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記事 76件
  • 【10万字・記事詰め合わせセット】石井館長、皇治、アポロ菅原、平本蓮、神龍誠……

    2020-09-30 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part80大好評インタビュー15本、コラム2本、10万字で550円!!(税込み)

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    part80◎【格闘技ブームをつくった男】石井和義館長に訊く「国立競技場の借り方」
    ◎皇治ロングインタビュー「どんな結果になっても皇治ワールドになるんですよ」
    ◎世界最遅! RIZIN広報・笹原圭一の横浜2連戦反省会インタビュー
    ◎【全日本プロレス編】アポロ菅原インタビュー「いま振り返っても何もできなかったんじゃないかな」
    ◎天心vs皇治、武尊vsレオナは連鎖する!■鈴木秀明
    ◎神龍誠「NOAHに入るために中卒で総合格闘技をはじめました」
    ◎SWSは企業プロレスだったのか?■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎「Road to ONE」あらため「青木真也Night」で浮き彫りになったモノ
    ◎RIZINに関する雑談「二度と食べられないかもしれないから、美味しくいただきましょう」
    ◎平本蓮 縦横無尽ロングインタビュー!! 大晦日MMAデビュー、朝倉未来、天心vs皇治のこと
    ◎最近のプロレス界隈……事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎金太郎RIZIN参戦問題/KINGレイナ、試合後に焼肉を食らう
    ◎日本発世界…コロナ禍の近未来ビジネスモデル■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎水垣偉弥が見たRIZIN24…ジャッジの難しさ「画面とリングサイドからでは見えるものが違ってくる」
    ◎盟友の死、コロナで破綻する生活……それでも血を流すデスマッチファイター
    ◎ストーカーの狂気! WWE女子プロレスラー誘拐未遂事件
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    那須川天心戦実現!都内で一軒家が買えるほどの違約金を払ってK-1からRIZINに参戦した皇治ロングインタビューです(聞き手/松下ミワ) 
    ――いきなり那須川天心戦が発表されましたが、早くももの凄い枚数のチケットを売ってらっしゃるそうですね(※9月6日のチケット一般発売初日にほぼ完売)。
    皇治 そんなん、K-1にいてるときからですよ。俺、日本で一番チケット売る選手やと思てるんで。逆にいます? 自分よりチケット売れる人って。
    ――いままで最高何枚売ったことあるんですか?
    皇治 武尊と対戦したK-1大阪大会のときは3000枚ちょいですね。でもほら、いろんな選手いるじゃないですか。「そっちに回すチケットがなくなるから」という理由で、K-1のときはよくそれ以上売られては困ると止められました。
    ――そこにストップがかかることなんてあるんですね(笑)。今回は「(コロナ収容制限の)5000枚でも売れる!」と言われてるみたいですが。
    皇治 1人でさいたまスーパーアリーナ満タン入れられますよ。そのぐらい反響は大きいです。コロナの時期なので「売れないかなあ」と思て、最初は弱気でRIZINに1000枚ぐらい注文したら、一瞬でなくなって。追加をお願いしよう思てRIZINに連絡したら「ちょっと待ってください……」とかピーピー言いよるんでねえ。頼むぞ、RIZINと。
    ――プレイガイドやほかの出場選手も販売しますからね(笑)。ただ、天心戦の下馬評はけっこう厳しいものが多いですよね。
    皇治 あれはもう慣れているし、K-1にいたときからずっとそれで上がってきたんで。そりゃそうですよね。よそモンが入ってきて、いきなり自分とこの主人公とやるわけですから。RIZINファンからすると気に食わんこともいっぱいあると思いますけど、それも含めての俺は盛り上がりやと思ってるんで。一番情けないことはプロとして話題にならないことですよ。
    ――会見から煽って煽って……、というのが皇治選手のスタイルだと思いますが、それってやっぱりプロとしての使命感があるからなんですか?
    皇治 まあ、自分の性格もあるんですけどね。じゃあ「なんで会見やるんですか?」という話じゃないですか。いま、SNSの時代やから金もかからんとカード発表できるんでしょうけど、ホテルの部屋を借りてまで記者会見する意味というのはそこも見せ場の一つやからなわけで。そこでよう盛り上げへんのやったら出てくる意味ないんちゃうかと思ってるから。俺のやり方にグチグチ言ってるヤツも多いですけど、俺からしたらプロ意識が足りないなと。だって、そこは背負わんでいいプレッシャーやと思うんです。でも、そこを背負ってこそプロやと思うんでね。
    ――実際、皇治選手の煽りによってチケットも売れているわけですし。
    皇治 極端な話、俺1人で5000枚売れますけど、俺が10人いたらなんぼ売れんの? と。東京ドーム楽勝で満員ですよ。そう考えれば、みんなもっとプロ意識を持ってほしいと思いますけどね。
    ――さらに、その煽りによって相手選手にもプレッシャーがかかりますよね。
    皇治 もちろんそうです。みんな絶対に言うんですよ、「いろいろと言われても動揺してないです」と。でも、本当は100%動揺しているんですよね。感情が左右されないヤツなんていないんで。俺のいままでの試合でも、対戦相手ってみんな実力を発揮できてないんですよ。大振りなったり、打ち合ってみたり。それも俺の中で立派な作戦。みんな俺のことが憎くてしゃーないんです(笑)。
    ――なるほど(笑)。
    皇治 天心くんも言ってたみたいですよ、「皇治は思ってるより言ってこなかった」と。それ、もう動揺している証拠なんですよね。「あれ? いつもの皇治じゃないぞ」と。
    ――あ、それも作戦だったんですか!
    皇治 天心くんは天心くんで、俺に言うことをいっぱい考えていたと思うんです。でも、俺があんまり噛みつかないから、調子狂ったと思うんですよね。まあ、天心くんも賢いですけどねえ。
    ――あの会見、皇治選手に哺乳瓶を渡された天心選手も比較的うまくいなしてた思うんですが、あの対応はどう思いました?
    皇治 あんなん誰もがすることなんですよ。結局どっちかなんです。怒るか、いなすか。あの2パターンしかせえへんヤツって典型的なアホですよ。俺やったら逆手に取りますね。たとえば、哺乳瓶を持ってきたなら「お前、やかましいからお前がくわえとけ」って口に挿しますよ。それができなかったいままでの対戦相手はアホばっかりですわ。
    ――それはアドリブ力が問われますねえ。試合に関して言うと、皇治選手はサウスポーが嫌いだと公言してますが、戦略はわりと細かく立てるタイプなんですか?
    皇治 よく戦略立ててやってます。俺が倒れへん理由って、じつはそこなんですよ。わかっている攻撃をもらってるから倒れない。けっして俺は打たれ強くはないですよ。
    ――そうなんですか?
    皇治 みんな、俺のこと「打たれ強い」と言いますけど、それは何回も映像を見てて相手の攻撃がわかってるんで。向こうも技術があるからちゃんと当ててくるけど、ちょっと避けてたり反応してたりしてるんでね。
    ――たとえば、武尊選手との試合ではダウンシーンもありましたよね?
    皇治 あのダウンもヒザついてないですから。あれ、勝手にレフェリーが止めよったんで、お節介ですよ。
    ――お節介のダウンカウント(笑)。となると、武尊選手の攻撃も想定内だったということなんですか?
    皇治 あれは、最初から言ってたんです。武尊は殴り合いが強いけど、あそこで勝機を見出すしかなかったんで、打たれてもいい身体を作って戦ったんですよね。それ以上に当ててきたというのは武尊のうまさですけど、ああいう展開になるのはわかってたんで。
    ――そこまで細かく研究しているんですね。
    皇治 それもありますし、普通に考えて日本で一番チケット売るって出しゃばってて、そんだけ応援に来てくれる人がいるのに、意識あるうちに倒れる選手の気を知りたいですよ。
    ――……それって気力でいけるもんなんでしょうか?
    皇治 いけますよ! 極端な話、俺はどんな拷問にあっても、意識があるうちは絶対に約束を守り切る自信があるからね。
    ――どんな拷問にも耐えられる(笑)。
    皇治 まず、根性が違いますね。ほかの選手と。俺なんか、すべてが無理と言われて育ってきたんで。だから大阪の人たちはビビってますよ。だいたいね、天心くんなんかも彼は彼で努力したんでしょうけど、やっぱり才能があって強くて、みんなスターになることを最初から予想したと思うんですよ。でも、俺なんてそんなん予想されてなかったんで。その俺がこうなれたのは反骨精神だけです。
    ――根性のレベルが違うということですか。
    皇治 違う、違う。俺のこと、どーちゃらこーちゃら言うてるヤツもいますけど、その人たちとは根性や度胸が違うから。だから記者会見でもああいうことができるんですよ。
    ――そういう戦略を練る中で、今回はどのへんに勝機を見出しているんですか?
    皇治 もう、まさに度胸と根性です。そこに関しては天心くんとはレベルが違います。だって、あんなん子どもですよ。あんなん、街で会ったら楽勝です。
    ――路上では楽勝(笑)。
    皇治 路上では赤ちゃんみたいなモンなんでね。その喧嘩をリングにどう持ち込むかが俺のやることやと思ってますし。まあ、当日1000人以上来てもらえると思うんで、アウェイ上等で皇治軍団全員で戦おうと思ってます。
    ――アウェイといえば、RIZIN.22でマイクしたときもなかなかのアウェイ感でしたよね(苦笑)。
    皇治 凄かったですねえ。いままでは逆やったんです。天心くんみたいに、俺がしゃべったらワーとなる感じやったんですけど。逆に燃えますよ。
    ――単純に、RIZINの雰囲気はどう感じました?
    皇治 RIZINファンは熱い試合に乗りやすいですよね。どっちかというと、K-1は試合ももちろんですけど、選手たちがアイドル化してたというか。でも、RIZINは試合そのものを見ているという感じです。だから口も悪かったですよねえ、「天心、殺せー!」って言ってましたよ(笑)。
    ――物騒な野次が飛んでましたね(笑)。
    皇治 なかなか、人に「殺せ」なんて言われることないですよ(笑)。
    ――皇治選手としては、どっちがやりやすいとかあるんですか?
    皇治 RIZINってちょっとプロレスチックなところもあるじゃないですか、煽りがうまいというか。だから俺としては合うなと。オープニングもめっちゃカッコいいし、全部で楽しませる。ああいうのは自分の性に合いますね。
    ――じゃあ、本番が楽しみですね。
    皇治 でも結局、皇治ワールドなんでね。試合やる前も俺で盛り上がって、試合終わってからも賛否両論あって。結局、勝っても負けても俺が話題になるんです。だから「RIZINは、皇治が来てよかったなあ」って。
    ――RIZINにとって“いい買い物”だったと(笑)。そして、今回は地上波での放送もあります。
    皇治 ホンマは大晦日がよかったんですけどねえ。俺はずっと大晦日の放送やらを観て育ったんで。そのときも、俺はずっと「将来ここで試合をするよ」と言ってて、お袋にも「マジで部屋片付けとけ」と言っとったんですよ。「ホンマに取材に来んぞ」って。
    ――いつか、実家に取材が入ることも想定内だった。
    皇治 お袋はすんげえ寒がりで、冬は北国にいるような格好してるんでね。「そんな格好してたら、取材来てもできんやろ」って。それに「俺の部屋も作っとけよ」と言ってたんですよ。ほんなら、今回フジテレビさんが俺の部屋を撮りたいと言って実家に来よるんでね。「ほらな」と。俺、言ったことは全部そうなるんですよ。
    ――じゃあ、お母さまはいま必死に片付けているところなんですね(笑)。
    皇治 一生懸命やってるんちゃいますか? まあ、戦いに関しても有言実行でありたいんですけど、そこは勝負事なんでね。ただ、人生において言ってきたことはやっていきたいというのは一番思てるんで、そこはできてるかなと思います。
    ――それにしても、このカードが発表されたことによって武尊選手は複雑な心境でしょうね。皇治選手のRIZIN参戦発表会見のときにも、武尊選手は皇治選手の発言に対して「俺の名前を出すな」と釘を刺すようなツイートもしてたりして。
    皇治 なんか、もったいないですよねぇ。せっかく頑張っているのに。
    ――もったいない……ですか?大好評インタビュー17本10万字はまだまだ続く……
     
  • 【10万字・記事詰め合わせセット】RIZIN大好きさん問題、アポロ菅原、佐藤光留、サイモン最終回、サトシ…

    2020-08-31 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part79大好評インタビュー14本、コラム2本、10万字で550円!!(税込み)

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    part79◎【1万字インタビュー】シュウ・ヒラタが「RIZIN大好きさん」とのバトルの内幕を激白!
    ◎『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    ◎アポロ菅原「国際プロレス最後の夜は、麻雀をやっていました」
    ◎扇久保博正インタビュー「UFCの憎しみ、RIZINの恩、朝倉海戦の重さ」
    ◎『ゴング格闘技』の表紙は“偏向報道”か
    ◎オファーがあるのに「オファーがない」とは何か?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎本当に強かったビックバン・ベイダー■金原弘光
    ◎佐藤光留インタビュー「20周年の負の集大成は、川崎球場のオレンジ色の照明に照らされて」
    ◎矢地祐介の関節蹴りがサトシ・ソウザ爆発のトリガーとなった■水垣偉弥
    ◎佐々木憂流迦が見た復活RIZIN2連戦
    ◎【最終回】サイモン・ケリー「IGFはパン屋になって、みんな幸せになった」
    ◎朝倉未来戦はタイミングが合えば……斎藤裕はいったい何を考えているのか?
    ◎続々興行中止! コロナ禍の中のプロレス界■事情通Zのプロレス点と線
    ◎追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎アメリカプロレス界の「Black Lives Matter ブラック・ライヴズ・マター」
    ◎男女ミックスドマッチはセクハラの温床になるのか?
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    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は先々月のロングインタビューが大好評だった元東スポ記者・寿浦恵一氏との対談です!17000字のボリュームでお届けします(司会ジャン斉藤)寿浦さんのインタビューはこちら!
    元・東スポ記者が作ったFMWの裏側、果たせなかった三沢光晴との約束

    ――小佐野さんと寿浦さんが会うのはかなりひさしぶりなんですよね?
    寿浦 会うのはもう十数年ぶりじゃない?
    小佐野 そんなになるんだっけ? 
    寿浦 しかし、歳とったな。って自分もか(笑)。
    小佐野 フフフ。いま何歳だっけ?
    寿浦 60歳。
    小佐野 ボクは今年で59歳。天龍(源一郎)さんは今年70歳。(ザ・グレート・)カブキさんたちが72歳。
    寿浦 長州(力)も天龍さんと一緒だっけ?
    小佐野 いや、ジャンボ(鶴田)が天龍さんの1つ下で、長州は天龍さんの2つ下。それより2つ下が藤波(辰爾)さんかな。で、一番元気なのは長州力。
    寿浦 ああ、そうだよね。
    小佐野 「源ちゃんと違って、歩けるうちにやめてよかったよ」と言ってたよ。
    寿浦 フフフ、まあね。
    ――お2人が取材現場で顔を会わせていたのは、80年代後半・全日本プロレスの天龍革命あたりからですか?
    寿浦 いつぐらいからだろう……やっぱり天龍さんだよね?
    小佐野 というか、寿浦さんって『内外タイムス』で最初からプロレス担当だったんだっけ? 
    寿浦 いや、丸5年『内外』にいて、最初の1年は事件。プロレスは2年目からかな。そのプロレス扱うのも、『週刊プロレス』で漫画描いてた更科(四郎)さんの義理の弟が『内外』にいたんだよ。それで「UWFをやろう」ということでプロレスを扱い始めたわけ。そのときにUWFをやったはいいんだけど、第1次UWFって月に2回とかしか興行がないじゃん。それじゃ紙面が埋まらないから、ボクがほかのプロレスをやるようになったの。
    小佐野 じゃあ、それまでプロレスって扱ってなかったんだ。初めてプロレスの取材に行ったのは?
    寿浦 全日本のね、福岡であったジャイアント馬場vsスタン・ハンセンのPWF戦だったかな。
    小佐野 福岡だったら、馬場さんが負けた試合だ。
    寿浦 そう。当時はプロレス取材のやり方を何も知らなかったから、ボクは負けた馬場さんのほうにコメント取りに行って、誰も記者がいない中、馬場さんに「負けたから、やめるんですか?」と聞くという(笑)。
    小佐野 ハハハハハ! 凄いね。
    寿浦 そしたら馬場さんが「あんたさ、プロレスってそういうのじゃないんだよね」と教えてくれたんだよ。その前ぐらいに、失踪していた阿修羅原が乱入してきて長州力を襲うというのがあったのよ。
    小佐野 それ山形だ! 山形で石川敬士vs長州力があって阿修羅原が乱入したのは、たしか85年。
    寿浦 ああ、85年かも。それが初めてプロレスを生で観た大会で、まあ長州力は知ってるけど、乱入してきた阿修羅は「誰これ?」と。入ってきた男が履いてたブーツを脱いでそれで殴るというのを観て、わけがわからなかった(笑)。
    小佐野 はいはいはい。でも、一番楽しくやってたのは天龍革命の頃かな。ほら、鬼怒川温泉の合宿とか行ったよね?
    寿浦 鬼怒川温泉の合宿って、馬場さんのスポンサーが関係してるヤツでしょ?
    小佐野 馬場さんはそのスポンサーから軽井沢のログハウスをもらったりしてるね。
    ――ログハウスを丸々もらったんですか!?
    寿浦 もともとそのスポンサーは冬木(弘道)のスポンサーだったの。それで一応選手の合宿所にすると言って建てたのに、馬場さんは自分の別荘にしているという。
    ――ハハハハハ!
    小佐野 鬼怒川の合宿では天龍・原に初めて川田(利明)・冬木が加入したということで、ちょこっと練習して、あとは酒飲んでるというね。
    寿浦 練習なんかしたっけ?(笑)。
    小佐野 一応ね。鬼怒川で岩を持ち上げて、あとは階段でウサギ跳びやって、「ああ~、いい汗かいた」と旅館に戻ってさ。そしたら宴会のコンパニオンの数が俺らより多いという。
    寿浦 フフフフ。
    小佐野 『週プロ』の安西(伸一)くんは、あんまり酒が飲めないから風呂場に隠れてたのに、みんなで引きずり出して酒を飲ませてたよね。
    ――当時はマスコミも酒を飲めないと楽しめない感じだったんですね。
    寿浦 というか、酒を飲むために行ってたもん。
    小佐野 寿浦さんはよく川田のモノマネしてたよね? 「アーー!」とか叫びながらやるラリアット。ほら、よくダイナマイト・キッドみたいなラリアットを川田は昔やってたじゃない。
    寿浦 まあ川田はダメなヤツだったからな(笑)。
    小佐野 あの頃、川田は酒飲まなかったよねえ。だってあの合宿も、せっかく付いてきたのに「練習に来たのにかえって体調が悪くなった」ってブツブツブツブツ言ってたんだもん。
    ――いまと変わってないですね(笑)。
    寿浦 それに誘うと来ないんだよ。川田が「昨日も三沢さんと飲みに行ったんだよね?」と言うから、「そうだよ。今度一緒に行く?」と誘うと「行かない」と。じゃあ、聞くなよ! と思うんだけど、そういうタイプではあった。川田のラーメン屋にも一度行ったよ。
    小佐野 ああ、どうでした? 彼の店主ぶりは。
    寿浦 行ったらさ、注文を取りに来るのは奥さんで、川田はずっと厨房にいるの。1時間ぐらい飲み食いして、しょうがないから厨房のところに顔出して「覚えてる?」と聞いたら、「覚えてるよ。来てるんなら先に言えよ」って。
    小佐野 普通はお店の人が挨拶にくるんだけど(笑)。でもいまコロナの関係で20席ぐらいあったのに、8人ぐらいしか入れないって。席もすべて壁向きにして「飲み食いする以外はマスクをしろ」「食べ終わったら帰ってくれ」と。
    ――全国で最もコロナに厳しい飲食店かもしれないです。
    小佐野 まあ、本人が感染症をやっちゃってるからね。「みんな肺炎をバカにしているけど、肺炎って内臓を全部やられるから、経験した自分が言うんだから間違いない」って。だから川田の店、いま私語禁止みたい。
    寿浦 でも、行ったときはちゃんとしてくれたけどね。最初、ラーメンのトッピングに「玉子足してくれる?」と言ったら、奥さんに「玉子だけはやってません」と言われて、しょうがねえなと思ってたんだけど、しばらくしたら川田が出てきて「食いたいんだろ?」と玉子を出してくるという。
    小佐野 ハハハハハ!
    寿浦 「川田が料理なんかできたっけ?」と思ったけどね。「昔、ちゃんこ番だったから料理もできるんだ」と言ってたけど、全然そんなイメージない。
    小佐野 そもそも全日本のちゃんこって、そんなに凝ったイメージないよね?
    寿浦 ないない。だって、よく行ったじゃん。よく肉を差し入れてさ。まだあのときは小川良成、小橋健太、菊池毅とかあのへんがいて。ジャンボがベンツで電話代の集金に来てたよ。
    ――電話代の集金って、どういうことですか?
    小佐野 道場にピンク電話があるんだけど、それはジャンボの持ち物なのよ。で、小銭が詰まると使えなくなるということで、ジャンボが来て集金するの。
    ――それが鶴田さんの持ち物だったって凄いですね(笑)。
    寿浦 だって道場全体がジャンボの持ち物なんだもん。全日本に入ったときの契約金で買った道場だから。
    小佐野 あとは全日本から毎月家賃が入ってくるから、それでローンを払ってたんだよ。
    寿浦 賢いよね。そういう意味では。
    小佐野 結局あそこは売っちゃって、新しい道場を全日本が建てたんだけど、あれもジャンボの口利きなんだもんね。けっこういい住宅街で、たしか道場を建てたらいけない場所でしょ? だから、当時は道場であることは内緒になってた。で、ジャンボは別に自分の豪華な家を持ってて、大きな土地の隅っこに家建ててさ。なぜ真ん中に建てなかったかというと、何かあったときに土地を切り売りするためだという。
    寿浦 なるほどね。彼が考えそうなことだよ。
    小佐野 川田が関心してた。「鶴田さんのあの家の立て方は素晴らしい」って。
    寿浦 まあ、しっかりしてたもんね、ジャンボは。普段の食い物は安上がりのラーメンだけだし。
    小佐野 あんまり豪勢な飯を食ってるのは見たことないかもね。
    寿浦 地方で飯食ってるのは見たことない。地方だと、試合終わって控室に行くと、天龍さんが「小佐野くん、今日はフロントの前に○時ね」という感じだったよな。
    小佐野 「今日どこ泊まってるの?」と聞かれたりして、ホテルの部屋に帰ると「○○という店にいます」というメッセージが入ってて、それでみんな集まるという。
    寿浦 楽しかったよ。札幌が一番楽しかったなあ。
    小佐野 札幌といえば、天龍革命1周年のときだ! 1周年で五輪コンビ(ジャンボ鶴田・谷津嘉章)に負けた夜に朝まで飲んで、明け方、原さんと一緒にラーメン食いに行ったよね?
    寿浦 行ったかもしれない。たしかその日に函館まで移動だったんだよ。朝7時頃出発で。
    小佐野 ボクは週刊誌だからそっから東京に帰ったけど、寿浦さんはそのまま残ったんでしょ? 
    寿浦 そう。7時にバスが出るから、6時頃にホテルに帰って荷物まとめてシャワー浴びて。札幌から函館までだと6時間ぐらいかかるのかな? ボクら記者2~3人はバスの一番後ろが空いてるからということでバタッと倒れ込んだんだけど、その瞬間にカブキさんが入ってきて「昨日さ、飲みに行ったらシャンパンとワインをもらったから、おまえら飲めよ」と言われるんだけど。「……飲めねえよ!」って。
    小佐野 ハハハハハハ! いやあ、レスラーは普通は個人主義なんだけど、あの天龍同盟のときは楽しかった!
    ――というと、そういう飲み会は天龍同盟の頃だけだったんですか?
    小佐野 あとはみんな個々に飲んだりしてたんじゃないかなあ。あの頃ってまだ、みっちゃん(三沢光晴)は酒飲まなかったような気がするし。
    寿浦 そうだっけ?
    小佐野 だって、仲田龍(当時・全日本プロレスリングアナ)がまず酒飲まないでしょ。みっちゃんは仲田龍と仲良かったから。だから彼らとカラオケに行くと、ただひたすらアニメソングを歌ってるという。「なんなんだ、これは?」と。しかも、みっちゃんはあんなに運動神経いいのに音程だけはアレという(笑)。
    寿浦 うん、ヒドかった(笑)。
    小佐野 川田はまあまあうまかったけどね。いつも『みちのくひとり旅』歌ってたから。天龍さんは『酒よ』、原さんはなぜか中森明菜の『セカンド・ラブ』だったよね。
    寿浦 阿修羅は器用だからね。
    小佐野 あの人はレコード出したぐらいだから、歌うまかったんだよ。
    寿浦 阿修羅といえば、死ぬ前に長崎まで会いに行ったんだよね?
    小佐野 死ぬ前というか、引退したあと。諫早高校のラグビー部でボランティアで教えている頃に1回会いに行った。でも、死ぬ3年前ぐらいからは連絡つかなくなっちゃったんだよ。それで、原さんの実家の前に美容室があるんだけど、その美容室の電話番号を調べて電話して、「目の前の家の原さんと連絡が取れないんだけど」と。そしたら救急車で運ばれたとかで、たぶん親戚のところにいるんじゃないかと。葬式は行ってきたけどね。
    寿浦 ああ、そう。ボクが最後に阿修羅と会ったのは、『東スポ』の柴田(惣一)さんの結婚式に阿修羅が出てたじゃん。そのあと何ヵ月か後にボクも結婚式を挙げたのよ。そのときに阿修羅にさ「出るのはいいんだけど、俺その前に消えちゃうかもしれないから」って。
    小佐野 え、失踪する前だったの!?
    寿浦 そう。天龍さんは天龍さんで、SWS旗揚げの話で全日本とゴチャゴチャがあったじゃん。それで表に出られないからということで、変わりに小川が来たんだよね。
    小佐野 そうだ! 小川良成がいて一緒に飲んだのは覚えてる。「ボク、天龍さんの代わりです」と言ってた。
    寿浦 (和田)京平ちゃんと龍ちゃんもいて、あの2人がコミックショーをやってくれてるときに、「じゃあ俺、トイレ行ってくるわ」「新郎がいないのにやんの?」みたいなね(笑)。
    小佐野 ハハハハハ! もう仕事の話は全然出てこないね。
    寿浦 出てこない(笑)。
    ――でも、阿修羅さんがいなくなるときは事前にそういう雰囲気があったんですか?
    小佐野 ちょっと天龍さんとギクシャクしてたね。その前のシリーズを阿修羅がケガで休んだんですよ。最終戦はカムバックしてきたんだけど、その頃ね、けっこう巡業先まで“追ってくる人”がいてね。
    ――阿修羅さんの借金関係の……。
    寿浦 最初は個人に話が行ってたんだけど、最後のほうは「これは会社に来ることになるから、もう俺は表に出られなくなる」と言ってた。だから、最後は馬場さんのところに行ってたんじゃない? 迷惑かけるからということで失踪したんだよね。
    小佐野 たしか最強タッグの前夜祭で馬場さんが阿修羅と話してたんだけど、阿修羅が「ちょっとトイレ行ってきます」と言って飛んじゃったんだよ。で、馬場さんが天龍さんに「原、いなくなっちゃったよ」って。だから、天龍さんはその前夜祭は欠席して、次の日の会場で「阿修羅原、解雇」の発表があったという。それで川田が天龍さんのパートナーになったんだよね。
    寿浦 ああ、そういう流れだったか。でも、当時は電車移動もあって楽しかったよね。バスじゃなくて電車。やっぱりあの頃が面白かったよ。
    ――バスより電車のほうが面白いんですか?
    寿浦 全然面白いよ。電車だと1等と2等があって、偉い人はみんな1等に乗って、それ以外は2等に乗って。ボクたちも2等に乗るんだけど、2等に乗ると大熊(元司)さんやマイティ(井上)とか、みんな必死に2時間半トランプと花札をするという(笑)。
    小佐野 考えたら、天龍さんと原さんも昔は専用のバスがないから電車で移動してたもんね。自分らで調べて。
    ――天龍同盟の頃、2人は全日本のバスに乗らなかったという話ですもんね。
    寿浦 だから必ず時刻表を持ってた。一緒に行動していれば仲良くなれるし、電車だと駅に着くわけじゃん。駅から宿まではタクシーに乗る場合もあるし、歩く場合もあるんだけど、駅にいると人に会うから、そうすると「今日はプロレスがあるんだ」という告知にもなってたの。
    小佐野 昔、力道山と馬場さんが駅に着くとデカいから人が見にきてさ。そういう意味では馬場さんの身体の大きさは凄く貢献してたという話だよね。
    寿浦 バスだと完全に会場とホテルしか行かないから、そうすると街に露出しないから面白くないよ。
    ――そういう意味でも、レスラーがデカいってやっぱり重要だったんですね。10万字16本の記事詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】菊地成孔、中野巽耀自伝、中嶋勝彦、鶴屋浩、朝倉海…

    2020-07-31 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part78大好評インタビュー17本、コラム2本、11万字で550円!!(税込み)

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    part78
    ◎プロレスラー、SNS、リアリティショー……この3つを背負うのは重すぎる■菊地成孔
    ◎扇久保博正、浅倉カンナを生み出したパラエストラ千葉に迫る■鶴屋浩 代表インタビュー
    ◎【全日本コーチ解任】秋山準のDDTレンタル移籍とは何か?■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎全女消滅後の女子プロレス新世界/WWEが体現する「ウイズ・コロナ」 の時代のプロレス■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎『私説UWF 中野巽耀自伝』は暴露本なのか
    ◎名子役から名優へ…中嶋勝彦■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎【RIZIN記者会見】ファンもアンチも「団体が潰れる・潰れないか」が一番燃える
    ◎マック佐藤×中川カ〜ル「真の骨法は本当は強いんです!」
    ◎俺たちは先を行く! 大晦日RIZINのカードを妄想する!!
    ◎プロハースカ劇勝に3大タイトルマッチ! 水垣偉弥が見たUFC251
    ◎RIZINがなくなったら総合格闘技が世間の話題にのぼることはなくなる■大沢ケンジ
    ◎小笠原和彦のリアル・空手バカ一代! 「ボクは“やっちゃっていいよ”組なんです」
    ◎「ボクがチャンピオンになったほうがRIZINは絶対に盛り上がる」
    ◎皇治RIZIN参戦で天心vs武尊実現は近づくのか?
    ◎1991年12月22日高田延彦vsバービックのシュートマッチ■金原弘光
    ◎【骨法総括第3弾】矢野卓見「骨法道場監禁未遂事件」
    ◎オスプレイ、ジョーイ・ライアンも加害者? 史上最悪のプロレスセクハラ問題「#SpeakingOut」の衝撃
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    パラエストラ千葉ネットワークの総帥、鶴屋浩インタビュー。扇久保博正、内藤のび太、浅倉カンナ……などの日本を代表するMMAファイターを輩出してきた秘訣を語ってもらった。――鶴屋先生が率いるパラエストラ千葉ネットワーク(柏・松戸・千葉)はトップファイターを次々に生み出していますね。
    鶴屋 ありがとうございます。ようやく世間的にも名前が売れるようになったからか、最近は入会希望者も増えていますね。先日も愛知から電話があって「私、プロになりたいんです」と。22歳の女の子ですよ。
    ――そうやって地方からもプロ志望が集まっているんですね。
    鶴屋 「明日来たい」ということで、その日のうちにアパートを見つけて。公務員をやめてこっちに出てくるみたいです。
    ――この時代に安定を捨てて格闘家を目指すとは!(笑)。
    鶴屋 そんなことがあったと思ったら、今度は滋賀の男の子が「プロになりたいです」と。そうしたら別の愛知の子からも「プロになりたい」というメールがあって。なんでこんなに連絡があるのかといえば、じつはちょっと前にフェイスブックに「格闘家としてお世話しますよ」と書いたんです。それは仕事から何から含めて全部。
    ――それはつまり普段の生活から面倒を見るってことですね。
    鶴屋 はい。ボクは1999年にジムを作ったので、この仕事は20年経つんですけれども、昔は夜にプロ練をやっているジムが多かったんですよ。でも、夜にプロ練をやるとガッチガチじゃないですか。一般の人が見学に来るけど、「こんな激しい練習はできるわけない」とビックリして帰っちゃう。いまは時代が変わって、夜は一般の方が楽しく練習できるクラスをやる。そして、いまプロが昼間に練習するというかたちになってますよね。ただウチで言うと、ずーっとガチガチでやっているから、プロで強い選手がいっぱい育つだけど、一般会員さんはなかなか入りづらかった。いまは1階が一般会員さん向けで、2階はプロ練と棲み分けはできてるんですけどね。そうかたちができる前は収入はジムから取るんじゃなくて、べつのところから取らなくちゃいけないなと。
    ――ジム経営以外の部分で稼ごうと?
    鶴屋 そうです。格闘家の子たちって普段は大変な仕事をしているんですよね。たとえば引っ越しの仕事とか。そういう仕事をやりながら夜にプロ練をするのはけっこう厳しいじゃないですか。だから、その子たちに練習に集中できるような仕事を見つけてあげようと。いまパーソナルトレーニングのジムを2つ経営しているんですけど、そこで働いてもらったり、動物カフェもその1つに含まれていますかね。
    ――RIZINの煽りVでも紹介されたハリネズミカフェにも、じつはそういう戦略が隠されていたんですね(笑)。ティーカッププードルのカフェもやられていて。
    あの名作煽りVは鶴屋先生が経営するハリネズミカフェから生まれた鶴屋 「あれ? もしかしたら、これは仕事になるのか?」と思ってある程度考えて、「いける!」と思ったらボクはすぐに行動しちゃいますから。ただ、まあ、コロナの影響で2ヵ月ぐらいは店は閉めてましたけどね。
    ――手広くやっているほどコロナの影響が……。
    鶴屋 だんだん落ち着いてきてますけど。プロ志望をサポートする狙いも含めて事業展開してきたのはたしかです。
    ――鶴屋先生が展開されている会社では、何人ぐらいの格闘家が働かれているんですか?
    鶴屋 まずウチには内弟子が3人いて、その内弟子はジムの指導などをやってます。あとは、たまに動物カフェに行ってもらったり、パーソナルトレーニングの仕事もしてもらったりで、まあ全部で6人ぐらいですかね。たとえば、船橋にもパーソナルトレーニングジムがあるんですけど、そこでは岡田遼と内藤頌貴の2人が入ってるんです。彼らにはそのジムの仕事を自由にやらせて、それ以外の時間は格闘技に専念できるようにしていますね。
    ――理想的な環境ですね。
    鶴屋 いまって誰もが社会保険のある仕事を求めるじゃないですか。でも、社会保険がある仕事というのは、要するに朝から夕方までバッチリ仕事をしなくちゃいけない。そうなると、なかなか格闘技100パーセントはできないですよね。そのへんの悩みというのは、前からずっとありましたから。
    ――もちろん格闘技の練習は大切だけど、一方で生活の基盤をどう整えていくかと。
    鶴屋 ボクも昔、治政館というキックボクシングジムに入ったときに、先生からは「プロになりたいんだったら、まずは環境を整えろ」と言われましたもん。でも、ちゃんと仕事をしている人ほど格闘技って厳しいですよ。世界チャンピオンを目指すのは難しい。おかしな話なんですけどね。でも、昼間に普通の仕事をしながらRIZINやONEのチャンピオンになるのは難しいと思います。
    ――だからこそ鶴屋先生がチャンピオンを目指せる環境を整備されていると。それで鶴屋先生の経歴を振り返りたいんですが、国際武道大学のご出身ですよね。
    鶴屋 はい。4年間レスリングだけをやってました。大学を卒業後は消防士になるんですよ。消防士をやりながらアマチュア修斗の大会に出ていたんですけど、全日本アマ修斗で優勝したときも、ボクは朝の9時まで仕事をしてました。
    ――夜勤明けに修斗!
    鶴屋 その大会がね、たしか綾瀬かどこかで近くだったから間に合ったんですよ。仕事終わりで急いで車を走らせて参加した覚えがありますね。でも、先ほどの話のとおり、それではなかなかプロにはなれないんですよね。そのジレンマはずっとありました。だから、7年ぐらい消防士としていろんな免許も取らせてもらって、消防署としては「これからこの人に現場で頑張ってもらおう」というときに「やめます」と。
    ――それはおもいきりましたねぇ。しかし、あの時代にシューティングに情熱を持つって相当のマニアですね(笑)。
    鶴屋 ボク、昔からマニアなんですよ。シューティングに関しても大好きでしたから。その頃のボクは治政館でキックボクシングをやりながら、ちょっとだけPUREBRED大宮にも通ってました。でも、千葉からジムまで2時間ぐらいかかるんですけど、当時は練習場所に時間をかける人が多くて。山田学さんも栃木から東京まで数時間かけて通ったりしてたと聞きました
    ――当時は練習できる場所は限られてましたね。
    鶴屋 そのときに中井祐樹さんと知り合って。格闘技界に全然知り合いがいなくて、話せる人は中井さんぐらいだったんですよ。
    ――その頃のPUREBREDって、どなたがいたんですか?
    鶴屋 そのときは、まだ佐山(聡)先生がいました。
    ――佐山先生と中井さんがいた時代は、かなり貴重な空間ですね。
    鶴屋 そのあとにエンセン(井上)さんが来て、ボクはエンセンさんの柔術クラスも受けたことはあります。
    ――となると、ちょうどシューティングにブラジリアン柔術の技術が入り込む時期だった。当時は、佐山さんの「打・倒・極」のシューティングと、ブラジリアン柔術が融合していく時期で。選手もどこか2つに分かれるようなこともあったと思うんですが、鶴屋先生はどちらを目指していたんですか?
    鶴屋 ボクは完全にシューティングです。柔術よりも、そっちをやりたいという気持ちのほうが強かったです。でも、柔術の登場はやっぱりショッキングではありました。ちょっと年代が前後しますけど、『格闘技通信』でアルティメット(UFC)の大会が開催されるという記事を見て、まあその頃は普通にケン・シャムロックが優勝するだろうなと思っていたんです。そうしたらシャムロックが道衣を着た無名の男に負けたというから「何が起きたんだろう?」と。
    ――その無名の男がホイス・グレイシーだったわけですね。
    鶴屋 それは凄い衝撃を受けました。そのホイス・グレイシーが「兄は自分よりも10倍強い」と言って、それでヒクソンが出てきたんですもんね。その頃、中井さんたちが彼らを迎え撃っていたじゃないですか。ボクはそれをリアルタイムで見てまして「凄い世界だなあ」と。
    ――UWF系には興味はなかったんですか?
    鶴屋 ……ええっとね、これって『Dropkick』の取材ですよね? “ドロップキック”ということは、プロレスの話もしていいんですか? 
    ――むしろ、どんどんお願いします!
    鶴屋 あのー……、ボクはね、プロレスに関してもの凄いマニアなんですよ。もともとボクはプロレスラーになりたいという夢があって、実際に全日本プロレスに2日間だけ入ったこともあるんです。
    ――あっ、そうだったんですか!
    鶴屋 ……これ、他人に言うの初めてですよ。
    ――ありがとうございます!(笑)。「2日間だけの全日本プロレス入門」は気になります!
    鶴屋 ボクは小学生のときからずーっとプロレスラーになりたくて。で、高校3年生のときに全日本プロレスの会場に行って、百田(光雄)さんにお願いしたら「道場に来なさい」と。そのとき道場にいたのは、折原(昌夫)さんや小橋(建太)さん、あとは菊池(毅)さん。初日からいきなりスパーリングですよ。一応ボクも高校でレスリングをやってましたからなんとか戦ってたんですが、最後は小橋さんに足をベキべキっとやられてしまいまして。
    ――うわっ、入門初日に!
    鶴屋 もう凄かったです。頑張って2日目も行ったんですよ。そしたら、また小橋さんに足をベキベキベキっと……。
    ――また小橋さんですか!(笑)。<11万字19本の記事詰め合わせセットは、まだまだ続く> 
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】石渡奥さん、鈴木秀樹×サイモン、木村花、KNOCK OUT、北岡悟…

    2020-06-30 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part77大好評インタビュー14本、コラム7本、13万字で550円!!(税込み)

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    part77◎元・東スポ記者が作ったFMWの裏側、果たせなかった三沢光晴との約束■寿浦恵一
    ◎素晴らしき最狂プロレス団体IGF対談■鈴木秀樹×サイモン・ケリー
    ◎格闘家・石渡伸太郎の奥様は小料理屋の美人女将だった!
    ◎デビュー戦から見た木村花というプロレスラー■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎【無観客興行開催】北岡悟インタビュー「苦労自慢みたいなことは大嫌いなんですけどね」
    ◎事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・拳王vs高木三四郎激突! NOAH対DDTはなぜ抗争凍結になったのか
    ・RIZINプレミアムイベントは幻か
    ◎殴られる理由が酷すぎたUWFインターナショナル■金原弘光
    ◎佐伯繁DEEP代表インタビュー「JEWELSは無観客でもやろうとしたら、コロナの動きが……」
    ◎【日本人女子初UFC2連勝へ】魅津希インタビュー…ニューヨークでMMAに向き合うこと
    ◎【キックの黒船】ブシロード体制のKNOCK OUTとは何だったのか■鈴木秀明
    ◎悪質コレクターから選手を守れ!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎ミステリアスなRIZINムサエフ未払い騒動を考える
    ◎【骨法総括第2弾】矢野卓見「俺は試合に勝っちゃいけない存在だった」
    ◎ジョン・ジョーンズとアデサニヤ、UFC王者たちの黒人差別への怒り
    ◎リアリティショーからこぼれ落ちたハルク・ホーガンの「リアル」
    ◎続・タイソン騒動…クリス・ジェリコと乱闘、ヴァンダレイ・シウバ
    ◎天国へ旅立ったダニー・ハボック……最後の試合は日本のために
    ◎木村花さん死去…世界から悲しみの声「誹謗中傷した人たちはプロレスファンを名乗らないでください」
    ◎何かが起こる!? 那須川天心の対戦相手公募
    ◎【リストラと新たな資金調達】ONE Champoinshipの見えづらい実態
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    スポーツ紙の中ではダントツにプロレスに強い「東京スポーツ」の記者としてプロレス団体の運営にも関与してた寿浦恵一氏インタビュー。至近距離から見た三沢光晴、冬木弘道、大仁田厚の姿とは? 平成プロレス史の裏側を覗き込む16000字インタビュー(聞き手/ジャン斉藤)――『東京スポーツ』のプロレス担当記者だった寿浦さんは、90年代は大仁田厚率いるFMWのブレーンだったそうですね。
    寿浦 まあ、ボクは大仁田がどんどん駆け上がっていくのを助けた、という感じですかね。なぜそういう役目になったかというと、大仁田が「どうすればFMWが『東京スポーツ』で一面を飾れるか」ということを相談してくるわけです。
    ――『東スポ』の記者に聞くのが一番手っ取り早いですね。
    寿浦 だから、こっちも「こうしよう、ああしよう」と提案して。ミスター・ポーゴと一緒に仏壇屋で「大仁田の戒名を作りましょう」とかね。
    ――そういう小ネタも含めて大仁田さんと話をしながら作っていってたと(笑)。
    寿浦 たとえば「この試合は負けてくれます?」とかね。
    ――あ、試合の中身まで。
    寿浦 それでストーリーがどんどんと転がるようになるじゃないですか。そうすると「次どうする?」から「もう任せる」という感じになっていって。「任されても困るんだよなあ」という感じでしたけど。
    ――FMWのかなり深いところまでタッチしていたんですね。
    寿浦 馬場さんや猪木さんに電流爆破デスマッチのオファーしたときもあるんですよ。
    ――それはメチャクチャ興味深いです!
    寿浦 馬場さんのときは同席してないんですけど。大仁田は馬場さんと元子さんとゴルフショップで話をしたらしくて。馬場さんいわく「大仁田が“バリバリ”に入れって俺に言ってるんだけど、どうしようかね」って。
    ――“バリバリ”(笑)。
    寿浦 最終的には馬場さんは断るんだけど、大仁田に「その前に、オマエよ、ゴルフショップに来たんだからなんか買ってけ」ということで、大仁田が1本6万円だか8万円だかで買ったというドライバーがなぜかウチにあるんですよ(笑)。
    ――証拠品なわけですね(笑)。
    寿浦 それがそのときのドライバーだという証明は何もないんですけど。で、猪木さんのときはボクが立ち会っているからホントの話。ただ、新日本側は永島(勝司)さんだけで猪木さんは来なかったですね。
    ――当時猪木さんの参謀だった永島のオヤジ。
    寿浦 浦安のホテルで会って「電流爆破できます?」という話をしたら、ああいうかたちで爆破のリングを作るのはノーだと言ってました。でも、リングにたどり着くまでにトラップがあるというのだったらOKと。
    ――リング到着までにトラップがあるって意味がわからないですよ!(笑)。
    寿浦 でも、それじゃ意味がないからノーサンキューということで、交渉は決裂したんですけど。あのアイデアはたぶん永島さんの単独だと思う。
    ――いやあ、今日は凄く興味深い話が聞けそうです! そもそも寿浦さんはいつ頃からプロレス界に関わるようになったんですか?
    記事21本11万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】木村花、小川良成、佐山聡と修斗、中邑vsIGF、新型コロナ……

    2020-05-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part76は大好評インタビュー15本、コラム7本、13万字で550円!!(税込み)

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    part76◎佐山先生を修斗から追い出したと思われても仕方ない■初代シューター川口健次
    ◎木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎RIZIN広報・N野さんの秘密 「選手たちの意識や雰囲気が磨かれていく姿が見えて……」
    ◎水垣偉弥が見た復活UFC249 「ドミニク・クルーズのステップは以前のものとは……」
    ◎サイモン・ケリー⑥ 中邑真輔の「猪木アピール」を受けて新日本プロレスの会場に乗り込んだ話
    ◎ボクシングはコロナとどう戦っているのか?■山田武士
    ◎ヤノタクこと矢野卓見の「骨法の祭典2020」
    ◎苦難を乗り越えて……女子格闘家・富松恵美インタビュー
    ◎山本小鉄さんと天山広吉のイイ話■金原弘光
    ◎女王は父親の死後、柔道を始めた――ドキュメンタリー「ロンダ・ラウジー 父の信じたもの」
    ◎小川良成…孤独と苦難から生まれた「孤高のテクニシャン」■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎ムエタイ三冠王・雅駿介「キックを引退してイチから MMAファイターを目指します 」
    ◎再開UFCと動き出したRIZIN…ウィズ・コロナのMMA■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎アンチと信者を熱狂させる男・朝倉未来は誰と戦うべきか
    ◎【絶縁状態】オカダ・カズチカvs清宮海斗は実現するのか?■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ■猪木、高田、PRIDE、K-1…マイク・タイソンに踊らされた人々
    ■米インディレスラー悲痛の告白「コロナウイルスなんて他人事だった。自分がかかるなんて」
    ■「ブラック・ウェンズデー 暗黒の水曜日」……WWE大量解雇劇
    ■UFCの宝島――格闘技専用無人島「ファイト・アイランド」はニカラグアに見えるか
    ■「あなたはもう”Times Up”(時間切れ)」――イリマ・レイ・マクファーレン、勇気ある告発
    ■死神衝撃の願望 ハリトーノフ「一度、コロナにかかってみたかったんだ」
    ■【UFC再開】トランプ大統領「UFCにダナ・ホワイトおめでとう! スポーツを取り戻そう」
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    アントニオ猪木の元・娘婿で新日本プロレスの社長を務めたサイモン・ケリーインタビュー第5弾。今回は「IGFはなぜ崩壊していったのか?」です!(聞き手/ジャン斉藤)パート1はコチラ→「プロレスに関わることは倍賞美津子さんに大反対されました」パート2はコチラ→「猪木事務所の暴走、ロス道場設立、猪木vsMMAファイター」パート3はコチラ→第5代新日本プロレス社長から見たシンニホン暗黒時代パート4はコチラ→「ダーッ!!」は権利問題でリング上では不発……IGF嵐の船出!
    パート5はコチラ→ IGF大晦日・小川直也vs藤田和之が噛み合わなかった理由 


    ――新日本プロレス時代の中邑真輔選手がリング上で猪木さんの名前を出して対戦表明したときがあったじゃないですか。「新日本プロレスの歴史、すべてのレスラーの思い、このIWGPにはの思い入れはある。ただ、このIWGPに昔のような輝きがあるか?俺はないと思う。足りない! 猪木ーーっ!! 旧IWGP王座は俺が取り返す!」と。
    サイモン あー、はいはい。ありましたね。
    ――中邑選手はIGFと事前に何か接触されていたんですか? 
    サイモン 何もしてない。向こうから突然アピールしてきて、こっちもビックリしたというか。当時の新日本は猪木さん方面には触れるな、という方針だったみたいなので、中邑選手は逆においしいと計算するような人だから。中邑選手は自分で考えてフライングしてアピールしたんだろうなと。俺はそういう風に受け取っちゃったんですけどね。
    ――団体の思惑を飛び越えて中邑選手がボールを投げてきたと。
    サイモン そこで引いたらIGFらしくないなと。乗るしかないってことで乗っちゃったという感じですよね。  嫌がらせで新日本の会場に俺や澤田(敦士)が行ったり(笑)。
    ――ハハハハハハハ!
    サイモン こっちが何かアクションしないといけないと思ってアクションしたら、 新日本は完全にシャットアウト。大阪の会場まで行ったんですよね。澤田と一緒にチケットを買って入って、新日本のファンからヤジを飛ばされながら(笑)。昔のプロレスが好きな人からは「頑張ってね!」みたいに声をかけられて。
    ――サイモンさんは何か仕掛けようとしたんですか?
    サイモン そうなんだけど、新日本のチームワークがありえないぐらい凄くて、俺や澤田の座席の位置を把握してるんですよ(笑)。 
    ――何かしようとしたら、すぐにすっ飛んでくる(笑)。
    サイモン 中邑選手の試合が終わったぐらいのタイミングで、澤田と2人でリングのほうに行こうとしたら、若手レスラーからスタッフから凄い人数で食い止められるみたいな(笑)。
    ――ハハハハハハハハ!
    サイモン 中邑選手はスタッフの指示で客席じゃなく花道から帰ってたんですよ。それでもリングサイドのフェンスまで辿り着いたからマスコミもそのときの写真を撮ってたと思うんだけど。そのあと取材した人たちに話しを聞いたら新日本から「一切書くな」と。 書いたら取材拒否だみたいな話があったらしいですね。
    ――IGFとは1ミリたりとも関わりたくない鉄の意志を感じます(笑)。
    サイモン 会場にいた一部のファンしか騒ぎはわかってないみたいな。もちろんテレ朝の中継にも乗るわけがないし。 でも楽しかったですね。
    ――この件について新日本と何か話はされなかったんですか?
    サイモン してないですね、何にも。
    ――しばらくして猪木さんもコメントを出しましたよね?「引退している」という。
    サイモン ああ、出しましたね。「俺はもうリングに上がってないんだから」と。あのとき猪木さんは入院してたんですよね。猪木さん抜きでIGFらしいことをやらなきゃなんない。 猪木さんが元気でもやらせたくはなかったんですけど。中邑選手がWWEに行ったあとに本人とチラッと話す機会があって。中邑選手としては団体の意向関係なく勝手にアピールしたところはあったみたいですね。
    ―― 中邑さんとしてもボールを投げてみてどうなるか……っていう。
    サイモン 中邑選手はデビューの頃からロス道場に来てて、猪木さんと何回も食事してるし、猪木さんの性格を知ってるから。猪木さんとだったら何かキャッチボールができるかも……という期待感はあったんじゃないですか。 彼としてはボールを投げたつもりが内部で何もなかったことにされたという状況だったから。あれはあれで大変だったらしいですよ。22本の記事13万字が550円(税込み)で読める詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】小川vs藤田大凡戦の謎、古瀬美月、ぱんちゃん、異常なレッスルマニア…

    2020-04-30 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part75は大好評インタビュー15本、コラム5本、11万字オーバーで550円!!(税込み)

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    part75◎サイモン・ケリー第5弾! IGF大晦日・小川直也vs藤田和之が噛み合わなかった理由
    ◎世界一過激な格闘技で稼ぐ男渡慶次幸平……血とカネとラウェイと
    ◎【代理戦争、その後】古瀬美月インタビュー「もう19歳ですし、私には時間がないんです」
    ◎【Dropkickインディ列伝】川畑輝鎮「SWSデビューからノアの選手会長になるまで」
    ◎【1万字リポート】いまアメリカで何が起きているのか?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎高まる自粛ムード…新日本プロレスも両国をやりたかった■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎【MMA転向宣言】全日本選手権覇者・中村倫也を育んだ“大宮”とは何か?/池田久雄
    ◎中村倫也MMA転向表明で思い出す――山本KID徳郁デビュー前夜/朝日昇
    ◎具体的なことは何も言っていない榊原さんの緊急会見が面白かった理由
    ◎23歳・格闘技経験なしの女子がなぜ突然キックを始めたか/ぱんちゃん璃奈インタビュー
    ◎無観客レッスルマニアが生み出した“異常な2試合”■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎格闘技の空白――忘れろというのか 繋ごうというのか
    ◎スアキムをムエタイ引退に追い込んだギャンブラーとは何か■鈴木秀明
    ◎小佐野景浩が見た新型コロナ禍の中のプロレス
    ◎追悼ブランコ・シカティック…石の拳が夢見たK-1、そしてアントニオ猪木/甘井もとゆき
    ◎コロナショックで裏レッスルマニアも中止! アメリカインディは力尽きるのか……?
    ◎天空からの使者、狂気のルチャリブレで躍動する
    ◎ダナ・ホワイトの過激なリーダーシップ「試合はやると言ったらやるんだ」
    ◎【UFC249電撃中止】ダナ・ホワイトと、ファイト・アイランドと、セックステープ
    ◎【プロレスは不要不急ではあらず】政治とウイルスの狭間でWWEは踊るのか
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    アントニオ猪木の元・娘婿で新日本プロレスの社長を務めたサイモン・ケリーインタビュー第5弾。今回はIGF大晦日・小川直也vs藤田和之を振り返ります! プロレス頭をフル回転しながら読もう!(聞き手/ジャン斉藤)パート1はコチラ→「プロレスに関わることは倍賞美津子さんに大反対されました」パート2はコチラ→「猪木事務所の暴走、ロス道場設立、猪木vsMMAファイター」パート3はコチラ→第5代新日本プロレス社長から見たシンニホン暗黒時代パート4はコチラ→「ダーッ!!」は権利問題でリング上では不発……IGF嵐の船出!
    サイモン レッスルマニアが話題になってますけど、猪木さんがWWEの殿堂入りしたことを思い出したんですよ。
    ――レッスルマニアに合わせて式典が開催されるやつですね。猪木さんは2010年に殿堂入りして。
    サイモン あの当時、WWEのエージェントのジョニー・エースさんとたまに会って話をすることが多かったんですよね。
    ――情報交換じゃないですけど。
    サイモン そうそう。そのときに「アジア人プロレスラー初の殿堂入りは猪木さんしかいないですよね?」みたいな話を振ってて。 そうしたらWWEとしても猪木さんの殿堂入りを考えてたみたいなんですけど、内部でもハードルはあったみたいなんですよ。ビンス(・マクマホン)さん本人は猪木さんの思い出があまりなくて。お父さんのシニアさんなんですよね、猪木さんや新間(寿)さんと付き合いが深かったのは。
    ――ビンスの代になってからは新日本とWWEは疎遠になっちゃいましたね。
    サイモン それに猪木さんや新日本プロレスには「何をするかわからない団体」という危ないイメージがあったから、WWEの内部でも「本当に大丈夫か?」と心配する声もあったみたいです。ちゃんと殿堂の式典に出てくれるよね?と(笑)。
    ――ハハハハハハハ! 猪木さんが何を余計なことをやるんじゃないか?と(笑)。
    サイモン こっちとしては猪木さんのデビュー60周年の節目に殿堂入りが実現できて凄く嬉しかったですけど。猪木さんは、あまりピンと来てなかったんですよ。「どうでもいいよ」じゃないけど、そこまで乗り気ではなかったんですよね。
    ――猪木さんならそういう反応ですよね。いまさらWWEの殿堂なんて……という。 
    サイモン でも、 IGF側からすると、これは絶対に行ったほうがいいって話じゃないですか。猪木さんと一緒に大人数でレッスルマニア現地に行ったんですよね(笑)。行ったら行ったで猪木さんも喜んでましたからね。
    ――WWEなら超VIP待遇しますし。
    サイモン それはもちろん。 またレッスルマニアになると、ただでさえスケールの大きいWWEがさらに別世界になるんですよね。宿泊したホテル自体がWWの貸し切りだし、街全体がWWEの一色になっちゃってますからね。
    ――レッスルマニアの経済効果ってハンパじゃないんでしょうね。
    サイモン オリンピックじゃないですけど、「来年はウチの街でやってくれ」って誘致運動があって、それぐらい経済効果が凄いみたいですから。だって選手や関係者がホテルから会場に行くにもバス何台、リムジン何台っていう世界なんですよ 。それをパトカーが誘導して、交差点から高速道路まですべてブロックして一気に会場に突き進んで。こんなマネはさすがにどの団体もできないなっていうレベルだったので、あらためてWWEはスゲエなあって感じたんですよね。 
    ――猪木さんとビンスは会話したんですか?
    サイモン 猪木さんとビンスさん、2人で話していた瞬間を見ましたよ。
    ――おおっ!!
    サイモン そのとき周りには誰もいなかったんですけどね。だから何を話したかは公開されてないんですけど……。猪木さんとビンスさんのあいだにはちょっと緊張感は流れてんですけど、何十年ぶりかに会話をすることで、お互いにホッとした印象はあったように見えましたね。
    ――稀代のプロレスラーと稀代のプロモーター。いいシーンですねぇ。
    サイモン 猪木さんの殿堂入りのインダクター(紹介者)はスタン・ハンセンさんだったんですよね。
    ――そこもちゃんとアントニオ猪木というプロレスラーの歴史を考えてますよね。アメリカのプロレスファンからすれば、猪木さんとハンセンの関係は知られてないから拘る必要はないんですけど。
    サイモン WWEには本当に細かくやっていただいたというか。猪木さんのスピーチは短かったんですよね。通訳の俺が入っていても5分かかってないんじゃないかなって。周りも「あれ、もう終わり?」みたいな反応で。でも、最後は会場のみんなで「ダー!」をやったりしたので相当インパクトあったと思うんですね。
    ――「ワン、ツー、スリー!!  ダーッ!」ってやったやつですね(笑)。
    サイモン そういえば、あのときは邪道・外道の2人がプライベートでレッスルマニアを観戦に来てて、終わったあとにみんなで酒を飲まないかなって誘ったり。猪木さんの前だったので固くなってましたけどね。あと同じアリゾナ州のツーソンからドン・フライが遊びに来たりとか。そうだ、急に猪木さんが「ラスベガスに行きたい」と言い出して、予定変更してラスベガスに向かったんですよ。 
    ――猪木さん、アメリカ旅行を満喫してたんですね(笑)。
    サイモン そのあと日本人レスラーが殿堂入りしたのは藤波(辰爾)さんですよね。今年はライガーさんが選ばれるんじゃないか……って噂は出てますけど(※取材後、ライガーの殿堂入りが発表)。
    ――それで今日は大好評IGFエピソードの続きなんですけど。2010年大晦日『Dynamite!! 』で鈴川真一vsボブ・サップのMMAルールが組まれたじゃないですか。
    サイモン あー、サップが試合直前にドタキャンしたやつ。
    ――大会プロデューサーの谷川貞治さんいわく、サップが戦意喪失して控室に籠城したと。「ドタキャンした理由はわからない。二度と使わない」とサップ側に非があることを匂わしましたが……実際は何があったんですか?インタビュー15本、コラム5本、11万字の詰め合わせセットはまだまだ続く……

     
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】IGF旗揚げ戦、中嶋勝彦vs鈴木秀樹、中西学引退、RIZINカメラマン……

    2020-03-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part74は大好評インタビュー10本、コラム8本、9万字で550円!!(税込み)

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    part74◎サイモン・ケリー第4弾!!  「ダーッ!!」は権利問題でリング上では不発……IGF嵐の船出!◎格闘技はあなたの人生を変える! 違法薬物からの更生……咲間“不良先輩”ヒロトの場合◎女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■斎藤文彦INTERVIEWS◎鈴木秀樹が中嶋勝彦戦30分フルタイムドローのすべてを語る ◎レスリングを20年間、撮り続けきたカメラマン――保高幸子インタビュー◎事情通Zの「プロレス 点と線」・スターダムが訴えられた! 「チャンピオンにする」という契約は有効なのか
    ・4月のRIZIN、RISEはどうなる? K-1新型コロナ騒動

    ◎危ないヤツらが帰ってきた!!  血まみれのGCW“非日常”を語ろう■吉野恵悟×タカ中山◎井上直樹くんにとって金太郎選手はおいしい相手です■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク◎「天下を取り損ねさえしなかった」元スーパーエリート中西学、引退◎アメプロインディ通信「フリーバーズ」
    ・黒人選手のための、黒人選手によるプロレス興行が行なわれる・WWEが恐れる社会主義者デヴィッド・スターの闘争世界のMMAコラム・証言:アデサニヤvsロメロの大凡戦事件――犯人は誰だ?・ハイドレーションテスト――ONE独自の計量システムを見る
    ・MMAサイコ・サスペンス――ジョシュ・バーネットとドラッグテスト
    ・UFC249はどうなる? アメリカスポーツ界のコロナショックの対応
    ◎W-1活動休止、NOAH新体制、全日本はWWEと接近?■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」◎Show Must Go On――4月19日、RIZINは無観客試合ができるのか

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    序盤はじっくりとしたレスリング、一転して激しい場外戦を経て打撃戦の火蓋が切られ、最後は必殺技の応酬……“プロレスの教科書”と言うべき名勝負となったNOAH後楽園ホール大会の中嶋勝彦vs鈴木秀樹! 30分フルタイムドローのすべてを鈴木秀樹に語ってもらった(聞き手/ジャン斉藤)




    ――鈴木さん、30分フルタイムドローに終わったNOAHの中嶋勝彦戦の評判がメチャクチャいいですね。
    鈴木 そうなんですよ。思っていたよりも評判が……。
    ――あれ、「思っていたよりも」なんですか?
    鈴木  今回の試合はメインやセミではなかったですよね。8試合中の6試合目だから大注目はされないだろうなと。でも、あと考えたらこの試合順にしたのはよくわかります。セミでやるとメインへの切り替えが難しいし、前半にも起きたくない。絶妙な位置だったと思いましたね。 
    ――いわゆる“プロ・レスリング”の攻防が凝縮された試合内容に「こんな戦いが見たかった!」という声が各方面から挙がってますけど、こういった正統派の試合が「特殊なもの」として待望される時代なんだなっていう感想があったんです。
    鈴木  ああ、じつは昨日出演した「ニコニコプロレス」でもそういう話をしたんですよ。
    ――あれま。すいません、その番組は見てないです!
    鈴木  それはいいんですけど(笑)。ボクはビル・ロビンソンがやっていたようなプロレスは「空き家だからやってる」という意識はないんですよ。これしかやることがないからやっている。昔の試合を見返すと、ロビンソンの試合はスタンダードではあるんですね。別にロビンソンだけがああいう試合をしてるわけじゃなくて、ルー・テーズなんかも同じような試合をやっているじゃないですか。あの時代からすると今回の中嶋選手との試合も珍しくはないんですけど、お客さんの反応は「珍しいものが見れた!」みたいな。そこは不思議というか。
    ――こういった反響があることは鈴木さんにとっても手応えがあったと思うんですけど、「珍しいもの」扱いされるということは、そういったプロレスラーがいなくなったのか、もしくはそういう試合にニーズがないのか、ということにはなりますよね。
    鈴木  こないだDropkickで阿部(史典)と対談をやったじゃないですか。アイツはバトラーツ系のバチバチ的なものが好きで、ボクはキャッチ・アズ・キャッチ・キャン系の試合が好き。でも、ボクもアイツも自分たちのスタイルがトレンドではないことがわかってるんですよね。大多数のお客さんのニーズがないから、どちらも下火になっている。だってニーズがあれば主流になってるじゃないですか。 で、ボクらはいまのトレンドのプロレスも好きだから、そこに交わるようにやっているんですけど。いまのプロレス界にキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの技術を持っている選手がなかなかいないことは、はたしてどうなんだろう?とは思っていることはたしかです。プロレスラーならみんな持っていなきゃいけないものなので。
    ――鈴木さんの技術は、新日本プロレスで活躍しているザック・セイバー・ジュニアのサブミッションともまた違うように見えるんですね。
    鈴木  うーん。ザックの話になると、彼のことをどうしても悪く言ってるように聞こえちゃうのがボクは嫌なんですよ。彼のことは全然嫌いじゃないし、あのスタイルは好きなんですけど。ザックはボクが教えてもらったキャッチ・アズ・キャッチ・キャンではないんですね。なんて言えばいいんだろう??
    ――鈴木さんが言い方に困る。
    鈴木  言葉をなんて表現したらいいのか。ザックの試合は見てて面白いんですよ。ただ、ボクのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンと同じものとして捉えられるのは違うのかなって。そうですね、クラッシクなものをファッション化したものというか……。
    ――ああ、なるほど。
    鈴木  誤解しないでほしいのは、ザックがダメだとかそういう話じゃないです。彼はボクよりも多くのお客さんから支持を得てるわけですから、ザックのプロレスは正解なんです。でも、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンってサブミッションだけではないですからね。今回の中嶋選手との試合もキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの要素がなかったかといえば、ふんだんにあったものだと思います。場外に行くまでの展開はまさにキャッチ・アズ・キャッチ・キャンで。
    ――中嶋選手はいままでこういう試合を見せたことはあまりなかったですが、やろうと思えば普通に戦える。そういう引き出しがあったということは、ザックにもありえるってことですよね。
    鈴木  あると思います。いまは必要がないからやってないかもしれないですね。
    ――凄く雑な問いかけになっちゃうかもしれないですけど、武藤敬司さんと西村修さんのレスリングだったら、鈴木さんは武藤さんっぽいなっていう気もするんです。
    鈴木  ああ、ボクは武藤さんのほうが「レスリング」を感じますよね。ボクが武藤さんのファンだったんですけど、武藤さんの動きで好きだったのは序盤のレスリングなんです。そこに華があったんですよ。もちろんムーンサルトプレスもかっこよくて好きだったんですけど、レスリングの動きだけで「この人は強いんだな」ってのが何も知らない素人でもわかる。
    ――そうやってペースを握っていくのが武藤さんですよね。
    鈴木  そうですね。武藤さんは「俺が一番だ」って人じゃないですか。そこでプロレスラーとしてのプライドが見せつけるというか、 時折意地の悪さもあるというか(笑)。その意地の悪さはレスラーとしての本質かもしれないですけど、だから面白い。
    ――西村さんの場合はいまザックに言われたような、クラシックなものをスタイルとして見せていくところはあるような……。
    鈴木  うーん、そこはザックより厳し目の言い方になっちゃうんですけど、クラシックなものをファッション化したのはあの人なのかなって。なんていうんですかね、非パワー系で俊敏な動きができないレスラーの逃げ場にしたような。多くの方がイメージするキャッチ・アズ・キャッチ・キャンやランカーシャスタイルってそういうものじゃないですか?
    ――パワーファイターを技術でかわすテクニシャンってやつですね。
    鈴木  一時期のボクもそう思い込んでいたんですよ。でも、実際にキャッチ・アズ・キャッチ・キャンで習ったり、昔の映像を見て勉強したりすると、ロビンソンやテーズ、カール・ゴッチや猪木さんもそうですけど、みんなパワーがなかったかといえば、そんなことはないじゃないですか。ロビンソンもパワーがメチャクチャありましたよ(笑)。
    ――ゴッチさんもかなりのパワーファイターですよね(笑)。
    鈴木  やっぱりプロレスラーとしてパワーがないとデビューはできなかったと思うんですね。それはサブミッションの技術も同じ。中嶋選手はいままで見せてこなかっただけで。トップレスラーになれるということは、いろんなことができないと無理なんですよ。 同じことを田中将斗さんにも思ったんです。田中さんのイメージはハードコア、ハードヒットなんですけど、いざシングルでやってみるとあたりまえのようにレスリングができるんですよ。そうじゃなきゃあの位置にいないですよね。
    ――鈴木さんのプロレスラーとしてのイメージもキャッチ・アズ・キャッチ・キャンですけど、それだけではないということですね。
    鈴木  キャッチ・アズ・キャッチ・キャンだけで評価されるのは、それほど嬉しくはないんですけどね。 リトマス試験紙のようにに思われるのも……。
    ――毎回こういう試合をやるわけではない。
    鈴木  うん、ずっとこんな感じかといえば、そんなことはないし。ボクは小林軍団だったり、アイスリボンではペイントをして試合をしてますからね。ボクの中ではどれも一緒なんですよ。ただ、プロレスのリングに上がるならば、そういった基本はできないといけないですよね、という考えはあります。
    ――中嶋選手が普段こういう戦い方を見せていないことへの驚きもあったと思うんです。鈴木さん本人を前にこういう言い方は失礼かもしれないんですが「中嶋勝彦はグラウンドで鈴木秀樹を上回っていた」という声もありますよ。
    鈴木  あー、そういうツイートがありますね(苦笑)。 インタビュー10本、コラム8本、9万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【11万字・記事詰め合わせセット】追悼ケンドー・ナガサキ、暗黒・新日本、亀田vsJBC、井上直樹、ONE平田……

    2020-02-29 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part73は大好評インタビュー18本、コラム4本、11万字で550円!!(税込み)

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    part73◎第5代新日本プロレス社長から見たシンニホン暗黒時代■サイモン・ケリー
    ◎追悼“喧嘩日本一”ケンドー・ナガサキ■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎「ケンドー・ナガサキの弟子」が語る桜田一男さんの最後■谷口裕一
    ◎マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・サイバーエージェントのNOAH買収とは何か?
    ・長与千種のGAEA復活とは何か
    ・【包丁ボードで大事故】デスマッチ批判にどう向き合うか
    ・皇治は那須川天心と戦うのか?
    ◎平田樹ONE狂乱ダンスの舞台裏■コーチ横田一則の証言
    ◎ベラトール対抗戦激勝! 世界に実力を証明!! 渡辺華奈インタビュー
    ◎堀口恭司「復帰戦は、さいたまスーパーアリーナスタジアムバージョンの超満員の中で」
    ◎UFC、RIZIN!! 魅津希&直樹の井上姉弟ニューヨーク鼎談!
    ◎今回の相手が「金魚」だとしたら、それくらい未来くんの格が上がっている■川尻達也
    ◎あなたが成功を願う格闘家の姿が見えてくる……映画「コナー・マクレガー: ノートリアス」
    ◎英雄の転落は民衆の娯楽……膨れ上がる「朝倉未来が負ける姿を見たいビジネス」
    ◎ボクシング界の闇……亀田兄弟vsJBCはなぜ揉めているのか?
    ◎DEEPが「日本代表ヅラ」して問題ない理由をとうとうと語る
    ◎体重オーバーには手を出すな
    ◎「セラーニ戦はフェイクだ!」嵐を呼ぶ男コナー・マクレガーの帰還
    ◎MMA業界はYouTuberローガン・ポールを無視できるのか?
    ◎「あんたは日本で黒人女子レスラーに唾を吐いただろ?」……歴史的偉業達成者は人種差別主義者?
    ◎奴らの「生きざま死にざま」を見たか?――GCW日本公演インサイドレポート
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    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は先日お亡くなりになったケンドー・ナガサキこと桜田一男さんです。




     



    ――ケンドー・ナガサキこと桜田一男さんがお亡くなりになりましたが、本当の突然のことで……。
    小佐野 本当にビックリしました。私がこの話を聞いたのは1月12日の夕方頃。いろいろと連絡が入ってきて「桜田さんが亡くなったらしいよ」と。桜田さんは1月5日にはプロレスのファンイベントにも出ていたし、亡くなった前日には知り合いの誕生パーティーにも出席していた。ネットで騒ぎになったけど、いつどういう理由で亡くなったのか結局、何も確証が取れないまま桜田さんの死が記事になってしまった……という感じだよね。
    ――たしかに新聞記事でも死因は明らかになってませんでしたね。
    小佐野 最初に記事したのはデイリースポーツなのかな。アメリカのカリフラワー・アレイ・クラブ(プロレスOB会)の方から発表があったと。でも、カリフラワーのほうでも詳細はわかってない。
    ――おそらく日本のインターネットで騒ぎになってるから、カリフラワーとしても発表したのかもしれないですね。
    小佐野 やっぱり報道の基本は「何月何日何時にこういうわけで亡くなった」というのがないとね。人の生死に関わることだから。なので、こういう噂が出た段階で本人に聞くのが一番だから、桜田さんの携帯に電話をしてみたんだけど出なかった。
    ――これが団体に所属していたり、引退したあとでもそれなりに繋がりがあったりすれば、家族から連絡があったのかもしれませんね。
    小佐野 桜田さんは一人暮らしだったからね。日本のどこかに親戚はいるのかもしれないけど……それこそダラスに住んでいる息子さんが発表するしかない。
    ―― SNSで最初に桜田さんの死を報じたのは、漫画家みのもけんじ先生。「ソースはあるんですか」というリプライがいくつかあったんですけど、親族から発表のしようがないから難しいんだろうなと。「ウィキペディアに載ってません」と疑問を持ってる人もいましたけど、そういう状況なら載ってるわけないですよね。
    小佐野 それにウィキペディアに載ってるからといって事実かはどうかは別の話だからね。
    ――いつお葬式が執り行われたのかどうかすらわからないってことですかね。
    小佐野 何にも情報は入ってきてないね。
    ――13日の大日本プロレス後楽園ホール大会で桜田さんの追悼テンカウントゴングを鳴らしたときに、親族の方がいらしたみたいな報道もありましたけど。
    小佐野 あの大会を取材してるけど、親族の方はいなかった。桜田さんは大日本の旗揚げメンバーだったけど、しばらく絶縁状態で。最近になってまた交流する機会が生まれたくらいだからね。親戚が日本にいてもおかしくないんだけど、その親戚が公表を控えたら何も情報入ってこないわけで。
    ――親族の方もプロレスメディアやマスコミとの繋がりがなければ、特に連絡もしてこないでしょうし。
    小佐野 あるいはそっとしておいてほしいという意向があるのかもしれない。昨年に北尾光司さんが亡くなったときと一緒ですよ。みんな亡くなったことは知ってるんだけど、家族や親族からの発信がないからどうにもならない。そこは遺族の意向もあるからね。
    ――公表したくない場合もあるという。
    小佐野 阿修羅・原さんが亡くなったことは公にはなったけど、お葬式は取材はしないで欲しいという親族の意向があったから。だから私は取材じゃなくて個人としてお葬式に出たんです。あのときはある新聞社が追い返されたからね。
    ――小佐野さんでさえ詳細が掴めてないんですから、最期のお見送りができたプロレス関係者はわずかなんでしょうねぇ。
    小佐野 私は1年半前に出た桜田さんの自伝に関わっていたんだけど、元気だったからいまでも亡くなったことが信じられないですよ。
    ――ボクもちょっと前に取材したばかりなのでビックリです。桜田さんって怖いですよね。威圧的、暴力的な怖さじゃなくて「怒ったら本当にヤバいんだろうな」という雰囲気を醸し出していて。
    小佐野 普段はひょうひょうとしてるんだけどね。そんなに感情を表に出すわけでもないんだけど、ひょうひょうと物騒な話をするから。 すぐに「誰かを食らわした」という話になったり(笑)。
    ――躊躇なくやれる怖さがありますよね。
    小佐野 有名なのは日プロ末期に試合で大城大五郎さんをやっちゃったやつ。坂口征二さんらと一緒に日プロを離脱する大城さんを「なんの恨みもないけど、小鹿さんが焚きつけるから拳で顔面をガンガン殴った」と。
    ――離脱への制裁ですね。「なんの恨みもない」けど殴れるのが怖いですよ!
    小佐野 未遂に終わったけど、クーデターを企てた猪木さんもボコろうとしたわけだから。でも、人間的には優しくて面倒見がいい。武藤敬司とフロリダやプエルトリコをサーキットしているときに料理を作っていたのは桜田さん。車も運転してくれるし、お弁当も作ってくれる(笑)。
    ――普通は逆ですよ、武藤さんが後輩なんですから(笑)。
    小佐野 天龍(源一郎)さんが初めてアメリカ遠征に行ったときも桜田さんが面倒を見てメシを作ってくれたそうだから。イヤイヤやってるわけではない。そういう人なんですよ。
    ――桜田さんはそこまで華やかなレスラーじゃないのに「なぜトップなんだろう?」って不思議だったんです。
    小佐野 身体は大きいんだけどね。スタイル自体は地味だし、実際に強いかどうかは試合からは伝わってこない。「ケンドー・ナガサキ」のペイントは桜田さん本人のアイディアではなくて、ブッカーをやっていたテリー・ファンクからの要請。 桜田さん曰く「カブキさんの焼き直しだからさ」と。
    ――桜田さんにインタビューしてわかったのは、ケンカが強いことでトップヒールとしてのキャラクターが崩れることはなかったんだなってことですね。もちろんプロレスラーとしての技術はあってことですけど、あの時代に日本人が一匹狼としてやっていくには腕っぷしや度胸が凄かったんだろうなって。
    小佐野  マサ斎藤さんもそうだったけど、アメリカで苦労した人はみんな優しいよ。カブキさんもアメリカで会ったときは凄く優しかったし。でも、2人とも怒ったら怖い。
    ――優しくてヤバイ人、すなわちケアもできて理不尽なことに屈しないからアメリカで生き残れるんですかね。
    小佐野 桜田さんもどこへ行ってもトップを取っていたからね。桜田さんはキラー・カール・コックスからプロレスを教わってるんです。以前、渕正信さんが言っていたけど「馬場さんが評価してるプロレスラーの1人はカール・コックス。あの人はメリハリがあってうまい」と。 安達(勝治、ミスター・ヒト)さんと一緒になったあとは、カルガリーのスチュ・ハートにも気に入られて。息子のブレット・ハートをコーチしたり。
    ――技術をしっかり備えている職人肌なんですね。
    小佐野 スタイルに関係なくどこでも試合ができる人だったんだと思う。 ドイツのハノーバートーナメントにも出て好成績だったし。でも、ルールを無視してメチャクチャやったことでプロモーターと揉めて、最後はピストルをぶっ放されたらしいからね(笑)。
    ――ハハハハハハハ!どうすればピストル沙汰になるんですか!
    小佐野 桜田さんは「頭にきたから後ろから襲ってやろうとした」んだけど、安達さんに止められたみたいで。「相手はピストルを持ってるんだからやめろ!」と(笑)。
    ――さすが“ケンカ日本一”ですね(笑)。大好評インタビュー18本、コラム4本、11万字の記事詰め合わせセットはまだまだ続く……
     
  • 【12万字・記事詰め合わせセット】RIZIN大晦日、サイモン・ケリー、鈴木秀樹×阿部史典、新日本ドーム…

    2020-01-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part72は大好評インタビュー18本、コラム5本、12万字で550円!!(税込み)

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    part72
    ◎「神興行(C)RIZIN」を12000字で振り返るRIZIN広報・笹原圭一インタビュー
    ◎完全体・那須川天心――衝撃の大晦日徹底分析!!■鈴木秀明
    ◎朝倉未来の試合に日本格闘技界の「希望」が見えた/【愛の大逆転勝利】矢地くんは打撃の組み立てがうまくなっていた■川尻達也
    ◎ハム・ソヒの強さが「キラー浜崎」を引き出した■藤井惠が見た年末女子格闘技
    ◎北米を知り尽くした男が見た「RIZINvsベラトール対抗戦」■水垣偉弥
    ◎RIZIN大晦日が面白かった理由と視聴率が低かった理由
    ◎マネル・ケイプのシューズと現代MMA■大沢ケンジ
    ◎RIZINライト級GP王者ムサエフはUFCと契約するのか?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎RIZIN大晦日を海外はどう報じていたか
    ◎おのののかRIZIN解説を褒めちぎる原稿
    ◎ONE日本大会が大成功する方法はこれだっ!
    ◎コナー・マクレガーの「肩パンチ」は流行るのか?■水垣偉弥
    ◎真のBMFが帰ってくる!! コナー・マクレガー事件簿2019
    ◎【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    ◎鈴木秀樹×阿部史典 高円寺純情プロレスリング対談
    ◎サイモン・ケリー インタビュー②「猪木事務所の暴走、ロス道場設立、猪木vsMMAファイター」
    ◎棚橋弘至vsクリス・ジェリコから見る新日本・AEW提携の可能性■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎棚橋vsジェリコのほうがバッドエンド?■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎名言で振り返るマット界の歴史
    呪われた闘強導夢/「今年の汚れ、今年のうちに」(ミルコvsランデルマン)
    ◎アメプロインディ通信フリーバーズ
    「最悪の思い出を消し去りたい」デスマッチレスラー最後の来日理由/レイザーラモンHG、裏レッスルマニアのLGBTQ(性的マイノリティ)イベントに電撃参戦!
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    すっかり恒例となった笹原圭一広報によるRIZIN振り返りインタビュー! 大晦日を12000字で振り返ります(聞き手/ジャン斉藤)
    ――笹原さん、元旦早々すいません。大晦日の話を伺いにきました!
    笹原 いやあ、大晦日は本当に素晴らしい大会でしたよねぇ。どうしてRIZINだけはこんなに面白いんですかねぇ。
    ――RIZIN「だけ」ですか!? 新年早々自画自賛!!
    笹原 最近ってなんでもかんでも「神興行!」って持てはやす風潮ってあるじゃないですか。もう「神興行」って言葉が安すぎる! 皆さん、これが本当の「神興行」ですよお!! 2020年は、RIZIN以外は「神興行」って言葉は使っちゃダメ!もしくは「神興行(C)RIZIN」にしてください!
    ――ひえっ! たしかに「神興行(C)RIZIN」はすべての試合がハマった感じはしますね。堀口恭司欠場から始まって、いったいどうなることやら……って感じでしたけど。
    笹原 堀口恭司vs朝倉海は残念ながら中止になっちゃいましたけど、いまのRIZINには他にも骨太のストーリーがありますよね。四天王対決に朝倉兄弟のブレイク、RENA選手のリベンジマッチ、浜崎朱加vsハム・ソヒのスーパーアトム級最強決定戦もそうです。こうした2019年のRIZIN絵巻が大晦日に完結するということで、お客さんの観戦モチベーションがメチャクチャ高かったと思うんですよ。
    ――ドラマでいえば最終回を見るようなものですよね。
    笹原 入場ゲートに並んでいるお客さんの顔つきや、会場に入ったときの空気感からして爆発の予感はしていたんですよ。完全にできあがっているから、これはもう何をやっても盛り上がる。箸が転んでも大歓声が起きるんじゃないかと。あそこまで会場に熱があると、選手たちにも自然とスイッチが入りますよね。
    ――その期待感はRIZINのそれぞれのストーリーが伝わっているってことですよね。
    笹原 それはRIZIN CONFESSIONSSの効果も大きいでしょうし、いまでいえばSNSで選手の素顔が伝わっていることもあるでしょうね。あとは単純にRIZIN側が発信しているストーリーが伝わっているというより、お客さんがそのストーリーを自分なりのドラマにして、過剰な思い入れを持って試合を見ている感じがしますよね。我々が面白いイベントを作ったんじゃなくて、あの熱を生み出し、面白いイベントにしたのは間違いなくお客さんですよ。
    ――ということは「神興行(C)RIZINファン」じゃないですか! 興行が終わるのが寂しかったですよ。「ああ、もうちょっと見たいな」って。あとは視聴率が気になるところですけど……(収録は1月1日)。
    笹原 数字がいいに越したことはないですけど、もうこればっかりは正直わからないです。欲をいえば、セミの那須川天心vs江幡塁、メインの朝倉海vsマネル・ケイプがラウンドをまたいでくれれば、って感じですけど……あれだけの凄いものを見せてもらって、それ以上に望んだらバチがあたりますよね(笑)。
    ――今回の年末はRIZINが運営協力したベラトールの日本大会も開催されました。RIZINと比べるとやっぱり大会進行も違ってきますよね。
    笹原 RIZINとベラトールの興行の作り方は全然違っていましたね。ベラトールにはベラトールで素晴らしいところがあるし、RIZINにもベラトールにはないオリジナリティがあるんですけど。ベラトールのやり方は確立されていますから、向こうの現場スタッフは「もう俺たちに完全に任せてくれ!」という感じなんですよ。 でも、ベラトールCEOのスコット・コーカーは「もっと日本的な味付けをしたい」というスタンスだったんですけどね。
    ――さすが日本から格闘技の興行を学んだ男ですね。
    笹原 RIZINとの違いをわかりやすくいうと、ベラトールは出口がテレビ向けに作られているってことだと思います。テレビでの見え方を徹底的に考えて作っている。今回の29日でいえば、アメリカのテレビでコマーシャルが流れているあいだ、会場には何の説明もなく音楽が流れているだけなんですよ。観客からすると何が起きているかわからない。ボクらからすると、もの凄く気持ち悪い進行なんですよ。ただアメリカですとビール飲んで勝手にお客さんは楽しんでいるから放っておいても大丈夫、いやむしろ放っておいた方がいいんだ、ってことなんだと思います。
    ――でも、日本のファンからすると謎の時間、無の時間ですね。
    笹原 たとえばRIZINの場合、試合の決着がついたときはゴングがカンカンカンと鳴らされて、間髪入れずに「勝者!エメリヤーエンコヒョーーードル!!!」みたいな勝者コールが入るじゃないですか。ベラトールはレフェリーが試合を止めて、何のアナウンスもしない。しばらくしてから選手を中央に並べて勝利者コールをする。これはたぶんテレビで見ていれば実況が大きな声で「オーマイゴッッッッッド!インクレデボーー!!」とかガナっているから、別にゴングを鳴らす必要も、勝者コールをする必要もないからだと思うんですよ。
    ――たしかにそうかもしれませんね
    笹原 そうそう、今回は前半のベラトールのケージ設営一式は彼らのチームがやったんですよ。で、後半はリングアナとか含めてRIZIN進行で行ったんですけど、大会前日にゴングがないことに気がついたんですよ!
    ――どこかで聞いたことのある話ですね。RIZINファンには伝わらないですけど(笑)。
    笹原 「コブラ会に電話しろ!」とかふざけていたんですけど(笑)、じつはRIZINのゴングはリングと一緒に運び込まれてくるので、29日ではなく31日の荷物の中に入っていたんです。で、急遽別のゴングを用意して、29日のRIZINパートはそのゴングを使ったんです。
    ――合同興行ならではのエピソードですね。
    笹原 試しにゴングなしでやってみようか、みたいな話もしていたんですけど、やっぱり気持ちが悪いので、いつもRIZINフォーマットで進行しました。で、チャーリー柏木がベラトールに「試合後はなぜそういう進行なの?」って聞いたんですよ。そうしたら「まず選手の安全を確認してからだ」って言うんですよ(笑)。
    ――RIZINのやり方も安全を確認してないわけじゃないですね。
    笹原 もちろんです。試合を見ていればわかると思いますが、RIZINだと勝者コールしている横で、同時進行でドクターが動いています。なので、これもおそらくですけど、そもそもいまのやり方に何の疑問も持っていないからだと思うんですよ。だってアメリカだけでなく世界中で同じやり方で進行して、なんの問題もないわけですから。ただ日本のファンだけが「あの間はどうなってるんだ!」とか「進行が悪すぎるだろ!」みたいなことを言うわけです(笑)。
    ――いい意味でのモンスタークレーマーですよね(笑)。
    笹原 今回はボクらからの提案で「アメリカでのコマーシャルの時間帯は会場のビジョンに実況席の映像と音声を流しましょう」と。向こうからすると「なんでそんな面倒くさいことをやるの?音楽流しておけばいいじゃん」という感じだったと思うんですが、今回は「お前らがそんなにやりたいならやればいいじゃね?別に放送に関係ないし」ってことでやらせてもらったんですよ。
    ――それだけでも文化の違いがあるんですねぇ。ベラトールは北米の放送事情のためにメインカードを先にやるかたちでしたけど、結果的にこの試合順でよかったですよね。個人的にはヒョードルvsランペイジはちょっと締まらない試合になると思ってたので、メインイベントはどうなんだろうなと。
    笹原 ベラトールにはMVP(マイケル・“ヴィノム”・ペイジ)みたいなバケモノもいますけど、 ヒョードルやランペイジらのレジェンドがメインを張るのが典型的なフォーマットではありますよね。それはそれで面白いんですけど、RIZINが目指しているものとは違うのかなと。 社長(榊原信行)も大会後の談話でそのようなことを言っていましたけどね。
    ――笹原さんも前のインタビューで「レジェンド対決はあまりやりたくない」と言ってましたよね。
    笹原 是が非でもやりたいという気持ちはないですよね。ヒョードルvsランペイジの試合後のように仲良く記念写真を撮ったりするのは……もの凄い激闘のあとだったらいいですよ。あっけなく決着したあとにあの光景を見せられたら、お客さんほったらかしかよ、って思っちゃいますよね。
    ――勝負論を感じないですよね。サップvs大砂嵐くらいやってから抱擁してほしい(笑)。
    笹原 やっぱり負けたほうの選手が涙を流して引き上げ…たり、負けて茫然自失していたり、魂が震えるようなシーンを作り出したいです。そうなるとレジェンド対決って、戦っている時点で当人たちの間ですでに物語が完結していて、なかなかその先に繋がらないんですよね。やるんだったらレジェンドがトップファイターに挑んだり、若い選手がレジェンドぶっ倒したり、返り討ちにあったりする方がファンだって応援のしがいがあるんじゃないかって。
    ――ポストリムカード(メインカード後に行なうプレリムカード)の最終試合の矢地祐介vs上迫博仁がドラマチックな決着がついて、大会を締めたわけですから面白いですよね。矢地選手の大逆転勝利。
    笹原 “サカボマスター”がサッカーボールキックでKO負けするわけですからね。誰がこんな台本を書いてるんだって話で、これこそ「大河ドラマ」ですよ!!
    ――その大河ドラマの女優さんは会場ではバンバン抜かれていましたけど、地上波ではオールカットでしたよね。いったい何かあったんですか?
    笹原 まったく知らないですけど、麒麟が来たのかもしれません(笑)。 
    ――ガハハハハハハハ。ヒョードルvsランペイジのあとだからこそ神龍誠や平本蓮の若さがより伝わってきましたね。神龍選手なんて「あれ?こんなにおもいきりのいい選手だったっけ?」という躍動感で。
    笹原 神龍選手はRIZINというステージに上がることで一皮むけたって感じですよね。実は彼はプロレスが大好きなので、マスクをしてケージインしているんですよ。で、大会の前に「神龍誠って、中途半端なリングネームだからいっそのこと神龍源一郎にしようよ!」って提案したんですよ。そうしたら「イヤです」って秒で拒否されましたけどね(笑)。
    ――プロレスで覆面で誠といえば「誠軍団」なんですけど、この提案もやっぱりスルーされそうです(笑)。インタビュー18本、コラム5本、12万字の記事詰め合わせセットはまだまだ続く……
     
  • 【10万字・記事詰め合わせセット】平本蓮、川口健次、サイモン・ケリー、新生NOAH、QUINTET……

    2019-12-31 23:59  
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    part71

    ◎平本蓮インタビュー「“昔のK-1”を取り戻すために、いずれMMAをやります」
    ◎シューティング初代ライトヘビー級王者・川口健次インタビュー
    ◎アントニオ猪木の「環状線理論」から見るRIZIN大晦日
    ◎「東京ドームを押さえろ!」(長州力)■名言で振り返るマット界の歴史
    ◎新生NOAHは何が変わったのか?■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎エンド・オブ・デケイド――プロレス界の2010年代■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎天心選手に勝てる日本人の最右翼は江幡塁選手です■鈴木秀明

    ◎サイモン・ケリー「プロレスに関わることは倍賞美津子さんに大反対されました」◎事情通Zの「プロレス 点と線」スターダム大攻勢と女子プロ大改編/今年のプロレス大賞は獣神サンダー・ライガーにすべきだ

    ◎シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    平本蓮RIZIN契約、MVPvs安西決定の舞台ウラ/【育成企画開始?】UFC JAPANで何かが起こる!

    ◎毎年「今年の大晦日のカードは弱い」と言ってますよね■大沢ケンジ
    ◎1995年8月18日、UWFインター、東京ベイNKホール■金原弘光
    ◎秋田で何が起きた? QUINTETエキシビジョンマッチ騒動■橋本欽也
    ◎アメプロインディ通信「フリーバーズ」
    アメリカンプロレス改編の余波も……内部告発に揺れるROH/「Bloodsport ブラッドスポート」を救った男は日本通◎北米MMAコラム・「MMA史上、最も試合がつまらない男」ベン・アスクレンとUFCの5年戦争劇的決着!
    ・「契約を断ってきたら最後の試合で強いヤツを当ててやる」…UFCマッチメイカーのメールが暴露!
    ・朝倉未来“北米MMA初遭遇”……これがベラトールGONINの刺客だ!


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    アントニオ猪木の元・娘婿で新日本プロレスの社長を務めたサイモン・ケリーインタビュー。間近で見た新日本プロレスの実態とは?――猪木さんとの関わりは、サイモンさんの幼少の頃から始まったんですよね。
    サイモン 一番はじめはボクが幼稚園の頃ですね。ボクが(猪木)寛子と同じインターナショナルスクールに通っていたのがきっかけで。
    ――猪木さんの娘さんの同じスクールに通っていた。それは猪木さんが経営していたという幼稚園ですか?
    サイモン いずれはそうなる幼稚園なんですけど、自分が入ったときにはまだそうなってなかったです。のちに猪木さんと、そこの園長先生が仲良くなって「小学校を設立しましょう」と。その小学校に猪木さんがお金を出したらしい、という話は聞いたことがあります。その学校はいまでもあるんですけど。
    ――いまでもあるんですか。
    サイモン 猪木さん自身はもう経営から手を引いている……というか、そもそも当初から経営はしていなかったのかな? ただ、当時の新日本プロレスのパンフレットには、サマーランドで選手たちが子どもたちと一緒に餅つきをやっている写真が載っていたはずなんですよ。あの子どもたちは、その出資していたインターナショナルスクールの生徒だったはずですね。
    ――インターナショナルスクールとの付き合いは深かったんですね。
    サイモン まあでも、いつもの猪木さんらしく、いざスタートしたら知らないあいだに次に興味のあるものを見つけてフェイドアウトしちゃうというか。すべて他人にあげちゃうのが凄いなって。だって、その学校はだいぶ成功して何回も増築して、いまではけっこうな規模になっているらしいですからね。
    ――その当時にインターナショナルスクールに出資するなんて、さすが猪木さん目の付けどころが早いですね。
    サイモン タバスコも、ひまわりナッツも、みんなそう。マテ茶なんかも昨今の健康ブームで注目を浴びましたけど、猪木さんは20~30年前からやっていたわけですから。
    ――そこから猪木さんとの距離は近くなるんですか?
    サイモン もう家族ぐるみの付き合いをしていて、ゆくゆくは同じマンションに住んじゃうんです。猪木さんが代官山のマンションに住んでいた時代に「下の階が空いたから来なさいよ」と。それでボクの家も引っ越して近所付き合いをするようになって。
    ――親密どころの話じゃないですね(笑)。
    サイモン だから猪木さんの家にはよく出入りしていました。猪木さんが家にいることはあんまりなかったですけどね。倍賞美津子さんも女優として忙しくされていたので、いつも美津子さん側のおじいちゃん、おばあちゃんがいました。美津子さんの仕事が忙しいときに来てもらってたみたいで。
    ――新日本のプロレスラーの出入りはありました?
    サイモン ちょうど高田(延彦)さんが猪木さんの付き人の時代だったので、高田さんとはよく顔を合わせましたね。あとは山崎(一夫)さん、前田(日明)さんにも会ったかな。
    ――のちにサイモンさんがプロレス界で仕事をするようになったときに、新日本プロレスの選手たちもサイモンさんのことも覚えていたんですか?
    サイモン 対面したときは、何秒か止まっての「…………ああああっ!」みたいな(笑)。
    ――その時代の猪木さんはどんな印象でした?
    サイモン とにかく熱心に練習されていた印象ですね。巡業や試合がなくても野毛の道場に行って練習をされていて。当時、猪木さんはキャデラックに乗っていたんですけど、ボクら子どもたちは後部座席に乗って、猪木さんの運転で道場に行ったこともありますよ。
    ――へえ~、本当に道場が好きだったんですね。
    サイモン もう年がら年中練習で。多摩川をずーっと走っていたり、子どもの頃だったからそういう姿を凄く覚えています。あとは試合がある日は後楽園ホールや蔵前国技館にも連れていってもらったことがありますね。スキー場や遊園地で新日本プロレスの興行があるときは家族でみんなで行ったり、地方興行でも選手バスに乗って連れていっていただいたり。移動バスの中で坂口(征二)さんや長州(力)さんが「子どもいるから子ども用のビデオを入れてやれ」「チャンネルを子ども番組に変えろ」とか言っていたことも覚えてます。
    ――その後、サイモンさんはお父さんの仕事の都合で海外に行かれるわけですよね?
    サイモン じつはその前に父はアントントレーディングで働いていた時期があるんですよ。
    ――あ、そうなんですか! アントントレーディングとは猪木さんがひまわりナッツやマテ茶を輸入を手がげていた会社ですよね。
    サイモン 父はコカ・コーラとペプシの仕事で日本に来たんですけど、その後、1年間ぐらいアントントレーディングで働いていて。でも、経営がムチャクチャすぎて離れたんですけど……(笑)。
    ――ハハハハハハハ!
    サイモン もう一度コカ・コーラに戻ったんです。海外には2年ぐらい韓国に行くことになったんですね。その時期は新日本プロレスのことは何も追ってないし、また日本に戻ったときには、もう猪木さんと美津子さんが離婚されちゃってましたし……。
    ――ちなみに、お父さんはアントントレーディングで何をやっていたんですか?
    サイモン ボクもハッキリとはわからないんですが、たぶんマーケティングかな? 猪木さんってアイデアはたくさんあるし、動きが早いじゃないですか。だから、周りにちゃんとマネジメントして、猪木さんをコントロールしながらも自由にさせてあげる人がいたら、事業ももっと上手くいっていたのかな……って。
    ――参謀がいるかどうかは今も昔も変わらないですね。
    サイモン ちょっと話は飛びますけど、寛子と結婚したあとに自分が「猪木さんと一緒にプロレスの仕事をやる」と言ったとき、父には大反対されました(苦笑)。
    ――そりゃそうですよね(笑)。
    サイモン しかも美津子さんからも反対されました。「絶対にそれだけはやめて!」と。父も美津子さんも口を利いてくれなかったです。
    ――ハハハハハハ! それはいい話だ!(笑)。
    サイモン ボクの父も猪木さんのことは大好きなんですけどね、仕事になると別ってことですよね。でも、ボクもなんとかプロレスの仕事を続けていくと、父も美津子さんも「本当に好きでやってるんだな、それならしょうがない」ということで許してくれたんだろうと思います。
    ――美津子さんも、いろいろと苦労されたから反対されたんでしょうね。離婚の理由のひとつに猪木さんの莫大な借金があったという話ですし。
    サイモン 美津子さんは本気で怒ってましたからね。離婚の原因はハッキリとは知らないですけど、本音はお互いに愛が残っているなと感じることはありましたから。
    ――愛がなかったら、美津子さんが新日本の東京ドーム大会にサプライズ登場したりしないですよね。02年5月3日の新日本プロレス30周年記念大会のときですけど、猪木劇場の最中に猪木さんにはシークレットで現れて。
    サイモン ああ、あれも自分たちが仕掛けたサプライズだったんですよ。猪木さんには完全に内緒で。
    ――そうだったんですか! 猪木さんが公共の場で素で驚いたという貴重な瞬間でした(笑)。
    サイモン あの大会の準備段階のときに美津子さんがたまたまボクらの住んでいたロスに来たことがあったんですよ。その頃はちょうどボクがプロレスの仕事をすることも認めてくださっていて、新日本プロレス立ち上げ当時の話とかをいろいろ聞かせてくれるようになったんです。「昔はお金なくて苦しかった」「アンタたちもお金がなくて大変だろうけど頑張りなさい」みたいな。
    ――いい話だなあ……。<10万字詰め合わせセットはまだまだ続く……>