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記事 66件
  • 新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方■「斎藤文彦INTERVIEWS」

    2022-06-20 09:53  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方です!

     

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    ――今回のテーマは新日本プロレスvsAEWの対抗戦なんですが、その新日本の飯伏幸太選手がSNSで暴走しています。
    フミ 非常に現代的な騒ぎですね。これを問題とするか、問題としないのかは意見がわかれるところではあると思いますが、飯伏選手が公開したLINEの画面はすごく生々しくてリアルでした。あのLINEのやり取りがツイッターに公開されると、ほぼ瞬時にポジティブなものもネガティブなものもありとあらゆるレスポンスがたくさんついていって、それがずっと長く延びていくのもたいへん現代的だと思いました。
    ――プロレスのスキャンダルっていまに始まったことじゃないんですけど、こういったかたちで露出するのはSNS社会ですね。
    フミ まさにソーシャルメディアの時代、SNS全盛の現実そのものが現代的だし、登場人物の飯伏幸太も非常に現代的なプロレスラー。彼は新日本の野毛道場出身ではありません。新日本のヤングライオン出身の選手だったら、ああいうふうにツイートすることでメディア(というか世間)に情報を開示することに二の足を踏むというか、沈黙を守ると思います。野毛の合宿所育ちのヤングライオンとヤングライオン卒業生たちは、いい意味でも悪い意味でもコメントにブレーキをかける訓練、あまりよけいなことはいわずだいたいのことは黙っておくというお作法みたいなをたたき込まれているし、それが美徳であり一種の処世術になっている。
    ――飯伏選手は新日本流の教育を受けてきてないわけですね。
    フミ DDTという団体のメインイベンターだった選手が、メジャー新日本に発掘され、スカウトされるかたちで年間契約し、正式に入団して、G1を制覇してIWGP世界ヘビー級チャンピオンにまでなった。ものすごいことです。でも、飯伏が野毛道場育ちで、もし元ヤングライオンだったとしたら、こういったトラブルが表に出る可能性はすごく低かったと思います。アメリカのマニア層のこの騒動に対する反応がまた面白いんです。英語圏の人たちは飯伏がどんなツイートをしているのか興味があるので、Google翻訳にかけるわけですね。でも、飯伏の日本語はGoogleでは翻訳できないというか、うまく英語化しないんです。
    ――飯伏言語は翻訳できない日本語(笑)。
    フミ ロスト・イン・トランスレーションじゃないけれど、理路整然とした日本語だってGoogleの翻訳機にかけると、変な翻訳が出てきますから、飯伏のツイートがきっちり日本語のニュアンスどおりに翻訳されていないこともあって、今回の話にはおかしいくらい尾ひれがついていきました。アメリカのマニアのあいだでは、日本から観察しているとずいぶん荒唐無稽なストーリーがかなりすごいスピードで広がっていくんです。もちろん、個人の感想とか個人レベルでの予想とか、どう見ても不正確と思われる情報とこれは正確と判断するに足りると思われる情報とがまったく同じスピードで画面にアップされていく。でも、情報内容がソートされずにです。これもまたSNSの現在進行形的な現象です。
    ――ユークス体制の新日本プロレスで、ここまでのスキャンダルはそうそうなくて。昔の新日本は頻繁に起きて、リングで活かそうとしてうまく転がったり、不発に終わったり。
    フミ それがアントニオ猪木の世界論であるならば、揉め事はすべてリングの中に持ち込め、リング上で決着をつけろとなるかもしれないですね。しかし、その場合も選手同士の行き違いを試合に昇華しなさいという発想ですが。生産的といえばひじょうに生産的な発想なんです。
    ――今回は新日本プロレスの関係者とのあいだのトラブルですね。
    フミ この騒動がどうなるかは推移を見守るしかないですが、飯伏の気持ちになって考えてみるとを、このまま元のサヤに収まって新日本プロレスのリングに上がることはむずかしいんじゃないかなと感じます。SNSにコメントを公開した時点で、もう、気持ちが切れちゃっているんじゃないかなって。新日本は新日本で、首脳陣の話ですが、それはそれで仕方ないと納得しなければならない部分もある。やっぱり新日本の選手層は厚いし、プロレスラーの感覚からすると、自分より上にいた選手が1人抜けることはチャンスなんですね。そういう状況そのものを(自分にとって)ポジティブに受け止める選手もけっこういるんじゃないかな思いますね。
    ――プロレスは「俺が、俺が!」の世界ですもんね。飯伏問題はこのあとの展開を見るとして……新日本プロレスが電撃的に発表した、アメリカのプロレス団体AEWとの対抗戦です。
    フミ イベントのタイトルが「禁断の扉(Forbidden Door)」。「禁断の扉が開いた」というのは本来、第三者が“評価”として言うべきことで、当事者が言うことじゃないんですけどね(笑)。
    ――以前から新日本からAEWに選手が派遣されていたので、もともと開いていたんですが、トップレスラー同士の接触は初ですね。
    フミ どちらかといえば、アメリカのマニア層のほうがこの対抗戦に興奮しているんですね。今回の対抗戦は6月27日(現地時間は6月26日)にシカゴで行われますが、開催場所が日本でないこと、新日本はそれまでジュニアのリーグ戦やIWGP世界ヘビー級王座を巡る流れがあったりしますから。6月に入らないとなかなかプロモーションは難しい。5月中旬の大会発表の時点では日本とアメリカでファンの温度差はすごくあったんです。
    ――アメリカのマニアには新日本プロレスのことはWWEに次ぐ団体として認知はされているけど、AEWは勢いはあるとはいえ発足して数年だから、日本のファンはそこまで詳しくなかったりするかもですね。
    フミ 実際、新日本ワールドのほうでも、ようやくAEWのテレビ番組『ダイナマイト』と『ランペイジ』が日本語の実況・解説付きで配信されるようになった。レギュラーで映像がないと、日本のファンにとってもあまりピンと来ない。新日本ワールドの中にレギュラー番組というかたちで届けられるわけだから、これは両団体の業務提携に関してはこれまでよりも何歩も何歩も前進したことはたしかですね。アメリカ開催のPPV、今回の対抗戦は日本時間では月曜日午前9時開始だから、ライブ視聴が無理なファンも多いですよね。
    ――社会人は有給を取るしかないですねぇ。
    フミ もちろん動画配信なので、時間に関係なくオンデマンド方式でいつでも観られるのですが、やっぱりライブ(生配信)の価値が高いですよね。PPV1番組あたりの値段は4980円。アメリカではPPVはすでに30年以上、テレビ文化の日常として定着しているので、これくらいのグレードのイベントだったらそれほど理不尽に高い価格設定ではないです。だけど、新日本ワールドに毎月1000円払って見ている契約世帯が、さらに1番組あたり4980円を払いなさいって言われると、なかなかいい値段だなっていうイメージはたしかにありますね。
    ――日本のプロレスにPPVはまだ根付いてないですね。フミ 今年1月、横浜アリーナで開催された新日本プロレスとプロレスリング・ノアの交流戦もPPV生配信(視聴は1回のみ)で約4000円が課金されるシステムでした。ビッグイベントに対して4000円、5000円クラスの“チケット代”の設定は、ネット上のビジネスモデルとしてすでに定着しつつあるのかなという感覚はありますね。
    ――おそらく新日本とノアのPPVに強烈な手応えもあったんでしょうね。フミ いろんな他ジャンルの同年代の友人、知人たちに話を聞いても、日本人、外国人を問わずビッグアクトのコンサートを生配信で観るには4000円、5000円は高くないですよという返事が来る。「動画配信なのに5000円は高くないか」というのは、あくまでも東京や関東エリアに住んでいて比較的会場に足を運びやすい人たちの感覚で、地方在住のお客さんは東京のライブを観に来るために交通費や宿泊費など余分な出費がかかったりするわけです。5000円程度でライブ配信が観られるのであれば決して高くはない。消費者のほうでこの新しいビジネスモデルを認めている。
    ――PPVは昔からあるシステムですけど、ビジネスモデルにしっかりと組み込まれていくってことですね。<会員ページへ続く>
     
  • 追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-03-20 21:53  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホールです!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


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    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――今日はフミ斎藤さんの連載インタビューの配信版ということで、フミさんよろしくお願いいたします。
    フミ よろしくお願いします。
    ――今月のテーマは悲しい出来事が起きてしまいました。レジェンドレスラーのスコット・ホールがお亡くなりになってしまいました。
    フミ ボクはスコット・ホールと友達だったので本当に悲しいです。この世代のアメリカのスーパースターの中では、彼らも亡くなりましたが、 ホーク・ウォリアー、テリー・ゴーディ、バンバン・ビガロらと並び、ボクにとってはたいへん親しい人でした。何年か前のレッスルマニアではスコット・ホール、シックスパックことショーン・ウォルトマンと一緒にホテルのスイートルームをシェアして、何日間か楽しく過ごしながら寝泊まりしました。
    ――素晴らしい経験をしてますね(笑)。
    フミ あのときがスコット・ホールと過ごした最後の時間になってしまいました。スコットの息子のコーディ・ホールが新日本道場に留学していたときに「息子をよろしく頼む」ということだったので、コーディとよくいっしょにご飯を食べにいったりもしていました。
    ――とても近い存在だったわけですね。
    フミ スコットホールがジョージア州マリエッタの病院で亡くなったのは3月14日でしたが、その2日前の3月12日に同病院でヒップ・リプレースメント、つまり臀部に人工関節を入れる手術を受けたんです。その直後、両足のふくらはぎできていた血栓が原因で血流に障害が生じ、同日、短時間に3回の心臓発作を起こして危篤状態に陥ったとのことです。集中治療室で延命治療(生命維持装置)を受けていましたが、それから数時間後、盟友ケビン・ナッシュは自身のインスタグラムでスコットの家族が病院に到着したら家族の了承を得て延命装置を外すことになるだろうとの投稿をしました。すると、まだ亡くなってもいないのにSNSに「RIP(レスト・イン・ピース=安らかに眠れ)」というメッセージが溢れてしまったことに、ショーン・ウォルトマンは「まだ心臓は動いてるよ!」と怒っていましたね……。
    ――盟友たちからすれば、受け入れがたい現実ですよね。フミさんとスコットとの付き合いはいつから始まったんですか?
    フミ スコットが新日本プロレスに初来日したときからですから、1987年(昭和62年)です。その年に3回来日しているんですが、3回目のときはジャパンカップ争奪タッグリーグ戦で坂口征二さんをパートナーにエントリーしたんです。
    ――すごいタッグチームですね(笑)。
    フミ なぜ外国人レスラーなのに坂口さんのパートナーに抜擢されたかのというと、かつてのハルク・ホーガン的な外国人ベビーフェイスの売り方がプランニングされていたんです。その5年前、ホーガンは猪木さんとのタッグで日本でスターになっていきましたよね。
    ――NEXTホーガンを見込まれるくらいの逸材だったことですね。
    フミ もうちょっと時間のテープを巻き戻します。スコット・ホールは83年からプロレスの修行を始めていました。じつはヒロ・マツダ道場からスタートしています。
    ――名伯楽のヒロ・マツダさん。 
    フミ ハルク・ホーガンやポール・オーンドーフの後輩に当たり、レックス・ルーガーやロン・シモンズよりもやや先輩になります。ヒロ・マツダさんは「これはモノになる」という大型ルーキーしかコーチしないんですね。スコット・ホールもその身体と素質を見込まれてヒロ・マツダ道場でコツコツ練習を始めたんだけど、なかなかデビューの目処が立たなかったんです。
    ――それは何か理由があったんですか?
    フミ そこはやっぱりタイミングということだったと思うんですね。それで84年のある日、フロリダ州タンパのスーパーで食料品の買い物をしていたとき、バリー・ウィンダムにばったり会ったわけです。
    ――大型2世レスラーのバリー・ウインダム。
    フミ バリー・ウィンダムに「ボクもレスラーの卵なんですけど……」と話しかけたら、ちょうどそのときNWAフロリダ地区でブッカー、プロデューサー、トップスターを兼ねていたダスティ・ローデスがノースカロライナのNWAクロケット・プロに移籍するタイミングだったんです。バリー・ウィンダムとその相棒だったマイク・ロトンドもローデスと一緒についていくと聞いたので、スコット・ホールも「俺も行っていいですか?」ということでカバンに荷物を詰めて、ダスティ・ローデスに会いにノースカロライナまで行っちゃったんです。
    ――偶然の出会いから。
    フミ だからヒロ・マツダ道場は卒業はしていません。フロリダでもデビューさせてくれるかもしれなかったんですけど、痺れを切らしてノースカロライナに行って、そこで“アメリカンドリーム”ダスティ・ローデスのレクチャーを受けるわけですが、稽古する場所は当時シャーロットにあったリッキー・スティムボートのジムだったんです。そこでは、リック・フレアーにもプロレスを教えてもらったりしたそうです。
    ――メンツが豪華すぎますね!
    フミ ただノースカロライナには選手がたくさんいたことで、ローデスの指示でミズーリ、カンザス2州のNWAセントラルステーツ地区に送り込まれました。このエリアは昔はNWAの総本山だったんですが、この時期は経営難になっていて、NWAクロケット・プロが買収してルーキーを集めるファーム・テリトリーに模様替えするプランが進んでいたんです。
    ――それで新人のスコット・ホールが送られたんですね。
    フミ 稽古仲間だったダニー・スパイビーとアメリカン・スターシップというタッグチームを結成して、いよいよデビューするわけです。スコット・ホールがコヨーテ、ダニー・スパイビーがイーグルというリングネーム。当時はまさにロード・ウォリアーズ全盛の時代で、とにかく身体がデカい新人は筋肉マン・タイプのタッグチームを結成するのがブームだったんです。若かりし頃のスティングとアルティメット・ウォリアーもルーキー時代、テネシーでロード・ウォリアーズそっくりのタッグチームとしてデビューしましたね。
    ――ロード・ウォリアーズのそっくりさんみたいなチームがやたら多かったですね。
    フミ スコット・ホールはデビューした当時26歳だったんですけど、ダニー・スパイビーのほうはデビューした時点でもう34歳だったので、とにかく早くお金を稼げるようになりたいということでWWEに行っちゃったんですね。
    ――当時は年齢高めのデビューが多かったですね。
    フミ フットボールを長くやっていてNFLには行けなかったけれど、プロレスに……という人が多かったこともありますね。アメリカン・スターシップが解散したことでスコット・ホールはひとりになってしまったんですが、85年にAWAからスカウトされたんです。当時は前年にハルク・ホーガンがAWAからWWEに移籍して全米ナンバーワンのスーパースターの道を歩み始めた時代で、AWAはビンス・マクマホンにどこよりもたくさんの主力選手を持っていかれた団体だった。ホーガンだけでなく、ジェシー・ベンチュラ、アドニス、ジム・ブランゼル、悪党マネジャーのボビー・ヒーナン、名物アナウンサーのジーン・オーカランドらがWWEに行ってしまった。AWAオーナーのバーン・ガニアと、老プロモーターのウォーリー・カルボはスコット・ホールを見て「ブロンド(ホーガン)が逃げたらブルネット(スコット・ホール)が来た」って感じだったんですね。
    ――粋な言い方をしますね(笑)。nWoのヒントは昭和・新日本プロレスにあった!? スコット・ホール13000字語りはまだまだ続く!

    この続きと、平本蓮、ジモキック問題、関根シュレック、ハヤブサ、浜崎朱加…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2089097
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  • 【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-02-20 16:37  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはシェイン・マクマホンがWWEをクビに?です!

     

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    ――今回のテーマはシェイン・マクマホンWWE解雇の件です。シェインはWWEオーナーのビンス・マクマホンの息子にしてフロントの一員であり、ビッグマッチでは自ら試合もする人物ですが、解雇は確定なんでしょうか。
    フミ 確定というか事実ですね。プロレスのこういうニュースでアメリカで一番信頼できるメディアはやっぱりデーブ・メルツァーの『レスリング・オブザーバー』ですが、いまはネットメディアが後追いでそのニュースについてメルツァーを取材するというパターンが頻繁にあります。メルツァーは、今回のシェインの解雇は事実であるとコメントしている。事件が起きたのはさる1月29日の『ロイヤルランブル』終了直後。バックステージでビンスとシェインが大ケンカをしたということです。WWEのレスラーや関係者たちの中には、額面どおりに「2人は決裂した」と考えている人もいれば、「いまは本当にケンカをしているかもしれないけれど、やがてそのケンカがアングル、ストーリーラインになって、シェインは戻ってくる」というふうにとらえている人たちもいる。いずれにしても、シェインが現時点でWWEを離れていることは事実ですね。
    ――シェインの解雇理由は明かされているんですか?
    フミ まず、シェインはWWEの社員でも専属契約選手でもないので、解雇という表現は正確ではない。退団あるいは脱退といったニュアンスに近いのではないかと思われます。いくつかの理由が推測されていいて、たとえば『ロイヤルランブル』の演出を巡ってビンスとシェインが衝突したという説。散らばってしまったパズルのかけらを拾い集めて繋ぎ合わせていくと、今回の『ロイヤルランブル』ではそのシェインが昨年のレッスルマニア以来1年ぶりに試合をしたという事実がある。『ロイヤルランブル』の時間差バトルロイヤルで、シェインは出場30人のうちの28番目でエントリーしてきた。つまり、簡単にいえば、番付けがすごくいいということです。
    ――優勝争いに絡めるポジションですね。
    フミ シェインは28番目の男として入場してきてファイナル3人まで残りました。優勝したのは最後の30番目に出てきたブロック・レスナーでしたが、4月には年間最大イベント『レッスルマニア38』を控えるなかで、シェインもその主要カードに関わってくるであろうことを予想させるポジションだった。『レッスルマニア38』ではシェインと売り出し中の若手ヒール、オースティン・セオリーのシングルマッチがラインナップされるというウワサもあった。でも、イベント終了後に何かしらの理由でビンスと衝突してしまって、その後の『ロウ』や『スマックダウン』の番組収録にも姿を現さず、2・19PPV『イリミネーション・チェンバー』が開始されたサウジアラビア・ツアーにも帯同しなかった。だから、『レッスルマニア』に向けてすでに練られていたいくつかのプランもすべてペンディングになってしまったことはたしかなのです。
    ――そもそもビンスとシェインはどういう関係性だったんでしょうか。
    フミ まず経歴から簡単に説明すると、マクマホン家の長男シェイン・マクマホンは1970年生まれの52歳。いまをさること32年前、1990年4月13日、WWEと全日本プロレスと新日本プロレスの合同興行『日米レスリングサミット』が東京ドームで開催されましたが、そのときWWEクルーの中に混じって、まだ20歳だったシェインがレフェリーとして来日していたんです。WWEにおけるテレビデビューは1998年。ビンスの息子として表舞台に現われました。ミレニアムの頃のWWEはマクマホン一家の物語が連続ドラマの中心にあって、ビンスの奥さんのリンダさんやシェインの妹のステファニーも登場して、最初はドラマの中の1コマだったステファニーとトリプルHの略奪結婚劇が、現実の世界でも結婚という“小説よりも奇なり”という展開を生んだりしました。
    ――そのWWEという会社を経営者として動かしているのもマクマホン一家なんですね。
    フミ ここがわりとわかりにくいところなのですが、御大ビンスがCEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)でWWEの最高経営責任者です。比較的新しい登場人物ではニック・カーンという社長がいます。この人は雇われ社長で株主です。ステファニーはCBO(チーフ・ビジネス・オフィサー)で日本語に訳すと最高業務責任者。その夫トリプルHはCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)。これは最高執行責任者ですね。
    ――いろんな最高職があるわけですね(笑)。
    フミ 日本の会社組織だったら代表取締役社長のほかに代表取締役会長、それから取締役か何人かいたりしますよね。WWEでは最高経営責任者のビンスがトップで、ナンバー2がステファニーとトリプルHの2人。不思議なことにシェイン1人だけ肩書きがついていないのです。解雇された、または現場からいなくなったといっても、シェインがいまでもWWEの大株主のひとりであることに変わりはない。WWEはもともとファミリー企業で家族が株を持っていましたが、いまはニューヨーク市場に上場して株式を公開、一般人でも株が買えるようにはなっています。しかし、それでも株式全体の何十パーセントは家族で所有していて、たとえばビンスの持ち株は2.1ビリオン、日本円で約2100億円分を持っている。
    ――気が遠くなる金額ですね(笑)。
    フミ リンダさんは約1600億円分、ステファニーは約150億円分、シェインに肩書きないとはいっても、約100億円分の株を所有しています。
    ――さすが世界一のプロレス団体ですねぇ。
    フミ それでもアメリカではスモールビジネス=中小企業のカテゴリーなんですけどね。シェインは以前にもWWEから離れていた時期がありました。もう10年以上前のことになっちゃうんですけど、2010年から2016年の丸6年間。そのときはちゃんと辞表を出してやめましたが、辞職理由は明らかにされず、「いったい何があったのか?」と詮索されましたが、3人目の子どもの育児休暇がその理由だったんです。やや蛇足になりますが、シェインの子どもたちは男の子ばかり3人で、ステファニー&トリプルHの子どもたちは女の子ばかり3人。このビンスの孫6人もやがてWWEの大河ドラマの登場人物になるのでしょう。お話を戻すと、シェインの場合はイチ選手なり、イチプロデューサーがクビになったのとはまったく違うんです。現在はなんの肩書きもついていないとは言っても、やっぱり現場での発言力は大きかった。また、大株主なのでWWEとは切っても切れない関係。今回シェインがビンスと大ゲンカしてWWEから出ていったことは、おそらく事実なのですが、家族であり大株主であるという関係性から、いずれは戻ってくると考えるのが妥当なのでしょう。
    ――演出の方向性だけでここまで揉めるということは、以前から火種はあったということなんでしょうね。

    この続きと、ドミネーター、鈴木千裕、中井祐樹、菊地成孔、三浦孝太…………などの2月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
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  • プロレスに言葉が必要なのか?金剛ノーコメント批判を考える■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-02-02 00:00  
    120pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは金剛ノーコメント批判を考えるです!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――今日はフミ斎藤さんに電話でつながってまして。月イチの連載の配信版を行ないますので、よろしくお願いします。
    フミ こんばんは、フミ斎藤です。
    ――新年1発目の今回は、1・8の新日本プロレスvsノアの対抗戦についてお伺いします。
    フミ よろしくお願いします。試合や対抗戦そのものについては、各方面ですでに報じられているので、今回はボクなりに考えたいくつかのポイントを中心にお話ししていきたいと思います。
    ――フミさんはどういうかたちで対抗戦をご覧になったんですか?
    フミ ボクは知人と一緒にスマホとにらめっこしながら初めてABEMA TVのPPVを購入しました。3000ABEMAコイン、現実のお金だと3600円でした。
    ――ABEMAのPPVは初購入なんですね。
    フミ ボクらのようなおじさん世代にとっては購入動作そのものがわかりにくいところがあって、画面に入っていって、どんどんボタンをクリックしていくわけなんですが、まずABEMAコインというバーチャル貨幣が必要だということを知らなかったんです。
    ――そこからなんですね。
    フミ この番組を視聴するには3000ABEMAコインかかりますと画面に表示される。そして、3000ABEMAコインを買うにはどうやら円レートで3600円が必要ですと。そもそもクレジットカードがスマホやパソコンに連動していないと料金を支払うことさえできない仕組み。この場合は1番組の視聴料金が3600円。新日本ワールドやWRESTLE UNIVERSEの月額1000円程度の料金システムとは違って、1番組ごとの料金設定があり、しかも一度しか視聴できない形態ですね。まず、この3600円を高いと受け取るか、安いと受け取るかですね。
    ――フミさんは高いと思ったんですか、安いと思ったんですか。
    フミ 安くはないと感じました。映画よりは高いですね。でも、コンサートのチケット代よりは安い。まあ、外で食事ができる値段ではあります。ネットPPVがプロレスの一番新しいビジネスモデルなんだろうなということがなんとなく認識できた段階です。
    ――最近は国内ボクシングのPPVも大々的にやりだしたことで、PPVビジネスが議論になってるんです。MMAシーンはPPV自体の歴史が長いのでもう慣れちゃってるんですけど。
    フミ そんな感じなんでしょうね。
    ――日本プロレス界初のPPVは新日本の長州力vs大仁田厚の有刺鉄線電流爆破デスマッチで、その後もいくつかの団体がやりましたが定着せずで。
    フミ 今回はABEMAで観れば生配信で3600円だけど、1週間待てば新日本ワールドやWRESTLE UNIVERSEの会員であればまた観ることができるわけですから、そこの判断もちょっと難しい。
    ――1週間ちょっとガマンするという選択肢はある。
    フミ 新しいビジネスモデルとして消費者に提示されているということは理解しています。プロレスだけの動きではなくて、映像ビジネスは実際にネット上のストリーミングにすごいスピードで変換されつつある。ありとあらゆるジャンルにおいて最新映像がテレビからネットに移行されていくプロセスは遅かれ早かれかならずあったと思いますが、新型コロナのパンデミックがそのスピードをぐっと早めたというか、実用化を早めた。ボクのなかでは、これもまたコロナのひとつの副産物なのだろうという感覚があります。
    ――ネット配信をどう駆使するかが問われてるわけですね。
    フミ 話題は対抗戦からちょっと外れるかもしれませんが、今回の大会を報じた一部スポーツ紙の記事が大炎上しましたね。
    ――スポーツ○○の……。
    フミ その記事をYahooニュースが拾ったことによって拡散され、いつもはスポーツ○○を読んでいないであろう多くの人たちの目にも触れた、ということですね。その記事は最後まで読むとわかるのですが、試合リポートではなくて「記者コラム」だった。試合リポートとコラムの根本的なカテゴリーの違いはボクらだったらわかるんですけど、読者によっては、とくにネット読者層はその違いをあまりよくわかって読んでいなかったのかもしれない。実際、そこに書かれていたコラムの内容そのものが大炎上を呼んだわけですが。
    ――コラムを要約すると、試合に敗れてノーコメントだったノアの金剛はどうなのか、というプロの姿勢を糺すものですね。
    フミ そこの判断はプロレスファンとしてのキャリアによっても大きく異なるところです。マイクアピールがなければ、あるいは言葉によるフォローがなければプロレスが伝わらないと本気で信じている層が確実に存在する。そのあたりは、近年の新日本プロレスの長編ドラマとその登場人物のキャラクター設定だけを通じてプロレスと接している人たちの一種の常識みたいなものが基準になっているのかもしれない。
    ――比較的新しいファンだと、マイクがあるのがプロレスだと捉えている。
    フミ ボクのこの感覚がオールドファッションなんだよと言われてしまえば、それまでのことなのかもしれないけれど。そもそも、マイクアピールは決してプロレスに必要不可欠なものではないんです。今回の対抗戦で、プロレスリング・ノアと新日本プロレスがちょうどうまい具合に何から何まで比較される一枚のお皿の上に並べられたことはたしかですよね。アントニオ猪木、長州力の流れを汲み、いまの現在進行形の新日本プロレスがあるとすると、たしかに試合と言葉の両方が必要なプロレスという流儀のようなものがあります。しかし、プロレスリング・ノアは、全日本プロレス、ジャイアント馬場さんからジャンボ鶴田さん、三沢光晴さんをリーダーとする四天王の流れを汲むプロレスです。その歴史を紐解けば、そこにはマイクワークは存在すらしないわけです。馬場さんは試合後にマイクで誰かを挑発したことはないし、ジャンボさんもマイクをつかんで対戦相手やタイトルマッチの次期挑戦者をなじったりしたことはないんです。基本的な所作に違いがあるんです
    ――天龍さんは「何も話すことはない」が代名詞だったときありますね。
    フミ 天龍さんの場合は控室に戻ってからボソボソとしゃべって、その言葉を番記者が拾って、それこそ阿吽の呼吸で記事にするというお作法もあることはありました。むしろ天龍さんよりもさらに一世代若い四天王世代はコメントさえあまり出さない。マイクワークは一切やらずに四天王プロレスが成り立ってきた歴史もあるわけです。流儀のちがいとか哲学のちがいとか言っちゃうと、ちょっと大げさかもしれないけれど、馬場イズムを受け継いでいるプロレスリング・ノアと、アントニオ猪木の流儀を受け継いでいる現在進行形の新日本プロレス。今回の対抗戦は、このまったく異なるプロレス哲学、プロレス道がぶつり合ったという実感はすごくありました。その部分を、言葉がなければお客さんには伝わらないという結論づけでは、中立的な分析、価値観の比較にはならない。新日本のスタイルを基準にして見ちゃうとノアの選手たちが無言で帰っていったのは理解しにくかったのかもしれないけれど、ノーコメントはプロとしておかしいというような論点だったり、またはなぜコメントをしなかったのかという点を追跡取材もせずにコラムに書いてしまったのは、ファンの感想文と同じだということでネット上で一気に炎上したのでしょう。
    ――スポーツ紙とか新聞系の人にありがちなのは「コメントしないとは何事だ」っていう姿勢があるんです。マスコミの存在を否定されたように受け取っちゃうんですよ。
    フミ でも、試合後に選手が必ずコメントを出すという不文律はないですよ。それがプロレスの試合の一部分だという大前提なんてないですよ。ここ10年ほどの新日本のやり方をすべてのプロレスの基本形として捉えている人たちにとっては、マイクもプロレスのひとつのパーツだと思いがちなのかもしれないけれど、実際はそうではない。そもそも、マイクワークやコメントがなかったらプロレスが成立しないとなったら、プロレスというジャンルには「言葉の壁」があることになってしまいます。
    ――あと最近のネットの風潮でいうと、なんでも説明がないと納得がしない人が増えてんだろうなって。行間を読むことを放棄してるという。
    フミ それはもうプロレスを観るスタート地点にさえ立っていないのではないか。そう感じます。プロレスというスポーツエンテーテインメントは観る側のイマジネーションがすごく大切なのです。イマジネーションを膨らませる、どうしてだろう、なぜだろう?とあれこれ考える感性の作業を放棄している思考停止状態がコメント主義なんです。最近プロレスを観はじめたビギナーならわかりますけど、選手たちのコメントからいま見た試合の意味を知ろうなんて、どうなんですか。プロレスはプロレスラーが言葉でもって提示するものではないでしょう。

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  • 対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-12-23 16:25  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
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    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

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    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


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    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――2022年1月8日、横浜アリーナで開催される新日本プロレスとノアの対抗戦はアメリカではどんな反響でしょうか?
    フミ 反響はすごいです。WWEに飽きちゃっててAEWに拠り所を求めてるアメリカのマニア層からすると、新日本とノアのストリーミング配信に英語の実況解説がついたことで以前にも増して日本のPuroresuに対する注目度、関心が高まっているんですね。 でも、全カード発表となってフタを開けてみたらメインイベンタークラスのシングルマッチが実現しないということで……。
    ――あ、そこはアメリカのファンもちょっと肩透かしを食らった感じなんですね。
    フミ そのあたりは「対抗戦か、交流戦か」という日本的な解釈にも関係してくると思うんです。発表された全カードを見ると若手以外はシングルマッチはなしで、タッグマッチや6人タッグ、10人タッグなどがズラリと並んでいますよね。
    ――メインが10人タッグということには、ちょっとビックリしましたね。
    フミ 試合そのものの勝敗がついても、勝負としての白黒つかないこの感じをどう解釈したらいいのか。開催決定記者会見のときの武藤敬司のコメントは「殺伐とした対抗戦の時代じゃないだろう」というニュアンスのものだった。 闘魂三銃士や四天王と呼ばれた世代の中で唯一現役の武藤選手は、かつての対抗戦の雰囲気を知ってるプロレスラーですよね。
    ――UWFインターナショナルとの全面対抗戦では新日本の大将でしたね。あの対抗戦に参加して今回も出場するのは武藤敬司に永田裕志、あと桜庭和志ですか。
    フミ 新日本vsUインターのとき永田選手と桜庭選手はまだ若手で第1試合のタッグマッチで戦いましたが、3人とも置かれた状況は当時と現在とではまったく違いますよね。
    ――武藤さんと桜庭さんはノア側ですもんね。 信じられない。
    フミ 他に表現がないから今大会を「対抗戦」と銘打ってはいますが、はっきりと勝者と敗者をイメージさせるようなシングルマッチがカードにはなかったのは、もちろん武藤選手の意思が働いたわけではないでしょうけれど、結果的に対抗戦というよりは交流戦に近いものになった。 武藤選手のあの発言は今回の対抗戦をどう捉えるかの大きなヒントになりますが、それでも団体同士の対抗戦にはシングルマッチを期待するのがプロレスファンですよね。 今回発表された対抗戦のキービジュアルには新日本とノアの3選手が睨み合ってるものでした。鷹木信悟は中嶋勝彦と、棚橋弘至は武藤敬司と、オカダ・カズチカと清宮海斗が睨み合っている。これを見るかぎり、この選手たちのシングルマッチが実現することを想像させるものでしたよね。
    ――ところがどのシングルマッチは実現せず……。
    フミ 棚橋弘至vs武藤敬司あたりがひとつの落とし所になるのかなと思ったらそれもなかった。 タッグ版のオールスター戦なのかなぁと思っちゃうところはありますよね。今回の1・8横浜アリーナが始まりで、今後も新日本とノアの対抗戦は続くんだろうという予想はできるんですけが。今大会は新日本ワールドでは生配信されませんし、テレビ朝日のワールドプロレスリングでも中継はされない。
    ――サイバーファイトの『WRESTLE UNIVERSE』でも後日配信ですね。
    フミ ビジネスにおける交渉事は「誰がボールを持ってるか?」という話になりますが、今回はこの対抗戦を生配信するABEMAがボールを持ってるように見えますね。これはABEMAプロデュースのイベントなんですよという明確なエビデンス。 かつては存在しなかったネット上の有料動画配信というまったく新しいビジネスモデルが成立していて、これからのプロレスは配信の時代なんですよということを伝えるものかもしれない。 
    ――今回はABEMAがボールを持ってるからこそ白黒つけるまでには至らないと。
    フミ 白黒ついちゃったというケースとしては先ほどちょっとお話した1995年10月9日の新日本とUインターの全面対抗戦がありました。全面対抗戦で負け越して、武藤敬司vs高田延彦の大将戦のも落としたUインターは翌96年には団体が崩壊してしまったという歴史的事実がある。団体対抗戦というものは、そもそもおたがいの存亡を懸けた戦いでなければ成立しないのではないか? もちろん、ひとつの仮説ではありますが。
    ――対抗戦にはそういう幻想はありますね。
    フミ そこで次に考えるべきなのは、いまの時代はプロレスというジャンルのその成り立ちのような部分が昔よりもはるかにオープンに議論にされるようになっていて、プロレス用語として存在しない「勝ちブック」「負けブック」という誤った造語がネット上ではあたりまえに使われている現実があります。実際にプロレスラーや関係者はそんな言葉は使わないんですが、それでもネット世代にはプロレス用語として認知されている。
    この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • WWE番組放送終了が意味するもの■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-12-08 10:24  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはWWE番組放送終了が意味するものです!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
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    ■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

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    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

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    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
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    ■超獣ブルーザー・ブロディ

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    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――これまでスカパーJ SPORTSとケーブルJ-COMで放送されていたWWEの番組がすべて年内で終了することが発表されました。
    フミ WWEの日本向けの放送がなくなってしまうのは、とてもショッキングなニュースですね。
    ――MMAでいえば、UFCなんかもそうですけど、日本がビジネス対象国として低いランクなんですよ。
    フミ WWEもきっとそのとおりの状況なんでしょうね。
    ――ただ、UFCというスポーツは日本語実況解説や字幕なしでも試合そのものは楽しめるんです。WWEの場合はストーリーの説明抜きでは難しいですよね。
    フミ もちろんです。バックステージのスキットであったりマイクパフォーマンスであったりと、試合に向けてのありとあらゆサイドストーリーがきちんと翻訳または言語化されないとその全体像が伝わりにくいタイプのエンターテインメントです。日本には「WWEしか見ません」という献身的なWWEユニバースもいますし、日本のプロレスと並行しながらWWEを現在進行形で見続けるファンもたくさんいます。そのどちらもJ SPORTSの映像でWWEを楽しんでいたんです。17年と18年はDAZNが現地からのライブというかたちでロウとスマックダウンを生配信して、ボクも解説と同時通訳のお仕事をさせていただきましたが、この2年間は例外として、おしなべてWWE映像はこれまでJ SPORTSが一手に引き受けていた。WWEの定期的な日本ツアーが始まったのが2002年ですが、それ以前の96年からスカパーの前身のパーフェクTVで放送開始。もう25年もやっていたんです。ところが11月25日付の「重要なお知らせ」というツイートで以下の発表がされました。
    『「WWEロウ」「WWEスマックダウン」が放送終了、及びJ SPORTSSオンデマンドの「WWEパック」がサービス終了となります。「WWEパック」ご加入者の方は解約手続きが必要となります。
    本件に関する詳細は下記ページにてご確認ください。』
    フミ ロウとスマックダウンの英語版、日本語字幕版、ハイライト版の6番組。オンデマンドサービスの「WWEパック」は年間12大会のPPVが見られましたが、それらがすべて12月放映分を持って終了。1時間モノのダイジェスト番組WWEディス・ウィークだけがかろうじて残る方向のようです。ボクとJ SPORTSのお付き合いでいえば、PPVの日本語解説をカイリ・セイン選手とやっていたのですが、それも今年8月のサマースラムで終了。こちらに関してはなんの正式発表もなく、ボクには「まだオフレコなんですが、じつは…」という説明がありました。
    ――予兆はあったんですね。
    フミ なぜJ SPORTSはWWEの放送をやめることになったのか。
    この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • AEWはWWEのライバルになりえるのか■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-10-04 15:37  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはAEWは「WWEのライバルになりえるのか」です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?
    ■WWEレッスルマニアに観客が戻ってきた!
    ■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■KENTAがAEWに電撃登場! 非WWEで何が起きているのか■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■日本発世界…コロナ禍の近未来ビジネスモデル

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■WWEが体現する「ウイズ・コロナ」 の時代のプロレス■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった■無観客レッスルマニアが生み出した“異常な2試合”

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた■棚橋弘至vsクリス・ジェリコから見る新日本・AEW提携の可能性

    ■エンド・オブ・デケイド――プロレス界の2010年代■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■ネット社会に出現したニュータイプAEW、その可能性■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■レッスルマニアウィーク現地取材レポート■平成という「アントニオ猪木が去った時代」■アメリカの新団体AEWは脅威になりえるか■それでもケニー・オメガは新日本プロレスに残るか■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期


    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■馬場、猪木から中邑真輔まで!「WWEと日本人プロレスラー」■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る

    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか
    ――AEWに元WWEスーパースターのCMパンクとブライアン・ダニエルソンの加入して、ますますAEWが勢いづいています。
    フミ この2人の加入は本当に大きいんですが、AEWについていえば「WWEのライバルになりえるのか」ということが最大のテーマなんだと思います。
    ―― 日本のプロレスファンからしても、新興勢力としての期待度が異常に高くなってますね。 
    フミ ここ20年近くWWEのライバルになりえる団体は存在していなかったわけですが、90年代にはWWEとWCWの2大メジャーがしのぎを削っていました。毎週月曜日の同じ時間帯に6年間にわたってWWEの『ロウ』と、WCWの『ナイトロ』の視聴率を競ったいわゆる月曜テレビ戦争です。そのぶつかりあいによって、全米にプロレスブームが巻き起こったという歴史的な事実は残っていますね。 
    ――赤字が膨れ上がったWCWは2001年3月にWWEに買収され、月曜テレビ戦争の終止符が打たれました。
    フミ いま30代のプロレスファンにとっては幼少期の出来事ですし、40代の人たちからしても少年時代のお話です。 ネット世代の20代のファンからすると、リアルタイムの出来事でさえありません。中には過去を振り返って勉強や検証したりするファンもいるのかもしれませんけど。たとえば最近「1997年から観ているベテランファンです」という方がいたんですが、その方でさえ暗黒時代以降のファンなんですよね。基本的にはネット世代のファンなので活字プロレスの時代を生きたファンとはまた違う層なのです。月曜テレビ戦争の決着がついた2001年がどういう時代だったかといえば、ネット時代には突入していたんですが、ネットの中では動画はいまほど動いてなかったんです。 
    ――いまみたいに気軽に動画でプロレスを楽しめる時代ではなかったと。
    フミ いまはWWEとAEWの2大メジャーの時代になったのか、観客を奪いあってるのかという話なんですが、いまのところAEWという団体はマニアによって支えられている段階なんです。大前提としてアメリカというか世界的にはWWEだけを見ている層が圧倒的に多いんです。WWEの歴史は長いですし、市場規模が巨大でとにかく有名ですから、メディアが取り上げると「レスリング=WWE」になってしまうんです。WWEだけを習慣的に視聴する層はかなり大きくて、AEWを見ているファンはマニア層ですから当然WWEも同時にチェックしてるんです。
    ――プロレスマニアはどちらもチェックしているわけですね。
    フミ WWEだけで飽き足らないからAEWも応援したい。月曜はWWEの『ロウ』、金曜日は『スマックダウン』がある。水曜日はAEWの『ダイナマイト』を見るし、土曜日にはAEWの『ランペイジ』という第2の番組が始まりました。WWEのNXTまで見るとなると、マニアじゃないと抑えきれないんです。ただ、月曜テレビ戦争の時代と違うのは、ライブだけでなくオンデマンドでに映像が見られるということですよね。自分の好きな時間に番組頭から見ることができる。それがいまのネット世代にはあたりまえのことですし、テレビ番組の成り立ちがそもそも変わってしまった。それはプロレスに限ったことではなくて、 テレビでやっていたドラマがNetflixやAmazonプライムで見ることができますよね。 そうすると「何曜日の何時から見る」という視聴習慣の議論すらあまり意味を持たない。月曜テレビ戦争のように同じ時間帯に裏番組をぶつけるというコンセプト自体が吹っ飛んでしまうんです。 
    ――ひとつの評価として、AEWはWWEと比べて若い世代のコア視聴者数(18歳から49歳)までの男性が多いというデータが出てますね。
    フミ 18歳から49歳までの男性といっても、それもまたざっくりとした捉え方だなあとは思ってしまうんですけどね。
    ――いわゆる購買層ですよね。 購買意欲のない高齢層向けに番組を作っても仕方がないと。日本においてもテレビ番組の作り方がコア視聴者数という指標が変わりつつあって。
    フミ それはプロレスの番組がというよりは極めてテレビ的な発想ではありますよね。テレビ的にはWWEもAEWもターゲット層は同じなんでしょうけど、プロレスファンのなかにもされに分断される層が存在しているとすれば、さっきも言ったように「WWE は見るけどAEWは見ていない」という層はかなり多いんですね。
    この続きと、斎藤裕、平本蓮、破壊王、AKIRA、クレベルvsRIZIN…などの10月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2059994この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-09-03 16:59  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはコロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶです!



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    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか
    ──『ワールドプロレスリング』のアドバイザーを長年に渡って務めていた海谷善之氏(かいや・よしゆき)が新型コロナウイルスの感染により8月7日にお亡くなりになっていたことがわかりました。
    フミ 海谷ディレクターとは30年来の友人なんです。新型コロナが恐ろしいのは、仲のよかった友人が突然、亡くなるところまで危機は迫っているということですね。いつ誰が感染して亡くなってもおかしくない。有名人が亡くなったというニュースは流れてきますが、 同世代の友人がコロナによって亡くなったことでコロナの現実をひしひしと感じます。 
    ──海谷氏がコロナに感染したことは知っていたんですか?
    フミ いや、亡くなったあとに知りました。8月18日の夜22時半頃にLINEで連絡があったんです。 発信元は元『週刊ゴング』編集長のGK金沢氏。普段はそこまで友達付き合いはしていないんですけど、電話番号は交換してあるのでLINEでは繋がっているんです。そこには「海谷さんが亡くなったようです」と書いてありました。 GK金沢氏はいまは勇退されましたけど、ずっとテレビ朝日の『ワールドプロレスリング』の解説を務めていたじゃないですか。GK金沢氏はテレ朝のスタッフから海谷氏が亡くなったことを聞いて、ボクが海谷氏と友人だということで連絡してくれたんです。亡くなったのは8月7日で、その死を知ったのは8月18日でした。
    ──けっこう時間が空いてますね。
    フミ 海谷氏は自宅療養のまま亡くなったんですが、海谷氏のお母さんが隣に住んでいて食事の世話だけはしていたようなんです。ただ、お母さんは海谷氏のプライベートや仕事の連絡先を全然知らなかったので、亡くなったことをどこにも連絡できなかった。海谷氏と連絡がつかないのでテレ朝関係者が彼の自宅に訪れたところ……。
    ──そういう事情があったんですね。
    フミ たしか、91年でしたか、海谷氏の結婚式の2次会に出席しました。子供の話をしていたこともありましたが、しばらくひとり暮らしだったのでしょうか。そのへんはあまり根掘り葉掘り聞いたことはなかったんですけど。海谷氏がテレ朝のスタッフと最後に電話で話したのは8月4日。その時点では「熱が下がったから、もう大丈夫だ」と言っていたそうですが、その3日後の8月7日に亡くなってしまった。発熱してから11日後とのことなので、7月28日前後に発熱をしたことになりますが、 これもコロナの恐ろしい現実で、入院できなかったんでしょうね。
    ──自宅療養するしかなかったという……。
    フミ  彼とはよく食事をする機会があったんですが、食後に手のひらいっぱいの薬を飲むんですよ。 中性脂肪を下げる薬、コレステロールを下げる薬、血圧を下げる薬……だったり。煙草は吸わない人だったけどお酒は飲む人だったし、基礎疾患の影響もあったのかもしれないですね。ボクが彼に最後に会ったのは7月25日の新日本プロレス東京ドーム大会です。 会ったいうか、すれ違ったというか、 彼はテレ朝の仕事で来ていたんですけど。彼の Facebookを見ると7月27日の新日本プロレス後楽園ホール大会に来たという投稿もしてるんです。そのポストが最後。彼はFacebookを本名の海谷善之ではなくて久井信望(くい・しんぼう)という名前でやっていました。見つけてくれた人だけがフレンドになっていたので、あれだけ交友関係が広かったのに86人ぐらいしかフレンド登録はなかったんです。久井信望という名前どおりグルメで、食べたものや仕事で行った場所についてのポストが中心でした。 東京ドーム大会直前には、アイドルやアーティストのライブ5連発。興味のあるものには積極的に足を運ぶザ・業界人という生き方でした。
    この続きと、秋山成勲ヌルヌルの裏側、斎藤vsクレベル消滅、井上直樹…などの9月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事16本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2053667この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • 前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-08-02 17:00  
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    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績です!


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    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期


    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
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    ──WWEなどで活躍されたポール・オーンドーフさんがお亡くなりになりました。日本でいうと、新日本プロレス時代の前田日明さんの凱旋帰国試合の相手という印象が強いです。
    フミ あまりにもその印象が強いですよね。前田さんは第1回IWGPリーグ戦の前のシリーズに帰ってきたんです。1年間のヨーロッパ遠征中に獲得したヨーロッパヘビー級のチャンピオンベルトを手に帰国して、ヨーロッパ代表としてそのままIWGPリーグ戦に出場しました。
    ──前田さんをヨーロッパ代表にするって面白いアイディアですね。
    フミ あの当時の海外遠征からの凱旋帰国第1戦はものすごく重要でした。もしその試合で合格点を出さないと、売出し作戦が失敗するかもしれないというプレッシャーがありました。
    ──凱旋帰国自体に注目度が高いこともあって、かなり箔がつく時代でしたね。
    フミ そうですね。アントニオ猪木さんの凱旋帰国は東京プロレス旗揚げで、未知の強豪ジョニー・バレンタインとの名勝負はいまだに語り草です。ジャンボ鶴田さんの凱旋帰国試合は厳密にいうとムース・モロウスキーとのテレビマッチがありましたが、馬場さんと組んでザ・ファンクスとのインターナショナルタッグ選手権。武藤敬司の1度目の凱旋帰国はスペースローンウルフとして売り出されました。
    ──スペースローンウルフは時代が早すぎましたね。UWF的なストロングスタイルが求められていましたし。
    フミ 武藤さんの場合は新日本プロレス冬の時代の中での海外武者修行凱旋帰国でしたからね。スペースローンウルフの凱旋帰国は大成功とはいえなかったんですけど。今日はポール・オーンドーフの話ですが、前田日明の凱旋帰国で一蹴されたと言い切っていい試合内容だったんです。
    ──いわば前田日明の売出しの踏み台にされてしまったんですね。
    フミ あのときの前田さんの凱旋帰国は本当にセンセーショナルでした。ジャンボ鶴田さんの凱旋帰国のときの売りが4つのスープレックスだったんです。ジャーマンスープレックス、サイドスープレックス、フロントスープレックスにダブルアームスープレックスを使いこなすと。ところが前田日明さんの場合は「七色のスープレックス」と宣伝された。「えっ、7つもあるの!?」とみんな驚いたんです。あっ、ちょっと待ってください。たしか、12種類の新スープレックスでした。ハーフハッチとかスロイダーとかダブルリスト・アームサルトとか知らない名称ばっかりの。
    ──あのキャッチフレーズだけでお腹いっぱいという。
    フミ そしてアメリカでカール・ゴッチさんの指導を受けている。しかもその凱旋帰国のセコンドにつくためだけに神様カール・ゴッチが来日する。舞台装置が完璧に揃っていて、ポール・オーンドーフは結果的に“噛ませ犬”になってしまったんですね。決着は「12種類のスープレックス」のうちのひとつダブルアームスープレックスホールドで投げたまま、前田さんは手を離さずにフォール勝ち。それよりも印象的だったのは、試合中にポール・オーンドーフは前田日明さんのフライングニールキックを嫌って背中を向けてしまったことです。
    ──前田日明を怖がってしまったということですね。
    フミ その技に対する免疫がなかったということはあるのでしょう。プロレス都市伝説として、「前田日明のスープレックスは危険だから禁止しろ」とゴネるポール・オーンドーフをゴッチさんが説得したみたいなことがネットには書かれているんですけど、ゴッチさんがポール・オーンドーフを説得している場面に居合わせて、そのやりとりを目撃した記者なんているわけないですよ。
    ──ゴッチさんには「バックステージで……」というその手の話が多いですね(笑)。
    フミ それがカール・ゴッチさんの幻想といってしまえばそれまでのことだけど。このときの前田日明さんは25歳で、いまは63歳。おそらくいまのプロレスを一生懸命見ていたとしても、前田さんの現役時代さえ見てない人たちが本当に多くなってしまったことで、事実確認がされないまま、そういった都市伝説がまことしやかに語られてしまってるのかもしれない。
    ──あの試合内容からもオーンドーフの価値を下げて語られやすいのかもしれませんね。
    フミ その年の夏に『週刊プロレス』が創刊しているので、『月刊プロレス』に『デラックスプロレス』という月刊誌の時代です。『ゴング』も週刊ではありませんでしたし、ドレッシングルームの現場を取材した記者はいないと思うんですよね。それはポール・オーンドーフの名誉を守るという意味でも強く主張しておきたいです。
    ──なおさら現場に部外者が立ち入ることが許されない時代ですね。
    フミ それにポール・オーンドーフは日本で考えられてるよりも、アメリカでは遥かに遥かに当時からスーパースターなんです。なぜそんなスターが83年の時点で新日本プロレスに5回も集中して来日していたのか。当時のオーンドーフはWWE(当時WWF)とすでに契約を交わしていたんです。翌年からはじまる1984体制、つまりビンス・マクマホンによる全米マーケット侵攻作戦プロジェクトが84年からスタートするんですけど、NWAの各テリトリーをはじめとする全米のマーケットからメインイベンタークラスをことごとく引き抜いて、独占契約を交わしていった。84年の全米ツアーが実際に開始するまでNWAエリアで試合をさせないようにして、給料を出すかわりにアメリカのリングから姿を消していたんです。
    ──だから日本に頻繁にやってきてたんですね。
    フミ お給料は出しておきますから日本へ行っておいてくださいと。当時まだWWEと業務提携関係にあった新日本プロレスのリングに、この時期に集中してWWEの大物が来ちゃったことはそういう背景があったんです。このことはあまり知られていません。
    ──新日本からすれば、棚からボタ餅ですね。
    フミ 錚々たる顔ぶれでした。やれトニー・アトラスだ、やれドン・ムラコだ、ジェシー・ベンチュラだと。当然アンドレ・ザ・ジャイアントも毎シリーズのように来ていましたし、日本に呼んだらそのファイトスタイルがあまりにも日本向きだったのでレギュラーになってしまったアドリアン・アドニスのような例もあった。
    ──その流れでポール・オーンドーフが前田日明の相手を務めることになってしまったと。
    この続きと、船木誠勝とUWF、井上直樹、金太郎、中村倫也、昇侍……などの8月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2046818この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
     
  • WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元■斎藤文彦INTERVIEWS

    2021-07-01 00:00  
    110pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはWWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元です!

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    ――今日はいろんな噂が流れているWWEについてお聞きします。まずはWWEと新日本プロレスが提携するんじゃないかという衝撃的なニュースからですね。
    フミ  これは現代の象徴的な出来事というか。ネットメディアのニュースが世界中を飛び回るスピードと、その賞味期限というテーマですね。お話としてはかなり面白いですよね。 世界一のプロレス団体であるWWEと、世界2位の新日本プロレスが手を結ぶかもしれないと。マニアとしても面白いし、カジュアルなファンからしても刺激的です。これ以上のニュースはなかなか出てこないですよね。 
    ――これが本当だったらビッグニュースですよね。 
    フミ いまのネット社会では、まず最初に情報に対するファクトチェックが求められるわけですが、新日本プロレスのオフィシャルサイトはこの件に関してまったく触れていないですよね。 WWEもまったく触れていません。このニュースはアメリカのニュースサイトがこぞって取り上げたんですが、それらはニュースサイトなのかゴシップサイトなのか。マスコミかどうなのかもわからないサイトがネット上にたくさんあるんですね。でも、今回のこのニュースのソースは1箇所。 デイブ・メルツァーのレスリング・オブザーバーだけだったんですね。 どこのサイトも「レスリング・オブザーバーの最新記事によれば……」という引用モノばっかりなんです。
    ――震源地はオブザーバーなんですね。
    フミ  アメリカでは第一次情報をもとに報道しているマスコミ、というかジャーナリストは、デイブ・メルツァー以降は育っていないことがよくわかるんですね。いろんなところがいろんな捉え方をしててすごく大きなニュースというか噂になってるんですけど、 ソースはデイブ・メルツァーしかないんです。このニュースが各サイトで取り上げられていたのは5月28日から30日くらいまでに集中していて、その話題自体もレスリング・オブザーバー最新号がヘッドラインとして扱ってるわけじゃなくて、数あるニュースの中の1パートだったんです。ヘッドラインとして扱ったのは、紙じゃない方のレスリング・オブザーバーのウェブ版で。そこから爆発的にネットで広まったんです。そして報道から数日後にはストーリーは少し変換されたんです。これはダニエル・ブライアンの新日本登場の交渉なんじゃないかと。
    ――提携話ではなく。 
    フミ ダニエル・ブライアンはWWEとの3年契約がちょうど切れたかどうかというところで、 現在更改してない保留の状態と言われている。事実上、彼はフリーエージェント。この話が本当だと仮定した場合、ダニエル・ブライアンはフリーエージェントの立場で日本とアメリカを往復する。クリス・ジェリコのようの立場を取りたいんじゃないかというひとつの仮説です。ダニエル・ブライアンが WWE と新日本プロレスを結びつける効果を持つんじゃないか。そしてそれは結果的にそれはAEWと新日本の急接近を防衛するものになるんじゃないかという憶測もあったんです。メルツァーによれば、新日本とWWEの話し合いは3月頃から行われており、現在そのドアは閉められてしまったのかどうかは定かじゃないんですが。こういう話になれば新日本とWWEのファンはみんな色めき立つという効果はあるんですが、ダニエル・ブライアン自身がそういった動きを見せているわけではない。スマックダウンの連続ドラマのストーリーからダニエル・ブライアンが消えていることはたしかなんですが、 ブライアン&ブリー・ベラ夫婦には子供が生まれたばかりなので、育児のために休養する時間は必要かもしれませんし。 そしてこの噂のキーパーソンとしれ急浮上してきたのはニック・カーンという人物です。
    ―― WWEの副社長になった方ですね。 
    フミ AEWの親玉がトニー・カーンで WWE の新しいエグゼクティブがニック・カーン。「カーン」が被ってちょっとわかりにくいんですけど。この人が今回のキーパーソンなんだろうという見方が出てきてるんです。結論からいえば、WWEの狙いはズバリNXT JAPAN だろうと。何年か前にブシロード傘下になる前のスターダムをWWEが買収しようとしました。ロッシー小川社長には2つの選択肢があって、日本とアメリカどちらにに売るか。結果的にブシロードに売ったという経緯がありました。もうひとつ、WWEはノアを買おうとした動きもあった。 それは結果的にサイバーエージェントのノア買収を早めた結果になったかもしれないです。こうやって後になって判明してくる事実関係もあるんですけど、 NXT JAPAN のプランニングがどこまで具体化してるかというと、コロナ禍を挟んでるとはいえ実際には何も前進してないと考えたほうが妥当だと思うんですね。
    ――いまのところ現実的ではない。
    フミ スターダムやノアを買収できていれば何か動きはあったと思うんですけど。 それは WWEの中にいる人たちでさえ理解度はまちまちなんですね。 それは日本のインディペンデント団体を1つ買えば成立することなのか、どこか既存の団体を提携すればいいのか。トリプルHの描くNXT JAPANの理想は、日本の道場システムで選手を育成することですよね。アメリカ人の新人レスラーを日本に送り込んで、道場システムの中で日本のプロレスと日本の文化を学ばせる。合宿所生活からデビューするまでを映像に押さえようという話なんです。ということは、テレビ番組のリアリティーショー制作が NXT JAPAN というプロジェクトの目的にも見えるんです。 それが成功した暁には、それが団体になって日本で存続するのかという素朴な疑問はありますけど。 WWEは日本で団体を作りたいのか、それとも道場を作りたいのか、 配信用の映像に撮ることが目的なのか。それは新しい登場人物であるところのニック・カーンという人物の手腕が問われるところ。現実的には新日本の提携というよりは、それは新日本にお願いできたら御の字というレベルのアプローチなのかもしれない。どっちにしても今回のニュースの本丸はNXT JAPAN というプロジェクトのほうじゃないかと。
    ――なるほど。
    フミ こういった予想するのはすごく楽しくて、世界中のマニア、とくに英語圏のファンが言語の壁を超えて新日本プロレスを楽しんでる状況があるし、これからはもっとWWE と人気を二分していくんだろうなと思いますしね 。 
    ――正直ダニエル・ブライアンもNXT JAPAN もどちらも腑に落ちないですね。
    フミ あまりピンとこないんです? ダニエル・ブライアンのほうはフリーエージェントとしての考えだと、過去におけるクリス・ジェリコやジョン・モクスリーのようなかたちで、すごくビッグなゲストとして東京ドームに登場するという可能性はボクは否定できないと思う。実力的に、またスキルの上でもレスラーとしてピークのあるうちに、新日本のドームに一度は上がっておこうと考えてもおかしくない。彼はそういうタイプのスターだと思います。

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