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記事 97件
  • 【15万字・記事16本詰め合わせセット】追悼・猪木、西川大和、平本蓮、スマックガール、ベラトール……

    2022-10-31 23:59  
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    part106
    ○ズンドコから見た我らが英雄アントニオ猪木

    ○日本人史上最年少でUFCと契約! 西川大和インタビュー「ステージが変わるだけ」

    ○AEWの噂と誹謗中傷……信者はアンチに豹変する

    ○平本蓮「俺のオナニーが面白いなら応援して、つまらないなら嫌っといて」

    ○【フライ級革命】堀口恭司の新しい旅が始まる■笹原圭一RIZIN広報

    ○【平本蓮戦】弥益ドミネーター聡志「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるじゃないですけど……」

    ○プロレス界の歌ウマ王は誰だ?■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ○侵略者、現る!! 宇佐美正パトリック「みんな食ってやります」

    ○西川大和UFC契約の舞台裏/RIZINマッチメイク二転三転■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ○IWGP女子王座の違和感の正体■斎藤文彦INTERVIEWS

    ○【令和のSWS】AEWのバックステージで揉め事が止まらない!!

    ○辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    ○“スーパーヴィラン”青木真也はRIZINでこそ剥き出しになる

    ○スパーの一本取られた・取られないのは、ホントにどうでもいい■水垣偉弥

    ○【史上最大のMMA対抗戦】榊原信行とスコット・コーカー、敗れざる者たちの逆襲


    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉この記事は「アントニオ猪木」を語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)
    ――我らがスーパースター、アントニオ猪木さんがお亡くなりになりました。
    斉藤 猪木さんを追悼するニュース記事、SNS、動画の数から、いかにプロレスというジャンルを超えた英雄だったことが伝わってきますよねぇ。ボクの猪木さんの好きな言葉のひとつはこれなんです。ライバルだったジャイアント馬場さんが亡くなったときに「死んだことによって馬場さんが美化されてる」って言ってるんですよね。
    ――猪木さんらしいですね(笑)。
    斉藤 愛弟子の破壊王(橋本真也)の葬儀でも「あの世でも元気ですか?」とコメントを残して物議を醸したんですよ。いまからすると「猪木さんらしい」の一言なんですが、ほら当時の猪木さんって一部のプロレスファンから嫌われていたから……。
    ――2005年頃だと暗黒・新日本真っ只中ですし……。
    斉藤 追悼記事で猪木さんが美化されてるわけじゃないですが、やっぱり猪木さんってダメな部分を含めて面白い方だったので、ズンドコ方面も振り返りたい。さっきの「嫌われていた」という話でいえば、アントニオ猪木のイメージって世代によって違うと思うんですよ。猪木さんの全盛期の試合をリアルタイムで見ていたのって40代後半がギリギリでしょう。よく知らないファンが大半だと思うんですよね。
    ――猪木さんってデビューからお亡くなりになるまで、ずっと注目されてきた人ですよね。
    斉藤 70年代はモハメド・アリと戦ったりプロレス最強を掲げるスーパースター猪木、80年代はIWGP舌出し失神をはじめとするカオスな猪木、90年代前半は政治家にしてリングにスポット参戦して印象を残すキラー猪木、引退後は新日本を苦境に追い込むフィクサー猪木ですよね。この時代はPRIDE人気に乗っかって一般的には「ダーおじさん」化していく。アントニオ猪木のことはよく知らないけど「1、2、3、ダー!!」で盛り上がるみたいな。ただ、プロレスファンからはけっこう嫌われていた。
    ――アントニオ猪木による新日本プロレスへの強権介入で。
    斉藤 そこには誤解もあるんですけど、のちほど説明します。じゃあボクはどの時代の猪木ファンかといえば、プレイヤー時代もそれなりに好きだったんですけど、引退後のフィクサー期が本当に面白かったんですね。猪木さんを中心に魑魅魍魎が跋扈する世界が刺激的で。
    ――まあ、新日本帝国が崩壊していくわけですからね。
    斉藤 同時に猪木さんが永久電機とか発明や事業にのめり込んでいる姿も最高だったんです。手前味噌になっちゃいますけど、ボクが所属していたカミプロって、引退後の猪木さんのキャラクター形成において重要な役割を担っていたところがありまして。カミプロからダーク猪木や実業家・猪木の面白さを知った読者も多いと思うんですね。何か事件や問題が起きたときに「さわってねえんですよ」と無責任に言い放つ無責任な言葉をクローズアップしたり。
    ――猪木さん周辺や新日本からすれば「余計な報道をするな!」って感じですよ(笑)。
    斉藤 当時の猪木さんはアメリカに住んでまして、日本とアメリカをファーストクラスで行ったり来たりしてたんです。で、アメリカに帰る前は成田空港のVIPルーム、もう20~30人ぐらい入れる大部屋が使えていた。そこで猪木さんがくつろぎながら記者会見をやってたんですよ。記者会見というか懇親会。成田空港に集まった記者は10名くらいかなあ。そこで猪木さんの独演会が始まるんですけど、話が発明やら政治情勢とか脱線しまくるんです。プロレスの話もするんですけど、抽象的な内容でまとまりがない。それだと記事にしづらいし、媒体によって内容が違ってくることも起こってしまう。
    ――「どっちの内容がホントなんだ?」ってなっちゃいますね。
    斉藤 それに書けないこともあるでしょう。ある人が亡くなったときも「○○が殺したんだろう」ってブラックジョーク的に口にしたら、さも猪木さんが真実を語ったみたいに伝わったこともあったし、けっこうデリケートな場だったんですよ。トラブルにならないように会見後はマスコミが集まって、記事の方向性を話し合って決めることがあったみたいなんですよね。
    ――「あったみたい」ってアナタも現場にいたんでしょ?
    斉藤 ボクは猪木さんの成田会見番でしたからね。でも、前に松澤チョロさんの記事でも話ししたことがあるけど、当時のカミプロの連中って挨拶もまともにできないから。本当は「カミプロに入りました○○です!」って他媒体の人間に挨拶して回るもんだけど、いっさいやらない。
    ――単なる礼儀知らずですよ。
    斉藤 で、成田会見が終わって、記者がみんな集まってる輪にボクも加わろうとしたら、ある記者が「おまえはくるな」みたいに手で払いのけられたんですよ。
    ――カミプロの人間がまたぐんじゃないと(笑)。
    斉藤 そりゃあもっともなんですけど、手で払いのけるほうもどうかしてるでしょ。当時のボクは超やさぐれていて、べつに編集者なんていつやめてもよかったので○○○○○○○○○○○○○○○したんですけどね。
    ――……よく問題にならなかった!
    斉藤 本当ですよ。で、それでも怒りが収まらなかったから、こっちは好き勝手書いてやるってことで、みんながスルーしていた発明の話から始まり、猪木さんのキツイ新日本批判もそのまま載せることにしたんです。どういう局面だったか忘れたけど「テレ朝、死んじまえ!」とか。
    ――ひどい発言だけど、面白い(笑)。
    斉藤 成田会見は毎回面白くて、往復で3~4時間かかったんですけど、まったく苦にならなかったですね。中でも最高だったのは国立競技場『Dynamite!』直前のやつかな。世紀のイベントについてのコメントを聞くために記者が大集合したんですけど、猪木さんは開口一番「皆さんに大事なお知らせがあります。ついに永久電機の会見を行ないます!」って吠えだしてみんながズッコけるという。
    ――たしかに永久電機が完成すれば世紀の発明ですけど(笑)。
    斉藤 このへんの発明ネタって猪木さんの人生を考えるうえですごく重要で。実業家・アントニオ猪木を通して見えてくるものがあるんですよね。猪木さんのお父さんは石炭商をやっていて、猪木さんがエネルギー事業に熱心なのは、そもそもお父さんの血なんですよ。母方のおじいさんも石炭商で財をなしている方ですし。あとお父さんは選挙に出馬中に急死しちゃってるんですよ。
    ――猪木さんがエネルギーに関心を持ち、政治家を志すのは宿命なんですね。
    斉藤 猪木さんは祖父のことを『猪木寛至自伝』でこう語っていて。「祖父は、よく言えば豪傑、悪く言うと山師的な、スケールの大きい快男児だった。良いときは天下を取る勢いだが、悪いときは無一文になってしまう。とにかく極端なのである」
    斉藤 これ、猪木さんの人生そのものですよね。猪木さんの兄弟もそんな感じなんです。お兄さんの猪木快守さんには何度か取材したことあるんですけど、もう山師な方で。キューバの財宝船引き上げとか、夢みたいな話ばっかりするんですよ。「斉藤くん、一緒に財宝船を引き上げようよ!」って。最後に会ったのは癌研センターだったんですけど、末期癌なのに「中国に面白いビジネス話があるから一緒にやろう」と。数ヵ月後に死んじゃったんですけどね。
    ――猪木さんも最後までプラズマという発明を気にしてたそうですしね……。
    斉藤 猪木家の血ですよね。お父さんが亡くなったあと猪木一家がブラジルに移民したのも、もうひとりのお兄さんの野望溢れる提案からだったそうですし。移民計画でブラジルは楽園として描かれていたんですが、現実は地獄だったんです。朝5時になると鐘がなって、ピストルを持った現場監督が現れて農園に連れて行かれる。作業中は脱走しないようにムチとピストルを持った見回りがいる。逃げた人は撃ち殺されたそうです。猪木さんたちの住まいには電気ガス水道がない。猪木さんが電機とかライフラインに興味を持っているのは移民時代の経験も大きいんじゃないかなって思うんですよね。
    ――そのブラジル移民時代にちょうど遠征に訪れていた力道山に見いだされたんですね。
    斉藤 力道山との出会いがプロレスラー・アントニオ猪木の始まりですね。それで日本に戻るんですけども、猪木さんは自らプロレスがやりたくて日本に戻ってきてるわけじゃないんですよね。そこが面白いところ。プロ野球をクビになったジャイアント馬場さんも同じです。自分の居場所を求めた結果、それがプロレスだった。あの時代のプロレスラーはみんなそうなんですけど、好きで始めたものではないこともあって、猪木さんはそのコンプレックスを爆発させることになりますよね。
    ――力道山も実業家の顔を持っていたから、そこの影響もあるはずですよね。
    斉藤 猪木さんは力道山の付き人でしたから。ただ猪木さんはそこは否定気味なんですよ。力道山は不動産に投資する堅実なビジネスであるとしてて。
    ――自分は堅実ではないと(笑)。
    斉藤 まあ猪木さんは力道山に対しては愛憎溢れてましたから、額面どおりのお言葉を受け取れないんですけどね。だって付き人時代の常軌を逸したかわいがり、しごきはホントにキツかったですから。火のついた巻きを身体に押し付けられたり、ゴルフのドライバーで頭をぶん殴られたり。15万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【12万字・記事14本詰め合わせセット】メイウェザー、木下憂朔、チャーリー柏木、天龍夫人、ファンキー加藤……

    2022-09-30 23:59  
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    part105


    ◎RIZINに外国人を取り戻す■RIZIN海外事業部・チャーリー柏木信吾


    ◎堀口恭司再生トーナメントが始まります■笹原圭一RIZIN広報


    ◎扇久保さん、この扱いに本当に納得してるんですか?


    ◎朝倉未来vsメイウェザーはなぜコア層から失敗が望まれてしまうのか


    ◎煽りに「根回し」は必要なのか?


    ◎MMAシーン縦横無尽16000字!! シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク


    ◎金太郎はあのときの朝倉海ではない。堀口恭司はあのときの堀口恭司ではない……


    ◎【UFC契約ゲット!】木下憂朔インタビュー「ボクが日本格闘技の流れを変える」


    ◎IWGP女子王座設立にあれこれ言う会


    ◎この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ◎AEW内紛!? トニー・カーン「ボクは、もう、あなたたちレスラーの言いなりにはならないから」


    ◎【こじらせ武藤敬司】ファンキー加藤インタビュー「プロレスに青春ごと救われました」


    ◎ボクが夢見た“グレート・ムトー”2月の東京ドーム/ジャン斉藤


    ◎CMパンクとヤング・バックスが控室で殴り合い!? AEWの内紛とは何か/中山貴博


    ◎続・「ボクが夢見た“グレート・ムトー”2月の東京ドーム」

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    RIZIN海外事業部・柏木信吾10000字インタビュー! 海外MMA団体の躍進とコロナの影響により招聘しづらくなっている外国人問題を語ってもらいました!
    ――まずはRIZINハワイ会見お疲れ様でした!
    柏木 ……そんなこと、もう忘れちゃいましたよ。人間はツライ記憶を頭から消し去るという自己防衛本能がありますからねえ。
    ――ハハハハハ! やっぱりメイウェザーが出席するとなるだけでも大変なんですね。
    柏木 今回はとくにヒドいんです! 海外チーム3名が現場で孤軍奮闘ですよ!
    ――あれをたった3人で!
    柏木 本来なら笹原(圭一・RIZIN事業局長)さんも「ハワイに来い」と言われていたのに、頑なに拒否してましたからね(笑)。「パスポートの期限が……」とか「ワクチン証明が……」とかゴニョゴニョ言って。
    ――ヒドい言い訳(笑)。クビにしましょう。
    柏木 何がなんでも行きたくないというのが全面に出てました(笑)。まあ、その気持ちはよーーーくわかりますけどね。ボクは、一番最初にその白羽の矢が当たってしまったので(苦笑)。【編集部より】最近の世の中はこの手のシャレというかジョークが通じなくて「仕事を放棄するとは何事だ!」と笹原さんにお叱りの声をぶつける方がいらっしゃるので、念のため笹原さんの言い訳インタビューもお読みください。堀口恭司再生トーナメントが始まります■笹原圭一RIZIN広報

    ――それだけ苦労してハワイ会見を強行したのは、やはりRIZINの海外進出の足がかりにしたいという狙いがあったからなんですか?
    柏木 まあ、海外進出というよりは、もう連れてくるだけでいろんな人が注目してくれるフロイド・メイウェザーと仕事をするわけなので。だったらメイウェザーを利用して海外に向けたバズるような宣伝をやりたいというのが一つですよね。
    ――国内外問わず、とにかく話題になるように。
    柏木 これまでのRIZINは、普通の会見をやって、大会やって……というテンプレートで淡々と進めていく感じがありましたが、やっぱり攻めのプロモーションが必要なんじゃないかと。ハワイ会見は、そういう話から始まりました。ズバリ、そこが榊原(信行)社長の言う「ブレイキングダウンに学ぶところ」というか。会見全体をバズらせるというよりも、たとえば会見の中の5秒がバズるだけでいいんですよ。今日のRIZIN.38の会見のように、30分の会見を淡々とやって1万3000人が見てましたという平均値が高い会見よりも、平均値が低くてもいいから突き抜ける瞬間が5秒でもあればという、その発想ですよね。
    ――格闘技の会見で1万3000人も見ているのも異例なんですけど、さらに上を目指すと。
    柏木 そのために山場をつくって、しっかりバズってくれれば、そこが切り取られて何百万回も再生されていく。だから、ハワイ会見の目的はその2点ですよね。メイウェザーの有効活用と、攻めのプロモーションです。
    ――平本蓮選手の割り込み通訳もあり、日本ではけっこう話題になりましたが、現地の反応はどうだったんですか?
    柏木 向こうの反応は……まあ、軽くウケてはいましたけど、平本選手のTシャツに不満が噴出してましたねえ(苦笑)。
    ――あ、何か英語で書いてましたよね?
    柏木 「Who is F◯◯kin' MMA Beginner」、つまり「この中でMMA初心者は誰だ?」と。それをメイウェザーの味方についている彼がメイウェザーの後ろで着ているわけですよ。だから、メイウェザーの仲間内からは「なんなんだ、あのTシャツは!」と。
    ――ハハハハハハ! それは誤解されても仕方がない(笑)。
    柏木 というか、そもそも会見で「F◯◯k」と書いてあるようなTシャツ着てくるなという話なんですけどね(苦笑)。
    ――ごもっともです!(笑)。
    柏木 でも、逆にどうでした? あの会見の印象としては。
    ――いや面白かったですけど、もっとハワイ感を感じたかったなというか。メイウェザーの用心棒が朝倉未来選手を突き飛ばしてましたけど、それもビーチや海でやったりとか。
    柏木 「わざわざハワイでやったのなら……」ということですよねえ。もちろんやりたいことはたくさんあったけど、やっぱり自分のブランディングにこだわりを持っている人たちがあれだけ集まったわけですから。たとえばボクらのほうで「こういう会見やろうぜ」「いいね、それでいこう」となっても、メイウェザーに「NO」と言われたら終了じゃないですか。
    ――メイウェザーのことだから急にビーチで会見はやりたくない、とか言い出しかねないですし。
    柏木 そのメイウェザーは会見に遅刻してきましたし(笑)。「向こうから歩いてきてます」というあいだにも会見の進行が変わってますからね。まさに孤軍奮闘ですよ。
    ――あと、現地ではトライアウトも行われていましたよね。
    柏木 トライアウトはエンセン井上さんがもの凄く動いてくれて。だから、映像が入るか入らないかとかに関わらず、最終的にはちゃんとしたトライアウトとして着地させられました。ハワイの選手は基本的にレベルは高いですから。そもそもハワイアンの選手は好戦的なので。闘争民族というか、そういう遺伝子を持ってるファイターたちなので迫力もありますよ。トライアウトにはマックス・ホロウェイも来ていて、彼のジムから2名出たりしてましたね。
    ――その中から何名かはRIZINに上がる可能性も?
    柏木 今回トライアウトをやったことによって、選手たちもある程度見ることができましたし、最終的に9人合格したんですけど、全員参戦できるかどうかは別にして、ハワイ大会のアンダーカードの選手だったり、ある意味、片側の選手は確保できているので、ハワイでRIZINはやりやすいのかなと思ってます。
    ――1年後のハワイ大会に向けて着々と動いているという。
    柏木 運営としてはもう動いてます。今回、ハワイ州の上院議員であるグレン・ワカイさんという方ともお会いして、彼がスポーツ推奨というか、スポーツを通じて経済効果、経済発展を目指すという政策を全面に出している方なので、今後RIZINがハワイに来ることによる効果みたいなことを話したら、「ぜひ、来てほしいしそのための協力はする」と。だから、そういう意味では今回の動きの中でも収穫はあったと思います。
    ――以前、ベラトールがハワイ大会を開催したときに現地の観光局からかなりサポートがあったという話もありました。
    柏木 まあ、観光局というのはある程度の予算を持ってますから。そこを使ってというのは当然あります。だから、ベラトールともうまく話してスケジューリングしないと、そこの取り合いになっちゃうのはマズイですから。その点、今回はスコット・コーカーもハワイに来てくれたので、そこはちゃんと話はできたんですけども。
    ――そもそも、ハワイはベラトールの“島”ということですもんね。
    柏木 ハワイはUFCがアプローチしたけど開催はせず、ONEもアプローチしたけど開催せず、ベラトールが来てうまくやったという感じなので、そこにボクらが入っていくとなると、やっぱりうまく調整しないと。
    ――ハワイ開催というのは、運営側にとってはけっこうやりづらいものなんですか?
    柏木 ハワイやりづらいですよ(しみじみ)。やっぱり島国なので、みんながみんな仲が良さそうなんですけど、そうじゃない何かもあったりして。あとは、今回会見をやるにあたっていろんな業者さんに発注しましたけど、当然“外地プライス”というか。
    ――お高いわけですね。
    柏木 「たっけー!」って感じです(苦笑)。まあ、そこも含めて調整は必要ですよね。
    ――ところで、先ほどトライアウトの話もありましたが、RIZINに参戦する海外選手って魅力的な選手が多いなという印象で。
    柏木 ああ、ありがとございます。
    ――今回のスーパーアトム級トーナメント参戦選手も、凄く印象に残る選手でしたよね。
    柏木 たしかに、彼女たちはいい選手でしたね。ボクとしてはちょっと時期が早かったですけど。
    ――そういう選手というのは、どういう感じで見つけてくるんですか?
    柏木 それは階級によってもいろいろと変わるんですけど、たとえば今回のスーパーアトム級って世界的にもそんなにやってるイベントが少ないですよね。ボクが知っているかぎりでは、RIZIN、ONE、インビクタと、あとは最近カナダに新しくできたPAWCという団体があるんですけど、ラーラ・フォントーラなんかはそこのチャンピオンなんですよね。
    ――ああ、なるほど。
    柏木 なので、やっぱり日々のリサーチと、アトム級をやってる団体のマッチメーカーともつながるようにしています。あとは、ストロー級でやっている選手のマネジメントに「49キロまで落とせない?」というような交渉もしますね。そのほか人気の階級に関しては、もういろんなマネジャーとつながるようにしていますし、自分の中で選手のグループ分けがあって、ちゃんとMMAで強い選手グループ、打撃や寝技など一芸が光る選手グループ、あとは成長過程の選手の情報も持っておくという。
    ――要は、特定の日本人選手を出さなきゃいけないときに、その選手に当てる選手としていろんな情報を蓄積している、と。
    柏木 そうです。その中で、やっぱりボクとしては強い選手を世界中から探してくることがモチベーションにつながりますし、だからボクはグランプリが凄く好きなんですよね。ただ単に強い選手を呼んできて、日本で試合してもらうことができるので。そこで、結果としてグランプリに参戦した選手の中から世界に通用する選手が出てきてくれているというのは、ボクの中では一つの答えというか。トフィック・ムサエフ、イリー・プロハースカ、マネル・ケイプ、あとはカリッド・タハもUFCに参戦していますし、女子でいえばマリア・オリベイラもUFCで戦っていますから。やっぱり、グランプリに出た選手でUFCやベラトールに参戦している選手は多いので、それは非常にうれしいですよ。
    ――ちなみに、朝倉海選手と沖縄でやるはずだったヤン・ジヨンも柏木さんですか?
    柏木 そうです。ボクですね。
    ――いま世界のMMAのレベルが上がっているからかもしれないですけど、普通に強かったですよね。
    柏木 いい選手ですよね。とはいえ、ちゃんとやったら朝倉選手が地力勝ちするだろうなとは思います。
    ――そういう意味では、今回のラーラ選手もアナスタシア・スベッキスカ選手も、あと2~3年やったらビッグプロモーションと契約しそうだなという絶妙さもありますし。
    柏木 もちろん、そこを狙ってピックアップしていますね。というか、本当はボクもあと1年ぐらい待ちたかったんですよ。ただ、ラーラなんかはこれで1年ぐらい待っていたら、どっかのタイミングでコンテンダーシリーズに出るだろうなと思ってましたし。いまのUFCはメジャー、マイナー、トリプル、4軍ぐらいまでできているじゃないですか。こっちも早めに契約しないとすぐに持って行かれてしまうんで。それこそ、ラーラはRIZINに上がらなかったらコンテンダーシリーズでほぼ決まりのような選手だったので、今回勝っても負けてもRIZINで育てればいいかなという気持ちがありました。
    ――いまRIZINで試合を見られるのは貴重かもしれない。
    柏木 アナスタシアに至ってはIMMAFの世界チャンピオンですからね。いまのIMMAFってどんどん大きくなっていて、レベルがめっちゃ上がってきてるんですよ。もう各国に責任ある組織があって、いま150カ国以上が参加しているんですよ。
     
  • 【13万字・記事17本詰め合わせセット】佐藤大輔、『Breaking Down』、神龍誠、青柳館長、ターザン後藤

    2022-07-31 23:59  
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    part103
    ◎THE MATCH総合演出・佐藤大輔「天心も武尊もちゃんと送り出せる映像を作りたかった」

    ◎佐藤大輔インタビューの面白さを解説する会

    ◎松根良太インタビュー  いかにして「沖縄から世界」は結実したのか

    ◎【電撃連戦】山本空良「ケラモフに勝って……斎藤裕選手と戦いたいです!」

    ◎【所英男戦!】UFC王手の神龍誠がRIZINに出る理由

    ◎RIZIN沖縄は内容的にも金銭的にも「大負け」です■笹原圭一

    ◎木下憂朔ラスベガスUFCコンテンターズ出場

    ◎平本蓮とRIZINの契約、井上直樹vs瀧澤謙太、PFLとベアナックルは美味しい■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎【RIZINデビュー】強くてかわいくて極めれる17歳JK柔術家!!  須田萌里インタビュー

    ◎ケラモフvs山本空良はなぜ第4試合なのか■試合順評論の会

    ◎『Breaking Down』から生まれるのは堀口恭司か、山本太郎か

    ◎プロレスを変えた空手家・青柳政司館長を語ろう◎正道会館と藤原組退団■臼田勝美インタビュー②

    ◎新日本プロレスが丸ごと直輸入された『FORBIDDEN DOOR』■「斎藤文彦INTERVIEWS」

    ◎ビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料

    ◎頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ◎「カネを返さないならベルトを燃やす!」老舗インディ団体の嘘と愛の結末

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉THE MATCH総合演出・佐藤大輔インタビュー。THE MATCHの那須川天心vs武尊の煽りVはどのように作られたのか。12000字で迫ります!(聞き手・ジャン斉藤)
    ――佐藤大輔さん渾身の映像が華を添えたことでTHE MATCHは素晴らしいイベントでした。
    佐藤 まあボクらがやれば素晴らしくなるのはわかっていたことだから。
    ――ハハハハハハハハ!
    佐藤 いきなり偉そうですか?(笑)。
    ――いや、気持ちいいです(笑)。
    佐藤 マジメな話、我らRIZINチームはスポーツの演出においては世界一という自信をもって臨みましたよ。
    ――でも、佐藤大輔さんってキック嫌いですよね。それなのにオープニング映像や天心vs武尊の煽りVまで、キックイベントを素晴らしく演出できるのがすごいなって。
    佐藤 ボクがキック嫌いとか、そうやって根も葉もないデマを流して煽ろうとするのは三流マスコミの悪いところですよ。
    ――えっ、違うんですか?
    佐藤 MMAより詳しくないし、キックをそんなに見てこなかったから、ぼんやりしているだけですね。
    ――でも、フジテレビ社員時代はK-1の煽りもやってましたよね?
    佐藤 1999年2000年の煽りはボクが作ってましたね。アーネスト・ホーストに「バンナがこんな悪口を言ってます」って伝えて『I’m 4 times champion.』を引き出したのはボクですね。でも、そんなに前のめりでキックは見てこなかった。フジテレビ局内はPRIDEとK-1に割れていく中、PRIDE側の中心になったし。DREAMのときTBSとギクシャクしてたのは、いわゆるK1MAX的世界観的なものと相容れなかったわけですから。
    ――PRIDEvsK-1対立時代のしこりが感覚的に残っているわけですかね。
    佐藤 ああ、それは血液型レベルで残ってるんじゃないかな。
    ――そんな佐藤大輔さんがじつはこの7年間、RIZINの煽りVで密かに天心vs武尊を煽り続けてきてきましたよね。何かを示唆するシーンを一瞬、挟み込んだり。
    佐藤 ああ、あれは「どこまでやったら怒られるかな?」っていうゲームです(笑)。
    ――ずいぶんスリリングなゲームですね(笑)。今回のオープニングにも挿入された那須川天心の「誰と戦いたいですか?」というマイクは、両陣営のいざこざの原因にもなりましたよね。あのシーンですら物語として消化してるんだなと。
    佐藤 あの発言自体は問題ないんだろうし、そこは有無を言わせないオープニングVの出来になったってことじゃないですか。やっぱり感動しちゃったら、表に出したいと思っちゃうでしょう。
    ――作品として崩したくないと。
    佐藤 今回はいろんな人の協力があって、映像が作れたんですけど。個人的には関(巧)さんの存在が大きいです。関さんがいたからキックと繋がれたところがある。
    ――制作会社ブロンコス代表の関さん。昔からK-1関連のテレビ番組のクレジットでよく名前を見ますね。マニアックな情報としては『週刊プロレス』常連投稿会プレッシャーの会長を務めたこともあります(笑)。
    佐藤 関さんはいまはK-1のマッチメイクを中心にお仕事をされてますけど、昔からいろんなプロレス格闘技に関わっていて。ボクとはPRIDE時代からの付き合い出し、『やれんのか!大晦日2007』でも一緒だったし、そういう意味ではつかず離れずとやってきた。「お互いに趣味が違ってよかったね」って間柄。だって関さんは全日本プロレスファンだけど、こっちは新日本プロレス。関さんはキック大好きだけど、こっちはMMA大好き。お互いに好みが違う。「なんで全日本プロレス好きだったんですか?あんなもの」「ああ、新日ファンってそういうこと言うよねー」みたいなやり取りも面白くて。
    ――なんてったって会社の名前からしてテリー・ファンクな「ブロンコス」ですからね(笑)。昔からのつながりがあったから、いざ何かやるぞとなったらスクラムが組めると。
    佐藤 面白いことができるとなったら、メンツや意地とかっていうよりもオモシロで繋がれる。「うわ、それ、面白いですね」「オマエ、面白いこと考えるじゃん」と。オモシロできたら、こっちもオモシロで返すしかないでしょ。そこは那須川天心も一緒。関さんもそういう脳がある人。まあ榊原(信行)さんはオモシロの権化だよね(笑)。
    ――地獄のオモシロ・プロモーター。
    佐藤 よくよく考えたら、俺と関さんがいまだにやってるんだから、お金を出す人は変わっても格闘技界の現場は変わってないってことだよ。
    ――逆にそういうオモシロな大人たちが不在になったら、格闘技界はどうなるんだろうなっていう。
    佐藤 「佐藤大輔・後継者」問題ですね。
    ――自分で言いますか(笑)。
    佐藤 「榊原信行・後継者」問題もありますね。候補は誰かいますか?
    ――うーん、ビジネスの巨大な山を動かせるのは朝倉未来選手ですけど、プロモータータイプかといえば、ちょっとわからないですね。
    佐藤 少なくとも自分たちの世代にはいないですよね。後継者問題はフジテレビ以上に大変ですよ。ソフトづくり的にはフジテレビが離れても、俺がフジテレビ以上にフジテレビなわけだから。
    ――俺がフジテレビ宣言! いろいろあったとはいえ、THE MATCHの地上波がなくなると聞いたときはどう思いました?
    佐藤 鬱。強がっていたけど、鬱。
    ――あー。
    佐藤 風邪もひいちゃって、なんにもやる気がなくなりました。撮影自体は全部済んでいたんですけど。
    ――それだけショックだったのは、テレビ局のいた人間として地上波にこだわりがあったからですか?
    佐藤 地上波にこだわりがあったというか、それは「俺がフジテレビ!」だからだよね。
    ――フジテレビがなぜ「フジテレビ」を放送しないのかと。
    佐藤 でもまあフジテレビには感謝しかないですよ。ここ何年間、RIZINを扱ってくれたことに関しては感謝しかないです。
    ――フジテレビがなかったらRIZINは始まってなかったし、ここまで続いてなかったですよね。
    佐藤 地上波がなくなったことはもちろん悔しいけど、フジテレビというテレビ局自体は最後まで応援してくれたから。
    ――「フジテレビというテレビ局自体は」ですか。
    佐藤 さらに上の人たちの判断だよね。老人たちの逃げ切りは、日本社会の縮図ですよ。だからフジテレビに恨みはないです。「ありがとう!」としか言いようがないです。だってフジテレビがなかったらRIZINもない。ってことは、那須川天心や朝倉兄弟も、こうはなってなかったということですからね。
    ――つまり今回の天心vs武尊も実現しなかったってことですね。
    佐藤 そういう意味では、この試合をフジテレビから届けられないのは、天心と武尊と同じくらい無念です。フジテレビがなくなっても、RIZINはお金的にはそこまで関係ないのかもしれないけど……地上波がないなら俺はもう引退かなって思った。
    ――緊張の糸が切れたってやつですかねぇ。
    佐藤 しばらく休みたいな……って本気で思いましたよ。なんで元気になったかっていうと、○○○○○の話が出てきたから。
    ――えっ、そんな話が。
    佐藤 あ、知らなかった? 向こうの現場はノリノリで、もうあと一歩のところまで行ったらしい。まあ最終的にはギリギリすぎたんで調整はつかなかったんだけど。いまなんとなく元気があるのはPPVの数字がよかったこともあるし、もしかしたら将来的にこういうチャンスがあるんじゃないかな……と。
    ――佐藤大輔さんにとって地上波は精神的支柱だったわけですね。
    佐藤 それに今回の映像だってフジテレビで流す前提のものだから。
    ――すごくきれいで心が洗われるような映像でした。いまから殴り合いが始まるのに。
    佐藤 自分で言うのもなんですけど、抑制が効いてて美しかったでしょ。俺の暗黒面みたいなところを持って、グリグリに2人の因縁を煽ることもできたけど。俺以上に天心vs武尊を待ち望んでいる人が多いから、その人たち全員を納得させるものを作らなきゃいけない。やっぱり天心も武尊も両方をちゃんと送り出したいでしょう。なんなら試合前に両方の選手がその映像を見て、ちょっと涙ぐみそうになるのがベスト。関係者も含めてウルッとさせたい。
    ――派手に煽ったり、どちらかに立った視点ではないものを見せたい。
    佐藤 選手を含めて誰にも文句を言わせないものを作ったという自負がありますよ。あともうひとつ描きたかったポイントは那須川天心と親父さんの関係。正直ここ1年はずっとギクシャクしていたでしょう。
    ――父と子にありがちな仲はよくない雰囲気が漂ってましたよね。那須川天心はキック最後の試合で宿敵と戦い、そして親父さんとの和解がゴールだった。
    佐藤 そうなんですよ。“父許し”。まさに『エヴァンゲリオン』なんですよね。RISEのラストマッチの風音戦は同門対決で、親父は風音のセコンドについたでしょ。あのカードのVは俺が作りたかったなあ……とも思った。まさに『シン・エヴェンゲリオン』でいえば、電車から親父を下ろすための試合だったんだなって。
    ――武尊との物語が巨大すぎて、親子の物語にはなかなか目が向きませんでしたけど。
    佐藤 だから親父さんのことは煽りVでも最後にさらっと見せた。で、大会途中に「天心vs武尊の歩み」というドキュメンタリーVを流したでしょ。
    ――“碇ゲンドウ”な立木文彦さんナレーションで。
    佐藤 あれでなんとなくわからせようかなって。今回の武尊戦は親父との再合体の物語でもあるよ、と。
    ――その前提で見ると、お父さんに触れた那須川天心最後のマイクも味わい深いですよね。
    佐藤 天心にとってお父さんの存在はデカイんだよ。で、ライバルの武尊くんもいいよねぇ(しみじみと)。いまどきこんなに素直な子がいるんだと感心した。終わったあと泣きながら謝る姿とかもさ……ちょっと心配になってくるよね。
    ――武尊、お父さん、K-1vsRISE、RIZIN……と様々な視点がある中で、ひとつの映像に落とし込むのは大変な作業だったわけですね。
    佐藤 最初に「ボクがやれば素晴らしくなるのはあたりまえ」なんて言ったけど(笑)、なかなか難しかったし、自分だけの力ではできなかった。いろんな人の力を借りましたよね。VのコピーはRIZINと同じく松下ミワさんね。どれも最高でしょ。彼女もホントに大変だったと思う。あと選曲はFantastic Plastic Machineの田中(知之)さんにお願いした。東京2020オリンピックの音楽監督。
    ――えっ、そうだったんですか!?
    佐藤 俺の選曲じゃ無理だと思ったから。そうしたらエヴァのヴンダー発進の曲(Dark Defender [3EM-06] )を出してきた。「うわ、そうですね!これですね!」って一発で納得しましたよ。
    ――エヴァだから佐藤さん選曲ではなかったんですね。
    佐藤 違う違う。そもそもFPMの田中さんは、PRIDEの煽りVが覚醒したきっかけを作った人ですよ。偉大なミュージシャンだし、ボクの師匠。桜庭和志vsヒカルド・アローナ、ミルコ・クロコップvs美濃輪育久(現ミノワマン)、ノゲイラvsジョシュ・バーネットもFPMの曲ですよ。
    ――知りませんでした。
    佐藤 教養がないよ!(笑)。煽りVを覚醒してくれた人にこうして天心vs武尊の選曲を頼むことで、恩返しもできたかなと。
    ――いままで田中さんにお願いしたことってあるんですか?
    佐藤 ないです。ここぞ、だったわけですよ。田中さんも格闘技に詳しいから「この試合は重いですね。その重さはよくわかります」と。オリンピックで使いたかったけど、使えなかった曲があるんですよってことで、エヴァのヴンダー発進の曲をポンとかけた。たしかにこれはすげえわと。
    ――東京オリンピックも、エヴァも、天心vs武尊も伸び伸びになった共通点がまたいいですね。
    佐藤 メインの煽りVでも使った『イノセンス』もオリンピックで使いたかったんだって。「リベンジさせてくださいよ、佐藤さん」ってことでね。
    ――煽りVからオリンピックの神々しさを感じさせたのはそういうことなんですね。
    佐藤 そういうことです。メジャー感、ドラマチックさ、感情を揺るがすのはあたりまえだけど、日本のアーティストで、しかもサブカルであるというか。反抗的なもの、カウンター的なものをちゃんとぶつけてこられる田中さんはすごい。教養のない斉藤さん、我々はこうやって日本のカルチャーから深く考えているんですよ。
    ――教養がなくて、すいません(笑)。
    ・なぜ天心は茂みを歩き、武尊は屋上に? 煽りVの解釈
    ・THEMATCHで気になった煽りV
    ・見習うべきK-1の潔さ
    ・東京ドームに投下したかった「クロン・グレイシーvs○○」
    ・RIZINに必要なものは○○である
    ・格闘技がブレイクするのは「煽り映像」がなくなったとき?
    ・幻の地上波構成案
    ・ボクシングに向かう那須川天心へ……12000字インタビューの続きは「13万字・記事17本詰め合わせセット」へ続く

     
  • 【15万字・記事20本詰め合わせセット】天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠……

    2022-06-30 23:59  
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    part102


    ☆RIZIN広報・笹原圭一のエンドルフィンマシーン的THE MATCH!!


    ☆【技術解説】那須川天心vs武尊■鈴木秀明


    ☆飛び立つもの、根を張るもの…那須川天心vs武尊


    ☆THE MATCHフジテレビ放送取りやめ…「テレビ格闘技」の最期は唐突に


    ☆UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」


    ☆次はベラトールのタイトルマッチだ! 渡辺華奈&上田貴央インタビュー


    ☆【ROAD to UFC】最短契約へGO!! 中村倫也インタビュー


    ☆【殺しのプリンスがヤバイ】風間敏臣さん、チャーオリや青木真也のことは知ってますか?


    ☆DEEP佐伯繁が見た「テレビ格闘技と現実」12000字


    ☆RIZINに帰ってきたイリー・プロハースカという名のロマン


    ☆牛久、斎藤裕に勝ったフェザー級・裏最強!! ユータ&ロックは実在した!!


    ☆オール・ユー・ニード・イズ・キル!! ループする榊原信行


    ☆ROADtoUFC準優勝でも契約?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク


    ☆【UFCトーク】イリーの愛すべき不安定さ、風間敏臣vs中村倫也の展望■水垣偉弥


    ☆続・飯伏幸太騒動…レスラーと背広組はわかりあえない■事情通Zの「プロレス 点と線」


    ☆いったい何が? コロナ陰性「偽造」証明書の偽造事件?


    ☆新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方■「斎藤文彦INTERVIEWS」


    ☆ノアの節目で起きる小島聡のGHC挑戦■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ☆【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ☆注射器を持ち込んだデスマッチファイター第2の人生、サムタック・ジャックの場合

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はTHE MATCH2022を12000字で振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――笹原さん、THE MATCHおつかれさまでした。
    笹原 ……いろんなことが起こりすぎて、ところどころ記憶が抜け落ちてます。だってメインが終わって疲労困憊して後片付けをしていたら、ウチのスタッフがパスの偽造犯を捕まえて、結局警察まで一緒に行って事情聴取が終わったのが朝の4時ですよ!
    ――ハハハハハハハハ! 
    笹原 もう最後のほうは意識が朦朧としていて「……あれ?俺が捕まったのかな?」って思い込んじゃうくらい疲れてましたから。
    ――最後の最後まで、ただでは終わらないTHE MATCHってことですね。 
    笹原 まぁでも、THE MATCHのPPVが50万件を突破したことをABEMAさんから聞いて、一気に目が覚めましたよ! 50万ってとてつもない数字ですよ。普段は口もきかないABEMAの北野さんと抱き合いましたから(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 仲の悪さも数字で吹っ飛んだと。 
    笹原 普段は口もきかないというのはもちろん冗談ですけど、ABEMAも数字はもちろん上がってほしいけど、あまりにアクセスが集中すると…みたいな不安もあったみたいなので、大きな事故もなく配信できてこの数字を叩き出したのは本当に凄いですよね。間違ってABEMAがボクに社長賞とかくれないですかね?
    ――厚かましすぎですよ!そんなことよりも一部のファンが「今回の儲けが“メイウェザー資金”になる!THE MATCHは実はTHE MONEYだった!」って戦々恐々としてますよ! メイウェザーが朝倉未来戦の記者会見に出ただけで2億円もらったとか言い出したこともあって。
    笹原 それ、デマですよ。会見に2億も払うわけないじゃないですか。まぁメイウェザーはそういう物言いをあえてしてるってことですね。
    ――なるほど。そうやってメイウェザーは己のブランドイメージを高めてるってことなんですかね。
    笹原  THE MATCHが商業的に大成功に終わったことで、あることないこと……いや、ないことでしかない噂が飛び交うと思いますから、皆さんも落ち着いてください。
    ――「笹原さんがABEMAの社長賞として2億円もらった」という噂が出かけないか不安になってきましたよ(笑)。それにしてもTHE MATCHの50万件突破って前代未聞の数字ですね。
    笹原 羽毛よりも口が軽い斉藤さんには教えられないですが、試合当日だけで過去のプロレス格闘技イベントのPPV件数の記録を突破しましたから。
    ――これまでのPPV記録は2002年の国立競技場『Dynamite! 』の10万件といわれてますけど、「試合当日だけ」の売上だけでその記録を……。
    笹原 軽く超えてますね。
    ――うわー、試合当日だけで軽く10万件を! それでよくサーバーが止まらなかったですねぇ。
    笹原 画質もめちゃくちゃ綺麗だし、100万件くらい申し込みがあっても大丈夫なくらいのサーバーを用意していたみたいですし、違法動画動画に関しては30人体制でバンバン叩きまくってるみたいです。6月20日の夜に天心vs武尊のメインだけをABEMAで無料放送したので、そこからPPVの購入者数はまだまだ増えそうですね。
    ――それは地上波がなくなったことも大きいんでしょうね。
    笹原 ノー地上波がブースターになったことは間違いないです。地上波がなくなったとたんにABEMAはこれまで以上のプロモーション展開をしたんですよ。具体的な金額は言えないですけど、聞けば「マジか!」って驚くほどのお金を使ってテレビコマーシャルを打つ、都内に広告トラックを走らせる、駅広告を出しましたから。「ここぞ!」というタイミングでお金を張ってギャンブルに勝ったって感じですよね。
    ――サイバーエージェントの藤田(普)社長は麻雀打ちですし、ボクとは時期が被らないんですが、雀鬼・桜井章一のところで麻雀を習っていて。恐れおおくて雀鬼の門下生アピールってできないもんですけど、雀鬼いわく「俺との関係を公言しているのは藤田くんと……オマエだけだ」と。まあボクのことは、ものすごく苦々しく口にしてましたけど! 
    笹原 そりゃあABEMAとDropkickじゃ50万どころが5億倍以上の違いがありますよ! だいたい今回は相手が降りた瞬間にリーチして、直後にリャンピンを暗カンしたらドラがモロ乗りして、安パイがなくなったフジテレビが暗カンの壁を頼りにフジテレビマークと同じ目玉のイーピンを振り込んで、裏をめくったら裏ドラもモロ乗りでリーチタンヤオの手が数え役満になったみたいな話ですよ!
    ――麻雀に興味がない人がついてこられないです! それにしても地上波が消えたことでネットPPVの記録を作られた。時代の移り変わりをあらわすイベントになったんですね。
    笹原 歴史が動く、パラダイムシフトが起きるときって自分たちの力ではない見えない力が働くんだろうなって思いました。“神の配剤”じゃないですけど、たとえば武尊選手が6月にケガをしていなければ、昨年末にこの試合が行なわれていたらって考えると、本当にいろんな偶然が重なっていますよね。
    ――仮に昨年末に実現していたら、間違いなくPPVのこの数字は出なかったでしょうし。
    笹原 アメリカの人口と比べると日本は3分の1程度。そう考えると今回の結果はアメリカでいえば150万件規模。アメリカでは100万件が大成功のひとつの目安になっていますけど、日本市場もそのポテンシャルがあるってことを証明できたってことですよね。
    ――海外のPPVはなかった理由は何かあるんですか?
    笹原 海外配信の話もあったんですけど、やはりキックボクシングはドメスティックなジャンルで、海外ではビジネスにできるほどの反響はないんですよ。
    ――キックって日本独自の文化に近いですもんね。
    笹原 でも私が聞いた話だとダナ・ホワイトはTHE MATCHのことは全然知らなくて、「ああ、あのメイウェザーとやった選手(那須川天心)出るのか」程度で。ただ、東京ドームが完売したゲート収入の話を聞いたら「……おいおい、詳しく話を聞かせてくれ!」って前のめりになったそうですけど(笑)。
    ――さすがはダナ・ホワイト(笑)。THE MATCHというイベント自体が素晴らしかったですね。
    笹原 RIZINからは選手は誰1人も出てないんですけどね(笑)。
    ――選手じゃないですけど、オープニングの高田キャプテン、映像制作の佐藤大輔、選手コールでレニー・ハートさん。RIZINが運営としたことで、イベントの雰囲気はRIZINそのものでしたね。
    笹原  そりゃそうなりますよ。べつにRIZINっぽくしてやろうと思って作っているわけじゃなくて、絶対に面白いものにしてやろうという一心だけなんですけど。
    ――お客さんの反応も「RIZIN演出最高だ!」みたいな声が圧倒的でしたし。
    笹原 今回の特効(特殊効果)だって東京ドーム史上最大くらいに火薬や炎の機材や液体燃料を使ってますし、とにかくお客さんを楽しませて、驚かせて、選手にもやる気になってもらう! といういつも通りのスタンスでやったという感じです。
    ――THE MATCHはRIZIN、K-1、RISEの合同興行ですけど、こうした新規イベントをイチから作り上げるって相当大変だったんでじゃないですか。
    笹原 これは本当に大変でした。選手が「THE MATCH2をやりたい」とか一夜明け会見で口にするたびに耳を塞いでましたから(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    笹原 たとえばプレスリリースや、SNSのアカウントの運用、記者会見の進め方、券売管理、営業セールスのすり合わせ、競技運営とか、とにかくあらゆる実務の作業を本当にゼロから組み立てなきゃいけませんでしたから。
    ――リングにしても新しく用意するところから始めて。
    笹原 K-1やRISEのリングだと、どちらかにアウェイ感が出ますから。RIZINのリングを使おうにも、RISEの選手と違ってK-1の選手は一度も試合経験はないですよね。なのでK-1でもRISEでもないリングを探してきました。そして中立のイベント性を表現するために純白のリングにしようと。コーナーポストを真っ白に塗り直したんですよ。だからぱっと見は「あれ?新しいリング作ったの?」って感じだったと思います。で、大会が終わったら赤と青に塗り直して戻すんですよ。
    ――だからグローブの色も白で。
    笹原 グローブも新しく用意しました。K-1とRISEのグローブはそれぞれメーカーが違いますからね。天心vs武尊のグローブに関しては、ボクシンググローブの老舗メーカーであるウイニングと決められてたんです。 だったら、他の試合もすべてウイニング製にしようとしたんですけど、あれって職人の手縫いなので間に合うかどうか……という問題もありましたし。
    ――ゼロから用意しなきゃいけないことだらけなんですねぇ。
    笹原 オープニングセレモニーも、そもそも「やらなくていいじゃないの?」という意見もあったんですよ。
    ――ああ、RIZINだとあたりまえだけど、やっていない団体の方が多いですもんね。
    笹原 天心武尊に関しては戻しの体重計量もあるし、「オープニングに出てもらうと2人に負担が増えるのでは?」とか、逆に天心武尊が中心のイベントなんだから「オープニングは2人だけで良いのでは?」とか……もうみんな好き勝手なことを言うわけですよ(笑)。それを1ミリずつ説得して、ようやくあのかたちになったんですよ。
    ――東京ドーム最大級の火薬量を使ったとは思えない、細かい話ですね(笑)。
    笹原 オープニングの曲もどうするか。今回は、旧K-1のオープニング曲だったプリンスの『エンドルフィンマシーン』を使いましたけど、そのあともK-1MAXのテーマ曲を流して、K-1 ワールドグランプリの曲を流す構想もあったんですよ。
    ――ガンマ・レイの神々しいやつ!(『Skeletons & Majesties 』)
    笹原 狙いとしてはキックボクシングの集大成という意味合いなんですけど、そうなると旧K-1のイメージが強いですよね。リングで戦うのはいまのK-1やRISEの選手たち。『エンドルフィンマシーン』だけは外さないようにして、そのあとは新生K-1、RISE、最後に天心vs武尊の煽り映像でも使用したエヴァンゲリオンの曲を流すかたちに落ち着きました。そう決まったのもたしか大会の5日くらい前ですよ(笑)。
    ――オープニングの構成だけでも、そんなに気を遣うわけですねぇ。
    笹原 リングアナやラウンドガールもそれぞれの団体から派遣されてますから、偏りがないようにどこで登場するか調整して……メインのリングアナはRIZINの太田(真一郎)さんで、ラウンドガールはK-1、RISEからそれぞれ2人にしてとか、とにかくバランスをとることに腐心していた感じです。
    ――調整作業を想像しただけで吐きそうになってきました。
    笹原 RIZINは選手も出してないし何もやってないじゃないか……って思われるかもしれないですけど、死ぬほど細かい作業を延々とやってたんですよ。
    ――じつは6月上旬にRIZIN LANDMARKをやろうとしてたけど、もし強行していたらTHE MATCHも修羅場になってたでしょうね(笑)。
    笹原 社長は「LANDMARKもできるだろ」と、あいからわず地獄のプロモーターなことを言ってましたけど、THE MATCHの準備をし始めたらシャレにならん仕事量だと気づいて、「LANDMARKは絶対に無理です!」と懇願して思い留まってもらいました(笑)。15万字・記事20本詰め合わせセットはまだまだ続く……
     
  • 【15万字・記事15本詰め合わせセット】伊澤星花、斎藤裕、西川大和、レッスルマニア、高田延彦、JBC…

    2022-04-30 23:59  
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    part100
    ◎伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
    ◎我々は斎藤裕、浜崎朱加の戦いを見届ける義務がある
    ◎【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
    ◎RIZINのテーピングが悪いのか?
    ◎【vs浅倉カンナ】SARAMI「彼女はもう、充分いい思いしたじゃん」
    ◎斎藤裕「次の試合で終わるかもしれないという緊張感、危機感はあります」
    ◎いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー
    ◎虚構の中で輝いた青木真也vs秋山成勲
    ◎アメリカインディの雄ROHの始まりと終わり、そしてAEWへ
    ◎これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件
    ◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・大谷晋二郎選手の試合中の事故について
    ・DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ
    ◎【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏
    ◎JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士
    ◎さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38■斎藤文彦INTERVIEWS
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    ウェルター級でも強さを発揮した修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――修斗の山田崇太郎戦はすごかったです!
    西川 ありがとうございます。
    ――1階級上のウェルター級初戦で、日本屈指のグラップラー相手に腕十字で一本勝ち。もちろん反響はすごかったんじゃないですか。
    西川 そうですね。やはり今回の試合に関しては、ボクが負けるという予想が格闘家や関係者のあいだに多かったこともあったと思うんですね。一緒に練習してる仲間の方々からは「勝てるんじゃない」という声がありましたけど、東京の選手たちは「今回の西川はキツイんじゃないか」と。自分自身では「行けるでしょう」と信じながら戦った結果、こんな試合になりました。
    ――そういった「西川不利」の予想はどう思われていたんですか?
    西川 東京に拠点を置いて練習すると、練習での強さがみんなに伝わりやすいところはありますね。選手や関係者に早く届きます。北海道や地方だと「あの人って強いの?」ってモノサシの基準がわからないと思うんですよ。
    ――交流が限られることで強さが伝わりにくいと。
    西川 モノサシの基準ってやっぱり練習が一番だと思ってるんですよね。やっぱり試合ですべて出しきれるかといったら、そうではなかったりするので。それはボク自身もそうですし、皆さんもそうですけど、練習が強さの基準になるのかなと思うんですよ。そうなるとボクの基準というのは北海道にいることで、なかなか皆さんやっぱり目にすることもないし、話を聞くこともないこともあって判断しづらいですよね。だからナメている選手のほうが多いのかなとは思います。
    ――下馬評が低かった理由に、ウェルター級転向初戦ということもあると思いますか?
    西川 階級を1つ上げるということは、やっぱり勇気がいると思うんですよ。勇気がいるということは、普通の人でいえば「怖い」という気持ちがあるってことですよね。そこを跳ね除けての試合なんで反対する人のほうが多いかなと。その怖さがあるから「西川は負ける」と予想されたんじゃないですかね。
    ――階級の壁や山田選手のグラップラーとしての幻想に飲み込まれてしまうような不安はなかったんですか?
    西川 よく皆さんは試合の前から「あの選手、強い」とか「この選手、ヤバイ」という話をすると思うんですよ。でも、試合になってみないとわからないことって多いと思うんですよね。いくら「あの選手のパンチ力はヤバイ」「寝技の極め力がすごいよ」って動画で言っても、それを見てる人には伝わるかもしれないですけど。じゃあ“対自分”になったときに通用するの?という話になると、またそれも変わってくると思うんです。それは逆にいえば自分のスタイルにも言えることで、対戦相手に通用するかもわからないです
    ――極端なことをいえば、情報はすべて先入観にすぎないってことですね。
    西川 ボクが練習に集中した生活を送りたいというのは、そこなんですよ。対戦相手の動画で見て研究するのも悪くないんですけど、仮に作戦がハマらなかったときに誰が助けてくれるの?となったら自分しかいないじゃないですか。これはすごく言いたいことなんですけど、普段の練習から試合していると思ったほうがいいですよね。すべてにおいて「戦うということはなんなのか?」っていう準備を普段からしてこそファイターだと思ってるので。ここらへんの意識の違いが今回の試合に出たのかなと思います。
    ――普段からそういった姿勢で練習していないと、緊張感や興奮に包まれる試合では実力が発揮できないこともあるってことですかね。
    西川 そうですね。余裕を持ったり、心をリラックスしながら練習することもいいとは思うんです。ボクはそれを許さないタイプの人間なんで、普段から気を引き締める。誰かと仲良くしようとしてるわけじゃないので、戦いというのは。
    ――こうして冷静な語り口な西川選手ですけど、試合では闘志溢れていますよね。練習のときも試合のテンションに近いということですか?
    西川 常に試合を想像して、不利なところもあれば有利なところもあるってことを想像しながらの練習を意識してるので、やっぱり緊張感は出ますよね。
    ――そういった練習が試合でも効いてくるってことですね
    西川 やっぱり格闘技は「やるか、やられるか」なのでメンタルを左右する競技だと思ってまして。なので、普段から緊張感は自然と出るような感じになります。どんなに強い相手だろうが、どんなに弱い相手だろうが、体重が軽い相手だろうが、向こうは自分を倒しにくるわけじゃないですか。やりにきてるわけですから練習も戦いというか、気を抜かないことはやっぱり大切ですよね。
    ――それこそ練習じゃなくて、普段の生活からそういう感じなんでしょうね。
    西川 ああ、だから結局1人なんですかね(苦笑)。
    ――だんだんと友達が少なくなっていく……みたいなことをおっしゃってましたけど。
    西川 もともと少なかったわけではないんですよ。こんな感じで話したりするタイプの人間でもなかったので、おちゃらけタイプの感じで。
    ――あ、そうなんですか(笑)。
    西川 ボクの中学生のときの同級生に話を聞いたらビックリすると思いますよ。もう中身は全部変わっちゃった感じですから。そうやって変わってしまったことで、ボクから疎遠になったわけではなくて、周りが近づいてこなくなったって感じですね。
    ――それだけ志が高いってことなんでしょうね。
    西川 そうおっしゃってくださると嬉しいですけど。
    ――そういう意識を積み重ねることで、試合中にも混乱しないわけですか?
    西川 そうですね。いまも話したとおり、試合になれば相手はボクに対してやりにくるわけじゃないですか。なので、ボクが試合を100パーセント、コントロールできるものではないと思うんですよ。相手はやりにきてるんだから、自分もやられて当然だっていう意識を持つ。そこで自分もやりにいくことで、お互いが交差するのが戦いじゃないのかなと思ってて。自分がダウンすることもあれば、獲られそうになるってことは常に頭と心に置いてあります。
    ――完璧に戦えることは想定しないと。
    西川 ないです。戦いに完璧はないです(キッパリ)。
    ――たとえば今回の試合で最初に組んだとき、山田選手とのフィジカル差は感じませんでした?
    西川 同じ体重なのでバカみたいなフィジカル差は感じないんですけど。今回にかぎらず、北海道では感じることのできないフィジカルだったり、それこそスピードだったり、そういうものを試合で感じたことはよくありますね。でも、それは相手も同じだと思うんですよ。いままでやったことないようなスタイルだったり、フィジカルだったり、スピードだったり、身体の圧力、そして気持ちの圧力、それらをボクから感じた選手もいると思うんですよ。そこはオアイコですよね。どっちもどっちです。
    ――あのファーストコンタクトで心を乱さないのはさすがですねぇ。
    西川 その選手が持ってるバックボーンにビビらないってことが一番大きいんですよ。たとえば空手やボクシングのバックボーンを持っている選手もいますが、それは空手とボクシングでの実績でもあり、今回はグラップリングの実績ですよね。たしかにそこでやり合ったら強いです。逆にいえば、自分は幼少期から総合格闘技をやってきてるわけです。
    ――ああ、なるほど。西川選手の庭、総合格闘技で戦うわけですもんね。
    西川 総合格闘技というのは打撃もあるし、組みもあるし、寝技もあるし、得意ではない分野で戦うことを意識しないといけないです。そうなると、力が半減することもありえますよね。たとえばグラップリングがバックボーンの選手も、打撃がバックボーンの選手も、総合格闘技になったら、その力が40パーセントに落ちる場合もあれば、ヘタしたらゼロになる場合もある。逆にその自信を逆手に取ることもあるんですよ。自信を持ちすぎて、逆に動きが固くなる選手もいます。パンチ力にすごい自信があって「これさえ当たれば……」と考えてしまうことで固くなっちゃうんです。
    ――自信を持ちすぎちゃってプランB、プランCの選択ができなくなると。グラップリングという分野において山田選手は圧倒的な強さがあるけど、総合格闘技の戦いに持ちこめばわからないし、こういう結果になったということですね。
    西川 総合でよくあるのがグラップリングの強い選手が打撃の選手相手にパンチでダウンを奪うことですね。それは寝技に特化した圧力があるから、スタンドでパンチが当たりやすくなる。逆に今回のボクみたいにグラップリングが強い相手から一本を獲ることもあるわけです。今回の試合に関しても、もしかしたら自分が極められたかもしれないし、スタンドでKOをされたかもしれない。実際にやってみないとわからなかったと思いますね。
    ――それほど展開が複雑な競技ってことですね。
    西川 注意するところが多いですし、メンタルも意識しないといけない。相手が自分の不得意な分野を突いてくることはあたりまえにありますから、自信を持ちすぎてもいけない。いろいろと考えると悩んでくるし、怖くもなってくるし、そうなった状態で自分の持ってる力を試合で出せるの?ってことですよね。
    ――本当に“総合”が問われる競技。
    西川 悪い言い方をすると、総合格闘技って卑怯な競技ですよね。――卑怯な競技! 西川選手の発想は面白いですねぇ。19歳とは思えないです。15万字・記事15本詰め合わせセットはまだまだ続く……

     
  • 【15万字・記事17本詰め合わせセット】平本蓮、ジモキック問題、関根シュレック、ハヤブサ、浜崎朱加…

    2022-03-31 23:59  
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    part99
    ◎平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」

    ◎浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」

    ◎【語ろうドブネズミ】笹原圭一「何連敗しようがRIZINは平本蓮に付き合う覚悟があります」

    ◎ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」

    ◎自由すぎる投神・倉本一真「RIZINに出るまでは週3の練習だったのを奥さんが……」

    ◎RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎「偶然じゃないことを証明する」

    ◎RIZINフェザー級を燃やす「王座挑戦者アングル」

    ◎「PRIDE35→RIZIN35」から見えた進化するジャパニーズMMA

    ◎青木真也に降り続ける『やれんのか!』

    ◎元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件

    ◎キックぼんやり層に贈る「RIZINジモキック問題」とは何か■現地観戦の鬼サーバル

    ◎世界最遅! シバターvs久保優太を語ろう■松澤チョロの脱線プロレス

    ◎追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール■斎藤文彦INTERVIEWS

    ◎【こじらせU系】関根“シュレック”秀樹「Uインターが新日本に負けるとは思わなかった」

    ◎齋藤彰俊インタビュー②「W★ING参戦、新日本プロレスvs誠心会館」

    ◎元・東スポ記者が語るハヤブサの不死鳥な想い出■寿浦恵一

    ◎AEW設立メンバー、コーディ・ローデス離脱

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    UWFの熱を浴びて人生を変えられた方々にあの運動体を振り返ってもらう「こじらせU系・第5弾」。今回は関根“シュレック”秀樹!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――昨年の大晦日RIZINでいえば、“大晦日格闘技”の重みを一番知っているのがシュレックさんだったなという印象でした。
    関根 ありがとうございます。でも、いろんなスタンスの選手がいていいと思うんですよね。全員が全員、俺みたいだったら、それはまたおかしいし(笑)。
    ――ハハハハハハハ! 暑苦しい感じになっちゃいますね(笑)。
    関根 やっぱり、天心選手とか、昔の大晦日を知らない若い世代がいてこそ、こうやって格闘技がどんどん発展していくわけですから。
    ――天心選手の場合も大晦日に試合をして、RIZINを卒業したいというこだわりが強かったですし、選手によって、大晦日の思い入れは違ってくるんでしょうね。シュレックさんの場合はそれこそ『猪木祭り』の頃からですよね。
    関根 そうですよ。そして、その前からの流れから見てますからね。新生UWFの崩壊、そして3派に分かれて、PRIDEが誕生して……という。そこからの話になっちゃいますから。
    ――だからこそ記者会見での涙だったわけですけど、RIZINからはどんな大晦日のオファーだったんですか?
    関根 はっきりとは言われてないんですけど、次はスダリオ剛選手の相手というプランはRIZINにあったと思います。12月にDEEPのほうで試合を組んでもらおうとしても、「関根さんは大晦日がたぶんあるでしょ」って。
    ――DEEPが気を使ってくれたわけですか(笑)。
    関根 実際10月のRIZINでスダリオ選手との試合をオファーされたんですけど、その前に大日本プロレスの関本大介さんとの試合があったんで、先のオファーを優先して断って。で、スダリオ選手がケガをしたと聞いた瞬間、シビサイ選手とやるかもなと。
    ――そして実際にシビサイ戦のオファーがあったんですね。
    関根 「もうないのかな……」って思い始めたときに電話がかかってきて。こっちからすれば「どんな相手でもやります!大晦日に出られるんだったら」と。夢見心地ですよねぇ。「この話は本当なのかな……」という(しみじみと)。一方で「相手はシビサイか、厳しいな」。スダリオ選手は戦力グラフでいうと、いびつじゃないですか。作戦がすごく立てやすいんですよ。シビサイ選手だと、寝技やグラップリングに関しては俺のほうが上だけど、身長、体重、若さ、リーチ、打撃力とかすべてが劣ってる。厳しい相手だなって。
    ――大晦日の舞台に立てることはうれしいけれど、試合に対する不安は大きかったんですね。記者会見で涙を流すことになるとは思ってましたか?
    関根 涙は出てくるんだろうな……と思ってたんだけど、泣かないように違うことばっか考えてて。前日から大晦日のことを思うと涙が出そうになる。だってあの会見のあと、帰りの新幹線でずっと涙を流しながら、弁当を食ってたんですよ。
    ――怖いですよ(笑)。
    関根 涙が止まらなくて。ツイッターでエゴサーチすると、やっぱり40代ファンがみんな感動したと。そういう言葉でまた涙が止まらなくて。50年分ぐらいの涙を流しましたよ(笑)。
    ――それはもう大晦日格闘技に出ることはないだろうな……っていう諦めもあったからなんですか?
    関根 そもそもファンのときは「大晦日に出たい」なんていう感じじゃなくて、「もし俺がああいう場に出たら」という妄想みたいな感じですね。夢や目標でもないです。格闘技を始めてからも2回オファーもらってるんですけど。警察官のときに『Dynamite!! 』ですね。でも、そのときは上の許可が出なくて、もう縁がないんだなっていう。
    ――公務員だといろいろと制約が……。
    関根 警察官をやめたけど、MMAの成績も低迷してたし、選ばれるわけはない。去年クレベル(・コイケ)が出たんですけど、クレベルっていうのは自分にとって道場の中でのライバルなんですよ。お互いにガンガン練習でやりあうし、そのライバルが大晦日に出るってことで練習も手伝って。彼の活躍を横目で見るわけじゃないですか。いいなあ……と思って。
    ――ファン時代からの思い入れと、格闘家としての目標もないまぜになったことで涙だったんですね。
    関根 若いときにUインターに入りたかったけど、団体が活動停止して。代わりに警察に入って、つらい思いをしたろ。いろんな思い出が走馬灯のように……。
    ――それが令和に実現するんだから人生って面白いですね。
    関根 こんな歳を食ってから。出られたのはヘビー級であるということ、仲間が活躍してるボンサイ柔術、あと「元・警察官」という肩書きもあるし、年齢もひとつのキャラクターというか魅力のひとつかなと。
    ――逆に昨年はクレベルが出られなかったんだから人生いろいろですね。
    関根 そこもまた、いろいろ言われてますけど、誰も悪くないんですよ。自分が全部、聞いたところ、あいだに入った人はクレベルのために動いていたし、RIZINはRIZINという舞台を世間に届けるために一生懸命やっている。クレベルはクレベルで、選手としてRIZINに出たい。
    ――本来だったらどこかで折り合わなきゃなんないけど、折り合えなかったケースってありますよね。
    関根 またクレベルはRIZINに戻れると思います(この取材はクレベルのRIZIN静岡大会出場発表前に収録)
    ――シュレックさんの入場曲は大晦日だけ「UWFのメインテーマ」でしたね。
    関根 やっぱりRIZINの源流はUWFなんで。一番使いたい入場曲だったんですけど、自分はUWFの人間ではなく、ただのファンですから。だけど、本当に一番いい舞台で、1回だけ使いたいなと思ってて。
    ――気軽に使うのは恐れ多い曲ってことですね。
    関根 そうですね。UWF解散後は山崎(一夫)さんが使ってましたけど、それ以外で使われたのは、あれぐらいじゃないですか。リングスKOKの田村潔司vsヘンゾ・グレイシー。
    ――グレイシーとの対決に臨む田村潔司がUのテーマで登場して日本武道館が大爆発!
    関根 あの光景を見たら使えないですよ。会場中の盛り上がり、観客の手拍子。そうそう使えない。 自分が命を懸けられるこういう舞台だからこそ使えるし、使ったからには「負けるときは死ぬ」覚悟はありました。船木誠勝さんがヒクソン戦で白目むいたけど、あれは本当に死ぬつもりでやってたから、ああいうかたちになったわけですよね。すべての生命エネルギーがなくなるまで動いて、戦い続けるつもりでした。
    ――あのジャーマンは気持ちで投げたところはあったんですね。
    関根 絶対ジャーマンで投げたいって思ったんですよ。ジャーマンで投げれたら、百歩譲って負けてもいいかなって。
    ――ヘビー級の試合でジャーマンで投げるってそれくらい大きなハードルですね。
    関根 自分は本当にゲーリー・オブライトが大好きで。メッチャかっこよかったですもん。みんなボッコボコ投げられて、田村潔司ですらボッコボコに殴られて。
    ――「オブライト」という名前がジャーマンに付いちゃうのは、いまだにインパクトあるっていうことですもんね。
    関根 仙女の橋本千紘さんですよね。「オブライトを知らなかった」みたいで、オブライトの現役時代を知らない子に受け継がれたってすごいですよね。
    ――シュレックさんは記者会見で泣いて、「UWFのテーマ」で出てきて、ジャーマンで投げ飛ばして、すべてやり切ったうえに勝っちゃうんだから、すごいですよ。
    関根 自分としては絶対に勝つつもりで。だからもう勝ったあとのマイクまで考えてあって。
    ――だからスラスラと「勝って言いたかったことは3つある。1つはUWF、プロレス最強! 2つ目はお正月でも働いてる警察官最強! あとね、40代、50代、30代、60代もまだまだ平成生まれに負けないね。昭和生まれ最強! もっと言いたいのは俺みたいなアラフィフのオヤジでも日本最強に諦めなきゃ、根性があれば勝てるんだよ。病気があって、困難があっても諦めずに生きてればいいことあるから、悩みがあったらオレに言ってきてや!」と。そういう気迫にシビサイ選手もやられちゃった感じですね。
    関根 考えてみると、そうなのかなって。お互いに疲れてるのもわかるし、ダメージもあるのに「なんでこのオジサンはインターバル中に頑張れって笑いながら言ってくるか」と。
    ――シビサイ選手からすれば怖いです(笑)。
    関根 怖いですよね(笑)。「もっともっといい試合しようぜ!」ってことで励ましてたら、セコンドのマルキーニョスに「早く帰ってこい」って連れてかれて。ボクシングでもあるじゃないですか。最終ラウンドが始まる前に健闘を讃えてハグしてから始まるとか。そういう文化が柔術にもあるんでね。
    ――最後は根性勝ちですよね。
    関根 それとヘビー級は、大砂嵐、ボブ・サップを見ても、筋肉量があると要求される酸素の量が多いんですよ。もちろん乳酸もたまるんですけど、酸素がないと苦しくて手足が動かない。これはとにかくトレーニングするしかないですよね。ボンサイはサトシやクレベルの彼らは普段は普段80キロ近くあったりするし、その人たちに合わせてずっと動いてるんで。俺もヘビー級といえど一緒の練習をやるので、動けるスタミナはあったんですよね。ヘビー級の人たちだけで練習してると、どうしてもそこに踏み込めないのかなと。本当にドロドロになるまで練習しますから。
    ――シュレックさん、ずっと呻いてましたね。怪獣じゃないかっていうぐらい(笑)。
    関根 プロレスの呼吸ですよね。関本さんなんかずっと声、出してるじゃないですか。
    ――プロレスの呼吸だったんですか!
    関根 そうです(笑)。これ、マネする人いないから言ってもいいと思うんですけど、意外とスタミナが持つんですよ。ボクらヘビー級ってすぐバテがちだから、呼吸が浅くなっちゃうんですよ。酸素を取り入れるためには、まず息を吐かないとダメなんです。肺の空気をいったんしっかり出してから、すっと酸素を取る。これが浅い呼吸だと、少ししか酸素が入らない。しっかり呼吸することが重要で。
    ――藤波さんや蝶野さんも理にかなってた!(笑)。
    関根 まさに藤波さんです。去年、一昨年ですかね。プロレスファンのオジサンが道場に入ってきて、藤波さんの呼吸をやってたんですよ。それを茶化してマネしてやってたら、けっこう動けるなっていう(笑)。
    ――デメリットってあるんですか?
    関根 デメリットは、若い子から見ると笑える(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 大晦日格闘技は昔から現場でご覧になってきたんですか。
    関根 そうですね。よっぽど抜けれない警察の仕事が入ったりとかしないかぎり。大晦日が非番、当直明けになるように調整するんですよ。
    ――最も印象に残っている大晦日ってなんですか?
    関根 やっぱり『やれんのか!大晦日!2007』ですかね。
    ――ああ、ボクも『やれんのか!』ですね。オールタイムベスト興行です。<会員ページへ続く> 
  • 【15万字・記事19本詰め合わせセット】ドミネーター、鈴木千裕、中井祐樹、菊地成孔、三浦孝太……

    2022-02-28 23:59  
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    part98

    ◎【vs平本蓮】鈴木千裕インタビュー「記者会見はムカついちゃいましたね~!」
    ◎弥益ドミネーター聡志インタビュー「いまの萩原京平は“1年前の実力”ではない」

    ◎【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」

    ◎三浦孝太インタビュー「格闘技と家族、男はつらいよ」

    ◎【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔

    ◎ネオ柔道・小見川道大“引退直前”インタビュー「すべて柔道で戦ってきた」

    ◎【戦慄のオリンピアン】太田忍インタビュー「ひとりずつ潰していく」

    ◎【サトシ教】サトシに勝てる日本人はいません■柔術ライター・橋本欽也

    ◎平良達郎のUFC契約はフォースのバランスを保つか

    ◎コロナ禍でスターダムが好調なのはなぜか■事情通Zの「プロレス 点と線」

    ◎平本蓮vs鈴木千裕決定の裏側/キッズMMAのパウンドについて■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

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    UWFの熱を浴びて人生を変えられた方々にあの運動体を振り返ってもらう「こじらせU系・第4弾」。今回は元祖・こじらせU系の中井祐樹先生! 総合格闘技やブラジリアン柔術を広めた原動力はUWFにあった(聞き手/ジャン斉藤)
    ――中井先生、UWFの話題がいまでも尽きないんです。
    中井 そうみたいですね。
    ――中井先生はこれまでUWFについて何度もおしゃべりになってますし、柳澤健さんが書かれた『1984年のUWF』でもキーマンとして登場されてます。こうして時代を越えて何度もUWFという運動体が話題になるのは、どうしてだと考えられますか?
    中井 なんていうんですかね、もちろん格闘技の原点と言いますか、格闘技の源流となったみたいな捉え方がひとつと。いまだにあのビジュアルもありますよね。あのレガースは格好いいんでしょう。
    ――WWEでもレガースを履いてるレスラーはいますね。プロレスのアイテムとして溶け込んでいます。
    中井 やっぱりプロレスの中でもひとつの完全にスタイルとして、何回も拡大再生産されているようなところがあって。そういうところでUWFが残っているんだろうなあとは思いますけど。いまはプロレスと格闘技が離れちゃったじゃないですか。でも、フッと格闘技の原点として思い出すのは、UWFになると思うんです。そういう捉え方があるんじゃないかなと感じますけどね。
    ――みんなUWFの話題になると熱くなるんですけど、じゃあUWFスタイルが見たいかというと、そういうものではなく。ノスタルジーとして「昔のプロレスは……」と語るときにたどり着くもの、そのひとつがUWFなのかもしれないですね。
    中井 そう思いますね。だけど、あのスタイルのプロレスにまだ可能性があると感じている人が少なからずいて。そういう人たちの熱が時々、ボクも引っ掛かってくるんですよね。
    ――それはどういう引っ掛かりですか。
    中井 ボクは『ハードヒット』でエキシビションマッチ(鈴木みのる&中井祐樹vs藤原喜明&近藤有己)に出場させてもらった恩義はありますけど。『ハードヒット』を主宰している佐藤光留さんはUの末裔というか、UWFの残り香はありますよね。UWFにこだわってやっているということは、ボクからすると、いまの時代にUWFの意味を問い続けているんだろうなと。
    ――Uのひとつの終着点であるMMAが確立されたいま、UWFスタイルにこだわるからには。
    中井 ロックアップから始まるプロレスの伝統からすれば、打撃から探っていくUWFのスタイルは、80年代では新しいプロレスだったと思うんですけれども。令和になっても新しいUWFをやっていくことに懸けている人がいるのは、ちょっと驚いた、正直。だけど、それはやっぱり格闘技だけでは表現できない“何か”がUWFにあるんだろうと思うんです。
    ――MMAだけがUWFのゴールではなかったんじゃないかと。
    中井 ボクはプロレスはできないですけど、それができる人の良さもいっぱいあるんだろうなあと思うんですね。格闘技なのか、プロレスなのか、という問いかけ以前に「このスタイルが好きだ」という思いを持ってないと、やりきれない分野なんじゃないかと思います。
    ――本当に格闘技としてやるんだったらUWFじゃなくていいし、UWFではないと何か表現できるものがあるんじゃないか。もしくは、本当にUWFが好きじゃないとできないですね。
    中井 いまの格闘技はレベルが上がり過ぎて「あんまり面白くない」という声を聞くときがあるんです。レベルが上がり過ぎて逆に面白くない、と。ボクはその意見はよくわからないけど、たしかに攻め合わない試合がはあるとはいえ、その面白さをわかるようになってほしいっていう気持ちは半分あって。その格闘技の面白さを誰にもわかるようにしたものが、プロレスである可能性があるんです。
    ――現代プロレスの成り立ちはそういうものだったりしますね。
    中井 そういう意味では、プロレスは格闘技から切り離さなくてもいいんじゃないかなと思っているところがあります。使う技自体は、大げさになったりしているところあるかもしれないんですけれども、技は技だし、本当にできる技だったりするから、そういったものをより多くの人に届くようにする。見栄えを良くしてスタジアムの端のお客さんまで届くようになりました。いわゆる技のショーウィンドウですよね。
    ――大会場だとプロレスラーの動きも変わってきますね。
    中井 はい。そういうふうにプロレスを理解できるようになりました。
    ――「なりました」ということは、そうじゃない時期もあったということですか。
    中井 もちろん、そうです。いまさら繰り返すこともないですけれども、ボクは小さい頃、プロレスの熱狂的信者でしたが、そのプロレスに裏切られたと思ってて。プロレスをぶっ殺してやるみたいな感じに向かってやっていくうちに、プロレスラーの方々のプロデュース力みたいなものに、格闘技もお世話になったりするところがあって。道は違えど、結局は総合格闘技がこうして確立されたのでだから、紆余曲折があったけれども、きっと同じことをやろうとしていた速度の違いだったのだろうと。
    ――ルートの違い、スピードの違い。
    中井 ボクらは早く行き過ぎたのかもしれないし、現実的にはもっとね、もっと食える手段を考えなきゃいけないみたいなことがあったから。いまはMMAはほぼ成り立ったというか、最も稼げるスポーツのひとつになりましたよね。K-1のチャンピオンだ、極真のチャンピオンだ、メダリストだとか、みんな軒並みMMAに来たりする。それも結局プロレスラーの人たちがいたからであって。プロレスラーの中にもMMAをやろうと思ったけど、あの時代にそういう舞台がなかった人もいた。そういうものとして考えると、すべていまに向かうためには、必要なことだったんだと思うようになれた気がしますね。
    ――あらためてお聞きしたいのは、中井先生にとって当時のUWFは、プロレスをより純度の高い格闘技という捉え方なんですか。
    中井 ていうか、格闘技だと思ってました。ボクは北海道の僻地だったので、UWFの映像が見れないという特殊な条件下にあって。会場にも来れなかったことで純度が高かったです。あの当時だからUWFの試合を会場で見てもわからなかったかもしれないですね。
    ――活字のみだと、UWFは幻想的ですよね。
    中井 雑誌を読んでると「真剣にやったら、こういった戦い方になるよな」みたいな。真剣に戦ったらドロップキックやフライングボディアタックはやらずに、絶対にネチっこいサブミッションになるよな、と。
    ――UWFはロープワークをやらないことを含めて、プロレス八百長論に対するカウンター的存在だったわけですよね。
    中井 絶対にそう思います。でも、その象徴的存在は猪木さんだったはずなんですよね、本当は。
    ――「プロレスは最強である」という旗印をもとに異種格闘技戦を展開して。
    中井 だけど、UWFに比べると、猪木さんも違うでしょとなりましたね。まあ、猪木さんの場合は見ているところが違ったでしょうしね。
    ――先ほどおっしゃっていた「UWFに裏切られた」と思ったのはどのへんなんですか?
    中井 旧UWFの頃ではないです。映像も見れなかったですから。UWF軍団が新日本にUターンして試合をしてて。最初はまあ、いいかなと思ったんですが、だんだん戦い方がプロレスっぽくなってきて、やっぱりUWFもプロレスに飲み込まれちゃうのかな……っていう感じがしたんですけど。そこで新日本から離脱して、新生UWFを旗揚げしたんですが……。
    ――UWFが生まれる前の従来のプロレスは、八百長論がありながらも、それはそれで認めなきゃならない存在だったんですか?
    中井 そうですね。ただ、ボクは馬場さん派だったんですよ。
    ――それは面白いですね。馬場派がUに惹かれていくというのは。
    中井 新日本プロレスはテレビ朝日の映りが悪かったんですよ。全日本プロレスの日テレは鮮明だったので、何かキラキラしたように見える土地柄だったというところはありますよね。猪木さんは本当に面白い人なんですけど、すごすぎてなんか、ちょっと遠い感じですよね。
    ――そこにUWFという、真剣勝負を前提するスタイルが出るんだったらプロレスファンとして断固、支持するということですね。
    中井 はい。プロレスは最強であってほしかったので。それは猪木さんの下では雲行きが怪しくなってきて。猪木さんとウィリー・ウィリアムスの異種格闘技戦でプロレスが終わったかなというか、やっぱり最強じゃないんだなって。
    ――元・極真空手で“熊殺し”のウィリーとの試合でプロレス幻想が消えたと。
    中井 この試合はプロレスですけど、やっぱりウィリーのほうが強いと思ったんですね。ウィリーのほうが輝いたんですよ。この試合でプロレスに迷いが出てきたときにUWFがやってきたという流れがボクの中にあるんですね。
    ――中井先生の中で、プロレスラーという存在はショービジネスに身を費やしながらも、本気でやるとなったら強いってことですか。
    中井 はい。何かの約束があるに違いないし、たしかにロープにも飛ぶ。でも、それはプロレスラー同士だからできるのであって、他の競技の奴が相手だったら仕留めちゃうでしょうっていう。
    ――プロレスファンの理論武装として、タイトルマッチのときは真剣勝負から、異種格闘技戦のときは真剣勝負、いやUWFは真剣勝負……と、どんどんと設定が変わっていった。旧UWFが潰れて新日本にUターンしてプロレスをやりながらも、どこか真剣勝負を掲げるような存在であってほしかったんだけど、そうじゃなくなってしまった。
    中井 そのとおりです。新生UWFが立ち上がったその時期は、ボクは柔道を始めてたので、わかっちゃったんですね。映像もやっと見れたので、実態がわかったんですよ。横浜アリーナのUWF MIDSUMMER CREATION(1989年8月13日) 、高田(延彦)さんと船木(誠勝)さんがメインですね。
    ――船木さんの掌底で高田さんが実質KO負けしたけど、そのまま試合は続行されて、高田さんがキャメルクラッチという古典技で勝った試合ですね。
    中井 「うわ、キャメルクラッチはないだろう、マジか……」と。UWFもプロレスだったんだって思ったら、本当ショックで。そして、あの頃、『わしらは格闘技探検隊』という本が……。
    ――荒井勉氏が手がけていた格闘技ミニコミ誌ですね。
    中井 そこにUWFは全部決まってるけど、適当なところで逃がしてやるので、見ればすぐわかるみたいなことが書いてあって。本屋で読みながら、全身から汗が出て。自分もそうじゃないかと本当は思っていたけれども、やっぱり本に書かれちゃうとな……って。15万字・記事19本詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【15万字・記事18本詰め合わせセット】扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天…

    2022-01-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part97大好評記事18本15万字で600円!!(税込み)
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    part97
    ◎“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太

    ◎ライフ・イズ・ビューティフル!! 扇久保博正“優勝記念”インタビュー

    ◎【大晦日波乱】井上直樹はなぜ失速したのか■水垣偉弥

    ◎ネットでも暴走するシバターvs久保優太

    ◎天心vs武尊の勝敗予想はまだ早い■鈴木秀明

    ◎伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」

    ◎笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り

    ◎【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」

    ◎佐伯繁DEEP代表が「浜崎vs伊澤」と「シバターvs久保」と「長南亮」を語る

    ◎扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」

    ◎大晦日に公開プロポーズされた女性はどんな気分なのか■オギちゃんの彼女さん

    ◎コロナ禍から飛び出した“長与千種の遺伝子”ロシア人

    ◎齋藤彰俊インタビュー「名古屋の街の風紀を正していた高校時代」

    ◎日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス

    ◎新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ◎ヒーロープロレス■渡辺宏志のインディ小話

    ◎「AEWには、あるべき多様性が欠如していた」…プロレスとポリティカル・コレクトネス

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉ストロングスタイル、Uスタイル、MMA、純プロレス……戦いのすべてを知り尽くした男、船木誠勝が語るシバターvs久保優太! 11000字でお届けします!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――大晦日RIZINのシバターvs久保優太八百長疑惑騒動についてお伺いします。船木さんはこの試合をどのようなかたちでご覧になったんですか?
    船木 大晦日のあの日、会場にいました。とある関係者の方と一緒に客席から見てまして。結局、この試合自体がテレビの視聴率のために組まれたものですよね。この試合は別物というか、自分はすごく白けて見てましたよ。シバターさんが勝っても「また去年(HIROYA戦)と同じだな……」っていうふうに見てました。
    ――船木さんはまるで興味がなかったと。今回の騒動の全体像は把握されてますか?
    船木 試合前に2人が電話していたという話ですね。最初はシバターさんがインスタグラムでメッセージを送って、久保選手が返事をしてしまったんですよね。試合する同士がそんなやり取りをしてる時点でまずダメじゃないですか。いままでそういう話って聞いたことないです。ある意味、日本の格闘技界において歴史的な瞬間が起きてしまったような気がしますね。
    ――八百長の証拠らしきものが表に出てきてしまったわけですもんね。
    船木 RIZINって真剣勝負を謳ってるじゃないですか。リアルファイトの中でそういう打ち合わせがあったら、その時点でダメですよね。「リアルファイト(打ち合わせあり)って書いてればOKですけど。「話し合いしても真剣にやりますよ」ってことならばOKです。それがありなんであれば、みんなやればいいと思うんですよ。相手がどんな戦法で来るかわからない。事前の打ち合わせを信じる・信じないはあなた次第じゃなくても、そういうことが面倒くさい人はもう取り合わなければいいし。でも、そこまでしたらみんな試合を見ないですよね。
    ――みんなが求める真剣勝負の格闘技ではないし、本当に面白く見られるものかといえば、そうではないでしょうね。
    船木 自分はそういう試合にまったく興味ないです。最近は試合前の記者会見なんかで選手同士が言い合いするじゃないですか。ああいったやり取りも自分はあんまり信用してないですよね。だって試合が終わったら、健闘を称えてすぐに抱き合うじゃないですか。
    ――試合前の舌戦がなかったことになることは多いです。
    船木 こっちからすると「いままでのあの勢いはなんだったんだろう?」って不思議に思っちゃうんですよね。本当に罵倒してるんであれば、試合が終わっても諦めない。すぐに握手をしたり抱き合ったりはしないと思うんですよ。最近はあえて盛り上げようとして、そういう発言を選手たちがしてるような気がしますね。
    ――そういうトラッシュトークをやることが、プロとしての評価のひとつになっているところはありますね。
    船木 だったら、もっと徹底してほしいなと思いますね。わざとやってるっていうふうな感じになっちゃうので。
    ――単なるパフォーマンスになっちゃうという危惧ですね。
    船木 本当に怒ってるときもあると思うんですけれども。プロレスなんかとくにそうですけど、プロの戦いですから。対戦相手との口喧嘩は付きものですよね。それこそモハメド・アリなんかベラベラしゃべるじゃないですか。でも、アリの試合はリアルファイトですよね。
    ――しかもアリのトラッシュトークは一流でした。
    船木 いまは昔と違ってSNSの中でも選手同士が喧嘩するじゃないですか。そこは現代的だなって気します。昔であれば、パンクラスとリングスも口喧嘩がすごかったですけど。
    ――90年代の勃発した船木さんや鈴木みのるさんのパンクラスと、前田日明さん率いるリングスの“リング外”抗争ですね。
    船木 あの頃はSNSはなかったですから「相手がこんなことを言っていた」という情報は記者や関係者から伝わるんです。昔は雑誌や新聞くらいしか情報を知る手段はなかったですからね。で、それに対する感想を記者の人に伝えたら、前田さんがまたこう返してきたと。最終的に自分は、もうそのやりとりが面倒くさいんで絶縁したんです。
    ――船木さんのリングス絶縁宣言はそういう経緯なんですね。相手の言い分を聞くのもイヤだし、返すのもイヤだと。
    船木 はい。前田さんには「もうしゃべらないでくれ」と思ってましたから。新生UWFが解散して、リングス、Uインター、藤原組の3つに分かれて。自分はその藤原組から離れてパンクラスを始めたじゃないですか。別れたところとは関わりたくなかったですし、何かあったら自分がケツ拭かなきゃいけないですよね。自分の試合に集中したいんで絶縁して区切ったんですけども本当にイヤでした。でも、その当時、前田さんとは新幹線の駅で、ばったり会うことがあって。リングスとパンクラスはすごく仲の悪い状態だったんですけども、挨拶に行けば、前田さんはちゃんと普通に接してくれるんです。
    ――直接、顔を合わせるとじつは何も起きなかったりしますし、そこはまさしくプロとしての煽り合いだった一面もあったんですね。ただ、前田さんと安生(洋二)さんの因縁は修羅場に発展して。99年11月14日、東京ベイNKホールのUFC日本大会のバックステージで、安生さんが前田さんを後ろから殴って失神させるという。
    船木 ありましたね。安生さんは前田さんに対して怒ってましたから。安生さんが何かあったら前田さんをやってやるという噂は出回っていたんですよ。ただ、何か起こるにしても口喧嘩から始まると思ってたんです。バックステージで前田さんが何かインタビューを受けてる姿が見えて、それが終わったら揉めるのかなって構えていたら、安生さんはいきなりバーンと殴って。
    ――この件でよくパンクラスを交えた陰謀論的に語られがちですけど、各高校の不良が一堂に会することになったら事件が起きないわけがなかったんだろうなって。
    船木 自分としては2人が接触しないことがいちばんだったんですけどね。安生さんは前田さんと以前、揉めたときに「家族の前で制裁してやる」と言われたことが引っ掛かったと思うんですよ。
    ――リングスはUインターとも揉めてましたね。その件はUインター側が脅迫罪で訴えるということで前田さんがいったん謝罪したけど、サムライTVのパーティーで小競り合いがあったり。
    船木 いまも口喧嘩はあるのに、なんでこういったトラブルが起きないのかなっていえば、結局YouTubeの再生回数とかでお金が発生するじゃないですか。みんな、そこにわざと乗っかってる気がしますね。お互いにYouTubeありきでやり合ってるみたいな。
    ――ビジネスとしての喧嘩ですか。
    船木 YouTubeをやってる人は、なんにしろ、そっちの方向にくっつける。それですごいお金を稼いでるじゃないですか。だからその部分でちょっと麻痺してるような気がします。
    ――シバターvs久保はまさにネットで消費されれば救われるという行動原理が事件を複雑化させてるところがありますし……。
    船木 他の格闘家や関係者もYouTubeでこの件を語るじゃないですか。自分なんか、正直あの試合はまったく論外なんですよ。それで再生回数を稼ぎたいと思わない。
    ――こうやって取材があればしゃべるけども、ってことですね。
    船木 たぶんこの取材が最後だと思いますし、自分のYouTubeチャンネルのほうへ質問が来たら、それはそれで答えますけども。自分からは「あの試合はどうのこうの」って積極的に話す気持ちにはなれないですよね。ホントにバカバカしいというか。
    ――しかし、リングスvsパンクラスの時代にYouTubeがあったら大変なことになってましたね。
    船木 大変ですよ。それこそ前田さんなんか、カメラを持って殴り込みに行くんじゃないですか(笑)。
    ――逆にYouTubeでコラボすることで関係が修復したかもしれないですけど(笑)。
    船木 いまの時代、怒ったからといって殴り込みとかしないじゃないですか。会ったら即喧嘩という事件なんか起きないんで。だから永遠に口喧嘩がSNSで続くんじゃないですか。それはそれですごい時代なんですけど。
    ――清算するなら試合で決着を付けるしかないし、もしくは安生さんみたいに本当にやっちゃうしかわけですもんね。安生さんの場合、ヒクソンの道場破りまでやっちゃう人ですし。
    船木 安生さんみたいにやっちゃう人が出てきたら、それこそもっと大変なことになりますね。
    ――話を戻すと、今回のシバターvs久保はネットによって事件が広まるという現代的な展開ですよね。
    船木 両者の電話の音声が流出したりとか、すごい生々しい。
    ――昔から八百長疑惑のかかった試合はありましたけど、証言以外で証拠が出てきたケースってないですし。 
  • 【14万字・記事23本詰め合わせセット】吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN…

    2021-12-31 23:59  
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    part96
    ◎平本蓮は誰からも逃げてないです■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか

    ◎日本レスリング&MMAの功労者・木口宣昭先生を語ろう■朝日昇

    ◎こじらせU系・第3弾!! 黒いパンツのプロレスラー中村大介「“UWFごっこ”にはしたくない」

    ◎【謎】堀口恭司はなぜ立ってしまったのか■水垣偉弥

    ◎「日本MMA100年に一度の悪夢」堀口恭司敗戦から見える歴史的意義

    ◎天心vs武尊ノーコメントの理由を推測する

    ◎斎藤裕vs朝倉未来「日本一心」な再戦

    ◎斎藤裕「お互いに万全ではないけど、いまの大変な状況だったら、やるしかない」


    ◎「皇治は俺たちのスーパースター♪」誕生秘話■アーティスト「強」インタビュー

    ◎絶望を破壊する拳・YA-MAN「皇治、ちょっとおかしいんじゃないの?」

    ◎【超新星大晦日到来】伊澤星花 「どうやって負けるんだろう?と思ってました」

    ◎天心vs武尊 きっと君は来ない ひときりのクリスマス・イブ

    ◎天心、武尊、五味、名高……大晦日のすれ違い人間交差点

    ◎【格闘技と視聴率講座】なぜカズジュニアは大晦日に出られるのか

    ◎牛久絢太郎vs神田コウヤは忖度判定だったのか?■DEEP代表・佐伯繁

    ◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦

    東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021

    ◎斎藤文彦INTERVIEWS

    対抗戦?交流戦?新日本vsノアから見えてくる2022年

    WWE番組放送終了が意味するもの

    アイスリボンの選手大量退団■事情通Zの「プロレス 点と線」

    反同性愛デモ集団の目の前で、ボーイフレンドとキスを交わしたプロレスラー

    ファンがWWEスーパースターを番組中に襲った恐ろしい理由

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    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)



    ――大晦日前ということでいろいろと情報が錯綜してるんですけども。まず聞きたいのがシュウさんがマネジメントしている平本蓮選手が朝倉未来選手とハードな甘噛みを展開してまして。

    シュウ ハハハハハ。格闘技ファンからも平本くんはイジメられちゃってますね。

    ――未来選手は平本蓮批判というよりは、煽ってるように見えるんですけどね。いつか実現するかもししれない平本戦をいまから。

    シュウ ボクもそう思いますよ。ですから、平本くんのマネジメントとしては「話題にしていただいてありがとうございます!」という感じです。

    ――まあでもSNSって善悪を分けがちだから「1年も試合をしてないのに大口を叩いてる平本蓮はおかしい!」っていう風潮になっちゃうんですけど。

    シュウ たしかに平本くんはデビュー戦で負けたあと試合してないですし、SNSでアクティブな部分がありますからアンチがいっぱいいるのはすごいわかるんですよ。さっきもRIZINの笹原さんとやり取りしたんですけど、「もしも井上直樹選手が平本くんみたいなSNSでアクティブだったら和製コナー・マクレガーになってましたね」と(笑)。

    ――マクレガー級のアクティブさ!

    シュウ 平本くんの今後に関しては、言えることと言えないことがあるんですけど。まず平本くんが「対戦相手を選んでる」みたいなこと言われてますけど、それはまったくないですね。いままで打診レベルや正式オファーで断ったことは1回もないんですよ。

    ――なるほど。

    シュウ 「周りの人が止めてるんじゃないか」みたいなことも言われてますけど、ある意味それはちょっと正しいです。ボクはやっぱりマネージャーですから、彼をしっかり育てないといけないと思ってるんで、いきなり経験のある選手とやるのはちょっと待ったほうがいいんじゃないかと。本人は全然ノーと言ったことないですね。平本蓮選手のファンに言いたいことは、常に短期プラン長期プランを考えてますから、長期プランってのは当然、彼は世界の最高峰を目指すわけですから。そこからブレてはいけないってことはボクがいっつも彼に言うことなんで。――どこの情報なんですかね、「相手を選びまくってる」っていうのは。
    シュウ これはボク、思うんですよ。もしかしたら打診レベルで「平本くんとやるかもしれないよ」と声をかけられた選手がいるのかもしれないですね。
    ――いわゆるリストアップされたわけですね。
    シュウ はい、団体側からしたらプランB、Cを用意するのはあたりまえなんで「これ、やる気はある?」ぐらいのことは選手側に聞くんですよね。ボクは選手のやりたいことを最優先しますけど、同時に団体さんにも必ず聞くのは「団体としての理想はどうですか?」「平本選手にどういう選手を当てたいですか?」と。それでいうとRIZINさんから提案いただいてるプランニングはボクらが考えてるのとほとんど一致してるんですよ。
    ――コメント欄には「いや、怪物くん(鈴木博昭)が平本戦のオファーがあったと言っていた」とありますけど、まさしくリストアップされたってことなんしょうね。それにあれは平本選手がアメリカに行くタイミングでしたから、どのみち試合ができるわけがないという。
    シュウ もしかしたら対戦候補として名前が挙がったのかもしれないですけどね、主催者との会話の中で。
    ――基本的に打診とオファーの違いが理解されてない場合が多いですよね。候補としてリストアップされただけなのに「逃げられた!」とか。
    シュウ そうなんですよね。打診と正式オファーの違いを理解してない選手は多いですね。けどね、これ、簡単な線引きの仕方があるんですよ。対戦相手と日にちとルールだけでなくて、ファイトマネーがいくらなのか、初参戦の選手なら1試合契約なのか複数試合契約なのか。そこまで具体的にすべての条件出ましたか?ここだと思うんです。それが出てなかったら、すべては打診です。ビジネスですから、そう考えるのが普通だと思っているんです。「試合をしたい!」といつでも思っている選手が多いですし、それがRIZINとなるとなおさらだと思うんです。だから早合点してしまうのもすごくわかるんですけど、ビジネス的に考えれば、そういうことなんですよね。ですから朝倉未来選手に対して「いつでもやってやるぞ」って言ってるから、それは朝倉未来ファンにとっては「そんな偉そうなこと言ってるなら早くやれよ」と言いたくなるのはわかるんですよ、すごく(笑)。だけどもプロだからね。いずれ朝倉未来選手とやるんでしたら、そのための準備が必要なんですよ。それは競技者としても、そしてプロモーター側からしてもプロアスリートからしても、タイミング、舞台、条件とかいろいろとあるんですよね。プロですから。そこらへんの街の喧嘩ではないんですよね。そう考えると、すぐやるもんでもないし、もったいないじゃないですか。やるんならもっとしっかりとPRと宣伝に時間をかけて、という見方もできると思いますし。みんなが見たい見たいと言ってくれてるんですから、どこかでは期待に応えるべきだし、RIZINさんも組みたい試合だとは思いますよね。
    それをじつを言うと誰よりも理解しているのが未来選手なんじゃないか、とわたしは思っているんです。だからこそ、いまから平本くんに絡んでくれてるんだと思ってます。彼はそういう点では優秀なビジネスマンですね。そう私は考えてます。
    ――朝倉未来vs平本蓮って“金の大雨”が降るカードですからね。この配信でも「白川陸斗とやれ」というコメントがよく寄せられるんですけど、キャリアが全然違うから正直ありえないじゃないですか。それが仮にナンバーシリーズやLANDMARKのメインでやって“金の雨”が降るなら別ですけど。


    シュウ それはわかります。今回の大晦日に出ないことに関しても、オミクロン株の影響で隔離期間がまた長くなったことが理由のひとつとしてあるんですね。白川選手に関しては、この記事の加筆・訂正をするにあたり、初めて彼のYouTubeを見たんですね。「大晦日に出れませんでした」という報告の動画でした。彼がその中でこう言ってたんです。「支持率、数字、話題性です」と。これ、すごく正しいと思うんです。ただ彼の言う「数字」とは何なのか?戦績なのか?果たしてYouTubeの登録者数とかTwitterのフォロワーの数なのか? プロなんだからどっちも大切と言えばそうでしょう。けど普通に考えて競技の世界で、勝率5割よりやや上の戦績しか残せていない選手が、ジムで「いや、けど俺のほうがフォロワーが多い」とか言っても、「は!?」という話になるじゃないですか。

    ――ツイッターのフォロワー数は目安にしかすぎないですよね。

    シュウ やっぱりスポーツですからね。わたしは勝負師たちの世界であるべきだと思うんです。これ、前にも自分のブログで書いたことがあるんですけど、前にNBAのマジック・ジョンソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダンとチャールズ・バークレーとパトリック・ユーイングの5人が、ホテルの部屋でビール飲みながら雑談しているうちに「誰がベストのプレイヤーか?どこのチームがベストか?」という激しい討論になったそうなんです。そのときに、バードはバークレーとユーイングに「おまえらは(チャンピンシップ)リングを持ってないんだから」と一言も発言させてもらえなかったんですよ。

    ――ああ、そこは譲れない線なんですね。

    シュウ この感覚は大切だと思うんです。白川選手は一部のファンには朝倉兄弟のバーターで入ったんだろ、と揶揄されているみたいですけど、たしかにDEEPでバンタムの大塚(隆史)選手に負けた後にRIZINに出たんで、そう思われても仕方ない部分はあると思うんです。けど彼はそのRIZIN初戦で萩原京平選手に負けたあとに、DEEPで1試合勝ってからまたRIZINに戻るという、いわゆる「正統的なルート」でカムバックを果たして、いまRIZINで3連勝中ですから。そこには自信を持って、あとはどの「数字」を気にするのか?どこを目指しているのか?永ちゃんがどんなに人気が出ようが本が売れようがCMや映画やドラマに出ようが、アーティストとして常に音楽性とライブパフォーマンスを何よりも重視してきたように、格闘家として、どこを一番重要視するのか?これを考えて頑張ってほしいと思いました。――話を平本選手に戻すと、外国人は入国禁止だから修行先のルーファスポーツの人間がセコンドにつけないのも大晦日に試合ができない理由のひとつで。
    シュウ 以前この配信で、平本選手のアメリカでの練習場所候補は5ヵ所くらいあったという話をしたじゃないですか。そのときからボクはルーファスポーツが一番いいなと思ってて。その時点でルーファスポーツ所属のセルジオ・ペティスと堀口くんがベラトールでやることがだいたい決まってたんですよ。そのジムに平本くんが行くことで、何かしら話題にもなるなって考えてたんです。
    ――そこまで考えてたんですか!
    シュウ 平本くんはアンソニー・ペティス選手にも憧れてるみたいな部分もあったし、セルジオと練習できるようになれば得るものは大きいですしね。ほかにもあそこのチームって、ストッツ選手みたいにガチガチのレスリングタイプもいるのに、会長のデュークが元キックの選手でもあるせいか、みんな普通に打撃もできるんですよ。これ平本選手も「あそこにいるプロ全員普通にK-1に出れますね」と言ってましたけど、そういう環境に行ってほしかったんです。そうすると、「なら、MMAの試合に勝つためにどうしたらいいのか?」だけを考えるようになるんですよね。日本人って真面目だから、総合格闘技なんだから、すべてできるようにならないといけないと考える人が多いと思うんですよね。それはいいと思いますし、正しい考え方なんですけど、それと同時に「ここ頑張っても無理だから、ここで勝負する」という考えも必要になると思うんですよね。
    ――どの領域で勝負するかってことですね。ジャンケンでいえばパーではチョキに絶対に勝てないけど、グーでは勝てる。
    シュウ 要は大昔からレスリングをずーっとやってきた選手にレスリング勝負を挑んだって、それは無理があるじゃないですか。それなら他の部分で勝つことを考えないといけない。そうなったときに、やはり元キックの選手だったコーチのほうが平本選手に合うと思ったんですよね。それにデュークは元K-1の選手で兄貴は日本のK-1にも出ていた、ということは自分も日本で試合をしたかったという思いもある人ですし、日本の格闘技業界の良さもわかっている人なんですよね。そっちのほうがいろいろと平本選手に教えるときにモチベーションが上がると思いますし。
    ――実際に平本選手はセルジオのセコンドに抜擢されましたね。
    シュウ 誤解しないでほしいのは、ボクはデュークに平本くんをセコンドにつけてくれなんて頼んだこと1回もないんですよ。セルジオから選んでくれたんです。やっぱりいい経験になるのでノーの選択肢はなかったですね。仮にセコンドにつけなかったとしても、ボクは平本くんを会場に誘うつもりだったんです。ああいう試合を肌で感じられる機会ってそんなにないですからね。
    ――平本選手とセルジオは想像以上の絆で結ばれてるみたいですね。
    シュウ ボクはこう思うんですよ、ジムを選んだりしてセッテイングしたのはボクかもしれないけど、そんなのは0.1%くらいの力ですよ。やっぱりひとりでアメリカに乗り込んで現地で一生懸命頑張ったのは平本くん。99.9%は彼が築いたもの。だってあのセルジオを含め、ルーファスポーツの選手たちにも認められたんですから、そこは評価されることだと思うんですよね。あらためてあのチームにいる選手たちを見ていただければわかると思いますが、軽量級から中量級までいい選手が揃っているんです。たとえばUFCのコンテンダーズとかに出ている選手もいるんで、平本くんからしたら、そのあたりの選手と練習していく中で自分の実力も測れるんですよね。UFCに辿りつくためには、自分はあと何をやらないといけないのか、とかも。平本くんはそういったことが感覚的にわかることができる人間だと思うんで。
    ――短期間で認めてもらったのはすごいですね。

    セルジオ・ペティスが平本蓮のセコンドで来日平本蓮がベラトール参戦!?木村ミノルのドーピング疑惑騒動の見解堀口恭司はしばらく休むべきか……13000字インタビューは会員ページへ続く!

     
  • 【13万字・記事17本詰め合わせセット】朝倉未来とUFC、斎藤裕、金原正徳、佐々木健介、皇治……

    2021-11-30 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part95大好評記事17本13万字で600円!!(税込み)
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    part95
    ◎前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏

    ◎こじらせU系・第2弾! ハードヒット王・和田拓也「田村潔司に習っても強くなれない」

    ◎【16000字】朝倉未来、平良達郎はUFCと契約できるのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎【RIZIN.31】勝つことでみんなを喜ばせる選手はたくさんいる。だけど…■笹原圭一

    ◎RIZIN女子格新風!! 大島沙緒里の寝技はこうして磨かれた■1万字インタビュー

    ◎【戦国フェザー級】金原正徳「RIZIN.31の日に引退興行をやるはずが……」

    ◎なぜ「皇治は俺たちのスーパースター」なのか■宮田充

    ◎【元・新日本プロレス】ボディビルダー北村克哉RIZIN登場!! 「ぶっ飛びたい」

    ◎美しきRIZIN沖縄……RENAがたどり着いた“田園”

    ◎アメリカで英語化されたPURORESUプロレス■斎藤文彦INTERVIEWS

    ◎視聴率戦争から見えたAEWの厳しくも明るい“現実”

    ◎DEEP代表・佐伯繁「勘・違・い・す・る・な!!」

    ◎VTJの西川大和に感じた“バリジャパ直前の中井祐樹”の野心と焦燥

    ◎名前は前田日明、北斗晶、憧れは葛西純…デスマッチファイターAKIRA

    ◎「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス

    ◎DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー

    ◎『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』最大の謎!?

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉『さらば雑司ケ谷』や『民宿雪国』などの作品で知られる小説家・樋口毅宏氏インタビュー。前田日明やUWFに熱狂した時代を振り返っていただきました!(聞き手・ジャン斉藤)
    ――樋口さんのプロレス小説『太陽がいっぱい』読ませていただきました!
    樋口 ありがとうございます。ずいぶん前に発表した短編集ですが、あの話は95年にUWFが新日に葬られた虚しさと、前田日明と高田延彦が笑顔で再び会うことはない悲しみから書きました。それにいまのうちに書いておかないと、みんなラッシャー木村さんのこととかも忘れちゃいますもんね。
    ――ラッシャー木村モデルの話も面白かったです!昭和のプロレスファンなら誰でも楽しめますし、昭和のプロレスに詳しくてジャンルの魅力を理解してないと書けない本ですね。
    樋口 斉藤さんはいまおいくつなんですか?
    ――45歳ですね。
    樋口 というと、新日本プロレスの金曜夜8時は……初代タイガーマスクは間に合いました?
    ――ギリギリです。タイガーマスクや長州・藤波の抗争は面白かったですけど、まだ子供だったので猪木さんはそこまでじゃなくて。大人になってから猪木さんの発明や事業ネタが大好きになっていったんですけど。
    樋口 あの頃の猪木さんは体力の低下が甚だしかったですもんね。
    ――それで今回、樋口さんにお話を伺いたいのは、その80年代からスターダムにのしあがった前田日明さんのことなんです。最近前田さんの第何次ブームかが到来してますが、朝倉兄弟経由なんかで知った最近のファンは前田日明というプロレスラーがどういう足跡をたどってきたのかをあまりよくわかってないというか。
    樋口 そうでしょうね。
    ――先日樋口さんはこんなツイートをされていて。「前田日明をいまだに崇めている方たちにお聞きしたいのですが、田中正吾から始まり現在の反ワクチンまで、前田の『騙される力』についてどうお考えでしょうか」。いまのファンがどういう意味は理解できないし、よく知っているボクらでも新鮮だったんですね。
    樋口 そうなんですか。それはボクからすると、そういう批判の声がないのは、また意外だなあという感想ですね。
    ――前田さんに批判的な人は多いんですけど、何かもう一周回っちゃって、どうでもよくなってるところはありますよね。
    樋口 それはわかります。
    ――樋口さんの前田日明批判って、前田日明のことが大好きじゃないと辿り着けない境地なんじゃないかなと。
    樋口 はい、ごたぶんに漏れずプロレス大好き少年でしたから。斉藤さんが80年代前半の猪木にピンとこなかったのは、猪木の体力が低下して凋落が始まったからですよね。猪木という絶対神に老いが忍び寄り、絶望にも似た気持ちにあった中、唯一の希望が前田日明だったんですよね。それこそ『週刊プロレス』の表紙が毎週猪木から前田に取って変わっていく。 「前田こそがプロレスの新しい希望だ」という時代はたしかにあって。旧UWFが潰れて新日本プロレスに前田日明が戻ってきたころですね。
    ――業務提携時代は魅力的だったと。
    樋口 ところが……第2次UWFのときは前田の腹がどんどんタプンタプンに出ていき、「これはどうなんだろうな……」と思いました。それはリングス時代もそうですけど。 第2次UWFで試合中に前田のコンタクトレンズが外れて試合中断したこともあったじゃないですか。あれは白けましたよねぇ。試合を中断して落としたコンタクトレンズを対戦相手と探す格闘王!
    ――それじゃあまるで達川光男ですね(笑)。
    樋口 そもそも前田って圧倒的な知名度にもかかわらず、名勝負と言われるものが少ないですよね。
    ――たしかに90年代に入ると「これだ!」という名勝負がないんですよね。
    樋口 断っておきますがボクは前田日明の試合はほとんど見てると思います。第2次UWFはすべて見ています。会場にももちろん何度も行ってます。
    ――いわゆる密航者だったと。
    樋口 そこまでではないです。「密航者」って地方巡業まで追いかける人ですよね。ボクは東京なのでそこまでは。
    ――ちなみにボクは地方在住の小学生・中学生だったこともあって会場で見たことはないし、リアルタイムではないのでUWFの熱狂の測定は難しい立場なんですね。
    樋口 第2次UWFで前田の名勝負と言われてるものは、なんだろうなあ……最後のほうに大阪城ホールで船木(誠勝)と2回目の対戦をやったときかな。この試合はよかったという印象がありますけど、いま見直したらどうなんだろうなあ。
    ――1回目の船木戦が酷かったという感想が多いですね。
    樋口 武道館でやった試合ですよね。船木のパンツの銀ラメが剥がれたやつ。
    ――こないだ船木さんに取材をしたときにその試合を振り返ってもらったんですけど。1回目は前田さんと信頼関係がなかったことが大きな原因だったと。
    樋口 船木さんが第2次Uに移った当初はあまり勝てなくて、ケガもあったことで東京ドームのビッグマッチにも出れなかったんですよね。復帰後に山崎(一夫)に勝って、前年に横浜アリーナで“疑惑の決着”があった高田にも勝った。
    ――高田さんが船木さんの打撃でKOされたのにうやむやのまま続行されて、従来のプロレスを否定するUのリングで高田さんが古典技のキャメルクラッチで勝利したという……。
    樋口 2回目の横アリ見に行ってます。船木さんは藤原(喜明)さんにも勝ち、階段をかけ上がるようにして大阪城ホールで前田さんとの頂上対決を迎えて、新旧交代かという盛り上がりでしたから。あれは面白かったです。『週刊プロレス』の増刊号も出ました。タイトルは「誰が悪いのか はっきりさせたい!」。
    ――前田さんとフロント陣が揉めていた頃ですね。
    樋口 あのときターザン山本(当時・編集長)が試合後の前田は船木を両手で抱きしめてるのに船木はそうでもなかったと。「ハムレットの心境か」と書いてましたよね。
    ――いまでもそうやって覚えてるんですから、ホントに前田が好きだったんですね。
    樋口 あれだけ前田日明に熱狂していたのにここまで評価が下がっているのはなぜかといえば……逆に斉藤さんにお聞きしたいんですけども、前田日明は新日本プロレスからリングスに至るまでガチンコはあったんですか?
    ――いわゆる競技としてのガチンコはないでしょうね。前田さんの評価が下がったのは、ガチンコをやってないからなんですか?
    樋口 はっきり言ってそれに尽きます。じゃあ新日本でやったアンドレ・ザ・ジャイアント戦はどうなんだと言われてしまいそうですけど。
    ――アンドレ戦は“壊れた試合”ですね。
    樋口 前田日明最大の魅力って長州力顔面蹴撃事件もそうですが、アンドレ戦のようにプロレスから外れたときに発揮されるんですけど、リアルファイトがあったかといえば、なかったという。他のUWF系の人たちはガチンコをやった。新日本でいえば永田裕志や石澤常光(ケンドーカシン)もやってるし、ライガーだってやってる。パンクラスのリングで鈴木みのるvsライガーがありましたから。でも、あれだけ大きい声で格闘技は何たるかを話して、格闘王を名乗っていた人がガチンコをやったことがない。そこが失望した最大の理由ですよね。
    ――ただ「プロレスからはみ出したもの=リアルファイト」なのかという疑問もあって。前田さんが新日本の前座にやっていた頃は、何も決まってない勝負をあったりするわけですし、リングスでも特殊な勝負は続いてましたね。
    樋口 新日本でやったドン・中矢・ニールセンとの異種格闘技戦も、前田の顔面にパンチがガンガン入ってましたもんね。まともにもらいすぎだよって。
    ――ところがプロレスからはみ出したもの魅力は、ガチンコと隣接してるので、「前田はどうなんだ」という疑問は当然持たれますよね。
    樋口 そのドン・中矢・ニールセン戦も、あとになって前田がその試合を引き合いに出して永田のヒョードル戦を批評にしたときに、永田から「一緒にするな」って返答されましたね。
    ――永田さんが前田さんに「ヒョードル戦とニールセン戦はジャンルが違うだろ。胸を当てて考えてみろ!」って言ったやつですよね。
    樋口 あれはなかなか面白いやり取りでした。あのニールセン戦やアンドレ戦はたしかに前田の魅力ではあるんですけど。
    ――たとえば第2次UWFで田村潔司をボコボコにした試合はどうなんですか。
    樋口 あれは前田日明の公開リンチですよね。
    ――公開リンチ!
    樋口 だってまだ新入りペーペーの田村潔司をあんな酷い目にあわせる必要ないじゃないですか。あの試合で田村は眼窩底骨折をして半年以上休んだわけですから。前田日明ってああいう人。自分に歯向かわない人をボコボコにする。田村もそうだし、リングスになってから坂田(亘)にもそう。
    ――バックステージ暴行事件ですね。椅子でめった打ちにして。
    樋口 ヌルヌル秋山成勲の事件があったときは擁護してたでしょ。あの人は本当に相手を選んでます。
    ――樋口さんみたいに途中で幻滅する人がいる一方で、いまでもカリスマ的存在じゃないですか、
    樋口 熱狂的なファンは多いですよね。でも、ボクは前田に関わらず、自分の“教祖”をちゃんと批評できないのは本当の信者ではないと思っています。「こういうところは本当に大好きで影響を受けたけど、これはどうなんだ」という批評はちゃんと持ってないといけない。それはたとえば小沢健二に対しても同じですけど。小沢健二が20歳以上、歳の離れた女性と不倫したことに対して、これまで何があっても褒め称えてた人たちが急に黙ってしまう。ボクからするとエセ信者ですよ。でもまあ前田日明と小沢健二だと、明らかに後者のほうが計算高さと小賢しさを感じさせるけどね。気付かない人ってもはや鈍感の領域を超えて病院で診てもらったほうがいいよ。
    ――よく信者って盲目扱いされますけど、樋口さんの信者の定義は面白いですね。
    樋口 うーん、結局ボクは正統な信者ではないんでしょうね。だから全面的に誰かを信じるっていうことはないんですよね。盲目的に何かを崇め奉ることはない人間なんです。
    ――それでも盲目的に「好きだ!」っていう存在はいないんですか。
    樋口 好きな人はいますよ。 たとえば、ビートたけしさんも大好きですが、たけしさんもいまは見事に晩節を汚してますからね。前田は前田で好きですけど、「前田日明なら何をやっても許されるのか」ということですね。
    ――新日本業務提携時代の前田さんが猪木さんに言い放った名言。
    樋口 斉藤さんには釈迦に説法ですけど、猪木さんが藤原喜明とシングルマッチをやったときに金的を食らわしたあとに藤原を絞め落とした。藤原のセコンドだった前田はその横暴に激怒して、即座にリングに上がり、勝ち名乗りを上げる寸前の猪木に左ハイキックを打ち込んだ。そして控室に戻ったあとにそう叫んだんです。この言葉を前田日明に返したいですよ。「何をやっても」というよりも「何を言っても」かもしれません。
    ――前田さんはけっこう言いますからねぇ。
    樋口 IWGP王者の天山広吉と、三冠王者の小島聡がダブルタイトル戦をやって、天山が脱水症状を起こして倒れたときがあったじゃないですか。
    ――60分フルタイムドロー寸前の59分45秒で、天山選手がまさか負けちゃったやつですね。
    樋口 前田はあの試合を批判して「俺らの若い頃はもっと熱い照明の中、館内にクーラーが効かない中、戦ったんや」って言うんですけど。 ボクはCSのテレビ朝日チャンネルに入ってるので、いまの新日本も見られるし、80年代の古い新日本プロレスの試合も見てるんですよね。「こんな地方大会の映像があるんだ」っていうものまで。そこで確認できるのは、前田の無気力試合の数々!
    ――それはいつ頃の前田日明なんですか?
    樋口 ヨーロッパから凱旋帰国したあとですよね。凱旋試合でポール・オンドーフに3分36秒で勝ったあとから、第1回 IWGPの猪木戦やアンドレ戦。そこまではまだいいんですけど…… 変なパーマをかけだして藤波辰爾とタッグを組んだりするあたりからは無気力試合ばかりですよ。20代の前田日明ってどんな感じだったんだろうってチェックするとビックリします。 覇気がなくて何もいいところがない。あれ、いまの新日だったら邪道・外道にクビにされてるね。ヨシタツみたいに。
    ――ヨシタツみたいに!! 前田さんって新日本・前座時代をプロレスラーの誇りとしてところがありますよね。
    樋口 平田淳嗣と戦っていた頃ですよね。ダラダラやってると山本小鉄さんが竹刀を持って現れたので「ヤバい。早く終わらせよう」という。旧UWFが潰れて新日本に戻ってきてからは凄いですけどね。「この1年半がなんであったかを証明するためにやってきました」と名言を吐いて。
    ――藤波さんと名勝負もやった。前田さんの全盛期はあの時代だったということですね。
    樋口 そうだと思いますね。そう考えると凄い短い。圧倒的に名勝負が少ないんだもん。
    ――ボクは前田さんのことを歴代最高のトラッシュトーカーだと思ってるんですね。コナー・マクレガーより上(笑)。
    樋口 喋りは立つ。 “言葉のプロレス”でのし上がって行ったところもありますよね。「言うだけ番長」。読書家であることは間違いないし、話も面白いんですけど、すぐに他人のことを悪く言うでしょう。 こないだも前田が水道橋博士の『アサヤン』という番組に出たんですけど……。
    ――そこまでチェックしてるんですか! 前田好き(笑)。大好評記事17本13万字の詰め合わせセットはまだまだ続く……