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  • 【青春と金】格闘探偵団バトラーツの悲しき思い出……■臼田勝美インタビュー③

    2022-11-17 17:05  
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    藤原組、バトラーツなどで活躍した臼田勝美インタビューシリーズ第3弾です!(聞き手/ジャン斉藤)
    ①臼田田勝美「念願のデビュー前に藤原組をやめたのは……」
    ②正道会館と藤原組退団
    ――藤原喜明さん以外の所属選手が藤原組をやめられて、バトラーツを旗揚げされますが、皆さんお金があったわけじゃないですよね。
    臼田 お金は全然ないっすね。合に出たときに一応ファイトマネーというかたちでもらってましたけど。とりあえずは、藤原組の頃からずっとリングの設営をやってくれてたパンチ(田原)さんのところでアルバイトとかしながら。自分はその頃、八王子の実家に住んでいたんで、週3日ぐらい越谷の道場に来るような感じでやってました。試道場で使うリングや練習器具なんかは、藤原さんが「持ってっていい」と。
    ――そこは親心なんですね。
    臼田 道場の物件なんかは、石川(雄規)さんが自分のマンションを紹介してもらった不動産屋の社長さんに、安い物件を探してもらって。石川さんがちょうど埼玉の越谷でマンションを買った流れですよね。
    ――八王子から越谷だとけっこう大変ですね(笑)。あの当時のプロレス界で、若手だけで団体を立ち上げるのはなかなか大変ですよね。
    臼田 いまのインディーと比べても大変だったと思いますよ。プレ旗揚げ戦が、GAORAのテレビスタジオマッチで、旗揚げ戦が石川さんの地元の小田原でやって。あとはもう地方の体育館ばっかりで回ったんですが、全然お客さんが入らなくて。選手やスタッフの数のほうがお客より多いぐらいです(笑)。後楽園ホールなんかは、とてもじゃないけど借りられないなって。コツコツやって初めて北沢タウンホールでやったときに、後楽園ホールをやると発表したら、お客さんがすごく沸いて。そんときは鳥肌立つぐらいゾクゾクしましたねぇ(しみじみと)。
    ――後楽園はひとつのゴールですもんね。途中まではアルバイトしながら続けてたんですね。
    臼田 そうですね。地方をだいたい5~7試合くらい回していけるようになったら、基本的なベースの月給プラス、1試合ファイトマネーいくらになって。初めて後楽園ホール大会をやったときは満員だったし、そのへんからマスコミも注目するようになって、会社のお金の流れもよくなったとは思うんすけどね。
    ――後楽園を満員にできるってかなり大きいですよね。
    臼田 でかいですよね。その頃は俺も全然、お金の流れを知らなかったから。あとになってから後楽園満員だったら純利益でいくらっていう内訳を聞いてみると、なかなか選手には還元されてなかったんですよ。
    ――聞きづらい話ですけど……どこに還元されてたんですか?
    臼田 どこなんですかね(笑)。だから選手対会社の対立の構図がもうできあがってました。俺も『紙のプロレス』のインタビューでもよく言ってましたから。
    ――創刊当時の『紙のプロレスRADICAL』はバトラーツを推してましたね。みんなで藤原組をやめて、若者だけで一致団結しているムードだったけど、早い段階から亀裂が……。
    臼田 ある程度、お金が入ってくるようになると、だいたいどこもダメになりますよ。それまでは「みんなで一緒にお金をつかもう!」みたいな感じもあって。あとは「自分たちのプロレスをやるんだ!」ってことで、理想の部分で矢印が同じ方向を向いてるけど。こんだけお客さんは入ってんのに、全然給料上がんないし。正直、上の人間の生活の水準が上がってんのは、見ててわかるんで。アパートからマンションに引っ越ししたりとか、乗ってる車が中古の日本車から高級車に変わるわけですよ。新日本にレギュラー参戦してる頃の(田中)稔さんでさえ、原付バイクなのに。
    ――そうだったですね……。
    臼田 だから、あのへんから会社に対して不満が強かったと思います。そこで一番初めに行動を起こしたのが池田(大輔)さんですね。池田さんがバトラーツ退団を発表するだいぶ前に、俺は直接言われましたね。「兄貴には話しときますけど」って。歳は向こうのほうが上なんすけど「兄貴」と呼ばれていて(笑)。池田さんは「全日本主戦場でフリーになろうと思ってる」と。馬場さんと会って話していることは俺もマスコミから聞いてたから。「そっちのほうがいまよりお金になるんだったら、いいんじゃない」って。池田さんはみんなの代表っていうわけでもないけど、誰かが行動を起こさないと会社の人間はわかんないから「爆弾を落とします」と。
    ――バトラーツを盛り上げてきた池田さん離脱はけっこうショッキングですよね。臼田さんはやめようと思わなかったんですか?
    臼田 俺はあの当時格闘スタイルしかできないなと。それ以外のプロレス、別にやりたいと思ってなかったので。それはすごく視野が狭かったんですけど。新日本のスーパージュニアに参戦してからだいぶ考え方が変わったんですけどね。
    ――バトラーツって話題を作るためにいろいろやってましたよね。
    臼田 PRIDEから、みちのくプロレスまで選手が出てる団体はなかったですよね。ある意味、ホントに格闘探偵団。そこを狙って、そういうネーミングにしたわけでもないんすけどね、初めは(笑)。
    ――石川さんは猪木さんに強い憧れがあって、猪木さんを模倣する感じでしたけど。経営的にもまさに“小さな猪木”だったところはあるんですか?
    臼田 石川さんというよりかは、別の人たちが……。誰とは言わないっすけど。1人は名前を出しても、関係者しか知んないような人だし。もう1人はみんな知ってますけど、今度ノアで船木(誠勝)さんと桜庭(和志)さんが久々にやる場にいますね(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! あのレフェリーですね(笑)。
    臼田 俺もそんなに腹を割って話とかしてないから、わかんないですけど。団体自体よくわからない方向に進み出しましたよね。
    ――バトラーツはリング外のビジネス展開もいろいろとやっていて。アパート経営みたいなこともやってませんでしたっけ?
    臼田 ああ、寮ですよね。初めは資金稼ぎの目的もあって、プロの練習が終わったあとの道場を一般人も解放したんですよ。言ったら新日本のプロレス学校みたいなもんで。それが思った以上にいい感じで会員が増えたから、道場を駅前に移してB-CLUBっていうバトラーツジムにすると。B-CLUBはいいけど、道場は道場で残してほしいなと思ったんだけど、家賃的に道場2つなんか抱えられないから、道場はもう引き払っちゃって。そのB-CLUBの会員さんの専用のアパートも込み込みで借りれるってやつですね。
    ――会員制のジム&寮。
    臼田 アパートの家賃はじゃっかん高いけど、いつ来てもジムで練習できるみたいな。ビジネス的にはうまいやり方だけど、道場をなくすのはちょっとイヤだなと。稔さんも「道場、残してほしい」と言ってましたけど。
    ――アパート経営はうまくいったんですか。
    臼田 初めはいってましたけどね。
    ――石川さんはサスケさんと一緒に「MOJICO」というFAXのビジネスを手掛けていたこともありましたよね。マルチ商法という批判もありましたけど。
    臼田 あー、なんかやってたかもしんないですね。
    ――臼田さんは興味はなかったんですか?
    臼田 ないですね。一切お金も出してないし。たとえ言われても「勝手にやってください」みたいな。儲かったら儲かったっていいかもしんないけど、変なふうに巻き込まれて失敗して揉めたらバカバカしいから。
    ――実際に変なことになったみたいですもんね。
    臼田 いや、なりますよ。石川さん自身は、そういうつもりはないんだろうけど、お金ありきで考えるような人たちが集まってくる。そこには誠意や誠実さがないから。要はいいときだけの付き合いじゃないですか。
    ――お金がなかったことでのし上がっていったバトラーツが、お金を手にしたことで変わっていくという……。
    臼田 やっぱり98年に両国国技館でビッグマッチをやって、あれがなまじか成功したと騒いだじゃないっすか。
    ――ロード・ウォリアーズやボブ・バックランドの大物を呼んで。
    臼田 言ったら超満員ではないけども、満員マークは付けれるぐらいな客入りになったし。まさかバトラーツが両国大会やるなんて旗揚げした頃には誰も思ってないし。でも、あんときに「この団体、終わったな」と思ったんすよ。石井館長だったら、大きな興行をやっても次の次ぐらいまで考えるわけですよね。両国成功がゴールじゃなくて、そこがスタートラインに立った感じで、次に向かっていくべきなんですけど、それがまったくなかったんすね。もう浮き足立っちゃって「やった、やった!」みたいな感じになってるから。選手が喜ぶならわかるんすけど、会社の背広組の人間も浮き足立ってんのを見て「ここが限界だろうな」って。当時のインタビューでも言ってますよ。あとはもう落っこってくだけだなと。
    ――実際バトラーツはあそこから迷走していきましたもんね。臼田 実際そのとおりになったんで。とどめがZERO-ONEの火祭りボイコットですね。

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