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記事 20件
  • 【14万字・記事16本詰め合わせセット】斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN……

    2021-10-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part93大好評記事18本14万字で600円!!(税込み)
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    part93
    ◎平本蓮、アメリカ武者修行生活を語る「次の試合はテイクダウンにいきますよ」

    ◎【GPダークホース】瀧澤謙太「朝倉海くんには打撃で倒せるイメージしかない」

    ◎“嵐を呼ぶ王者”斎藤裕、「クレベル・コイケ戦消滅」「朝倉未来の挑発」を語る

    ◎格闘家の華とは何か

    ◎朝倉未来のRIZIN LANDMARKと東三河弁■笹原圭一

    ◎マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題■シュウ・ヒラタ

    ◎“怪物くん”鈴木博昭インタビュー「そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ……」

    ◎RENAvs山本美憂、再戦……あなたはどんな5年間を過ごしてきましたか

    ◎壮大に転んで恥をかいた斎藤裕に見えた華

    ◎セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」


    ◎ぼんやり層に届けたいキックボクシングの世界■竹村哲☓高崎計三


    ◎橋本真也を最後に取材した男・松澤チョロが語る「ゼロワン時代の破壊王」

    ◎AKIRAインタビュー最終回「プロレスラーはどうやって怒ればいいのか」

    ◎リック・フレアーは「キャンセル・カルチャー」で死すのか

    ◎AEWはWWEのライバルになりえるのか■斎藤文彦INTERVIEWS

    ◎女子プロレス団体の再始動と人種差別発言

    ◎元東スポ記者が偲ぶ風間ルミとLLPW■寿浦恵一

    ◎プロレスと結婚した風間ルミさん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」



    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉ウィスコンシン州ミルウォーキー「ルーファススポーツ」で修行中の平本蓮インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――朝倉未来YouTubeのメンバーのひとりで、格闘家の佐々木大選手が平本選手に対戦要求したことが話題になってます。未来選手と出演したYouTubeでは「試合で勝ったら1000万円」という賞金もかけると。
    平本 こっち(アメリカ)は朝でいま起きたばっかりで、まだ見てないんですけど、なんかツイッターで騒ぎになってますね(笑)。知り合いから「こんなふうに言われてるよ」って LINEがあったすけど。内容はなんとなく想像できるなって。 
    ――平本選手はその動画がアップされる前に佐々木選手とツイッターで絡んでましたけど、平本選手としては試合はやる気はないという意味合いの投稿をされていて。
    平本  まったくやる気はないです(笑)。
    ――1000万円もほしくはないと。
    平本 ほしくないです。大金は大金ですけど、あれで試合を受ける奴っているんですかね(笑)。
    ――この試合を受けたくない一番の理由ってなんですか?
    平本 いやあ、自分で言うのも変ですけど、こっちはマジメにMMAをやろうとしてるんですよね。アメリカに来て一日中格闘技のことを考えて練習してるんで。向こうは格闘技を真剣にやろうとしてないというか、自分の名前の前に朝倉未来で売れちゃったわけじゃないですか。変に名前がある、朝倉未来の取り巻きとして。それであんなにイキってるのはなんか気持ち悪いなーって。
    ――佐々木選手はキャリアが浅いので戦績的にやりやすくないですか?
    平本 というか、まずこれって朝倉未来の挑発だと思うんですよ。
    ――挑発ですか。
    平本 そうです。たぶん向こうはこっちがやるとは思ってないんじゃないですか。向こうも確実にやる気のない挑発ですよ。さすがにちょっとイラっときたので、いい挑発だなと思いましたけど(笑)。 うまく煽られましたね。
    ――平本選手からすれば、向こうは本当に戦うつもりはなく、単なる煽り行為じゃないかと。
    平本  格闘家だったら朝倉未来のファンが一番多いじゃないですか。それをうまく使ったテロ行為ですよ(笑)。その構造を理解していれば、朝倉未来とSNS でバトルしていても楽しいんですよ。俺に何か文句を言ってくる奴がいても、それは格闘技好きだからっていうよりも、朝倉未来ファンだから攻撃してくるんだろうなって。そこは斎藤裕チャンピオンもハンパなかったと思うんすよね(笑)。
    ――斎藤チャンプの気持ちがわかるんですね(笑)。
    平本 斎藤選手のほうがもっと攻撃されてるとは思うんですけどね。
    ――しかし、試合でもないのにこうやって話題になるのは平本選手らしいですね。
    平本 「試合しろ」って言われ続けて、ボクも試合をしたいんですけどね。11月に沖縄大会があるという話は夏ぐらいに聞いていて、 そこに出るつもりでいたんですけど、シュウさんから「なくなった」と聞いて。 そうしたらまたやるんだって。
    ――コロナで状況が二転三転しましたからねぇ。
    平本 なので、もうちょっと待ってくれっていうか、アメリカに来て本当に強くなってるので。もっと試合を積み重ねていけば強くなると思うんですけど、 とりあえずこの1年間はちょっと待ってくれよっていうか。修行期間だと思って楽しんでいただければいいかなって。『ドラゴンボール』で悟空が界王星を修行しているようなもんで(笑)。
    ――なるほど。界王星から現世まで帰ってくるのに時間がかかりますし(笑)。
    平本 大晦日で見せたいですよね、どれだけ生意気を言える実力があるのかってところ。なんかRIZINの大会が終わるたびに試合に出てないのにフォロワー数も増えるんですよね(笑)。
    ――ハハハハハハハ。
    平本 RIZINと共にでかくなってるとこがあって(笑)。そういう意味でもRIZINには貢献しないといけないなって。
    ――戦いたい相手は弥益ドミネーター聡志選手なんですよね。
    平本 ドミネーターとやりたいっすね。
    ――アメリカでお世話になっているルーファススポーツのデューク・ルーファス会長や、マネジメントのシュウ・ヒラタさんはキャリア差があるということで反対しそうですけど。
    平本 どうなんですかね。 まだ対戦相手の話はしてないんですけど、やるんだったらちゃんとした総合の選手がいいのかなって思ってますね。そこはウソをつかずにやっていきたいなって。ちゃんと総合格闘家にリベンジをして、そこから総合格闘家としての道を切り開いていきたいなって思います。 キックボクサーとしてのプライドってまったくないので、総合格闘家として総合格闘技にリベンジしたいっていうのがあるっすね。
    ――最近のRIZINだと久保優太選手をはじめキックからの転向組が多いですけど、そういったカードはやりたくないんですか?
    平本 そこは意味がないのかなと思ってて。ボクと久保優太が試合をしたらそれは面白いとは思うんですけど、いまやってももったいないのかなって思うんですよね。お互いにRIZINで2勝3勝して強くなった状態でバーンとやったほうがビックカードなのかなって。いま潰さなくてもいいカードなんじゃね?って向こうも同じように思ってるはずなんですよ。
    ――もっと輝けるカードになれるってことですね。
    平本 そうです、そうです。いまやるんだったら「K-1ルールでやれよ」みたいな内容になっちゃうのかもしれないですね。
    ――そういえば皇治選手もMMAの練習風景をツイッターでアップしてましたけど。
    平本 ……そうなんですか(笑)。でも皇治はもう時間がないから無理じゃないですか。いろいろと忙しそうじゃないですか、毎日。
    ――平本選手の場合はMMA 転向で、皇治選手がMMAをやるとなったら特別企画ということなんでしょうね。 
    平本 “令和の格闘技”って感じですよね。エンターテイメント性があって現代の格闘技って感じで、皇治のMMA はちょっと見てみたいような気がしますけどね(笑)。
    ――平本選手にはあちこちから対戦要求の声があがっていて。レスリング五輪銀メダリストの太田忍選手からも。
    平本 太田に関していえば、レスリングはめちゃくちゃ強いと思うんですよ。 太田忍クラスのタックルって見えないぐらい早いと思うんで。極める力や打撃、パウンドとかはそんなに威力はないのかなって思うんですけど、 寝かす部分では相当強いじゃないですか。その展開になったら強い選手だとは思うので、 大晦日にちゃんとした総合格闘技をやって、その次に太田とやるのは面白いのかなって。太田忍は世界レベルのレスラーで、ちゃんと強敵なので、そんな適当に扱いたくないなって思いますね。
    ――日本にはいつぐらいに帰ってくる予定なんですか。 
    平本 本当は11月7日ぐらいに帰る予定だったんですけど。ボク的にはこっちでいいトレーニングができてるので、 ギリギリまでこっちにいようかなって。 年末の試合には会長が来てくれるんですよ。こっちは作戦が大事みたいなところがあるので、会長としては「早く相手を決めてくれ」っていう感じですね。
    ――ルーファススポーツのチームとして大晦日の試合に臨むってことですね。
    平本 ボクも信頼しているというか。アメリカでも日本でも強くなる奴は強くなると思うんですけど、なんていうんですかね、トレーナーの凄さって選手の強さどこまで引き出せるかじゃないですか。 自分にムチを打つのは限界があるし、だったらムチを打ってくれるところに行ったほうが早いのかなって。 だから年末日本で試合をしたら、またこっちにも戻りたいなって。最初は時差ボケがめちゃくちゃキツくて、ずっと気持ち悪かったんですけど。そんな時差ボケの中、スパーとかにも参加してたから「……アメリカってこんなにレベルが高いんだ」ってテンション落ちたんですよ(苦笑)。――ガハハハハハ!
    平本 練習もキツすぎるみたいな。それでも頑張ろうって思ったんですけど、時差ボケが治った瞬間、全然普通で。次にアメリカに来るときは一週間休もうと思いましたね(笑)。練習内容はキツイはキツイんですけど、ここにいれば間違いなく強くなれるなっていう安心感。それがあるからこそ心地いいのかもしれないですね。 日本により充実してる感じがします、生活も練習も含めて。
    ――プロ連の参加メンバーってどれくらいいるんですか?
    平本 日によりますけど、まだまだ多いんだろうなって思いますね。いつも20人弱くらい集まってますけど、他にもプロがたくさんいるんだろうなって。誰が誰だかわからないす(笑)。セルジオ(・ペティス)がちょうど時差ボケが治ったときぐらいに来てくれたんですよ。それでセルジオとMMAの打撃のスパーリングをしたら、ジムのみんなの反応が変わったというか。
    ――どういうことですか?
    平本 ……これ、自分で言うのもなんかイヤなんですけど。UFCの(コーリー・)サンドヘイゲンがセルジオとスパーリングをやりに来てるんですけど、ジムの仲間に「キミはサンドヘイゲンよりセルジオといいスパーリングをできている」と言われて。
    ――そんなお褒めの言葉が!
    平本 その日からみんなボクに「打撃を教えてくれ」っていう感じで反応が変わって。「打撃のコーチをやらないのか」とも言われて。就労ビザを出してくれるんだったらいいのかなって(笑)。そこからセルジオも組みの練習をしてくれるようになって。 
    ――格闘技の世界はやっぱり腕が物を言うんですねぇ。だいぶ自信がついたんじゃないですか?
    平本 だいぶつきましたね。まあセルジオはバンタム級なので……とはいっても、セルジオはめちゃくちゃデカイんですよ。ライトとフェザーどちらでも戦えますみたいなぐらい身体がデカくて。あんなゴリラ体型の人がバンタム級にいるんだってビックリでした。ボクもこの1年でだいぶデカくなりましたけど、もっと身体を大きくしなきゃって。平本蓮ツイッターよりセルジオ・ペティスとのツーショット
    ――ベラトールバンタム級王者のセルジオは堀口恭司選手とのタイトルマッチが噂されてますね。
    平本 そうですね。それはこっち(アメリカ)でやるって感じなんですよね。
    ――日本の年末にやる動きもあったみたいですけど。
    平本 ですよね。そういう話を若干聞いていたので、日本でやるとなったらチームのみんなも来日するので、ボクも助かるなあと思ってたんですけど。
    ――すっかりルーファススポーツの一員って感じですねぇ。大好評記事18本14万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」

    2021-10-29 09:17  
    110pt
    新RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎はいかにして斎藤裕を攻略したのか。牛久が所属するK-Clann代表、横田一則氏に話を伺った。横田氏は現役時代、DEEPを中心に活躍。“戦慄のマイクパフォーマー”としても知られ、今回の試合後の挙動がマニアから注目されたが……(聞き手/ジャン斉藤)
    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・RIZINがスタッツ導入! 数字で楽しむMMA■RIZIN海外事業部・柏木信吾
    ・ボンサイ柔術「朝倉未来・ムサエフ攻略」の裏側■“怪物くん”鈴木博昭
    ・「もうやめるはずだったんです」……すれ違いのRIZIN、大塚隆史人生劇場
    ・100キロ超級・日本人最後の金メダリスト 石井慧が見た日本柔道“復活”という幻想
    ――今回はおめでとうございます。 
    横田 ありがとうございます。
    ――反響はすごいんじゃないですか。
    横田 まあまあですけど、自分の周りから連絡がたくさん来ました。
    ――牛久選手は先ほどジムの外で、どなたからかお祝いの電話を受けてましたね。
    横田 そうですね。そういう話はたくさんあるでしょうね。RIZINという舞台でチャンピオンになったのはすごく大きいことだと思います。
    ――人生が大きく変わる出来事だという。
    横田 判定ではなくしっかりKOで勝ったことが大きいのかなと。競って競っての判定ではなく決め切ったことが。 判定勝ちだとあんまり意味がないのかなと思ってて、しっかり相手を仕留めたというのが大きかったです。DEEPのベルトを防衛した中村大介戦も正直、俺は判定で負けたのかなと思ってたんですよ。
    ――ノンタイトル戦で中村選手にKO負けして、そのリマッチとなった試合ですね。 
    横田 傍から見れば4-1というジャッジだったので、それは運が良かった。運も実力のうちだと思ってるので、それが今回にも繋がって…… 去年の年末に朝倉未来の対戦相手にDEEPから弥益(ドミネーター聡志)が選ばれて。「絢太郎がチャンピオンなのに」という気持ちもあったですけど、それがいいタイミングでタイトルマッチの話をいただいて。このワンチャンスにしっかり勝ってくれて。
    ――今回のオファーがあったのはいつぐらいなんですか?
    横田  ホントにギリギリですね。未来vs萩原京平の試合次第っていう考えが自分の中にもあったので。
    ―― 朝倉未来選手の連戦はありえないけど、萩原選手が無傷で勝てば、そのままタイトル挑戦という流れはあったかもしれないですね。
    横田 それはあったんじゃないですか、1ラウンドKOとかで勝っていたら。あの試合後ですよね、ちゃんと決まったのは。
    ――他の選手もオファーを断ったことで、牛久選手がチャンスを掴んだわけですから強運ですね。
    横田 ホントに。運がいいだけじゃなくて絢太郎がめちゃくちゃ魅力的な試合をしてくれたし、まさに劇的という言葉がふさわしい内容になったので。
    ――ショートノーティスでも試合ができる体勢を作っていたことも大きいというか。
    横田 絢太郎に限らず、ウチのチームはいつでも試合ができるように厳しい練習をしてるので。そこらへんは問題なかったですね。
    ―― 時間がない中で、斎藤裕・対策の練習はできてたんですか。
    横田  それは本当にあのヒザ蹴りしかなかったんですよ。ヒザ蹴りの練習しかしなかったっていうぐらいで。
    ――狙いどおりだったんですか!
    横田  もちろん普通のスパーリングとかはやってますけど、狙いはあれです。ワンチャンで一本かKOを狙うときに一番可能性があるのはヒザしかないんですよ。あんまり言ってないんですけど、絢太郎って一番ヒザが得意で。でも試合で出してないんです。
    ――一番得意なのに試合で出してないとは?
    横田 ……出せないんですよ、緊張して。
    ――えええええええええええ、緊張して出せない?
    横田 練習でパットを付けてるのに3人ぐらいアバラを折ったりしてケガさせてるんですよね。あの子は練習はめっちゃ強いんですけど、試合で全然出せない子なんです。
    ――先ほどの電話の話し方からするとオラオラ系じゃない。戦闘民族タイプじゃないんだろうなって。
    横田  全然違います。試合になると緊張しちゃうし、本当はもっと強いんですけど、練習でしか出ないタイプ。ヒザが一番得意なのに「なんで試合で出さないの?」ってずっと思ってて。
    ――というと、これまで戦略的にヒザを効かせた試合はないんですね。 
    横田 ないですね(キッパリ)。練習ではみんなボコボコにしてるのに「なんで試合で出せないの?」って。
    ――研究されて対策される現代MMAで、いままで一切出せなかったことが伏線になったという……。
    横田 「今回は KOで勝つならヒザしかないからな」って言って聞かせて。試合中は「刺せ、刺せ!」と。それは前蹴りとヒザの意味なんですけど。刺す攻撃をしろと。斎藤選手も試合後に「何か狙っていることはわかっていた」とコメントしていたらしいですけど。ヒザとは言わずに「刺せ」と指示して。
    ――斎藤選手だからヒザが有効だという考えもあったんですか?
    横田 もちろんそうですね。事前の煽り映像で「何もわかってない」みたいに言われてましたけど、いやいやちゃんと研究してますよ。 でも、試合前は何も言えないから。ああいう煽りにイラついてはなかったですけど、「ほれ、見たことか」という感じはありましたよね。あんなふうに言ってるけども「俺のほうが一枚上手なんだよ」ってことを。それが結果的にかたちになったので本当によかったです。
    ――あの局面はヒザ蹴りの狙いどころだったんですか?
    横田 ですね。斎藤選手がちょっと下がりつつあったところ。自分が前に出たときじゃないと、ヒザってああいうかたちに決まらないので。出す前に「かかってるぞ!」って言ったんですよ。 それはプレッシャーがかかってるぞと。
    ――出すなら、いまだと。
    横田 はい。最高のタイミングで出してくれたので、あの一発しかなかったんじゃないかなっていう。
    ―― 1ラウンドはどうでした?
    横田 斎藤選手は強いことはわかっていたので、2ラウンドの後半か3ラウンドにスタミナを活かして行くぞとという戦略で。
    ――1ラウンドにペースを握られるのは想定内だったわけですね。
    横田 想定内ですね。あと絢太郎にこのRIZINという舞台に慣れてもらわないと。かなり緊張してましたから。
    ――緊張が弱点だけに。
    横田 1ラウンドのときに相手はダウン気味に倒れたんですけど、 絢太郎がパニくっちゃって結果的に下になったりしましたけど。1ラウンドでだいぶ緊張も解けたのかなっていう。やっぱり初めての舞台で、メインでタイトルマッチで緊張しないほうがおかしいじゃないですか。あの子はホントにすごく緊張しいなんで。中村大介にKO負けした試合もやる前からもう顔がダメったんです。
    ――顔がダメ!
    横田 もう緊張しすぎちゃって。
    ――その闘争心でよく格闘技をやれますね(笑)。
    横田 ホントですよ(笑)。あまりにも顔が緊張してたので、そうしたら案の定でしたね。自分もそうだったんですけども、DEEPのチャンピオンになった次の試合で負けたんですよ。 俺の場合は気負ってましたね。チャンピオンになって浮かれたところもあるし。師匠と弟子が同じようなことしちゃったなって。
    ――その中村選手にはリマッチで判定勝ちした試合は大丈夫だったんですか?
    横田 いや、1ラウンドのインターバルのときに俺に喝を入れられましたからね。「覚悟を決めないと負けるぞっ!!(怒)」って。それでようやくアイツも覚悟が決まって「わかりました!!」となったんで。スイッチがなかなか入れない。
    ――面白いなあ。
    横田 練習では強いんですけど、試合ではなかなかかたちにならず、今回ようやく……。思った以上に早くスイッチが入ってくれたので。
    ――1ラウンド終わったときには牛久選手になんて声をかけたんですか?
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  • 壮大に転んで恥をかいた斎藤裕に見えた華

    2021-10-26 09:41  
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    この記事はRIZIN31を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・大混乱!! 続・パンクラス商標問題■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・バンタム級GP優勝候補・井上直樹の弱点、教えます■セコンド・水垣偉弥
    ・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
    ・【知りたいんでしょ!?】日本レスリングが東京五輪で強かった理由■保高幸子
    RIZIN.31は面白かったですね。ホントに面白かった。圧倒的現実。ショー・マスト・ゴー・オン。斎藤裕選手ファンにとってはショッキングな結末ですが、これは単なるバットエンドではなく、何が起きてもショーは続いていく……というダイナミズムをRIZINという場から感じました。「どうなるんだろう……」と先行きを案じるのではなく「どうなるんだろう!?」とカオスが楽しみというか。
    今回は「カードが地味」「谷間の大会」と評価が低かったですけど、3月の名古屋大会と同じですよね。「今後のRIZINを楽しみたいなら絶対に見といたほうがいいですよ」っていう。朝倉未来風にいうと「見とってくださいよ」と(笑)。今日のような大会はやっぱり盛り上がるんですよね。新規参戦が多いから、選手たちは「俺を買ってください!!」と意気込みますから。
    あと言えることは、試合が終わってるのに戦争は続く SNSの有様ね。RIZIN終了後のSNSは毎回ベトナム戦争ばりに泥沼化しますよね(笑)。
    PTSDに苦しんで暴れるランボーのような帰還兵もいれば、『地獄の黙示録』のカーツ大佐のように帰国せず別の戦場を求めたり。SNSは犯罪行為にならないかぎり、基本的に何を言ってもいいと思うし、反論するのも自由なんですけど、「負けたら何を言われても仕方ない」というのは選手本人の覚悟の話であって、物を投げつける側の免罪符にはならないと思っています。戦争は終わったんですよ。 お家に帰りましょう!と言いたいです(笑)。いきなりの大舞台にも関わらず、牛久選手は慌ててなかったですよね。試合は斎藤選手ペースだったんですけど、慌てずワンチャンスをモノにしたなっていう。あと運が強いというか、 じつは牛久選手に正式オファーが入る前に、ほかに2~3人にオファーが飛んでるらしいんですよね。他の有力選手たちは断ったから牛久選手にチャンスが回ってきた。
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  • プロレスと結婚した風間ルミさん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2021-10-21 17:51  
    110pt

    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は風間ルミさんを偲びます




    <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」

    『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
    冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…


    ――小佐野さんと親交の深かった風間ルミさんがお亡くなりになりました。
    小佐野 突然のことで本当にビックリしました。新型コロナに入ってから会う機会がなかったんですよね。2017年11月にキャプチャーの大会で北原(光騎)と風間のトークショーがあって、私がMCをやったんだけど。それが最後かもしれない。 最近は昔のように飲んだりしてなかったから。最後に飲んだのは、彼女は神楽坂で『絆』という飲食店をやってたでしょ。あの店を閉めるということで、その前に夫婦で行ったんですよ。そうしたら尾崎魔弓と元デイリースポーツの宮本さんもいて、4人で飲んだ記憶がある。
    ――宮本さんとはデイリーの名物記者だった方ですね。

    98〜00年頃、元アイドルの木原美智子(中央)がパーソナリティをしていたラジオ番組に一緒に出演した風間ルミさんと小佐野さん。
    小佐野 あと山本小鉄さんのお通夜のときに、ジャパン女子のみんなが風間ルミの店で明け方まで飲んだ。私はジャパン女子がどうして分裂したのか詳しくは知らないんだけど、LLPWとJWP に分かれたみんなが仲良く飲んでいたからね。
    ――小佐野さんはジャパン女子自体は取材はされたことがないんですね。
    小佐野 表面的な取材しかしたことはない。結局女子プロって自分のフィールドじゃなかったから、どんな内紛があったのかはよく知らない。 ジャパン女子の関係で最初に知り合ったのは神取忍。彼女はフリーだなんだって面倒な時期があったでしょ。
    ――神取さんが当時・全女の長与千種とやる・やらないでゴタゴタしていた時期ですね。
    小佐野 ある日、『ゴング』の編集部に行ったら神取が寝てて(笑)。「おはよう」って起きてきて、 そこから知り合いになったんだよね。
    ――すごい出会いですね(笑)。
    小佐野 浪人中に『ゴング』編集部に遊びに来ていたみたいで。それから天龍(源一郎)さんや三沢(光晴)さんの飲んでるところに神取が来るようになって、ほかのLLPWのメンバーも集まるようになった。つまり最初は飲み友達。仕事はまったく関係ない。 神取はそんなに飲まないんだけど、風間がいてイーグル沢井がいて、大沢ゆかり(ジェンヌゆかり)がいて、 穂積詩子、半田美希、遠藤美月、レオ北村がいて……。大向美智子は当時まだ未成年だったかな。 そのうち私が編集長になったんだけど、「それはそれ、これはこれ」ということを約束して一緒に遊んでた。それでLLPWを1回見に行くかということで取材してね(笑)。
    ――ホントに仕事抜きだったんですね(笑)。 
    小佐野 仕事で関わった……というのはちょっと違うかもしれないけど。穂積詩子が引退試合で結婚する維新力と組んで、藤原組長&神取忍とやったんですよ。
    ――素晴らしいカードですね(笑)。
    小佐野 試合前に穂積から電話がかかってきて「何か連携技はないか」と。しかも夫婦になることが発表されたあとだから、夫婦っぽい技じゃないといけない。そのときに維新力との連携プレーを考えてあげたことはある(笑)。
    ――仲人みたいな仕事!(笑)。LLPWの妖しげなカラーからすると、ピュアハートのJWPと割れて当然なのかっていう。
    小佐野 根っこは同じなのにJWPとは別世界でしょ。 LLPWは“夜の世界”だから。それはやっぱり風間と神取のカラーだったんだろうね。 LLPWは三禁(酒、煙草、男)がなかったし。
    ――LLPWは三禁解禁の団体!
    小佐野 LLPWに参加した立野記代は全女出身だったでしょ。本当に全女に三禁がなかったか聞いたら「本当に三禁だったんです」と。スポンサー関係でお酒を飲まなきゃいけないときも必ずウーロン茶を飲んでいた。そういうふうに松永会長に言われていたらしくて。 全女には中学を卒業して入る子が多かったから、親御さんの手前「ちゃんとしてますよ」っていうところはあったんだろうね。
    ――三禁は親御さんの不安解消の面もあったということですね。小佐野 ただ、昔の LLPWの道場は埼玉のどこかにあったんだけど、そのときから門限には厳しくて。必ず時間になると誰か先輩が寮に電話をして、ちゃんといるかどうか確認してたね。 
    ――取材してみたLLPWはどうでした?  
    小佐野 団体としては泥臭いというか……。印象的だったのは対抗戦になると急に殺伐とするんだよね(笑)。全女とJWPの対抗戦ってうまく成立してたでしょ。でも、 全女とLLPWがやると本当に「ふざけんなよ!」の世界。
    ――ああ、わかります。全女とJWPのような「Win-Win」感はLLPWにはなかったですよね。
    小佐野 全女からするとLLPWもJWPの格下で下に見てたんだけど……違いがあるとすれば、JWPの場合はフロント同士の交渉。でも、LLPWの場合、全女と交渉するのは選手兼社長の風間だから。 
    ――フロントのワンクッションがLLPWの場合なかった。全女の言い分がストレートに選手に伝わったら殺伐としますよね(笑)。
    小佐野 そうそう。フロントがソフトな内容に変換して選手に伝えることがないから。そもそもLLPWは全女から「とりあえず会場に見に来てください」ってお願いされて行ってみたら、リングの北斗から挑発されて「騙された!」と。最初から不信感もあったりするわけですよ。ましてや北斗は嗅覚があるから JWP とやっても綺麗な対抗戦になってしまう。 自分には美味しくないということで、あえてLLPWとやったのかもしれないしね。
    ――駒沢での対抗戦は伝説ですよね……。LLPW勢が秒殺されまくって。
    小佐野 風間いわく「みんな泣きながらあっという間に控え室に帰ってくる。ウチはパンクラスなの?」と思ったって(笑)。しかも全女の選手たちは場外に椅子を置いて座ってヘラヘラ見ててね。
    ――全女の恐ろしさがいかんなく発揮された興行ですねぇ。
    小佐野 言えるのはLLPWは基本的に男のプロレス。それは小鉄さんに教えてもらったから。
    ――小鉄さんはジャパン女子のコーチだったんですよね。
    小佐野 初めてLLPWを見に行ったときに「LLPWは男のプロレスなんだ」と思ったことを覚えてる。全女は女子プロレスだから、そこの噛み合わせも面白かったのかもしれない。あと風間がすごいなと思ったのは、あの時代に女社長やったことだよね。当時の地方興行って反社の縄張りがどうのこうの絡んでくるでしょ。「ここで興行をやるのにウチに挨拶がない!」って、呼び出しをくらって……。――うわ~!!この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • RENAvs山本美憂、再戦……あなたはどんな5年間を過ごしてきましたか

    2021-10-19 11:25  
    110pt
    この記事はRENAvs山本美憂、再戦を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・「魔法の煽りVをつくる男」 RIZIN演出統括・佐藤大輔17000字インタビュー
    ・女性から見た「女子格闘家の減量」/元シュートボクシング王者・髙橋藍
    ・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー
    ・サトシ、クレベル…ボンサイ柔術の大恩人・坂本健インタビュー
    人間って誰でも好き嫌いはありますけど、自分が嫌いなものだからって「必要ない」とするのは違うんじゃないかと思ってまして。
    なんの話かといえばRIZINって発足から6年近くになりますけど、いまだに三浦カズの息子を出すことが批判されていて。もうRIZINをなんだと思ってるんですかね。これぞオレたちのRIZINじゃないですか!(笑)。 それで彼を出すことで大晦日地上波で20分近く尺が取れるとツイートしたら、絵文字でゲロ吐かれる返事があったんですけど。SNSで距離感が狂ってる人って多いですよね(笑)。
    「三浦カズの息子なんか見たくないよ」という意見はよくわかるんですよ。でも、大晦日格闘技番組は5時間近くの長時間枠ですから。格闘技をよく知らない視聴者に向けて、三浦カズの息子みたいな世間へのフックがある選手はありがたい存在ではあるんですよね。こういったら「三浦カズの息子がそんなに数字は持ってない」という意見が飛んできたんですが、三浦カズの息子にそこまでの爆発力はないのはたしか。ただ、これは何度も繰り返し言ってるんですけども、一般世間が興味を持ちそうな選手やカードで繋いで構成するのが格闘技長時間番組のやり方で。格闘技を見ない一般視聴者の手をちょっとでも止める武器はいくつあっていいんです。ないよりは、あったほうがいい。
    ボクも是が非でも見たいわけじゃないですけど、RIZINの世界観ならあってもいいのかなと。それは最近話題になった平本蓮vs佐々木大もそう。平本選手のキャリア的にはそういうカードもあってもいいし。好き嫌いはともかくとして、そういう手段はあってもいいって話なんですね。かつてボクはボブ・サップvs大砂嵐の再戦をしつこく煽っていましたけど、正直べつに見たくないですよ(笑)。それなのになんで煽っていたかといえば、 どんなジャンルでも先鋭化すると潰れますよというキャンペーンとしてやっていて。その象徴がボブ・サップvs大砂嵐なわけですけど。見たくないカードや選手はあるのはわかるけど、必要がないとは思わない。ごくたまに「……これは必要ねえな」ってやつはありますけどね(笑)。
    この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • ぼんやり層に届けたいキックボクシングの世界■竹村哲☓高崎計三

    2021-10-19 10:17  
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    NKB興行統括・竹村哲氏とライターの高崎計三氏による「Dropkickメルマガ読者が知らないキックボクシングの世界」! キックぼんやり層のアナタは必読です(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・沢村忠から天心vs武尊まで…キックボクシングの始まりと、その光と影■細田昌志☓高崎計三
    ・那須川天心vsロッタンはここがヤバかった■ムエタイキラー鈴木秀明
    ・佐藤嘉洋「魔裟斗戦はMAX史上最高の盛り上がりだったと思います」
    ・K-1からKNOCK OUTへ…「K」の職人・宮田充は何を考えているのか
    ――日本キックボクシング連盟(以下NKB)の竹村さんがキックボクシングの歴史において重要な役割をはたしてると高崎さんから伺いまして。「キックぼんやり層」ですが、ご教示よろしくおねがいします!
    竹村 いやいや、何もやってないですよ! 高崎さん、勘弁してください(笑)。
    高崎 ハハハハハハハハハ。
    ――まずは竹村さんの経歴から伺わせてください。
    竹村 ええと、もともとは SNAIL RAMP というバンドのボーカルをやっていて、それは1995年から始めて途中に活動休止2年間を挟みながら、 2015年8月のライブを最後にほぼ活動停止しています。キックは2001年の30歳のときにジムに通いだして。2002年11月にNKBでデビューして、43歳のときにウェルター級ベルトを獲って、2015年に引退しています。
    ――この経歴からして面白いですね!(笑)。現在はNKBのマッチメイカーなんですよね。
    竹村 そうなんですけど、引退後は運営に関わるようなかたちではなくて、大会パンフレットに1ページのコラムを連載するくらいだったんですが……。NKBの前任のマッチメーカーがやめることになりまして、2018年の頭にNKB代表の渡邉(信久)から「マッチメーカーをやってくれないか」と急に言われたんです(笑)。
    高崎 竹村さんはそれまでNKBのリングで司会的な仕事をやっていたんです。
    竹村 あー、そうだ、そうだ。全然忘れてましたよ(笑)。前の大会のMVP を発表する仕事をしてたんですよ。
    高崎 つまりスポークスマン的な立ち位置だったんですよ。もともとボーカリストだから選手より全然声がでかい(笑)。
    竹村 選手はみんなボソボソ喋るんですよね(笑)。
    ――外野の高崎さんとしては、竹村さんがマッチメイカーになるのは自然な流れだったんですか?
    高崎 竹村さんが暗躍してマッチメーカーになったじゃないですけど……やがて興行にスーツ姿で来るようになって(笑)。
    竹村 俺が何か悪いことをやってたみたいじゃないですか?(笑)。
    高崎 そんな話が飛び回っていたという(笑)。マジメな話、どこかのジムの会長さんがやらないんだったら竹村さんなんだろうなって思ってました。
    竹村 えっ、ホントですか? 渡邉会長から言われたときには「なんで俺が!?」って驚きましたよ。実際にマッチメイクだけじゃなくて興行全体を見る役割なので、そんな重要な仕事は無理だと思ってて。周りの会長さんはみんな年上ですし、「竹村、オマエはついこのあいだだまで現役だったんだろう」っていう関係ですから。それにNKB加盟ジムだけで、他団体との交流もなしにやっていけるのかなあという不安もあって。
    ――NKBは他団体との交流はしてなかったんですか?
    高崎 そもそも前のマッチメーカーの時代になるまでは、NKBはまったくの鎖国状態だったんです。前任は元キックボクサーの小野瀬(邦英)さんなんですけど。
    ――キックぼんやり層のボクでも小野瀬さんの名前は存じ上げております。
    高崎 それまでは渡邉会長がやってたんですけど、興行を新しくしようということで小野瀬さんがやるようになって。小野瀬さんは4年間くらいやったんですかね。それまでは鎖国。
    ――00年代のK-1MAX時代も鎖国ですか。
    竹村 完全鎖国。 
    高崎 NKBからK-1MAXに出た選手はいたんですけど、そのときはNKBから離脱するしかなかったんです。それが小野瀬さんがマッチメイカーをやるようになって、最初はフリージムの選手がNKBに出ていい、ということに変わったのかな。
    ――鎖国を解いたというより、長崎の出島ができたみたいな感じですね(笑)。NKB加盟ジムってそんなに多くはないですよね。
    竹村  全然多くはないですよ。
    ――それでも鎖国を貫くってすごいですね。
    高崎 NKBの年間スケジュールというと、後楽園ホールが5回。以前は8月に茨城のジム主催の水戸興行があったんですけど、いまはなくて、 あとは大阪で年2回ぐらい。階級もいまはどこの団体もウェルター級の上が「スーパーウェルター級」だったりして小刻みに分かれてるんですけど、NKBって階級にスーパーがないんです。だから約5 キロ刻み。
    ――珍しい!
    竹村 あと、あいかわらず当日計量です。もうウチにだけになりましたね。当日計量は。
    ――前日計量に変える予定はあるんですか?
    竹村 いまのところないです(キッパリ)。
    高崎 当日計量なのはタイがそうだからなんですよね? 渡邉会長が「ムエタイが当日だからな」と言っていて。
    竹村 基本はそうです。代表の渡邉はこだわりが強い人なので、ヒジありは絶対。鎖国が解かれたときもヒジなしルールに出て行くのはNGで。 いまではヒジなしの試合に出ることは許してもらったんですけど、NKBのリングでは女子選手以外の試合はヒジありは絶対です。
    ――なるほど。鎖国というよりは自分たちのルールがにこだわってきたということですね。
    高崎  いや、それはあくまでひとつの理由で、鎖国に至る歴史があるんです。そもそもNKBという団体は4団体が参加する画期的なものだったんです。結成は2001年。NJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)、渡邉会長の日本キック連盟、キックユニオン(K-U)、アジア太平洋キックボクシング連盟(APKF)がそれぞれの興行をやりながら、ランキングやチャンピオンを統一してひとつでやろうと。NJKFが音頭を取って始めたんですけど、いろいろあってそのNJKFが離脱。
    ――音頭を取った団体が!
    高崎 キックユニオンとAPKFはもともと小さい団体だったこともあって活動縮小。 いまでは渡邊会長の日本キック連盟イコールNKBみたいな感じになってますけど、もともとは違う概念だったんです。
    竹村 4団体が参加した機構ですよね。
    高崎 最初は王座決定トーナメントとかやったんですよ。
    竹村 ああ、あのトーナメントめちゃくちゃ長かったですよね。途中で選手が引退しちゃったりして(笑)。
    高崎 ハハハハハハハ。NKBの名のもとに各団体はプロモーターになっていくっていう、ボクシングみたいな組織を理想としてたんですけど……。
    ――なるほど。そういう経緯があるから他団体と交流がしずらいんですね。
    高崎 で、竹村さんがマッチメイカーに就任するにあたって「他団体と交流させてください」というお願いをしたんですよね。
    竹村 そうです。フリーだけじゃなくて他団体の皆さんと交流してかないとこの先はないから。最初は「ダメだ」って渡邉会長から言われたんですけど。
    ――こだわりの店ですね!(笑)。
    竹村 俺もかなりしつこいので、 2回断られて3回目もお願いしましたから。そうしないと絶対にマッチメイカーはやれないと思ってたので。それで渡邉会長が根負けして「ダメだと思うけどやってみろ。絶対に失敗すると思うけど、失敗しないとわからないからな」って言われました。
    ――渡邉会長はなぜ失敗すると思ったんですかね。
    高崎 それは渡邉会長のこれまでの経験からですよね。NKBの構想以前から、キックの集合離散の歴史を経験してますから。
    ――なるほど……。竹村さんがマッチメイカーに就任した当時、他団体とはどういう関係だったんですか?
    竹村 まずKNOCK OUTさんには選手を出してました。シュートボクシングさんはルールが違うので男子は出てないです。新生K-1さんやRISEさんはヒジなしなので出していませんでした。
    高崎 NJKFはNKBの分裂の経緯があるので交流はしていなかった。
    ――NJKFの代表って伊原信一さんですか?
    竹村 それは新日本キック協会でニュージャパンキックとは違いますね。名前が紛らわしいんですよ(笑)。
    高崎 全日本キックから別れた藤田(真)理事長が作ったのがニュージャパンキック(NJKF)。藤田理事長の悲願はキック界の統一で、その足がかりにNKBを始めたんですよ。……斉藤さん、整理がついてますか?(笑)。
    ――な、なんとか……。NKBと新日本キックの仲はどうなんですか?
    高崎 それがNJKFよりも距離がある関係で(笑)。
    竹村 これはもっと古い話なんですよね。もともとは日本キックボクシング連盟で渡邊会長と伊原代表は一緒にやっていて。伊原代表がそこから新日本キックを作るので、渡邊会長からすれば超身内が抜けたという話なんです。
    高崎 しかも伊原代表が日本キックを抜けて立ち上げたのが日本キック協会。さすがに名前が同じだということで「新」をつけて新日本キック協会になったんですけどね。
    竹村 その経緯は知らなかったです(笑)。
    ――とにかく過去にいろいろあって他団体とは交流しづらいと。 
    高崎 渡邉会長は悪い人ではないんですが、先程も言ったようにキックは集合離散の繰り返しの歴史なので、過去が壁になっているケースは多いんですね。
    竹村 で、ボクがマッチメイカーになって、真っ先に団体交流を始めたのは一番ハードルが高いと思われてた伊原代表の新日本だったんですよ。
    ――一番因縁の深い(笑)。
    竹村 最初に新日本さんに接触したことを渡邉に報告したら第一声が「……竹村、なんでそこから行ったんだ?」と(笑)。
    高崎 それくらいありえないと(笑)。
    竹村 渡邉会長はNGなしと約束したんですけど、 まさか新日本に行くとは思ってなかったみたいで。
    高崎 当然伊原代表もNKBが来て驚いたんですよね?
    竹村 まず治政館の長江(国政)館長に相談したら「新日本キックの興行においでよ」と。 てっきり紹介してくれると思って、当日会場で長江館長に挨拶したら「あそこにいるから行ってきなさい」と。 本部席にいる伊原代表を指差したんです(笑)。
    高崎 伊原代表とは面識がなかったんですよね?
    竹村 全然なかったです。もう行くしかないと思って、大会中に伊原代表の後ろから声をかけさせていただいて。「NKBの竹村と申します。交流させていただけないでしょうか」と(笑)。
    高崎 あきらかに怪しい(笑)。
    竹村 伊原代表は驚いて「おまえは本当に日本キックの人間なのか?」と最初は全然信じてもらえなくて。
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  • 平本蓮、アメリカ武者修行生活を語る「次の試合はテイクダウンにいきますよ」

    2021-10-15 16:01  
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    ウィスコンシン州ミルウォーキー「ルーファススポーツ」で修行中の平本蓮インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【バッティング問題】平本蓮はなぜ皇治と魔裟斗が大嫌いなのか
    ・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
    ・【RIZIN.30総括】斎藤裕vsクレベル・コイケはなぜ消えたのか■笹原圭一
    ・最狂夫婦がRIZINに襲来! 久保優太&サラ「なんなら嫌われたいぐらい」
    ――朝倉未来YouTubeのメンバーのひとりで、格闘家の佐々木大選手が平本選手に対戦要求したことが話題になってます。未来選手と出演したYouTubeでは「試合で勝ったら1000万円」という賞金もかけると。
    平本 こっち(アメリカ)は朝でいま起きたばっかりで、まだ見てないんですけど、なんかツイッターで騒ぎになってますね(笑)。知り合いから「こんなふうに言われてるよ」って LINEがあったすけど。内容はなんとなく想像できるなって。 
    ――平本選手はその動画がアップされる前に佐々木選手とツイッターで絡んでましたけど、平本選手としては試合はやる気はないという意味合いの投稿をされていて。
    平本  まったくやる気はないです(笑)。
    ――1000万円もほしくはないと。
    平本 ほしくないです。大金は大金ですけど、あれで試合を受ける奴っているんですかね(笑)。
    ――この試合を受けたくない一番の理由ってなんですか?
    平本 いやあ、自分で言うのも変ですけど、こっちはマジメにMMAをやろうとしてるんですよね。アメリカに来て一日中格闘技のことを考えて練習してるんで。向こうは格闘技を真剣にやろうとしてないというか、自分の名前の前に朝倉未来で売れちゃったわけじゃないですか。変に名前がある、朝倉未来の取り巻きとして。それであんなにイキってるのはなんか気持ち悪いなーって。
    ――佐々木選手はキャリアが浅いので戦績的にやりやすくないですか?
    平本 というか、まずこれって朝倉未来の挑発だと思うんですよ。
    ――挑発ですか。
    平本 そうです。たぶん向こうはこっちがやるとは思ってないんじゃないですか。向こうも確実にやる気のない挑発ですよ。さすがにちょっとイラっときたので、いい挑発だなと思いましたけど(笑)。 うまく煽られましたね。
    ――平本選手からすれば、向こうは本当に戦うつもりはなく、単なる煽り行為じゃないかと。
    平本  格闘家だったら朝倉未来のファンが一番多いじゃないですか。それをうまく使ったテロ行為ですよ(笑)。その構造を理解していれば、朝倉未来とSNS でバトルしていても楽しいんですよ。俺に何か文句を言ってくる奴がいても、それは格闘技好きだからっていうよりも、朝倉未来ファンだから攻撃してくるんだろうなって。そこは斎藤裕チャンピオンもハンパなかったと思うんすよね(笑)。
    ――斎藤チャンプの気持ちがわかるんですね(笑)。
    平本 斎藤選手のほうがもっと攻撃されてるとは思うんですけどね。
    ――しかし、試合でもないのにこうやって話題になるのは平本選手らしいですね。
    平本 「試合しろ」って言われ続けて、ボクも試合をしたいんですけどね。11月に沖縄大会があるという話は夏ぐらいに聞いていて、 そこに出るつもりでいたんですけど、シュウさんから「なくなった」と聞いて。 そうしたらまたやるんだって。
    ――コロナで状況が二転三転しましたからねぇ。
    平本 なので、もうちょっと待ってくれっていうか、アメリカに来て本当に強くなってるので。もっと試合を積み重ねていけば強くなると思うんですけど、 とりあえずこの1年間はちょっと待ってくれよっていうか。修行期間だと思って楽しんでいただければいいかなって。『ドラゴンボール』で悟空が界王星を修行しているようなもんで(笑)。
    ――なるほど。界王星から現世まで帰ってくるのに時間がかかりますし(笑)。
    平本 大晦日で見せたいですよね、どれだけ生意気を言える実力があるのかってところ。なんかRIZINの大会が終わるたびに試合に出てないのにフォロワー数も増えるんですよね(笑)。
    ――ハハハハハハハ。
    平本 RIZINと共にでかくなってるとこがあって(笑)。そういう意味でもRIZINには貢献しないといけないなって。
    ――戦いたい相手は弥益ドミネーター聡志選手なんですよね。
    平本 ドミネーターとやりたいっすね。
    ――アメリカでお世話になっているルーファススポーツのデューク・ルーファス会長や、マネジメントのシュウ・ヒラタさんはキャリア差があるということで反対しそうですけど。
    平本 どうなんですかね。 まだ対戦相手の話はしてないんですけど、やるんだったらちゃんとした総合の選手がいいのかなって思ってますね。そこはウソをつかずにやっていきたいなって。ちゃんと総合格闘家にリベンジをして、そこから総合格闘家としての道を切り開いていきたいなって思います。 キックボクサーとしてのプライドってまったくないので、総合格闘家として総合格闘技にリベンジしたいっていうのがあるっすね。
    ――最近のRIZINだと久保優太選手をはじめキックからの転向組が多いですけど、そういったカードはやりたくないんですか?
    平本 そこは意味がないのかなと思ってて。ボクと久保優太が試合をしたらそれは面白いとは思うんですけど、いまやってももったいないのかなって思うんですよね。お互いにRIZINで2勝3勝して強くなった状態でバーンとやったほうがビックカードなのかなって。いま潰さなくてもいいカードなんじゃね?って向こうも同じように思ってるはずなんですよ。
    ――もっと輝けるカードになれるってことですね。
    平本 そうです、そうです。いまやるんだったら「K-1ルールでやれよ」みたいな内容になっちゃうのかもしれないですね。
    ――そういえば皇治選手もMMAの練習風景をツイッターでアップしてましたけど。
    平本 ……そうなんですか(笑)。でも皇治はもう時間がないから無理じゃないですか。いろいろと忙しそうじゃないですか、毎日。
    ――平本選手の場合はMMA 転向で、皇治選手がMMAをやるとなったら特別企画ということなんでしょうね。 
    平本 “令和の格闘技”って感じですよね。エンターテイメント性があって現代の格闘技って感じで、皇治のMMA はちょっと見てみたいような気がしますけどね(笑)。
    ――平本選手にはあちこちから対戦要求の声があがっていて。レスリング五輪銀メダリストの太田忍選手からも。
    平本 太田に関していえば、レスリングはめちゃくちゃ強いと思うんですよ。 太田忍クラスのタックルって見えないぐらい早いと思うんで。極める力や打撃、パウンドとかはそんなに威力はないのかなって思うんですけど、 寝かす部分では相当強いじゃないですか。その展開になったら強い選手だとは思うので、 大晦日にちゃんとした総合格闘技をやって、その次に太田とやるのは面白いのかなって。太田忍は世界レベルのレスラーで、ちゃんと強敵なので、そんな適当に扱いたくないなって思いますね。
    ――日本にはいつぐらいに帰ってくる予定なんですか。 
    平本 本当は11月7日ぐらいに帰る予定だったんですけど。ボク的にはこっちでいいトレーニングができてるので、 ギリギリまでこっちにいようかなって。 年末の試合には会長が来てくれるんですよ。こっちは作戦が大事みたいなところがあるので、会長としては「早く相手を決めてくれ」っていう感じですね。
    ――ルーファススポーツのチームとして大晦日の試合に臨むってことですね。
    平本 ボクも信頼しているというか。アメリカでも日本でも強くなる奴は強くなると思うんですけど、なんていうんですかね、トレーナーの凄さって選手の強さどこまで引き出せるかじゃないですか。 自分にムチを打つのは限界があるし、だったらムチを打ってくれるところに行ったほうが早いのかなって。 だから年末日本で試合をしたら、またこっちにも戻りたいなって。最初は時差ボケがめちゃくちゃキツくて、ずっと気持ち悪かったんですけど。そんな時差ボケの中、スパーとかにも参加してたから「……アメリカってこんなにレベルが高いんだ」ってテンション落ちたんですよ(苦笑)。――ガハハハハハ!
    平本 練習もキツすぎるみたいな。それでも頑張ろうって思ったんですけど、時差ボケが治った瞬間、全然普通で。次にアメリカに来るときは一週間休もうと思いましたね(笑)。練習内容はキツイはキツイんですけど、ここにいれば間違いなく強くなれるなっていう安心感。それがあるからこそ心地いいのかもしれないですね。 日本により充実してる感じがします、生活も練習も含めて。
    ――プロ連の参加メンバーってどれくらいいるんですか?
    平本 日によりますけど、まだまだ多いんだろうなって思いますね。いつも20人弱くらい集まってますけど、他にもプロがたくさんいるんだろうなって。誰が誰だかわからないす(笑)。セルジオ(・ペティス)がちょうど時差ボケが治ったときぐらいに来てくれたんですよ。それでセルジオとMMAの打撃のスパーリングをしたら、ジムのみんなの反応が変わったというか。
    ――どういうことですか?
    平本 ……これ、自分で言うのもなんかイヤなんですけど。UFCの(コーリー・)サンドヘイゲンがセルジオとスパーリングをやりに来てるんですけど、ジムの仲間に「キミはサンドヘイゲンよりセルジオといいスパーリングをできている」と言われて。
    ――そんなお褒めの言葉が!
    平本 その日からみんなボクに「打撃を教えてくれ」っていう感じで反応が変わって。「打撃のコーチをやらないのか」とも言われて。就労ビザを出してくれるんだったらいいのかなって(笑)。そこからセルジオも組みの練習をしてくれるようになって。 
    ――格闘技の世界はやっぱり腕が物を言うんですねぇ。だいぶ自信がついたんじゃないですか?
    平本 だいぶつきましたね。まあセルジオはバンタム級なので……とはいっても、セルジオはめちゃくちゃデカイんですよ。ライトとフェザーどちらでも戦えますみたいなぐらい身体がデカくて。あんなゴリラ体型の人がバンタム級にいるんだってビックリでした。ボクもこの1年でだいぶデカくなりましたけど、もっと身体を大きくしなきゃって。平本蓮ツイッターよりセルジオ・ペティスとのツーショット
    ――ベラトールバンタム級王者のセルジオは堀口恭司選手とのタイトルマッチが噂されてますね。
    平本 そうですね。それはこっち(アメリカ)でやるって感じなんですよね。
    ――日本の年末にやる動きもあったみたいですけど。
    平本 ですよね。そういう話を若干聞いていたので、日本でやるとなったらチームのみんなも来日するので、ボクも助かるなあと思ってたんですけど。
    ――すっかりルーファススポーツの一員って感じですねぇ。平本蓮が語る「華とは何か?」 1万字インタビューは会員ページへ続く
    この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • “怪物くん”鈴木博昭インタビュー「そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ……」

    2021-10-14 11:37  
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    RIZIN LANDMARKのMMAデビューをKO勝ちで飾った“怪物くん”鈴木博昭インタビュー。ONE離脱後、怪物くんはなぜMMAにチャレンジしたのか(聞き手/松下ミワ)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー
    ・修斗はローカルなのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・ボンサイ柔術「朝倉未来・ムサエフ攻略」の裏側■“怪物くん”鈴木博昭
    ・「勝ち方がわかりません……」コーナーマン八隅孝平が見た矢地祐介復活勝利の裏側
    ――RIZIN LANDMARKで行われた奥田啓介戦は、鈴木選手にとってじつに2年ぶりの試合だったんですね。
    鈴木 そう、2年ぶりですね。これまで、ずっと気持ちにフタをしていた部分があったんですけど、ようやくそれが開いた瞬間だったというか。ボクはベルウッドジムを経営している身なので、やっぱり所属選手たちに試合を提供することが最優先だったんですけど、ここでようやく戦いの場に戻れたので、フタをしていたものが一気に堰を切って流れ出たのかなという感じです。
    ――奥田選手との対戦はRIZIN.30のリング上で発表されましたが、あのときからエンジンかかってましたもんね。
    鈴木 自分としては普通でいたつもりだったんですけど……、そこは漏れちゃってたのかもしれないですねえ。
    ――入場シーンも含めて本当に鬼気迫るものがありました(笑)。
    鈴木 ハハハハハ! 「また、ここに戻ってこれた」というのもあるし、もともとMMAをやりたかったのもあるし。なおかつ、その舞台がRIZINで凄く反響をもらえていたという燃える要因がいっぱいあったのでね。「俺はこれをやりたくて生きてるんだ!」という思いが爆発しちゃったかもしれないですねえ(笑)。
    ――鈴木選手には、前にRIZIN東京ドーム大会のクレベル・コイケvs朝倉未来や、ホベルト・サトシ・ソウザvsトフィック・ムサエフについてインタビューさせていただきましたが、そのときは参謀として凄く緻密な作戦を授けていたにもかかわらず、自分の試合は「脳みその判断に従う」と言われていたのが非常に面白かったです。
    鈴木 そうですよね(笑)。まあ、選手によって性格は違いますから。それに、「脳みそが判断する」というのは、「脳みそが瞬時に判断できるまで作戦を擦り込んでいる」ということでもあるんですよ。
    ――ああ、なるほど! 単純なインスピレーションというわけではないんですね。
    鈴木 オートマチックに身体が動くまで意識して練習して、その結果、考えなくても身体が動くということですから。目新しいものって、意外と簡単には染み込むもんじゃないんですよね。同じ仕事でも、1週間目、1年目、10年目の人ではまったく違う仕事になるのと一緒で。だから、緻密な作戦という作戦は、あの試合の中にもいっぱいあるんです。
    ――それ、もう少し具体的に教えてもらえますか?
    鈴木 まあ、奥田選手はレスラーということで、もちろん一番はシンプルにタックルへの警戒ですよね。だから、それに対する対策をしっかりと擦り込んで、そこからどう仕留めるかを逆算して考えたという。つまり、警戒、対策、フィニッシュを計算して一直線に結んだら、出来上がるのはあの試合なのかな、と。
    ――タックルを切る練習というのも、練習相手がサトシやクレベルですもんね。
    鈴木 一線級どころか、超級ですから(笑)。そこは、彼らが一流だから絡んでいるという意識はまったくなくて。ボクが普段から言ってるのは、「いまいる仲間たちとやっていく」ということなんでね。仲間が増えたり減ったりすることもありますけど、どんな状況であれ、その仲間と一緒にやるのがボクのポリシーだから。ただ、いま持っている手札がちょっと特別すぎたという(笑)。
    ――たしかに(笑)。試合展開としては、最初に奥田選手が詰めてきたとき、鈴木選手のヤバめのヒザが入ったシーンがありました。
    鈴木 まあ、試合は全部が計算どおりにいくことはないんですけど、あれはタックルを想定しての動きでしたね。
    ――さらに、奥田選手をコーナーに追い詰めて打撃でたたみ掛けるシーンがありましたが、あそこもパンチとヒザとの絶妙なコンビネーションでしたよね。
    鈴木 あれこそ、「脳みそが判断」した結果です。だから、一番マズい展開というのは、やっぱりテイクダウンで。しかも、想定と違ったテイクダウンの取られ方をしたり、ボクのディフェンス力と奥田選手のテイクダウン能力に差があるとどうなるかな? と。まあ、そうなったときのことも考えて練習はしていたんですけど。
    ――となると、想定していた中でタックルは対処できたということですね。
    鈴木 ただ、ボクはぜひ言いたいと思っていたことが一つあって。最初に対戦相手がプロレスラーと言われたときに「どんな選手かわからないなあ」と思っていたんですけど、フタを開けてみたら奥田選手は完全な総合格闘家だったな、と。結果だけを見ると、すぐに試合を終わらせたように見えますけど、ボクは奥田選手は強かったと思っています。「プロレスラーだから」というのでイメージを持つ人もおったんですけど、そこは声を大にして言いたい。あんまりナメたらあかんぞ、と。
    ――試合前後のパフォーマンスに惑わされがちですが、奥田選手もちゃんと準備をしてきていた。
    鈴木 タックル、打撃のフェイント、目線、身体の動き……。だから、最初はもっとムチャクチャに「オラァ~~~」と向かってくるかなとも思っていたんですけど、確実にボクに勝つためのことをやってきてるなと感じました。だから「試合時間が短いから奥田選手は弱い」とか、そんなんではないという。「なんか思ったり手応えなかったわ」という感覚は全然ないし。ただ、ボクの攻撃が強かったから終わったんじゃないの? と(笑)。
    ――ハハハハハ! さすがです(笑)。というか、単純にMMAルールはどうでした?
    鈴木 やっぱりね、MMAは充実感が抜群にありますねえ。
    ――おお! それって、キックルールとは何が違ったんでしょう?
    鈴木 やってはいけないことが少ない、そこですよね。もちろんルールはあるんですけど、ボクのRIZINルールに対する見解としては、脊髄攻撃、目つぶし、金的が反則で、それ以外なら何やってもいいんでしょ? と。だから、いろんな展開が生まれるんですよ。ストライキング、テイクダウン、寝技というのがセオリーだと思うんですけど、ボクの中では「反則しなけりゃ何やってもいい」という。……言い方は悪いですけどね(苦笑)。
    ――つまり、鈴木選手の狂気性がより発動されやすいルールなんですかね。
    鈴木 もちろんボク自身への危険もあるし、大ケガをする可能性もありますけど。でも、グラウンドのヒジ、ヒザ、サッカーボールキック、なんでもOKと言われたら、「え! なんでもやっていいの!」と(笑)。
    ――そこで燃えられるというのは、もうMMA脳です! ちなみに、試合後インタビューで「パウンドは人生初めてですよね?」と言われたときに、「いや、初めてでは……」というやりとりがありましたが……。
    鈴木 フフフフ……、そこはあんまりツッコまんといてください(笑)。
    ――つまり、鈴木選手にも路上の伝説があるということなんでしょうか(笑)。
    鈴木 いやいやいや、路上の伝説というほどでもないですけど……まあ、路上の伝説にもいろいろあるじゃないですか。ボクはべつにヤンキーでもないし、めちゃくちゃ喧嘩をしていたとかそういうのではないんでね。ただ、そこで注目されるような状態をつくりたくなかったから、これまであんまり言ってこなかったですけど……まあ、いろいろありますわな(笑)。
    ――ハハハハハ! あと、凄くいい勝ち方して最後のマイクも「また会おう! フハハハハハ!」と怪物くんっぽく締めたのに、「……では、お話をうかがいましょう!」と非常に間の悪い実況席インタビューが始まるシーンもあって(笑)。
    鈴木 いやあ、完全にボクをコントにしてくれましたよねえ。「まだあんのかーい!」と(苦笑)。でも、ボクは逆に「そういうオチをつくってくれてありがとう!」と言いたいです。なんか急に笑いが起きたような、なんなら座っていたお客さんがズッコケるレベルでしたから。
    ――それも含めて、今回はいいMMAデビュー戦だったんですかね。
    鈴木 いや、本当にいい時間でしたよ!
    ――それにしても、今回のRIZIN参戦はいつぐらいにお話が来ていたんですか?
    鈴木 ええっと、いつなんだろう? まあ、ボクはもちろんずっとONEとの契約があって、ONEでチャンピオンになることを目標にやってた人間なんでね。ただ、どうしてもコロナの状況で海外に……行ったとしても「隔離でまた待つのか」とかそういう感じだったんで。それで悩んでいるときに、クレベルたちの東京ドームでの試合があって。やっぱりあれで鳥肌が立つようなものを感じたし、「いいなあ。そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ」と。
    ――触発されたわけですね。
    鈴木 そんなときに、朝倉兄弟のマネジャーの宮島(翔)くんが……まあ、もともと宮島くんとは前にそんな話をしていたことがあったんですよ。ボクがONEに出始める前、ちょうど朝倉くんたちがRIZINに出始める頃に、「鈴木さん、RIZINで一緒にやりましょうよ」と。
    ――朝倉兄弟がRIZINに出始めた頃というと3~4年前ですよね。
    鈴木 あれは2018年の頃ですかね。でも、いろいろあってボクはもう世界で勝負かけようと思ってたし、「退路なんかねえんだよ」ということで、英語が飛び交うような周りに誰も知り合いがいない状況で実力だけでのし上がっていくのに魅力を感じていて。だから、今回はそれが巡り巡っていろんな状況がリンクしたという状態なんですけども。それもあって、彼にマネジメントを任せてRIZINに上がったということなんです。
    ――宮島さんは朝倉兄弟のマネジャーだから、クレベルや(アラン・ヒロ・)ハマニハと練習している鈴木選手がマネジメントを任せるというのは不思議な部分でもあったんですけど、じつは以前からそういうつながりがあったわけなんですね。
    鈴木 宮島くんとは、クレベルやサトシたちとの前に関係性があったから。まあ、彼らとは独立する前のジムでもつながりはあったんですけど、当時はコーチという立場でもなかったし。だから「なんでボンサイ側の人間が、朝倉兄弟のマネジャーと契約するの?」とよく言われるんですけど、個人的なつながりの中でのことですね。まあ、地元が一緒なのもありますし。
    ――……ええっと、そこは蒸し返すようで申し訳ないんですけど、宮島さんもかなり昔は“やんちゃ”だったという話で。つまり、そういう中でのつながりだったんでしょう?(笑)。
    鈴木 ああ、彼は昔そういう感じでしたけど、そのつながりではないですね。ボクがいた格闘技ジムに彼が来て、というつながりです。それに、やんちゃのジャンルでいうと、宮島くんとボクはちょっと違いますから。
    ――いや、“やんちゃ”にジャンルがあるとは初めて知りました(笑)。でも、ONEで試合ができなかったのは、やはりコロナの影響が大きかった、と。
    鈴木 コロナで難しくなったのと……、と言っても、ボクはオファーはもらっていたんですよ。言っちゃえば2020年は試合のオファーは4回はもらってますから。
    ――え! そうだったんですか?
    鈴木 なので、「ONEが鈴木博昭を飼い殺しにした」というのは違っていて。ボクはONEに対してイヤな思いは一切なくて、感謝しかないんですよ。2020年は、まず3月にオファーもらったんですけど、そのときはジムの子たちの試合が9週連続であって。――9週連続! それは長としては自分の試合はできないですね……。<1万字インタビューはまだまだ続く>
    この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 女子プロレス団体の再始動と人種差別発言

    2021-10-14 11:13  
    110pt

    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「女子プロレス団体の再始動と人種差別発言」です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・【1・4事変】小川直也は“真相”を明かしたのか
    ・AEWとドミノ・ピザが巻き起こすプロレス流血問題
    ・コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ■斎藤文彦INTERVIEWS
    ・CMパンク、AEWでプロレス復帰…「契約書にサインをしたのは登場30分前だ」
     
    夫CMパンクの復帰に続いて、妻であるAJリーもプロレス界に復帰する。WWEの女子王座を三度獲得したAJは、2015年に首の怪我もあってプロレスを引退。その後、夫と同様、プロレス界からは距離を置いていた。
    公開記者会見で久々に公の場に姿を現したAJ。人気選手だった彼女の突然の復帰を喜ぶ声がSNSで多く上がる中、その場に同席した1人の女性を、キャンセル・カルチャーの嵐が襲う。
    AJリーの復帰の舞台となったのは、女子プロレス団体のWOW(Women Of Wrestling)だ。米プロバスケットボールNBAの人気チーム、ロサンゼルス・レイカーズを所有する女性実業家ジーニー・バスがオーナーを務めているプロレス団体である。
    そのWOWは10月7日、米国4大放送ネットワークの一つCBS局を傘下に持つ巨大メディアコングロマリット、バイアコムCBSとテレビ番組製作放送の複数年契約を結ぶ記者会見を開いた。その席上で、来年2022年秋から始まる女子プロレス番組のコメンテーター、ならびにエグゼクティブ・プロデューサーとして、AJリー改め、AJメンデスが就任したことを発表した。
    プロレスラーとしてではなく、裏方としての復帰となり、番組制作の主要部門をオーナーのバス氏らと共に携わっていくことになる。
    日本と違い、女子専門団体がほとんどないアメリカにあって、WOWは女子団体として、その草分けとも言える存在である。
    アメリカにおける女子団体は、1986年にデビッド・マクレーンが創設したアメリカ初の女子団体GLOWから始まる。GLOWは、近年Netflixでも放送され、人気があった連続ドラマ「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」の元ネタとなった団体である。テレビ放送もあり、カルト的な人気を博していた。
    2000年にデビッド・マクレーンは、ジーニー・バスと共にWOWを設立する。ローカル局の深夜帯での放送ながら、テレビ番組としては人気があり、特にニューヨークやロサンゼルスなどの都市部での男性視聴者の視聴率が高かったそうだ。その後、紆余曲折を経て、テレビ放送の契約が終わり、インターネットの配信を試みる。2019年秋からはケーブル局AXSでのテレビ放送も始まったが、コロナウイルス禍の昨年、AXSとの契約も切れ、活動休止となっていた。
    ロサンゼルス・レイカーズのオーナーでもあるやり手のジーニー・バスが単独オーナーとなり、心機一転、再浮上を狙うWOWは、バイアコムCBSとの契約を締結するに至り、今回のAJ復活を企てた。
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  • マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題■シュウ・ヒラタ

    2021-10-11 14:17  
    130pt
    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマはマネジメントから見たRIZINvsクレベル問題です!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)
    【1記事100円から購入できる過去記事】・大混乱!! 続・パンクラス商標問題■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ・【仮想通貨詐欺】なぜ私はTDTのスポンサーオファーを断ったのか


    ・【バンタム級GP】直樹選手の第1希望、第2希望ではなく……
    ・修斗はローカルなのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク




    ──シュウさんがマネジメントする井上直樹選手が見事バンタム級GP決勝ラウンド進出!ということで、おめでとうございます。
    シュウ 「ありがとうございます!!」って言いたいところなんですけど、試合を見ててイライラしました(苦笑)。
    ──ハハハハハハハ! どのへんがイライラされました?
    シュウ あらためて見ていただいたらわかると思うんですけど、2Rのはじめに直樹くんは構えをちょっと下にしたりと、おちょくったような構えをしたんです。あのときから全然余裕があったと思うんですよ。
    ──なるほど。それはシュウさんがマネジメントとして井上選手を把握しているからわかることで、そういう余裕のポーズだとはわかりませんでした(笑)。
    シュウ そうなんですね(笑)。余裕があるんだったら少なくとも2Rの中盤あたりでテイクダウンしてしっかり仕留めてほしいと思ったんですけど。ご存知のとおり「楽しくなっちゃった」らしくて金太郎選手の打撃に付き合って。
    ──つまりMMAとして勝ちに徹してほしかったということですよね。
    シュウ そうですね。日本で試合するようになってからトレント・ガーダム選手以外は試合時間が短すぎたんんで、もっとせめぎ合いの戦いをして欲しいと思っていたん部分もあるんで、フルに3ラウンドできたのはいいとかな?というのと、少なくとも彼のディフェンススキルは見せられたじゃないですか。試合中にはわからなくても、あとで動画で見返せばそれは評価されると思ったんです。そうなるとやっぱりフィニッシュですよね。ここでもう言っちゃいますけど、RIZINさんはフィニッシュすることを求めるし、フィニッシュボーナスがつく。
    ──契約によってはRIZINにはフィニッシュボーナスがある、と。
    シュウ はい。ですから、無理に打ち合わないでテイクダウンしてフィニッシュしてくれよってイライラしたんですよ(笑)。彼はこれまで相手に付き合って判定負けしたこともありますし。
    ──マネジメントとしては同じ轍を踏んでほしくないわけですね
    シュウ そういう危惧があったんですよ。水垣(偉弥)さんに「公開練習でアリダンスをやってくれ」ってツイートしたのは、どうせやるならそれぐらい余裕を見せてくださいよっていうボクのメッセージでもあったんですよ。
    ──たしかに余裕のポーズを見せるなら、もっとわかりやすくしたほうがいいですね。シュウさんからアドバイスお願いします!
    シュウ ただ、直樹くんはすごく頑固なんですよ。それで自分のこと以外まったく興味ないんですよ。たとえば面白い話、NYに2年近くいたじゃないですか。NYに住んでると日曜日や休日はちょっと観光名所を見に行くはずなのに、彼は2年間で観光名所ひとつも行ってないですからね。
    ──……もったいない人生の過ごし方!(笑)。
    シュウ ハハハハハハハ。ボクが口を出さないかぎり息抜きもしない感じなんですよ。実際にはゲームやったりとか自分なりの息抜きはあるんでしょうけど。だから自分以外に興味ないんですね。それだけ強さだけを貪欲に目指してることではありますね。
    ──正直、あれだけ金太郎選手が間合い詰めてくれば3Rは確実にテイクダウンが取れたはずですけど。猛攻を見せた金太郎選手の価値がアップしちゃった試合ではありますね。
    シュウ そこは「アントニオ猪木の風車の理論」っぽいところではあるんですけどね。相手を光らせたなら、ちゃんとフィニッシュしなければダメですよ。
    ──相手の力を8〜9引き出して10で返す風車の理論! つまり「アントニオ直樹」になるべきだったんですね(笑)。
    シュウ そうあってほしかったですね(笑)。右手がケガで使いづらいとはいえフィニッシュはほしかったです。
    ──シュウさんの試合直後に「右手をケガしていた」というツイートが「言い訳なんじゃないか」と炎上気味でしたけど。
    シュウ ツイートするべきか一瞬悩んだんですよ。あれは直樹くんに対してのメッセージもあったんですけど、皆さんにわかってほしいのは目指すところはどうしてもUFCなんです。ボクは常にUFCのマッチメイカーを相手にセールスをしてる立場なんですね。UFCのマッチメイカーほど辛口な評論家はいないんですよ。世界最強の辛口評論家だから「なぜフィニッシュできなかったのか」を訴えたい気持ちもあったんです。
    ──金太郎選手レベルをフィニッシュすれば、いい条件でUFCがピックアップしてくれるということですね。
    シュウ たとえば弊社でマネジメントしているキャロル・ローザはUFCの4試合契約を全勝したんですけど、判定勝ちばっかりだから契約更新の交渉では渋いことを言われるだろうな……ってことまで考えなくちゃいけない。
    ──UFCですら勝てばいいんじゃなくて、ランカーに勝っているのか、内容はどうだたのかをジャッジされる恐ろしさ。
    シュウ そういうことを考えていると、いまから数年後を見据えてエクスキューズも垂れておかないとな……って気持ちはありますよね。
    ──気になるのは井上選手のケガは大晦日までに治るのかってところなんですけど。
    シュウ そこはボクも考えていることがあるんですけど、日本のお医者さんは基本的には自然治癒を求めるんですよね、あまりメスを入れることを好まない。これは内視鏡だろうがなんだろうが。でも、アメリカの医者は逆なんですよ、新しいものを取り入れることが大好きなんで、すぐに手術する。
    ──すぐに歯を抜く歯医者さんみたいなタイプという(笑)。
    シュウ 手術したら痛みは取れるかもしれないけど、やっぱりリスクもあったりするじゃないですか。プロアスリートは将来が懸かってますから。今回の試合が終わったあとにセコンドの安田(けん)さん、水垣さんたちにメールを送ったんですけど。その内容は選手はF1のマシンみたいなものだけど、パーツを変えられないマシンなんですよと。
    ──壊れたからといって部品交換はできないと。
    シュウ パーツを変えられないんだから、いまのパーツをケアするかどうかで、30代40代になったときに現役でいられるかにえらい違いが出てくると。30代のはじめに失速する選手ってすごく多いじゃないですか。ほとんどがケガが原因ですからね。いまここでしっかりとケアをするか・しないかによってこれからの10年が10倍くらい違ってくるんで。だからいまの対戦相手を見下してるとかそういうわけではなく、その先を見据えるならば、楽しいのはわかるけど、遊ばずに勝ちに徹して身体のケアもしていかないと。
    ──RIZINとはどういう話し合いをされているかはわからないですけど、決勝ラウンドの組み合わせは扇久保(博正)選手になりそうですね。
    シュウ それしかありえないですよね。扇久保選手は海選手と瀧澤(謙太)選手と一度やってますから、リマッチを回避するとそうなっちゃう。今回はGPですから、選手側としての希望は言いますけど、RIZINさんと話し合いをすることはないですよね。誰が来ても文句が言えないのがGPなんで。RIZINさんとの話し合いという点では、どちらかというと、誰が優勝するにせよ、GP後の話し合いのほうが重要になりそうですよね。堀口(恭司)選手がどうなるかわからないんで。私の中では、来年のRIZINバンタムはすべてがディペンズ・オン・堀口、つまり堀口選手次第だと思っているんです。12月に噂されているセルジオ・ペティス選手との結果次第で違ってくると思いますし、ベラトールのバンタム級GPだって、いつからスタートするかによって、堀口選手が来年はいつRIZINに出れるのかも決められないと思いますし。ただ直樹選手のマネジメントとしては彼に取ってのベストは?が常に最優先になるんで、GP優勝できたとしても、堀口選手だけに拘らないでもいい、または拘れない状況になるかもしれないですからね。そうなるとセールスマンとしては、井上直樹という商品に、技術的にもキャリア的にも、なるべく多くのスペックがさらに備わるための最善の方法を模索するしかないんですよね。
    ──井上直樹選手がこのまま優勝するとなると、石渡伸太郎、金太郎、扇久保博正、朝倉海or井上直樹と錚々たるメンツを破っていくことになりますね。
    シュウ そうなったらセールスマンの私にとったらサンキューベリマッチな展開なんですけど(笑)。
    ──サンキューベリマッチ(笑)。マネジメントの話でシュウさんに聞きたいのは、クレベル・コイケ選手がRIZINと相当、揉めてるんですけど……。・マネジメントから見たクレベル・コイケ問題・平本蓮の相手は?・朝倉未来は世界レベルか……12000字インタビューはまだまだ続く!
    この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!