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記事 27件
  • 【11万字・詰め合わせセット】安田忠夫、朝日昇、天心訴訟、ベイダー、QUINTET、ザンディグ……

    2018-06-30 23:59  
    540pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part53は大好評インタビュー15本、コラム6本、11万字オーバーで540円!!(税込み)

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    part53 

    ◎最終回!! 安田忠夫「もうすべてがイヤになったから、練炭自殺したんだよ……」
    ◎雷神学園の胡散臭さの「正体」とは?
    ◎テン年代の仁義なき戦いか……考察・新生K−1の「那須川天心訴訟」問題
    ◎朝日昇インタビュー最終回……修斗分裂騒動の裏側、着せられたクーデターの汚名
    ◎シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    「30代のアジア人でもUFCと契約できます!」
    ◎プロレスラー小川直也の心が折れた日〜『ハッスル』観客ジャッジシステム〜

    ◎UWFの「次回と自壊」を見届けたスポーツライター/李春成インタビュー
    ◎「斎藤文彦INTERVIEWS」皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に
    ◎中井祐樹、「QUINTETの面白さ」と「グラップリングのあり方」を語る
    ◎QUINTET女子版をやってほしい!!■二階堂綾乃
    ◎東洋の神秘がQUINTETで炸裂!!  ヤノタクはなぜ極められないのか――?
    ◎金原弘光
    アメフト悪質タックル問題――プロレス界の「潰せ!」とは何か?
    ◎事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・CIMA派のW-1電撃参戦/里村明衣子WWE登場か
    ・NOAH、元IGFの東方英雄伝と業務提携
    ・井上貴子vsターザン山本はなぜ実現しないのか?
    ◎オマスキファイトのMMA Unleashed
    ・UFCのアーリー・ウェイイン廃止は、相次ぐ減量失敗の解決策となるのか
    ・「最後にせめて失神くらいはしたかったよね」 ……不運大王イアン・マッコール、無念の引退
    ・新日本はもう追いつけない…? WWEがビックリのビッグディール獲得!
    ・女子プロレスドラマ『GLOW』とは何か:Netflixでまもなくシーズン2配信開始
    ◎アメリカインディ通信「フリーバーズ」
    ・男vs女はドメスティックバイオレンスを連想させる?…ミックスドマッチ事情
    ・ザンディグはどこに消えたのか……血と闇を抱えたデスマッチヒーロー
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    毎回大好評だったいよいよ安田忠夫インタビューも最終回! 練達自殺に引退興行のドタバタ、そして博打に狂った人生を総括します……。【安田忠夫バックナンバー】・NO.4【プロレスはやっぱり奥が深い!】「哀しきジャブボーイとイジメ」・NO.3 嵐の総合格闘技編「IWGP王者になりたくないから、はじめは断ったんだよ」
    ・NO.2【90年代・新日本プロレス編】「リングでやっちゃえば警察は介入できないじゃん」

    ・NO.1相撲と暴力、博打、八百長問題を激白! 安田忠夫「貴乃花は、馬鹿乃花だよ!」



    安田 今日も朝から競艇で負けたよ。
    ――ここ最近ギャンブルはずっと不調ですよね。
    安田 不調というか……両方買えばよかったんだよな。わかってるんだよ、両方買えばいいってことは。でも、両方買うのはイヤなんだよねぇ。
    ――それはどういう心理なんですかね?
    安田 まあ、昔と比べたら張ってるお金も少ないからね。
    ――なるほど。賭け金が微々たるものだから、抑えに回すお金がもったいない……ということですね。
    安田 そういうことだよ(笑)。お金に余裕があるんだったら、抑えにも使えるんだけどね。
    ――博打って軍資金が乏しいと、おもいきりのよさも出てこないですよね。
    安田 金がないんなら博打は本当にやめないとなあ……いや、休憩しないと。
    ――あくまで「休憩」(笑)。



    安田 いまの仕事もやめたいんだよね。そのためには数ヵ月フラフラできるお金を作んなきゃいけないんだけど。
    ――前回の続きなんですが、「エア焼肉」と呼ばれる自殺未遂事件は何が原因だったんですか?
    安田 もうすべてがイヤになったんだよ。プロレスの仕事も全然なかったしね。
    ――だったら死のうと……。
    安田 タニマチもいないしさ、電話をしても誰も出てくれなくなったしね。あの頃は電話をする金もなかったんじゃないかな。
    ――プロレスの仕事があったら自殺はしてなかったですか?
    安田 それはそうだよね。一番手っ取り早く稼げるのがプロレスだから。誰かに頭を下げれば仕事をもらえたんだろうけど、そういう性分じゃないし。プロレスって営業も重要なんだけど、俺は全然できなかったからさ。だからいまだって普通の仕事をやってるんだよ。 
    ――それにしても安田さんが自殺を図ろうなんて想像できないですけどね。
    安田 俺はこう見えて繊細なんだよ。ガハハハハハハ!
    ――練炭自殺ですよね。他に方法は考えたんですか?
    安田 考えない。まず飛び降りは無理だよ。俺、高いところが嫌いだからさ。その場で動けなくなっちゃうから。 
    ――あとは首吊り、電車への飛び込み……。
    安田 無理無理! 毎日電車を見てるけど、あんなものに飛び込めるわけないよ(笑)。
    ――だったら簡単な練炭自殺……ということですね。簡単なのかどうかはわからないですが。
    安田 その前に田山(正雄、レフェリー)氏に電話をしていなかったら、俺はこの世にはいなかったよね。
    ――練炭自殺直前の電話を不審に思った田山さんが安田さんのアパートに足を運んだところ……自殺未遂の現場を発見したんですよね。安田さんはどうして田山さんに電話してたんですか?
    安田 いや、わからないよ。おぼえていない。あの頃は睡眠薬を飲んで朦朧としながらいろんなところに電話をしてたみたいだし。
    ――未遂に終わって助かったことはどう思いました?
    安田 うーん、わかんないね。死んでいたらここまで苦労しなかったのか……ガハハハ! 娘にはメチャクチャ怒られたけどね。「死ぬくらいだったら、なんでもできるでしょ!」と。だからいまはなんでもできてるところはあるよね。 まあ元気があっても、お金がないと何もできないんだけどね(笑)。
    ――元気とお金があれば、なんでもできると(笑)。その後、自殺未遂の件が「エア焼肉」というネタとして報道されましたよね。
    安田 あれは東スポが勝手に書いたんだよね。救急車を呼んじゃったから朝日新聞かなんかが嗅ぎつけて。そうしたら東スポも書かなきゃならないから、そこで「エア焼肉」というネタにしたんでしょ。
    ――ああいう風に報道されてしまったことで「どこまで本当なんだろう?」って思っちゃった人は多かったんですよ。
    安田 いや、本当のことなんだよ。自殺しようとしたことはね。
    ――当時の安田さんはそれくらい追い込まれていたんですね。
    安田 はい。入院していたら猪木さんからお見舞い金をもらってね。30万か50万ぐらい。それから猪木さんの知り合いの新潟のパチンコ屋で働くことになったんだけどね。
    ――新潟のパチンコ屋は長いこと働いてましたよね?
    安田 そうだね。プロレスの仕事が入らなかったら、もうちょっと働いていたかもしれない。プロレスの仕事が入って練習していたらさ、博打をやりたくなっちゃうんだよ。
    ――マジメに練習したら遊びたくなっちゃう。
    安田 そうそう。プロレスの練習をするということで、休みをもらえたんだけど。ライバル店でパチンコをやっていたらバレちゃってさ(笑)。
    ――ハハハハハハハハハ! 酷い(笑)。
    安田 他店のデータを取りに来たときにわかっちゃってさ。いやでも、一日中練習することはないわけじゃない?
    ――まあ、そうなんですけど(笑)。
    安田 そこはワンマン会社だから、社長がいろいろと自由にさせてくれるわけよ。俺の試合も社長が作ってきてくれたもんだからさ、練習のために休みをくれるんだよね。だから練習はしてるんだよ、ちゃんと。その合間に博打をやらないと精神的に無理だよね。もたないよ。「なんのために練習するの?」って話になっちゃうんだけど……周りの目はそれじゃあ許してくれないよね。 
    ――さすがにライバル店で遊んでいるのはマズイですね。
    安田 社員の人間もキツいローテーションの中、働いているわけだから不満は出るんだよね。「なんであの人だけ遊んでるんだ?」みたいな。それに俺は仕事があまりできなかったし。
    ――パチンコのホール係だったんですか?
    安田 そうそう。ホール係ってやることがいっぱいあるんだけど、俺は年寄りだから何をやっても遅い。若い奴は俺の倍以上のスピードで仕事をやっちゃうし。
    ――パチンコって基本的にお店が勝つ仕組みになってるじゃないですか。そういう実態を把握しながらも、パチンコはやめられなかったんですか?
    安田 店が有利だけど、逆にインチキがないんだよね。当たって連荘しないのは俺の引きが悪いってことだから。パチンコは最近はあまりやってないんだけどね。いまは競艇ばっかりだよ。
    ――競艇が一番面白いですか?
    安田 競艇はレースに出場するボートが6艇だからね。裏を欠かれても惜しい感じがするじゃん。
    ――当たりにカスッた気にさせるんですね(笑)。パチンコ屋のあとは石澤常光さん(ケンドーカシン)の養豚場で働くようになったんですよね。
    安田 そうそう。パチンコ屋をクビになってプラプラしていたら「メシは最低限食えるよ」ってことで岩手の山の中に送り込まれたんだよね。岩手山の麓。
    ――そこは石澤さんが親身になってくれたんですね。
    安田 でも、酷いところで働いていたんだよ。人間が住むところじゃないよ、よく続けたと思うもん。古いコテージみたいなところに1人で住んで、朝6時には起きて7時から仕事ですよ。平日は17時で終わり、土日は16時まで。
    ――休みはないんですか?
    安田 休んだら給料から引かれちゃうんだよ。だからあんまり休まなかった。
    ――ブタに休みなんてないですもんね。
    安田 そういうこと。
    ――養豚場の周りには何か娯楽施設はあったんですか?
    安田 近くに遊ぶ場所なんてないよ。街へ買い物に行くのにタクシー代だけで往復5000円はしたかな。農場出るのに5キロぐらいかかったからね。
    ――ホント山奥だったんですね。
    安田 車を持っていれば快適な場所であるんだけどね。俺は免許がなかったからキツイよね。よくあんなところに1年7ヵ月もいたよ。まあ、他にやることはなかったし、それなりに楽しかったんだけどね。ブタはかわいいし。給料がもうちょっと高かったら残ってたんじゃないかな。
    ――人里離れた生活を送ることで人生観が変わったりしました?
    安田 何も変わらないよ(笑)。
    ――ハハハハハハ。でも、ギャンブルはやってなかったんですよね?
    安田 いや、たまに街に出てパチンコやったりしてたよ。パチンコで負けて3時間ぐらいかけて歩いて帰ったこともあったしね。タクシー代ぐらい残せばいいのに。
    ――どこへ行っても安田忠夫なんですねぇ。大好評記事21本、11万字オーバーの詰め合わせセットはまだまだ続く……!! 
  • 皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■斎藤文彦INTERVIEWS

    2018-06-27 19:16  
    90pt
    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは「皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に」です!Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■馬場、猪木から中邑真輔まで!「WWEと日本人プロレスラー」■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る

    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか――今月のテーマは先日お亡くなりになったビッグバン・ベイダーさんです。
    フミ ベイダーはアブドーラ・ザ・ブッチャーやタイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアントやハルク・ホーガン、ブルーザー・ブロディやスタン・ハンセンらと同ランクで、日本で最も活躍した外国人レスラーだと思います。新日本プロレスからビッグバン・ベイダーのキャリアが始まって、UWFインターナショナル参戦中は、じつはWCWの世界チャンピオンでした。その後WWEに転戦して全日本プロレスにも登場。馬場さんの死後、三沢光晴がNOAHを立ち上げるとそのまま移籍。WJや『ハッスル』を経由して武藤・全日本プロレスに姿を現すと、その後はアチコチのインディのリングにも上がり、最後の来日となったのは昨年2017年4月、藤波辰爾さんのドラディションでした。
    ――ベイダーは日本とアメリカでトップを取ったわけですね。
    フミ ベイダーは四大陸でチャンピオンになっています。新日本のIWGP、全日本の三冠、メキシコではカネックを破りUWA世界王座、ヨーロッパではオットー・ワンツに勝ってCWA世界ヘビー級王座、アメリカではWCW世界ヘビー級王座を3度獲って。Uインターでも高田延彦を破ってルー・テーズさんが所有していた旧NWAのベルト、プロレスリング世界ヘビー級王座も獲得してるんですね。
    ――WCWヘビー級王座は3度も獲得ですか。
    フミ 80年代後半から90年代前半のベイダーは新日本で約5年間活躍していましたが、当時はネットがなく日本の様子が詳しく伝わっていなかったのに、アメリカからベイダー待望論が起きたぐらいなんです。それは日米のマニア同士がVHSビデオを交換しあっていた影響もあるんですね。
    ――日本にベイダーという怪物がいるぞと。
    フミ ベイダーの意向ではなく当時、新日本と業務提携していたWCWから呼ばれたんです。ベイダーはWCWのスターだったスティングとは波長が合ったというか、試合をやれば名勝負になったことでトップに立ちました。これはボクがベイダー自身に聞いたことですが、悔やまれるがあるとすればWWEとGHCのベルトも獲りたかったと。
    ――ああ、その2団体のベルトは獲ってない。意外です。
    フミ ベイダーはWWEでもトップレスラーのひとりではあったので、あのままWWEにいればベルトは獲れたかもしれないですが……あとで説明しますが、プロレスラーとしてのプライドがその機会を逃してしまったと言えるんですね。GHCに関していえば、2000年代以降のことですからベイダーに体力的な衰えがあったと言えます。ただし、GHC(グローバル・オナード・クラウン)という名称のヒントを与えたのは、じつはベイダーらしいんですよね。三沢さんはNOAHを立ち上げる際、「何々プロレス」という団体名称は避けたかったんです。三沢さんが意識していたネーミングは、当時で言えばPRIDEなんです。その名称だけでファンがどういう団体かを理解してくれる。三沢さんたちは「ノアの方舟に乗って全日本から脱出した」からNOAHになった。チャンピオンベルトの名称も同様の理由があったんです。ベイダーはGHCのベルトは獲れませんでしたが、あの人の指紋はベルトについているということですね。
    ――王者ならずともNOAHという団体に影響を与えてたんですね。
    フミ 三沢さんはNOAHを旗揚げしたときに外国人レスラーはベイダーとスコーピオだけ欲しかったみたいなんです。ベイダーも三沢さんのことは大好きだったみたいで。三沢光晴という男は「エースクォーターバックだ」と。ロッカールームでもフィールドでもナンバーワンのリーダーシップを発揮しているスタープレイヤーだと証言していましたね。
    ――ベイダーの出世試合といえば、当時全日本のトップ外国人だったスタン・ハンセンとの殴りあいですね。
    フミ 1990年2月10日東京ドーム、スタン・ハンセン戦ですね。この試合は本当に凄かったです。メインイベントではなかったんですけど、東京ドームの観客の印象に残ったのは間違いなくハンセンvsベイダーでした。ベイダーのラフファイトに怒ったハンセンが顔面パンチを見舞うと、突如ベイダーはリング上でマスクを脱ぎ出すします。騒然とする大観衆の目の前に現れたのは、お岩さんのように右目が腫れ上がったベイダーの顔でした。マスクを脱いだのは眼下底骨折の痛みに耐えられなかったこともあるし、目が腫れたことでマスク越しの視界が悪くなってしまった理由もあったんでしょうね。
    ――衝撃的なシーンでしたねぇ。
    フミ 今はプロレスに関するディティールが比較的オープンに語られる時代ですが、あの日あそこでベイダーがマスクを脱ぐ予定ではなかったんでしょうね。その後ベイダーは素顔で戦うようになっていきますが、ハンセンのパンチ攻撃が目に入ってしまったことがそのきっかけとなったんです。ちなみにベイダーは帰国後に眼球を摘出したうえで眼下底骨折の手術してるんですね。選手生命に関わるケガになりかねなかったですが、そのあと何事もなかったかのように復帰しています。
    ――素顔の迫力も加わったことで、ベイダーの存在感はさらに増したと言えますね。
    フミ 偶然と必然が重なり合って歴史は作られていくものなのかもしれませんが、あそこでマスクを取ったことでベイダー物語の新しいチャプターが始まったとも言えますね。この試合がいまだに語り継がれているのは、そんなアクシデントが起きたあとでもド迫力のファイトが繰り広げられたからです。当時は両者リングアウトという結末が凄く嫌われていた時代だったのに、試合の満足度が高くて「この両リンは仕方がない……」と誰もが納得してましたから。
    ――こういう激闘のために両リン決着があるというか。
    フミ 98年になるとベイダーは馬場・全日本に上がるんですが、かつて死闘を演じたハンセンのリクエストで世界最強タッグに出場しているんです。それはハンセンの中で世代交代のバトンタッチを意識したものだったんでしょう。ハンセンのライバルだったジャンボ鶴田さんはすでにセミリタイア状態でしたし、ハンセン自身も2000年には引退することを決めていたので。
    ――トップレスラーに君臨することになったベイダーですが、デビュー戦は最悪といえるものでしたね。
    フミ 忘れもしない1987年12月27日両国国技館。ベイダーは「たけしプロレス軍団」の刺客として新日本プロレスのリングに初登場しました。当時テレビ朝日の新日本プロレス中継は定位置だった金曜夜8時からも外れ、『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』にリニューアルされていたんですが、その中で企画されたひとつが新キャラのデビュー。それがビッグバン・ベイダーだったんです。
    ――まずベイダーのキャラクターありきだったんですよね。
    フミ ボクは『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』の番組制作に関わっていたので(伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』)、ベイダーの企画書を読んだことがあります。ベイダーという名前はまだ決まってなかったんですが、マサ斎藤さんが連れてくる外国人レスラーが変身すると。キャラクターの原画は漫画家の永井豪先生。途中から使われなくなりましたが、煙が吹き出る甲冑のデザインが先にできていて、その甲冑を脱ぐとガスマスクのような黒覆面を被っている。
    ――あとは誰をベイダーにするか……だったんですね。
    フミ ベイダーの中身には3人のレスラーが候補に挙がっていたんです。1人目が実際にベイダーに変身するレオン・ホワイト。2人目は当時ダラスでディンゴ・ウォリアーを名乗っていたのちのアルティメット・ウォリアー。3人目は当時新日本プロレス道場の留学生だったブライアン・アダムスです。彼は横田基地の米軍を除隊後、プロレスラーになろうと新日本に入門してました。
    ――ブライアン・アダムスはのちにデモリッション・クラッシュとしてWWEでも活躍しますね。
    フミ 当初はディンゴ・ウォリアーで決まりかけていたんですが、直前でWWEと契約してしまったんですね。彼がもし日本でベイダーになっていたら、WWEでアルティメット・ウォリアーは誕生してなかったわけですし、ベイダーというキャラクターもどうなっていたのかわからない。そこは運命のifですよね。
    ――それでレオン・ホワイトに決定したんですね。
    フミ ブライアン・アダムスは外国人であったけど、まだ新日本プロレスの練習生。マサさんは最初からレオン・ホワイト推しだったんです。レオン・ホワイトは2年前の85年にAWAでデビューしており、日本に連れてくる時点でヨーロッパのオットー・ワンツの団体CWAでチャンピオンだったんです。リングネームはブル・パワー。オットー・ワンツが彼のことを凄く気に入ってて長期滞在させていて。オットー・ワンツと同じような体型だし、試合のリズムも合ったんでしょうね。――マサさんもベイダーに惚れ込んだわけですね。


    この続きと、安田忠夫最終回、朝日昇、天心訴訟、ベイダー、QUINTET、ザンディグ……などの記事がまとめて読める「11万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラ 
     
    http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1598018
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  • プロレスラー小川直也の心が折れた日〜『ハッスル』観客ジャッジシステム〜

    2018-06-26 16:40  
    70pt
    この記事は小川直也引退を語ったDropkickニコ生配信を編集したものになります(語り:ジャン斉藤)【関連企画】【90年代・新日本プロレス編】安田忠夫「リングでやっちゃえば警察は介入できないじゃん」【衝撃の破壊王伝説】至近距離から見た橋本真也――橋本かずみ☓田山正雄レフェリー 小原道由「石澤が止めなかったら、俺は◯◯を殺していたでしょうね」【追跡1・4事変】 永島勝司「負けたら引退SPの結末は、橋本真也と小川直也が話し合って決めたんだよ」負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏「新日本プロレスはあのとき橋本真也がいらなかったんです」 今回は、先日プロレスから引退表明した小川直也について振り返りたいと思います。
    この引退を受けて小川直也は2016年2月IGFの青木真也戦が最後の試合となったんですが、ボクはこの青木戦も、そして小川直也のデビュー戦となった1997年4月の橋本真也戦も現地観戦してるんですよ。これはね、自慢することでもないですが、なかなかいないんじゃないかと思います(笑)。とくにIGFのほうは放送もしてなかったので、試合自体を見た人も少ないんじゃないですかね。試合内容はとくに印象に残ってないんですけど(笑)。いやもうここ10年近く小川直也の試合はほとんど見てるんですけど、ホント印象にないんですよね。なぜ印象が薄いのか……を含めて語っていきます。
    小川直也は他競技からプロレスに転向した「最後の大物」と言えますよね。バルセロナ五輪柔道の銀メダリスト。193センチ、115キロの巨体。こんなヘビー級日本人がMMAにほしいです。
    小川直也がデビューしたのは1997年です。UFCはすでに始まっており、U系ではパンクラスが真剣勝負を足を踏み込んでいて、翌98年にはPRIDEが誕生します。ガチンコがあたりまえのように行われることで、外部からプロレス自体が揺らぎつつある時期ではあったんですね。プロレス内からも全日本プロレスの「四天王プロレス」が全盛を極めていた。猪木さんはかつて「こんなプロレスを続けていたら10年持つ選手生命が1年で終わってしまう」という名言を残しましたが、その言葉がリアリティをもって感じられるのは、ストロングスタイルより四天王プロレスではあったんです。
    こうしてプロレス内外から「猪木プロレス」つまりストロングスタイルの存在意義を問われる中、プロデューサー・アントニオ猪木による壮大な実験が始まりました。それが小川直也のプロレスデビューだったんです。
    小川直也はデビュー戦のテーマ曲からして異様で。「風の音」だけが流れたんです。なんだこりゃって感じで(笑)。そこからも猪木さんが既存のプロレスからの脱却を狙ってることが伺えますよね。結局猪木さんのプロレスって「一寸先はハプニング」という言葉に表すように、観客の裏をかきたい傾向が強いんです。セオリーどおりのものを見せたくない。そういう意味では、小川直也がデビュー戦で「IWGPヘビー級王者の橋本真也に勝つ」ことはサプライズではあったんですが、1ヵ月後大阪ドームのリターンマッチで星を返すということは、猪木さんからすれば不服ではなかったのか。プロレスの様式美のひとつ「いってこい」ですら、猪木さんは覆したかったんじゃないのか……って話は後に繋がります。
    デビュー後も小川直也は巡業に出ることはありませんでしたが、ドーム路線だった当時の新日本に合ってはいたんですけど、プロレスの基本的な技術を覚える機会を失ったとも言えるんですね。小川選手のパートナーだった村上和成選手はインタビューでこう言っています

    村上 だからプロレスの練習をしたことがなかったんですよね。それに猪木さんが小川さんに出した指令が「村上にはプロレスの練習をさせるな!」ですから(笑)。
    ――ハハハハハ! プロレスをやるのに!
    村上 「おまえは本能のままに戦え!!」と。それはいまでもそうなんですけどね。受け身とかは現場で勉強していくというか、「これは痛いな」「このまま受けるとヤバイな」ってそんな状態。だから最初は「なんでみんなロープに振られるんだろう?」ってバカにしてたんですけど。でも、ちゃんと背中にロープを当てて返らないと危険なんですよね。
    ――ロープの中には鉄のワイヤーが入ってるから、ヘタに受けると危険ですね。
    村上 それでロープを利用したほうがいいことがわかったんですよね。それでも理解するのに5〜6年はかかりましたけど(笑)。http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar663887

    プロレスデビューしながらプロレスに交わらなかった小川直也に、プロレスラー人生を大きく変える試合が訪れます。いまなお語り継がれる通称「1・4事変」、橋本真也とのシュートマッチです。
    この続きと、安田忠夫最終回、朝日昇、天心訴訟、ベイダー、QUINTET、ザンディグ……などの記事がまとめて読める「11万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラ 
     
    http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1598018
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  • QUINTET女子版をやってほしい!!■二階堂綾乃

    2018-06-26 16:01  
    65pt
    2018年にもなって「いまの新日本プロレスには猪木イズムが足りない!」などと口走ってしまうオールドファンに向けて二階堂彩乃(@nikaidoayano)先生が“いまのプロレス”の魅力をお伝えする共存共栄コーナー。今回のテーマはQUINTETです!【関連企画】・プロレスファンのマナーはいいと思ってます!・ポールダンサーは踊るよ……妖しい興行に旦那が出た話・【#MeToo】身体を鍛えてから一度も変質者に遭ってない・中邑真輔がWWEで成功するのは、あったりまえじゃん!・「Y2J」コールができなくても楽しかったクリス・ジェリコアヤノ 最近ワタシの周りで格闘技が盛り上がっていてワクワクしてるんですよ〜。まずDEEPの横田一則選手の引退試合の相手が、ワタシが通っているグラバカの石川英司選手で。
    ――DEEP最後のディファ有明興行ですね。
    アヤノ AbemaTVの『格闘代理戦争』にグラバカ若手の前田(浩平)くんが出てたり。一番重要なのは、ウチの主人(小森真誉)が8月のファイティングネクサスの初メインで韓国人と戦うんですが、この試合に勝ったら韓国のTOP FCに出れるという。
    ――おお、大一番ですね。
    アヤノ だから最近面白いことが続いてるんです。石川さんは久しぶりの試合なので凄い楽しみなんですけど、私は横田さんがグラバカにいたときのことは知らないので、いろいろと調べてみたら面白いことが出てきて。
    ――今の時代に横田一則選手を調べるってなかなか凄い(笑)。
    アヤノ 2012年のDEEPで対戦相手のチェ・ドゥホが行方不明になって試合が中止になったと。
    ――そうなんですよ。チェ・ドゥホってやらかしが多いんですよ。
    アヤノ へえー。
    ――DEEPで石田(光洋)くんとやったときも計量オーバーで。公式発表では900グラムオーバーでしたけど、当時の周囲の反応を見るかぎりは、まあアレですよね……。試合を受けた石田くんはKO負けしちゃったんですけど、それが最後の試合で悔いが残るかたちになったんですね。だからチェ・ドゥホがUFCで石田くんの盟友だった川尻(達也)選手に対戦アピールしたときに、川ちゃんは「約束を守れないのに」って感じで怒って。

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  • 女子プロレスドラマ『GLOW』とは何か:Netflixでまもなくシーズン2配信開始

    2018-06-22 11:01  
    65pt

    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「女子プロレスドラマ『GLOW』とは何か:Netflixでまもなくシーズン2配信開始」です!<1記事から購入できるMMA Unleashedオススメコラム>レッスルマニア裏話:『ファビュラス・ムーラ記念杯』バトルロイヤルに1万人が反対した理由
    【衝撃レポート】ジョシュ・バーネットはいかにして、薬物検査失格の疑いを晴らしたのか試合で一時死亡していたMMAファイター、彼を救ったカットマン、それぞれの再生物語
    昨日やったことは忘れてしまうが、何年も前のことは覚えている」 マーク・ハント欠場問題の背景
    MMAファンは、世界で最も熱狂的で、失礼でネガティブな存在だ:絶対王者デミトリアス・ジョンソンのリアリズム
    今回は、女子プロレスを題材にしたNetflixのドラマ『GLOW』のシーズン2が6月29日に配信が開始されることに先立ち、まだこのドラマをまだ見たことのない方のために、昨年配信開始されたシーズン1を振り返りつつ、ざっくりと紹介してみたい。
    『GLOW』とは『Gorgeous Ladies of Wrestling(ゴージャス・レディーズ・オブ・レスリング)』の略語で、1985年にロサンゼルスに実在した女子プロレス団体兼、低予算テレビ番組企画をドラマ化したものだ。(ちなみに、実際のGLOWの宣伝文句は「ついに! 子どもと一緒に楽しめるポルノ番組がスタート」というものだったという)
    シーズン1は10エピソード(1エピソード約30分)で構成されており、入団テストのシーンから、初のテレビ中継大会、特にメインイベントに至るまでの一連の過程が描かれている。
    人間関係のもつれや機微がコメディタッチでちりばめられつつ、ストーリーの根幹は「本当はこんなところにいたくないけれど、他に居場所のない女性たち」の成長譚(たん)であり、多様な登場人物がそれぞれの役割を帯びて1つのプロレスイベントを作り上げるという共通目標を達成するチームワーク物語である。 

    この続きと、安田忠夫最終回、朝日昇、天心訴訟、ベイダー、QUINTET、ザンディグ……などの記事がまとめて読める「11万字・記事21本の詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 榊原信行、天心&カンナの熱愛報道とアンディ・サワー問題を語る

    2018-06-20 21:38  
    RIZIN7月大会と8月大会のカード発表記者会見が行われ、榊原信行RIZIN実行委員長が先日写真週刊誌で報道された那須川天心と朝倉カンナの熱愛と、五味隆典との対戦予定だったアンディ・サワーのONE独占契約問題について言及した。(記者会見中のアンディ・サワーに関する発言)
    榊原 一部SNS等でですね、「どうなってるんだ」ということで話題に上がっているアンディ・サワーvs五味隆典のカードに関して少し説明させていただきます。シュートボクシング(以下SB)のシーザー武志会長を通じて 、昨日もシーザー会長とお話をさせていただいたんですが。アンディは常にSBを通じてRIZINに参戦させていただきました。 で、それが先週末ですかね、アンディとONEと独占契約を結んだということで我々も驚いております。 SBを通じて五味選手との試合を経済的な条件も合意してました。SBさんとの信頼関係の中でシーザー会長も「出
  • 朝日昇インタビュー最終回……修斗分裂騒動の裏側、着せられたクーデターの汚名

    2018-06-20 11:09  
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    総合格闘技のパイオニア修斗の隠された歴史を克明に語る“奇人”朝日昇ロングインタビュー最終回。分裂状態に陥った修斗で何が起きたのか――?その1【隠蔽された修斗の黒歴史】「修斗を伝承した人間はみんな外に出ていったんですよ」その2 消された「2010年12月23日」――修斗に何が起きたのか
    <関連企画>
    「佐山先生に言われたんです。俺の影になってくれと」…中村頼永インタビュー<シューティング黎明編>運命のバリジャパ、安生道場破り、幻の長州戦真相――中村頼永インタビュー<ヒクソン来襲編>修斗初代王者/仮面シューター・スーパーライダー 渡部優一「東映の許可? 取ってますよ(笑)」
    【男が男に惚れる天龍劇場】北原光騎インタビュー「俺にとって天龍さんは“神様”だよ」

    初代シューターにしてパンクラシスト!山田学の無謀な大冒険「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ
    ――若林太郎さんが理事から外れて新体制となった修斗協会の会長には桜田直樹さん、副会長には朝日さんが就任されますが、その直後から修斗内部は分裂状態に陥りますよね。
    朝日 桜田さんが会長に選ばれたのは、えっと……いつ頃でしたっけ?(笑)。もういろいろあり、時間が経ち過ぎて覚えていないものもありまして、はい。新体制に関する会議は2011年の1月から始まったんですが、そのときからとにかくメチャクチャだったんです。まず、これまでのことを繰り返さぬように「これからは皆の声をキチンと受け止める合議制の形でやっていきましょう。よって、皆さんも忌憚なく意見をして、話をしてください」ということで、最初の会議は「誰でも来ていいですよ」ということに敢えてしたんです。また、ボクらからの話もありますし、内部告発の件で特にお世話になった八景ジムの渡辺(喜彦)先生に会議冒頭で、資本主義、権利、平等、自由、合議制などの基本原則の定義について説明をしてもらいました。これらは活動の基本事項ですが、正確な意味を理解しないと正しい行動はとりづらいですし、そうしたモノをキチンと理解していなかったからこそ、修斗はおかしなことになったわけですから、そこをまずキチンと把握して整理しようと。しかし、そこでそんな話をしてもらったことで「アイツはいったいなんなんだ?」みたいな話になってしまったところもあったようで。
    ――余計な警戒心を生んでしまったわけですね。
    朝日 その会議は、述べたように誰でも参加できるものにしたんです。それまでとは違い本当の意味での合議制の元やっていくつもりでしたから。ところが、格闘技界の現状理解のレベルが、ボクが想像するレベルに至らない人たちもとても多かったんです。地方の方々の中には若林さんの言葉だけを聞き、それを絶対的に正しいと思ってやってきた人たちもいる。ベラトールの話をしたときもまず「ベラトールって何?」と理解されなかったりもする。言うなれば「赤信号のときに横断歩道を渡っちゃいけない」ということを知らない人に信号の説明をするような具合だったんです。
    ――それで内部分裂するまで対立してしまったんですか?
    朝日 なぜ話が通じないかといえば、「朝日昇は悪党だ」「修斗を乗っ取ろうとしている」と言うような雰囲気になぜかなっていたことも大きな要因だと思います。若林さんや修斗の運営側は正しくて、それに立ち向かうかたちのボクは「テロリスト」というような構図に捉えられていたかもしれません。それにプラスアルファで、自動車業界の話し合いの中で、洞穴に棲みポルシェを知らない人たちにポルシェの話をするように、そんな方々にベラトールの話をしたって理解なんてされない。格闘技界は修斗だけが正しく、修斗がすべて。実際は何が行われているかも知らず、ありもしない三権分立をありがたがりながら。ALIVE代表の鈴木陽一さんにも2011年初頭はボクの話すことを理解してもらえず、ボクとは対峙する立場にありました。しかし、日沖くんがUFCに出場し、鈴木さんもUFCに実際に触れたことにより、ボクの話すことを理解してくれましたが。
    ――要するに朝日さんがクーデターを起こしたと捉えられたんですね。
    朝日 その当時、周りからもいろいろな話を聞いていましたが、そういうように捉えられている風潮は明らかに存在していましたし、とにかく不思議でした(笑)。また、ここでポイントになってくるのは当時修斗コミッションの人間だった鈴木利治、プロモーターのサステインの坂本(一弘)の存在ですね。若林さんが外されたことで、次は自分たちだと思ったのではないでしょうか。ボクは誰かを消すつもりで行動を起こしたわけではないんですけどね。組織に必ず害を及ぼす問題があったから告発をし、良くなるための次の策を提案しただけなんですが。 
    ――当時の浦田昇さんが修斗のコミッショナーとして創始者の佐山聡さんから任せられていましたよね。
    朝日 「株式会社修斗」設立やベラトールとの提携話も浦田会長には直接話をしました。浦田会長に書面を渡す際には鈴木利治を通さないといけなかったんですが、ボクはそのルールを守りました。それが結果的に最悪のケースを招いたんですが……そうした話し合いは 何度か行われましたが、浦田会長、古くから修斗に関わってきた後藤達子さん(故人)、鈴木利治、ボクが必ず席に着き、ケースにより桜田さん、株式会社修斗やベラトールの話を繋いでくれたシュウ・ヒラタさんが参加しました。「株式会社修斗」の企画書には、「修斗コミッションを廃止し、株式会社修斗の一部門の審判部とする」と言う項目も記載していました。なぜならば、修斗コミッションといっても、修斗協会となんら変わることのない名目だけのモノだったからですね。おそらくですが、まずそこが修斗コミッションの鈴木利治には引っかかったんだと思います。
    ――追い出されるんじゃないかということですか?
    朝日 いわゆるつまらないちっぽけな利権と、合わせて、なんらかの後ろめたいことがあったんだとも思います(笑)。浦田会長にボクは言ったんです。「家出をしたバカな長男坊が大きなおみやげを持って帰って来ました。今たくさんの人が苦しんでいますし、おそらく未来はもっと厳しくなります。皆が求めているのはこれですし、時代は絶対にこうしたかたちを求めるようになります。ぜひお話し合いだけでもしませんか?」と。浦田会長からは「朝日、おまえはこの話に命を懸けられるのか?」と言うような具合に聞かれたんです。あのときは「なんで、この話をポジティブな方向に捉えるのではなく、そんな風に聞くんだろう?」とは思ったんですが、「朝日が修斗を乗っ取ろうとしている」と吹き込まれていたんですね。浦田会長はご病気で体調もよくありませんでしたし、判断も難しい状況であったと思います。ボクは「今、世界ではMMAという名のもと、以前とはまったく違う大きな流れとなり勃興して来ています。その中で修斗がどう存在すべきか考えなくてはならないんです。もう過去の牧歌的な時代ではないんです。もしボクがジャマならば、ボクを話し合いから外してかまいません。しかし、修斗の問題はこうした話もまな板に乗せないばかりか、それを受け取る窓口さえよくわからないところなんです。この企画も権利を持つ皆さんで話し合ってもらって結構です。ボクはただ話をお持ちしますので、その窓口を教えてください」などとも言ったんです。
    ――朝日さんは外れてもいいと。
    朝日 はい。この話を聞いた後藤さんからは「浦田、これは宝クジじゃないの?」と言われたことは覚えています。ボクからは「みんなを助けてやってください。まず先方と話し合いだけでもしませんか? NOならば、その場でそう答えていただいてかまいませんし、話し合いをしたならば、違った可能性が生まれるかもしれません」と話をしましたが。2年ほど前、修斗の権利者のひとりである中村頼永さんから「久々に会おうよ!」と言われ、桜田さん、川口、ボクの4人で会ったんです。ボクが修斗のプロデューサー時代、頼さんはいつも近くでボクを見ていましたが、会うのはたしか16〜17年ぶりくらいでした。そのときには、株式会社修斗やベラトールとの提携の話もし、それについてのボクの真意も話しました。それに対し、頼さんからは「昇、それ、鈴木利治が佐山さんに報告した内容とまるで違うよ……。なんで、あのときオレに言って来てくれなかったの……」と。よって「組織の順番を守りました。いきなり頼さんに話すことは順序が違いますし、”浦田会長に書面を渡すには鈴木利治を通せ”と言われたんです。だから、それを守りました」「その企画案に、修斗コミッションを廃止する旨も記載したしていたの?」「はい」「それだよ……鈴木利治、佐山さんにウソを報告してたわ……」など話しました。今も言われるんですが、特に川口とボクが佐山さんと話をすることを修斗の一部の人間は非常に恐れているそうです。ボクらはなんなんでしょうか?(笑)。
    ――朝日さんの味方はいたんですか?
    朝日 一連の修斗の会議で 、真っ向から戦い続けたのは4人です。桜田さん、渡辺先生、PUREBREDの池田久雄、ボクですね。密室の中で、4人対大多数の、もう訳のわからない戦いですよ。そうした流れの中、あまりにも理解がされないため、個人的なメールの中でボクが「田舎もん」と言ったことも問題になりました。正直、あの騒動の中では数回ぶっ倒れもしたんです(笑)。ALIVEの鈴木さんともいろいろと言い合いのようなかたちになったこともありますが、常に論理的に丁寧に話をしているつもりなんですが、やっぱり人間ですし、完璧ではないので、頭に来るときは頭に来てしまいます。感情論にならないよう注意していますが、あまりにも話が通じなくてどうにもならず、決して他意はない個人的なメールで「何も知らない田舎もんはどうしたらいいんですかね。言葉が通じません」と言うような感じで言ったんです。それが地方の人たちにも渡り「朝日は俺たちのことをバカにしてる!」というように曲解され。本質を捉えることなく、つまらない揚げ足取りに奔走し、本題を忘れ、自分たちを鑑みない。時によく見られる光景ですが、残念でした。
    ――朝日さんたちの意見は断固として認めないという感じですか?
    朝日 とにかく、まったく話が通じなかった、と言って過言ではないと思うんです。会議にはパラエストラ小岩の大内敬がなぜか議長というような立場になってもいたんですが(笑)、それ自体もう意味がわからない。「君は何?」と。修斗協会の通帳は若林さんが持っているということで、これはパラエストラの関係者が持ってくるという話だったんですが、いつになっても持ってこないんです。そこで男・桜田劇場が始まり、ある会議の冒頭で「パラエストラの人間に聞きたい。お前らの上の立場に就いている人間が昇に酷いことをしたのになぜ誰も昇に謝らないんだ? なのに、またなんだか議長を勝手にやる人間はいるわ、通帳を持って来ると言いながら持って来ない人間はいるわ、いったいどうなってるんだ?」と話をしたんです。
    ――その段階になっても金銭問題の実態は把握できてなかったんですね。
    朝日 ボクは若林さんに中指を立てられたんですが、まあ、もうどうでもよかったです(笑)。しかし、誰からもどこからも謝罪のひとつすらなかったんですよね。パラエストラ関係者は謝罪の一つもせず、 にも関わらず、そのパラエストラの人間がなんだかいつの間にか議長として会議を進行し始め、通帳を持って来ると自ら口にしながら持ってこない。反省の色がまったく見えないと言われても仕方ないでしょう。桜田さんが怒っても彼らは下を向いて黙ったままでしたが。会議が終わった後に中井(祐樹)は謝りに来ましたけどね。中井からは「修斗を世界に殉ずるものにするためにはどうすべきでしょうか?」と言うように聞かれたので、「ちと話そうよ。」と2人でドーナツを食べに行きましたが、おいしかったです(笑)。 
    ――3人以外の理解者はいなかったんですか?
    朝日 わかってくれている関係者や選手は他にもいましたが、真っ向から最後までブレることなく、ドンキホーテのように巨大なおかしな風車に戦い続けたのはこの4人ですね。なぜかあの頃は川口がこの話し合いにいなかったのですが、川口がいたならば、もっと良い方向に持っていけたかもしれません。徳郁(山本KID)にこの話をした時は、普段はまったく返信して来ない徳郁が「これなんすよ、修斗に必要だった話は。飯喰いながらでも、ゆっくり話聞かせてください!」と珍しくすぐに返事が来ました(笑)。
    またまた揚げ足を取られたらイヤなので慎重に言葉を選びますが、徳郁のようなちゃんとした立場の選手はボクの話は100%に近い数字で理解してくれましたね。この話がどれだけ凄いことなのか、必要なことなのかをわかってくれました。修斗がUFCやベラトールに続く組織になれるかもしれなかったんです。そこまでいかなくとも、いまのようなことにはなってないと断言できます。これはいまだに忘れられないんですが、会議の席である人間が手を上げて「朝日さん、ベラトールってなんですか?」って聞いてきたんです。だから「ここはトップの会議です。最低限の知識を持っていない人は出席しないでください。あなた方がそんなレベルならば、下の人間が不幸になりますし、世界をもっと見てください。世界で修斗がどう生きるべきかを考えてください」とさすがに言いました。すると、向こうの方から「朝日さんの言ってることは難しすぎて何を言ってるかわからないんです。ボクらにもわかりやすく言ってください」と。だから「あのね、ここはトップの会議で君らを教育する場ではないの。誰でも参加なんかできないの。それだけの知識や意識を持たない人間が参加なんかしちゃダメなの。でないと、下の人たちが不幸になるでしょ。君らがまだ何もできないなら、参加できる資格を有するまでまず勉強して来てください」など答えましたが、そんな姿勢や意識レベルで出席ができ、事実として、こんな低レベルの質問が発せられていたんです。
    ――修斗が修斗ではなくなってしまうと恐れたんですかね。
    朝日 会議の場以外メールなどでも事細かに説明もしていました。総合格闘技がMMAと呼ばれるようになった世界の中で、修斗はどう生き残っていくべきか?と。若林さんが曲解して伝えていたかもしれないですが、佐山さんは修斗を総合格闘技だと定義してやっていました。それが今はMMAという単語に英訳、変換されただけなんですから。その中でどうやって対応していくかが問われていくわけですよね。サッカーでもJリーグはJリーグだけでやってるわけないじゃないですか。サッカーという競技の中の一つのJリーグ。野球だって同じですよね。 
    ――世界の枠組にどう合わせていくかですね。
    朝日 サッカーや野球を見てわかるように、これからの選手はどんどん世界に出て行きます。そして、そうした世界の場で勝つことが競技人口を増やすことにも繋がるわけです。しかし、まずこれが理解されない。議長席に座る大内が「朝日さん、ボクも世界を見ています。柔術で世界を見ました」とある会議で言ってきたんです。よって「それは柔術の話ですよね? 参考にはいいですが、MMAの世界をまず見てください」。なんでしょうか?この会話(笑)。話にならないし、もう一つ大きな問題が盗聴行為です。会議の模様を勝手に録音して全国に流してる人間がいたんです。
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  • CIMA派のW-1電撃参戦/里村明衣子WWE登場か■事情通Zの「プロレス 点と線」

    2018-06-20 10:59  
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    プロレス業界のあらゆる情報に精通する事情通Zの「プロレス 点と線」――。今回のテーマは「CIMA派のW-1電撃参戦/里村明衣子WWE登場か」についてです!

    【1記事から購入できる「プロレス 点と線」シリーズ】
    石森太二の新日本プロレス参戦は既定路線だったのか
    【春の女子プロ界隈】アイスリボン、東京女子絶好調、電流爆破問題長州力の「オマエはプロレスやめろ!」事件とは何か?

    誰だと思ってるんだ!? ヤマモの「アイドルの腰掛け」発言とは何か?

    ――Zさん、大変です! センダイガールズの里村明衣子選手のWWE登場が報じられています。
    事情通Z 里村選手は8月にWWEで開催される「メイ・ヤング・クラシック」のトーナメントに登場するようだね。昨年はカイリ・セイン選手が優勝した企画で、今回は32人の女子選手が参加する。里村選手はWWE入団が濃厚とされている紫雷イオ選手に「私は日本のプロレスを守るから頑張ってきてくれ」というメールを送ったようなので、「メイ・ヤング・クラシック」だけの登場じゃないかと。
    ――単発出場であると。
    Z このチョイスは面白いよね。WWEはこれまではアメプロ向きの日本人女子レスラーを選んできた中で、里村明衣子という日本女子プロレスの横綱を招聘するという驚き。里村選手はアメリカでは知られてないし、ASUKA選手やカイリ・セイン選手、イオ選手のようなアメプロタイプではない。対戦カードにもよるんだろうけども、WWEで里村選手の選手の強さがどこまで伝わるのか楽しみだよ。
    ――WWEは将来的に女子レスラーの数を男子と同じくらいにしたいようなので、女子の幅を見せたいのかもしれないですね。
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  • 中井祐樹、「QUINTETの面白さ」と「グラップリングのあり方」を語る

    2018-06-16 11:13  
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    旗揚げイベントに続いて今回も大好評だったグラップリング団体戦QUINTET。中継の解説者を務めた中井祐樹先生がその面白さを語っていただきました〜(聞き手/橋本宗洋)【1記事から購入できる関連企画】■キャッチはどこへ消えたのか? 宮戸優光×中井祐樹「プロ・レスリング」の文化と競技論■【原理主義の親玉に訊く】「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ――QUINTETの旗揚げイベントに続いて、2回目となる「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」でも中井先生は解説を務めました。試合後の総評コメントで「日本人同士だと見合っちゃうんじゃないかという人もいたけど、ボクは絶対に面白くなると言ってたんです」とおっしゃってましたね。実際、旗揚げイベントに負けず劣らずの白熱とした内容になりましたが、どうしてそこまで確信が持てたんですか?
    中井 まずですね、QUINTETというイベントを生み出した桜庭(和志)さんと運営の皆さんが凄いんですけど。誰もやったことのないアプローチでしょ。誰も見たことがなかったグラップリングの団体戦。最初は不安だったと思うんですよ。それはお客さんも含めて。
    ――ルールとかシステムでどこまで面白くなるのかなっていうのはありました。
    中井 でもボクは絶対に面白くなると思ってました。終わったから言うわけじゃなくね。抜き試合の団体対抗戦は絶対に盛り上がると。実際にそういう試合をボクはやってきたので、QUINTETがどういう盛り上がりを見せるかは想像がついていたんです。
    ――中井先生は大学生時代、15vs15の団体対抗戦・七帝柔道をやられてましたね。
    中井 じつは運営側で00年代前半にも柔術の団体対抗戦をやってるんですよ。QUINTETのルールは亀になったりしての引き分け狙いは難しいんですが、そういう専守防衛のルールでも大の大人な泣くようなドラマが生まれていたんです。
    ――QUINTETはアタックしないと「指導」が入りますね。
    中井 「指導」がないルールでももの凄く盛り上がった。昔の高専柔道はあまりにも熱が上がりすぎて勉強しなくなるから、学校側から「もうやめろ」と言われましたからね(笑)。
    ――人生を懸けちゃうんですね(笑)。今回優勝したCARPE DIEMは強豪柔術家集団ということで勝っても涼しい顔かなと思っていたら、優勝直後は目頭を抑える選手もいたり。
    中井 そういうもんなんですよ。桜庭さんがいみじくも「甲子園」と言ったように、そういったドラマが生まれるんですね(笑)。なぜ盛り上がるか、面白くなるかといえば、団体戦なので、チームのためにより頑張れるから。たとえば「柔術家はガチガチに抑え込んで動きが固いんじゃないか……」という心配の声も事前にあったんですが、ボクは「絶対に面白くなるから大丈夫ですよ」と言ったんです。それはチームを背負って抜きに行くからです。
    ――妥協しそうなところでも仲間に背中を押されるというか。
    中井 必ずアタックしますし、取られたら取り返さないといけない。なおかつQUINTETは「指導」のあるルール。今回は「指導」が生んだ一本もあったと思うんですよ。「指導」を取られたらアクションをしなきゃいけない。小見川(道大)選手が杉江(“アマゾン”大輔)選手に取られたのは指導の後。もちろん杉江選手もうまいんですけど。
    ――ただでさえ面白くなる団体戦が「指導」というルールで白熱したという。
    中井 引き分けも見ごたえのある内容でしたよね。今回の大将戦も見応えのある引き分けだったじゃないですか。試合後の反応は「ああ、一本じゃないのか……」というネガティブなものではなかったですし。
    ――3試合中2試合が大将戦でドローでしたね。でも、不満の声は聞こえませんでした。
    中井 それは抜き試合なのに大将対決に持ち込まれたという興奮もあるんですね。
    ――そこはあらかじめ組まれた試合じゃないですもんね。やっぱり団体戦はマインドが違ってくるんですね。
    中井 ありますね。結局ボクは「団体戦の人」なんですね。その意識がずっとあるんですよ。「チームのために引き分けてみせますよ」という考え方をするタイプ。一本を取りたい欲望を抑えてでも引き分けに持っていく。微妙に「会社人間」っぽいところはあるんですけどね(笑)。そこが人生観につながっちゃってるんで。骨の髄まで七帝。
    ――骨の髄まで七帝(笑)。役割に殉じるというか。逆に何がなんでも一本を取りに行かないといけない局面もあるわけですよね。
    中井 そういうことですね。判定がないからポイントゲッターの存在は大きいんです。そういう意味ではシビアなんですけど、人間って自分のためだったら諦めちゃうけど、他人のためなら頑張れるというところがあるんですよ。それがよく出るところもあるし、悪く出るところもある。つまりドラマが生まれるわけですよね。見てる方も「ああ、もう大将が2人抜かなきゃ勝てない」なんて考えるわけじゃないですか。
    ――役割を共有して観戦できるから面白い。
    中井 順番だって「たら・れば」ですから。「サトシがこの順番だったらどうなっていたんだろう?」と想像できるんですよ。
    ――今大会の目玉だったTEAM HALEOのホベルト・サトシ・ソウザ。決勝戦でCARPE DIEM副将・岩崎正寛選手が、2人抜きを果たした中堅サトシを引き分けに持ち込みました。CARPE DIEMにとってはそれでも1人分のアドバンテージを背負ってましたが、引き分けという結果に喜んでいましたね。
    中井 サトシ選手は全員抜ける力を持ってるので。今回見どころをあえて一ヵ所に絞るなら「サトシ選手を止める人間はいるのか?」ということだったんです。それぐらいの選手なんで。彼は世界チャンピオンじゃないのが不思議なぐらい。
    ――中井先生は解説で「これはめったにできることじゃない」とサトシ選手の一本勝ちシーンを絶賛されてましたね。
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  • UFCのアーリー・ウェイイン廃止は、相次ぐ減量失敗の解決策となるのか■MMA Unleashed

    2018-06-15 18:45  
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    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「UFCのアーリー・ウェイイン廃止は、相次ぐ減量失敗の解決策となるのか」です!<1記事から購入できるMMA Unleashedオススメコラム>レッスルマニア裏話:『ファビュラス・ムーラ記念杯』バトルロイヤルに1万人が反対した理由
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    MMAファンは、世界で最も熱狂的で、失礼でネガティブな存在だ:絶対王者デミトリアス・ジョンソンのリアリズムUFCの計量といえば、かつては試合前日の午後4時に公開で行われるものだった。ステアダウンやインタビューも行われるため、人気選手が出場の場合、公開計量が超満員になることもあった。
    しかしUFCでは2016年6月のUFC199から、アーリー・ウェイインを導入した。これは、計量を試合前日の午前9時~11時に行うもので、計量場所もホテルの会議室などに変更された。この時間帯に、選手は三々五々、計量を済ませていくというやり方だ。これまで通り夕方の公開計量も引き続き行われているが、こちらは現在では「セレモニアル・ウェイイン」(儀式的計量)と呼ばれ、ステージ上で形式的に秤(はかり)に乗って見せてはいるものの、発表されるのは午前中に計測済みの体重で、事実上ファン向けの顔見せイベント、メディア向けの写真撮影イベントに変質している。
    アーリー・ウェイイン導入に先立ち、UFCバイスプレジデントのジェフ・ノビツキーは「これは100%、選手の健康と安全を考えてのこと」だと力説していた。メリットとして、計量から試合までの時間が長くなることで、これまでよりもしっかりと水分補給ができることがあげられる。十分な補水をしていないと、「本当に重大で深刻な安全性の問題が生じかねない。最悪の場合、死ぬ可能性もある」(ノビツキー)という。専門家は特に、脳が十分に補水されていない場合、パンチを受けたことによる脳損傷の可能性が高まると指摘している。
    アーリー・ウェイイン導入後、しばらくの間は、計量失格者が減少、試合のクオリティも上昇したように見え、制度変更は順調であると思われた。しかしながら制度導入から2年がたち、最近では毎大会のように、計量失格者が出る状況となってきた。
    UFCファイトナイト・リバプール(現地時間5月27日)では、メインイベンターのダレン・ティルが3.5パウンド超過で計量に失格した。ネット上では、自力でサウナから出てくることさえできないゾンビのようなティルの姿や、トレッドミルの上で視力を失ったと告白する衝撃的な動画が流出した。もっとも、舞台裏をよく知る人にとっては、こうしたことは日常的な光景だという。
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