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記事 18件
  • 【15万字・記事17本詰め合わせセット】平本蓮、ジモキック問題、関根シュレック、ハヤブサ、浜崎朱加…

    2022-03-31 23:59  
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    part99
    ◎平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」

    ◎浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」

    ◎【語ろうドブネズミ】笹原圭一「何連敗しようがRIZINは平本蓮に付き合う覚悟があります」

    ◎ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」

    ◎自由すぎる投神・倉本一真「RIZINに出るまでは週3の練習だったのを奥さんが……」

    ◎RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎「偶然じゃないことを証明する」

    ◎RIZINフェザー級を燃やす「王座挑戦者アングル」

    ◎「PRIDE35→RIZIN35」から見えた進化するジャパニーズMMA

    ◎青木真也に降り続ける『やれんのか!』

    ◎元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件

    ◎キックぼんやり層に贈る「RIZINジモキック問題」とは何か■現地観戦の鬼サーバル

    ◎世界最遅! シバターvs久保優太を語ろう■松澤チョロの脱線プロレス

    ◎追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール■斎藤文彦INTERVIEWS

    ◎【こじらせU系】関根“シュレック”秀樹「Uインターが新日本に負けるとは思わなかった」

    ◎齋藤彰俊インタビュー②「W★ING参戦、新日本プロレスvs誠心会館」

    ◎元・東スポ記者が語るハヤブサの不死鳥な想い出■寿浦恵一

    ◎AEW設立メンバー、コーディ・ローデス離脱

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    UWFの熱を浴びて人生を変えられた方々にあの運動体を振り返ってもらう「こじらせU系・第5弾」。今回は関根“シュレック”秀樹!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――昨年の大晦日RIZINでいえば、“大晦日格闘技”の重みを一番知っているのがシュレックさんだったなという印象でした。
    関根 ありがとうございます。でも、いろんなスタンスの選手がいていいと思うんですよね。全員が全員、俺みたいだったら、それはまたおかしいし(笑)。
    ――ハハハハハハハ! 暑苦しい感じになっちゃいますね(笑)。
    関根 やっぱり、天心選手とか、昔の大晦日を知らない若い世代がいてこそ、こうやって格闘技がどんどん発展していくわけですから。
    ――天心選手の場合も大晦日に試合をして、RIZINを卒業したいというこだわりが強かったですし、選手によって、大晦日の思い入れは違ってくるんでしょうね。シュレックさんの場合はそれこそ『猪木祭り』の頃からですよね。
    関根 そうですよ。そして、その前からの流れから見てますからね。新生UWFの崩壊、そして3派に分かれて、PRIDEが誕生して……という。そこからの話になっちゃいますから。
    ――だからこそ記者会見での涙だったわけですけど、RIZINからはどんな大晦日のオファーだったんですか?
    関根 はっきりとは言われてないんですけど、次はスダリオ剛選手の相手というプランはRIZINにあったと思います。12月にDEEPのほうで試合を組んでもらおうとしても、「関根さんは大晦日がたぶんあるでしょ」って。
    ――DEEPが気を使ってくれたわけですか(笑)。
    関根 実際10月のRIZINでスダリオ選手との試合をオファーされたんですけど、その前に大日本プロレスの関本大介さんとの試合があったんで、先のオファーを優先して断って。で、スダリオ選手がケガをしたと聞いた瞬間、シビサイ選手とやるかもなと。
    ――そして実際にシビサイ戦のオファーがあったんですね。
    関根 「もうないのかな……」って思い始めたときに電話がかかってきて。こっちからすれば「どんな相手でもやります!大晦日に出られるんだったら」と。夢見心地ですよねぇ。「この話は本当なのかな……」という(しみじみと)。一方で「相手はシビサイか、厳しいな」。スダリオ選手は戦力グラフでいうと、いびつじゃないですか。作戦がすごく立てやすいんですよ。シビサイ選手だと、寝技やグラップリングに関しては俺のほうが上だけど、身長、体重、若さ、リーチ、打撃力とかすべてが劣ってる。厳しい相手だなって。
    ――大晦日の舞台に立てることはうれしいけれど、試合に対する不安は大きかったんですね。記者会見で涙を流すことになるとは思ってましたか?
    関根 涙は出てくるんだろうな……と思ってたんだけど、泣かないように違うことばっか考えてて。前日から大晦日のことを思うと涙が出そうになる。だってあの会見のあと、帰りの新幹線でずっと涙を流しながら、弁当を食ってたんですよ。
    ――怖いですよ(笑)。
    関根 涙が止まらなくて。ツイッターでエゴサーチすると、やっぱり40代ファンがみんな感動したと。そういう言葉でまた涙が止まらなくて。50年分ぐらいの涙を流しましたよ(笑)。
    ――それはもう大晦日格闘技に出ることはないだろうな……っていう諦めもあったからなんですか?
    関根 そもそもファンのときは「大晦日に出たい」なんていう感じじゃなくて、「もし俺がああいう場に出たら」という妄想みたいな感じですね。夢や目標でもないです。格闘技を始めてからも2回オファーもらってるんですけど。警察官のときに『Dynamite!! 』ですね。でも、そのときは上の許可が出なくて、もう縁がないんだなっていう。
    ――公務員だといろいろと制約が……。
    関根 警察官をやめたけど、MMAの成績も低迷してたし、選ばれるわけはない。去年クレベル(・コイケ)が出たんですけど、クレベルっていうのは自分にとって道場の中でのライバルなんですよ。お互いにガンガン練習でやりあうし、そのライバルが大晦日に出るってことで練習も手伝って。彼の活躍を横目で見るわけじゃないですか。いいなあ……と思って。
    ――ファン時代からの思い入れと、格闘家としての目標もないまぜになったことで涙だったんですね。
    関根 若いときにUインターに入りたかったけど、団体が活動停止して。代わりに警察に入って、つらい思いをしたろ。いろんな思い出が走馬灯のように……。
    ――それが令和に実現するんだから人生って面白いですね。
    関根 こんな歳を食ってから。出られたのはヘビー級であるということ、仲間が活躍してるボンサイ柔術、あと「元・警察官」という肩書きもあるし、年齢もひとつのキャラクターというか魅力のひとつかなと。
    ――逆に昨年はクレベルが出られなかったんだから人生いろいろですね。
    関根 そこもまた、いろいろ言われてますけど、誰も悪くないんですよ。自分が全部、聞いたところ、あいだに入った人はクレベルのために動いていたし、RIZINはRIZINという舞台を世間に届けるために一生懸命やっている。クレベルはクレベルで、選手としてRIZINに出たい。
    ――本来だったらどこかで折り合わなきゃなんないけど、折り合えなかったケースってありますよね。
    関根 またクレベルはRIZINに戻れると思います(この取材はクレベルのRIZIN静岡大会出場発表前に収録)
    ――シュレックさんの入場曲は大晦日だけ「UWFのメインテーマ」でしたね。
    関根 やっぱりRIZINの源流はUWFなんで。一番使いたい入場曲だったんですけど、自分はUWFの人間ではなく、ただのファンですから。だけど、本当に一番いい舞台で、1回だけ使いたいなと思ってて。
    ――気軽に使うのは恐れ多い曲ってことですね。
    関根 そうですね。UWF解散後は山崎(一夫)さんが使ってましたけど、それ以外で使われたのは、あれぐらいじゃないですか。リングスKOKの田村潔司vsヘンゾ・グレイシー。
    ――グレイシーとの対決に臨む田村潔司がUのテーマで登場して日本武道館が大爆発!
    関根 あの光景を見たら使えないですよ。会場中の盛り上がり、観客の手拍子。そうそう使えない。 自分が命を懸けられるこういう舞台だからこそ使えるし、使ったからには「負けるときは死ぬ」覚悟はありました。船木誠勝さんがヒクソン戦で白目むいたけど、あれは本当に死ぬつもりでやってたから、ああいうかたちになったわけですよね。すべての生命エネルギーがなくなるまで動いて、戦い続けるつもりでした。
    ――あのジャーマンは気持ちで投げたところはあったんですね。
    関根 絶対ジャーマンで投げたいって思ったんですよ。ジャーマンで投げれたら、百歩譲って負けてもいいかなって。
    ――ヘビー級の試合でジャーマンで投げるってそれくらい大きなハードルですね。
    関根 自分は本当にゲーリー・オブライトが大好きで。メッチャかっこよかったですもん。みんなボッコボコ投げられて、田村潔司ですらボッコボコに殴られて。
    ――「オブライト」という名前がジャーマンに付いちゃうのは、いまだにインパクトあるっていうことですもんね。
    関根 仙女の橋本千紘さんですよね。「オブライトを知らなかった」みたいで、オブライトの現役時代を知らない子に受け継がれたってすごいですよね。
    ――シュレックさんは記者会見で泣いて、「UWFのテーマ」で出てきて、ジャーマンで投げ飛ばして、すべてやり切ったうえに勝っちゃうんだから、すごいですよ。
    関根 自分としては絶対に勝つつもりで。だからもう勝ったあとのマイクまで考えてあって。
    ――だからスラスラと「勝って言いたかったことは3つある。1つはUWF、プロレス最強! 2つ目はお正月でも働いてる警察官最強! あとね、40代、50代、30代、60代もまだまだ平成生まれに負けないね。昭和生まれ最強! もっと言いたいのは俺みたいなアラフィフのオヤジでも日本最強に諦めなきゃ、根性があれば勝てるんだよ。病気があって、困難があっても諦めずに生きてればいいことあるから、悩みがあったらオレに言ってきてや!」と。そういう気迫にシビサイ選手もやられちゃった感じですね。
    関根 考えてみると、そうなのかなって。お互いに疲れてるのもわかるし、ダメージもあるのに「なんでこのオジサンはインターバル中に頑張れって笑いながら言ってくるか」と。
    ――シビサイ選手からすれば怖いです(笑)。
    関根 怖いですよね(笑)。「もっともっといい試合しようぜ!」ってことで励ましてたら、セコンドのマルキーニョスに「早く帰ってこい」って連れてかれて。ボクシングでもあるじゃないですか。最終ラウンドが始まる前に健闘を讃えてハグしてから始まるとか。そういう文化が柔術にもあるんでね。
    ――最後は根性勝ちですよね。
    関根 それとヘビー級は、大砂嵐、ボブ・サップを見ても、筋肉量があると要求される酸素の量が多いんですよ。もちろん乳酸もたまるんですけど、酸素がないと苦しくて手足が動かない。これはとにかくトレーニングするしかないですよね。ボンサイはサトシやクレベルの彼らは普段は普段80キロ近くあったりするし、その人たちに合わせてずっと動いてるんで。俺もヘビー級といえど一緒の練習をやるので、動けるスタミナはあったんですよね。ヘビー級の人たちだけで練習してると、どうしてもそこに踏み込めないのかなと。本当にドロドロになるまで練習しますから。
    ――シュレックさん、ずっと呻いてましたね。怪獣じゃないかっていうぐらい(笑)。
    関根 プロレスの呼吸ですよね。関本さんなんかずっと声、出してるじゃないですか。
    ――プロレスの呼吸だったんですか!
    関根 そうです(笑)。これ、マネする人いないから言ってもいいと思うんですけど、意外とスタミナが持つんですよ。ボクらヘビー級ってすぐバテがちだから、呼吸が浅くなっちゃうんですよ。酸素を取り入れるためには、まず息を吐かないとダメなんです。肺の空気をいったんしっかり出してから、すっと酸素を取る。これが浅い呼吸だと、少ししか酸素が入らない。しっかり呼吸することが重要で。
    ――藤波さんや蝶野さんも理にかなってた!(笑)。
    関根 まさに藤波さんです。去年、一昨年ですかね。プロレスファンのオジサンが道場に入ってきて、藤波さんの呼吸をやってたんですよ。それを茶化してマネしてやってたら、けっこう動けるなっていう(笑)。
    ――デメリットってあるんですか?
    関根 デメリットは、若い子から見ると笑える(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 大晦日格闘技は昔から現場でご覧になってきたんですか。
    関根 そうですね。よっぽど抜けれない警察の仕事が入ったりとかしないかぎり。大晦日が非番、当直明けになるように調整するんですよ。
    ――最も印象に残っている大晦日ってなんですか?
    関根 やっぱり『やれんのか!大晦日!2007』ですかね。
    ――ああ、ボクも『やれんのか!』ですね。オールタイムベスト興行です。<会員ページへ続く> 
  • RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎「偶然じゃないことを証明する」

    2022-03-27 15:01  
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    斎藤裕との再戦が決まったRIZINフェザー級王者・牛久絢太郎インタビュー!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」
    ・矢地祐介の関節蹴りがサトシ・ソウザ爆発のトリガーとなった■水垣偉弥

    ・判定・新時代は到来している!! これでわかったジャッジ最前線■松宮智生 日本MMA審判機構
    ・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」
    ――斎藤裕選手とのダイレクトリマッチが4月のRIZIN.35で決まりました! いまの心境としてはどういう感じなんですか?
    牛久 世間ではいまだに「牛久が勝ったのはたまたまだ」という声が多くて。ボクの中では、たまたまではないんですけど、今回はあらためてボクの強さを証明できたらなと思っています。
    ――それ、会見でも言われてましたが、やっぱりそういう声は牛久選手のもとにも届いていたんですね。
    牛久 ああ、そうですね。だから、本当に強さを証明したいという気持ちが強くて。
    ――振り返ると、あの試合は2ラウンドの途中で牛久選手の跳びヒザがあり、斎藤選手がカットしてドクターストップになりました。ただ、それまでの試合展開は「斎藤選手のほうが押してたんじゃないか」という意見もありますよね。
    牛久 でも、ボクの中ではちゃんと自分の試合をつくっていたので。あのヒザ蹴り以外にも狙っている技があって。ボクなりにいろいろと狙っていたり考えていたことがあったので、押されたからどうとかいう考えはないですね。
    ――となると一見、斎藤選手のペースだったのかと思いきや……。
    牛久 ペースを握られていたとしても、ボクの中では焦りとかはまったくなかったです。いつ自分の狙ってる技を出そうか、それを常に頭の中で考えていた感じですね。
    ――あの試合後、セコンドの横田(一則・K-Clann主宰)さんは「牛久選手はけっこうヒザが得意なんだけど、それまでの試合ではなかなか出せていなかった」というお話をされていて。今回、それが出せたのはなぜなんでしょう?
    牛久 やっぱりこう、横田さんとミットとかでめちゃくちゃ練習をやり込んだんで。身体が自然と出せるようにそこまで練習したんですよね。だから、身体が意識しなくても出せるレベルまできたのかなというのは感じます。
    ――斎藤戦より前の試合までは、そこまでやり込んではいなかったということなんですか?
    牛久 うーん、試合ごとに相手によって作戦は変わるので、それをどこで出すかというのは作戦でもあるので。べつに、前からできなかったわけじゃないですけども。
    ――横田さんによると「牛久選手はいつでもヒザを出せるんだけど、けっこう緊張しいだから、いままではなかなか出せなかった」というお話もされていて。
    牛久 ああ、それもありますね(笑)。
    ――今回、作戦をちゃんと遂行できたのは、気持ち的にも違っていたからなのかなあ、と。
    牛久 たしかに、前回の試合はRIZINタイトルマッチという特別な試合だったので、そういう影響もあったとは思います。やっぱり、そういう試合は気持ちは乗りますから。
    ――となると、周囲に「たまたま勝った」と言われても、自分の中でそうじゃないという確信があるから「好きなだけ言ってください」というか。
    牛久 ボクの中での気持ちは変わらないので、周囲の声はあんまり意識してないです。ボクは基本、そういう感じの性格なんですよ。
    ――凄く冷静なんですね。ちなみに、斎藤選手のセコンドについていた石渡伸太郎さんの声も「何か狙っているから気をつけろ」と言われてましたよね。
    牛久 ああ、その石渡さんの声はボクも聞こえてました。「斎藤選手は石渡さんの声をしっかりと聞いているな」というところまでボクも冷静に見ていたので。ボクのアクション一つひとつに対して、いろいろと反応を見ていて。それに対してセコンドが何かを言って、斎藤選手はしっかり聞きながら戦っているな、と。そこもしっかり感じていましたね。
    ――その斎藤選手は、大晦日の朝倉未来戦で敗れてしまいました。そこはどうご覧になってます?
    牛久 うーん、どういう言葉で言えばいいか迷うんですけど、本当に試合内容としてはどっちが勝ってもおかしくないような緊張感のある試合で。で、結果的に斎藤選手が負けちゃったとしても、ボクの中での斎藤選手の価値はずっと高いままです。だから、負けたからどうというのは、何も思ってないですね。
    ――逆にいうと、牛久選手の中での朝倉未来選手の価値はどうなんでしょう?
    牛久 ああ、それも高いです。だから、勝敗として勝てば評価が高くなるのは当然ですけど、仮に負けたからって評価が下がることはないというか。ボクの中の斎藤選手は、変わらず倒しがいのある選手だと思っています。
    ――しかし、前回の試合で狙っていた技が複数あったとなると……、次のタイトルマッチもけっこう奥の手がありそうですよね。
    牛久 もう、いっぱいありますよ(冷静に)。
    ――おお~! 
    牛久 だから、たぶん面白い試合になると思いますね。まあ、相手もいろいろと考えていると思うので、ボクも試合が楽しみです!
    ――余談ですが、RIZINで斎藤選手に勝ったときにリング上でマイクがありましたが、なぜか横田さんにマイクを渡そうとしていませんでした?
    牛久 ああ、そうっすね(笑)。ちょうどマイクでしゃべっているときに、横田さんと目が合っちゃって。横田さんもボクに向かって何かしゃべっていたので、身体が自然と「あれ? マイク渡したほうがいいのかな?」と。
    ――ハハハハハ! いや、危なかったです! 古い格闘技ファンは横田さんのマイクは長くてイライラするというのが定評なので、あのシーンは本当にドキドキしました。
    牛久 もしかしたら、ボクじゃなくて、マイクのほうから横田さんに寄って行ったんじゃないかという(笑)。
    ――あ、そういう神通力かもしれないと(笑)。ところで、あの斎藤戦が決まった経緯についてもうかがいたいんですが、じつはあのタイトルマッチが決まるより前に、神田コウヤ選手とのDEEPフェザー級タイトルマッチが決定していたんでしたよね?
    牛久 はい、12月12日に決定していました。
    ――斎藤戦は10月24日でしたが、それでも絶対にRIZINのタイトルマッチは戦いたいという気持ちだったんですか?
    牛久 もう、本当に人生を全部賭けてでも、チャンスはここしかないと思っていましたね。
    ――ある意味、DEEPのタイトルマッチはどういう状態でも覚悟していたというか。
    牛久 でも、それも約束なので。もちろん、その約束は果たすんですけど、正直試合でケガするかどうかって、やってみないとわからないじゃないですか。ボクがそこに出ることで「牛久がケガしたらどうするんだ」と周囲に不安を抱かせてしまったことに対しては、もの凄く申し訳ないとは思ってましたけど。ただ、結果として12月12日という当初決まっていたスケジュールをずらさずに試合もやったので、この選択は間違いではなかったと思いますね。
    ――クレベル・コイケ問題などもあって斎藤選手の挑戦者がなかなか決まらない中、牛久選手は「(斎藤選手と)試合したい!」とツイートされていましたよね。でも、そのあとすぐに削除されていたような……。
    牛久 ええっと、あのツイートで、けっこうボクも怒られまして……(苦笑)。
    ――DEEPのタイトルマッチが決まっていたから、一旦ツイートを削除したということだったんですね。
    牛久 でも、あれは本当に純粋な気持ちですし、完全に自発的なものだったので。というのも、試合をしたいといっても、こっちのタイミングで待っていてもチャンスって来ないのでね。そこは行くしかないんですよ。だからこそ、普段はほとんどSNSを更新しないボクが「いましかない!」と。でも、その勢いでツイートしたら怒られちゃったということなんですけども(苦笑)。
    ――でも、結果的には試合が決まったわけですからね。
    牛久 いくら試合したくても、ボクだけで動いちゃマズいんだなあと。まだ26歳だったので、許してくださいという感じですね。
    ――ただ、そんな勇み足をしてしまうぐらい「ココだ!」という嗅覚が働いて。
    牛久 感じましたねえ、ボクの中で「行け、牛久!」というのを。
    ――もう一人の自分が叫んでいた(笑)。DEEPフェザー級からは牛久選手が勝ってる弥益ドミネーター聡志選手が先にRIZINに上がっていましたが、そういう部分に対しても鬱憤があったんですか?
    この続きと、平本蓮、ジモキック問題、関根シュレック、ハヤブサ、浜崎朱加…などの3月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2089097
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  • 「PRIDE35→RIZIN35」から見えた進化するジャパニーズMMA

    2022-03-25 13:44  
    110pt
    この記事はRIZIN大阪大会を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【漆黒のヘラクレス】武田光司選手、なぜそんなに黒いんですか?
    ・【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」
    ・浜崎朱加×アミバ……雷神女王と女マネージャー(?)の女子格対談!
    ・スアキムをムエタイ引退に追い込んだギャンブラーとは何か■鈴木秀明
    RIZIN34のオープニングVは、PRIDE最後の興行となったPRIDE34のそれと使用曲(Do you remember rock 'n' roll radio)と構成が一緒でした。PRIDEの名場面がフラッシュバックしていったように、これまでのRIZINの記憶に残るシーンが流れていく。佐藤大輔さんのセルフ・オマージュですけど、これはPRIDEを知らない人でも、ものすごく楽しめる映像ですよね。やっぱりRIZINの名場面が一気に詰まってるわけですから。
    ここでピックアップされた選手はものすごく栄誉なことなんですけど、堀口恭司がベラトールに旅立ち、那須川天心がRIZINを卒業したタイミングで、こういう映像を出せたっていうのは天の采配というか。やっぱりRIZINの土台を築き上げたのは天心、堀口、RENAの3人ですから。そのあとで朝倉兄弟が人気に火をつけたんですけど、初期のRIZINを引っ張ってきた堀口恭司と那須川天心の2人が去ったところでPRIDEのナンバーシリーズ超えを果たしたのはドラマとしてよくできている。一区切り付いたなっていう感じですね。
    そして今回のRIZINのメモリアル映像を、この先どんなふうに振り返ることできるのかが楽しみでもあり……そして怖さもあります。10年20年経って「、あれから、まさかRIZINがこうなるとは……」と。PRIDE34に関していえば、あの時点では明るい未来の予感があったんです。フジテレビの契約が打ち切りとなって進退窮まったPRIDEが当時のUFCオーナー、ロレンゾ・フェティータに譲渡され、榊原体制最後の興行がPRIDE34だった。これからは新生PRIDEとしてUFCと共に歩むんだ……という区切りの大会になるはずだったんです。
    あのPRIDE34も裏側ではいろいろあって。

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  • 平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」

    2022-03-23 16:56  
    150pt
    MMAデビューから2連敗を喫してしまった平本蓮インタビュー!RIZIN大阪大会前日に話を聞きました(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【vs平本蓮】鈴木千裕インタビュー「記者会見はムカついちゃいましたね~!」
    ・【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」
    ・恐るべき北の闘争家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和インタビュー
    ・弥益ドミネーター聡志インタビュー「いまの萩原京平は“1年前の実力”ではない」
    ――元気ですか?
    平本 そうですね。元気だと思います。
    ――「思います」ですか。
    平本 いや、めちゃくちゃ元気です!(笑)。本音をいうと、試合が終わって、弟(平本丈)や石渡(伸太郎)さんと話をする中で、試合中に掴めた部分があるから、すごい前向きになれたんですよ。ケロッとして切り替えられたというか、この感覚を忘れないように5月でも6月でも試合をしたいなって。周りからはけっこう落ち込んでると思われてて、心配する連絡がけっこうあって。なんか落ち込まないといけないのかなって……っていうぐらいケロッとしてますね。
    ――それは敗戦を前向きに捉えることができたってことですか?
    平本 試合で「この部分が俺に足りないのか」って直に感じることができたじゃないですか。まあ、練習であってもダメな部分には気づけるし、すぐにはダメな部分がなくなることはないから、練習ってずっと続いてくんですけど。試合ってそのさらに何倍も自分のダメなところを突きつけられるっていうか。逆にいいところもそのぶんわかるんですけど、試合中に「あ、自分ってこういうところがいいんだ、武器はあるんだ」と。でも、自分のダメなところはそれ以上に価値があるので、試合中になって突然突きつけられるっていうか、「こういうことか……」みたいな感覚がすごい。それがあるから、早く次の試合がしたいなって。切り替えたというか、切り替えるしかなかったっていうか。
    ――これからもMMAに取り組んでいくんだったら切り替えていくしかないってことですかね。
    平本 ホントそうですね。変な話、5勝30敗とかでも最後にチャンピオンになっていればいいじゃないですか(笑)。
    ――それは針の穴を通すルートですね(笑)。萩原京平戦のときも思ったんですが、平本選手はけっこうな負け方をしてもこういった取材に出てくるじゃないですか。オフィシャルや自分のYouTubeだと出やすさはあるとは思うんですけど。
    平本 ああ……学校のクラスとかでもハブかれることがあったんですけど、そこで外を向いて何もしなくなるのって、めちゃくちゃ簡単だなと思うんですよね。逆に立ち向かいたくなる自分がいるというか。「絶対に勝ってやる」って気持ちで試合に臨んでいるから、試合が終わったときに「クソ」「やっちまったなー」って悔しいし、「もっとできたのに」「ここはこうできたのに」というのがあるんですけど。復活の火は自分の中で消えてないというか、そこは往生際が悪いと思われるんだけど、「絶対にこんなんで終わらせらんねえぞ」っていう風に思ってるし。そこに閉じこもってるのが恥ずかしい、じゃないですけど。
    ――負けたから表に出てこないんだろう、とは思われたくないと。
    平本 そうそう。自分としては、そっちのほうがすごく悔しい気持ちになるというか。自分を殺せるのは自分だけだと思ってます。それは肉体的に死ぬとか、そういう話ではなくて、自分が諦めてないかぎりは死なない。どれだけ他人が自分の夢や希望を遮ったり、バカにする奴がいてもいいとは思うけど。結局、自分が「もうダメだ」って思わないかぎりはずっと続けられるっていうか、自分の意志で戦っていけるわけじゃないですか。ホント自分を殺せる瞬間というのは、自分が諦めたときであって、それ以外は死ぬことなんてないんだなって。肉体とは関係なしに自分の精神が死ぬか・死なないかは、全部自分次第だなと。だから、誰かにどう思われてもかまわないすよ。
    ――デビュー戦と比べて、試合前に何か違った点ってありました?
    平本 いやあ……どうですかね。戦う気持ちが違ったのかなっていうのは、あるっすね。毎試合、成長しているのは誰だってあたりまえだとは思うんですけど、試合前はすごいリラックスしてたかもしれない。LANDMARKの会場って青コーナーの選手全員の控室が一緒なんですけど、アップする場所が控室で。新宿FACEでキックの試合をしてる頃を思い出しましたね。その雰囲気は自分としては嫌いじゃないから、あれはあれでよくて。客との距離がすごく近いこともFACEに似てるなっていう。
    ――試合のターニングポイントはどこだと考えてますか?
    平本 1ラウンド目に右をもらってフラッシュダウンみたいになって、そこからホント熱くなっちゃって。作戦とかいろいろ飛んじゃって「倒してやる!」ってなったというか。もうなんていうんですか、人間って窮地に追い込まれたら得意の動きが出るじゃないですか。それがキック時代の動きになっちゃったんですよ。いつもやってきた練習が1発もらったことで「もうヤバイ、倒さなきゃ!」っていう焦りに変わって。あとから試合を見返すと、キックの頃みたいに歩いて追いかけてワンツー。もう完全に「倒してやる」ってなっちゃったなって。
    ――パンチを食らって落ち着けなかったんですね。
    平本 もう完全に熱くなっちゃってましたねぇ。3ラウンド目のインターバルのときにセコンドの石渡さんから「ちゃんとわかるか」って言われて。3ラウンド目からちょっとずつ落ち着いてきたじゃないですけど。もうホントに殴って倒してやるしか考えてなかった(苦笑)。キックの数がゼロでしたし。
    ――キックを一度蹴らなかったのは何か作戦だったり、ケガをしていたわけじゃないんですね。
    平本 もう昔からのダメなクセが出ただけです。だいぶ前ですけど、木村ミノル選手とキックルールで試合したときも、バーンともらって熱くなって蹴りが全然出なくて、逆にパンチで殴りあっちゃったんですよ。「この野郎!」みたいな感じで。自分のダメなクセが出ましたねぇ。
    ――それくらい最初のフラッシュダウンが尾を引いてしまったと。
    平本 ちょっと焦っちゃった部分もあるっすよね。1発もらってからは相手のパンチは全部見えるようになったんで、あとは1発ももらわなかったんですけど。相手が1ラウンド目で両手を骨折したって言ったじゃないですか。けっこうヒジでブロックしたりしたんで、そこで壊せたかなって。ブロッキングで痛がってるのを感じたんで「あ、これは殴り合いで絶対に潰せるな」ってところで熱くなっちゃったっすね。
    ――相手の負傷も察知していたこともあって殴り合いに行ったところもある。
    平本 殴ってこないし、嫌がってるのもわかるし、こっちのパンチが効いてるのもわかったんですよ。余計に手応えがあったので、倒しに行っちゃったのかなって。
    ――でも、倒せなかったわけですね。
    平本 そこは完全に蹴り忘れじゃないですかね。蹴ってないとパンチで倒せないですよ。混ぜてパンチを当てないとやっぱ効かない。「パンチが来る」って思ってたら対処できるし、完全にそこですね。ホントに熱くなってケンカみたいになっちゃったんで。いやまあ、シンプルに自分の経験不足です。試合中に足りない部分もすごく理解できたし、技術的なことをすごい磨いてきて、ホント地味な練習ですけど、そういうドリルをずっとやってきて、そういう技術がいろいろ身についた部分もあるんですけど。純粋なレスリングのぶつかり合いのトレーニングもアメリカではグレコローマンの選手とたくさんやって、すごい身についた部分はあったんですけど。もうちょっと必要だなっていうことは、すごい感じたなって。ごちゃごちゃ感っていうんですか。技術のないぶつかり合いじゃないですけど、自分の中で足りない部分を試合中に感じたんで。トレーニング方法もまたあらためて変えてみて、また試合をしたいなって。
    ――逆によかったところはどこですか?
    平本 最初にもらってダメージもあったすけど、そこからメンタル的に盛り返すことができたというか、そういう精神的な部分で「俺、こういうところで踏ん張れるんだ」「スタミナ全然切れないわ」とか、いろいろ知れた部分はあるんで。逆に次の試合はもうちょい安心して、自分は大丈夫、もっとできると思うわけじゃないですけど、試合をたくさんしていきたいなって思ったんですよ。去年はホント試合に出なかったから、今年は逆に誰より試合に出るのが面白いのかな(笑)。
    ――試合をすることで極限状態の自分が確認できたところはあるんですね。
    平本 そうっすね。練習のままの動きを出すのって、なかなか簡単じゃないなっていうのはあるんですけど。でも、自分なら絶対できると思うので。
    ――何度かテイクダウンされたじゃないですか。そのへんってどうでした?
    平本 もうあんときはフワフワしちゃってて「あれ、どうやるんだっけ?」みたいな(苦笑)。もうホント初歩的なことも忘れる感じになっちゃって。ああいう極限状態もしっかり頭に入れて、練習から見直したいなって。
    ――そこはパニックになったという感じですか?
    平本 いや、パニックというよりかは、ちょっとボーッとしてたっていうか。「なんかヤバイヤバイ!」っていうのはなかったですけど、ホントにボーッとしてたかもしれない。
    ――平本選手が寝かされてからエビすらできてないという指摘が多いじゃないですか。CAVEの関係者と話をしたら「エビの練習をやってないわけないんだけど、あれはもう完全に飛んでいた」と。
    平本 そうなんですよね。ホントに「あれ、あれ……?」みたいな。「思い出せ」っていう風に自分でも思うぐらい、こんなに飛ぶことがあるんだなって。
    ――キックの試合でも飛ぶことはあったんですか?
    平本 キックボクシングは一瞬一瞬の攻防しかないから、なんかガサツでも通用しちゃうときはあって。それはMMAでもあるとは思うんですけど、組んでしっかり考える状況って体験もなかなかないんで、変にボーッとしちゃいました。パンチをもらってけっこうフワフワしていて。3ラウンドになってから、自分のやるべきことをちょっとずつ思い出してきたんです。ボクの中でスッキリさせる答えは……5ラウンドなら勝てた(笑)。
    ――またいろいろと言われますよ!(笑)。
    平本 ハハハハハハ! マジメな話、スタミナの自信はついたかもしんないですね。自分もフワフワして全然、力を使うタイミングがなかったですけど、もっとホントやれたのに……っていう。完全に悔いの残る試合ですよねぇ。でも、逆に宿題というか、課題が目に見えてわかったから。明日からの練習は楽しくなるわけじゃないですけど、いまやるべきことがしっかりわかるから。次の試合でちゃんと見せます! って言うしかないですよね。
    ――コーナーに押し込まれてる時間が長かったじゃないですか。あのとき何を考えていたんですか?
    平本 あんときもボーッとしてて。まあ、相手を押し付けてきてるだけなんで、ヒジで削ってたんですけど。フワフワしてて、見えない景色に行くのが怖かったわけじゃないですけど。組み替えようとか、変にいろいろやろうとしすぎちゃった部分もあるのかなって。あそこは組みを切って、総合格闘技じゃなくてシンプルに打撃で戦っていくことができたと思うし。いろいろ自分の中でやりたいことがゴチャゴチャになりすぎたってことがあんのかもしれないです。
    ――練習だと目的を持って取り組めるけど、試合ではその場でその場で臨機応変に組み立てていくには経験が必要ってことなんですかね。
    平本 やっぱり経験を積んでいくと、ホントにいらないものがやっとわかってくるじゃないですか。ああいう場面に陥ったときに、幅の広さが大事になるとは思うんですけど。そこはいつも練習中には感じてて、自分なりにはできるつもりでも、いざとなってみたら、ちょっとその選択が何個かあったりして。「ヤバイ、これはどっちやろう?」とか、その選択肢が急激にパンと出てきて、そこで迷っちゃう自分もいるわけで。そのへんを、たかがデビュー2戦目でできたらスゲエよっていう話だとは思うんですけど。しっかり最短で覚えていって、自分の必要なものを吸収して、今年はやっていきたいなって。
    ――鈴木千裕という格闘家と肌を合わせてみて、どんな印象がありますか?
    平本 もっと打撃でくるのかなと思って、逆に組んでテイクダウンしようと思ってたんですけど。
    ――鈴木選手はパンクラスのネオブラ優勝者だし、やっぱりキャリア差はあるなって見てたんですね。
    平本 いまの萩原(京平)がどうかわかんないですけど、萩原と鈴木やったら、鈴木のほうが意外に相性がよかったりするんじゃないですかね。俺に勝ったから、アゲているわけじゃないすけど、鈴木戦が決まったときも正直、萩原より下の相手とは思わなかったし、むしろちょっと強いんじゃないかぐらいは思ってて。(鈴木の)ブン回しを意識しすぎたってのもちょっとある話ですけど、じつはそうでもない。
    ――試合後リングに残って鈴木選手のマイクを聞いていたじゃないですか。帰ろうと思いませんでした?
    平本 リングを出ようかなって思ったときに「いや、何か一言を残して帰らないと気がすまないな」って。ここは言葉を残したほうが必ずいいなっていうふうに思ったすね。終わったあとに「いやー、これはやっちまったな……」とコーナーに戻ったんですけど。MMAって延長ないじゃないですか。それなのに石渡さんに「あれ、これ延長ありましたっけ?」って聞いちゃって(苦笑)。
    ――ハハハハハハ。「負けました。でも負けてないです」という名言が出ましたね。
    平本 いや、いろいろとあの場で考えたというか、思いついたんすけど。悔しすぎて結局、マジメなことを言ってしまって。
    ――けっこう響く言葉ですよ。
    平本 なんていうんですかね、自分としては一捻り入れたかったんですけど。これは早く再起を誓うしか処理する方法がないなと。
    ――試合前の「ポペガー」じゃないですけど、もうちょっとふざけたかったと。
    平本 もっとふざけたほうが面白かったなと思うんですけど……すごくマジメな自分が出ちゃいましたね(苦笑)。
    ――“裸の平本蓮”がむき出しになったということですね。
    平本 ホントそうっすね、出ちゃったっすね。でもホントは「●●●●●」とか言いたかったんですけど。
    ――……そっちじゃなくてよかったですよ!(笑)。・石渡伸太郎、長谷川賢は平本蓮に甘いのか?
    ・格闘家のYouTubeが気持ち悪い
    ・朝倉未来も斎藤裕も萩原京平も「●●●●●」と思ってるはず
    ・アメリカには戻るかどうかは……
    ・ぱんちゃん璃奈にクソリプのアドバイス!?
    ・「総合格闘家にキックルールでやろうぜ」案件……12000字インタビューはまだまだ続く!!


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  • 【リベンジ&タイトルマッチ】浜崎朱加「負け方がわからない? ……じゃあ、今度は負けさせてやんよ」

    2022-03-22 16:55  
    130pt
    伊澤星花とのリベンジ&タイトルマッチが決定した浜崎朱加インタビュー!!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」
    ・【超新星大晦日到来】伊澤星花 「どうやって負けるんだろう?と思ってました」
    ・RIZIN女子格新風!! 大島沙緒里の寝技はこうして磨かれた■1万字インタビュー
    ・【vs平本蓮】鈴木千裕インタビュー「記者会見はムカついちゃいましたね~!」
    ――防衛戦にして、伊澤星花選手へのリベンジマッチがいよいよ決まりましたね!
    浜崎 はい、燃えてますよ!
    ――おお~! このタイミングで決まったというのは、浜崎選手にとってどうなんでしょう?
    浜崎 うーん、「もう来たの?」という感じよりは「やらなきゃいけないな!」という思いですかね。今年はスーパーアトム級のトーナメントが始まるかもと聞いていますし、それだったらこのワンマッチはその前にやらなきゃなと思っていたんで。
    ――というか、スーパーアトム級のトーナメントがあったら、タイトル戦の勝敗を待たずとも、出る気でいるということなんですか?
    浜崎 出ますよお! もう、やる気満々です!
    ――凄い! 去年、バンタム級トーナメントが開催されるとき、朝倉海選手なんかは参戦を悩んでいるような雰囲気もありましたが、浜崎選手はそういう気持ちはないんですね。
    浜崎 まったくないです(キッパリ)。……あ、もちろん、選ばれなかったら出られないですけどね。
    ――いや、絶対にそれはないでしょう(笑)。現チャンピオンですし、トーナメントで勝ち上がってきた人と対戦すればいいじゃん、という態度ではないんですか。
    浜崎 なんだろ、やっぱり堀口(恭司)選手みたいにダントツな存在だったら、そうするかもしれないですけど。もう、そんな圧倒的な勝ち方をしてきているわけじゃないし、そんなに差があるかというと、そういうわけでもないだろうから。
    ――……正直、そういう感覚なのは意外です!
    浜崎 いや、こんな感じですよ。なんか「強い」と言ってもらえてますけど、いままでも負けてるし。そういう意味でも、いろんな人と戦いたい気持ちのほうが強いですね。
    ――では、今回の試合はその前の大一番となるわけですが、会見であらためて伊澤選手と顔を合わせてみていかがでした?
    浜崎 ええっと、「超新星」って誰がつけたんだろうなあって(ボソリ)。
    ――そ、そこですか。毎回記者会見で自ら元気よく「超新星」と自己紹介してますね(笑)。
    浜崎 まあ、それは冗談ですけど(笑)。前回、年末の試合に向けて一度顔を合わせたじゃないですか。やっぱり、そのときとは違いましたよね。負けてるんで、挑戦者の気持ちで顔を合わせるという感じはありました。
    ――そもそも、年末からの数カ月間、どんな気持ちで過ごされていたんでしょう。
    浜崎 負けてすぐとかはやっぱり悔しくてモヤモヤしてました。でも、最近は試合に向けていつもと変わらず調整してますかね。
    ――浜崎選手のSNSって犬と猫ばかりなので、どうもそのへんの感情がわからなくて。
    浜崎 ハハハハハ! それ、みんなに言われます(笑)。「犬・猫、かわいいなあ~」で生きてる人間ですからねえ。でも、気持ちとしてはもちろんずっと悔しかったですよ。ただ、今回はその相手にリベンジできるんでね。結果はわからないですけど、そういう試合ができるというのは幸せなことだと思うし、次はしっかり勝たないとなと思います。
    ――負けが少ないだけに、そういう感情もひさしぶりというか。
    浜崎 というよりも、私っていままで負けた相手と再戦できたことってないんですよ。
    ――え、そうでしたっけ?
    浜崎 ハム・ソヒもそうだし、インビクタで負けた選手に対しても、いままでリベンジマッチの機会ってなかったんですよね。でも、今回それができるんで、めっちゃ楽しみです!
    ――そもそも、昨年末の伊澤戦を受けるときって、榊原(信行・RIZIN CEO)さんも「浜崎選手が受けてくれると思わなかった」と言われてましたよね。
    浜崎 ああ、そうでした。ただ、自分にはあんまり選択肢がないというか、このコロナ禍で外国人選手が入国できないので、日本人ファイターの中から相手を探すのは簡単じゃないじゃないですか。なので、今回の年末は見送るか、伊澤選手と戦うかと言われたときに、もちろんメリットはないですけど、若手で勢いのある選手ということで引き受けた感じですね。
    ――スルーするという考えはなかったですか?
    浜崎 うーん、それもちょっとは考えたけど、相手がどうであれ単純に自分が試合したいのもあったし。まあ、若手ではありますけど相手もずっと連勝していて強い選手というのはわかってたんで。やってみたいなという気持ちもありました。
    ――「やってみたい」というのが凄いですね。普通、実績のあるベテランはそういう若手との対戦を嫌がりそうですけど。
    浜崎 私、相手が強い選手だからやりたくないとか、そういうことは一切考えたことがなくて。いまだに「強いならやりたい」というのが先行しちゃうんですよね。
    ――去年6月には、同じくAACCの本野美樹選手が伊澤選手にDEEP JEWELSストロー級のベルトを獲られた試合もありましたが、そこも関係あったりしました?
    浜崎 正直そこはあんまり関係はないですね。ただ、ウチの若手が負けてるから、後輩には同じ相手に負ける姿を見せたくなかったんですけどね。
    ――ちなみに、年末の試合は浜崎選手は100%の状態ではなかったという話を耳にしたんですが……。
    浜崎 いや、まったく根本から違う自分で戦ったわけじゃないですから。
    ――試合後の伊澤選手のインタビューでは、浜崎選手の圧が思ったほどではなかったと言われていて。それは、浜崎選手のコンディションも影響していたのかな、と。
    浜崎 関係ないと思いますね。結局、あの負けはどうやっても変わらないですし。
    ――なるほど。浜崎選手って、RIZINでのジン・ユ・フレイ戦のときも試合直前にケガがありましたよね?
    浜崎 ああ~、あれは腰をやっちゃったんですよねえ。
    ――さらに言うと、インビクタで負けた試合がありましたが、あのときも直前にケガされてませんでしたっけ?
    浜崎 あのインビクタはヤバかった! あれは試合の2日前でしたから。
    ――そういうときって、欠場という選択肢もあるとは思うんですけど、浜崎選手っていつも出ちゃいますよね。
    浜崎 いや~、やっぱり穴を開けちゃうじゃないですか。相手もいることだし。さすがに、インビクタは2日前のケガだったのでちょっと判断を間違えましたけど(苦笑)。なので、試合ができるのならべつに欠場という選択肢はないですね。
    ――穴を開けたくないという思いが強すぎて。
    浜崎 相手がいなきゃ欠場してもいいんですけどねえ。絶対に相手が準備して待ってますから。
    ――1対1の競技ですもんね。あと、あの試合はフジメグ(藤井惠)さんがセコンドに付かれていたので、そういう意味でも特別感がありました。
    浜崎 相手が誰であれ、年末の試合は藤井さんにセコンドについてもらうつもりではあったんですよ。なので、藤井さんにお願いしたのは……本当に「なんとなく」なんですけどねえ。特別な考えもなく「お願いします」と。でも、やっぱり藤井さんが近くにいてくれると落ち着くし安心するんですよね。
    ――やっぱり違いますか。
    浜崎 なので、年末はセコンドに付いてもらえて本当によかったなと思いました。でもね、藤井さん、凄い泣かせにくるんですよ。まあ、それは負けた試合だからなんですけど。
    ――フジメグさんも大事な後輩に気を落としてほしくなかったんですかね。
    浜崎 凄く大事なことを言ってくれるし、試合終わってからも凄くケアしてくれましたしね。まあ、そのへんはライコン(RIZIN CONFESSIONS)を見返していただければと(笑)。
    ――でも、フジメグさんにお願いしたのは、やはりいつもと違う気持ちがあったからですよね?

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  • 追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-03-20 21:53  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホールです!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――今日はフミ斎藤さんの連載インタビューの配信版ということで、フミさんよろしくお願いいたします。
    フミ よろしくお願いします。
    ――今月のテーマは悲しい出来事が起きてしまいました。レジェンドレスラーのスコット・ホールがお亡くなりになってしまいました。
    フミ ボクはスコット・ホールと友達だったので本当に悲しいです。この世代のアメリカのスーパースターの中では、彼らも亡くなりましたが、 ホーク・ウォリアー、テリー・ゴーディ、バンバン・ビガロらと並び、ボクにとってはたいへん親しい人でした。何年か前のレッスルマニアではスコット・ホール、シックスパックことショーン・ウォルトマンと一緒にホテルのスイートルームをシェアして、何日間か楽しく過ごしながら寝泊まりしました。
    ――素晴らしい経験をしてますね(笑)。
    フミ あのときがスコット・ホールと過ごした最後の時間になってしまいました。スコットの息子のコーディ・ホールが新日本道場に留学していたときに「息子をよろしく頼む」ということだったので、コーディとよくいっしょにご飯を食べにいったりもしていました。
    ――とても近い存在だったわけですね。
    フミ スコットホールがジョージア州マリエッタの病院で亡くなったのは3月14日でしたが、その2日前の3月12日に同病院でヒップ・リプレースメント、つまり臀部に人工関節を入れる手術を受けたんです。その直後、両足のふくらはぎできていた血栓が原因で血流に障害が生じ、同日、短時間に3回の心臓発作を起こして危篤状態に陥ったとのことです。集中治療室で延命治療(生命維持装置)を受けていましたが、それから数時間後、盟友ケビン・ナッシュは自身のインスタグラムでスコットの家族が病院に到着したら家族の了承を得て延命装置を外すことになるだろうとの投稿をしました。すると、まだ亡くなってもいないのにSNSに「RIP(レスト・イン・ピース=安らかに眠れ)」というメッセージが溢れてしまったことに、ショーン・ウォルトマンは「まだ心臓は動いてるよ!」と怒っていましたね……。
    ――盟友たちからすれば、受け入れがたい現実ですよね。フミさんとスコットとの付き合いはいつから始まったんですか?
    フミ スコットが新日本プロレスに初来日したときからですから、1987年(昭和62年)です。その年に3回来日しているんですが、3回目のときはジャパンカップ争奪タッグリーグ戦で坂口征二さんをパートナーにエントリーしたんです。
    ――すごいタッグチームですね(笑)。
    フミ なぜ外国人レスラーなのに坂口さんのパートナーに抜擢されたかのというと、かつてのハルク・ホーガン的な外国人ベビーフェイスの売り方がプランニングされていたんです。その5年前、ホーガンは猪木さんとのタッグで日本でスターになっていきましたよね。
    ――NEXTホーガンを見込まれるくらいの逸材だったことですね。
    フミ もうちょっと時間のテープを巻き戻します。スコット・ホールは83年からプロレスの修行を始めていました。じつはヒロ・マツダ道場からスタートしています。
    ――名伯楽のヒロ・マツダさん。 
    フミ ハルク・ホーガンやポール・オーンドーフの後輩に当たり、レックス・ルーガーやロン・シモンズよりもやや先輩になります。ヒロ・マツダさんは「これはモノになる」という大型ルーキーしかコーチしないんですね。スコット・ホールもその身体と素質を見込まれてヒロ・マツダ道場でコツコツ練習を始めたんだけど、なかなかデビューの目処が立たなかったんです。
    ――それは何か理由があったんですか?
    フミ そこはやっぱりタイミングということだったと思うんですね。それで84年のある日、フロリダ州タンパのスーパーで食料品の買い物をしていたとき、バリー・ウィンダムにばったり会ったわけです。
    ――大型2世レスラーのバリー・ウインダム。
    フミ バリー・ウィンダムに「ボクもレスラーの卵なんですけど……」と話しかけたら、ちょうどそのときNWAフロリダ地区でブッカー、プロデューサー、トップスターを兼ねていたダスティ・ローデスがノースカロライナのNWAクロケット・プロに移籍するタイミングだったんです。バリー・ウィンダムとその相棒だったマイク・ロトンドもローデスと一緒についていくと聞いたので、スコット・ホールも「俺も行っていいですか?」ということでカバンに荷物を詰めて、ダスティ・ローデスに会いにノースカロライナまで行っちゃったんです。
    ――偶然の出会いから。
    フミ だからヒロ・マツダ道場は卒業はしていません。フロリダでもデビューさせてくれるかもしれなかったんですけど、痺れを切らしてノースカロライナに行って、そこで“アメリカンドリーム”ダスティ・ローデスのレクチャーを受けるわけですが、稽古する場所は当時シャーロットにあったリッキー・スティムボートのジムだったんです。そこでは、リック・フレアーにもプロレスを教えてもらったりしたそうです。
    ――メンツが豪華すぎますね!
    フミ ただノースカロライナには選手がたくさんいたことで、ローデスの指示でミズーリ、カンザス2州のNWAセントラルステーツ地区に送り込まれました。このエリアは昔はNWAの総本山だったんですが、この時期は経営難になっていて、NWAクロケット・プロが買収してルーキーを集めるファーム・テリトリーに模様替えするプランが進んでいたんです。
    ――それで新人のスコット・ホールが送られたんですね。
    フミ 稽古仲間だったダニー・スパイビーとアメリカン・スターシップというタッグチームを結成して、いよいよデビューするわけです。スコット・ホールがコヨーテ、ダニー・スパイビーがイーグルというリングネーム。当時はまさにロード・ウォリアーズ全盛の時代で、とにかく身体がデカい新人は筋肉マン・タイプのタッグチームを結成するのがブームだったんです。若かりし頃のスティングとアルティメット・ウォリアーもルーキー時代、テネシーでロード・ウォリアーズそっくりのタッグチームとしてデビューしましたね。
    ――ロード・ウォリアーズのそっくりさんみたいなチームがやたら多かったですね。
    フミ スコット・ホールはデビューした当時26歳だったんですけど、ダニー・スパイビーのほうはデビューした時点でもう34歳だったので、とにかく早くお金を稼げるようになりたいということでWWEに行っちゃったんですね。
    ――当時は年齢高めのデビューが多かったですね。
    フミ フットボールを長くやっていてNFLには行けなかったけれど、プロレスに……という人が多かったこともありますね。アメリカン・スターシップが解散したことでスコット・ホールはひとりになってしまったんですが、85年にAWAからスカウトされたんです。当時は前年にハルク・ホーガンがAWAからWWEに移籍して全米ナンバーワンのスーパースターの道を歩み始めた時代で、AWAはビンス・マクマホンにどこよりもたくさんの主力選手を持っていかれた団体だった。ホーガンだけでなく、ジェシー・ベンチュラ、アドニス、ジム・ブランゼル、悪党マネジャーのボビー・ヒーナン、名物アナウンサーのジーン・オーカランドらがWWEに行ってしまった。AWAオーナーのバーン・ガニアと、老プロモーターのウォーリー・カルボはスコット・ホールを見て「ブロンド(ホーガン)が逃げたらブルネット(スコット・ホール)が来た」って感じだったんですね。
    ――粋な言い方をしますね(笑)。nWoのヒントは昭和・新日本プロレスにあった!? スコット・ホール13000字語りはまだまだ続く!

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  • 自由すぎる投神・倉本一真「RIZINに出るまでは週3の練習だったのを奥さんが……」

    2022-03-16 16:16  
    130pt
    RIZIN TRIGGERで破壊的な勝利を魅せた倉本一真インタビュー。レスリングアスリートはやっぱりすごい、そして面白い!!(聞き手/ジャン斎藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・“修斗伝承者”中村倫也 日本格闘技界の歴史と未来を背負う男
    ・100キロ超級・日本人最後の金メダリスト 石井慧が見た日本柔道“復活”という幻想
    ・【知りたいんでしょ!?】日本レスリングが東京五輪で強かった理由■保高幸子
    ・【戦慄のオリンピアン】太田忍インタビュー「ひとりずつ潰していく」
    倉本 そんなに面白いことは言えないんですよ。MMAの世界のこともよく知らなくて……。
    ――業界のことを知らない選手のほうが面白かったりします! 倉本選手といえばレスリングのグレコローマンでは全日本選手権を制した実力者で、豪快な投げが注目されてますが、今成正和選手のグラップリングイベントIREの寒河江寿泰戦もヤバかったですね。ルールで認められた掌底で相手がボッコボコにされるという……。
    倉本 ボク的には掌底ありだったら、ああいうことになると思ってて。実際にそのとおりになった感じですね。
    ――掌底ありだったら、こんな凄惨なことになると。https://www.youtube.com/watch?v=3mgjy3CiV7U
    倉本 はい。掌底だとオープンフィンガーグローブより硬いので、絶対にエグいことなると思ってて。しかも相手の方はグラップラーで打撃とかやってない人なんで。オファーがあったときに主催者には「けっこうヤバいっすよ」と言ったんですけど。
    ――「大変なことになりますよ」と。
    倉本 「このルールでホントにいいんですよね?」って。ルール説明で足の裏以外がマットについてれば掌底がオッケーだと聞いて、これはほぼMMAでやれることはわかってたんで。寝技が得意な人とグラウンドでそこまでやり合う必要もないなと思って。
    ――ケージに押し込んでから片ヒザの状態で掌底を打ち込んで。グラウンドでも強烈な掌底が何度も……。
    倉本 コンバット柔術の掌底は真っ直ぐ突き落としてはダメって聞いたんですけど、IREの場合はそれもオッケーだったんで。イコールほぼMMAなんで、ホントに危ないですよね。
    ――パウンドの要領で打てるわけですもんね。
    倉本 相手は完全なグラップラーだし、しかもグラップリングの試合だったんで、そんな打撃が来るとは思わないじゃないですか。練習でもペタペタと打つくらいだと思うので、こっちも「大丈夫かな」と思いながらで。相手もちょっと知り合いというか、練習させてもらったことあったんで、試合後ちょっとしゃべったんですけど。寝てるところではあると思ったみたいですが、あの状態(スタンド)でやってくるとは思ってなかったみたいで。あれはボクがルールをうまく利用したというか、抜け穴があった感じですね。
    ――ご存じかどうかわからないですけど、掌底は骨法という格闘技の代名詞だったんです。
    倉本 ああ、試合後に聞きました。そういう格闘技があったと。
    ――マニア的には掌底幻想復活に喜ぶ試合でもあったんです(笑)。
    倉本 昔のパンクラスも掌底だったって聞いたんですけど
    ――そうですね。でも、同じ団体の仲間なので、あそこまでエグいのはなかなか……。IREからオファーがあったら出ますか?
    倉本 ボクはMMAファイターなんで、そこまでIREにこだわらないですけど。相手がやりたくないとは思いますよね。
    ――ルール改正しそうですね(笑)。ヒザ付きでも掌底はダメとか。
    倉本 それはありそうですね(笑)。
    ――RIZINでも掌底は出してましたね。
    倉本 至近距離からパンチをコツコツやるんだったら掌底のほうが痛いですよね。こっちのほうが効くと思います。
    ――掌底ってみんなできるもんですか。
    倉本 いや、誰がやってもできるんじゃないですか。ただ、やる必要に迫られてないので。結果的にこの歳で新たな武器に加わったのは大きいですね。得意技になりました(笑)。ボクもまだそんなにMMA歴があるわけじゃないので。
    ――RIZINの加藤戦も拷問みたいな試合でしたけど、それでも「もの足りなかった」という試合後のコメントにビックリしたんですよ。いったい何がもの足りなかったのかと(笑)。
    倉本 やっぱり投げですよね。求められてるので投げないといけないなって思ってたんですけど。
    ――ジャーマン8連発で戦闘不能に追い込んだ修斗の根津優太戦は衝撃的でした。今回はサイドポジションから持ち上げて叩きつけましたけど。
    倉本 あれ、けっこう練習でもやるんですよ。あの体勢で膠着することがありますし、とくに壁についたときは引っ張り剥がすのは難しいので、ボクはよく持ち上げるんです。足を引っ張ってズルズルやるのは難しいんですけど、投げるのは簡単なので。
    ――投げて体勢を整えるわけですね。
    倉本 今回のは落とし方がしょうもなかったんで、イマイチでしたけど(笑)。もっともっともっと投げればよかったなって。じつは今回ボクの契約最後の試合だったので、いい試合をしないとダメだなって。
    ――契約更新するのは勝つのはもちろんのこと、インパクトが重要だと。
    倉本 そうですね。RIZINでは投げられてないので、面白い試合をしないといけないって。今回ばかりはホントに投げなきゃと思ってたんですけど。でも、組んだら相手が一瞬で寝に行ったんですよ。スタンドで組み合うことはなく、そのまま寝られたら、もう投げられない。それはそれでパウンドも打てるからいいんですけど。サイドから持ち上げるしかなくなって。RIZINでは本気で投げに行こうとしたことないっすね。
    ――RIZINでは中原太陽戦、アラン“ヒロ”ヤマニハ戦の2試合やってますね。
    倉本 中原太陽さんのときは普通に打撃で勝ちましたし、ヒロのときはちょっと拳をケガしてたんで、戦術的に投げる必要がなくて。スタンドの打撃で倒そうと思ってたんですけど、ボクが思ってる以上にヒロのスタンドがうまかったです。そこでいろいろと誤算が生まれて……。
    ――投げられるシチュエーションがRIZINではまだないってことですね。
    倉本 そうですね。だから今回こそは……と思ったんですけど。普通に勝ったところで、最初のRIZINではテレビにも映らなかったし。
    ――中原太陽戦ですごい勝ち方をしたけど、地上波オンエアされなかったのでショックだったそうで。
    倉本 そうですね(苦笑)。あんなサッカーボールキックとか派手な勝ち方したのに、なんでかなって。
    ――オリンピック金メダリストの奥さん(登坂絵莉)も来てるのに。
    倉本 「連れて来て」って言われたから来たんですけど、まあまあ、仕方ない。それはボクがもっと頑張ればいいのかなって。
    ――マネジメントのシュウ・ヒラタさんからも「なんで映らなかったんですかね?」って聞かれたんですけど、大晦日って生中継+撮って出しだから、編集上の都合も大きいんだと思いました。
    倉本 いろいろ事情があるみたいですね。
    ――契約最終試合や、そういったこともあってインパクトを残すために投げたいと。
    倉本 投げが全部が効くわけじゃないんですけどね。
    ――効く投げと効かない投げがあるんですね。
    倉本 あんまり細かいことは言えないですけど、頭から落とせば効くわけじゃないですよね。ジャーマンとか後頭部が落ちるんですけど、その一発で失神するかといったら、そういうわけじゃなくて。しかもジャーマンってけっこうスローじゃないですか。自分から投げようもんなら、もっとスローになります。相手が立ってくるところを利用して投げるとけっこう早いんですけど。相手も投げられることはわかってますし、ある程度、受ける準備はしますから。
    ――投げようとして投げるものはそんなに効かないと。
    倉本 受ける準備もできてない状態で投げられるのが一番危ないので、やっぱり「ここから投げるか!?」っていう投げが一番効くっすね。
    ――キレイじゃないほうが効いたりしますか?
    倉本 キレイでもちゃんと落とせば効くんですけど、キレイ・汚いだけじゃないというか。相手が「あっ!?」って気づいたら投げられると効きますね。やっぱりパンチも見えないパンチが効くじゃないですか。
    ――カウンターってことですね
    倉本  全然見えてない状態でバンって殴られたら効くのと一緒で。投げもやっぱり気づいたら頭から落ちてると効くみたいな。ジャーマンも見た目はいいんですけど、練習で相手を気遣って落とした投げで逆に失神したり。
    ――気遣ったのに?
    倉本 ジャーマンなんてあんまり練習でやるような技じゃないんで。気遣って投げると、そういうときに限って相手が……。そのおかげで「これは使えるな」とわかる。練習でそういう危ない投げができあがっていくのは楽しいです(笑)。
    ――おそろしい実験ですね(笑)。
    倉本 そういうつもりやってるんじゃないのにって。
    ――いままで一番危険な投げってなんですか?
    倉本 ありますけど……言えないです(笑)。企業秘密です。
    ――怖いですよ!
    倉本 まだ試合で出してないんで。
    ――なるほど。対策されると困るわけですね。
    【近くにいたリバーサルジム新宿Me,Weの山﨑剛代表】
    山﨑 ホント危ないですよ。ウチの選手でも軽く投げられたけど、意識を失った選手がいるんですよ。
    倉本 ハハハハハ。やっぱり投げは怖いっすよ、危ないっすよ。大ケガする可能性もあります。
    ――大晦日の祖根寿麻選手は、太田忍選手の投げて首をやっちゃったみたいですね。
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  • ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」

    2022-03-15 10:30  
    130pt
    RIZIN大阪大会で中村大介と対戦する山本空良。この試合の意義を父親のヤマケンこと山本喧一さんにうかがいました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・恐るべき北の闘争家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和インタビュー

    ・前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏
    ・黒いパンツのプロレスラー中村大介「“UWFごっこ”にはしたくない」
     ・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」
    ――今日はですね、「こじらせU系」の皆さんが大好きなゲストにお越しいただきました。山本喧一さんです。ヤマケンさん、よろしくお願いいたします!
    ヤマケン よろしくお願いします。
    ――このDropkickメルマガの読者は主に30代・40代が中心で。UWFや、その流れを受け継ぐRIZINが大好きなんです。UWFインターナショナル出身のヤマケンさんの息子・山本空良選手が先日のRIZINで勝利を収めまして、4月大阪大会にも出るということで、ぜひお話を聞かせていただけないかということで。まずはRIZIN TRIGGER静岡大会勝利おめでとうございます。
    ヤマケン ありがとうございます。
    ――秒殺KOというすごい勝ち方だったのに、セコンドのヤマケンさんは喜びもせず冷静でしたね。
    ヤマケン それね、言われましたね(笑)。
    ――やっぱり言われますよね(笑)。
    35秒で新居すぐるをTKOヤマケン なんでかというと、相手がのされてるのに、セコンドのボクが盛り上がってるのも、なんかいただけなくないですか。関節を獲って勝ったりするんだったら、相手の意識もあるし、喜んでもいいのかもしれませんけど。打撃で倒れてしまったわけじゃないですか。やっぱりちょっと神妙になりません?
    ――そういうもんなんですね。
    ヤマケン 自分の選手が勝って嬉しいというよりも、相手のことを心配しちゃうんです。周りに気を使うタイプなんです、意外と。
    ――意外と(笑)。それはやっぱりUインターの新弟子時代に礼儀なんかを叩き込まれたっていうことなんですかね。
    ヤマケン そうですね(笑)。気を使うということはびっちり教え込まれたと思います。まず人のことを心配して、解決してから喜ぶ。そのクセがついてるのかもしれないですね。
    ――「この勝利じゃまだまだ」と気を引き締めているところもあったんですか?
    ヤマケン 多少はあったと思いますけど、やっぱり相手のことも心配でしたね。息子は嬉しがってましたけど、「あんまり喜びすぎなよ」って心の中で思ってました。
    ――厳しいですね(笑)。
    ヤマケン インパクトのある勝ち方はできたとは思うんで、それはそれでよかったんですけど。セコンドのボクが冷静じゃないとダメだと思うんですよね。やっぱり選手は興奮するもんじゃないですか。それで試合後に言っちゃいけないこととか、やっちゃいけないことの区別がつかなくなることもあるので。……やっぱり若いときのボクもありましたね(笑)。
    ――たくさんあったような気がします(笑)。
    ヤマケン ハハハハハハ。やっぱり参謀や軍師、セコンド、コーチとか、そういうメンターがちゃんといる選手は違うと思いますよ。いまは彼が現役で主役ですから、裏方としての仕事をちゃんとしようと。できるだけ目立たないようにとは思いつつ……。
    ――試合後すぐにヤマケンさんにカメラが向けられましたからね(笑)。
    ヤマケン なるべく目立たないように、という気持ちがあります(笑)。
    ――RIZINデビュー戦の鈴木千裕戦は判定で負けちゃいましたけど、試合後に何かアドバイスはされたんですか?
    ヤマケン 当面は日本最高峰のRIZINを目標にしてたので、そこのステージに来られた喜びはあって。言うてもTRIGGERですからナンバーシリーズはないんですけど、スタッフには知った顔の人たちがいっぱいいる。お父さんは昔はこういう人たちと一緒に仕事してたんだぞ、という会話を彼がちっちゃいときからしてたんで。そのステージに来られた喜びが大きかったんですよね。本人からしても、高校野球からドラフト指名されてプロ野球に入る感覚なんです。そうしたらですね、舞い上がっちゃって(笑)。
    ――ひとつの目標が達成できたことで。
    ヤマケン それで空回りしちゃったんですよね。距離感もむちゃくちゃでしたし、相手が距離を取って戦ってんのがわかってんのに、無理くりにこじ開けようと殴り合いをして。自分から相手の土俵に上がってしまったんですよね。
    ――もったいなかったですよね。1ラウンドで極めるチャンスもあったから。
    ヤマケン 彼がすごく打撃に自信をつけてきてた時期だったんですよ。相手は打撃の専門家で寝技の心配があったり、いろんな緊張があると思うので、それらを考慮して考えたときに自分のストライキング能力でもいけるんじゃねえの?という過信、軽率さがあったと思うんですよ。冷静に「寝技に持ち込むように」と言っていたんですけど、本人は「わかりました」と言いつつ殴るんです(笑)。
    ――熱くなっちゃったんですね。鈴木千裕には判定負け
    ヤマケン 相手に影響されすぎちゃって、相手を見すぎちゃって。あとウチの息子はFighting NEXUSのフェザー級のベルトを獲ったあとに肩の手術をしまして。脱臼癖があったんですよ。術後6ヵ月後にRoad to ONEの試合があって、TRIGGERは8ヵ月後だったんですけど。まだ稼働域がちゃんと広がっていなかったのと、多少の痛みがあったりして、左の肩がまだうまく使えなくて。たとえばタックルにしても完全にはできなかったんですよね。彼の中でそれはそれで残ってる武器で戦えばいいだけの話なんで、余計にストライキングでやってみたくなったんではないか。カッコつけたんじゃないかと(笑)。
    ――お父さんの目からはそう見えるんですね。
    ヤマケン おいしい相手だなと本人も思ってたはずなんですよ。キックのチャンピオン相手に打撃で倒したら、一躍注目されたりするんじゃないかと。やっぱりボクの血を引いてるので、目立とうという精神があるというか(笑)。勝ち方や内容にこだわる気持ちはどこかあるんだと思います。それは逆にいえば、命取りになったり、勝敗に繋がらなかったり、いまのこの競技では仇になることはあると思うんですけどね。
    ――ヤマケンさんの血を受け継いでるんだったらしょうがないな、って思っちゃいましたけどね(笑)。
    ヤマケン ハハハハハハ。そこを超えて、さらに強くなればいいだけじゃないですか。結局はリスクを背負って客を楽しませるような試合をしても最後に勝っちゃう。そこから桜庭和志が生まれたと思うんですね。その現代版の選手が出てきてくれれば、RIZINも面白いんじゃないかなって。ウチの息子がそうなれるように仕込んできたつもりです。
    ――いい勝ち方をしたことで、続けてオファーがあったわけですけど。相手は中村大介。キャリア最大の敵ですね。
    ヤマケン たしかに中村選手はつい最近もDEEPでタイトルマッチをやってますし、息子とは20歳ぐらい歳が違うのかな。過去最強の敵が現れたって感じですよね。しかもU系。
    ――中村大介戦のオファーがあったときはどう思われましたか。
    ヤマケン 「ああ、きたか」って感じですね。RIZINっぽいなと。
    ――たしかにRIZINっぽいですよね。
    ヤマケン ウチの息子ってRIZIN映えすると思うんですけど。TRIGGERシリーズの波にうまく乗ったというか、ちょうどいいタイミングだと思ってまして。ちょっとでも息子の成長が遅れたり、何かあると間に合いませんでした。肩の脱臼癖もRIZINやUFCとか将来のことを踏まえて手術を受けさせたんですよ。以前は試合中に肩が外れて自分で入れ直してましたから。
    ――そんな状態だったんですね。
    ヤマケン RIZINのアマチュアで優勝(2017年)したときも、途中で肩が外れながらトーナメントを勝ち抜いてるんです。最初はUFCに行ってからアメリカで手術すると。向こうのほうが腕がいいからって言ってたんですが、いい先生に巡り合えたんで、手術をやる決心をしたんですけど。やっぱりそろそろ直さないとマズイんじゃねえかなってことで手術したんですよね。いま思えば不安はありましたけど、そうしたらTRIGGERの流れがあって、前回のKOもあってまたオファーをいただいて。
    ――タイミングはバッチリなんですね。
    ヤマケン 山本空良というキャラがもうちょっと伝わってからのほうがいいんじゃないか?っていう方もいらっしゃったんですけど、ボクはそう思わなくて。ウチの息子が出てくるのが遅れたら、中村くんもあと何年やれるかわかんなかったんですよ。PRIDE時代からU系の選手がこうやってまだ現役でやっていることで、PRIDEがなくなってからRIZINまでの空白の8年間があったとしても、日本の格闘シーンの中でU系の選手が活躍を止めたってことはないですよね。
    ――なんとか続いてますが、いま巡り合わないとバトンが渡せなかったかもしれないですね。
    ヤマケン そうなんです。このタイミングはベストだったんじゃないかなと思ってまして。ウチの息子のポテンシャルって、まだまだ発揮されてないので。練習してきたことを考えたら、全然まだまだ出せてないです。高い目標を持って日々トレーニングしてきてますから、それを発揮できる最高の相手なんじゃないかって思ってますね。
    ――中村大介選手の師匠はヤマケンさんとも因縁のある田村潔司さんですけど、そこにもドラマはありますね。

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  • 元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件

    2022-03-15 10:04  
    120pt

    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件」です。
    <1記事から買えるバックナンバー>・日本レスリング&MMAの功労者・木口宣昭先生を語ろう■朝日昇
    ・伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」
    ・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」
    ・【サトシ教】サトシに勝てる日本人はいません■柔術ライター・橋本欽也
    「ケイン・ヴェラスケスともあろうお方が、法律の力を借りずに、私的制裁、すなわち自らの手で法を犯すことを選んだことは、とても悲しいことであります。この暴力行為は、彼の家族にさらなる痛みと苦しみを与えるものでもあります」
    ケイン・ヴェラスケスを殺人未遂などの罪で起訴したカリフォルニア州サンタクララ郡検事はこのように述べた。
    ヴェラスケスが犯した罪は、第一級殺人未遂、乗車中の車への発砲、銃器による襲撃、凶器による襲撃、故意による車からの銃器使用、重罪を犯すことを意図して装填した銃器携帯など10件にわたる。もし有罪になった場合、20年以上の懲役刑になるだろうとの見方だ。
    元UFC王者で、WWEやメキシコAAAでプロレスラーとしても活躍しているケイン・ヴェラスケスが起こした銃器発砲殺人未遂事件。しかしその詳細が知るにつれ、罪を犯してしまったヴェラスケス対して憐憫の情を抱く声が多く上がっていった。
    自分の愛する息子への度重なる性的虐待。その怒りの矛先は犯人へと向かう。そして、ヴェラスケスは銃口を向けたのだった。

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  • RIZINフェザー級を燃やす「王座挑戦者アングル」

    2022-03-12 14:34  
    110pt
    この記事はRIZINカード発表を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・弥益ドミネーター聡志インタビュー「いまの萩原京平は“1年前の実力”ではない」
    ・朝倉海を最初から最後まで褒め称える会
    ・【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔
    ・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太先日アップした笹原さんが平本蓮や青木真也vs秋山成勲を語るインタビュー記事、面白いですよね。平本選手の試合は選手や関係者が語り尽くしてますけど、トークの基本は技術視点じゃないですか。笹原さんの記事は文脈を追うってやつで、青木真也vs秋山成勲も大河ドラマや人間ドラマとしてどう見るかですし。4月16&17日RIZIN2連戦のカードの評判がいいのは、これも物語の面白さだと思います。
    もちろん国内屈指の選手たちが出場してるからの興味もありますが、シンプルに「初参戦」がいないことも大きいですよ。これはボクが1~2年前から提唱している説なんですけど(笑)。RIZINって初参戦選手の数が少なければ少ないほど、記者会見は盛り上がるし、試合も見やすいんですよね。やっぱり膠着気味の試合でも、知っている選手や思い入れのある選手の場合は見入っちゃいますから。それはつまり「キャラクターMMA」の世界です。
    RIZINワールドの中では、大晦日前はあの伊澤星花でさえ「誰?」っていう感じで知られてなかったですからね。

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