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  • 【10万字・記事詰め合わせセット】アポロ菅原vs鈴木みのる、斎藤裕、和田京平&木原文人、ウォリアーズ…

    2020-11-30 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part82大好評記事18本、10万字で550円!!(税込み)

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    part82
    ◎アポロ菅原 SWS鈴木みのる戦シュートマッチ全真相1万字インタビュー
    ◎斎藤裕インタビュー「朝倉未来選手はUFCやベラトールの選手から見れば特別な存在ではない」
    ◎【王道トーク】和田京平&木原文人「いまのプロレスってレフェリーの存在に意味があるの?」
    ◎人生の判定勝ちを狙う男・川名雄生 「ラムしゃぶとプロ格闘家とは何か」
    ◎マーク・コールマン、性的虐待の告白
    ◎偉大なるグラップラー、ハビブ・ヌルマゴメドフの凄さ/水垣偉弥
    ◎ロード・ウォリアーズの衝撃■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎どうなる朝倉海vs堀口恭司の再戦! 「UFCでも通用する両者の戦い」■大沢ケンジ
    ◎Uインターのヤバイ新弟子の話■金原弘光
    ◎さらば“人間”ロード・ウォリアーズ■ジャン斉藤
    ◎朝倉海vs堀口恭司……メチャクチャ見たいのに、結末は見たくない!!
    ◎ドラァグクイーンの息子を絶対に認めない父親ギャングレスラー
    ◎メイウェザーvs朝倉未来が内定? MEGA2021とは何か?
    ◎TEPPEN判定はあるのか〜ジャッジを巡る議論〜/高崎計三
    ◎【宗教と幻想、システム論】修斗は朝倉未来に勝ったのか
    ◎G1、チャンカン、N-1……秋の3大リーグ戦・総評■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎世界を知る男・水垣偉弥が見た朝倉未来vs斎藤裕
    ◎クレベルvs摩嶋? 米山引退、憂流迦vs所は幻に……■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
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    和田京平レフェリーと木原文人リングアナの「語ろう全日本プロレス」第2弾…全日本を知り尽くした男たちのジャイアントな対談をお読みください! 前回はコチラ→和田京平&木原文人の「全日本プロレスを知り尽くした男たち」対談!!
    ――先日ロード・ウォリアーズのアニマルの訃報が知らされました。今日はそのウォリアーズを含め、全日本プロレスを彩った外国人タッグチームのお話を聞かせてください!
    京平 タッグチームの話でいうと、俺が最強だと思うのは、やっぱりテリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムスだよ。
    ――殺人魚雷コンビ! スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディのミラクルパワーコンビではないんですね。
    京平 まあ、ハンセン&ブロディも強いんだけど、タッグチームとしての連携が見事だったのはゴディとウィリアムスの2人のほうじゃないかな。いまのプロレスって6人タッグだったら、3人がかりで攻撃することがあるじゃないですか。それも反則は5カウント以内は許されるというルールを無視して。
    木原 コーナーにいるべきレスラーがリングインするのは、実際には反則の範疇ですからね。
    京平 そう、あれはレフェリーの目を盗んで行なうべき攻撃だから。でも、いまのプロレスってレフェリー無視なんだよね。だったらレフェリーなんていらないじゃんって。
    ――反則攻撃が普通に許されている現状に、ファンの不満も高まってますね。
    京平 いまのレフェリーの権限が弱すぎるというか、そういう流れになっちゃったというか。その点、ゴディ&ウィリアムスのタッグは、レフェリーが注意する前にもう攻撃を終わらせているから。
    木原 そこが絶妙なんですよね。
    京平 バコンバコンと殴ったら、レフェリーが注意する前にスーっと逃げちゃう。小気味のいいタッグチームだった。ハンセン&ブロディの場合は、ブロディはルールに基づいているけど、ハンセンは無視しているから(苦笑)。まあ、そのへんがまた面白いんだけどね。でも、基本的に昔の全日本に来たタッグチームというのはルールを無視したりしないですよ。
    ――レフェリーとしても勝手なことはさせない、と。
    京平 反則には厳しかった。「ウチは絶対に許さん」ということで控室でもよく注意していたよね。レフェリーが見てないときにやるのがテクニック。いまはレフェリーが見ていないあいだにやるという、その「あ・うん」の呼吸がない。
    ――そこが肝なんですね! 反則をやるならレフェリーにバレないようにやれと。
    京平 昔のタッグって片方が攻撃しているときに、もう片方がレフェリーを引き止めてたんだからね。やり終わったらまた違うほうが出てくるという。そのへんの小気味のよさが見ていて楽しかった。でも、いまはもう堂々と反則をやってるじゃん。たとえばトップロープに上がってブレンバスターやるのに20秒ぐらいかかってるんだよ?
    木原 トップロープは5カウント以内に降りないといけないんですよね。
    京平 だから、なんつーかな。俺から言わせれば、いま日本のプロレスはやりたい放題で楽しくないよ。木原にもよく言われるもん。「京平さん、あれ反則じゃないんですか?」って。でも「あれを反則にしたら客が怒るだろ?」と。そんな感じですよ。
    木原 本当のルールを理解している人が少ないんでしょうね。いまは京平さんがおっしゃるとおりで、トップロープに登ってお客さんを煽って、お客さんの反応を待っていますから。もっと言うと、コーナーにいる選手が自分のチームを応援したりもしないし、「なんとか決めてもらおう」という悲壮感もない。待っているヤツは、ずっと見ているだけですもんね。
    ――ルールに則ることで試合の緊張感を生み出すというか。反則が許されたり、動きに制限がなければ勝負の意味がないですね。最近は技術に優れた本格的な「タッグ屋」は存在しいないということなんですかね。
    京平 うん。超世代とか四天王とかの時代まではちゃんとしてたけど、ここ10年ぐらいルールを守っている人はいないんじゃない? 関本大介&岡林裕二が小気味がいいのは、そういうところなんだろうね。もともと彼らはヘタだったんだよ。でも、俺が注意したんだよね。要するにルールを知らなかった。
    木原 おそらく彼らが所属する大日本プロレスさんで、ずっと反則ありでやってきてるから。
    ――ルールを守るだけじゃなく、ルールを活かすことによって、お客さんがより熱狂できるようになるということですね。
    京平 すべてに意味があるの。レスラーたるもの、攻めているんだったら自分のコーナー側で攻めるべきだし。自分が有利なのに敵陣のほうで攻めているのはおかしいでしょ。
    木原 たとえばボディスラムでガーンと投げて、タッチした次のヤツもボディスラムを投げて、またタッチしたらまたボディスラムをやる。でも、センスないヤツは、そこでロープに振っちゃうんだよね。
    ――「そこはボディスラムだろ!」と。
    木原 腰を狙うなら徹底的に攻めないと。パートナーが腰を攻めてるのに、アキレス腱固めやヘッドロックをやってると「何を考えているんだ?」と思いますよ。さっきのゴディ&ウィリアムスの話に少し付け加えると、ハンセン&ブロディというのはボクがまだファンの時代に活躍していた選手で、ガキの頃から見ている立場からすると、ハンセン&ブロディは強いけど暴走しがちというか。反則負けがしょっちゅうあったんですよね。
    京平 ブロディはジョー樋口さんをよくぶん殴ってたよ(笑)。そうなるとレフェリーは「許さん!」ということで反則。
    木原 ハンセンもリング外で暴れてリングアウト決着とか。でも、ゴディ&ウィリアムスってそういうのがあまりないんですよね。たとえば、場外に出てガチャガチャやってても、すぐにリング内に戻ったし。そのへんはたしかに京平さんのおっしゃるとおり、ゴディ&ウィリアムスがタッグチームとして完成されてましたよね。また、ゴディみたいな荒くれ者と、スティーブ・ウィリアムスみたいな全米アマレスチャンピオンとのバランスもよかったですし。
    ――そのウィリアムスに目をつけて新日本とトレードした馬場さんも凄いですね。
    京平 新日本はウィリアムスを使いきれなかったからねえ。ジュニア系では、やっぱりカンナム・エクスプレス(ダグ・ファーナス&ダニー・クロファット)が面白かったよね。カンナムとマレンコ兄弟が対戦するときは面白かったよ。その中で一番ヘタというか、あんまりプロレスがうまくなかったのがダグ・ファーナス。でもね、これがまた面白かったんだけど、ダグ・ファーナスのしょっぱさと、ダニー・クロファットのうまさがちょうどうまく噛み合ったんだよね。
    木原 クロファットのほうはコテコテのプロレスラーですよね、テリー・ファンク並みの。つまり、クロファットはなんでもできたんですよ。
    京平 そう。しかも、クロファットは本当に強くて、馬場さんがPRIDEみたいな大会にも出そうと思ってたぐらい。
    ――えっ、そうなんですか?
    京平 プロレスラーは強えんだ、と。その代表として「じゃあ、クロファットでも出すか」と話してた。
    木原 彼はもともとは旧UWFに上がった選手でしたから。
    京平 あと渕(正信)も出そうかなあということで。
    ――渕さんの総合格闘技は見たかったですよ!
    京平 渕は強いよ。この2人は馬場さんの中では出してもかまわないぐらいに思ってた人たちですよ。
    ――意外ですね、馬場さんがそんなこと考えていたなんて。
    木原 YouTubeでカール・ゴッチさんの試合映像を見ると、渕さんとそっくりですもんね、体型も身体の動かし方も。ゴッチさんというと藤原(喜明)組長とか木戸(修)さんとかのイメージがありますけど、試合を見ると完全に渕さん。あんなガッチリした複雑な関節技やらないですもん。
    ――渕さんは某有名柔道家と道場でスパーリングをやって負けなかったという話もありますね。
    京平 道場破りは必ず相手をしていたからね。昔は道場破りが本当に来てましたから。リング上で相手をしてやったこともあったみたい。新日本ではそれが藤原喜明さんの役割でしょ? そういうことを教えていたのは新日本はカール・ゴッチさん。全日本はパット・オコナーだったんだよね。三沢(光晴)とかはパット・オコナーが教えてた。
    木原 パット・オコナーって全日本道場にいたんですか?
    京平 うん。馬場さんがわざわざ日本に呼んでね。試合はやらなくていいけど、合宿所で教えてやってくれって。結局、パット・オコナーって試合に関してはプロレスというものを魅せられないんだよ。そこはカール・ゴッチもそうだけど。グラウンドレスリングみたいなガチガチの試合はパット・オコナーに勝てる人はいないから。
    ――馬場さんもプロレスラーの下地の部分を重視していたんですね。
    京平 馬場さん自体が強かったからね。
    木原 ああ、「馬場さんには敵わない」って言いますよね。あの身体で乗られたら終わりだって。
    ――クロファットが本当に強かったというのはいい話ですね。
    木原 ダグ・ファーナスのほうはパワーリフティングの世界記録を持っていたんですよね。それが日本でたまたま一緒になって、試験的にタッグを組んでいって。カンナムは日本で誕生したタッグチームなんですよ。もともとカンナムとして日本に来たわけじゃなかった。最初はケン・シャムロックとかと一緒に来ていたはずですよ。ボクが全日本に入った頃、シャムロック、ダニー・スパイピー、クロファット、ファーナス、けっこういろいろ馬場さんが外国人レスラーを入れ替えている時期で。マレンコ兄弟も来てましたしね。マレンコもカンナムと同じで、お兄さんがガチガチのシュートスタイルで、弟が万能系というか。
    京平 そう。だからカンナムとマレンコ兄弟が戦うと面白かったんだよ。
    木原 あと、ジュニア系でもいいタッグがいっぱいいましたよね。ザ・ファンタスティックスとか、ロックンロール・エクスプレスとか……。
    京平 ちょっとおちゃらけだけど、俺は覆面コンビのブラックハーツが好きでね。試合中にどっちがどっちからわからなくなるから、これを見極めるのがレフェリーとしてもの凄く楽しみで(笑)。
    木原 京平さん、あのブラックハーツのひとりは、あのあとマスクを脱いでWWEに上がって、もの凄い有名になったんですよ。
    京平 ああ、だってうまかったもんなあ。
    木原 やっぱり90年の初頭が面白かったですよ。まだ超世代軍はなくて、外国人選手がいっぱいいて。その後、2~3年経つと日本人抗争が始まりましたけど。
    ――あのへんから、外国人レスラーのハードルが高くなっていったんですかね。
    京平 というか、もともと全日本はハードルが高かったんだよ。それに、どうしても日本テレビとの契約上、外国人を呼ばないといけなくて。シリーズに7人まで外国人レスラーを呼ばないといけないという契約があったんですよね。ところが、外国人レスラーってめちゃくちゃ高いんです。ギャランティも凄いけど、飛行機代だけで1000万円ぐらいかかるから。
    木原 それに安いホテルに泊まってないですからね。
    京平 日テレからもらったギャランティなんて、外国人レスラーで全部飛んでったもん。いいレスラーは必ず3人呼んで、あとは安いレスラーでOKと決められていたんです。
    木原 いい選手がいっぱいいたから、90年代は1シリーズに10~14人ぐらいいたときもありましたよね。
    京平 どんだけ金かかってるんだよって(笑)。馬場さんってレスラーに対して絶対にエコノミーなんて乗せないからね。身体の大きいレスラーがエコノミーなんてもってのほかだと。そこそこのレスラーでもビジネスクラス、NWAチャンピオンや三冠チャンピオンになった選手はファーストクラスでしたね。
    ――いまはファーストクラスで来る外国人レスラーなんていないですよ(笑)。
    京平 みんなファーストクラスに乗りたいから、早く三冠チャンピオンになりたいと言ってね。馬場さんも言ってたもん。「ジョニー・エースがファーストクラスに変えてくれって言ってきた。バカヤロウ、チャンピオンでもねえくせに」ってね。チャンピオンってそのぐらい権威を持っていたんですよ。
    木原 ボクは空港まで選手の送り迎えもしていたんで、帰りのチケットなんかは全部持っていたんですけど、ハンセン、ゴディ、ウィリアムス、ブッチャー、たまに来ていたファンクスはファーストクラスでしたね。たとえばハンセンだったら、ちゃんと襟付きの服にテンガロンハットを被って来てましたし、ブッチャーもスーツを着て降りてくるんですけど、ゴディとウィリアムスはビーサンだったんですよね(苦笑)。
    京平 それを見た馬場さんが「あっちゃー」って。「あんな格好でファーストクラスに乗せたくねえなあ」と言ってね。お酒も飲み放題だから当然酔っ払ってるし。
    木原 空港についたときにゴディが仮死状態だったことがありましたしね。大好評記事18本、10万字の詰め合わせセットはまだまだ続く… 
  • アポロ菅原 SWS鈴木みのる戦シュートマッチ全真相1万字インタビュー

    2020-11-30 20:37  
    110pt
    国際プロレス、全日本プロレス、パイオニア戦志、SWS……昭和から平成にかけて様々なプロレス団体を渡り歩いてきたアポロ菅原インタビュー第4弾。SWS鈴木みのる戦シュートマッチ全真相を1万字で語り尽くします!【アポロ菅原インタビューシリーズ】
    ①アポロ菅原「国際プロレス最後の夜は、麻雀をやっていました」②【全日本プロレス編】アポロ菅原インタビュー「いま振り返っても何もできなかったんじゃないかな」
    ③「剛竜馬とパイオニア戦志、北尾光司」


    ――今回は菅原さんがメガネスーパーのプロレス団体SWSに入団してからのお話を聞かせていただきます。菅原さんがコーチをしていた北尾(光司)さんを通じて天龍(源一郎)さんから入団の許可を得たそうですが、面接なんかはあったんですか?
    菅原 ええと、ありません(笑)。SWSの道場があった新横浜で若松(市政)さんと「キミ、来てくれるんだってね?」という話をしたことはあります。
    ――若松さんはSWS設立における中心人物で。給料の話もされたんですか?
    菅原 給料は話はしたのかなあ。したような記憶もありますね。
    ――当時のSWS には唸るほど資金があって、破格の契約金をもらった選手もいれば、もらわなかった選手もいたじゃないですか。 
    菅原 契約金はボクはもらわなかったです。やっぱりそれは早い者勝ちじゃないですか(笑)。
    ――菅原さんの入団はだいぶ遅かったですもんねぇ。
    菅原 まあ、そうですね。契約金をポーンともらった人も多かったと思いますよ。 
    ――ギャラは国際プロレスや全日本プロレス、新日本プロレス時代と比べてどうだったんですか?
    菅原 金額的には満足なものでしたね。SWSが一番よかったぐらいです。
    ――新日本をやめてよかった、じゃないですけど。
    菅原 うーん、お金だけを比べると、そうかもしれませんけど。新日本でもああいうことがなければ、残ってたとは思うんでね。そこは金じゃないんですよ。
    ――SWSは“金権プロレス”と『週刊プロレス』がネガティブキャンペーンを張ってたじゃないですか。『週刊プロレス』の記者もじつはSWSからお金をもらっていたのに。ああいう報道はどう思われていたんですか?
    菅原  どう思っていたんだろうなあ。いまだったら企業がプロレス団体を持つのはあたりまえになってきてますよね。でも、当時は馬場さん・猪木さんというかたちがあったから、企業が業界に入ってくるということに対してのアレルギーなんかがあったんじゃないですかね。
    ――プロレスをわかってないヨソ者が何かやろうとしてるみたいな。
    菅原 そうですよね。でも、資本を投入してくれることはありがたいことですし、それがメガネスーパーだったわけですからね。俺のところに挨拶に来なかったから気に食わないじゃなくて、プロレス全体のことを考えればよかったんじゃないですかね。 
    ――メガネスーパーが参入することに反対するレスラーなんてひとりもいなかったわけですからね。
    菅原 そうですよね。歓迎する人は多かったんじゃないでしょうか。
    ――やっぱりプロとして高い給料を払ってくれることに越したことないですもんね。
    菅原 プロの評価はやっぱりお金だと思ってるんですよ。そこに義理や人情がついてくれれば最高なんでしょうけど、なかなかそうはいかないので。「お金で動いた」と言われれば、みんなそれはそうですけど。お金で動くのは、あたりまえだと思ってますよ。
    ――当時はプロ野球史上初の1億円プレイヤーとなった落合博満が異分子扱いされたり、お金で動くことへの嫌悪感ってありましたからね。
    菅原 あの当時の日本はまだ堅物なところがあってね、いまだったらあたりまえになってるんじゃないですか。
    ――そのSWSって部屋別制度だったじゃないですか。天龍さんの「レボリューション」、若松さんの「道場・激」、高野兄弟の「パライストラ」。菅原さんはどこにも所属せずにフリーでしたけど、これはどういうことなんですか。 
    菅原 別に理由はなくて。 本音で言えばね、横綱(北尾)がね、どこかの部屋に入るとは思ってなかったんですよ。最終的に天龍さんのとこに入りましたよね、レボリューションに。そのときにちょっとだけガッカリしたんですよ。あの中のフリーとしてやってほしかったなあという気持ちがありまして。
    ――SWSの中でフリーでやっていくことって居心地は悪くないんですかね?
    菅原 いや、快適ですよ。フリーだから誰とでも試合はできるだろうしね。
    ――ああ、どの部屋の選手とも試合ができるわけですね。
    菅原 フリーは自分と新倉(史裕)さんだけだったからね。そこに横綱が来てくれるんだったら面白くなるんじゃないかなと思ってたんですよ。
    ――SWSにも派閥はあったじゃないですか。菅原さんの立場は……。 
    菅原 自分はプロレスラーとしては天龍さんのことを尊敬してますから。ですからレボリューションといえばそうなんでしょうけども……そこは何か違うんですよ。天龍さんは好きですけど……というところがあるんです。
    ――天龍さんは好きだけど、部屋に入るのとはまた違うんですね。
    菅原 横綱がレボリューションに入るとは思ってなかったから。横綱がフリーでいれば自分と新倉さんで3人で、タッグや6人タッグマッチの試合が組まれると思ってたから。プロレスラーとしては横綱より天龍さんのほうが格上なんですけど、生身の凄さというものは横綱にありましたからね。俺は天龍さんと横綱の試合が見たかったんですよね。
    ――天龍さんに向かっていったほうほうが面白かったかもしれないですね。
    菅原 いきなりシングルはないだろうとすれば、フリー軍団として6人タッグあたりからやっていくのがよかったんじゃないかなって当時は思ってたんですよね。お客さんも天龍さんと横綱の一騎打ちが見たかったんじゃないかなって。 
    ――SWSは仮道場が横浜にあって、そのあと新百合ヶ丘の一等地に本道場を作りましたよね。
    菅原 新横浜駅から歩いて10分もかかんなかったんじゃないかな。いまだったら考えられないですけど、千葉から新幹線で通ってましたからね(笑)。千葉から快速で東京駅に出て、そこから新幹線ですよ。
    ――それは交通費が出るんですか?
    菅原 いや、自分のお金です。 やっぱり時間を考えれば在来線で行くよりも20~30分近く違うんですよ。 
    ――それだけお金はもらってたということですね。練習時間も部屋ごとに分かれていたんですか?
    菅原 そんな感じだったですよね。新横浜のときはノビノビやってたような気がしますけどね。新百合ヶ丘の頃は雰囲気があまり良くなかったですよね。だから、なんとなく時間割をしようとかそういう話もあったみたいで。かといって、若い選手はともかくとして、みんなで合同練習というかたちではなかったんですけど。 新百合ヶ丘のときは俺が行かなかっただけかな(笑)。
    ――千葉からは遠いですよねぇ。
    菅原 いや、通ってはいましたよ。新宿から小田急線に乗って。新百合ヶ丘の時は本当に大変で。
    ――SWSは天龍派vs反天龍派の派閥争いが原因で消滅に追い込まれますけど、それは新日本と全日本の出身レスラーが合わないこともあって。
    菅原 プロレスはプロレスなんですけども、本当に基本的なところが違うんでしょうね。こことここが違うとは具体的には言えないんですけど。 
    ――関西人は納豆が食べられないみたいな話がありますし、生まれ育ちで違いは出てくるんでしょうね。
    菅原 それはね、秋田、千葉を経て、いま熊本にいる俺も口には出さないですけど、違和感は感じますよ(笑)。なんだかんだ日本は広いですよね。プロレスも団体が違うと空気感が違うんですよ、やっぱり。新日本と全日本だと全然違うんですよ。
    ―― SWSの忘年会も大荒れだったって聞きますもんね。 酒に酔って大暴れしたジョージ高野さんが周囲からボコボコにされたとか。
    菅原 なんかそうだったみたいですけど、「なんだこれは……」って感じですぐに自分の部屋に引き上げちゃいました(笑)。そのあとのことはわかってないですよ。なんと言うかのかな、酒を飲んで、じゃれ合うんじゃなくてマジになってるから。お酒も入ってるからそうなったのかもしれないですけど、こんなことに関わってる場合じゃないなって。 自分の部屋は2階だったんだけど、さっさと戻って部屋で飲んでました。
    ――菅原さん、独特のポジションを築いてますね。 部屋別制度なのにフリーですし。
    菅原 まるで俺が他人との交わりが苦手みたいな感じで言いますね(苦笑)。
    ――いや、揺るぎない位置を作ってるなって。
    菅原 ハハハハハハハ。そういう褒め言葉は初めて聞きましたよ。次の日に「昨日は散々だったよ」なんて話は聞きましたけど、あんな揉めことを見せられたらメガネスーパーの人たちもイヤな気持ちになるでしょうね。
    ――ハメを外した楽しいお酒ではないわけですもんね。 
    菅原 別の団体同士が忘年会をやって揉めただけですもんね(笑)。昔の言葉でいうと、シャレにならないよっていう。
    ――そういう大人の菅原さんがいまだに語り継がれる伝説のシュートマッチをやったわけじゃないですか。1991年4月1日、神戸の鈴木みのる戦。
    菅原 あー、はいはい。
    ――いままで菅原さんは、こういう試合を仕掛けたことはあるんですか?
    菅原 自分は1000試合以上やってきてるんですけど、 そう言われれば、この試合だけですよ。ほかの試合はすべて「イエッサー!!」で従ってきましたよ。
    ――そんな仕事マジメな菅原さんがなぜ物騒な試合をしたのが気になるんですね。
    菅原 あれは試合の3~4日前かな。新横浜の道場で偶然田中(八郎)社長にお目にかかって、ちょっとだけ2人で話をしたんですよ。
    ――SWSの母体メガネスーパーの社長ですね。
    菅原 田中社長からは「菅原くん、今度の試合は楽しみにしてるから」と言われたんですよ。自分が「社長、今度の試合は難しい試合になると思います」と言ったら田中社長は「どうして? おもいきり、やっつければいいんじゃないの?」と。自分は「そうですね……」って答えたのが精一杯ですよ。
    ――それはつまり田中社長がプロレスというものを……。
    菅原 自分としては対戦相手に恨みはないけど、船木(誠勝)選手や鈴木選手は「自分たちは真剣勝負で強いと」いうふうに言ってたじゃないですか。
    ――Uスタイルは本物志向だというプロモーションですよね。
    菅原 真剣勝負で強い、と。真剣勝負ということは真剣に勝負するということだろうから、仮に自分が鈴木選手に負けたとしたら「なんだ、菅原は真剣勝負でも弱いじゃないか」となっちゃうでしょ。それがプロレス界の人間だったら、そういうふうには受け止めないんですけども、田中社長やメガネスーパーの幹部の人たちは……。
    ――田中社長のプロレス観は、業界人のそれではなかったというのが定説にはなってますよね。
    菅原 そうなると自分の見立ては間違ってなかったということなんですけど。1万字インタビューはまだまだ続く!
    この続きと、アポロ菅原vs鈴木みのる、斎藤裕、和田京平&木原文人、ウォリアーズ里…などの11月更新記事が550円(税込み)でまとめて読める「10万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
     
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1970192
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  • クレベルvs摩嶋? 米山引退、憂流迦vs所は幻に……■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2020-11-27 21:38  
    105pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマはクレベルvs摩嶋? 米山引退、憂流迦vs所は幻に……です!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)【1記事70円から購入できる過去記事】・北米のプロスポーツで殺人、レイプやDVの経歴を持ってる選手を売り出すことは難しい

    ・【1万字インタビュー】シュウ・ヒラタが「RIZIN大好きさん」とのバトルの内幕を激白!

    ・オファーがあるのに「オファーがない」とは何か?

     

    ・井上直樹くんにとって金太郎選手はおいしい相手です

     


    ――今日はシュウさん自身の気になるツイートも含めて、またいろいろお話をおうかがいできればと思っております!
    シュウ はい、よろしくお願いします。
    ――まず、先日のDEEPで元谷友貴選手に一本負けした米山千隼選手について、今後の件でいろんな情報が錯綜していますよね。米山選手は25歳で今後をかなり期待されていますが……。
    シュウ じつは米山選手からは元谷選手との試合の前から「もし負けたら、これを最後に試合をするのはやめるかもしれない」とは言われていたんですよ。
    ――ああ、そうだったんですか……。
    シュウ 実際、試合が終わったあとに連絡が来まして「試合に出るのはやめようと思います」と。とりあえず、練習はするかもしれないけど、試合に出るのはおしまいみたいな感じで。要は引退ですね。
    ――メチャクチャもったいないです!
    シュウ もちろん「いつでも気が変わったら戻ってきて」とは言っているんですけどねえ。まだ年齢も若いですし、MMAは経験を積んで強くなる競技じゃないですか。たとえば、ハファエル・ドス・アンジョスなんてUFCに行く前はブラジルで大塚隆史選手と対戦していて、スプリットの判定で勝ってますが、あの試合なんて正直言って完全に負けてたと思うんですよ。でも、そういうところからUFCに上がってくる選手もいるわけなのでね。
    ――米山選手は今回がプロ初黒星ですし。
    シュウ だから、彼の中でも今回の試合に人生を懸けているところがあったんでしょうね。養わなくちゃいけない家族もいますし、仕事の兼ね合いなどで「ここまで」という区切りを決めていたというか。普通だったら「また2年後ぐらいにUFCに上がれるように頑張ろう」と作戦会議からやり直すということでしょうけど……彼には彼の人生がありますからね。
    ――何か一区切りつくことがあれば、いつでもやめる選択肢があった、と。
    シュウ マルワジムの会長さんも米山選手の件をブログに書いてたじゃないですか。
    ――あれだと意味深すぎてわかりづらいです!(苦笑)。
    シュウ まあ、つまりはチーム全体としても元谷戦に懸けてみようというのがあったんでしょうね。でも、もしこれで本当にマルワジムが閉まるんでしたら、たまたま同じ横浜にあって井上直樹くんとかが練習しているソニックスクワッドがあるわけですし、そこに所属を変えて経験を積ませることも考えていたんですけど。じつをいうと、米山選手は格闘技をやってみようとジムを探したときに、自宅からの距離も考えて、ソニックスクワッドにするかマルワジムにするかで悩んだそうなんです。ハッキリ言って試合では何もできなかったですからねえ。あれで考えちゃうのもわかる気がします。けどMMAに限らず、すべてのスポーツや仕事に当てはまると思いますが「経験」は強くなるために大切なことですから、年齢を考えると、これからもっといろんな経験を積んで強くなれる選手だとは思うんです。そう考えると元谷選手はいまが一番強いかもしれないですね。
    ――元谷選手こそ敗戦を積んで強くなったファイターですもんね。
    シュウ そう。過去5年間ぐらいのデータを見ると、彼って5年で16試合ぐらいしているんです。で、堀口選手に負けたあとに、2戦ぐらいDEEPで韓国人選手と戦っているじゃないですか。ある意味、彼ってDEEPで調整試合を挟めるという恵まれた環境にいると思いますね。
    ――その後、パトリック・ミックスに一本負けしてますが、あれはちょっと交通事故的な部分もあったというか。
    シュウ まあ、ギロチンって一本獲られた人は全員が言うんですけど、たしかにスパッとハマっちゃったら取れないみたいな部分があるんでね。中には「ギロチンはずるい!」と言う選手もいます(笑)。でも、それでいろんな勝ち負けを経験しているから強くなれるのであって。アメリカのビジネスマンなんて、いくつか事業で失敗してるヤツじゃないと認められないと言われるぐらいなので。
    ――いまのファンは一回負けるとその選手を全否定するところがありますけど。
    シュウ いやいやいや、MMAってそういうことじゃないですよ。ヌルマゴみたいなのは本当に稀ですから。5回試合をして4勝1敗でもいいほうですよ。
    ――UFCで4勝1敗なんて超優秀ですよね。
    シュウ めちゃめちゃ優秀だし、真のメジャーリーガー入りですよね。
    ――そして、RIZIN.25後にシュウさんが意味深なツイートをしていた所英男選手の対戦相手についてですが……。
    シュウ ああ、これはもう言っちゃっていいと思いますけど、大晦日で太田忍戦が発表された所英男選手は、じつは佐々木憂流迦選手で話が進んでいたんですよ。ただ、フジテレビさんの意向もありまして、なかなか押しきれなかったということですかねえ。まあ、それは仕方がないですから、すぐに次を考えるしかないです。
    ――ボクも憂流迦vs所でほぼ内定という話は聞いていたんですが……。
    シュウ RIZIN.25の興行中も「この対戦はどうなの?」みたいな話をスタッフの方とバンバンやり取りをしてました(笑)。
    ――今回のRIZIN年末は大晦日の1DAYじゃないですか。
    シュウ そこなんです。1日だけだと、もう枠なんか限られてますから、それが怖いですよね。
    ――となると、憂流迦選手はどうなるんですかね?
    シュウ まあ、憂流迦選手は復帰戦だからそのことも考えなくちゃいけないですけど、提示されているカードの中には「コレをココでやるのは、メジャー感が薄れちゃうんじゃないか」というのもありますし。中途半端なことをやるぐらいなら、勝ち進んでいる扇久保博正選手とやるとか。まあ、本当に所選手とだったら憂流迦選手本人がやりたいというのもあるし、いろいろストーリーもあったんですけど。この前の大会にも出た扇久保選手は大晦日は無理そうなので…….。
    ――唯一の救いは、憂流迦vs所って大晦日じゃなくてもできるカードだということですよね。少し踏み込んだ話をすると、シュウさんがマネジメントしている選手では平本蓮選手もほぼ相手が内定しているという話ですよね?
    シュウ ウチはこの契約体重で相手がその選手ならOKという返事はしています。
    ――そして、井上直樹選手と◯◯選手の話も……。
    シュウ それも、そろそろ発表されるんじゃないですか? だから、憂流迦くん、平本くん、直樹くんの3人は大晦日に出られそうかな、と。そして、あともうひとりいけるかどうか。
    ――その選手が意外ですよね。
    シュウ 一般のファンからすると意外かもしれないけど、よくよく考えてみるとあり得るなという感じです。
    ――ボクは、ファイトスタイルも含めて、絶対にテレビに映ると思います!
    シュウ 私もそう思います(笑)。しっかりとMMAの経験も積んできてますしね。いまコロナ禍で簡単には海外から選手を呼べないじゃないですか。そうなってくると、トップの日本人選手でせめぎ合いをやっていただくしかないですから。
    ――でも、枠の限られた大晦日興行に4人も送り込めるかもというのは、さすがシュウさんの手腕ですね。
    シュウ ハハハハ。それは、選手が頑張ってくれているからであって、選手が結果を出してくれているからですよ。本当はあと3人入れたいのが本音です(汗)。
    ――3人とは欲張りですね(笑)。ちなみに、名前出しちゃいますけど摩嶋一整選手はちょっと厳しそうですか?
    シュウ 摩嶋選手は、じつは11月の大阪大会でクレベル・コイケ選手とやらないかという話はあったんです。ただ、ケガからカムバックしたばかりですし、調整が間に合わなかったんですよね。ぶっちゃけ大晦日にやってもいいと言ったんですけど、大晦日となると違った話になるということで。だったら、年明けの興行でという。それは関鉄矢選手も同じ感じですね。

    この続きと、アポロ菅原vs鈴木みのる、斎藤裕、和田京平&木原文人、ウォリアーズ里…などの11月更新記事が550円(税込み)でまとめて読める「10万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • 世界を知る男・水垣偉弥が見た朝倉未来vs斎藤裕

    2020-11-26 19:33  
    110pt
    北米MMAを知り尽くした男が語る水垣偉弥が語る朝倉未来vs斎藤裕!(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
    【1記事から購入できるバックナンバー】
    ・水垣偉弥が見たRIZIN24…ジャッジの難しさ
    ・矢地地祐介の関節蹴りがサトシ・ソウザ爆発のトリガーとなった
    ・扇久保博正、浅倉カンナを生み出したパラエストラ千葉に迫る■鶴屋浩 
    ・RIZIN広報・N野さんの秘密 「選手たちの意識や雰囲気が磨かれていく姿が見えて……」




    ・コールドウェルはなぜパウンドを打てなかったのか?■水垣偉弥

    ――水垣さんもYouTubeで予想されていた朝倉未来vs斎藤裕、扇久保博正vs瀧澤謙太の2試合を振り返っていただきます。
    水垣  YouTubeの予想とか、いきなり痛いところを突きますね。
    ――今回もRIZINアンバサダーのくるみさんに怒られるんじゃないかと(笑)。
    水垣 完全にお説教部屋行きですね。2試合予想して2試合とも外すという(笑)。言い訳しつつ振り返ります!
    ――まず扇久保選手と瀧澤選手の試合から。 水垣さんの予想では瀧澤選手が勝つんじゃないかということでしたが、どういう根拠があって瀧澤選手の勝ちだ?と。
    水垣 フフフフフフフ。言い方にトゲないですか? 
    ――ないです、ないです(笑)。
    水垣 瀧澤選手とは練習したことがあって、 テイクダウンの反応がめちゃくちゃ良くて、扇久保選手がテイクダウンするのに手こずるんじゃないかと思ってたんです。瀧澤選手からテイクダウンが取れない方向に踏んだんですね。で、打撃だったら瀧澤選手かなと。それで瀧澤選手の勝ちを予想したんですけども……扇久保選手にゴメンナサイと言うしかないです。打撃でも扇久保選手だったし、テイクダウンもガッチリ取るし。本当にゴメンナサイ、ナメてました!(笑)。
    ――ハハハハハハハ。
    水垣 言い訳させてもらうと、扇久保選手は試合にムラがあるというか。扇久保選手は自信を持って戦えるときと、不安があるときの差があるなって。今回のメンタルで堀口(恭司)選手や朝倉(海)選手と戦っていたら内容も違っていたんじゃないかなって思うぐらいで。
    ――オギちゃん毎回ちゃんとやってくれないと予想もしづらいよ!と(笑)。
    水垣 ムラなくやってよと(笑)。それは冗談だとしても、やっぱり修斗のチャンピオンの強さを見せてもらいましたね。
    ――打撃では瀧澤選手有利という見方が多かったですが、試合が進むに連れて扇久保選手の打撃のプレッシャーが強くなっていきました。
    水垣 前半は五分だったと思うんですけど、2ラウンド途中ぐらいから徐々に扇久保選手がペースを握り始めましたね。テイクダウンに関しては、その打撃のイニシアチブがあったからこそ取れたかなって。
    ――瀧澤選手のストロングポイントを潰したからこそ。
    水垣 打撃では苦戦するけど、テイクダウンが取れるかどうかがボクの判断基準だったんですけど……本当に見る目がない(笑)。
    ――やっぱり強いですよね、扇久保選手。
    水垣 いろんな引き出しを持ってるなと。 瀧澤選手は試合数はまだそこまででもないですしね。現状でいえば、まだ各団体のチャンピオンクラスには勝ててないのかなと。そこがひとつの壁になってるとは思うので、まだ26歳と若いですし、これからまた伸びると思うので。
    ――この敗戦を糧にできる。
    水垣 そうですね。 瀧澤選手は打撃という軸となる戦い方を持ってるわけで、それ以外のプランBみたいなものができれば……打撃で攻められないときにまた違う戦い方ができれば、もっと勝率も上がってくると思いますし。いまの瀧澤選手は「こういう風に戦うんだろうな」と予想しやすい選手なので。
    ――プランBを持てるかどうかが凄く重要なんですね。たしかに瀧澤選手は後半に進むにつれて打つ手がなかったですね……。
    水垣 いかに精度の高いプランB があるかという。それはコーチと相談したりして、なかなか自分だけでは作りづらかったりしますからね。 
    ――そして朝倉未来vs斎藤裕の試合ですが、朝倉勝利の予想が外れて……。
    水垣 「水垣の予想は外すから斎藤が勝つな」という書き込みもありましたからね(苦笑)。
    ――ハハハハハハハ。朝倉選手の判定勝ち予想でしたね。 
    水垣 打撃勝負になると、朝倉選手の打撃の精度のほうが高いなと。 そこを見てたんですよね。 実際に朝倉選手はダメージを与えていたし、まったくトンチンカンな予想ではなかったとは思うんですけどね……言い訳ですけど(苦笑)。
    ――自信を持ってください!(笑)。
    水垣 確認したいことがあって、朝倉選手はロープ掴みで警告が出たじゃないですか。あの警告は判定には影響はないですよね。
    ――判定に影響があるのはイエローカードからですね。
    水垣 そうですよね。もし影響がないのであれば、ドローでもいいのかなというくらいの競った内容でしたね。マスト判定なので、どちらかにつけなきゃいけないということで斎藤選手に3人のジャッジがつけた。
    ――難しい判定でしたよね。
    水垣 難しかったと思います。 朝倉選手が打撃で斎藤選手に尻餅をつかせる場面もありましたし、逆に斎藤選手はテイクダウンをしっかり取ってましたし。 そのへんはジャッジの見方もあると思いますね。
    ――RIZINの判定はトータルマストですが、ラウンドマストとは見方も違ってきますね。
    水垣 「たら・れば」になっちゃいますがラウンドマストだとお互い違った戦い方になると思うんで。1ラウンドごとに意識する戦い方と、トータルで戦うことに違いは出てきますから。
    ――水垣さんから見て斎藤選手はどこがよかったですか?

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  • G1、チャンカン、N-1……秋の3大リーグ戦・総評■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2020-11-23 22:33  
    110pt

    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマはG1、チャンカン、N-1……秋の3大リーグ戦・総評です!




    <1記事から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>追悼ロード・ウォリアーズ
    SWSは企業プロレスだったのか『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    名子役から名優へ…中嶋勝彦
    デビュー戦から見た木村花というプロレスラー
    小川良成…孤独と苦難から生まれた「孤高のテクニシャン」新型コロナ禍の中のプロレスW-1活動休止、NOAH新体制、全日本はWWEと接近?追悼“喧嘩日本一”ケンドー・ナガサキ
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    新生NOAHは何が変わったのか?
    獣神サンダー・ライガーと山田恵一プロレス者の青春「竹内宏介とザ・マニアックス」ケンドー・カシンの数奇で偏屈なマスクマン人生日本のプロレスを変えた「浅井嘉浩」という男革命戦士・長州力、笑顔でリングを降りる――追悼・青木篤志さん望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜三銃士、四天王、UWF、邪道…平成のプロレスを変えた5つの勝負ジャイアント馬場没20年追善興行と飯塚高史引退試合北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」多発するプロレスラーのケガを考える愛すべき元横綱・輪島が戦った全日本プロレスの2年間全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話プロレスラーが憧れたプロレスラー、マサ斎藤さんあの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん
    中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士最後のムーンサルトプレス……天才・武藤敬司縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生WARからイッテンヨンへ! ライオン・ハート時代のクリス・ジェリコ
    「情」で生きる佐々木健介の激烈人生! 
    プロレスラーで初めて大臣になった男、馳浩大森隆男のワイルドな全日本プロレスLOVE 暴走親方、諏・訪・魔!!嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田超獣ブルーザー・ブロディ【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴
    癌に勝った絶対王者・小橋建太“プロレス巨大組織”NWAとは何だったのか?呪われたIWGPが最高権威になるまで悲運の闘将ラッシャー木村、耐えぬき続けた人生 燃える男、アニマル浜口――!!“天龍番”が感傷に浸れなかった天龍源一郎引退試合全日本プロレスを二度は裏切れない……」秋山準馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレスジョー樋口、和田京平…全日本プロレスを支えたレフェリーたち 我らが英雄ザ・ファンクスの凄み! 猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!
    「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラスプロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス『週刊ゴング』の創刊と休刊まで……闘いのゴングはこうして鳴った!80年代タイガー、90年代ライガー! ジュニアヘビー級の歴史!!“リングの現実”に殉じたNOAHの栄枯必衰昭和のプロレスを支えた影の実力者! さらば永源遥――!!史上最も愛されたヒール! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー

    輪島、北尾、曙……プロレスラーになった横綱たち!!
    全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信
    鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”
    高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで
    「プロレス取材の難しさ」
    一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿
    ――小佐野さん、今秋は新日本プロレスのG1クライマックス、全日本プロレスのチャンピオン・カーニバル、ノアのN-1 VICTORYと、リーグ戦が重なりました。
    小佐野 ノアのN-1 VICTORYはもともと秋の開催だったけど、G1はオリンピックのために夏から秋開催に変わって、全日本も例年は王道トーナメントがあるんだけど、コロナで中止になっていたチャンピオン・カーニバルを優先した。チャンカンは今年で40回目の大会だから、歴史を途切れさせるわけにはいけないってことだね。
    ――すべての試合をチェックできた人っているんですかね……。
    小佐野 さすがに全試合見てる人はいないでしょうねぇ。いたとしたら、よっぽどヒマな人ですよ(笑)。いくら自宅にいながら配信で見られるといっても……けっこうな時間が取られるもんね。
    ――平日だと18時から21時ぐらいですから、仕事終わりとはいえ、なんだかんだ忙しい時間帯ですよね。
    小佐野 私はチャンピオン・カーニバルの解説の仕事があったから川崎大会以外は全部現場で見てるんですけど、それは6大会だけだったから可能だったしね。昔から言われてることだけど、リーグ戦って興行的には難しいところもあって。星取りの行方にも左右されて、消化試合が多くなるような興行には興味を示しづらいからね。
    ――昔のリーグ戦と比べて白星配給係的な立ち位置の選手って見かけなくなりましたね。
    小佐野 いないね。 いまは最後の最後まで、もつれるから。
    ――決勝戦前日まで誰が決勝に出るのかはわからない。
    小佐野 それにいまのリーグ戦って、ほぼ全試合配信されてるじゃないですか。変な話、軽く流せる試合がないから。
    ――昔だったら、会場のお客さんしか見ていない地方の試合は軽く流せることも……。
    小佐野 「こんなに激しい試合をやって明日大丈夫なのかな」って心配になっちゃうよね。飯伏なんか優勝戦があるのにタイチとバカみたいな蹴り合いをしちゃったり(笑)。これじゃあ優勝戦に出られないでしょ?っていうの試合をやっちゃうから。オカダ・カズチカは開幕戦の飯伏幸太戦で雪崩式フランケンで腰を打って痛めちゃって。棚橋弘至も内藤哲也戦のスイングDDTでケガをしちゃったり。毎試合ハードですよ。
    ――優勝を目指すのは当然として内容でも魅せることが必須で。
    小佐野 内容重視、内容があってこその結果だよね。 いまのリーグ戦は勝てばいいものではなくなってる。優勝者だけではなく、どの試合がベストバウトだったのかも語られるわけだからね。
    ――可視化されるがゆえの評価スタイルですね。
    小佐野 もちろん優勝したことは評価されるけど、誰がリーグ戦でインパクトを残したのか。優勝戦線から脱落しても、その先のタイトルマッチに繋がる場合もある。たとえばリーグ戦でタイトルホルダーを倒して、それが面白い試合だったらチャンスは巡ってくるから。
    ――基本的にリーグ戦は団体がプロデュースするけど、試合内容によっては先の展開を大きく変えることはできる、ということです。
    小佐野 それはつまり逆にリーグ戦の内容次第では、落ちていく選手もいるってことですよ。
    ――それで今年のチャンカンは6大会だけの開催なんですね。
    小佐野 大会の日程の問題もあったんだけど、10選手参加でA・Bブロック分け。 結局1人4試合しか公式戦ができなかった。2敗したらもうアウト。ほとんどトーナメントに近いよね(笑)。
    ――決勝戦はゼウス選手が宮原健斗選手を破って優勝しました。
    小佐野  今回のゼウスはよかったよ。どうしても単調で大味なパワーファイターのイメージがあったけど、 全日本に来てからは秋山準の影響を受けたりして、いろんな技術を覚えていった。 ただ、それによってゼウス本来の魅力も失われかねない。ゼウス本人にもそういう葛藤はあったみたいだけど、グラウンドの練習をしっかりやって。 小橋建太に目をかけられているから、小橋のアドバイスを聞いたり、天龍(源一郎)さんが『週刊プロレス』の連載で「ゼウスはドロップキックを使ったほうがいい」と言ったら実際に使ってみたりとか。他人のアドバイスに耳を傾ける選手なんですよね。今回のチャンカンで極め技にしてた三沢式フェースロックも、昔の全日本プロレスのビデオを何度も見て研究して使ってね。
    ――チャンカンのために準備して勝負したんですね。
    小佐野 ゼウス本人も38歳だから、そろそろパワーファイターから脱却しなきゃいけない年齢ではあるんだよね。さすがに力技だけでは通すことは難しいから。
    ――いまってパワーファイターが生きるのが難しい時代ではありますよね。ヘビー級よりちょっと軽めで飛んだり跳ねたりできるタイプが主流というか。
    小佐野 時代遅れに見えちゃうんだよね。石川修司は今回のチャンカンは成績は振るわなかったけど、135キロを123キロまで落としてね。パワーはそのままで動きにキレを求めた。開幕戦はフライング・ボディシザース・ドロップで勝ったんだけど、それはジャンボ鶴田の技なんだよ。
    ――なるほど、みんな何かしら新たな武器を用意してるんですね。
    小佐野 秋山が全日本プロレスから去ったことで、いろいろ言われてるけど、選手たちは温故知新でいろいろと研究してるんですよ。諏訪魔はバックドロップにも拘ってるけど、 ドロップキックも使ってる。ドロップキックは馬場さん時代の全日本プロレスから大事にされている技だから。ジェイク・リーも蹴りとバックドロップだけだったのが関節技を取り入れて。いままでと同じではダメだという意識があるんだろうね。


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  • 【宗教と幻想、システム論】修斗は朝倉未来に勝ったのか

    2020-11-23 22:09  
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    この記事は朝倉未来vs斎藤裕を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・朝倉未来戦はタイミングが合えば……斎藤裕はいったい何を考えているのか?
    ・平本蓮インタビュー「“昔のK-1”を取り戻すために、いずれMMAをやります」
    ・シューティング初代ライトヘビー級王者・川口健次インタビュー
    ・アントニオ猪木の「環状線理論」から見るRIZIN大晦日
    こんばんは、ジャン斉藤です。いやあ、やっぱり味噌汁は、おいしいですね。朝からコーンポタージュなんかも飲みますけど、やっぱり日本人は味噌汁です。それは格闘技も同じで、日本人好みのものがあって。RIZINは日本人に合うんですよ。ご飯と味噌汁、納豆、鮭ね。 松屋の朝食定食じゃじゃないかって話なんですけど。
    松屋の朝定にしては、RIZINのPPV5000円は高いという声もありますね。でも、UFCのナンバーシリーズもメインカードで4〜5つぐらいで、それなりのお値段もするし、パンクラスやDEEPのPPVもそこそこの値段ですし。前にも言いましたけど、川田利明のオンライントークショーは3000円ですからね(笑)。 RIZINは煽りV込みの値段って考えたら高くはないとは思うんですけど。宗教をからめた朝倉未来vs斎藤裕の煽りVも素晴らしかったです。あの映像の中で朝倉未来のグスタボ戦のヘッドバットシーンが入ってるのは、信者は“踏み絵”としてどう捉えるか、アンチは魔女狩りの証拠として歓喜するのか、という意味合いもあるんじゃないかと感じました。物語の提示として完成度が高い。
    その朝倉未来vs斎藤裕を語りたいと思います。タイトルはですね、「修斗世界フェザー級王者・斎藤裕、2010年代修斗体現者の朝倉未来を勝つ」と。なんだこのタイトルは?どうして朝倉未来が修斗体現者なのか?
    今回の試合は斎藤選手のマイクアピールによって流れが作られていきました。未来選手との試合を「タイミングがあえば」とスカしたことで逆に機運が高まっていった。斎藤選手があまり煽らなかったことで口の悪いファンは「プロ意識がない」とか言いますけど、煽らないことが煽ってるわけですよ。だって、そうやって斎藤裕に対してヒートしているファンもいるわけですから。
    このカードは地上波ゴールデンでやらないからこそ味わい深かったといえます。それはケレン味のない世界になったからです。これがもし地上波だったとしたら、もっとポップに感じていたと思うんですよ。人気YouTuber朝倉未来をフィーチャーすることで、ここまで硬派な雰囲気になってなかったかもしれない。
    この2人に共通してるのは地上波に拘らない姿勢があったことですね。その理由は異なるんですが、未来選手は100万人以上の登録者を誇るYouTubeというメディアを持っている。RIZINでも地上波で大々的に扱われたのは去年の大晦日くらいで。日本格闘技史上、地上波の力なくしてあそこまで登りつめたスターは、極真空手の始祖・大山倍達以来ですよ。力道山から始まって、世間に名が届くスターたちは地上波の後押しを受けています。
    大山倍達の場合は劇画やアニメとのメディアミックスによって、あのキャラクターが浸透していった。現代風にいうと梶原一騎という人気ユーチューバーとコラボすることで幻想が膨れていったんですけどね(笑)。
    そして斎藤選手は地上波どうのこうの関係なく強い選手と戦えるチャンスがあるならやると。普通の格闘家だったら、このカードなら大晦日の地上波で試合を流したいじゃないですか。「ゴールデンタイムで流してよバラちゃん〜」ってゴネてもおかしくない(笑)。
    ポップにならなかったことで秘密の決闘感が出ましたよね。 地上波がダメだという話はないですよ。たとえば皇治選手の試合なんかは地上波だからこそ映えるわけですし。
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  • TEPPEN判定はあるのか〜ジャッジを巡る議論〜/高崎計三

    2020-11-18 21:57  
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    キックぼんやり層に優しいDropkickのキック解説企画。今回は格闘技ライターの高崎計三氏にジャッジについて話を聞いてきました〜!【1記事から購入できるバックナンバー】・スアキムをムエタイ引退に追い込んだギャンブラーとは何か■鈴木秀明

    ・完全体・那須川天心――衝撃の大晦日徹底分析!!■鈴木秀明

    ・ボクシング門戸解放の裏側…那須川天心のバンテージは誰が巻く?■山田武士

    ・「キックぼんやり層」必読!! 那須川天心vsロッタンはここがヤバかった

    ――日本で一番キックボクシングに詳しいマスコミの高崎さん!いろいろと議論されがちな判定について聞かせてください。
    高崎 いや、日本で一番詳しくはないですけど(笑)。
    ――なるほど、では10番目くらいにしておくとして……高崎 そこまで下がるんだ!?(笑)。――なぜこのテーマといえば先日行われたRISEの女子トーナメント1回戦、寺山日葵vs erika♡は寺山選手が延長末、判定勝ちを収めましたが「erika♡の勝ちではないか」という声が挙がり、寺山選手は自身のツイッターで「TEPPEN判定と言われてもしょうがない試合でした」とツイート。寺山選手の所属はTEAM TEPPENですが、古くからチームや団体の政治力から「◯◯判定」という言い方がされています。ボク個人の意見をいえば、たしかに難しい試合でしたが、寺山選手の勝ちでもなんらおかしくなく……。
    高崎 ボクはあの試合をABEMAで見てたんですけど、寺山選手の判定勝ちは妥当だと思いました。erika♡選手が前に出て手は出していたので、その勢いでerika♡選手の勝ちに見えちゃうのはわかるんですけど、寺山選手はその攻撃を掻い潜ってクリーンヒットを当てていましたから。実際の判定結果にも「まあ、そうだよな」と。
    ――erika♡選手の判定勝ちという声もわからなくはないですか?
    高崎 手数は出していたし、攻めてる感じには見えますからね。よく格闘技の試合を語るときに「印象がいい・悪い」ってあるじゃないですか。 そういう意味でerika♡選手は印象を作るのはうまくて、逆にいえば寺山選手は印象を作るのはうまくなかった試合になったと思うんですよ。 
    ――女子の試合だとフィジカルで押し切りやすい面もあるんでしょうね。
    高崎  女子はKOパンチを持ってる選手が比較的少ないので、ロボコンパンチで前に出る選手が多いし、そうやって押し切る試合も多いですね。そうやって前に出られるとそのまま下がってしまう選手が多い。寺山選手は試合自体が綺麗な戦い方をする選手で、 ガチャガチャ攻める選手とは相性がよくない。そういう選手が戸惑ってしまって試合が崩れてしまうことは、男子の試合でもよくあるんですけどね。
    ――選手や関係者から、この判定に苦言を呈してますね。
    高崎 やっぱりどこから試合を見てるかによっても全然違うと思うんですよ。今回ボクはABEMAで見ていたので、寺山選手のパンチが当たってるのはわかったんですよね。でも、この試合を会場のアリーナの後ろや、2階席から見ていたら、erika♡選手が攻めているようにしか見えないかもしれない。 だからジャッジ席はリングサイドにへばりついて用意されているわけで。
    ――MMAでは、画面からチェックするジャッジも必要なんじゃないかという議論もありますね。
    高崎 ひとつ困ったのは寺山選手自身がああやってツイートしてしまうと、ジャッジがそういうヒイキ判定をしかねないと思われてしまうわけじゃないですか。それこそ主催者が選手を注意するべきツイートだとは思います。いろんな大会で「◯◯判定」という言葉を使われてますけど、あくま隠語ですから。
    ――これからTEAM TEPPENの選手が判定勝ちするたびにケチを付けられかねないわけですし。
    高崎  寺山選手の気持ちも分かりますけど、やっぱり勝利の価値を選手が落とすのはよくないですよね。
    この続きと、アポロ菅原vs鈴木みのる、斎藤裕、和田京平&木原文人、ウォリアーズ里…などの11月更新記事が550円(税込み)でまとめて読める「10万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • メイウェザーvs朝倉未来が内定? MEGA2021とは何か?

    2020-11-18 21:39  
    105pt
    この記事はMEGA2021を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】
    ・格闘技闘技はあなたの人生を変える! 違法薬物からの更生……咲間“不良先輩”ヒロトの場合
    ・鈴木秀樹が中嶋勝彦戦30分フルタイムドローのすべてを語る
    ・レスリングを20年間、撮り続けきたカメラマン――保高幸子インタビュー
    ・「天下を取り損ねさえしなかった」元スーパーエリート中西学、引退


    2月28日の東京ドーム、メイウェザー祭りのイベント名ですが、MEGA2021って名前がストレートすぎますよね。「Dynamite!」とか「DREAM」みたいにわかりやすいメッセージはあるんですけど。
    そのMEGA2021の記者会見に行ってきましたけども、主催者と弁護士の方が2名出席、メイウェザーがリモートで登場して。メディアの質問コーナーがなかったんですよ。謎多き団体なんですが、会見翌日にはRIZINの榊原さんが東スポで全面協力を宣言して、対戦相手候補も明言したことで一気にイベントが具体化しています。主催者はRIZIN8月大会のスポンサーにもついていましたし、一時期榊原さんの口癖だった「メガイベント」とイベント名が被ったりして、いろいろと繋がってるわけですよね。
    このイベント名にはヒントがひとつあって。MEGA2021ということは来年2021年だけのイベントなのかなと。まあ、そんなことを言ってて DEEP2001は2003年までそのイベント名を名乗ってましたけどね(笑)。 DEEPも来年で30周年です。
    2022年には「MEGA2022」と名乗りながら大会を行なうかもしれませんが、そうそうあの男は引っ張り出せないですからメイウェザーありきで継続性があるものではないんじゃないかなと。 
    ボクはツイッターで「MEGA2021は令和のコロシアム2000」であると言いました。「コロシアム2000」とはヒクソン・グレイシーvs船木誠勝が実現し、テレビ東京で放送された1回きりのイベントです。パンクラスのスポンサーだったセガサミーが冠スポンサーを務めました。
    「コロシアム2000」を含めて、これまでマット界を騒がせた単発系メガイベントを区分けすると、こうなります。
    2002年の国立競技場「Dynamite!」はK-1とPRIDEの合同イベントでした。これは共同事業型ですね。
    同じく2002年の東京ドーム「UFO LEGEND」は、アントニオ猪木さんの団体UFOのスペシャルイベント。プロデューサーは芸能界のドンにして猪木さんの支援者だった川村龍夫会長(当時ケイダッシュ会長)。既存のイベントが突然発展したタイプですね。
    2000年の東京ドーム「コロシアム2000」は突然単発型といえます。ヒクソンvs船木を実現する場としての目的がありましたので、今回のMEGA2021に当てはめれば、メイウェザーはヒクソンであり、RIZINはパンクラスということになります。
    「コロシアム2000」はパンクラスのライバル団体だったリングスが提供試合を行なったり、ヒクソンを起用した次回大会の構想もあったそうです。MEGA2021が大成功を収めて求心力が高まることで次回大会が実現するかもしれません。ただ、このリングで天心vs武尊が実現するかもしれないと一部で騒ぎになってますが、その根拠は今のところひとつもないんですよね。たとえば那須川天心のメガスポンサーのCygamesや、K-1を放送しているABEMAなりに関与してるならともかくです。それにMEGA2021当日には都内近郊の大会場でRISEの天心vs志郎が予定されていますし、そもそも天心vs武尊はメイウェザーの前座でやるべきカードなのかなあ、と。
     天心vs武尊に動くとしてK-1やRISEにどういうアプローチをするのか。K-1やRISEからすれば、虎の子のカードをMEGAサイドに献上するメリットが見えないですから。得体のしれないイベントに預けるなら「Dynamite!」にようにK-1とRISEが共同でやったほうが無難ではありますよね。

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  • ドラァグクイーンの息子を絶対に認めない父親ギャングレスラー

    2020-11-16 11:05  
    105pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはドラァグクイーンの息子を絶対に認めない父親ギャングレスラーです!<1記事から買えるバックナンバー>・「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■斎藤文彦INTERVIEWS

    ・米デスマッチをこよなく愛す、155センチ世界最小デスマッチレスラー佐久田俊行
    ・【全女・極悪同盟】クレーン・ユウ14000字インタビュー

    ・日本のプロレスを変えた「浅井嘉浩」という男■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    「たとえ嘘でもいいから、父には私のことを誇りに思っていると言ってもらいたかった……」
    こう語るのは女装した男性パフォーマー、いわゆるドラァグクイーンとして活動するワシントン・ハイツ(27歳)だ。2014年にドラァグクイーンの世界に飛び込んだ彼女は、アメリカ・ボルチモアで活動。2018年には「ボルチモア・ドラァグ・アワード」でベストホスト賞、ベストショー賞、そして最優秀ドラァグクイーンに選ばれるなどの活躍を見せる。ドラァグクイーン専業で生活できるほどの成功を果たした彼女ではあったが、唯一心残りなのは父親から勘当されていることだ。
    「父とはもう2年以上も話をしていません。父のフェイスブックからも私の名前は消されました。それまでは、私と写っている写真に、『可愛い私の息子よ、愛してるよ』と書いてくれていたのに。なぜ父は私と話すのをやめたの?私の存在は恥なの?」
    彼女の父親は、凶暴なギャングスタイルで、90年代のECWを暴れ回った黒人レスラー、ニュー・ジャックである。
    ハードコア&バイオレンスを標榜し、荒くれ者が多かったECWの中にあって、まるで本物の黒人ギャングのような風貌だったニュー・ジャック。武器や凶器を使った試合を得意とし、その凶悪さでは他の追随を許さず、ECWの主要人物でもあるレジェンドレスラーだ。また、そのギャングさながらの暴力的なスタイルは、時として物議を醸し出すほどの事件となる。
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  • 朝倉海vs堀口恭司……メチャクチャ見たいのに、結末は見たくない!!

    2020-11-16 10:36  
    105pt
    この記事は朝倉海vs堀口恭司を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】
    ・「神興行(C)RIZIN」を12000字で振り返るRIZIN広報・笹原圭一インタビュー
    ・完全体・那須川天心――衝撃の大晦日徹底分析!!■鈴木秀明
    ・【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    ・おのののかRIZIN解説を褒めちぎる原稿 
    いきなり自画自賛から始まりますけども、ちょっと前にやったボクのRIZIN大阪大会の見立て凄くないですか?(RIZINはなぜ急遽11月大阪大会をやるのか)  大阪大会が急遽発表されたときは「地元の皇治が出ないとチケットは売れないんじゃないか」とか言われてましたけど、ボクはいまのRIZINのブランドなら普通に売れると。あんなに早く完売するとは思わなかったんですけど、PPVもおそらくけっこう売れますよね。
    今年のRIZINの年末は大晦日1日しかやらないので、収入面でも大阪大会をやる意味は大きいですよね。 そういうところまで見立てていたボクはもうちょっと褒められてもいいんじゃないかなと自画自賛するわけですけど(笑)。たまにいるじゃないですか。自分で書いた原稿のどこがポイントなのかをツイッターとかで説明するライターが。それって自己肯定感が足りないのかなあって思って見てたんですが、こうやって自分で説明したほうが気持ちいいですね(笑)。自分で自分をどんどん褒めて気分を上げていきましょう!
    今回のテーマは朝倉海vs堀口恭司の再戦ですけど、この試合のキモは「見たいんだけど見たくない」。これに尽きると思うんです。ここ10年20年の格闘技界の中で一番の「見たいんだけど、見たくない」じゃないですか。朝倉海、堀口恭司の2人を知っていれば知っているほど、どんな結末になろうと感情が乱れることは間違いない。やっぱり2人とも格闘家として大成功してほしいじゃないですか。そのどちらかが負けるわけですからね……。どちらの勝利も願ってるから「見たいんだけど見たくない」んじゃないかと思うんです。これまでもそういう試合はありましたが、そのボリュームがマックスになっているという。

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