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記事 27件
  • 【13万字・詰め合わせセット】RIZINと競技、ロイヤルランブル、安田忠夫新日編、田上明、K-1崩壊……

    2018-02-28 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part49は大好評インタビュー15本、コラム5本、13万字オーバーで540円!!(税込み)

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    part49 ◎徹底解説16000字!! 福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」
    ◎【90年代・新日本プロレス編】安田忠夫「リングでやっちゃえば警察は介入できないじゃん」

    ◎斎藤文彦INTERVIEWS

    ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括

    ◎Dropkick読書会

    ボブ・サップ『野獣の怒り』と、谷川貞治『平謝り』から読むK-1崩壊

    ◎田上明さん、どうしてステーキだったんですか? 「ステーキ居酒屋チャンプ」インタビュー

    ◎原理主義の親玉に訊く「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ

    ◎【パンクラス歴史的死闘】仙三、一度はグローブを置いた後悔「このままじゃ負け犬じゃないか」

    ◎シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ガヌー敗北の裏側/DAZNのUFC中継更新は?/ONE日本大会また消滅

    ◎プロレスラーは強いんです! 金原弘光が大病から帰ってきた!!

    ◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生

    ◎2017年の堀口恭司、RIZINで1億円稼いだ説

    ◎18年目の再挑戦!! 川尻達也インタビュー「五味くん、矢地くん、北岡くんのいるライト級に帰ります!」

    ◎前代未聞!! 新生K-1ビッグマッチのメイン消滅とは何か■事情通Zのプロレス点と線

    ◎中邑真輔がWWEで成功するのは、あったりまえじゃん!■二階堂綾乃先生のロイヤルランブル

    ◎【KNOCKOUT戦略発表会】木谷高明オーナー、大演説「RIZINやK-1はまったく怖くないです!!」

    ■オマスキファイトのMMA Unleashed

    米インディープロレス狂騒曲:WWEに行く必要がない、あるいは行きたくないという選択肢が可能になっている時代/ロンダ・ラウジーのプロレス転向は成功するのか?/「まだUFCなんか気にしているの?」米メディアに渦巻くUFC悲観論まとめ/前回はプロレス風味のフットボールで大失敗! ビンス・マクマホン(72)、XFLで最後のリベンジ



    ■アメプロインディ通信「フリーバーズ」

    TOO SWEETじゃなくてTOO DEEP!! 世界一卑猥なハンドサインをご存知?/デスマッチ仁義なき戦いに警察も出動! GCWシュート事件とは何か
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    Dropkickのプロレス格闘技本読書会!!  今回取り上げる本はボブ・サップ『野獣の怒り』と、谷川貞治『平謝り』。この2冊の本からK-1を振り返ります! この記事はDropkickニコ生配信で語られた『プライド』の感想を再編集・加筆したものです(語り・ジャン斉藤)

    【関連記事】高田vsヒクソンの真実とは? 金子達仁『プライド』天田ヒロミ K-1天国と地獄「谷川さんがやるようになってK-1はダメになりました」 佐藤嘉洋「判定問題のせいで闇に葬り去られていますけど、魔裟斗戦はMAX史上最高の盛り上がりだったと思います」今回はボブ・サップの『野獣の怒り』と、谷川貞治さんの『平謝り』という2冊の告白本から当時のK−1の実態を解き明かしていきたいと思います。

    いきなり話は脱線しますが、『平謝り』という題名もそうですし、頭を下げっぱなしの人生だったと過去を綴る谷川さんですけど、印象的な“平謝り”なエピソードがあって。これはボクが『kmaipro』の編集者だったときのことなんですけど、ボクが聞き手を務めたインタビューで谷川さんが武蔵の悪口を言ったんですよね。「試合がつまらない」とかそういう類の。それを読んだ武蔵が大激怒したらしくてですね、慌てた谷川さんから電話があって「斉藤くんが無理矢理言わせたってことにしてよ〜」とお願いされまして(笑)。

    それもずいぶんムチャクチャ話なんですけど、仕方がないから武蔵のマネージャーに謝罪の電話を入れたことがありますね。谷川さんじゃなくてボクが平謝りしていたんですよ!!(笑)。

    というわけで本題に入りますと、旧K-1は未払い問題が解決してないこともあるので、谷川さんのことを悪く言う選手や関係者はいまだに多いんですが、なぜ谷川さんだけが悪く言われるかといえば、この2冊を読むといろいろと見えてくることがあるんですね。

    まずボブ・サップ本のほうから触れたいんですが、この『野獣の怒り』はもの凄く面白い本です! かなりの完成度。ボブ・サップ本人しか知り得ないことが事細かに書かれていて。まあ本人が書いてるから当たり前なんですけども、そうじゃない本もあるじゃないですか。これはあくまでもボクの憶測ですが、この本は元K-1関係者がサポートしてるんじゃないかなって。いくらボブ・サップいえども、ここまでK-1の内部に詳しくないと思うんですよね。え〜、サップにアシストしたのは誰なんでしょうか?(笑)。

    この本のバランスの良さは、サップ本人の都合のいいことばかり書いてるんじゃなくて、たとえばプライベートも赤裸々に明かしてるんです。おしっこプレイが快感だったこととか! K-1の関係者の人間評も面白いんですね。こういうときってポジショントークになりがちというか、仲がいいから褒めるとか“政治”が見えるんですけど、業界の評判どおりの書き方で。

    たとえばジョシュ・バーネットのことをエゴイストとけっこうな批判をしたり、谷川さんのことはもちろん無能扱いなんですけども。こうやって「アンチ谷川貞治」のスタンスの人って石井館長を絶賛するケースが多い。でも、サップの石井館長評は絶妙なんです。石井館長を最大限にリスペクトしつつも、ビジネスライクな面があると指摘している。サップ誕生パーティーにおけるエピソードは興味深いので、そこはぜひ本を手に取って確かめてください。

    この『野獣の怒り』最大のポイントは、ファイトマネー等の金額を明らかにしていることなんです。多少盛っているかなーと思える箇所もあるんですけど、限りなく事実は多いんじゃかなと。たとえばサップはPRIDEの買収金額を約60億円と書いてますが、これはほぼ当たってるんですね。のちにUFCとのあいだにトラブルが発生したらしくて、榊原さんに全額支払われてないみたいですけど……。サップの格闘家デビュー当時のギャラは、1年間で10万ドルだったと書かれてます。試合数はとくに決まってなかったり、けっこうザルな契約内容。サップの人気が爆発してもギャラは安かったらしくて、2002年大晦日の高山善廣戦はたったの1万ドル。さすがに交渉して、契約金50万ドル1試合1〜5万ドルの変動制に結び直してるんですね。当時からすれば妥当な額かもしれません。
    大好評インタビュー15本、コラム5本、13万字オーバーの詰め合わせセットはまだまだ続く…
     
  • 【90年代・新日本プロレス編】安田忠夫「リングでやっちゃえば警察は介入できないじゃん」

    2018-02-27 22:03  
    110pt
    前回反響だった安田忠夫インタビュー第2弾は新日本プロレス編! 90年代の新日本の内幕や、ストロングスタイルの意味、そして“1・4事変”橋本真也vs小川直也まで激白します! 【前回はコチラ】・相撲と暴力、博打、八百長問題を激白! 安田忠夫「貴乃花は、馬鹿乃花だよ!」【関連企画】
    ・【衝撃の破壊王伝説】至近距離から見た橋本真也――橋本かずみ☓田山正雄レフェリー ・小原道由「石澤が止めなかったら、俺は◯◯を殺していたでしょうね」・草間政一 私が戦った暗黒・新日本プロレス ・永島勝司 アントニオ猪木と北朝鮮 ・田中ケロ ケロちゃんの新日本プロレス伝説 ・西村修 「独裁者・長州力に逆らうってエネルギーが必要なんです」 ・「90年代ハチャメチャ新日本プロレスと俺が愛した橋本真也」 
    ・村上和成 平成のテロリスト・村上和成――格闘家が挑んだ命懸けのプロレス道!! 
    ・高岩竜一×田山レフェリー 理不尽とは何か? 90年代新日本プロレス居酒屋トーク 
    ・大矢剛功インタビュー「新日本、SWS、FMW……辿り着いた北の大地」
    ・解説、待ったなし!! 元大相撲力士が語る日馬富士騒動/「将軍岡本」あらため岡本将之──前回のインタビューでは「年を越すために博打をガマンしなきゃいけない」とおっしゃってましたけど。
    安田 無事に年は越せたよ。パチンコで10万くらい勝ったからね。
    ──あ、ガマンしてない(笑)。でも、おめでとうございます!!
    安田 全然めでたくないよ。そのあと競艇で15万負けたから!
    ──ハハハハハハ! 大晦日に朝青龍が相撲を取ったのはご存知ですか?
    安田 まぁ噂程度で。俺もギャラさえくれたら出たのに。相撲だったらやってみたい気もしないでもない。
    ──朝青龍vs安田忠夫は見たかったです! 
    安田 まわしを取っていいんでしょ? だったらチャンスあるじゃん。がぶって組んでからだったら、俺はけっこういい相撲を取るよぉ(笑)。
    ──第2弾があったらぜひお願いします! 勝てば1000万円ですから(笑)。
    安田 いまは金がないから、今年はまだ博打ができてないんだよ。
    ──じゃあ給料日までガマンなんですね。
    安田 いやいや、給料が少ないから博打はできない。それにこの仕事をもうやめようと思ってるから。
    ──前のインタビューでは「なんの仕事はやっているのかはまだ明かせない」と言ってましたよね。
    安田 いや、もう明かせるよ。いまはガードマンやってるんだけど、給料が安いんだよね〜。たぶんやめると思う。
    ──安田さんの流浪の旅は続くんですねぇ。それで今回は新日本プロレス時代のお話を伺いたいなと。
    安田 新日本プロレスのことなんて忘れちゃったよ!(笑)。
    ──まず安田さんが相撲を廃業されたのはどういう理由があったんですか?
    安田 そんなの相撲協会に残れないからだよ。家族を食わすためにプロレスに行ったんですよ。
    ──安田さんは小結まで行ったけど、引退後の保証はなかったということですね。
    安田 その代わりに引退相撲とか全部仕切ってくれた。親方だった千代の富士さんには「残れ」と言われたんだけど「プロレス行きます」ってね。
    ──新日本プロレスとは話はついてたんですね。
    安田 いやね、話はついてたんだけど、直前で断られたんだよね。
    ──えっ、どういうことですか?
    安田 全日本プロレスに断られたの。
    ──あっ、最初は全日本に入団するはずだった。
    安田 この話はあんまり表に出てないけど、馬場さんとキャピタル東急で話をしてね。会ったときは「俺よりデケー!」ってビックリしたよ。
    ──なんてったってリングネームが“ジャイアント”ですからねぇ。
    安田 でも、そのあと連絡がないんだよ。「どうなってるんですか?」って聞きに行ったら「アンタはもういらない」って。
    ──えっ、それはひどい!(笑)。
    安田 あのときはカーっと頭にきたよ! 後楽園ホールの控室で馬場と永源遥をぶん殴ってやろうかと思ってね。でも、まだチョンマゲがついてたからヘタなことできないでしょ。引退興行もオジャンになっちゃうし。マゲがついてなかったら間違いなく馬場を殴ってた。馬場と永源の2人ぐらいだったら倒せるだろって。
    ──プロレスに行くから引退を決めたのに、凄く困りますよねぇ。
    安田 そしたら知り合いが猪木さんに会わせてくれて。猪木さんは話が早かったよ。「やりたいか、どうか?」を聞かれて終わり。ポンポンポーンって決まっちゃったもん。3日もしないうちに、永島(勝司)さんとかと話をして。ただ、新日本プロレスとしては北尾光司で失敗してるから「下からやってもらえませんか」と。
    ──北尾は特別扱いしすぎて育成失敗しちゃいましたもんね。
    安田 いまだから言えるけど、新日本に入ったときから選手扱いの給料だったんだけどね。そのかわり契約金とかはなかったよ。
    ──引退相撲のお金はちゃんともらえたんですか?
    安田 右から左だよ、そんなの。
    ──あっ、借金返済に。
    安田 千代の富士さんに2500万くらい返した。だから俺、千代の富士さんには一銭も借金ないよ。
    ──というか、2500万も借金すること自体が凄い!(笑)。
    安田 先代(元横綱・北の富士)から「オマエをほめてやれるのは、あのケチからよくあんなに大金を借りたことだ」って言われたなあ。
    ──ハハハハハハハハハハハハ! 借金をキレイにして引退したんですね。
    安田 すべてキレイにとは言わないけど……ある程度はね。ガッハッハッハッ! 
    ──ちなみに相撲にいたときの給料はどれくらいもらってたんですか?
    安田 安いよ、俺らの時代は。いまの奴らの半分もねぇよ。
    ──馬場さんからはいくら出すと言われたんですか?
    安田 引退相撲をやって、それでも残った借金を立て替えてくれると。
    ──そんな約束をしたんですか(笑)。
    安田 ところがいざとなったら……。あのとき全日本には本田多聞が入ったからさ、俺のことがいらなくなっちゃったんだよ。というふうにあとから聞いたけど。
    ──新日本では月給200万円だったそうですね。年収2400万円って、いまのプロレス界でもそんなにいないような……。
    安田 最高でその金額ですよ。新日本プロレスで一番よかったときが月200万。
    ──結果的に全日本より新日本のほうがお金はよかったんじゃないですか?
    安田 それは言えてる。いまとなっては新日本に入ってよかったよ。猪木さんには非常にかわいがってもらったし。長州力にはイジメられたけど(笑)。
    ──安田さんにとって天敵ですよね(笑)。
    安田 でも、長州さんも最初はかわいがってくれたんだよ!
    ──どうして仲がよろしくなくなったんですか?
    安田 「コイツは俺に服従しない」と思ったんじゃない? 俺は先輩後輩みたい態度で長州さんと接しないから。橋本(真也)さんも長州さんに対してはそうだったでしょ。
    ──安田さんは“橋本派”ということで睨まれてたんですよね。
    安田 そうそう。橋本さんと一緒にいるだけで目をつけられたから。
    ──長州さんは、橋本さんたちがあまり練習熱心でないことに苛立っていたみたいですけど。
    安田 オメーよりはしてたよっ!!
    ──長州さんより練習をしていたと?
    安田 うん。あの人が言うほど俺は練習してなくないから。だいたい練習なんて売りもんにするもんじゃねーじゃん。
    ──プロは結果がすべてではありますね。
    安田 俺が入った頃のレスラーってみんな売りがそれなんだよね。「頑張って練習してます!!」みたいな。そんなに一生懸命練習やっても試合に勝てなかったら意味ねえじゃん。だから口では「練習してない」って言って、陰でやるのが一番なんですよ。
    ──安田さんもあの巨体のわりには引き締まってましたね。
    安田 でしょ。だからやってるって。オマエの前でやんねーだけだよバカヤロウって(笑)。
    ──なるほどぉ。
    安田 そこは考え方が違うから。俺たちプロでしょ? 学生じゃないんだからさ、練習して金もらえるんだったら練習するよ! 違う? 
    ──おっしゃるとおりです。
    安田 でしょ。そのへん柔軟になれよって。練習しないでリングに上がってるヤツなんていなかったよ。
    ──武藤さんや蝶野さんも全然道場に来ない……って言われてましたけど、そのわりにはしっかりした身体つきで。
    安田 ちゃんとジムに行ってたでしょ。実際にちゃんとやってたか、やってないかは知らないけど、練習をやってたことにしようよ。たぶん蝶野さんはやってないけど(笑)。
    ──ハハハハハハハハハ!
    安田 ダメだよ、それ書いちゃ(笑)。俺はそんなに練習嫌いじゃないから。けっこうスパーリングとかやってたしね。ベンチプレスだけやるバカヤロウとは違いますよ。
    ──限定された言い方!(笑)。
    安田 石澤くんにはスパーリングでイジメられたけどね。
    ──あの時代の新日本にはレスリングエリートがゴロゴロしてましたよね。中西さん、永田さん、藤田さん……。
    安田 多かった多かった。みんなスパーリングが好きでしたね。いま思えば楽しかったよ、合同練習とか。キツさよりも楽しい思い出。「よくやってたなあ」って。レフェリーの田山(正雄)くんなんかレスラーと同じ練習をやってたし。
    ──厳しい練習を一緒に乗り越えられたから連帯感が出てくるんでしょうね。
    安田 それはあるね。みんなスパーリングを10本くらいやる中、俺は3本くらいしかやんないけど(笑)。
    ──それだから長州さんに目をつけられたんじゃ!(笑)。
    安田 でも、やってることには変わりないから! 
    ──当時の合同練習を仕切ってたのは馳さんですか? もしくは健介さん?
    安田 “アレ”は馳さんの前では、な〜んも言えないから。馳さんだけです。“アレ”の名前を出すなよ!(笑)。
    ──“アレ”の名前は出しちゃダメ!(笑)。新日本の練習って基礎体とスパーリングが中心なんですよね。
    安田 基礎体とスパーリング、受け身。あと階段登りとか。
    ──プロレスの練習はないわけですよね。
    安田 ないよ、んなもん! そんなのあるはずないだろ。
    ──じゃあ、試合はセンスと経験でやる感じですか?
    安田 でしょう。なんで試合の練習すんの?
    ──いまのプロレスなんかは試合を面白く見せるために、動きや技の練習してますよね。
    安田 あぁ、そう聞くね。そのほうが楽でいいじゃんと俺は思う。でも、それじゃショーじゃん。完全なショーじゃん。
    ──当時の新日本は、レスラーのアドリブ性が問われたってことですね。
    安田 俺らの試合は「アレな」って言われるだけだから。「いつものやつな」って。
    ──要所だけを決めて、あとは自分で試合を作っていかなきゃならないっていう。
    安田 そうそう。全日本は前半から作りがあるって聞いていたけど。その当時は長州さんに「手が死んでる」とか「手がフラフラしてる」とか怒られてね。いまだから理解できるけど、その頃は意味がわかんないよね。
    ──そういうスタイルだと、ホントに個人のセンスが問われますよね。
    安田 だから中西くんとかダメなんだよ(笑)。ああいうタイプは全日本に行けばよかったんだよ。
    ──ああ、たしかに。永田さんはどっちでも合ってるのかなって気はしますけど。
    安田 うん。彼は器用だからどっちでもできる。
    ──器用すぎるのが欠点かもしれませんけど(笑)。
    安田 あー、クサくなっちゃうんだよね。俺の場合はちょっとヘタだから、そこにリアル感があるのかもしれないけど。
    ──安田さんなんかは体格がデカイから、そのほうが迫力があってよかったんじゃないかなと思いますね。
    安田 でも、たまにほら、違うところをおもいきりやっちゃったりしてね(苦笑)。
    ──じゃあ、けっこう相手から嫌がられてました?
    安田 うん、「カタイ」って言われてた(笑)。
    ──「カテェ」と。性格の悪いレスラーだとわざとカタくやる人もいますけど、安田さんの場合は……。
    安田 ないよ。俺はそのへんは武藤さん派だから。
    ──リング外は橋本派だけど、リング上は武藤派。
    安田 そのへんはイージーイージー。蝶野さんもそうだったけど、武藤さんはやわらかい試合だからね。橋本さんとは違ってね。
    ──橋本さんはけっこうカタイから評判が悪かったんじゃないですか? だってレガースを着けないでガンガン蹴りまくって。
    安田 橋本さんは相手の受け方に文句を言ってた。飯塚(高史)さんが蹴りを受けるときにヒジを出して怒られたり。
    ──蹴り足をケガするじゃないか!と。
    安田 ちゃんと胸を出していれば、そこを蹴ってくれるんだから別に痛くもなんともないわけだよ。
    ──いや、それでも痛いですよ!(笑)。
    安田 まあね(笑)。受ける方が難しいから、そうやってヒジを出しちゃうし、橋本さんの足が上がんないから「蹴りが腹に入る」ってよく言われてた(笑)。
    ──足が上がらない!(笑)。
    安田 そのうち橋本さんも疲れちゃって足が上がらなくなるんだよ。みんな控室で悪口で言ってた(笑)。まぁでも腹も鍛えてるから関係ないけどね。それがプロレスラーだから。
    ──それこそがストロングスタイルっていうことなんですね。
    安田 よく言われたのは「技を受けるんじゃない。相手を100%信用しちゃいかん」と。相手がイージーに落としてくれると思っちゃいけない。失敗するもんだぐらいの気持ちでやらなきゃダメってことだよね。
    ──そこは猪木さんの思想ですね。
    安田 みんな猪木さんの考えに近いのよ、たぶん。
    ──要はケガをするのは受けるほうが悪いって考え方ですね、新日本は。全日本はその逆で。
    安田 そうそう。だけど、たまに「わざとやってない?」ってヤツもいるんだよ。佐々木健介みたいな。・佐々木健介が誤解された理由
    ・長州力vs橋本真也、異常な関係
    ・「選手本人がどうなるのか知らないから試合に緊張感がある」
    ・橋本真也の選手会費使い込み事件とは?
    ・橋本派が見た小川直也vs橋本真也シュートマッチ!
    ・「村上和成が死にかけようが死んでようがどうでもよかった」
    この続きと、RIZINと競技、ロイヤルランブル総括、原理主義対談、田上明、K-1崩壊などの記事がまとめて読める「13万字・記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 田上明さん、どうしてステーキだったんですか? 「ステーキ居酒屋チャンプ」インタビュー

    2018-02-27 22:02  
    81pt
    オレがステーキだ!! 全日本プロレスやNOAHで一時代を築いた田上明さんが「ステーキ居酒屋チャンプ」をオープン!!  というわけで、さっそく取材に行ってきました〜! 「ステーキ居酒屋チャンプ」のホームページはコチラです!→http://steak-izakaya-champ.favy.jp/お店の場所は茨城県つくば市茎崎、最寄り駅は牛久。日本一の仏像「牛久大仏」なんぞはスルーして、プロレス者が一路目指すのは、プロレス界の大仏ダイナミックTのお店なんです。現役時代のコスチュームと同じ赤い看板が目印!山田洋次監督「男はつらいよ 寅次郎真実一路」において、同シリーズの中では珍しく関東ロケ地となった谷田川を突き抜ければ、「くるまや」の団子ではなく赤身肉のステーキが出迎えてくれる!
    牛1頭から2キロしか取れないという希少な肉は、秩父セメントとは真逆で柔らかいゾ〜。6種類のソース、テリヤキ、辛口、甘口、ワサビ醤油、ホットチリ、にんにくで、おいしさはさらにアップ。ランチは土日限定で11:30〜14:00 まで、夜はステーキ以外の料理もお腹いっぱいまで楽しめる居酒屋に様変わり。17:00から23:00までみんなの来訪を待っています(定休日は月曜日)。ところで田上さん、どうしてステーキなんですか? イラストレーター・アカツキ@buchosenさんによる昭和プロレスあるある4コマ漫画「味のプロレス」出張版付きでお送りいたします〜!

    【関連企画】
    相撲と暴力、博打、八百長問題を激白! 安田忠夫インタビュー「貴乃花は、馬鹿乃花だよ!」
    折原昌夫インタビュー後編「天龍さんの引退試合を見に行かなかったのは……」
    【濃厚18000字】トンパチ折原昌夫が明かす全日本プロレス、SWSの信じられない話!!更級四郎×ターザン山本 G馬場ブレーンの語らい――全日本プロレスが再生した日 
    北原光騎 男が男に惚れる天龍劇場「俺にとって天龍さんは“神様”だよ」 
    倉持隆夫 元・全日本プロレス中継アナウンサー「作られたスポーツを実況するということ」 
    ウォーリー山口 プロレスなんでも屋「ジャイアント馬場と竹内宏介、ふたつのG魂」 

    ――田上さん! 茨城にステーキ店を開いたことがプロレスファンのあいだで話題になってるんですが、その反響は届いてますか?
    田上 いや、べつに……。俺はインターネットとか、そういうのができないから。アナログな人間だからさ(笑)。
    ――お店を訪れるプロレスファンはいるんですよね?
    田上 プロレスファンはボチボチだね。地元のお客さんが中心だから。まあ店を開いたと言っても、ウチの奥さんが始めたことだから、俺は“客寄せパンダ”なんだよ(笑)。
    ――上野だけじゃなくて茨城にもこんな素晴らしいパンダが!(笑)。ということは、田上さんはお店にはいらっしゃるということですね。
    田上 なるべく店にいるようにしてます。酒を飲んでますけどね。タダ酒ね(笑)。
    ――ハハハハハハ! お店に来れば田上さんとコミュニケーションが取れると。
    田上 そうですね。でも、俺は会話があんまり苦手だから。社交性がないというか、家内いわく「無愛想だ」って(笑)。でも、俺には肉を仕込む仕事もあるんですよ。
    ――肉の仕込み担当は田上さん。
    田上 うん。肉を柔らかくするのに、筋切りをしなきゃいけないから。それが私の役目なんですよ。
    ――へえ、田上さん自ら肉を切ってるんですね。
    田上 何もできないように見えるでしょ(笑)。食うだけっていうか。そこまで料理は上手じゃないけど、釣りをやってたから魚は捌けるんですよ。だからある程度、包丁は使える。
    ――どうして場所はコチラなんですか?
    田上 自宅が近いということと、この店は以前居酒屋だったんですよ。空いてるならステーキ居酒屋をやろうってことでね。
    ――ステーキ居酒屋といえば、全日本プロレスやNOAHで一緒だった川田利明さんの店も一時期そんな謳い文句だったんですよ。
    田上 あ、そうなの? ラーメンだったんじゃないの?
    ――一時期「ラーメン屋」扱いを頑なに否定されてましたね。
    田上 そういえば、こないだお店に来たんだよ。いきなりだからビックリしちゃってさ(笑)。
    ――ところで田上さんがステーキを選んだのはなぜなんですか?
    田上 デンジャー松永が東京でステーキのお店をやってるでしょ。いろいろと教えてもらったんですよ。「教えてくれないか」って頼んでね。
    ――ああ、筋切りといえばデンジャーステーキ流ですもんね。どうりで!
    田上 デンジャーのところにたまに食べに行ったりしてて、ウチの息子なんかもあそこの肉が好きで。NOAHの斉藤彰俊とデンジャーは高校の同級生でしょ。私がNOAHの社長だった頃にデンジャーの引退試合をやった関係もあったりね。
    ――それで田上さんがデンジャーさんのお店でやり方を教わったと。
    田上 肉の筋を切るところを見たり、やってみたり。あとは見よう見まねでね。
    ――引退後は何かお店をやろうという考えはあったんですか?
    田上 生活しきゃいけないですからね。俺が現役のときから、奥さんはずっとお店をやってたんですよ。
    ――なるほど。飲食業は知らない世界ではなかったんですね。
    田上 一番手っ取り早いステーキがいいんじゃないってことでね。肉の処理は俺がやったほうがいいから。
    ――田上さんが肉を切って、奥様が調理する。夫婦愛のステーキってことですね。
    田上 そんないいもんじゃあ、ないよっ(苦笑)。
    ――昔のプロレスラーは巡業で全国各地を飛び回ったり、タニマチとの付き合いも頻繁でしたからグルメだったと思うんですね。
    田上 いろんなところで美味しいもんを食べたよね。どこへいったら何を食べるかってことはだいたい決まってた。
    ――やっぱり一番美味いのは“おふくろの味”なんて言われますけど。
    田上 おふくろの料理ねぇ。ウチのおふくろってのは、凄い母ちゃんで、弁当にハラワタがついたサンマを入れたり、ラーメンどんぶり並のおにぎりを握ってくれたりさ。(笑)。
    ――そんな豪快料理で田上さんの身体はこんなに大きくなったんですかね(笑)。
    田上 小さい頃は腹いっぱい食べさせてもらったよね。何が美味かったか? というよりは、とにかく凄い料理だった思い出があるね。
    ――相撲時代はちゃんこを作ったりすることはあったんですか?
    田上 その部屋によって名物ちゃんこはありましたね。俺もやるにはやったけど、出世が早いほうだったから。自分で言うのもなんだけど(笑)。
    ――優秀だったらから早々にちゃんこ番から脱してたということですね。
    田上 うん。部屋自体ではそんなにやらなかった。いまは巡業のときに弁当が出るみたいだけど、当時は若いモンが作るんですよ。なので関取衆がひとりやふたりのときは同門のところと組んで作ったりしてたよ。
    ――相撲時代は身体を大きくするために、食べることも仕事だったんですよね。
    田上 苦痛だったねぇ。俺は細いほうだったから、親方なんかにメシに連れてかれると「こんだけ食え!」って命令されてね。スキを見て便所で戻してたよ(笑)。この続きと、RIZINと競技、ロイヤルランブル総括、安田忠夫・新日編、田上明、K-1崩壊などの記事がまとめて読める「13万字・記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 「まだUFCなんか気にしているの?」米メディアに渦巻くUFC悲観論まとめ■MMA Unleashed

    2018-02-23 21:31  
    66pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「中年の危機!」「X世代とともに老いゆくのみ!」「まだUFCなんか気にしているの?」米メディアに渦巻くUFC悲観論まとめです!!
    <MMA Unleashedオススメコラム>■米国人記者が語るイッテンヨン東京ドーム■地球上最強男スティペ・ミオシッチは、それでも時給14ドルで消防署で働く2013年4月、人気沸騰でチケットが入手困難になっていた『UFC 159:ジョーンズ vs. ソネン』に先立って、UFCプレシデントのデイナ・ホワイトは次のように語っていた。
    「オバマが来ても席がない。どうしても見に来たいのなら、私のヒザの上に座ってもらうしかない」
    当時のホワイトは、「ブラジルではUFCの人気がサッカーを越えた」「アメリカ以外ではNFLのことなど誰も気にしていない」「UFCが2020年には世界最大のスポーツになる」などと大言壮語をぶっ放し続けていた。
    あの頃のホワイトはひどくごう慢で、魅力的だった。まさか本当にUFCが世界最大のスポーツになるとは思わなかったが、その言葉にはそれなりの勢いや説得力があった。何より、UFCは若くてクールだった。
    ところがここ数か月、米国メディアでは次のような見出しの記事が相次いで掲載されている。
    『あなたが見ているスポーツは、中年の危機のさなかにある』(MMA Fighting)
    『2018年になって、UFCを気にしている人などまだいるのか』(Deadspin)
    『MMAを別次元の高みに導いてくれるはずだったUFC on FOXが、いま低視聴率記録を塗り替えている理由』(MMAJunkie)
    『ボクシングを殺すはずだったUFCが、今やボクシングを命綱にしている』(Bloomberg)
    『タップアウト! UFCは老いゆくX世代の流行にすぎなかったのか』(BloodyElbow)
    『視聴率低下、タレント不足のUFCは、それでもTVディールでKO勝ちできるのか』(Deadline)
    UFCの視聴率が低下していることは数字を見れば明らかだ。2017年のデータを振り返って見よう。この続きと、RIZINと競技、ロイヤルランブル総括、安田忠夫・新日編、田上明、K-1崩壊などの記事がまとめて読める「13万字・記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 【KNOCKOUT戦略発表会】木谷高明オーナー、大演説「RIZINやK-1はまったく怖くないです!!」

    2018-02-23 20:26  

    ブシロードグループのキックイベントKNOCKOUTの戦略発表会が開催され、オーナーの木谷高明氏がKNOCKOUTの今後の狙いを大演説!! 戦略発表会では、今年のKNOCKOUTの年間スケジュールなどが次々に発表をされたが(http://www.knockout.co.jp/news/news/20180223_senryaku_0223/)、後半の主役は、新日本プロレスを復活させた手腕を持つ木谷氏。「国内で意識する団体はあるのか」の質問が飛ぶと、堰を切ったようにその戦略を熱く語りだした!
    普通だったらRIZINやK-1と答えるんでしょうけど、まったく怖くないです。一番ライバルだと思ってるのはONEですね。シンガポールのMMA団体ONE、本当に優秀ですね。メディア出身なんですよ、オーナーが。ESPNアジアで働いてたんですね。自分が起業するときに格闘技を選んだんですよ。日本にいるとわからない
  • 【原理主義の親玉に訊く】「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ

    2018-02-22 22:00  
    87pt
    以前掲載された大沢ケンジ×橋本欽也の格闘技原理主義者対談で以下のようなやりとりがかわされた。

    大沢 中井さんのDropkickインタビューなんかを読むと、MMAなんだからいろんなものに挑戦するべきだとか、道場破りはどんどんやるべきだとか言ってるじゃないですか。練習の中でタップしたら緩める文化を持ってきたのは柔術なんだけど、それまではプロレス道場からの流れで極めるときはガッチリやっていた。中井さんは「お互いにその覚悟があるならそれでもいい」と(笑)。欽也 あの人ね、ぶっ飛んでるんだよ!(笑)。まともなように見えるけど。■MMAが一番格上なのか? 格闘技原理主義者対談〜橋本欽也vs大沢ケンジ〜

    原理主義者の親玉・中井祐樹先生に会いたい!! ということで「おしゃべりアベマ野郎」大沢ケンジが原理主義の真髄に触れてきました〜!<関連企画>■「佐山先生に言われたんです。俺の影になってくれと」…中村頼永インタビュー<シューティング黎明編> ■運命のバリジャパ、安生道場破り、幻の長州戦真相――中村頼永インタビュー<ヒクソン来襲編>■「10代に格闘技はカッコイイって思わせたい!」アベマ格闘技対談〜北野雄司×大沢ケンジ〜■MMAが一番格上なのか? 格闘技原理主義者対談〜橋本欽也vs大沢ケンジ〜
    大沢 中井さんって重い人とも平気で柔術やってますよね?
    中井 普通にやってるよ。こないだ横井(宏考/元リングス)くんともやったしね。
    大沢 あ、横井くんと。ボクも横井くんとやったんですけど重くて重くて。
    中井 横井くん、108キロあるからね。一般人なのに(笑)。【リングスの怪物くん】横井宏考「格闘技は前田さん、プロレスは橋本さんが師匠でした」
    大沢 橋本欽也さんがやってるイベントにゲストで呼ばれたんですけど、来た人全員とスパーやろうと思ったら、横井くんとやることになって。「うわあ、来たかあ!!」って(笑)。
    中井 ハッハッハッハッ。
    大沢 連チャンでやる中での横井くんだったから、ホントにキツかったですよ。
    中井 死んだでしょ?
    大沢 ボロボロになるというか、あの重さを受けるだけで身体が痛くなっちゃうんですよ。ウチのジムに180センチ105キロで、ベンチ200上げる白帯がいるんですけど。
    中井 あ、何かにそんな選手がいるって書いてたね。
    大沢 そいつがちょっと技術をおぼえ始めたんですけど。道着を持たれたら振り回されちゃうんですよねぇ。柔術っぽい動きをしようとすると、力でブチ切れられちゃう。
    中井 わかるわかる。でも、俺はそういうタイプは得意だよ。そういうのにもいろんなタイプがいるんだけど、受け流せばいいんですよ。
    大沢 いやあ、それが難しいんですよねぇ。
    中井 まあ、言葉にすると簡単だよね(笑)。
    大沢 グラップリングだったら簡単なんですよ。100キロぐらいあっても素人相手だったら平気なんですけど。道着を持たれちゃうと、もうハズレない。
    中井 大沢くんは何年ぐらい柔術をやってるの?
    大沢 5年ぐらいですかね。茶帯ぐらいの人だったらなんとかなるというか、茶帯のトップで黒帯の試合に出るような人はもう違いますもんね。
    中井 そうだね。「受け流す」と言っても、相手に技術があれば簡単はいかないんだけど。柔術は技術勝負なので。
    大沢 柔術は技術の差が出るから面白いですよね。
    中井 試合になると、また違うんだけどね。「試合はフィジカル」と言い切ちゃいますけどね、ボクは。技を出すのはやっぱり身体だから。結局は身体能力だってことは、20年ぐらいずっと言い続けてますよ。
    大沢 歳のことを言うと失礼ですけど、中井さんって体力、凄くないですか?
    中井 練習会をやると50人ぐらい参加するときがあるんですけど、ボクは参加者全員相手するというやり方だから。
    大沢 スッゲー!!
    中井 1人4分間。ホントは5分間にしたいんだけど、人数が多すぎるから4分にせざるをえなくて。それでも200分、3時間以上かかるんだけどね。
    大沢 よくやりますよ!(笑)。
    中井 「スパーリング」という言葉を使っちゃうと、遠慮しちゃう人も出てくるんですよね。だからスパーリングという言葉は一切使わない。個別セッション、マンツーマン、レッスンという言い方。世間の人からするとスパーリングという言葉は敷居が高すぎるみたいで。ボコボコにされると思っちゃうんじゃないかな。
    大沢 それだけ長い時間をやってると、後半はさすがに疲れますよね?
    中井 ヘロヘロになるし、醜態もさらしますよ。でも、ボクはそこで取られてもいいんですよ、全然。中にはスナイパーみたいな奴もいるんですよ、「極めてやろう!」って。そんなスナイパーにやられるときもある。でも、取られてもいいの。こんなこと言うと「情けない!」って思われるかもしんないけど、そいつにとって強くなるきっかけになるかもしれないから。
    大沢 「取った、取られた」はボクもあまり気にしないんですけど、たまに手柄を立てようと凄いことをやってくる奴もいるんですよね。
    中井 いるね。
    大沢 新しい人間が出稽古に来たら、なるべく自分が相手してるんですよ。会員さんもどんな人間かわからないじゃないですか。だから自分がまず受けようと。疲れてなければ取られない自信はあるから、たいてい受けるんですけど。そうしたら相手が大学柔道部だった奴で。いきなり脇固めですよ(笑)。
    中井 フフフフフフ。
    大沢 痛みを見せるのはカッコ悪いから「うまいですね!」なんて讃えて。なぜ真っ先に相手をするかといえば、心に闘魂を持っておきたいというか、プロ選手にもそういう姿を見せておきたいなっていう気持ちはあるんですよね。選手に言うことを聞かすには、やっつけないとダメじゃないですか(笑)。現役選手をやっつけることは難しいけど、向かっていく姿勢を見せておかないとなって。 
    中井 いやあ、その姿勢は素晴らしいよ。これは誰かに文句を言ってるわけじゃないけども、そうやって受け止めるOBや指導者ってそうそういないんですよ。
    大沢 でも、中井さんの話を聞くと「自分は情けないなあ……」って思いますよ。
    中井 何をおっしゃいますやら(笑)。
    大沢 だって柔術のスパーをやるときに「いいよ、殴ってきて。バーリトゥードだから」って言ったりするんですよね?
    中井 そうだね。
    大沢 凄いなあ、やっぱり!
    中井 柔術ルールだと思ってやってない。私のスパーリングは“なんでもあり”。だからって実際に殴ったりはしないし、ヒールは得意だけど、やらないしね(笑)。
    大沢 怖いなあ(笑)。
    中井 希望するのであれば、時間無制限の“なんでもあり”でやるんだけど。実戦を想定して「この場面になったらどうする?」って考えてるだけで。
    大沢 それって常に総合格闘技という意識が頭の中にあるってことですか? 
    中井 そうだね。自分の格闘技は“なんでもあり”から始まってるからね。もともとシューティングの人だったし、打撃があっても全然かまわない。それは何をやっても総合のためになると思ってるからで、道場で相撲や柔道をやってもいいんですよ。
    大沢 時間無制限にはどういう意味があるんですか?
    中井 理由の一つに「とことんやりたい」っていうこともあるね。時間がかかる場合もあるけど、ものの数秒で終わっちゃう場合もあるでしょ。もう一回やる場合も時間無制限。とことん「取るか、取られるか」までやるほうが本当の技術が学べるんじゃないか?って思うんだよね。それにもう試合に出るわけじゃないから、自分自身の目標は選手の皆さんとは違ってくるわけだよね。こう言っちゃうと、変にマネしちゃう選手が出てくるかもしれないけど、無制限でやるほうが最終的には健康維持にも繋がると思う。
    大沢 健康維持ですか?
    中井 横井くんと20分から25分ぐらいやったときも全然疲れないんですよ。ジョギングよりも楽な感じ。「ここをやられなければいい」ってところを凌いでいればいいだけの話だし。でも、試合になると、時間制限があるから取りにいかなきゃいけないし、何分以内に返さなきゃいけないとか、アドバン争いになっちゃうから。試合のためにやってる感じになってあまり面白くないんだけど(笑)。まあ、それはそれで自分の練習にもなるんだけどね。
    大沢 同じスポーツでも全然違ってくるわけですねぇ。
    中井 試合に出る選手は試合に勝つことを追求することが一番正しいんですけど、試合に出ないボクが目指しているのはそこじゃない。「3分で極めてくれ」みたいな話になったらシンドイけど、1時間もあれば仕留められると思うんですよね、相手がバテちゃうから。
    大沢 そこで「1時間もあれば仕留められる」と言い切れることが凄いですよ!(笑)。 
    中井 でも、1時間かけてマウントから逃げるのなんて競技としてはダメだよね。だけど、ボクはメチャクチャ褒める。「それが本当の技だよ」って。試合というのは仕事みたいなもんで、限られた時間の中で結果を出さなきゃいけない。それは大変にキツイことだから、試合に出る人のことは最大の尊敬をしなきゃいけない。だっていまの俺が勝てるなら試合に出てるもん。勝てないから出てないだけでね。試合に出てる人が一番偉いんだけど、格闘技の場合はOBや指導者のほうが偉くなっちゃうんですよね。
    大沢 いやあ(苦笑)。
    中井 ボクはそこに対して「NO」を突きつけてるんですよ。本当ならばOBは現役に見習わなければいけないことはたくさんあるし、逆にOBにしかできないこともあって。いまの日本は高齢化社会になってるから、どうやったら歳を取っても身体を動かすことができるのかってことを考えてて。そうすると、いまみたいな時間無制限のスタイルに落ち着くんだよね。
    大沢 無制限だと膠着したら相手に悪いかなと思っちゃうかもしれませんね。
    中井 激しい動きじゃなくなるから、技術的にはブラッシュアップになるし、全然疲れないから。これからの高齢化社会を考えたら無制限が一番いいんです。でも、俺がそう言ってもみんな信じてくれないんだよね(笑)。
    大沢  たしかに無制限のほうが疲れないですよね。
    中井 みんながみんな試合に出るわけじゃないからね。試合に出るのは10人に1人ですよ。試合に出ないなら、こういう方法のほうがいいでしょ。いまはあまりにも総合や柔術に寄りすぎて、全部を統一したみたいな雰囲気になってるけど。ルールを限定することによって生まれのものもある。だからたまに趣味で柔道やレスリングをやってるんです。
    大沢 ボクも柔術をやってると、MMAと頭が切り替わらなくときがあって。「あ、これはMMAだと殴られる」とか思っちゃうんですよ。知らないうちに柔術寄りの頭になってしまってるから、中井さんが言うことは凄くわかるんですね。
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  • 【全文公開中】RIZINとDEEP競技運営の合同ジャッジ勉強会に潜入!!

    2018-02-22 17:28  
    RIZINとDEEP競技運営の合同ジャッジ勉強会に潜入!! 
    格闘技の醍醐味といえば派手なKOや一本勝ちになるが、当然ながら毎試合完全決着が付けられるわけではない。試合時間内に勝負がつかなければ、勝敗はジャッジの手に委ねられることになるが、その判定基準は競技のあり方とともに少しずつ変化している。「ポイントに繋がるテイクダウンかどうか」「10-8の基準を正しく理解した上で積極的につける」……ジャッジは常に最新のアップデートが求められており、試合後の反省会に以外にも勉強会が欠かせない。RIZINとDEEPの競技運営機構部主催による合同ジャッジ勉強会の開催は2回目を迎え、今回は修斗協会の審判員が初出席。国内主要団体の関係者がこうして集う勉強会は初の試みで、団体の垣根を超えてジャッジの向上をはかる取り組みが行なわれたといえる。出席者は以下の通り。
    福田正人、豊永稔、大藪吉郁、高本裕和、田澤康宏、小
  • ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■斎藤文彦INTERVIEWS

    2018-02-19 22:57  
    91pt
    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは「ロンダ旋風、中邑&ASUKA同時優勝!! ロイヤルランブル1万字総括」ですDropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■馬場、猪木から中邑真輔まで!「WWEと日本人プロレスラー」■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る

    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか
    ――今月のお題は、中邑真輔とASUKAのダブル優勝で湧いたWWEロイヤルランブルです!
    フミ  男子版のロイヤルランブルでは中邑真輔が日本人プロレスラーとして初優勝を飾り、今回初めて開催された女子版ロイヤルランブルでもASUKAが優勝したことで、日本でも快挙として報道されています。たしかにこの優勝は凄いことなんですが、その報道の中には誤解も多くて。たとえば「日本人レスラーが凄い!」だけでは、いまのWWEや優勝した2人の存在がどういうものなのかは見えてこないんですね。
    ――たしかに「日本人プロレスラーが快挙!」はあくまで日本側からの視点ではありますね。
    フミ WWEは日本のマーケットを考えて彼らを起用してるわけではないです。今回の優勝で「日本のプロレスが世界に評価された!」という捉え方もされていますが、もともと日本のプロレスは世界中から認められているんですよ。「プロレスが盛んな国がどこか?」と尋ねられれば、まずアメリカで、その次に日本とメキシコ。ヨーロッパは伝統的なプロレスが絶滅したあとに、 WWEに近いプロレスが定着しつつあって。
    ――東京はあらゆるプロレスのスタイルが楽しめる、異常なプロレスシティですよね。
    フミ  同時優勝とはいえ、なぜ「認められた」と報道されてしまうのか。今回の出来事からは、ここ30年間近くの日本とアメリカのプロレスの関係性が浮き上がってるんですね。まずロイヤルランブルで勝つことはどういうことかを説明からすると、今年で31回目を迎えるWWEのロイヤルランブルはフィラデルフィアで開催されました。WWEには年間14〜16回のPPVイベントがあるんですが、その中でも4大PPVと呼ばれているのが、4月のレッスルマニア、夏のサマースラム、秋のサバイバーシリーズ、そして毎年1月のロイヤルランブルなんです。
    ――重要な位置づけにあるんですね。
    フミ  このロイヤルランブルはWWE年間最大のイベントであるレッスルマニアのプロローグということで、「ロード・トゥ・レッスルマニア」として注目されてるんです。
    ――いまでこそ優勝者はレッスルマニアでのタイトル挑戦権をゲットできますが、初期ロイヤルランブルは違いましたよね?
    フミ  ロイヤルランブルが始まったのは、NWAプロケットプロいわゆるWCWとの敵対関係がきっかけなんです。1987年11月26日に4大PPVのひとつであるサバイバーシリーズが始まったんですが、それはWCWのPPV特番スターゲートに同日同時刻にぶつけるためだった。
    ――PPV興行戦争がきっかけだったんですね。
    フミ  それと同じようにロイヤルランブルもWCW潰しのイベントだったんです。1988年1月24日、ニューヨーク州ナッソーコロシアムで行われたWCWのビッグマッチは、バンクハウス・ブロールというストリートファイト形式バトルロイヤルが目玉だったんです。
    ――ニューヨークというWWEのお膝元に殴り込んできた。
    フミ  仕掛けられたWWEは「向こうがバンクハウスなら、こっちは30人出場の時間差バトルロイヤルだ!」ということで、まったく新しいバトルロイヤルを企画したんです。2分ごとに選手がリングに現れるから、そこには順番の妙が生まれます。1番目に出てくる選手と30番目の選手では有利不利が明らかだから、通常のバトルロイヤルと違って展開が読めない面白さがある。
    ――「誰が出てくるのかわからない」ということでサプライズも起こしやすいですよね。
    フミ  選手の入場テーマが鳴った瞬間に誰が出てくるかがわかるという楽しみもあります。途中からレジェンドや大物が出てきたり。1993年のロイヤルランブルには、日本人男子レスラーとして天龍源一郎さんが初めて登場しました。
    ――新日本プロレスのイッテンヨンドームのダークマッチでは、ニュージャパンランボーというロイヤルランブル式のバトルロイヤルが定番になってますね。
    フミ  ニュージャパンランボーにはこれまでキング・ハクやカブキさん、藤原喜明さん、スコット・ノートン、そして今年は垣原賢人さんがUWFのテーマ曲に乗って登場しましたね。サプライズ性が強くて、試合の見せ場を作りやすいですから、レジェンドを活かしやすいですし、イベントの掴みとしては最高なんですよ。
    ――興行戦争がとんでもない発明を生んだんですねぇ。
    フミ  天龍さんが出場した93年のロイヤルランブルから優勝者にレッスルマニア出場権が与えられることになったんですが、その権利を初めて手に入れたのはヨコヅナ。4月のレッスルマニアまでその優勝者が中心に連続ドラマは進んでいくことになるので、一夜にしてWWEのキーパーソンとなる仕組みができあがったんです。
    ――イベントのステータスが上がったわけですね。
    フミ  ロイヤルランブルで2回以上優勝したのはストーンコルド、ランディ・オートン、バティースタ、ショーン・マイケルズ、トリプルHと超一流揃いなんですよ。ちなみにビンス・マクマホンも優勝しています。
    ――さすがです!(笑)。
    フミ  ここで重要なのは、ロイヤルランブルで優勝した人間は、だいたいレッスルマニアでチャンピオンになっているということです。
    ――おお! 
    フミ  中邑真輔はスマックダウンに昇格した早い時期にジョン・シーナというトップの位置にいるスーパースターから、キンシャサでワンツスリーを取ってるんですよ。乱入やレフェリー失神といったエクスキューズ、トラブルなしでです。ランディ・オートンからもワンツスリーを取っている。中邑真輔はWWEの世界でも番付はもの凄く上なんだということを世界中のプロレスファンに知らしめていたんですね。
    ――そして今回の優勝でさらに箔が付いたと。
    フミ  中邑真輔の存在感は凄いことになってるんです。いまアメリカではどの街に行っても、中邑真輔の入場シーンでは、そのテーマ曲をプロレスファンが口ずさんでいますし、大型のアメリカ人レスラーと向かい合っても見劣りしない長身にエキセントリックな動きがウケてるんでしょうね。中邑真輔のプロレスって新日本時代からなんですが、ドロップキックと見せかけてライダーキックを放ったり、プロレスの基本技にちょっとしたアクセントを付け加えている。
    ――あたりまえの技ができるのに、あたりまえにやらない。
    フミ  キンシャサも走り込んで相手にヒザをぶつけてるだけの技なんですが、コーナーでアピーするモーションにしても、ひとつのビジュアルとして完成されているんです。これから中邑真輔の影響を受けて、彼のマネをするレスラーが世界中にたくさん出てくるんじゃないかと思いますね。
    ――ASUKAはどんな評価なんですか?
    フミ  ASUKAのプロモーションビデオの内容はこんな感じなんですよ。「240戦無敗」「アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア……4つの大陸で負けなし」「サバイバーシリーズとロイヤルランブルで一人残りになったのは、ロックとリック・フレアーら数人しかない。そのうちのひとりがASUKAだ!」とか。
    ――圧倒的な強さが売りになってるんですかね。
    フミ  言語を越えたところでのインパクトがASUKAのプロレスにはありますね。英語を喋らず「そやそや!」「ロイヤルランブルやで!」とか関西弁で捲し立てる。ASUKAが何を言ってるかわからなくても観客は沸くんです。言葉がわからなくても試合を見ればASUKAのことがよくわかるというか、そこはある意味、音楽的なんですね。歌詞の意味がわからなくても音楽は国境を超えるじゃないですか。
    ――メロディやリズムにハマりますよね。
    フミ  ASUKAの試合スタイルも強さが全面に出ていてわかりやすいんだと思います。蹴る殴る、たまにヒップアタックやミサイルキックを使う。小さい子供にも伝わるプロレスというか。それからあの能面もグッズとしてみんなが買いますよね。ジョン・シーナの野球帽と同じです。
    ――ロイヤリティが凄そう!(笑)。
    フミ  WWEは株式を公開している会社なので、選手の年俸なんかはキッチリと公表しているんです。ブロック・レスナーは12億円、AJスタイルズは2億5千万円とか……。
    ――はあ……。
    フミ 中邑真輔やASUKAはこれから相当稼ぎそうですね。中邑真輔はもうすでに黒バージョンと赤バージョンのアクションフィギュアが2体発売されてますし、ダウンロードゲームにもWWE所属のレスラーが全員出られない中、中邑真輔やASUKAは登場してるんです。アメリカの子供たちはゲームの中で中邑真輔vsロックを実現させたりしてるんです。この続きと、RIZINと競技、ロイヤルランブル総括、安田忠夫・新日編、田上明、K-1崩壊などの記事がまとめて読める「13万字・記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • TOO SWEETじゃなくてTOO DEEP!! 世界一卑猥なハンドサインをご存知?■アメプロインディ通信「フリーバーズ」

    2018-02-19 22:03  
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    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「TOO SWEETじゃなくてTOO DEEP!! 世界一卑猥なハンドサインをご存知?」です!<関連記事>・デスマッチ仁義なき戦いに警察も出動! GCWシュート事件とは何か・“新入れ墨モンスター”シュラックのデスマッチ・メタルに震えろ
    ・カナダの狂乱のハードコア団体『IWS』――人生の栄光と転落・アメリカのデスマッチキングは銀行強盗犯…ニック・ゲイジの最狂人生・知ってるようで知らないアメリカ第3の団体ROH・アメリカ第3の団体ROHを変えた2人の日本人プロレスラー・あの日本人もここからWWEに? 時代の最先端を走る「PWG」!!プロレスラーのハンドサインといえば、ちょっと前にWWEとヤングバックスのあいだでトラブルになったTOO SWEETが頭をよぎる方が多いだろう。日本に比べ、キャラクター性を重視する海外のレスラーたちは「ハンドサイン」をよく使う。古くは、スタン・ハンセンのロングホーンやハルク・ホーガンの一番ポーズなどから、WWEではストーンコールドの中指を立てるファックサインや、ロックの「かかってこい」ポーズ、最近ではダニエル・ブライアンの「YES!」が流行した。10年くらい前に、ラッパーのジェイZが両手の親指と人差し指をそれぞれ合わせ、手の平をかざすダイヤモンドを形取ったハンドサインをしていたところ、DDP(ダイヤモンド・ダラス・ペイジ)が「それは自分が商標登録しているセル・ハイ・ファイブ・ポーズの盗用だ」と裁判になったこともあった。
    いまアメリカのインディシーンではTOO SWEETならぬTOO DEEPというお下劣で卑猥なハンドサインが密かに注目を集めている。使い手は黒人と白人の2人組「The Gym Nasty Boys(ジム・ナスティー・ボーイズ)」だ。
    TOO DEEP……放送しずらいハンドサインの意味はのちほど取り上げるとして、まずはTOO SWEET騒動を振り返ってみよう。
    2017年9月25日、カリフォルニアの長閑な昼下がりのことだった。ラグジュアリーな白いリムジンに乗り込んだ彼らはまだ開場していないアリーナに無許可で侵入し、WWEを見にきたファンたちの前に現れた。予期せぬ登場に興奮したファンたちは大声で叫びながらTOO SWEETポーズをして、彼ら「バレットクラブ」を歓迎したのだった。
    WWE一行は、前日のPPV「ノー・マーシー」ロサンゼルス大会を終え、そこから車で1時間程のオンタリオという街で毎週月曜の定期番組「RAW」のライブ収録を行うために準備をしている最中であった。
    マーティー・スカールは拡声器を使って「WWEを見に来たのか? それともバレット・クラブを見に来たのか?」とファンたちを煽り、アメリカのファンたちは「バレット・クラブー!!」と応える。元WWEのCodyは演説を始めるわ、ヤングバックスは自分たちのTシャツをファンに配ったりとやりたい放題。最後はWWEを見に来たファンたちと一緒にパレードのようにアリーナの周りを練り歩いた。この模様を撮影していたヤングバックスは、その日のうちに自身のYouTube番組「Being The Elite」に投稿したため、すぐさま世界中にこの『バレット・クラブRAW侵略事件』は広まることになった。これは1998年にトリプルH率いるWWEのDX軍がライバル団体WCWの会場を侵略したときのパロディとも言えるのだが、WWEの首脳部はこの暴挙をジョークとは認めなかった。この続きと、RIZINと競技、ロイヤルランブル総括、安田忠夫・新日編、田上明、K-1崩壊などの記事がまとめて読める「13万字・記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」

    2018-02-15 12:55  
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    左からジェイソン・ハーゾグ、福田正人、梅木よしのり氏のRIZIN競技運営陣福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営」16000字インタビュー。競技面に関していといろと批判されがちなRIZINであるが、実際はどうなっているのか? 興行側の向き合いから体重管理、そしてドーピングまで現状を率直に語ってもらった(聞き手/ジャン斉藤)【RIZIN関連記事】●2017年の堀口恭司、RIZINで1億円稼いだ説◯笹原圭一RIZIN広報の新年大展望「間違いなく賛否両論が巻き起こる隠し玉があります」
    ●堀口恭司RIZINバンタム級GP優勝インタビュー「いつもどおり戦いました」◯史上最高の大晦日! 堀口恭司から始まり、堀口恭司で終わった2017年のRIZIN――!!●マネジメントから見た「堀口恭司UFC離脱からRIZIN GP完全制覇」まで■石井史彦
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    福田 はい。そういう立場になりますね。
    ――RIZINは「ちゃんとやれ!」とか選手や関係者から叩かれやすいですが、その責任者ってもの凄く大変そうですねぇ。
    福田 たしかにRIZINはいろいろと言われがちではありますね(笑)。でも、私がRIZINの審判部長だから言うわけじゃないんですが、他の団体と比べて競技運営が緩いわけじゃないですし、RIZINはそれなりに厳格にやっていると思うんですけどね。完璧なのかというと、まだまだ足りないところはあるんですが……。他の団体にも参加する中で、常にRIZINが他と比べてどうなのか? ということは把握しているつもりです。
    ――今回福田さんを取材するにあたり、RIZINに参戦している選手や関係者から競技運営の現状について聞いてみたんですが「想像以上にしっかりやっていますよ」という声があったんですね。
    福田 それは印象が悪かったということなんですかね(笑)。
    ――ハハハハハハハ。「あ、そんなところまでフォローしてるんだ」という話も聞いてるので、RIZINはもっと「ちゃんとやってます!」アピールしたほうがいいんじゃないかなって思ったんです。
    福田 でも、私たちはあくまでフリーランサーとしての参加なので、正確にはRIZINの人間ではないですから。そういったアピールをすることが難しい立場にはなるんですね。
    ――ということは、広報の笹原(圭一)さんの職務怠慢という結論になりますかね(笑)。
    福田 ただ、RIZINはビッグプロモーションということで注目度も高いですし、試合後にはファンの方からいろんな意見が出ますよね。ただ単に自分たちはこんなことをやっているとかではなく、日本格闘技界の競技運営の現状を含めて、わかりやすく説明する機会を設けたほうがいいんじゃないかとは常々思っていたんです。
    ――それで今回の取材を受けていただいたんですね。せっかくの機会なのでいろいろと伺いたいんですが、最近のRIZINでいえば、ギャビ・ガルシアvs神取忍の体重超過の件が騒ぎになりましたよね。
    福田 この件に関して各方面から様々な意見が出されていますが、あるスポーツサイトで「RIZINには、計量オーバーが発生した際にどういう措置が取られるかという規定が存在しない」「様々な要因からルールに“あそび”」があると指摘されているんですね。
    ――VICTORYというサイトの記事(https://victorysportsnews.com/articles/6112/original)ですね。RIZINには規定が存在しないんですか?
    福田 あるかないかといえば、規定はありますし、“あそび”もないです。なぜ規定がなく“あそび”があるという風に報道されてしまったのか思い当たるのは、RIZINは計量オーバーがあったときに「協議します」とアナウンスするじゃないですか。そこで「ゼロから協議している」と思われているんじゃないかなと。
    ――つまりその場その場で対応しているんじゃないかと。
    福田 実際には細かい規定が数多くあって、超過体重によっては罰則を設けています。RIZINのアナウンスする「協議」とはどういうことかといえば、これはUFCをはじめとする世界中のビッグプロモーションにも言えることですが、オーバーしたから即中止という扱いはしていないということなんです。RIZINのような注目度の高いイベントであれば、関わっている人や会社が多岐に渡るので、その協議に時間がかかるし、慎重になるということだと思います。その部分だけをフレームアップして、主催者が恣意的にルールを捻じ曲げているのでは、みたいな誤解を招く報道は、正直もっとしっかり取材してから記事にしてほしい、という気持ちになりますね。
    ――UFCでは体重超過の際は罰金を払ったり、キャッチウエイトで実施されたりしてますし、試合を実施する方向で動いてますね。
    福田 そうやって興行として試合成立に向けて動いているのはUFCもRIZINも同様で、なんの規定もなくゼロから協議しているというわけではないんです。決まった規定の中でどうやって運用していくかという話をしているのであって、そこに“あそび”はないんですね。他団体のルールを一つ一つ見たときにそれぞれに“幅”があるのはたしかですよ。たとえばRIZINはいまだに道着の着用がOK。そこはある意味、“幅”じゃないですか。
    ――RIZINはその規定を公にしたことはないですよね。
    福田 ルールは抜粋というかたちでしかパンフレットに掲載してないですよね。RIZINには競技運営陣だけのページを作ってほしいという要請はしています。
    ――そこは公にしてないのはRIZIN側の判断ということですか?
    福田 そうなりますね。ただ何か隠したい事情があって公表していないということではなく、単純に手が回らないということだと思います。これも笹原さんの職務怠慢かもしれません(笑)。
    ――体重超過でいえば、10月福岡大会のRENAvsアンディ・ウィンは、アンディが250グラムオーバーでした。この試合はワンマッチではなくトーナメント形式ということで処遇が難しかったそうですね。
    福田 トーナメント独自のレギュレーションは存在しますが、トーナメントはノーコンテストルール(超過した選手が勝利しても無効試合)を運用しないということは主催者とも一致していて。体重オーバーが発生した場合は、個別に協議するという規定にはなっていました。ワンマッチの場合はシステマチックに決まっているんですが、トーナメントの場合はワンマッチよりは幅が広いことはたしかですね。
    ――トーナメントという形式上、想定外に対しての運用は難しいんですね。
    福田 あの試合はアンディ・ウィンにイエローカードが出なかったですよね。なぜかといえば、RIZINの規定では1キロオーバーでイエローカード1枚、2キロオーバー以上でイエローカード2枚なんです。その規定どおりで、アンディ・ウィンは250グラムオーバーだったのでイエローなしのスタートだったんです。
    ――RENA選手は体重超過のまま試合を受け入れましたが、そこで何も罰則なしは不公平感が生まれますよね。
    福田 それにトーナメントですから「体重超過のアンディ・ウィンが勝ったらどうなるんだ?」という疑問も競技として出てきますよね。そこは競技運営陣から主催者に対して「アンディ・ウィンへの出場停止勧告」を出すことはできました。「決勝に進出すべきではない」という勧告はありえましたね。
    ――でも、あくまで主催者に対しての勧告であって競技運営側に強制権はないんですよね?
    福田 ないですね。計量オーバーに関して適用されるのは競技ルールではなく競技オプションになると思うんですね。競技ルールあれば何があろうと失格でいいと思うんです。
    ――ああ、オプションという言い方はわかりやすいですね。競技ルールだったら、体重超過後の交渉でキェッチウエイトですらおかしな話ですもんね。
    福田 キャッチウエイトやノーコンテストルールの適用を否定はしません。プロモーターや選手としても試合をやりたい。アメリカのアスレチックコミッションの場合にしても、試合をやってもらわないと極端な話、運営はできなくなりますし、そこはお互い様だと思っている部分はあるのかと思います。
    ――そこは競技運営側も興行側の事情を加味しなければいけないということですか?
    福田 いや、加味するというか、競技運営側が胸を張って言う類の話ではないですが、試合成立に向けて最大限の努力をするということですね。そこに「メディカルの問題がなければ」という注釈付きの話になりますけどね。この手の話は、メディカルと体重超過とゴッチャになりがちだと思うんですよ。
    ――UFCなどで試合中止になるケースは、超過された側の選手がペナルティやキャッチウエイトの条件に納得せずキャンセルするか、超過した選手のメディカルに不安がある場合になりますね。日本大会でも廣田瑞人選手が減量を理由とした体調不良で欠場という判断がくだされて。
    福田 メディカルに大きな問題がなければ、主催者、選手、競技運営陣が試合実現に向けて協議していくということですね。基本的にはRIZINもUFCや他のMMA団体と変わりはないと思うんですね。たしかにスポーツ競技としては「即失格」「試合中止」を実行していくことが正しい姿なのかもしれませんが、それがプロスポーツとして成り立つかといえば、私はそうは思えないです。なので競技運営の立場と言えども、興行に対しての視野を完全に狭くしてしまっては逆に危険だと思っています。
    ――いままで競技運営側がRIZINに試合中止を勧告した試合はありますか?
    福田 ギャビvs神取の試合に関していえば、ギャビの体重超過の時点で試合中止勧告をしました。でも、いまの日本の興行ではプロモーターの意思で強行突破できちゃいますよね。
    ――やろうと思えばできる環境ですね。
    福田 競技運営側として試合中止勧告をしましたが、テレビでも目玉カードとして煽っていますし、興行側の立場になったら簡単に中止にできないだろうなと。やろうと思えば試合もできたはずですが、今回は競技運営側の意向も汲んでいただき、試合中止の選択をしたということですね。
    ――ギャビはかなりの体重超過でしたが、事前の体重チェックはどうなってるんですか? たとえば修斗やパンクラスでは管理していますよね。
    福田 パンクラスは4日前、修斗ではサステインさんがプロモートする興行で1週間前と3日前にチェックしていますね。事前体重チェックというのは、体重超過を防ぐという目的であることは間違いないのですが、戻し体重がどのくらいかあるのかとか、適正階級を把握して健康・安全面に配慮するという側面も大きくあるのかと思います。いくら事前にチェックしても減量は何が起きるかわからないですから、それだけで体重超過を防げるというものではないわけですし、各団体で事前体重チェックの捉え方も異なってくるかと思います。RIZINの現場をいえば、他団体と同じように体重の管理や把握はしています。年末はバンタム級GPがありましたし、それこそ体重超過が許されない試合形式じゃないですか。ファイターが海外にいるときから体重の報告は受けていると聞いています。なぜRIZINが公にしてないかといえば、そこはシステムとして完成されてないからだと思います。そこはあくまで自主運用や自主努力の範囲内の話で、ビッグプロモーションとして厳格に「やっています!」とは言えるものではないと。
    ――システムとして完成はされていないから公にはしてないと。
    福田 RIZINは他の団体と比べて外国人参戦選手が多いですよね。海外の選手全員の体重を本当に管理できるかといえば、まだそこまでのシステム化はいまのところ難しい。海外選手でもやろうと思えばできるんですよ。スカイプを通じてチェックするとか。そういうやり方を導入して初めて「やっています!」とは言えますよね。
    ――話を聞くかぎり、「やっています!」と位置づけてもいいような……そこを厳しく律しているからこそ信用に値してるとも言えますが。
    福田 でも、システム化されてないと、何かあったときに説明できないですよね。たとえばRIZINは体重超過が怪しい選手はなるべく早く来日させて、体重を落とさせる環境をプロモーターが自主的に作ってあげているようですね。
    ――そこまでサポートしてるって凄いですね。でも、それはあくまで「体重超過が怪しい選手」への個人運用だから「ルールとしてやってます!」とは言えない。
    福田 そういうことになりますね。そうやって経費をかけていることもあって、他団体と比べて体重超過はあまり出てないんですが、ビッグプロモーションなので目立ってしまっているのかもしれません。それにRIZINは契約体重制なので、体重が落としづらい設定の試合は組んでいないんですね。
    ――今回の五味隆典vs矢地祐介もユニファイドルールのライト級70.3キロではなく、73キロの契約体重でしたね。マッチメイクに関して競技運営の立場から発言することはあるんですか? たとえばギャビvs神取のような体重差がある試合とか。
    福田 ギャビvs神取はこちらとしても疑問を感じるマッチメイクでしたし、「こういうカードは控えてもらいたい」という勧告はできます。ただ、興行として主催者が必要と判断するのであれば、そこはプロモーターの立場を全て否定することはできないですね。現状では年齢差や体重差のあるマッチメイクは、プロモーターの自主規制に委ねられると思います。今回は95キロ契約で組まれましたが、その最低限の基準が崩れてしまったので、主催者としても試合不成立という判断したのだと思いますね。
    ――どうしても日本のビッグプロモーションの競技運営は、主催者のやり方に振り回されるという印象があるんですね。
    福田 そういうイメージがありますよね。私はもともとパンクラス審判部で育った人間で、いまはプロ修斗もやらせてもらっていますし、自分ではガチガチ型の審判員だと思っていました。PRIDEの流れを汲むRIZINからオファーがあったときは「悪い人たちと仕事をするんじゃないか……」って思ったんですよね(苦笑)。
    ――ハハハハハハハ! 昔のビッグプロモーションの競技運営は主催者に忖度してるんじゃないか……というイメージはありますね。
    福田 いまでも警戒しているので(笑)、競技運営の立場として主催者とは距離を置いているんですけど。いままでのビッグプロモーションのイメージだけで捉えられてしまうということはあるかもしれませんが、他の団体と比べてRIZINが適当にやっているとは全然思いませんし、かなり整備されていると思うんです。たとえばRIZINが地方大会をやる際、ジャッジ陣はいつものメンバーを連れていきます。そこは競技運営側のほうからRIZINに要請させていただきました。地方だからということで地元の選手や格闘技関係者をジャッジとして採用するのは、いろいろな事情があるにせよ、普段定期的にジャッジをしていない人を使うっていうのは少し乱暴だなと思っていましたし、実際に判定結果がいつもと違ってくる可能性が高くなるんですね。
    ――なるほど、たしかにそうですね。
    福田 主催者側の窓口は笹原さんなのでいろんな話をするんですが、笹原さんは「2-1」のスプリット判定に納得がいってないんですね。「気持ちが悪い」と(笑)。
    ――ムチャクチャ言ってますね、あの人(笑)。
    福田 いや、笹原さんの言うことはよくわかるんです。同じ判定基準であるならば「3-0」になるはずだと。現実として「2-1」のスプリット判定は出てきてしまうんですが、できるだけ「3-0」に近づけたいというのがRIZINの考えなんですね。そのために試合後は後日の勉強会を開いて試合映像を見返して、判定基準や判定方法について指針をすり合わする作業をしています。例えば「ダメージ」という定義についてもジャッジ間でバラつきがないように何度も確認し合います。結果だけではなく、判定の中身の方を重視していますね。「ダメージ」、「アグレッシブネス」、「ジェネラルシップ」それぞれ何をどう見たの?って。そして、ジャッジの質を高めるためにどの大会でも同じジャッジを使おうと。ホテル代や飛行機代がかかっているわけですから、そこのサポートはありがたい話ですよね。
    ――けっこうな人数になりますよね。しかも試合前日、試合当日の2泊3日の連泊になりますし。
    福田 RIZINのバックステージにはジャッジ、レフェリー以外にドクター、インスペクターを含めて50人くらいが動いているんです。一人一人に役割を持たせていて、青コーナー赤コーナーそれぞれのインスペクターや、もちろんバンデージチェックの係もいますし、アメリカのようにバンデージを巻く専門の係もいます。女子のボディチェッカーがいることはご存知ですか?
    ――ツイッターで話題になってましたね。リングイン前に女子選手のボディチェックをする女性の方。
    福田 彼女もその仕事のために福岡から呼んでるんです。
    ――福岡からですか?
    福田 10月の福岡大会で初めてやってもらったところ、評判がかなりよかったんですね。彼女は九州の現役大学生で柔道部員なんですけど、立ちふるまいがしっかりしていて全然もの怖じしない。地上波で生中継されるイベントなので、そこで緊張されてガチガチに動かれたり、ナヨナヨされると絵にならないですよね。立ち姿勢や佇まいなどが審判員向きでしっかりと仕事もできるという人材は実はなかなかいないんです。
    ――それで年末もわざわざ福岡から呼んだんですか。
    福田 そこはRIZINのこだわりですよね。東京で別の人間を探してもいいじゃないですか。でも、評判がよかったからまた同じ人間を福岡から呼んで使うと。
    ――神経質なくらいマジメにやってますね(笑)。
    福田 いや、マジメだとは思いますよ(笑)。あとは、例えば去年の1月にアメリカのABC(ボクシングコミッション協会)のレフェリー講習会に参加させてもらっているんですが、それもRIZIN側に提案したら、すぐにOKをいただいて、費用も含めて全てコーディネートしてくれたんです。カリフォルニア州のアスレチック・コミッションとも事務局を通じてパイプを作ってもらっているので、競技運営現場そのものを包み隠さず見せてもらったり。そこから影響を受けて実際に試しているようなことも実はかなり多いんですね。私はいろんな団体に関わらせてもらっていますが、 RIZINは「こんなことをやりませんか?」に対して「よしやろう!」と実行に移すスピードはかなり早いと思いますし、競技をより精度の高いものにするための貪欲な姿勢は、もっと評価されるべきだと思います。なのでRIZINはマジメにやっていないと言われるのは、審判部長としても悔しい気持ちはありますね。・スクープ!! RIZINはなぜドーピング検査するのか
    ・RIZINの競技運営改革は“あそこから”始まった
    ・「レフェリーは日本の中でもトップ中のトップを揃えてやらせてくださいとお願いしました」
    ・堀口恭司選手vsマネル・ケイプのバッティングの判断
    ・バトン、控室と花道の人数制限……PRIDE時代の違いとは?

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