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記事 17件
  • 【13万字・記事14本詰め合わせセット】大晦日RIZIN、PRIDE、斎藤裕、タノムサク鳥羽、臼田勝美……

    2023-01-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part108大好評記事15本16万字で600円!!(税込み)
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    part108

    ◎斎藤裕「やっぱり俺に平本蓮が回ってきたなって感じです」

    ◎Switchが入った大晦日RIZINを語ろう■笹原圭一15000字

    ◎ベラトール全面対抗戦実現の舞台裏■RIZIN海外事業部・柏木信吾

    ◎武田光司インタビュー 大晦日の死闘とうつ病


    ◎奇跡のRIZINvsベラトール対抗戦はなぜ「PRIDE」がふさわしかったのか

    ◎【対抗戦寸評】なぜピットブルはクレベルをKOできなかったのか■水垣偉弥

    ◎UFCはベラトールを買わない?大晦日PPV売れた?

    ◎巌流島ボンバイエとはなんだったのか?


    ◎【フライ級が来た!!】DEEPの殴り者、伊藤裕樹インタビュー

    ◎WWE女子王者解雇の理由は危険すぎるホームページ

    ◎タノムサク鳥羽☓松澤チョロの「歯無したちが語るイブシとか危険なハナシ」

    ◎バトラーツはこうして潰れた■臼田勝美インタビュー④


    ◎プロレス大賞の選考は毎年難しい■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ◎スキャンダルの嵐の中、ビンス・マクマホンWWE電撃復帰

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    大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビューです! 今回は大晦日の振り返りを15000字で(聞き手/ジャン斉藤)


    ――笹原さん、あけましておめでとうございます! 昨日の大晦日RIZINは面白かったです!
    笹原 あの盛り上がりを見ていて「アレ、今日最終回だっけ?」って思いましたから(笑)。
    ――朝倉未来vs牛久絢太郎、斎藤裕vs平本蓮、皇治vs芦澤竜誠、パッキャオ参戦を発表しといてじつは最終回。「俺たちの戦いはこれからだ!」って打ち切り漫画の最後ですよ!(笑)。
    笹原 あらゆる具材をぶち込んだ超てんこ盛りシェフの気まぐれサラダですよね(笑)。まぁ喜んでいただけたなら何よりです!
    ――サプライズといえば、ネイト・ディアスのインスタの匂わせはなんだったんですかね?
    笹原 こっちが知りたいですよ! ネイトに問い合わせをしたいくらいです。
    ――ハハハハハハ! RIZINもよくわかっていない。
    笹原 いままでは具材を必死こいて買い集めていたわけですよ。「すいません、RIZINという料亭をやらせてもらっています」「は? 聞いたことねぇぞ。ウチは信頼を置けるところにした卸さねぇから。シッシッ、あっち行ってろ」みたいな感じだったのが、「RIZINさん、いいマグロが入ったんですよ。どうですか?お安くしておきますから」みたいになってきたってことです。
    ――みんなRIZINに絡もうとしているってことですよね。
    笹原 そうです。なのでたまに「あれ、これどこから仕入れたんだっけ?」みたいなことが起こるわけです。
    ――その具材、心当たりが多すぎですよ!(笑)。
    笹原 ネイトの件も、ネイト本マグロを本人が売り込もうとしているのか、それとも誰かが売り込もうとしているのかってことですね。
    ――AJマッキーから、レペゼンや日本統一まで、RIZINはあいかわらず闇鍋ですね(笑)。
    笹原 過去最高のラインナップと自画自賛できるほど贅沢な大晦日だったと思うんですが、例年と違うところはまだ具材が残っていることなんですよね。
    ――いつもは大晦日ですべて出しきって、開幕戦のマッチメイクに苦労する感じですよね(笑)。大晦日に発表された朝倉未来vs牛久絢太郎、斎藤裕vs平本蓮、皇治vs芦澤竜誠は3試合とも別の大会でやるってことですか? 皇治vs芦澤竜誠は大阪でやるんでしょうけど。
    笹原 そのあたりは記者会見で明らかにしますが、とにかく2023年のRIZINは開幕戦からアクセル全開で突っ走っていくので、みなさん振り落とされないように付いてきてください! で、去年の正月はシバター久保問題で1ミリも安息がなかったので、今年のお正月はゆっくりします、というかゆっくりしたいので、関係者の方は私に電話してこないでください!
    ――ゆっくりされる前に大晦日を振り返っていきたいんですが、まず第1試合のYUSHIvs中澤達也。
    笹原 これは負けちゃいましたけど、中澤選手はよかったですよね。何もできなかったと言われればそれまでですけど、最後まで諦めない根性を見せる、という自分の仕事をやり切ったと思います。
    ――途中にカット・インする人気任侠ドラマ『日本統一』のキャストの皆さんもいい味を出してましたよね。中澤選手は俳優として『日本統一』に出演していて。
    笹原 バックステージにも『日本統一』好きの関係者が結構たくさんいて、ちょっとした記念撮影祭りだったんですよ。
    ――ボクの非格闘技フォロワーが反応していたのがパッキャオ、シバターvs久保優太、そして『日本統一』ですからね(笑)。
    笹原 賛否両論ある試合でしたが、まぁでもオープニングの試合としてはアリなのではと思います。だって、YUSHIvs中澤で始まってサトシvsAJで締める格闘技イベントなんて世界中探してもウチくらいでしょうから(笑)。
    ――最初は映画キャストが集団で入場して、最後はお札が降っていますからね(笑)。第2試合“ブラックパンサー”ベイノア vs宇佐美正パトリックは宇佐美選手がノックアウト・オブ・ザ・イヤーなKO勝ち。
    笹原 宇佐美選手はRIZINというサファリパークでのびのびと暴れている感じですよねぇ。なんか解放されている感じが伝わってきます。
    ――RIZINって、外から来たファイターに寛容ですよね。
    笹原 いや、寛容というか放ったらかしですよね(笑)。「オマエの好きなことをのびのびやれ」というスタンスです。もちろん迷ったり、悩んだりしたときには手を差し伸べますよ。
    ――一方で負けてしまったベイノア選手、キャラクターは完全にできあがってますが、これからどうやって立て直していくのか。
    笹原 MMAに専念すると聞いています。覚醒するにはもう少し時間がかかると思いますが、あの身体能力と空手で鍛えた打撃がMMAにフィットすれば、それこそ鈴木千裕みたいになりますよ。
    ――第3試合は中原由貴 vs鈴木千裕。
    笹原 いやあ、この試合が今年の大晦日でいちばんビックリしたかもしれないです。W杯で日本がスペインに勝ったみたいな話ですよ(笑)。
    ――ブラボー!!(笑)。
    笹原 それくらい中原選手の実力は頭抜けていますから。いまRIZINに参戦しているフェザー級ファイターの中で、ある意味ジョーカーみたいな存在だったのが中原選手で、クレベルを仮に完封しても驚かないくらいの選手ですからね。
    ――中原選手にこんな勝ち方ができるフェザー級日本人がいたんだ……って驚きですね。
    笹原 ボクは鈴木千裕の「桜木花道説」を唱えたいんですよ。
    ――『SLAM DUNK』の新作映画が好評な時期に荒れることを言わないでください。
    笹原 「こいつを見ていると勝負したくなる」という千裕選手の感じ。中原選手からすれば、あれだけペースを握っていたんだから、もっとゆっくり落ち着いてMMAをやれば全然勝てたはずなんですよ。でも、鈴木千裕と戦うと無理やり打撃戦を挑まなきゃいけなくなるというか。
    ――そういえば山本空良選手も打ち合いにいっちゃいましたね。
    笹原 しかも殴り合いになると当て勘も破壊力もあるので、試合をものにしちゃうんですよね。
    ――キャラクターが誤解されているのもいい味なんですよね。平本蓮選手のイジリも面白いんですけど、あれを真に受けて「鈴木千裕、嫌い!」となっちゃう人はもったいないなあと思ってて。
    笹原 鈴木千裕のあのネジが外れた感じ最高ですけどね(笑)。本人は格闘技に対して超真面目で、花道のように1週間に2万本シュート練習をしちゃうような選手なんですけど、それがストレートに伝わらずになぜか誤解されて伝わるところも含めて鈴木千裕から目が離せないですよね。この中原選手からの勝利で、一気にタイトル戦線に絡んでくるでしょうね。
    ――次はジョニー・ケースvs大尊伸光ですが……公開計量のときの大尊選手のアキラ100%なパフォーマンスにヌルマゴが怒った説が流れています。
    笹原 なんかそうみたいですね(笑)。
    ――やっぱり(笑)。
    笹原 だからって大尊選手を「けしからん!」とは思わないですし、逆にヌルマゴがああいうパフォーマンスを嫌う姿勢も理解できます。過去にも、リング内外でのパフォーマンスはどこまで許されるか問題って取り沙汰されたことあるじゃないですか。
    ――でも、メイウェザーvs那須川天心があった公開計量のときは、メイウェザーに気を使って全裸の大尊選手に服を着てもらったんですよね。
    笹原 そんなもん、問答無用で着てもらいましたよ!(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! あのときはダメ。
    笹原 あのときのメイウェザーは何か嫌なことがあったら即帰るモードだったんですよ。「明日、試合をしない」と言い出しかねないから「大尊、とりあえず服を着てくれ!」って。全裸にもTPOがあるってことですね。
    ――そもそもヌルマゴはベラトール軍のキャプテンという立場じゃなかったでしったけ?
    笹原 これもなかなかおもしろい話があるんですよ。今回のヌルマゴってRIZINからもベラトールからもお金もらってないんです。貸しを作りたくないから自費で来日して、ガジ・ラバダノフのセコンドだけをやると。ベラトールもアン・コントロールな存在。じゃあベラトールのキャプテンという話はなんだったのかといえば、スコット・コーカーが思わずそう言ってしまったみたいなんです(笑)。
    ――なるほど!(笑)。そんな話があるなら同じタイミングでRIZINもキャプテンを用意しますよね。
    笹原 ベラトールスタッフは「あー、またスコットのリップサービスが始まったぞ」というくらいの感じなんですよね。
    ――要するにサービス精神が旺盛だってことですね(笑)。
    笹原 そこはプロモーターの宿痾なんですけど、とりあえず口に出す。それがあるときはホントに実現することもあれば、逆に自分の首を絞めるときもある。周囲からすると「えっ、そんな話は聞いてないんだけどな……どうするんだろう?」と戸惑いながら物事は動き出すんですよね。
    ――ということは笹原さんも榊原さんに対して「あー、社長のリップサービスが始まったぞ」という、はた迷惑な感情があるってことですね。
    笹原 まぁ社長がこのインタビューをチェックしているとは思えないのではっきり言いますけど、そんなの毎日です(笑)。
    ――笹原さん、まだ無料公開ゾーンですよ!
    笹原 なのでスコット・コーカーのそうしたリップサービスも全然理解できるんですよ。もう皆さん麻痺してますけど、メイウェザーを呼ぶ話も最初はありえなかったじゃないですか。社長も自分で口に出して、自分で自分を追い込んで、周囲も追い込まれてホントに呼んでしまった。そこはまさに猪木イズムなんですけど。
    ――猪木さんのモハメド・アリ戦の実現もそんな感じですよね。
    笹原 スコットも自分が言ったことを忘れてるかもしれないですが(笑)。で、公開計量に話を戻すと、ラバダノフの計量のときにヌルマゴに一緒に上がってもらって、ドサクサに紛れてコメントをもらおうかな……って企んでいたんですけど。全裸の大尊選手の姿を見て、お怒りになられたと....。で、ここからが本当にいい話なんですけど、そんなことがあって怒りのボルテージを上げたままさいたまに来てみたら…… RIZINの演出やお客さんの熱に「信じられない」とえらく感動したんですよ。
    ――ヌルマゴの喜びと感情を引き出したRIZIN(笑)。さいたまスーパーアリーナがなぜ聖地だったかを肌で感じたことでしょうね。きらびやかなオープニングセレモニー、選手の入場が映える長い花道、それを包み込むお客さんの熱気……。
    笹原 「あんな風変わりなヤツもいれば、こんな素晴らしい演出と観客の熱がある。RIZINってなんてワンダフルなイベントなんだ」……って思ったのではと、勝手に想像しています(笑)。
    ――ある意味で大尊選手はいい仕事をしたってことにしましょう(笑)。次は元谷友貴 vsホジェリオ・ボントリン。
    笹原 元谷選手の完勝ですよね。素晴らしい内容でした。
    ――こっそり対抗戦の中に入れておけば、RIZINは1勝できたのに(笑)。
    笹原 だからRIZIN vs. UFCの全面対抗戦はRIZINの全勝ですよ!(笑)。ボントリンは調子が良さそうだったんですけど、元谷選手はファイトスタイルが変わってスキがなくなった感じがしますね。元谷選手は下からも全然強いから、昔は四つの体勢になったときに、平気で引き込んだりしてたんですけど、上位クラス相手だとやっぱり不利になるのでやらなくなった。それって相当組みを強化しなくちゃいけないですからね。
    ――堀口恭司もそうですけど、地道にコツコツやってきたことでスタイルチェンジに成功したわけですね。元谷選手は4連勝中でしたけど、ライコンでずっと「KOボーナス取れなかった……」って落ち込んでいたのでおかしくて。
    笹原 堀口選手がRIZINバンタム級のベルトを返上することになると思うので、元谷選手をはじめとして、朝倉海、キム・スーチョル、井上直樹がどう絡んでいくか。どんな組み合わせでも面白いですよね。あとは、ボントリンはあの会場の熱気に平常心ではいられなかったようですね。UFCファイターのボントリンやヌルマゴすら魅了する、日本の格闘技熱を作っている日本のファンの皆さんは、本当に胸を張っていいと思いますよ!
    ――平本蓮vs梅野源治のスタンディングバウト特別ルールが今回の変化球カードでしたけど、変化球カードの編成が超大変だったみたいですね。・平本蓮大晦日出陣の話し合いは、じつは……
    ・梅野源治の狂い咲き
    ・幻に終わったヒジありボクシング
    ・芦澤竜誠ワンマンライブ裏側
    ・PRIDEのテーマは乗り気ではなかった
    ・対抗戦MVPは武田光司
    ・ベラトールも驚いたアーチュレッタの○○
    ・泣き顔のクレベルと抱擁
    ・AJマッキー1000万円甲冑騒動……15000字インタビューを含む13万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く
     
  • UFCはベラトールを買わない?大晦日PPV売れた?

    2023-01-23 11:47  
    180pt

    この記事はベラトール売却の噂や大晦日PPVを語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)

    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太

    ・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一

    ・牛久、斎藤裕に勝ったフェザー級・裏最強!! ユータ&ロックは実在した!!

    ・【殺しのプリンスがヤバイ】風間敏臣さん、チャーオリや青木真也のことは知ってますか?


    ――アメリカ大手マネジメントのイリディアムと契約した中井りん選手の試合がDEEPに決まったことで「UFCじゃないの?」という声があがってますね。
    斉藤 これは以前の配信でも言いましたが、イリディアムと契約したからUFCと契約できるというわけじゃないんですよね。平良達郎選手がポンと契約できたことで誤解されてますけど……実力や戦績があったうえでタイミングが合うかどうか。たとえば大晦日RIZINでスダリオ剛選手に勝ったジュニア・タファがUFCと契約したけど、じゃあスタリオ選手が勝っていたらUFCのオファーがあったかといえば「わからない」。タファが出場するのは母国オーストラリアの2月大会で、兄貴ジャスティン・タファと同時参戦になるんですよ。
    ――そういうバックストーリーも見えると。
    斉藤 ちなみにジュニア・タファはRIZIN大晦日前の11月にも試合をやってるんですよ。
    ――そこで負けたりケガをしたら大晦日のスダリオ戦はどうなるの?なんて声もありましたね。
    斉藤 これは勝手な憶測だけど、あの強行日程は2月のオーストラリアに滑り込ませる大デモンストレーションだったとしてもおかしくないですよね。無理だったら夏のコンテンダーシリーズでいいと。あとタファの相手は昨夏のコンテンダーシリーズ契約者のデビュー戦だから、もしその彼が契約してなかったらタファはピックアップされてないかも。
    ――いろんな要素が絡んでくると。
    斉藤 だからUFCフライ級の女子で相手がいない……というときは、現在フリーの中井りん選手にオファーがあるかもしれないですよね。
    ――やっぱりタイミングなんですね。「イリディアム=UFCと契約」ではないんだけど、情報って勝手に膨れ上がりますよね。
    斉藤 大晦日RIZINのPPVの件数もいろんな説が流れているんですよ。ABEMAが
    他のスポーツも含む2022年度のPPVの売れ行きを発表しましたけど、1位が天心vs武尊のTHEMATCH、2位が朝倉未来vsメイウェザーの超RIZIN&RIZIN38、そしてブレイキングダウン。
    ――格闘技がベスト3を独占!
    斉藤 1月の新日本vsノア全面対抗戦はここに割って入ることはなかった。天心vs武尊のTHEMATCHはABEMA独占だったから50万件超えは確定として、超RIZIN&RIZIN38はスカパーや他のプラットフォームの件数も加算されますからね。
    ――U-NEXTとか。
    斉藤 で、今回の大晦日RIZINのPPV件数にもいろんな説があって。一説によれば、20万件突破したとか、いやいやそこまで伸びていないという人もいる。RIZINってちょうどいい塩梅の情報ってないんですよね。景気よく騒がれるか、めちゃくちゃ文句言うか、みたいな。
    ――プレイガイドでまだ販売しているからって「RIZINのチケットが売れてない!」と騒がれたり。
    斉藤 今回の大晦日も前売りの段階で「PPVがそんなに売れてない」みたいな話もあって。この数字も定かじゃないんですけど「○万件ぐらいしか売れてないみたいですよ」と。でも、めちゃくちゃ売れてんじゃん!と思って。
    ――前売りで○万件はすごいですよ(笑)。UFCを除く世界のMMAイベントでもなかなか難しいじゃないですか。斉藤 結局RIZINの情報は受け取り側のスタンスによって変わっていくんですよ。で、いろんな噂がある中で、ボクが見立てでは今回の大晦日のPPV件数は……

    この続きと大晦日RIZIN、PRIDE、斎藤裕、タノムサク鳥羽、臼田勝美……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事14本」の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2137352この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事150円から購入できます!

     
  • 武田光司インタビュー 大晦日の死闘とうつ病

    2023-01-19 10:09  
    180pt
    大晦日MVP級の死闘で湧かせた武田光司インタビュー! 試合の裏側も死闘だった(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・THE MATCH総合演出・佐藤大輔「天心も武尊もちゃんと送り出せる映像を作りたかった」
    ・平本蓮と空手をつなぐ日本格闘技のサーガ■剛毅會宗師・岩崎達也インタビュー
    ・鈴木千裕「中原選手は強敵! 平本蓮は頭おかしい! 今年は地獄の1年!!」
    ・【ROAD to UFC】最短契約へGO!! 中村倫也インタビュー
    ――「大晦日のMVPは武田光司だ」という声が多いです!
    武田 正直、あんまり実感ないです(苦笑)。というのも、1ラウンド目にあの右ストレートをもらってから、2ラウンド目の終盤ぐらいまでぜんぜん覚えていないので。
    ――えっ、そんな状態だったんですか? 試合後のコメントでは「ダウンから戻ってこられたのは、みんなの歓声があったからだ」と言われてましたね。
    武田 「ワー!」という歓声は聞こえたんですけど、記憶という部分で振り返るとぜんぜんないんですよ。あとから映像を観て、やっと客観的に「あ、こういう動きをしていたんだな」って知ったという。
    ――じゃあ、なぜ自分があのダウンから復活できたのかもわかってない。
    武田 いまいち(笑)。もう、そこは気持ちと根性でやり切ったんじゃないかなと思っています。勝ち負けに関しては……まあ、本当に勝ちたかったんで、悔しい気持ちが大きいですけどね。
    ――今回の試合はしっかり映像で振り返ったんですか?
    武田 振り返りましたねえ。振り返りたくなかったですけど(苦笑)。なので、ちょっと分析をすると、ガジ・ラバダノフ選手はオーソドックスの構えなんですけど、けっこう前手のジャブとフック、それから右足でのロー、カーフキック、ハイキックを蹴ってくるイメージがあって。だから、前手の攻撃をもらわずに、どうかいくぐって前に詰めるかというのがボクの中の課題だったんですよね。で、向き合うと喧嘩四つになるわけですけど。
    ――武田選手はサウスポーだから。
    武田 だから、ボクはできれば右側に回りたいんですけど、相手がけっこう前手を出してくるので、簡単には右に回れなくて。最初に左にステップインしてから右前に詰めようと思っていたんです。そしたら、ボクが左にステップインしたときに、まさかのドンピシャで相手の右をもらってしまって。そこはボクの作戦ミスでしたねえ。
    ――だからこそ相手のパンチ力が発揮されたんですね。
    武田 ボク、去年5月ぐらいにハワイに出稽古に行っていたんですけど、あのステップもハワイで習ったものなんですよ。でも、そこでドンピシャでやられちゃって。あとは、予想以上に相手の圧が凄かったんですよね。いままで戦った相手の中で一番でした……。
    ――やっぱり、プレッシャーも凄かった。
    武田 だから、そこはボクが根負けしちゃった部分もあるというか。あそこでもっと前に行けていれば、もっと打撃を当てることができたかもしれないなと思いますね。
    ――じゃあ、あの打撃でダウンしたあとは、完全に“セルフモード”になってたということですか……。
    武田 だから、本当はもっと身体を動かして頭を振ってダッキングしたかったんですけど、そのあとも正面で向き合ってしまったので。それで、パンチもボコボコもらっていたんじゃないかなと思います。
    ――それでも全然倒れなかったと思うんですが、それっていったいどうしてだったんですかね?
    武田 それは、ボクが聞きたいぐらいです(笑)。もう、気力でしょうね。あとはやっぱり、歓声も力になったんだと思います。
    ――2ラウンドはどのぐらいから記憶が戻ってきたんですか?
    武田 ええっと、タックルに入られて、ボクがコテで相手のタックルを凌いだシーンがあると思うんですけど、その前ぐらいからですかね。コーナーでの壁レスあたりからかな?
    ――そういうシーンは、まさにレスリングの勝負でした。
    武田 でも、相手はレスリングも強かったですねえ……(しみじみと)。もう、その一言しか出てこない。ボクは投げメインのグレコローマンスタイルで、ラバダノフ選手はタックル主体のフリースタイルなので、根本的にMMAの相性も凄く悪かったんですよね。ラバダノフ選手はやっぱりテイクダウンできるからこそ、おもいっきり打撃も振れる。ボクの場合は、パンチを出して、組み付いてからが自信があるスタイルなので、ボクは完全にインファイト型、ラバダノフ選手は中間距離から打撃を出してタックルに来る。だから、そこの距離感の違いもあったし、レスリングという部分でも得意なポジション、得意な場所がまったく違ったので、壁レスも強かったです。
    ――でも、武田選手も壁レスで入れ替わったりして、ぜんぜん負けてませんでしたよね。
    武田 あそこらへんは練習していましたから。でも、思った以上に相手の壁レスが強かったので、ボクはもっとレスリングを練習しなきゃダメだと思いました。足りなかったのは、レスリングとボクシング。打撃ももっと特化しないとダメだと感じましたね。
    ――以前、宮田(和幸)さんも「◯◯スタン」と名のつく国のレスラーは全員強いとおっしゃってました。
    武田 ああ、強いですよ。ボクもレスリングやっていたときに、そういう国の選手とも試合をしましたけど、なによりも身体のつくりが違うじゃないですか。フィジカルも違えば、身体能力もまったく違う。ただ、強いていえばそういう選手は体力がなかったりする人が多いんですよね。MMAでも、終盤になってくるとバテてくる。レスリングは、ボクが競技者の時代は3分2ラウンドとか2分3ラウンドだったんですけど、最後のほうになってくると疲れてくる選手が多くて。だから、勝てるとしたらそこだなと思っていたんですよね。
    ――今回の試合も、終盤に持ち込むほど武田選手が有利だという予想が多かったですよね。
    武田 体力は無駄にあるので(笑)。
    ――逆に、そういう選手が急に失速してしまうのは、なんなんでしょうね?
    武田 たとえば、ボクは試合で70~80パーセントの力をずっと出しつづけられるんですよ。だけど、マッチョな人やスタン系の国の選手たちは、130パーセントとかの力をいきなり出すんですよね。最初にバーッと出すぶん、それを持続するのは無理なんだと思います。
    ――おお、なるほど。
    武田 だから、ボクの場合は同じペースでずっと走り続けられる長距離走型。でも、そういう選手たちは短距離走型で、何回も短距離を走っているから持続できないという。最初は100メートルを10秒で走れても、次からは12秒、13秒になっていく。わかりやすくいうとそういう違いですね。だから、ボクの場合は70~80パーセントで戦いつづけて、行くときは120%出したりして。
    ――そういう強弱もあるんですね。そして、事前の予想どおり、やっぱり途中から武田選手が優位に試合を進めているというか。ラウンドマストだったら武田選手が勝っていたという声が多いですよね。
    武田 「たら・れば」になりますけど、ラウンドマストだったら2、3ラウンドはボクが取っていたんじゃないですか? だけど、そこはもう仕方がないというか、相手がRIZINルールにしっかり則って戦ってきたわけなので、負けは負けです。
    ――実際、判定を聞いたときはどう思いました?
    武田 いや、負けたと思いました。よければ2-1で負けて、悪ければ3-0でストレート負けだろうなって。だから、納得ですね。だから「惜しかったな」とか言われるんですけど、蓋を開けてみたら綺麗に負けているんで。でも、楽しかったですよ。
    ――あの激闘を押して、楽しかったですか(笑)。
    武田 勝ち負け抜きに、最初に出てくる感想は本当に「楽しかった」ということです。
    ――試合中の歓声も、過去イチでしたよね?
    武田 凄かったですよねえ。去年は4戦しましたけど、ジョニー・ケース選手と戦ったとき以上に歓声が大きかったし。なにより良かったのは、去年それまで外国人選手と4戦していたことですよ。場数も踏めたし、経験も積めたし。あとは組力ですよね。スパイク・カーライル選手、ジョニー・ケース選手、まあザック・ゼイン選手は普通に勝っちゃいましたけど、みんな組力が強い選手だったので。そういう選手たちとの試合があったからこそ、今回の試合が生まれたのかなと思っています。
    ――武田選手って、対外国人ファイターの試合でめっちゃ燃えますよね。
    武田 しかも、ボクは毎回毎回、下馬評で負けると言われている側なので(苦笑)。それを覆すのが好きですね。だから、チャンピオンとしてドンと構えている立場は向いてないというか。挑戦者の気持ちのほうが戦っていて楽しくなるし、追いかけるほうがボクは好きです。
    ――それにしても、あの会場の熱というのは、前の試合で一本・KO勝ちが続いていて、さらに対抗戦の開会式でPRIDEの曲が流れたこともあって。その熱を武田選手の試合が受け継いだところもあると思うんですけど、武田選手自身はPRIDEのテーマ曲が流れることは知っていたんですか?
    武田 いや、何も知らなかったです。笹原さんから「オープニングは2部制でやる」「凄く気持ちのこもった、気合いの入るオープニングなので、楽しみにしておいてください」くらいしか言われてないです。だから、曲が流れた瞬間は「マジかっ!」と。ボクはPRIDE世代でもないんですけど、格闘技をやっている人であの曲を聞いてテンションが上がらない人はいないですよね(笑)。
    ――同じチームRIZINだった扇久保(博正)さんいわく「あの曲が流れ始めて、RIZIN側の選手が急にアップしはじめた」と言ってたんですけど(笑)。
    武田 あ、ホントですか?(笑)。もしそうなら、勝手に身体が動いたんじゃないですかね? ボクは第1試合だったので、ずっと動いていましたけど。たぶん、それは大和魂ですよ。
    ――それぐらい、選手側もあそこのテンションはおかしかった。
    武田 おかしかったです。もう、これ以上に気持ちが上がることは当分ないなと思いました。試合に関してはまたべつですけど、オープニングに関してはあれ以上に気持ちがいいオープニングはないと思いますね。
    ――ちなみに、いつもは集合してすぐにオープニングじゃないですか。今回は、待たされてのオープニングだったと思いますが、何かその違いってありました?
    武田 ええっと、ボクはいつもと同じ11時に会場入りしたんですけど、じつはそこも凄く迷って。対抗戦の開会式に間に合えばいいので、本当は15時30分ぐらいに集合でOKだったんですけど「11時に来た人はリングチェックできます」と。そうなると、そのへんのルーティンは崩さないほうがいいなと思ったので、ボクは11時に入りました。でも、蓋を開けてみたらそうしてよかったなと思いましたよ。会場の雰囲気に慣れることも大事だし。
    ――たしかに、ラバダノフ選手とかビックリしてましたもんね。会場に来たら、熱がピークだったという(笑)。
    武田 そういう意味でも、いつものRIZINとは違った雰囲気なので、早めにチェックしてよかったです。
    ――ちなみに、海外のイベントだと「2時間前ぐらいに入ったほうが、選手の精神安定的にもベターだ」という意見を聞いたんですが、そこは実際どうですか?
    武田 うーん、ボクはけっこう切羽詰まっちゃうタイプで、家にいても気が気じゃないんでねえ。
    ――ハハハハハ! まあ、そうですよね。
    武田 だって、家でも「あと何時間後に試合か」とかやってると、ソワソワするじゃないですか。だったら、最初からいい緊張感を持って会場にいたいです。ボクは気持ちのつくり方も尻上がりなので。ちなみに、今回ホベルト・サトシソウザ選手とクレベル・コイケ選手と控室が一緒だったんですけど、あのふたりは遅くに来ていましたから。
    ――人によってスタイルが違うということなんですね。
    武田 あと、ボクはさいたまスーパーアリーナが家から近いですからね(笑)。
    ――武田選手は埼玉住まいで。
    武田 混んでいても車で50分ぐらいで着くので。帰りなんか本当に30分もかからないんですよ。だったら、早く行っても変わらないじゃないですか。
    ――どの場所で緊張するかだけの違いということなんですね(笑)。試合後のヌルマゴとのシーンも胸熱でした!
    武田 うれしかったですよねえ。「レスリング、強いな」とか「コングラッチュレーション」とか、英語で話しかけられて。あの瞬間って、ボク自身は意識朦朧としているし、セコンドの人たちに「スミマセンでした……」という感じじゃないですか。でも、そこでリングに上がってきてくれて、なによりそういうふうに言ってくれたのがうれしかったですよ。あと、「タフガイ」とも言われましたし。
    ――ヌルマゴに「タフガイ」って言われるっていいですね(笑)。

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  • タノムサク鳥羽☓松澤チョロの「歯無したちが語るイブシとか危険なハナシ」

    2023-01-18 10:19  
    180pt

    松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第8弾。今回はタノムサク鳥羽さんがゲストです!(たまに聞き手/ジャン斉藤)


    【1記事から¥110から購入できます!】・辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    ・「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス

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    ・『紙のプロレス』は鬼畜系だったのか〜小山田圭吾と原稿チェック問題〜■松澤チョロ

    松澤 鳥羽さん、今日はよろしくお願いします!
    鳥羽 ……Dropkickの記事をバーっと見させてもらったんですけど、俺を出すなんて絶対にダメですよ。合わないんじゃないかなあ。
    ――えっ、そんなことはないですよ(笑)。
    鳥羽 なんで俺なのかといえば、篠(泰樹)さんの記事があったから、そのルートかなあ、みたいな。
    松澤 マァ☆ティン(星野育蒔)の話の流れで名前が出てましたしね。それもありますけど、きっかけは俺が鳥羽さんがツイッターで募集かけてたタイ飯会に出たことですね。
    鳥羽     あ、そうなんすか?
    松澤     自分がタイ飯会に参加したっていうツイートを見たジャン斉藤が「鳥羽さんインタビューどうですか?」って聞いてきて。たしかにカミプロ時代、DDTも担当してたし、わりと鳥羽さんと近くてネタもいろいろと持ってるだろう……と思われてるっぽいけど、じつは話をするのはタイ飯会がほぼ初めてで(笑)。
    鳥羽 いやいや、そんなことないでしょ(笑)。
    松澤 そうでしたっけ?   まあ面識はありますよね、25年ぐらい前から。
    鳥羽 当時のカミプロで何度かインタビューしてくれましたよ。
    松澤 ああ、そうだ。そのあとジャイ子のマネジャーデビュー戦がDDTの板橋大会かなんかであって……。
    ――いろいろと説明が大変ですよ(笑)。
    松澤 面識はあるけど、ちゃんと話したことはなくて。鳥羽さんは渦中の飯伏(幸太)さんやマァ☆ティンと仲が良かったりとか、AV監督やってたりとか興味深い半生ですけど(笑)。そんなアウトローな方面を含めて、あらためて聞きたいことがたくさんあるんですよ。
    鳥羽 いやいや、全然アウトローじゃないですよ(笑)。
    松澤 タイ飯会に参加したのも鳥羽さんに聞きたいことがあって。人見知りなんで、こういうイベントに足を運ぶのはメチャ勇気がいるんですけど(笑)。マニアックな鳥羽さんファンが5~6人集るのかなと勝手に想像して、ちょっと遅れて行ったら女子が10人以上いて、超ビックリしましたよ!
    鳥羽 いや、みんな飯伏ファン。飯伏はいないのに(笑)。
    松澤 いまの飯伏さんは所属する新日本といろいろあって欠場中で。たまにツイートするぐらいで、あまり飯伏情報が出てこないですよね。仲のいい鳥羽さんのイベントで何か聞けるじゃねえか……とか、なんならサプライズで飯伏さんが来るんじゃないか……思われてるってことですよね。
    鳥羽 アイツが来るわけないですよ(笑)。「飯伏のことは何も喋りませんから」って先に言いましたから。飯伏のことはそのうちいろいろとわかるんじゃないですか。
    松澤    契約は2023年の1月まであるみたいですね。それぐらいには体調も万全になる感じですかね?
    鳥羽    飯伏はけっこう元気なんすよ。もちろん肩や足はまだまだダメなんですけど、やっぱストレスがすごいらしくて。ストレス解消なのかボクが呼び出されて練習相手になってたんですけど。それが噂になって格闘家やプロレスラーがじゃんじゃん来ているらしいですよね。
    松澤 飯伏さんのプライベートジム「飯伏プロレス研究所」に。先日もノアの清宮海斗、全日本プロレスの大森北斗とのスリーショットを練習終わりでツイッターにアップして、ざわつかせてましたね(笑)。
    鳥羽 最初は飯伏も誰が誰だかわかってなかったっぽいですけどね。まぁ、たしかに飯伏からしたら若手なんですけど。
    松澤  さすがだ!(笑)。飯伏さんがかなり変わってるってことはファンなら知ってるとは思うんですけど、それはとぼけてるわけじゃなくて本当に知らない感じ?
    鳥羽 ホントに。アイツのことはいまだによくわかってないす。正体がわかんない。頭がいいのか、悪いのかわかんねえ。
    松澤 鳥羽さんはキックボクサーでありながらプロレスもやって、トレーナーとしていろんな選手を見てますけど、誰かのYouTubeで「飯伏幸太と那須川天心の2人は本当にバケモノで、プロレス格闘技のジャンルを超えて突出している」と言ってたのが印象的で。
    鳥羽 ちょっとこの2人は抜けてますよね。ハンマー投げの室伏(広治)みたいなもんで。何をやらせてもトップになると思いますよ。
    松澤    飯伏と天心は室伏レベル!
    鳥羽    飯伏は格闘技のほうをやっても全然いけますよ。アイツは打撃のフォームや受け身が第三者目線でどう見られるかをチェックするために、トレーニングとかスマホで撮ってるんですよね。「こんなのいっぱいありますよ」って送ってくるから「絶対に捨てるなよ」って。
    松澤 お宝映像ですよね。
    鳥羽 「その映像くれ!」って(笑)。けっこうバーっともらって、その中からちょいちょいツイッターに上げたんですけど。やっぱり格闘技のセンスはすごいですよ。
    松澤 飯伏さんは2006年にK-1 MAXでアンディ・オロゴンとの試合が発表されたこともありましたね。
    鳥羽 あれ、アンディ・オロゴンのケガで試合がなくなったという発表になってますけど、兄貴のボビー・オロゴンが事務所とのトラブルで逮捕されたからじゃないですかね?(笑)。
    松澤 あー、そんな事件ありましたねぇ。
    鳥羽 あのとき周りから心配されてたんですよ、「アンディはすごい強いですけど大丈夫なんですか?」って。俺は「全然大丈夫です」って。
    松澤 K-1デビューが幻に終わったことで、飯伏さんが格闘技界に見つからなくてよかったという声もありましたよね。見つかったら、もう絶対に格闘技をやらせたほうがいいって話になっちゃうから。
    鳥羽 周りはそう思いたくなるほどの才能ですよ。「なんでアイツ、プロレスなんかやってるんだよ」って格闘技関係の人に言われたりするけど、本人がやりたくてやってるんだって(笑)。桜井(マッハ速人)とかも言ってましたよ。
    松澤 鳥羽さんはマッハさんと高校の同級生で、長い付き合いですけど。マッハさんと同じ舞台でやっても勝てるくらいの才能があるとも言ってましたね。
    鳥羽 本気でやったら全然いけると思いますよ。桜井とはスリム新空手で一緒で。
    ――茨城にあった格闘技ジムですね。川尻(達也)さんも所属していた。 
    鳥羽 川尻と岩瀬(茂俊)が入ってきたときはギリいました。石田(光洋)くんが入った頃はもういないですね。
    松澤 さらに同級生に小見川道大さんや宮田和幸さんもいたというすごい環境で(笑)。
    鳥羽     いま考えたらすごいっすよね(笑)。
    松澤     格闘技にもっと打ち込むためにマッハさんと一緒に上京したんですよね。
    鳥羽 当時の茨城には常設のジムがなかったですからね。
    松澤 話は戻りますけど、そもそも飯伏さんがプロレスラーになったのは、鳥羽さんがきっかけだったみたいで。DDTが毎年やってるビアガーデンプロレスが、たまたま飯伏さんが当時住んでるところの近くでやってて。キックボクサースタイルの鳥羽さんの試合を見て「俺のほうが絶対に強え」ってことで入ってきたと。
    鳥羽 いや、それはどっかで話がネジ曲がってますね!(笑)。
    松澤 あ、デマでしたか。すいません!(笑)。
    鳥羽 だってアイツ、俺のことを昔から知ってましたよ。鹿児島時代から二瓶組のビデオを買って見てたみたいだし。もともと飯伏はグローブレスラーが好きだったみたいっす。
    松澤 グローブレスラーといえば二瓶組に鴨居長太郎さんとかいましたよね。
    鳥羽 パッキャオと戦ったことがあってグローブレスラーとしてもプロレスをやった寺尾心選手のことも飯伏は知っていて。
    松澤 鹿児島で二瓶組のビデオ見てるって相当ですよ!  ちなみに二瓶組というのは当時鳥羽さんが所属していたインディ団体で、あっちの組織ではないですね(笑)。
    鳥羽 違いますね(笑)。それが東京に出てきて就職して空手をやり出したらプロレスより格闘技のプロになれよみたいな流れになっちゃってね。
    松澤 空手を始めてすぐに優勝したりしたみたいですからね。
    鳥羽 そうそう。当時はアイツは千葉に住んでて、「プロレスやってるんだ」と軽い気持ちで見に行ったら、ちょうど俺が試合をやっていたんです。アイツの中でプロレスは崇高なものだったんですよ。
    松澤    二瓶組のビデオを取り寄せるぐらいのマニアックなプロレスファンですからね(笑)。
    鳥羽   そうそう。プロレスは崇高なものなんだけども「あ、いまってこんなに緩いんだ」って思ったらしくて(笑)、「1回ぐらいやってみよっかな」みたいな。
    松澤 飯伏さんの中でプロレスは諦めかけていた頃に、たまたま鳥羽さんの試合を見て、気持ちが再熱したと。
    鳥羽 そんな気持ちが全然あったみたいですよ。それはなんかの記事で読んだのかな。
    松澤 鳥羽さんのことを調べてみて驚いたのは、まあそうなんだろうなと思ってはいたんですが、プロレスの練習ってしたことないんですよね?
    鳥羽 ない(キッパリ)。
    松澤 10年以上もプロレスをやり続けて、しかもプロレス団体に所属もしてたのに(笑)。
    鳥羽 いや、ホントにやったことなくて。あ、そういえばいま町田光選手を教えてるんですよ。
    松澤 元キックボクサーで最近はDDTにも出てますよね。
    鳥羽 高木(三四郎)さんのほうから「ちょっと一緒に練習してくださいよー」ってことで。まあ俺がグローブレスラーということもあるんでしょうけど。
    松澤 たしかに。DDTも時代とともにいろいろとスタイルとか変わってきましたけど、鳥羽さんのようなグローブスタイルは結果的にDDTだから活かされたところもありますよね。
    鳥羽 ですね。初期には木村(浩一郎)さんもいましたからね。
    松澤 木村さんも宇宙パワーをやったりしてましたけど、基本的にはガッチガチの格闘技スタイルで。鳥羽さんの試合は当時からホントにハードだったから、「こいつはマジでヤバい」と思った中の1人に入ってますよ。
    鳥羽 なんで(笑)。
    松澤 初期DDTは高木さんがギャルを呼んだりして、渋谷系みたいにわりとチヤホヤされてるイメージが強い中、やっぱり木村さんの宇宙パワーと鳥羽さんの格闘技スタイルのプロレスは「ここまでやっちゃうんだ……」って衝撃で。
    鳥羽    あ、ありがとうございます!(笑)。
    松澤    エンタメスタイルとの対比もよかったんですよ。で、当時だとバトラーツの格闘プロレスも評価されたりしてましたけど、自分的には北原光騎さんがやってたキャプチャーの地下室マッチを見て「ヤバい」と思って。プロレスラーのいわゆるガチンコスタイル。見てる人は圧倒的に少ないと思うけど、なんでもあり的なプロレスの中では、北原さんのキャプチャーはかなりエグいことをやっていたなって印象が強くて。それこそ鳥羽さんも出てましたよね。
    鳥羽 ボクはあのスタイルは大好きです。もうプロレスのゴツゴツした部分だけが詰まってるんで。極端なことをいえば、技はチョップだけでいいんですよ。
    松澤 すごくヤバいことをやってましたけど、言い方は難しいかもしれませんが、プロレスはプロレスなんですよね?
    鳥羽 なんだけど……ってことなんですよ。言っちゃえば「ボクが死ねばいいんですよね」っていう。
    松澤 ボクが死ねばいい!!
    鳥羽 ボクはもうそんな認識でしたよ。「ボクが死にゃあいいんでしょ?」みたいな。
    松澤 でも、本当にそれくらいの試合でしたよね……。ファイトマネーとか、たぶんめっちゃいいわけじゃないのに、ここまでやるんだと。
    鳥羽 たしかにギャラはそんなによくはなかったですよ(苦笑)。
    松澤 キャプチャーには若手時代の石井智宏選手も出ていたし。北原さん自身はシューティング出身で佐山聡の弟子、そのあとは天龍(源一郎)さんについていたから、頑丈なプロレスラーが加減なしで殴り合うプロレスを理想としてたんでしょうね。
    鳥羽 あのルールは3カウントがないんだから、どうやって白黒つけるのか?となったらボクが死ぬしかないわけですよ(笑)。<14000字のディープな対談はまだまだ続く……>

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  • WWE女子王者解雇の理由は危険すぎるホームページ

    2023-01-16 19:02  
    180pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはWWE女子王者解雇の理由は危険すぎるホームページです!
    <1記事から買えるバックナンバー>・ビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料
    ・哀しき殺人未遂犯、元UFCヘビー級王者ケイン・ヴェラスケス、リングに還る
    ・スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン率いるNWA、乱れる
    ・愛犬も巻き込まれた? CMパンクの乱その後
    「彼女を解雇したのは、HHHの失策だ」
    大のWWEファンとして知られる俳優のフレディ・プリンゼ・ジュニアは、こう言ってHHH体制のWWEを批判した。フレディが言う彼女とは先月、NXT女子王者を陥落した翌日に突然WWEから契約解除を宣告されたマンディ・ローズのことである。
    2021年10月からNXT女子王者として413日間君臨していたローズは、昨年9月には里村明衣子の持つNXT UK女子王座を奪い両女子王座を統一。また、トキシック・アトラクションのリーダーとして、NXT女子部門の中心選手として活躍してきた選手だった。
    しかし、事態が急変。年明け1月10日の特別大会「ニュー・イヤーズ・イービル」の大舞台で予定されていたタイトル戦が突然、昨年12月13日のNXT通常放送回で組まれる。そして、ストーリーが書き換えられ、ローズはロクサーヌ・ペレスに敗れ、歴代3位となる413日の長期政権から陥落。その翌朝WWEから解雇されてしまう。
    突然の解雇後、ローズはホームページにこう投稿する。
    「みんな、たくさんのメッセージありがとう。あなたたちからの愛とサポートに感謝の気持ちでいっぱいです。そして、心配しないで。この“ホームページ”はこれからも更新するわ」
    解雇の原因とされ、問題となったのは、その“ホームページ”であったのだ。

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  • ベラトール全面対抗戦実現の舞台裏■RIZIN海外事業部・柏木信吾

    2023-01-16 16:29  
    180pt
    RIZIN海外事業部・柏木信吾インタビュー! ベラトール全面対抗戦実現の舞台裏を15000字で語っていただきました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・RIZINに外国人を取り戻す■RIZIN海外事業部・チャーリー柏木信吾
    ・【チャーリー徹底解剖】RIZIN海外事業部・柏木信吾12000字インタビュー・ボクは最初からあのレベルの平本蓮を見ていたんです■石渡伸太郎
    ――今回の大晦日は、那須川天心、朝倉兄弟、RENAなど、これまでRIZINを興行的に支えてきたスター選手たちが出場せず、ハードコアなカード揃いだったので、マッチメイカーの柏木さんとしてもPPVの数字がいつもより気になっていたんじゃないのかなと。
    柏木 ああ、そうかもしれないですね。地上波がなくなっても、やっぱり数字は大事ですから。
    ――実際、PPVの手応えはどうだったんでしょうか?
    柏木 いや、数字を見ると、ここまでコアなカードを「観たいと思ってくれた方々がこんなにいたんだ!」という驚きはありました。自分の中では、RIZINが誕生する前にいたコアな格闘技ファンというのは5000人ぐらいだと思っていて。2014年にDEEPが大晦日にさいたまスーパーアリーナで興行をやりましたけど、あのイベントを楽しみに観ていた人が日本に残っている本当のハードコアファンだと思っていたので。あれから8年経ちましたけど、ハードコアなファンがこんなに増えたんだなとは思いましたね。
    ――以前、朝倉未来vs矢地祐介がメインだっだRIZIN17(2019年7月28日)も「このラインナップで満員になったり、PPVが売れるとうれしい」と言われていましたよね。当時は朝倉選手の人気が爆発する前でしたけど、あのときよりも増えている実感もありますか?
    柏木 増えていると思いたいです(笑)。実際に当時と比べると、確実に総合格闘技を求めている人は多くなったと思いますよ。
    ――じゃあ、結果を見てひとまず一安心という。
    柏木 いやいや、安心はしていないです。欲をいえばもっと数字は欲しいので(笑)。このコンセプトを観たいと思っていた人たちが予想より多かったなとは思いますけど、ボクらもビジネスなので。全然これで満足とは思っていないですね。
    ――ここまでのビッグスケールの対抗戦はそうそうできるとは限らないですしね。
    柏木 そうなんです。1回やるとそれ以上のものを求められるじゃないですか。そうなると、ボクの個人的な業務内容としては、けっこうツライなと(苦笑)。
    ――というと、やっぱりベラトールとの交渉はハードだったんですかね。
    柏木 ここまでトップファイターが揃ったマジな対抗戦という意味では今回が初めてだったので、やっぱり産みの苦しみはありました。ただ、今回のものがベースになるので、次は「前例にならって……」という。それこそRIZINとベラトールのルールの違いだったり、選手に関するオペレーションとか、いろんな部分の擦り合わせを1回経験したという意味では、もの凄くよかったのかなと思います。次にやるときは、そこを基準にして「前回こうやったよね」「少しうまくいかなかったことを調整していきましょう」とスムーズになるじゃないですか。今後は楽になるんじゃないかとは思います。
    ――それにしても、対抗戦ではあるものの、ベラトール側があんなビッグメンバーを出してくると思いました?
    柏木 いやー、最初は思っていなかったですねえ。でも、榊原社長も言っていましたけど、スコット・コーカーと「じゃあ、どんな対抗戦にしようか」と話したときに、榊原社長は「ベストメンバーを出してくれ」と。スコットは「いいの?」という感じだったんですよ。でも、プロモーターって自分が「こうやりたい」と思ったら絶対にそれを実現しようとするじゃないですか。榊原社長もそうですし、スコット・コーカーもそういう人なので、そういう人たちの間に入って物事を調整するというのは……、大変だったなあ(しみじみと)。
    ――ハハハハハ! つまり、上から企画が降ってきて、柏木さん含む現場がそれを実現しないといけないということですよね。
    柏木 どっちも実際にできるかどうかは考えずに言ってくるんでねえ(苦笑)。ただ、そういう人たちが何か同じ目標に向かって動くというのは、それ相応の旨味がお互いにあるということですよね。なので、スコットがトップどころを全員出してこられたのも、スコットと選手との向き合いという部分も多分にあると思いますし。
    ――スコットと選手との向き合いと言いますと?
    柏木 要は、スコットにとってもいろんなプラスがあったから、対抗戦が実現できたんだと思います。つまり、今回出場した選手はみんな「日本で試合をしたい」と熱望している選手たちだったので、もしボクがベラトールのマッチメーカーの立場だったら、「日本で試合させてあげるから、来年は言うこと聞いてね」と言いますね。トップどころのあのメンツだと、もうかなりワガママだと思いますから(苦笑)。ボクだったら彼らに貸しをつくってそういう交渉をしますね。
    ――望んでいる日本大会に出す代わりに、こっちの条件も飲めよと。
    柏木 ベラトール側としても、自分たちの選手に「大晦日に出ろ」で終わりなわけがないですから。すでに次の話もしていると思うので、いろんな交渉を行う中での選抜メンバーだったんだと思います。
    ――単なる金だけの話じゃないということですよね。
    柏木 たとえば、パトリシオ・ピットブルなんかは「兄貴のパトリッキーがRIZINに出られて、なんでオレは出られないんだ」と、それこそ2019年ごろからずっと言っていると思いますよ。彼はパトリッキーがRIZINで戦うのをセコンドで見ていますから、何がなんでもRIZINのリングに立ちたい。だからパトリシオなんかは、「誰とでもいいからRIZINルールでやらせろ」ということだったので、交渉はしやすかったんじゃないですかね。
    ――それにしても、皆さんのギャラはお高いですよね?
    柏木 いやあ、お高いんでしょうねえ(笑)。だから、普通はあのメンバーを縦に並べることはベラトールの本大会でもできないですよ。
    ――KSWが「自分たちもベラトールと対抗戦をやる!」とか言い出してますけど、なかなか簡単にはできないですよねえ。
    柏木 そこも調整次第ですよね。やっぱり、こういう企画はどちらかが赤字になったり、どちらかが不利益を被ってしまうと、やる意味がなくなるので。皆さんのニーズに応えるのはプロモーターとしての使命だと思いますが、そのニーズに応えるためにその都度赤字になっていたら、それこそ続かなくなるじゃないですか。だから、お互いが損をしない条件を擦り合わせないといけないというのはありますよね。
    ――そういう意味では、榊原さんとスコットの信頼関係があったからこそ実現できた。
    柏木 それはもちろんありますけど、それに、すべてにおいてタイミングがよかったと思います。普通にやっていたらこの規模の大会は開催できないですよ。
    ――今回、マッチメークはどういうふうに決められたんですか?
    柏木 まあ、マッチメークというよりは、向こうが出してくる選手……って、トップ同士の対決を組むとしたら、だいたいイメージできるじゃないですか。そうなると、こっちが出せる選手は限られてくるので「こういうカードですよね」と。だから、今回は誰もゴネることなく決まりました。クレベル・コイケ選手は発表直前のオファーだったりもしましたけど、マッチメークに関してはスムーズでしたね。
    ――じゃあ、最初からガジ・ラバダノフを除く4人は決まっていたんですか?
    柏木 AJ・マッキー、ピットブル、フアン・アーチュレッタ、堀口恭司は最初から出してきました。とくに、堀口、ピットブル、AJは確定でしたね。残りふたりはどうしようかという感じで。
    ――最初からそのメンバーが出てくるなんて凄いです! ルールやジャッジ、そのへんの調整も難しかったですか?
    柏木 超~難しかったです! 今回は、そこが一番難しかったですよ。というのも、やっぱりスコット・コーカーや、マッチメーカーのマイク・コーガンはもともとK-1で働いていた方々なので。要は、日本格闘技というものに関して良い印象を持っていないんですよねえ(苦笑)。
    ――それはいわゆる競技という部分においてですよね?
    柏木 そうです。だから「オレたちはもうわかっているから。お前らは口ではそう言っているけど、どうせ判定になったらベラトールが負けるんだろ」という。
    ――ああ、たとえば国立競技場のホイス・グレイシーvs吉田秀彦のジャッジを見て……。
    柏木 余談ですけど、あの試合も酷く揉めていますからね。
    ――揉めますよね、間違いなく(笑)。
    柏木 そういう歴史もあるので。だから、RIZINが立ち上がってからいろいろと協力をしてくれてはいますけど、競技に関しての信頼は正直ゼロです。
    ――ゼロ!
    柏木 だから、2019年大晦日に対抗戦をやったときも、ベラトールはトップどころを出してこなかったんです。
    ――はー、そんな理由が! ちなみに、2019年の対抗戦は、3試合をベラトール日本大会でベラトールのルール、2試合をRIZINの大会でRIZINのルールでやりましたよね。
    柏木 RIZINルールで戦ったのが、パトリック・ミックスvs元谷友貴、ジョン・マカパvs朝倉未来、29日ベラトールルールで戦ったのが、ロレンズ・ラーキンvs中村K太郎、ゴイチ・ヤマウチvsダロン・クルックシャンク、イララ・ジョアニvs渡辺華奈ですね。だから、ベラトールルールに関しては全然何もなかったです。でも、31日のほうは「お前らの大会だから」ということで、マカパvs朝倉未来の2ラウンド終了時点で「ここから何が起きても、もう朝倉の勝ちだろ」と言われるぐらいでしたから(苦笑)。
    ――まったく信用がない(苦笑)。
    柏木 まあ、それは日本の負の部分ではありますよねえ。「外国人選手は日本に行ったら勝てない」という悪い噂は残念ながらありましたから。ボクがKOTCでやっているとき、日本ではDREAMが行われていましたが、自分の周りの外国人選手が参戦すると「やっぱり判定だと勝てない」とか、戻ってきてからいろいろ話を聞いていたので。そんな人たちとの対抗戦で、今回はトップどころの対決ですからね。
    ――疑いますよねぇ。
    柏木 だから「そっちのルールでやるんだったら、信用できないから」ということで、レフェリーはもうジェイソン・ハーゾグで即決でした。ジェイソンは、RIZINルールもわかっているし、ベラトールでも裁いていますからね。あとは「ジャッジもひとり連れて行くから入れてくれ」というので、最終的に入ってもらったんですけど、ボクらとしても「トータルマストのジャッジできるの?」という話から始まって。「逆に、ベラトールでやるときに日本のジャッジを使ってくれるの?」とかまで話したりしていましたね。
    ――バチバチしてますねえ。
    柏木 とにかく日本が信用されていないので、そこの信用回復がまずひとつ。なので、JMOCさんとも話して「こういうこと言われています」と。で、JMOCさんとしてもフェアな第三者機関としてここまでやってきているから、ボクもJMOCという存在をさんざんスコットに説明するんですけど、「ジャパニーズがそんなことやるわけねえだろ」と(笑)。
    ――JMOCは日本の格闘技のジャッジのあり方を塗り替える働きをしてるんですけど、よっぽど過去が……(苦笑)。
    柏木 そういうこともありながら、ひとつずつ障害を乗り越えて開催に至った感じです。だから、ベラトールの選手たちに向けたルールミーティングというのも試合の1ヵ月ぐらい前にやったんですよ。そこに、今回ジャッジに加わったブライアン・マイナーさんというABCのコミッションもひとり入れて、向こうのセコンド陣、スタッフも全員入れて。あとは事前にRIZINのグローブも向こうの選手たちに送って慣れさせて。本当に向こうが懸念している部分をひとつひとつ潰してここまできたということです。それこそ模擬ジャッジもやりました。「ユニファイドだったらこういう判定です」「でもトータルマストだとこういう判定です」「こういうのが難しい試合ですよ」と。たとえば、山本美憂vs大島沙緒里、カイル・アグオンvs山本空良。「この試合はジャッジの見方によって勝敗が変わりますよ、なぜならばこうだからです」と。なので、競技陣も万全の状態で対抗戦に臨んだところはありますね。
    ――そうなると、今回のジャッジを見て、スコットはだいぶ日本に対するイメージが変わったんじゃないですかね?
    柏木 変わったと思いますよ。今回、ABCのヘッドのマイク・マズーリさんという方も来日していたんですけど、彼らが来ているからってJMOCがベラトールに忖度したんじゃないかなと思ってるぐらいですから!(ドンッ)……というのはもちろん冗談ですけど(笑)。
    ――そういう冗談を真に受けるのがネット社会なんですよ!(笑)。・北米がRIZINのサッカーボールキックに興味?
    ・ラウンドマストにしない理由
    ・日本が遅れているのはRIZINのせい!?
    ・ヌルマゴ「……おい嘘だろ?」
    ・ベラトール軍団の会場入り時刻問題
    ・「ラバダノフってあんなに喋らないぞ?」
    ・対抗戦第2弾のマッチメイクは難しくなった……などなど15000字インタビューはまだまだ続く!

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  • 斎藤裕「やっぱり俺に平本蓮が回ってきたなって感じです」

    2023-01-14 16:55  
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    今春のRIZINで平本蓮戦が発表された斎藤裕インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【悪口と本音の15000字】平本蓮インタビュー「朝倉未来には負ける気がしない」
    ・鈴木千裕「中原選手は強敵! 平本蓮は頭おかしい! 今年は地獄の1年!!」
    ・平本蓮と空手をつなぐ日本格闘技のサーガ■剛毅會宗師・岩崎達也インタビュー
    ――平本蓮戦は1年ぶりの試合になるんですけど、ここまで試合間隔が空いたことはなかったですよね。
    斎藤 そうですね。でも、10ヵ月、11ヵ月はけっこうあるんで、あんまり気にならないというか。
    ――いままでと違うのは「なんで試合をしないんだ?」という声が飛んでくることですかね(笑)。
    斎藤 そこですねぇ。俺より試合していない人はいっぱいいるはずなのに(苦笑)。「早く試合が見たい」っていい捉え方をしていますけど。
    ――若いときは年3~4試合はやれちゃいますけど、ある程度キャリアを積むとケガやコンディション、マッチメイクの都合も出てきますよね。
    斎藤 そこまでわかってくださる方たちばかりではないですし、だからって1人1人に説明していられないので(笑)。
    ――「斎藤裕はこのまま引退するんじゃないか」みたいな声もあって。
    斎藤 ハハハハハハハ。まあ、みんなやる気になんなかったらやめるんですけどね。たしかにいろんな人に心配をしてもらいました。「実際どうなの?」って。ありがたい話なんですけど、「まあまあまあ」って感じで、周りの人たちをなだめていました。
    ――試合をしないだけで、いろんな憶測を読んでしまうという。
    斎藤 いまの選手はホント大変ですねぇ。試合しないだけで犯罪者みたいな感じに扱われてしまうっていうのは(笑)。
    ――ツイッターの更新が止まったら「逮捕されたんじゃないか……」って騒ぎになりますからね(笑)。昨年4月の牛久絢太郎戦が終わった直後はどう考えていたんですか?
    斎藤 もうしばらく何も考えないで生活したいなとは思っていましたね。気楽にというか、リラックスして過ごせればなと思って。
    ――リラックスした生活はどうでした?
    斎藤 まあ、そこまでリラックスできたわけでもないんですけど。試合が決まって、練習に追われる生活ではないので、いままでできなかったこと、やれなかったことをやろうと思って。
    ――RIZIN参戦以降は1年8ヵ月で6試合と、タイトなスケジュールだったこともあって、なかなか自由な時間が取れなかったところもあったということですか?
    斎藤 そうですねぇ。基本的には試合が終わったら次の試合、その試合が終わったらまた試合……というスケジュールでやっていたので。そのあいだケガもあったりしたので、一呼吸置くにはいいのかなっていう風には捉えていましたね。
    ――練習はまったくされてなかったんですか?
    斎藤 まったくしていない時期もありましたけど、まあ身体を動かすのは好きなんで、健康のために運動する。そのほうが食事がおいしいという(笑)。
    ――自分を追い込まなくていい日々ってやっぱり新鮮ですよね。
    斎藤 うーん、気は楽ですよね。毎日きついことしなくていいって思うと。試合があるとやることを明確に決めないといけない。体重制限だったり、そうなると不便なことが出てくるというか。まあ、そこはもうみんな一緒なんで、しょうがないとは思っているんですけど。一旦緊張した生活から離れて、精神的にも、肉体的にもだいぶ楽になったところがあります。
    ――試合をやりたい気持ちは湧かなかったですか?
    斎藤 まあ半々ぐらいっすね。試合をやる苦しさも知っているので。
    ――やりたいけど、あのきつい日々に戻るのは……。
    斎藤 そこに行くまでにどれだけの……っていう。だから気持ちとして半々ぐらいなんですけど、やるって決めたらもう。そういう気持ちになれば、自然と前向きになって練習に戻れますから。
    ――自分の中では、いつぐらいの復帰を想定されていたんですか?
    斎藤 うーん……焦ってはいなかったですけどね。それこそ当初は12月の大会がどういう風になるのかなと。
    ――流れによっては12月もありえた。
    斎藤 でも、12月はベラトールとの対抗戦が軸になるっていうことになったので。相手も定まらない中で無理して合わせるのはどうなのかなとは思っていました。
    ――平本蓮戦が提示されたのは12月に入ってからなんですよね。
    斎藤 だったかなあ。10日過ぎぐらいだったと思います。
    ――オファーがあったときはどう思われました?
    斎藤 まあ、あるかなとは思っていたぐらいだったんで。
    ――あ、想定はしてたんですね。
    斎藤 まあ、ドミさん(弥益ドミネーター聡志)に勝った時点で。彼の次の相手がなかなか難しいなとは思っていましたね。
    ――あの勝利の時点で、平本戦はあるぞと。
    斎藤 それは誰が勝っても負けても考えます。「この人の次の相手は難しいな」とか「この人はあの人かな」とか。ただ、やるとしても、12月はないだろうとは思いましたけど、そういった話が具体的に来たので、やっぱり俺に回ってきたかって感じですね。
    ――平本選手は以前CAVEで練習されてましたけど、どれくらい肌を合わせたんですか?
    斎藤 彼が来ていたのはそんな長くないんですよね。ボクが大晦日の試合が終わって練習に戻ったのは、彼の試合前(鈴木千裕戦)とかだったんで。なのでスパーリングをしたことはないんですけど、シチュエーション練習として組んだぐらいですかね。だからそこまで手の内を知るみたいな感じではないとは思っていますね。
    ――ドミネーター戦はどういう風にご覧になりました?
    斎藤 あの試合はちょっと難しいですね。
    ――難しい?
    斎藤 66キロのフェザー級から直前で70キロ契約に変更になったので同じフェザー級の試合として見るのは難しいかなと。平本選手が勝ったことは事実なので、それはおめでとうって感じなんですけど。
    ――戦いぶりはいかがでした?
    斎藤 この試合に向けて、自分の形をうまく作って3ラウンドやり切ったっていう感じですかね。
    ――平本選手とは相当のキャリア差ですが、斎藤選手からすると、逆にやりづらさはないですか?
    斎藤 最近はあんまりそういうことは考えないですね。試合って結局そのとき、その場で勝ったほうが強いってことだと思っているんで。平本選手に関してはSNSも含めて自分の持ってき方が上手だったってことじゃないですかね。いまはフォロワーとか数字が見えやすいので、彼が発信してきたことでそういう影響力がついたというか。
    ――休んでいるあいだ、RIZIN以外のプロモーションからオファーがあったらどうしてました
    斎藤 それはたとえば修斗とかですか? うーん、どうしてもやりたい選手がいたら相談はしたかもしれません。
    ――いまは「試合がやりたい」よりも「やりたい相手かどうか」ですか、
    斎藤 うーん、そうですね。年齢的にも誰でもいいわけではなくなってきているかなとは思いますね。発表して「うーん……」という感じは違うのかなと思ったり。
    ――そこはファンの反響や興行のインパクトも考える。
    斎藤 あんまり言うと、計算高い男に見られるかもしれないですけど(笑)。「なんでそいつとやんの?」みたいに思われるカードは違うかなとは思います。20代前半ぐらいはね、試合のオファーがあればガンガンやるでいいんですけど。ある程度のキャリアになると、「その選手とやって何に繋がる?」みたいになりますよね。なにより自分の気持ちも、そこに向かっていけるかなって。
    ――平本蓮という格闘家はやりがいがあるわけですね。
    斎藤 そうですね。いい相手ですね。練習、頑張れそうです(笑)。彼に関しては、やっぱり実力があるとボクは思っているんで。そういう意味でも全然違和感はないカードだと思いますし。
    ――大晦日のリングで挨拶したわけですけど、マイクが……。・RIZINvsベラトール対抗戦の感想
    ・胸にくるものがあった対抗戦セレモニー
    ・平本蓮戦にトラッシュトークはいらない
    ・鈴木千裕の強さ
    ・RIZIN以前は地獄の時代だった
    ・自主イベントをやる考えは?……まだまだ続く!


    この続きと大晦日RIZIN、PRIDE、斎藤裕、タノムサク鳥羽、臼田勝美……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事14本」の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2137352この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事150円から購入できます!

     
  • 【フライ級が来た!!】DEEPの殴り者、伊藤裕樹インタビュー

    2023-01-08 21:54  
    180pt
    絶賛開催中のDEEPフライ級GPベスト4、伊藤裕樹インタビュー!! (聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」
    ・侵略者、現る!! 宇佐美正パトリック「みんな食ってやります」
    ・【フライ級革命】堀口恭司の新しい旅が始まる■笹原圭一RIZIN広報
    ・RIZINに外国人を取り戻す■RIZIN海外事業部・チャーリー柏木信吾
    ――12月11日DEEPではフライ級トーナメント2回戦が行われましたが、メインを飾った伊藤選手の試合が素晴らしかったです!
    伊藤 ありがとうございます(笑)。
    ビョン・ジェウン vs 伊藤 裕樹
    https://www.youtube.com/watch?v=fkPRC6tILvc
    ――殴りまくってTKO勝利という、本当に伊藤選手らしい試合でした。
    伊藤 まあ、今回はメインらしい仕事をできたんじゃないかなと思ってます。トーナメント1回戦でもメインだったんですけど、そのときには原虎徹選手を相手に、なんか味気ない試合をしてしまったので。そういう意味では、今回はメインらしい試合をしたかったので、よかったですかね。
    ――「俺、めちゃくちゃ強え!」というマイクも決まってたな、と。
    伊藤 フフフフ、やっぱファンとか応援してくれる人はみんな「裕樹が一番強い」と言ってくれるんで、「絶対に優勝できるよ」みたいな感じで。
    ――2階戦で対戦したビョン・ジェウン選手は、1回戦で渋谷カズキ選手を相手に一本勝ちしてましたが、寝技の選手だったんですかね?
    伊藤 ああ、そうですね。どっちかというとグラップラーで極めが強い選手です。なので、組んでくるかなと思ったんですけど、凄いガードを固めてパンチをもらわないようにしてたのが逆に噛み合って。ボク自身は凄く戦いやすかったです。福田龍彌選手との試合を見ても、組んでくることを想定していたんですけどね。なんか、ファイトスタイルを変えてきたというか。
    ――逆に、伊藤選手にとってはそれがラッキーだった。
    伊藤 まあ、そうですね。
    ――でも、いったい何発殴ったんだという試合でしたけど、あそこまでいくと打ち疲れませんか?(笑)。
    伊藤 もう、左手が痛くなってきましたよねえ(苦笑)。前回の原選手の試合でケガした左手が、またちょっと打撲みたいな感じになっちゃって。いまは回復に向かっているので問題ないですけど。
    ――そういう意味では、韓国人ファイターってめちゃくちゃタフですよね。日本人選手が韓国人選手をKOする試合自体が超ひさびさだなと感じたんですが。
    伊藤 いやあ、打たれ強かったです(苦笑)。カットして流血する前までも「けっこういいパンチ入ってるのに、なんで倒れないんだろう」みたいな。そう思いながら打ってたので。
    ――それって、日本人選手との違いとかわかります?
    伊藤 なんですかね? やっぱり生まれ持ったじゃないですけど、身体つきがちょっと違うと思います。気持ちの面でもなんかハングリーさが感じられるというか。
    ――韓国人ファイターと戦いは初めてではないですよね?
    伊藤 3回目ですね。ROAD FCと、あとはアウトサイダーでも1回韓国人ファイターと戦ってます。でも、そのたびに「みんな打たれ強いな」という。
    ――その大会では、セミで勝った宇田悠斗選手が試合を控えている伊藤選手に対して対戦要求する一幕もありました。
    伊藤 あれはちゃんと裏で見てました。「お、宇田くん、なんか言っとるな」と思って。で、試合が終わったあとに彼が裏に戻ってくるじゃないですか。そのときにも「伊藤選手、応援してます。(試合)やりましょう」と言ってくれたので、そこで喝が入ったというか。準決勝、決勝、絶対にいこうと思ったし、絶対に優勝しようと思いましたね。
    ――これで、伊藤選手含め、宇田選手、福田選手、本田良介選手の4人が勝ち上がってきたましたが、準決勝の相手は抽選で決めるんですよね?
    伊藤 1月の頭になると聞いていますね。でも、試合が2月11日なので、じつはあんまり時間がないというか。
    ――伊藤選手としては誰と対戦したいとかあるんですか?
    伊藤 まあ、ボクの思いで言ったら、決勝で福田選手にリベンジを果たしたいので、準決勝でやるなら宇田くんがいいかな、と。一応、そういう想定はしています。でも、ここで本田選手を引いちゃうのがボクなんですよねえ。超クジ運ないんで(苦笑)。
    ――なるほど(笑)。
    伊藤 まあでも、誰と戦ってもいい準備はしているので大丈夫です!
    ――準決勝、決勝と楽しみにしています! そんな伊藤選手の試合といえば、本当に激闘のイメージですが、バックボーンはボクシングということですよね?
    伊藤 ああ、そうですね。ボクシングは小学4年ぐらいから中学3年までやってました。
    ――それは町のボクシングジムでですか?
    伊藤 そうです。本当にお遊びというか、ちびっこボクシングという感じだったので。親がけっこうボクシングが好きだったんですよ。それを一緒にテレビとかで観ていて。それで「やりたいな」と思ってはじめてた感じですね。
    ――当時は、何か大会とかにも出場したりしていたんですか?
    伊藤 中学生になってから、そういう全日本とかの大会に出るようになりました。だから、アンダー15の全日本幼年ボクシング大会では、一応優勝したんですよね。
    ――全国優勝って凄いです! でも、中3までだったということは、その後はやめちゃったんですかね?
    伊藤 そっからはもうボクシングをやめて、普通に働いていました。そのときに、ちょっと刺激がほしいなと思ってMMAをはじめたんです。
    ――当時はどんなお仕事をされていたんですか?
    伊藤 普通に建設業の現場で働いていましたね。
    ――となると、当時はジムに通うこともなく。
    伊藤 その頃はやってなかったです。でも、動画とかではアウトサイダーを見てたりして。だから、アウトサイダーを見ながら「いいなあ」というか。でもまあ、目の前の仕事をやんなきゃなという感じでしたね。
    ――当時、時期的にアウトサイダーブームとドンピシャだった頃ですかね?
    伊藤 ええっと、中学生のときは本当に同世代でしたよね。ボクが見ていた頃で、当時一番好きだったのは金太郎さんとか。
    ――金太郎選手が上がっていたのは2011年~2013年なので、けっこうアウトサイダーも中盤の頃ですか。
    伊藤 そうです。あとは、啓之輔さんとか、佐野哲也さんとか。
    ――そのあとに朝倉兄弟が上がってくる感じですよね。というか、佐野さんだけ浮いてませんでした?(笑)。
    伊藤 いや、でもあのキャラが逆によかったですけどね(笑)。だから、アウトサイダーはずっと見ていて、カッコいいなと思ってましたね。まあ、憧れていたというか。
    ――ちなみに、豊橋は朝倉兄弟のおかげですっかり不良のイメージがありますけど、伊藤選手のご出身は名古屋の中心のほうですか? 
    伊藤 ボクの地元は愛西市というところですね。田舎のほうです。
    ――愛西市の治安はどんな感じだったんですかね?
    伊藤 愛西市はわりかし治安はいいんですけど、その隣町の津島というところとかは治安は悪かったですね。隣町の先輩のほうが怖かったです(笑)。
    ――そこと絡みあったんですか?
    伊藤 まあ……、昔はちょくちょくありましたね(苦笑)。
    ――みんな、もうアウトサイダー大好きという感じで(笑)。
    伊藤 本当に、そうでした。
    ――当時って、プロMMAではDREAMとかも開催していたと思いますが、そのへんは全然って感じでした?
    伊藤 ああもう、ボクは本当にDREAMとかを観るよりも、アウトサイダーからMMAを知ったので。アウトサイダーを見て「MMAって凄い」という。ルール的になんでもありで、あんな喧嘩みたいな感じでめっちゃカッコいいじゃないですか。だから、ボクのMMAもそっからですよね。
    ――伊藤選手の場合、事前にMMAのジムで練習してからアウトサイダーに参戦した感じですかね?
    伊藤 そうです。ちょうど、MMAをはじめて半年ぐらい経ったときにアウトサイダーの大会に出て、トーナメントに出場した感じですね。
    ――じゃあ、全然練習もせずにいきなり上がるというパターンじゃなかった、と。
    伊藤 そうです。ボク、練習しないと怖いんで(笑)。
    ――ハハハハハ! その時期は、けっこうみんな準備して上がるみたいな雰囲気だった頃ですよね?
    伊藤 後半とかは、そんな感じになってましたね。みんな練習して試合するみたいな。だから、わりとちゃんとMMAをやっていた気がします。
    ――実際、伊藤選手自身はボクシングしかやってなかったと思うんですけど、MMAのジムに通うようになって、最初どんな感じでした?
    伊藤 やっぱり、最初はある程度、打撃ができればいけるんだろうなと思ってたんですよね。でも、打撃にタックルとか寝技が入るだけで、こんなにも無力なんだと感じて。ただ、そこに逆に伸びしろを感じたというか。もっと吸収すれば、もっと強くなれるんだというのを感じました。

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  • スキャンダルの嵐の中、ビンス・マクマホンWWE電撃復帰

    2023-01-08 21:30  
    180pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはスキャンダルの嵐の中、ビンス・マクマホンWWE電撃復帰です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・ビンス・マクマホン不倫騒動、4人の女性と16億円の口止め料
    ・哀しき殺人未遂犯、元UFCヘビー級王者ケイン・ヴェラスケス、リングに還る
    ・スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン率いるNWA、乱れる
    ・愛犬も巻き込まれた? CMパンクの乱その後
     

    「私の友人に、ビンス・マクマホンと彼の弁護士から不倫口止め料として、何百万ドル(数億円)もの大金が支払われました。その後、彼女は怖くなって会社を辞めたのです」
    ビンス・マクマホンを表舞台から引退へと追い込むことになった一連の不倫口止め料支払いスキャンダルは、この1通の匿名告発メールから始まった。
    2022年1月に退社したWWE元女性社員の友人と名乗る人物から、3月にWWE取締役員の一人に送られたこの告発メール。その真偽をたしかめるために、WWE取締役会はビンスの口止め料支払い調査を開始する。
    当初、ビンスの顧問弁護士ジェリー・マクデビットは「この元・女性社員が退社する際には、いかなる金銭も支払っていないし、彼女からはセクハラされたなどとの申し立てもない」と述べ、またWWE広報は「ビンスと元女性社員の関係は合意の上だった」としていた。
    しかし、取締役会の調査は、ビンスが元女性社員と交わした秘密保持契約書のコピーを入手。それによると、口止め料は総額300万ドル(約4億2千万円)。100万ドルが退社時に支払われており、残りは5年間で分割払いとなるとのことだった。そして、これがWWEの会計報告書には記載のない、ビンスが秘密裡に支払っていた口止め料だったことが明らかになる。

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  • 【対抗戦寸評】なぜピットブルはクレベルをKOできなかったのか■水垣偉弥

    2023-01-06 11:35  
    180pt

    北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るRIZIN大晦日です(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)

    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・鈴木千裕「中原選手は強敵! 平本蓮は頭おかしい! 今年は地獄の1年!!」

    ・スパーの一本取られた・取られないのは、ホントにどうでもいい■水垣偉弥

    ・平本蓮次の相手/神龍誠とUFC/平田樹と計量失敗■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ・平本蓮と空手をつなぐ日本格闘技のサーガ■剛毅會宗師・岩崎達也インタビュー
    ――今日は水垣さんに大晦日RIZINの話を伺います!
    水垣 よろしくお願いします。
    ――まず水垣さんがセコンドにつかれた井上直樹選手の見事な勝利おめでとうございます。
    水垣 ありがとうございます。もうホントによかったです。勝ってホッとしてます。
    ――キラー井上直樹”が見れた感じですけど、水垣さんとしてはどんな感想がありますか?
    水垣 やろうとしたこともやれたし、井上くんの強さが出た試合でしたね。おそらく寝技で上を取っちゃえば、そこで差が出ると思っていたので、そういう場面を作りたいという話はしていました。スタンドで勝負しても、負けるなんて全然思ってはないですけど、相手の弱いところを突いていこうと。いちばんうまくいくのはやっぱり上を取ることなのかなって思ってたので、ボクと練習するときは打撃からタックルに入る練習をしてたんですよね。1ラウンドにタックルにスパンって入った瞬間、これはもう勝ったなって思いましたね。
    ――瀧澤選手はRIZIN参戦当初、扇久保博正選手や佐々木憂流迦選手の寝技に封じ込められる試合が続きましたね。
    水垣 それプラス、瀧澤選手の武器はどちらかというとスタンド。今回のいちばんの怖さは、井上選手の試合が1年間、空いてしまったことで。その試合感覚と、スタンドだと予想もしない一発が入る怖さがあるので。そういう意味でもテイクダウンがいちばん確率の高い勝ち方。そこに持ち込めば一方的になるだろうなって思ったので。
    ――試合を見るかぎり、井上選手は打撃戦でも全然いけるんじゃないかと見えたんですが、リスクも最小限に抑えたと。
    水垣 たぶん井上選手本人は打撃の怖さはなかったと思います。RIZINで危ない打撃をもらったことないですし。ただ、本人も「寝技でやろうと思ってます」みたいな話もしてたんで。
    ――一本極めきると思いました?
    水垣 一本か、パウンドアウトするか。寝技になっちゃえばフィッシュできるかなっていう風に思ってたんです。ただ、強引に行くんじゃなくて、相手を削り続けてほしいというか。削って削って削る戦いがしてほしかったんですよね。扇久保選手とやったときは、やっぱり行きすぎちゃって、ちょっとバテた部分もたぶんあったと思うんですよね。そこを考えると、無理しないで削って削って、力を尽きさせて、100パーセント行けるところでフィニッシュすればいい。井上くん的にはもっと行きたかったんじゃないかなっていう風に思いますけど。ボクもセコンドで「削れ、削れ!」という指示ばっかりしてたような気がするんで(笑)。
    ――井上直樹選手はああ見えて強気というか、芯が強さがありますよね。
    水垣 なので井上くんのやりたいことプラス、少しでも支えることができたらいいなって。役に立っているかどうかはちょっと怪しいですけど(笑)。
    ――セコンドワークって本当に難しいんですね……。技術を知ってるかだけではなく、選手の性格を踏まえたうえで信頼関係が築けるかどうか。
    水垣 いやあー、ホントに信頼関係は重要だと思います。それに井上選手はボクがゼロから育てた選手ではないですし、トレーナーとしてはデビューしたばっかりで、こんな逸材を見るのは……手探りでやってます(笑)。
    ――ボクら外野は選手が負けると「コーチが無能!」とか騒ぎがちですけど(笑)。サポートする側も大変だっていうことですね。
    水垣 ボクもやってみてですね、選手時代には気づかないところはたくさんありました。ものすごく勉強になりますね。
    ――対抗戦以外で印象に残った試合はありました?
    水垣 元谷選手は強かったっすねー。ボントリンとは相性的に苦戦するかなと思ったんですけど、わりと淡々とフィニッシュまで持っていきましたよね。いま5連勝ですよね。ずっと勝ってますよね。
    ――瀧澤選手に負けてから5連勝。しかも全員厄介な相手を攻略してるんですよね。
    水垣 今回はスタンドすごく良かったですし。強引に来る相手に苦戦するかなっていう風に思ってたんですけど、何が変わったのか。なんかいい風になってますよね。その理由はじっくり見てみないとわかんないですけど。
    ――いまよく言われるのは、簡単に引き込みをしなくなったと。
    水垣 あー、たしかにそれはあるかもしんないですね。でもそれだけじゃない気がしますね。なんかスタンドの作りがすごく良くなった気がするんですよね。だから、引き込まなくなった。あの勝ち方はちょっとびっくりしましたね。
    ――鈴木千裕選手の試合ってどうでした?
    水垣 あー、井上くんの試合前だったんで、あんまりちゃんと見られてないんですよねぇ。
    ――じゃあもう本題の対抗戦に入ります!(笑)。RIZINは5敗しましたけども全体的な印象はどうでしたか?
    水垣 5敗全敗なんですけど、結果よりも僅差の印象が強いですね。負けといえば負けかなっていう感じはしますけど、完封されてどうしようもなかった……みたいなイメージではないです。けっこうやれるとこはやったし、それぞれ苦戦させた場面もあったので。
    ――やっぱりRIZIN規模の団体のトップどころが、そんなに弱いわけがないって話ですね。
    水垣 そういうことですね。相手もけっこうなトップどころが本当に来ちゃったんで、厳しくなるだろうなとは思ってたんですけど。逆になんか思ってる以上に競ったところは競ったなっていう風に思いましたね。
    ――先鋒戦の武田選手なんですけど、1ラウンド目の猛攻をしのぎきりましたね。
    水垣 いや、本当ですね。「もう終わった……」と思いました(笑)。だってフラフラだったじゃないですか。よくあそこから持ち返しましたよねぇ。そのインパクトが強いんですけど、たとえばラウンドマストだったら判定はわかんないっすよね。完全に「たられば」ですけど。2&3ラウンドは完全に武田選手。1ラウンドにラバダノフに「10-8」がつくかどうか。武田選手の勝ちかドローだったんじゃねえかな、みたいな。RIZINルールでやってるので強くは言えないですけど。
    ――それくらい惜しい試合だったというか。
    水垣 ボクは戦前予想でRIZIN側で勝ちをつけたのは武田選手だったんですよね。いきなり外したんですけど(笑)。
    ――外したけども、水垣さんの見る目はあったということですね(笑)。
    水垣 そう言っていただけると……(笑)。武田選手が普通にレスリングで上を取って勝つんじゃないかなって思ってたんですよね。ラバダノフは打撃はうまくなってるんですけど、PFL時代はめっちゃヘタなんですよ。ベラトールに来てから整ったんですけど、武田選手が打撃でそんなにやられるイメージが……。距離を探る1ラウンド目だから当たっちゃったっていう部分もあると思うんですけど、そこが予想外でした。
    ――ここ最近はライト級も世界で勝負しきれない現実がありましたが、今後につながる内容だったんじゃないかなと。
    水垣 この選手にこれだけの試合をしたのは明るい話題です。でも、ライト級はもっとキツイ相手がいますからね。ラバダノフはランキング的には今回の5人の中では下にいる選手なので。
    ――「北斗の拳」でいうところの“名もなき修羅”に近いわけですね(笑)。
    水垣 これからまた修羅の道ですよ、ライト級は。
    ――次鋒戦はキム・スーチョルvsアーチェレッタ。身体つきからしてスーチョルは「絶対に勝てないな……」って思っちゃったんですけど(笑)。
    水垣 ボクはスーチョルと控室が一緒でしたし、計量のときもちょっと話したりしたんですけど。ボクが言うのは申し訳ないですけど、オーラはまるでない。ボクも勝てそうな気がしましたね(笑)。
    ――ハハハハハハハ! 新橋駅前にいる酔っぱらいサラリーマンの風貌ですよね。
    水垣 そんな感じのキャラクターがもうすごく好きですね。
    ――あんな風貌で強豪アーチュレッタを追い詰めました。水垣 アーチェレッタがけっこう削られましたからね。攻めていたんですけど、スーチョルのスクランブルで対応して対応して対応して、あのアーチェレッタを疲れさせたのはちょっとびっくりしました。アーチェレッタはずっと動き続ける選手だと思ってたので、スーチョルを組み伏せることは大変なんだなって。あとアーチェレッタは若干、飛ばしすぎたこともあってちょっと失速したのかなって。



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