(笑)。
    斎藤 そうですね(笑)。 何をやっても騒がれてしまって、お騒がせな感じになってましたね。
    ――まず今回の試合順が騒ぎになってましたし。「第3試合だなんてチャンピオンに失礼!」とか。
    斎藤 ハハハハハハハ。ボクを応援しているファンの方々は怒ってましたね。
    ――アゼルバイジャンズ(ムサエフ&ケラモフ)のセコンドの人数の関係で、2人の試合の間隔を空ける理由もあってケラモフの試合が3試合目になったそうですけど。RIZINから第3試合だと伝えられたときはどう思われたんですか?
    斎藤  地上波が絡んでいたり大人の事情を察しましたね。
    ――変な感情はなかったんですか?
    斎藤 うーん、決まったものに何か言ってもしょうがないし、目の前に試合に集中したいなと思ってました。
    ――選手って試合順は気にするんですか?
    斎藤 ボクはあんまり気にしないですね。第1試合だったら「えっ!?」ってなるかもしれないですけど。
    ――第1試合はあまり。
    斎藤 どうしても会場入りしてから試合までの準備時間が短くなってしまうので。東京ドームは初めての会場でしたし、地上波があるということでバックステージに関係者も多かったんですよね。「いつもと違うなぁ」と思いながら過ごしていたので。できれば準備する時間があったほうが気持ち的にも楽かなと思っていたんですけど。
    ――場の空気に馴染みたいということですかね。
    斎藤 そうですね。テレビが入ってのドームというのはボクは初めてだったので、いい経験になりましたけど。
    ――今回の試合は体調を含めて万全の状態で臨めたんですか。
    斎藤 なかなか試合が発表されずに……。そこも嵐を呼んでいたわけですけど(笑)。
    ――ケラモフ戦はとっくに内定していたけど、緊急事態宣言下の入国問題の事情で公にはできなかった。なかなかカードが発表されないことで「クレベルから逃げた」とか批判されてしまったという(笑)。
    斎藤 そうですね(笑)。淡々と試合に向けて準備はできていたとは思うのでコンディション的には問題はなく……あ、ノンタイトル戦問題もありましたけど。 
    ――ハハハハハハハ。
    斎藤 話題に事欠かない感じになっちゃいましたね(笑)。
    ――あらためて質問するのも馬鹿馬鹿しいんですけど、斎藤選手がノンタイトル戦を希望したんじゃないわけですよね(笑)。
    斎藤 そうですね。 防衛戦にするならするで全然いいんですけど。何か……生きづらい時代になりましたねぇ。
    ――ガハハハハハハハ。 いまってわからないことや、疑問があると、SNSを通して怒りに変換しやいですからね。「斎藤はベルトを失いたくないからノンタイトル戦にしたの?」とか。
    斎藤  格闘技のファン層が広くなったのかなと前向きに捉えてますけど。
    ――今回の判定結果も嵐を呼ぶことになって。イエローカードが判定に影響を与えて斎藤選手が2-1で勝ったわけですが。公式動画のコメント欄の書き込みの指摘によれば、なんとケラモフは17回も反則していたという。 https://www.youtube.com/watch?v=AEZosftj1GE
    斎藤 映像で見えないところでもグローブを掴んできたりしてて。あれ、クラッチされると離れられないんですよね。
    ――17回どころじゃないと。たしかにサミングもあったみたいですし……ここまで反則が酷い試合はなかなかないということで、海外メディアからも斎藤選手に取材の問い合わせが入ったとか。
    斎藤 まあ、あんまり言うとあれなんですけど……ダーティというか確信犯だったとは思うので。そこは海外選手の図太いところというか、日本人とは違うところをまざまざと感じましたね。そこはサブレフェリーだった和田(良覚)さんがずっと「掴んでいるぞ」としっかり見ていてくれましたね。そこは感謝したいです。
    ――瞬間的な動きの多いスポーツということもあって、グラップリングの際の反則をチェックするのはなかなか難しいみたいですね。
    斎藤 たしかにグローブやショーツ掴みは普通に起きたりするんですけど、「それを5分3ラウンドやり続けるのか!?」っていう話なので。
    ――あー、なるほど、たしかに。
    斎藤 何かの瞬間に結果的に反則行為になってしまったのなら仕方ない……とは言わないですけど。 今回の場合は最初から最後まで確信犯でやり続けてましたからね。 
    ――中でも1ラウンド後半に斎藤選手がテイクダウンをしようとしたときにケラモフが一瞬ロープを掴んだシーンがあったんですけど。あの場面はけっこう大きいんじゃないかなと。
    斎藤 四つで倒そうとしたときですよね? あそこでロープが掴まれてなかったら展開はだいぶ違ったと思うんですけど。あそこは相手に有利に働いたところですよね。
    ――今回からそのへんの反則チェックを厳しくなったという印象はありましたか?
    斎藤 そうですね。ロープに引っかかったりすると、すぐにレフェリーの方々が対応したりしていたので、より明確になったというか。反則を“やり得”させないようになってるのかなと感じたんですけど。これからもずっとそうだとありがたいです。
    ――格闘技には見えない反則はあるとはいえ、ロープ掴みって視覚的にも認識もされやすいし、テイクダウンを防がれた事の重大さは伝わってますよね。でも、ショーツ掴みは理解が難しい。
    斎藤 言うならば髪の毛を掴まれるのと一緒ですからね。髪を掴まれたら離れないですよね。
    ――ああ、それはキツイです。
    斎藤 ケンカが強い人は髪掴みが上手って聞きますからね(笑)。 技術といえば技術なんですけど、やってはいけないものなので、 1回注意されたらやめてほしかったですね。 
    ――斎藤選手の金的を掴まれそうになったという指摘もありますけど。要はファールカップをズラそうとしていたのか。
    斎藤  それはどうなんだろう(笑)。必死だったのでそういう意識はないですけど。それが本当だったらヤバイですね(苦笑)。よく気持ちを切らせずに頑張れたらと思います。
    ――あそこまで反則をされたのに、試合後のリング上でケラモフやそのセコンドに挨拶に行ってましたよね。
    斎藤 終わったらノーサイド、 自分の中ではそういう考えがあるので。しかもこの大変な中、来日してくれたし、隔離生活も厳しかったと思うんですよ。それでも体重を落として身体を作って戦ってくれたという意味での感謝はあります。
    ――ケラモフはバックステージではかなり荒れてたみたいですね。 あそこまで反則やっておいて、なんで怒ってるんだって話なんですけど(笑)。
    斎藤  ボクはバックステージでムサエフに捕まっちゃいましたよ。 
    ――えっ!?
    斎藤 何を言ってるのかわからないんですけど、通訳の方があいだに入ってくれて「君は今回の試合についてどう思う?」って聞かれて。まあ、いろんな波紋を投げかけてしまいましたね(笑)。 
    ――いろんな意味で死闘ですねぇ。反則されたときにもっと怒ってもいいんじゃないかなって。
    斎藤 明らかに変なことされたら。頭突きとかやられたらさすがに怒りますけど(笑)。
    ――そこがラインですか(笑)。
    斎藤  それでも試合中に「パンツを掴んでる」とアピールしてたんですけどね。
    ――注目される試合だからこそこうやって反則がクローズアップされたとこはありますよね。
    斎藤 そうですね。これを機にレフェリングのほうも明確になっていくのかなという気がしますね。
    ――ケラモフってライト級のムサエフより身体が大きいんじゃないかって見えたんですよ。
    斎藤 リングで向き合ったときは計量とはだいぶ違いましたね。10キロぐらい戻ってんじゃないかな。凄い身体してたもんな。
    ――斎藤選手も見劣りしませんでしたよね?
    斎藤 あ、そうですか。並んだときに「同じ体格に見えた」っていろんな人に言われるんですけど。ボクは10キロは戻らないんですけど。6キロも戻ってないと思いますね。
    ――テイクダウンは何回もされちゃいましたけど、フィジカル負けはしなかった感じですか。
    斎藤 そうですね。昔だったらテイクダウンされて押さえ込まれて時間がなくなっちゃう……というのが負けパターンなんですけど。そこから脱出はできていたので。その後スタンドで決定的な場面を作れたらよかったんですけど 。相手は1ラウンドから3ラウンドまでテイクダウンからトップキープという作戦だったので、ボクももうちょっと何かできたんじゃないかなって、いまだに思いますね。
    ――テイクダウンされたのは大きな反省材料ですけども、封じ込められるわけでもなく戻せたのは大きいですね。
    斎藤 そこは相手がポジションを取る気配はなかったので。バックを奪われたりとかになったら判定でも分が悪いとは思ってたんですけど、 しがみつくだけだったら、なんとか立ち上がることはできましたね。石渡(伸太郎)さんから負けるんだったらここじゃないかってことで、あそこから逃げる練習は重点的にしてましたね。そこはしっかり理解したうえで試合には臨んだんですけど。 
    ――パウンドもほとんど打たせなかったですね。
    斎藤 最初は鉄槌を打ってきたんです。ボクは1回もらった攻撃は次はもらわない自信があるんですけど。頭の位置を変えれば大丈夫だなって。左目がちょっとケガをしてるんですけど、これは最初の鉄槌ですね。あのあともパウンドを打ってきたら逃げられる自信はあったので、それで相手も固める作戦になったのかなと思いますね。 
    ――今回の予想でケラモフ有利が多かったのは、斎藤選手が修斗で外国人相手(アギー・サルダリ)に封じ込まれた敗戦があったからですけど。今回は何度もリカバリーして進化を見せ付けましたね。
    斎藤 解説の川尻(達也)さんも同じような事を言ってましたね。ボクが2年前に負けた修斗でも川尻さんは解説してたんですよね。
    ――ああ、そんな感慨深いドラマがあった。
    斎藤 あの敗戦を経て、どこを補えばいいのかというのをずっとやってきたので。ここを改善すれば、もっと強くなるんじゃないかと。
    ――2年間の成果がケラモフ戦で出たわけですね。
    斎藤 そうですね。金網とリングは違いますけど、あのくらいのフィジカルの強さの選手から逃げられたことは大きいですね。 ケラモフって後半は強くない選手だと思っていたので、その攻防を続けていくうちに体力を削れていくだろうし、後半はこっちは頑張ることができるので、チャンスが来たら勝負をかけようと思ってましたね。・判定前の率直な心境・RIZIN判定基準はどう把握していたのか・榊原代表の「チャンピオンならスカッと勝てよ」発言について・朝倉未来の戦いぶりに思ったこと・クレベル恐怖の三角絞めはこう見た……まだまだインタビューは続く!

    この続きと、斎藤裕、ボンサイ柔術、菊地成孔☓佐藤大輔、AKIRA、笹原圭一……などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
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  • 【ドーム震撼】井上直樹フリップ事件の真相■水垣偉弥

    2021-06-16 20:21  
    110pt
    北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るRIZIN東京ドーム(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー
    ・【フリー公開】クレベル・コイケ「朝倉未来は特別なファイターではない」
    ・カーフキックの世界的猛威! マクレガーよ、おまえもか!?■水垣偉弥

    ・矢地地祐介の関節蹴りがサトシ・ソウザ爆発のトリガーとなった
    ――今日は大いに盛り上がったRIZIN東京ドーム大会を語っていただきたいなと思ってます!
    水垣 よろしくおねがいします。
    ――まず水垣さんがセコンドに付かれた井上直樹選手は凄かったですけど、試合後の謎のフリップ芸は……。
    水垣 あれは話すと長くなるんですけど……。
    ――長くなってもけっこうですので、おねがいします(笑)。
    水垣 あれは控室を出るスタンバイ直前に書かされたんですよ(笑)。
    ――それは水垣さんが?
    水垣 はい。頼まれたんですよね。書きながら「このタイミングでこんなことをしてセコンドとして、はたしていいのかな……」って自問自答したという(笑)。 試合に向かう中で何か思い残したことがあるとマズイじゃないですか。
    ――あのネタ構成もその場で考案したと?
    水垣 その場ですね。 なんとなく、うまくまとめなきゃいけないなっていう。
    ――どういうことなんですか、それ(笑)。もともとこういうプランはあったんですか?
    水垣  前回の試合が終わったあとにマイクの話になったんですよ。
    ――なにしろ井上選手最大の弱点はマイクですからね(笑)。
    水垣 そのときにボクが「カンペとかを書いた方がいいんじゃないの?」っていう話をした記憶はあるんですよ。それっきりの冗談で終わったんですけど、試合当日、会場に向かう車の中で「スケッチブックを持ってきてます」って急に言われて。 
    ――いきなり(笑)。
    水垣 で、その話は車の中で終わって、試合直前までなかったんですよ(笑)。
    ――ハハハハハハハハ!
    水垣 スタンバイちょっと前になったところで「スケッチブックどうしますか?」と。 「あれを本当にやるんだ!?」ってテンパりましたね(笑)。
    ――ひどい話ですけど(笑)、試合前に井上直樹は恐ろしい子ですよ!
    水垣 ここ1時間ぐらいで気がついたんですけど、どうやら那須川(天心)選手との流れもあったみたいで。
    ――井上選手と那須川選手の2人は永末ニックさんのところでパーソナルトレーニングをやってる繋がりがありますね。ツイッターでもこの件で2人がキャッキャッしたやり取りをしてて。
    水垣 ボクはそれは知らなかったんですよ。たしかに「カンペを使ったら」とは言ったんですけど。 冗談とはいえ言ったからには、やらきゃいけないのかなと。40歳近いオッサンが1人でテンパってたんですよね。なので、あのフリップは日本の若き天才2人の悪ふざけです(笑)。
    ――何をされるかわからないから近づきたくないですね(笑)。
    水垣 オジサンが遊ばれたわけですよ。 まず字がめっちゃ汚いなって。あの字の汚さは書いてるときのボクのメンタルに免じて見逃してくれないかなって思ってます(笑)。 
    ――これはこれで面白かったんですけど、やるんだったらちゃんと構成を練ってこないと。
    水垣  ボクもそう思ったんですよ。あんな冗談がこんなかたちになってしまって、ものすごく責任感を感じました。ボクもただでは転ばなくて、あのスケッチブックに直樹選手のサインをしてもらって YouTube でプレゼントしようかなって。
    ――こうなったら那須川天心のサインをもらったほうがいいですよ(笑)。
    水垣 ああ、それはいいですね(笑)。
    ――水垣さんが大変な目に遭った話はここまでにして、井上直樹はめちゃくちゃ強いですね。

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  • 大仁田厚と「アメリカの大仁田厚」、すれ違いの裏側

    2021-06-15 17:53  
    110pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは大仁田厚とアメリカの大仁田厚、すれ違いの裏側です!
    <1記事から買えるバックナンバー>
    ・「私たちは、人間よりも神に従うべきです」WWE NXTのレフェリーは陰謀論者
    ・解雇された元女子王者、WWEからゴミ袋を送りつけられる
    ・名門ハート一家の問題児テディ・ハートの転落
    ・歓声にブーイングも帰ってくる!!  レッスルマニア有観客大会開催

    「おいトレモント! なぜ返事をくれんのじゃ……」
    先日、大仁田厚の悲痛な叫びがツイッター上に発せられ、いったい何事かと色めきだった。子供の頃から大仁田ファンで、大仁田を心の師と仰ぎ、大仁田を尊敬してやまない、アメリカのデスマッチレスラー、マット・トレモントに向けて発した言葉だった。トレモントは、昨年10月に惜しまれつつも引退し、現在は自身の団体、H2O(ハードコア・ハッスル・オーガナイゼイション)を率いて、レスラーではなく、プロモーターとして団体運営に勤しんでいる。
    大仁田は、そのトレモントに向けて呼びかけたが、愛弟子とも言えるトレモントから、なんの返答もないことを寂しがっているようだった。大仁田と、“アメリカの大仁田”とまで言われたトレモント。深い絆で結ばれていた2人のあいだに何があったのだろうか……。
    事の始まりは、この2週間ほど前に、大仁田がトレモントに投げかけたツイッターでのビデオメッセージからだった。その映像の中で、大仁田は叫んだ。
    「トレモントぉーっっっ! カムバーーーック! 」
    去年10月に引退したばかりのトレモントに向かって、現役復帰を呼びかける。
    「以前、俺とお前はCZWで爆破試合をやったよな(2017年8月5日米フィラデルフィア)。あれは大したことなかった。お前はやり残した大きなことがあるんだ。だから復帰して俺と有刺鉄線電流爆破で戦え!」
    この突然の対戦要求に、特に米インディーマット界は騒然とする。日本では、そのキャラクターや、引退と復帰を繰り返していることから、好き嫌いの評価が分かれる大仁田ではあるが、アメリカでは「デスマッチの始祖」として高評価、高人気を博しているジャパニーズ・レジェンドレスラーの1人である。
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  • 【歴史探偵】朝倉未来vsクレベル・コイケに降臨した「怪物ノゲイラ」

    2021-06-15 17:31  
    110pt
    この記事は朝倉未来vsクレベル・コイケを語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・ボンサイ柔術の戦友が語るクレベル・コイケの強さ■関根シュレック秀樹
    ・【歴史探偵】那須川天心のツイートは何に怒っているのか・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー・【歴史探偵】川尻達也の魔裟斗戦は“売名行為”だったのか
    Dropkickメルマガ会員の皆さんはご存知だと思われますが、ボクの見立てというか適当な能書きは、因果性が軸になってるんですけど。これは麻雀の見方から来てるんですよ。 「こういうことが起きたのは、あのときの意識の持ち方、精神性によるものじゃないか」と勝手に結びつける。 お手本となっているボクの師匠の雀鬼・桜井章一の場合は、おそろしいことに事前に予言するんですよね。たとえば相手のリーチに対して一発で放銃したとき雀鬼は「いい放銃だ」ってつぶやいたことがあるんです。 その放銃は点数状況的には絶対NGだったんですけど、なぜか雀鬼は「いい放銃だ」と言い切る。
    そうしたら次局にリーチ一発でツモった。雀鬼はその出来事を予言したんじゃなくて、相手に放銃はしたけど、無意識になんの迷いもなく打てていると評価したわけです。その結果、手順ミスなく一発でツモれて点棒を取り戻した。実際にその後はアガリが止まらなかったんです。つまり即物ではなく「精神」「意識」から見ていくのが雀鬼の真髄で。ボクの場合はそんな見方はとてもできないので後付で都合よくやってるわけなんですけど(笑)。
    今回の朝倉未来選手に関しては「魔裟斗との対談で覚醒したというストーリーがポイントになるのではないか?」ということは、このニコ生でも繰り返し言ってきてて。その企画自体がいい悪いじゃなくて、「カリスマからカリスマ」の伝承にみんな一斉に乗ってたじゃないですか。中川翔子さんも解説席で好意的に触れてましたし、普段から「誰と誰が練習した」というストーリーをみんなものすごく欲しがるわけですよね。YouTubeのコラボは格闘技ファンの大好物であり、演出だとしたらYouTuberとしても正しいやり方。朝倉選手のYouTubeを起点とする演出力っていうのは圧巻で、対戦相手の矢地祐介選手ですらその幻想に巻き込まれていきました。
    でも、あの演出は危ういというか、やっぱり格闘技の現実は簡単じゃない。「魔裟斗による覚醒」が事実だったら、これまでどんな練習環境だったのかという話で。
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