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記事 22件
  • 【15万字・記事20本詰め合わせセット】天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠……

    2022-06-30 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part102大好評記事20本15万字で600円!!(税込み)
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    part102


    ☆RIZIN広報・笹原圭一のエンドルフィンマシーン的THE MATCH!!


    ☆【技術解説】那須川天心vs武尊■鈴木秀明


    ☆飛び立つもの、根を張るもの…那須川天心vs武尊


    ☆THE MATCHフジテレビ放送取りやめ…「テレビ格闘技」の最期は唐突に


    ☆UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」


    ☆次はベラトールのタイトルマッチだ! 渡辺華奈&上田貴央インタビュー


    ☆【ROAD to UFC】最短契約へGO!! 中村倫也インタビュー


    ☆【殺しのプリンスがヤバイ】風間敏臣さん、チャーオリや青木真也のことは知ってますか?


    ☆DEEP佐伯繁が見た「テレビ格闘技と現実」12000字


    ☆RIZINに帰ってきたイリー・プロハースカという名のロマン


    ☆牛久、斎藤裕に勝ったフェザー級・裏最強!! ユータ&ロックは実在した!!


    ☆オール・ユー・ニード・イズ・キル!! ループする榊原信行


    ☆ROADtoUFC準優勝でも契約?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク


    ☆【UFCトーク】イリーの愛すべき不安定さ、風間敏臣vs中村倫也の展望■水垣偉弥


    ☆続・飯伏幸太騒動…レスラーと背広組はわかりあえない■事情通Zの「プロレス 点と線」


    ☆いったい何が? コロナ陰性「偽造」証明書の偽造事件?


    ☆新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方■「斎藤文彦INTERVIEWS」


    ☆ノアの節目で起きる小島聡のGHC挑戦■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ☆【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」


    ☆注射器を持ち込んだデスマッチファイター第2の人生、サムタック・ジャックの場合

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はTHE MATCH2022を12000字で振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――笹原さん、THE MATCHおつかれさまでした。
    笹原 ……いろんなことが起こりすぎて、ところどころ記憶が抜け落ちてます。だってメインが終わって疲労困憊して後片付けをしていたら、ウチのスタッフがパスの偽造犯を捕まえて、結局警察まで一緒に行って事情聴取が終わったのが朝の4時ですよ!
    ――ハハハハハハハハ! 
    笹原 もう最後のほうは意識が朦朧としていて「……あれ?俺が捕まったのかな?」って思い込んじゃうくらい疲れてましたから。
    ――最後の最後まで、ただでは終わらないTHE MATCHってことですね。 
    笹原 まぁでも、THE MATCHのPPVが50万件を突破したことをABEMAさんから聞いて、一気に目が覚めましたよ! 50万ってとてつもない数字ですよ。普段は口もきかないABEMAの北野さんと抱き合いましたから(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 仲の悪さも数字で吹っ飛んだと。 
    笹原 普段は口もきかないというのはもちろん冗談ですけど、ABEMAも数字はもちろん上がってほしいけど、あまりにアクセスが集中すると…みたいな不安もあったみたいなので、大きな事故もなく配信できてこの数字を叩き出したのは本当に凄いですよね。間違ってABEMAがボクに社長賞とかくれないですかね?
    ――厚かましすぎですよ!そんなことよりも一部のファンが「今回の儲けが“メイウェザー資金”になる!THE MATCHは実はTHE MONEYだった!」って戦々恐々としてますよ! メイウェザーが朝倉未来戦の記者会見に出ただけで2億円もらったとか言い出したこともあって。
    笹原 それ、デマですよ。会見に2億も払うわけないじゃないですか。まぁメイウェザーはそういう物言いをあえてしてるってことですね。
    ――なるほど。そうやってメイウェザーは己のブランドイメージを高めてるってことなんですかね。
    笹原  THE MATCHが商業的に大成功に終わったことで、あることないこと……いや、ないことでしかない噂が飛び交うと思いますから、皆さんも落ち着いてください。
    ――「笹原さんがABEMAの社長賞として2億円もらった」という噂が出かけないか不安になってきましたよ(笑)。それにしてもTHE MATCHの50万件突破って前代未聞の数字ですね。
    笹原 羽毛よりも口が軽い斉藤さんには教えられないですが、試合当日だけで過去のプロレス格闘技イベントのPPV件数の記録を突破しましたから。
    ――これまでのPPV記録は2002年の国立競技場『Dynamite! 』の10万件といわれてますけど、「試合当日だけ」の売上だけでその記録を……。
    笹原 軽く超えてますね。
    ――うわー、試合当日だけで軽く10万件を! それでよくサーバーが止まらなかったですねぇ。
    笹原 画質もめちゃくちゃ綺麗だし、100万件くらい申し込みがあっても大丈夫なくらいのサーバーを用意していたみたいですし、違法動画動画に関しては30人体制でバンバン叩きまくってるみたいです。6月20日の夜に天心vs武尊のメインだけをABEMAで無料放送したので、そこからPPVの購入者数はまだまだ増えそうですね。
    ――それは地上波がなくなったことも大きいんでしょうね。
    笹原 ノー地上波がブースターになったことは間違いないです。地上波がなくなったとたんにABEMAはこれまで以上のプロモーション展開をしたんですよ。具体的な金額は言えないですけど、聞けば「マジか!」って驚くほどのお金を使ってテレビコマーシャルを打つ、都内に広告トラックを走らせる、駅広告を出しましたから。「ここぞ!」というタイミングでお金を張ってギャンブルに勝ったって感じですよね。
    ――サイバーエージェントの藤田(普)社長は麻雀打ちですし、ボクとは時期が被らないんですが、雀鬼・桜井章一のところで麻雀を習っていて。恐れおおくて雀鬼の門下生アピールってできないもんですけど、雀鬼いわく「俺との関係を公言しているのは藤田くんと……オマエだけだ」と。まあボクのことは、ものすごく苦々しく口にしてましたけど! 
    笹原 そりゃあABEMAとDropkickじゃ50万どころが5億倍以上の違いがありますよ! だいたい今回は相手が降りた瞬間にリーチして、直後にリャンピンを暗カンしたらドラがモロ乗りして、安パイがなくなったフジテレビが暗カンの壁を頼りにフジテレビマークと同じ目玉のイーピンを振り込んで、裏をめくったら裏ドラもモロ乗りでリーチタンヤオの手が数え役満になったみたいな話ですよ!
    ――麻雀に興味がない人がついてこられないです! それにしても地上波が消えたことでネットPPVの記録を作られた。時代の移り変わりをあらわすイベントになったんですね。
    笹原 歴史が動く、パラダイムシフトが起きるときって自分たちの力ではない見えない力が働くんだろうなって思いました。“神の配剤”じゃないですけど、たとえば武尊選手が6月にケガをしていなければ、昨年末にこの試合が行なわれていたらって考えると、本当にいろんな偶然が重なっていますよね。
    ――仮に昨年末に実現していたら、間違いなくPPVのこの数字は出なかったでしょうし。
    笹原 アメリカの人口と比べると日本は3分の1程度。そう考えると今回の結果はアメリカでいえば150万件規模。アメリカでは100万件が大成功のひとつの目安になっていますけど、日本市場もそのポテンシャルがあるってことを証明できたってことですよね。
    ――海外のPPVはなかった理由は何かあるんですか?
    笹原 海外配信の話もあったんですけど、やはりキックボクシングはドメスティックなジャンルで、海外ではビジネスにできるほどの反響はないんですよ。
    ――キックって日本独自の文化に近いですもんね。
    笹原 でも私が聞いた話だとダナ・ホワイトはTHE MATCHのことは全然知らなくて、「ああ、あのメイウェザーとやった選手(那須川天心)出るのか」程度で。ただ、東京ドームが完売したゲート収入の話を聞いたら「……おいおい、詳しく話を聞かせてくれ!」って前のめりになったそうですけど(笑)。
    ――さすがはダナ・ホワイト(笑)。THE MATCHというイベント自体が素晴らしかったですね。
    笹原 RIZINからは選手は誰1人も出てないんですけどね(笑)。
    ――選手じゃないですけど、オープニングの高田キャプテン、映像制作の佐藤大輔、選手コールでレニー・ハートさん。RIZINが運営としたことで、イベントの雰囲気はRIZINそのものでしたね。
    笹原  そりゃそうなりますよ。べつにRIZINっぽくしてやろうと思って作っているわけじゃなくて、絶対に面白いものにしてやろうという一心だけなんですけど。
    ――お客さんの反応も「RIZIN演出最高だ!」みたいな声が圧倒的でしたし。
    笹原 今回の特効(特殊効果)だって東京ドーム史上最大くらいに火薬や炎の機材や液体燃料を使ってますし、とにかくお客さんを楽しませて、驚かせて、選手にもやる気になってもらう! といういつも通りのスタンスでやったという感じです。
    ――THE MATCHはRIZIN、K-1、RISEの合同興行ですけど、こうした新規イベントをイチから作り上げるって相当大変だったんでじゃないですか。
    笹原 これは本当に大変でした。選手が「THE MATCH2をやりたい」とか一夜明け会見で口にするたびに耳を塞いでましたから(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    笹原 たとえばプレスリリースや、SNSのアカウントの運用、記者会見の進め方、券売管理、営業セールスのすり合わせ、競技運営とか、とにかくあらゆる実務の作業を本当にゼロから組み立てなきゃいけませんでしたから。
    ――リングにしても新しく用意するところから始めて。
    笹原 K-1やRISEのリングだと、どちらかにアウェイ感が出ますから。RIZINのリングを使おうにも、RISEの選手と違ってK-1の選手は一度も試合経験はないですよね。なのでK-1でもRISEでもないリングを探してきました。そして中立のイベント性を表現するために純白のリングにしようと。コーナーポストを真っ白に塗り直したんですよ。だからぱっと見は「あれ?新しいリング作ったの?」って感じだったと思います。で、大会が終わったら赤と青に塗り直して戻すんですよ。
    ――だからグローブの色も白で。
    笹原 グローブも新しく用意しました。K-1とRISEのグローブはそれぞれメーカーが違いますからね。天心vs武尊のグローブに関しては、ボクシンググローブの老舗メーカーであるウイニングと決められてたんです。 だったら、他の試合もすべてウイニング製にしようとしたんですけど、あれって職人の手縫いなので間に合うかどうか……という問題もありましたし。
    ――ゼロから用意しなきゃいけないことだらけなんですねぇ。
    笹原 オープニングセレモニーも、そもそも「やらなくていいじゃないの?」という意見もあったんですよ。
    ――ああ、RIZINだとあたりまえだけど、やっていない団体の方が多いですもんね。
    笹原 天心武尊に関しては戻しの体重計量もあるし、「オープニングに出てもらうと2人に負担が増えるのでは?」とか、逆に天心武尊が中心のイベントなんだから「オープニングは2人だけで良いのでは?」とか……もうみんな好き勝手なことを言うわけですよ(笑)。それを1ミリずつ説得して、ようやくあのかたちになったんですよ。
    ――東京ドーム最大級の火薬量を使ったとは思えない、細かい話ですね(笑)。
    笹原 オープニングの曲もどうするか。今回は、旧K-1のオープニング曲だったプリンスの『エンドルフィンマシーン』を使いましたけど、そのあともK-1MAXのテーマ曲を流して、K-1 ワールドグランプリの曲を流す構想もあったんですよ。
    ――ガンマ・レイの神々しいやつ!(『Skeletons & Majesties 』)
    笹原 狙いとしてはキックボクシングの集大成という意味合いなんですけど、そうなると旧K-1のイメージが強いですよね。リングで戦うのはいまのK-1やRISEの選手たち。『エンドルフィンマシーン』だけは外さないようにして、そのあとは新生K-1、RISE、最後に天心vs武尊の煽り映像でも使用したエヴァンゲリオンの曲を流すかたちに落ち着きました。そう決まったのもたしか大会の5日くらい前ですよ(笑)。
    ――オープニングの構成だけでも、そんなに気を遣うわけですねぇ。
    笹原 リングアナやラウンドガールもそれぞれの団体から派遣されてますから、偏りがないようにどこで登場するか調整して……メインのリングアナはRIZINの太田(真一郎)さんで、ラウンドガールはK-1、RISEからそれぞれ2人にしてとか、とにかくバランスをとることに腐心していた感じです。
    ――調整作業を想像しただけで吐きそうになってきました。
    笹原 RIZINは選手も出してないし何もやってないじゃないか……って思われるかもしれないですけど、死ぬほど細かい作業を延々とやってたんですよ。
    ――じつは6月上旬にRIZIN LANDMARKをやろうとしてたけど、もし強行していたらTHE MATCHも修羅場になってたでしょうね(笑)。
    笹原 社長は「LANDMARKもできるだろ」と、あいからわず地獄のプロモーターなことを言ってましたけど、THE MATCHの準備をし始めたらシャレにならん仕事量だと気づいて、「LANDMARKは絶対に無理です!」と懇願して思い留まってもらいました(笑)。15万字・記事20本詰め合わせセットはまだまだ続く……
     
  • RIZIN広報・笹原圭一のエンドルフィンマシーン的THE MATCH!!

    2022-06-26 18:48  
    180pt
    毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回はTHE MATCH2022を12000字で振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事110円から購入できるバックナンバー】・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
    ・【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏
    ・ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」
    ・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り
    ――笹原さん、THE MATCHおつかれさまでした。
    笹原 ……いろんなことが起こりすぎて、ところどころ記憶が抜け落ちてます。だってメインが終わって疲労困憊して後片付けをしていたら、ウチのスタッフがパスの偽造犯を捕まえて、結局警察まで一緒に行って事情聴取が終わったのが朝の4時ですよ!
    ――ハハハハハハハハ! 
    笹原 もう最後のほうは意識が朦朧としていて「……あれ?俺が捕まったのかな?」って思い込んじゃうくらい疲れてましたから。
    ――最後の最後まで、ただでは終わらないTHE MATCHってことですね。 
    笹原 まぁでも、THE MATCHのPPVが50万件を突破したことをABEMAさんから聞いて、一気に目が覚めましたよ! 50万ってとてつもない数字ですよ。普段は口もきかないABEMAの北野さんと抱き合いましたから(笑)。
    ――ハハハハハハハハ! 仲の悪さも数字で吹っ飛んだと。 
    笹原 普段は口もきかないというのはもちろん冗談ですけど、ABEMAも数字はもちろん上がってほしいけど、あまりにアクセスが集中すると…みたいな不安もあったみたいなので、大きな事故もなく配信できてこの数字を叩き出したのは本当に凄いですよね。間違ってABEMAがボクに社長賞とかくれないですかね?
    ――厚かましすぎですよ!そんなことよりも一部のファンが「今回の儲けが“メイウェザー資金”になる!THE MATCHは実はTHE MONEYだった!」って戦々恐々としてますよ! メイウェザーが朝倉未来戦の記者会見に出ただけで2億円もらったとか言い出したこともあって。
    笹原 それ、デマですよ。会見に2億も払うわけないじゃないですか。まぁメイウェザーはそういう物言いをあえてしてるってことですね。
    ――なるほど。そうやってメイウェザーは己のブランドイメージを高めてるってことなんですかね。
    笹原  THE MATCHが商業的に大成功に終わったことで、あることないこと……いや、ないことでしかない噂が飛び交うと思いますから、皆さんも落ち着いてください。
    ――「笹原さんがABEMAの社長賞として2億円もらった」という噂が出かけないか不安になってきましたよ(笑)。それにしてもTHE MATCHの50万件突破って前代未聞の数字ですね。
    笹原 羽毛よりも口が軽い斉藤さんには教えられないですが、試合当日だけで過去のプロレス格闘技イベントのPPV件数の記録を突破しましたから。
    ――これまでのPPV記録は2002年の国立競技場『Dynamite! 』の10万件といわれてますけど、「試合当日だけ」の売上だけでその記録を……。
    笹原 軽く超えてますね。
    ――うわー、試合当日だけで軽く10万件を! それでよくサーバーが止まらなかったですねぇ。
    笹原 画質もめちゃくちゃ綺麗だし、100万件くらい申し込みがあっても大丈夫なくらいのサーバーを用意していたみたいですし、違法動画動画に関しては30人体制でバンバン叩きまくってるみたいです。6月20日の夜に天心vs武尊のメインだけをABEMAで無料放送したので、そこからPPVの購入者数はまだまだ増えそうですね。
    ――それは地上波がなくなったことも大きいんでしょうね。
    笹原 ノー地上波がブースターになったことは間違いないです。地上波がなくなったとたんにABEMAはこれまで以上のプロモーション展開をしたんですよ。具体的な金額は言えないですけど、聞けば「マジか!」って驚くほどのお金を使ってテレビコマーシャルを打つ、都内に広告トラックを走らせる、駅広告を出しましたから。「ここぞ!」というタイミングでお金を張ってギャンブルに勝ったって感じですよね。
    ――サイバーエージェントの藤田(普)社長は麻雀打ちですし、ボクとは時期が被らないんですが、雀鬼・桜井章一のところで麻雀を習っていて。恐れおおくて雀鬼の門下生アピールってできないもんですけど、雀鬼いわく「俺との関係を公言しているのは藤田くんと……オマエだけだ」と。まあボクのことは、ものすごく苦々しく口にしてましたけど! 
    笹原 そりゃあABEMAとDropkickじゃ50万どころが5億倍以上の違いがありますよ! だいたい今回は相手が降りた瞬間にリーチして、直後にリャンピンを暗カンしたらドラがモロ乗りして、安パイがなくなったフジテレビが暗カンの壁を頼りにフジテレビマークと同じ目玉のイーピンを振り込んで、裏をめくったら裏ドラもモロ乗りでリーチタンヤオの手が数え役満になったみたいな話ですよ!
    ――麻雀に興味がない人がついてこられないです! それにしても地上波が消えたことでネットPPVの記録を作られた。時代の移り変わりをあらわすイベントになったんですね。
    笹原 歴史が動く、パラダイムシフトが起きるときって自分たちの力ではない見えない力が働くんだろうなって思いました。“神の配剤”じゃないですけど、たとえば武尊選手が6月にケガをしていなければ、昨年末にこの試合が行なわれていたらって考えると、本当にいろんな偶然が重なっていますよね。
    ――仮に昨年末に実現していたら、間違いなくPPVのこの数字は出なかったでしょうし。
    笹原 アメリカの人口と比べると日本は3分の1程度。そう考えると今回の結果はアメリカでいえば150万件規模。アメリカでは100万件が大成功のひとつの目安になっていますけど、日本市場もそのポテンシャルがあるってことを証明できたってことですよね。
    ――海外のPPVはなかった理由は何かあるんですか?
    笹原 海外配信の話もあったんですけど、やはりキックボクシングはドメスティックなジャンルで、海外ではビジネスにできるほどの反響はないんですよ。
    ――キックって日本独自の文化に近いですもんね。
    笹原 でも私が聞いた話だとダナ・ホワイトはTHE MATCHのことは全然知らなくて、「ああ、あのメイウェザーとやった選手(那須川天心)出るのか」程度で。ただ、東京ドームが完売したゲート収入の話を聞いたら「……おいおい、詳しく話を聞かせてくれ!」って前のめりになったそうですけど(笑)。
    ――さすがはダナ・ホワイト(笑)。THE MATCHというイベント自体が素晴らしかったですね。
    笹原 RIZINからは選手は誰1人も出てないんですけどね(笑)。
    ――選手じゃないですけど、オープニングの高田キャプテン、映像制作の佐藤大輔、選手コールでレニー・ハートさん。RIZINが運営としたことで、イベントの雰囲気はRIZINそのものでしたね。
    笹原  そりゃそうなりますよ。べつにRIZINっぽくしてやろうと思って作っているわけじゃなくて、絶対に面白いものにしてやろうという一心だけなんですけど。
    ――お客さんの反応も「RIZIN演出最高だ!」みたいな声が圧倒的でしたし。
    笹原 今回の特効(特殊効果)だって東京ドーム史上最大くらいに火薬や炎の機材や液体燃料を使ってますし、とにかくお客さんを楽しませて、驚かせて、選手にもやる気になってもらう! といういつも通りのスタンスでやったという感じです。
    ――THE MATCHはRIZIN、K-1、RISEの合同興行ですけど、こうした新規イベントをイチから作り上げるって相当大変だったんでじゃないですか。
    笹原 これは本当に大変でした。選手が「THE MATCH2をやりたい」とか一夜明け会見で口にするたびに耳を塞いでましたから(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    笹原 たとえばプレスリリースや、SNSのアカウントの運用、記者会見の進め方、券売管理、営業セールスのすり合わせ、競技運営とか、とにかくあらゆる実務の作業を本当にゼロから組み立てなきゃいけませんでしたから。
    ――リングにしても新しく用意するところから始めて。
    笹原 K-1やRISEのリングだと、どちらかにアウェイ感が出ますから。RIZINのリングを使おうにも、RISEの選手と違ってK-1の選手は一度も試合経験はないですよね。なのでK-1でもRISEでもないリングを探してきました。そして中立のイベント性を表現するために純白のリングにしようと。コーナーポストを真っ白に塗り直したんですよ。だからぱっと見は「あれ?新しいリング作ったの?」って感じだったと思います。で、大会が終わったら赤と青に塗り直して戻すんですよ。
    ――だからグローブの色も白で。
    笹原 グローブも新しく用意しました。K-1とRISEのグローブはそれぞれメーカーが違いますからね。天心vs武尊のグローブに関しては、ボクシンググローブの老舗メーカーであるウイニングと決められてたんです。 だったら、他の試合もすべてウイニング製にしようとしたんですけど、あれって職人の手縫いなので間に合うかどうか……という問題もありましたし。
    ――ゼロから用意しなきゃいけないことだらけなんですねぇ。
    笹原 オープニングセレモニーも、そもそも「やらなくていいじゃないの?」という意見もあったんですよ。
    ――ああ、RIZINだとあたりまえだけど、やっていない団体の方が多いですもんね。
    笹原 天心武尊に関しては戻しの体重計量もあるし、「オープニングに出てもらうと2人に負担が増えるのでは?」とか、逆に天心武尊が中心のイベントなんだから「オープニングは2人だけで良いのでは?」とか……もうみんな好き勝手なことを言うわけですよ(笑)。それを1ミリずつ説得して、ようやくあのかたちになったんですよ。
    ――東京ドーム最大級の火薬量を使ったとは思えない、細かい話ですね(笑)。
    笹原 オープニングの曲もどうするか。今回は、旧K-1のオープニング曲だったプリンスの『エンドルフィンマシーン』を使いましたけど、そのあともK-1MAXのテーマ曲を流して、K-1 ワールドグランプリの曲を流す構想もあったんですよ。
    ――ガンマ・レイの神々しいやつ!(『Skeletons & Majesties 』)
    笹原 狙いとしてはキックボクシングの集大成という意味合いなんですけど、そうなると旧K-1のイメージが強いですよね。リングで戦うのはいまのK-1やRISEの選手たち。『エンドルフィンマシーン』だけは外さないようにして、そのあとは新生K-1、RISE、最後に天心vs武尊の煽り映像でも使用したエヴァンゲリオンの曲を流すかたちに落ち着きました。そう決まったのもたしか大会の5日くらい前ですよ(笑)。
    ――オープニングの構成だけでも、そんなに気を遣うわけですねぇ。
    笹原 リングアナやラウンドガールもそれぞれの団体から派遣されてますから、偏りがないようにどこで登場するか調整して……メインのリングアナはRIZINの太田(真一郎)さんで、ラウンドガールはK-1、RISEからそれぞれ2人にしてとか、とにかくバランスをとることに腐心していた感じです。
    ――調整作業を想像しただけで吐きそうになってきました。
    笹原 RIZINは選手も出してないし何もやってないじゃないか……って思われるかもしれないですけど、死ぬほど細かい作業を延々とやってたんですよ。
    ――じつは6月上旬にRIZIN LANDMARKをやろうとしてたけど、もし強行していたらTHE MATCHも修羅場になってたでしょうね(笑)。
    笹原 社長は「LANDMARKもできるだろ」と、あいからわず地獄のプロモーターなことを言ってましたけど、THE MATCHの準備をし始めたらシャレにならん仕事量だと気づいて、「LANDMARKは絶対に無理です!」と懇願して思い留まってもらいました(笑)。・RIZINがこだわった唯一のポイント
    ・オープンスコアリングシステム
    ・ジャッジの基準は?
    ・大会中に起きたトラブル……
    ・リングサイドに呼ばれた芸能人・有名人は…
    ・那須川天心が始めて、武尊が終わらせた
    ・「RIZIN STREAM PASS」の運用……などなど12000字インタビューはまだまだ続く!
    この続きと、天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠…などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事20本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2106753この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!

     
  • 【技術解説】那須川天心vs武尊■鈴木秀明

    2022-06-24 21:13  
    130pt
    現役時代は「ムエタイキラー」として名を馳せ、「キックぼんやり層」にその面白さを解説してくる鈴木秀明氏。今回は那須川天心vs武尊を解説します! 【1記事から購入できるバックナンバー】・【メイウェザー劇場】「天心くんもやるべきことはやってたんですが……」■鈴木秀明
    ・ボクシング門戸解放の裏側…那須川天心のバンテージは誰が巻く?■山田武士
    ・那須川天心vsロッタンはここがヤバかった■ムエタイキラー鈴木秀明
    ・【キックの黒船】ブシロード体制のKNOCK OUTとは何だったのか■鈴木秀明
    ──今日は鈴木秀明さんをゲストにお呼びいたしまして、キックぼんやり層に優しい天心vs武尊講座を行ないます。鈴木さん、よろしくお願いします。
    鈴木 こちらこそよろしくお願いします。
    ──鈴木さんはこの試合をどんなかたちでご覧になったのでしょうか?
    鈴木 ジムの指導があったので、ジムの練習が終わってからすぐに家に帰って、遅れながらのPPV視聴です。
    ──ネタバレは大丈夫だったんですか?
    鈴木 それはもう誰ともその件を話さないように(笑)。
    ──SNSも迂闊にチェックできなかったわけですね(笑)。いろいろとお話を聞きしますが、まず契約体重や試合当日計量など条件設定はどちらが有利だと思われましたか?
    鈴木 これはどちらが優位というよりも、お互いに勝負できるギリギリの条件なのかなと。武尊選手が55キロまで落とすことは無理だったと思いますし、逆に大きくすると計量後のリカバリーで天心選手が不利になってしまう。ボクは57.5キロが落としどころかなとは思っていたんですけど。
    ――58キロ契約の当日計量が62キロ。
    鈴木 お互いがいま戦えるラインだったのかなとは思いますね。
    ──ここが着地点だったということですね。
    鈴木 天心選手は55キロにも落ちる選手だし、これから先のボクシングではバンタム級を視野に入れてると思うので。そこを目指してる選手があんまり上げすぎてしまうのはこれから厳しくなってしまう。武尊選手が落とすのにも限界があるってことで、命に負担がかからないように落とせて、なおかつ動けるギリギリの体重なのかなと。
    ──ワンキャッチ・ワンアタックOKはどう思われました?
    鈴木 世界的にいろいろキックボクシングのルールがある中で、一度でも掴んじゃダメというルールはK-1だけなんですよね。海外のグローリーや他の団体はみんなワンキャッチはありなんですよね。そこを世界標準にしていくのであれば、ワンキャッチルールのほうが世界的にもいいのかなとは思います。
    ──ワンキャッチ・ワンアタックを認めていないK-1の武尊選手は、そこの対応は問題のない選手ではあったんですよね。
    鈴木 だと思いますけど、何年もやってないから、そこはちょっと……。掴んでるところでは、天心選手がうまくクリンチを使いましたよね。
    ──そのクリンチが今回ポイントになってくるわけですが……1ラウンド目の動きはどうご覧になりました?
    鈴木 ボクは武尊選手もある程度ステップを使って、お互いに早い攻防になるのかなと思ったんですが……武尊選手はもう最初から差し違えるぐらいの覚悟を持って、すり足で勝負をかけてきましたよね。対する天心選手はいつもどおりステップを使って、序盤にジャブをうまく当て始める。ミドルキックやボディストレート、左ジャブストレートも変化をつけて散らすように打った。それでも引かずに前に出てくる武尊選手にジャブを合わせていく。天心選手は最初から距離をうまく作りましたよね。うまく主導権を握っているので武尊選手が出した攻撃にすぐリターンしてるんです。自分がやられて終わってない。武尊選手が攻めようとする前の瞬間にジャブ、ちょっと長い技をぱっと当てる。揺さぶって距離を作っていった感じです。
    ──刺し違える覚悟で前に出ていったのは武尊選手なんだけど、天心選手は即対応して攻め手を許さなかったと。
    鈴木 そうです。ジャブがうまく内側から突けたことで、いい感じに距離をコントロールできた感じです。ジャブをきれいに当てることによって、そこに同じ道ができるというか、左ストレートもすっと入っていける。ワンツーを打ったり、ワンツーからのワンをアッパーから打ったり。
    ──それはもう武尊選手も対応がすごく難しくなるんですね……。
    鈴木 攻めたい武尊選手はジャブを食らって中に入って、一気に自分のペースに持っていきたかったんでしょうね。だからジャブをもらう数が多くなっていったのかなと。
    ──そして1ラウンド後半に武尊選手のアゴを撃ち抜いてダウンを奪った。
    鈴木 これ、天心選手の得意技なんですよね。相手が入ってきてパンチを打つ瞬間、そのパンチを潜りながらカウンターをとる。普通はあんな風には取れないんですけど(苦笑)。
    ──苦笑いするしかないと(笑)。
    鈴木 いやあ、なかなか難しいですね。ちょうどお互いの右がクロスしてるんですよね。武尊選手の右のストレートと、天心選手の右のジャブがうまく交差して。交差した次の瞬間に天心選手の頭がすっと一緒に潜っている。武尊選手はそのまま左フックにモーションが入っていることで、身体が少しだけ上がっている。そこを天心選手の左フック。引き込んで決めるこのパターンはいっぱい練習してきたんじゃないかなとは思います。この一撃は本当にすごいですよね。
    ――引き込んで決めるすごさ。 
    鈴木 そこまでの作り込みですよね。武尊選手の動きを読んでるわけだし、武尊選手が強引に欲しがったところで……。
    ──武尊選手が強引に欲しがったのは、焦っていたところもあったんでしょうか。
    鈴木 一気に潰すぐらいのつもりはあったと思うんですが、本当に刺し違えようと思っていたんでしょうね。ボクシングの定石なんですが、ジャブを当てられるんであればジャブで取り返すというか、ジャブの取り合いをよくやるんですね。その取り合いの中でリズムを図り合うってことをするんですけど、武尊選手は今回それはほとんどなく。右を狙ってそのまま左を繋げる自分の得意なパターンに持っていこうとしてたんですよね。
    ──最初から強引に。
    鈴木 当ててやろうっていう気持ちがすごく強かったんだと思います。
    ──武尊選手のセコンドから「ジャブは捨てろ」という指示があったそうなんですよね。
    鈴木 あー。
    ──その指示は天心選手にも聞こえていて。その冷静さも怖いんですけど。だったらちょっと強めにジャブを入れてやろうと。
    鈴木 ということは武尊選手の狙いと、セコンド側の戦略は一緒だったと。ジャブをいくらもらっても右ストレートを当てる。ジャブをもらってもそのまま強引に巻き込んで、ラッシュに持っていく。どんなに食らってもいいから、そのあとに返していけば、どこかで捕まえられる……っていう考えが武尊選手やセコンドにあったのかもしれないですね。
    この続きと、天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠…などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事20本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2106753この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」

    2022-06-24 19:58  
    130pt
    デビュー戦を白星で飾ったUFCフライ級ファイター平良達郎インタビュー!  日本の格闘技界を背負う無敗の男の素顔に迫りました!(聞き手・ジャン斉藤、撮影・黒田史夫)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー
    ・【vs浅倉カンナ】SARAMI「彼女はもう、充分いい思いしたじゃん」
    ・自由すぎる投神・倉本一真「RIZINに出るまでは週3の練習だったのを奥さんが……」
    ・【戦慄のオリンピアン】太田忍インタビュー「ひとりずつ潰していく」
    ──沖縄が舞台のNHK朝ドラ『ちむどんどん』は、ごらんになってますか?
    平良 見てないです。「『ちむどんどん』観てます?」って試合が終わってから、もう5回ぐらい聞かれて……。
    ──もうウンザリですか(笑)。
    平良 主演が沖縄の子だし、朝ドラ見たことないけど、見てみようと思って。ネットで買ってみたんですけど……見る前に有効期限が切れてしまって……。
    ──ハハハハハハ!
    平良 せっかくなんで見たいと思ってます。沖縄が舞台なので。
    ──ところで沖縄の人って「ちむどんどん」って日常会話で口にするんですか?
    平良 絶対に言わない(笑)。もう聞いたことないです。
    ──えっ!? 
    平良 「ちむどんどん」の意味もわかりませんでした。
    ──それはビックリですけど、沖縄の地域によって言語も違ってくるんでしょうねぇ。平良選手が所属するパラエストラ沖縄は那覇市の中心地に位置しますが、平良選手のお住まいはジムの近くなんですか?
    平良 車で5分10分ぐらいのところです。
    ──じゃあ、いつでもすぐ練習に来れる感じで。
    平良 そうです……近いから通ったみたいな(笑)。
    ──いや、いちばん重要な動機ですよ!
    平良 はい、近くにジムになかったら……そこも運命だと思ってます。
    ──格闘技以外の趣味って何かあったりするんですか?
    平良 格闘技以外はいまはないですね……。前はNetflixとかいっぱい観てましたけど、最近は何もしてないです。
    ──Netflixは格闘技に集中しても観られるんじゃないですか?
    平良 観れるんですけど、なんかもう面白いものに出会えなくて……。
    ──ああ、それはありますよね。作品がたくさんありすぎて選べないってやつ。
    平良 はい。何を見ていいかわかんなくなっちゃって。
    ──ちなみに以前はNetflixで何を観てたんですか?
    平良 『進撃の巨人』とか『NARUTO』、『ONE PIECE』、『DEATH NOTE』とか。ハマったらすごいペースで見ちゃうんですけど、いまはハマれそうなやつがなくて。……『キングダム』にハマろうかなと思ってます。
    ──日本のアニメ作品ですね。『鬼滅の刃』はチェックしてないんですか?
    平良 『鬼滅の刃』は流行ってるので、見とこうかなと思ったんですけど、なんかノレなくて……。途中でリタイヤしちゃいました。ちょっと期待しすぎちゃったのかなって。
    ──じゃあ、いまは本当に格闘技に集中してる感じですね。平良選手で印象的だったのは21年11月VTJ試合後の「本気で格闘技を仕事にしたい。これで生活していきたい」というマイクなんですけど。大学4年で卒業まであとちょっとなのに、やめられていたんですよね。
    平良 この年に頑張らないと卒業できないってのがわかってて。4月からはけっこう意気込んでいて、挽回して卒業するって親とも約束してたんです。でも、4月に修斗のタイトルマッチで決まって、そこに仕上げていく段階で大学の課題がどんどん積もっていって……。
    ――7月の修斗のタイトルマッチ(福田龍彌戦)と、大学の課題がバッティング。
    平良 とりあえず、課題は試合に勝って終わってから考えよう……みたいなマインドに切り替わっちゃって。勝ってマイクでしゃべっているときに「……よし、大学をやめよう!」みたいな気持ちになりました。
    ──修斗王者になって決めたことは大学中退ですか!(笑)。
    平良 最初は親に怒られましたけど……。
    ──「チャンピオンになった」「おめでとう」「そして大学をやめます」「は?」ってなりますよ(笑)。
    平良 怒りますよねぇ。でも、「もう好きにしていいよ」みたいな感じになってくれて。
    ──念のためですが、卒業する気はあったんですね?
    平良 ありました。でも、格闘技のほうを……。あと半年頑張っても単位的に卒業できなくて……。
    ――ああ、卒業自体が無理だと。
    平良 半年ぐらい延長しないと卒業できなかったので。お父さんとお母さんはちゃんと大学を出てほしかったみたいですけど。卒業してもどこに就職したいとか夢もない。「格闘技でチャンピオンになりたい」っていう目標はあったので。
    ──ちなみに何を学んでたんですか?
    平良 福祉文化学科の健康スポーツというところに通ってました。障害者スポーツ免許とか福祉と繋がってて。それはそれで楽しかったんですけど、やっぱり座学とかは苦手で。大学って90分授業があるんで「……長いな」って思いながらずっと通ってました。
    ――5分3ラウンドとは違いますよね。
    平良 なによりやっぱりモチベーションがないと難しいんだなって。
    ──大学4年間ってモラトリアムな時期だったりするんですけど、平良選手が見つけた将来は「総合格闘技」だったということなんでしょうね。
    平良 そういうことですね、はい。
    ──4年生になった段階から就職活動はしてなかったってことですね?
    平良 それはしてなかったです。両親はもうとりあえず卒業できるか、できないかだけで見てて……。ここまできたら格闘技をやるんだろうなぐらいで見てて。
    ――大学を卒業しても格闘技で食っていくことは松根さんには相談されてたんですか?
    平良 うーん、「大学どうなの?」みたいな話はちょっとするけど、まあ就職はしないだろうなって思われてました。そこの相談はしなかったですね。大学をやめるって伝えたときは「もったいねー!」「マジで!?」ってずっと言ってました。
    ──格闘技1本で食っていくにしろ、大学は出ていたほうがいいってことですね。
    平良 残り半年のタイミングでやめたんで「あと半年、頑張ればいいじゃん」みたいなこと言ってくれたんですけど。
    ──本来だったら卒業していた時期にUFCと契約をしたわけですけど、中退時はどんなビジョンを描いてたんですか?
    平良 ボクが格闘技で食べていけるようになるまでは、格闘技をやりながらできる仕事やバイトとか探してやってたと思います。
    ──そう考えるとUFCと契約できた環境は上々の滑り出しですね。平良 最高の滑り出しで。他の大学4年生はみんなスーツを着て就活したり、課題に追われて大変なのかなとか思ったりしたんですけど。春休みとかみんなが遊んでるときにボクはジムで追い込みをやってたんで……それがボクにとっての“就活”じゃないですけど。
    ──気分的にはUFCに就職した感じがあるわけですね(笑)。
    平良 はい。就活してるなあーって(笑)。
    ──変な話コンテンダーズシリーズからだったら、正社員じゃないわけですもんね。
    平良 そうですね。UFCに社員として採用してもらいました。
    ──平良選手の22歳という年齢だと、格闘技が身近にある世代ではなかったわけですよね。
    平良 ライブでは見たことないんですけど、ボンヤリはあります。なんか大晦日にチェ・ホンマンが戦ってたなって……。
    ──身体がデカイって印象に残るという(笑)。
    平良 でもPRIDEとかはまったく知らなくて。
    ──最初に知るスポーツというと、やっぱりサッカーや野球になっちゃいますか。
    平良 ボクは野球ですね。お父さんが大好きだったので、小さい頃からキャッチボールをやってて。野球部に入ってほしいんだろうな……っていうお父さんからのちょっと無言の圧は受けてて(笑)。
    ──沖縄は野球が盛んですもんね。
    平良 はい。お兄ちゃんがサッカーに行っちゃったんですよ。ボクもホントはサッカーのほうが好きだったんですけど……。
    ──世代的にサッカーのほうが子供には人気があったりしますね。
    平良 そうですね。でも野球に行きました。
    ──楽しかったですか、野球?
    平良 野球は野球で楽しかったです。ただ、あんまり向いてないな……って感じてましたね。背も小さかったんであんまり打球も飛ばなかったり。楽しかったですけど、もっと遠くに飛ばしたいなと思いながらやってましたね。
    ──高校まで格闘技とはまったく接点がなかったんですよね?
    平良 まったくなかったです。
    ──高校から格闘技を始めて、22歳でUFCと契約ってすごい展開ですね。
    平良 ボクも全然考えられない感じです。色褪せた入会当時の写真
    ──パラエストラ沖縄に通い始めてから、どの頃から格闘技に手応えを感じたんですか?
    平良 自分が入門したては、ジムにいたプロシューターは仲宗根武蔵さん1人だけだったので。練習ではすっごい強かったその武蔵さんが、試合で負けちゃう世界なんだ、やっぱり厳しいんだな……って思いながら練習してて。あと先輩たちがみんなアマ修斗のトーナメントに挑戦してる姿を見てきてたので、自分もそうなりたいなと。プロに昇格して、ランキングに入ったぐらいのときから「意外と行けるじゃん」みたいになりましたけど、やっぱりずっと自信はなかったっていうか……。本当に強い先輩たちが負けていくのを見てたりもしてたので、「いずれ負けんだろうな俺も……」と思ったりもしました。だからこそ負けないように練習を頑張ろうと思って。
    ──格闘技を始めた当初の平良選手には憧れの格闘家がいたり、何か格闘技イベントに影響を受けたんですか? 世代的にTHE OUTSIDERに憧れてるとか。
    平良 THE OUTSIDERはまったく観てないですね。
    ──最近だとRIZINや朝倉兄弟に憧れて格闘技を始める選手は多いですけど、平良選手の場合は誰なのかなと。
    平良 誰かに衝撃を受けて……とかはないですね。
    ──ジムの先輩方の背中を見てきたという。
    平良 そうですね。修斗しかなんかわからなくて、あんまり格闘技の知識がなかったので、パンクラスやDEEPの存在もあんまりわからなくて……。それこそ先輩たちが出る興行を見て選手の名前とか知っていって、修斗の選手だけに異常に詳しくなって(ニコニコ)。
    ──それは修斗の歴史も含めて……。
    平良 歴史的にはあまり知らないですねぇ。なんかもうぼんやりというか、松根さんとかから話を聞いて。佐藤ルミナさん、ヒクソンや中井祐樹先生がすごかった話を徐々に知ってきた感じですね。
    ──あのー、修斗創始者の佐山聡さんが初代タイマーマスクだったことは知ってますか?
    平良 はい、知ってます!
    ──安心しました!(笑)。高校から始めて圧倒的成長を遂げられたのは、パラエストラ沖縄の環境にも恵まれていたからなんですかね。
    平良 そうですね。野球のコーチだとミスをすると「何してんだオマエ!!」って怒るんですけど、松根さんや先輩方は怒らない。最初はミドルキックを蹴ることも難しかったですけど、ていねいに教えてくれましたし。ちょっと自由な感じで楽しいなって思えたことで格闘技を続けられましたね。
    ──あんまり怒られるのイヤですか?
    平良 イヤですね……(ニッコリ)。両親からはいまでも怒られますけど。
    ──どんなことで怒られますか?
    平良 試合になると遠征が多いんですけど、いつも前日の夜にならないと準備にとりかかれない。「前もってやりなさい!」とか。ちょっとのんびり屋ってよく言われます。「なんでダラダラしてんの?なんでお母さんが焦らないといけないの?」みたいな感じで怒られます……。
    ――ハハハハハハ。
    平良 もう余裕を持ちすぎちゃってバタバタすることはありますね。そこは気をつけたいなって自覚はしてるんですけど。
    ──平良選手って試合ではチャンスを絶対にものにすると評価されてるじゃないですか。日常とは違うわけですね。
    平良 ああ、たしかに違いますね。
    ──試合になるとそこで一気呵成に攻められるのはどういうことなんですかね。
    この続きと、天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠…などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事20本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2106753この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!

     
  • 飛び立つもの、根を張るもの…那須川天心vs武尊

    2022-06-22 10:22  
    130pt
    この記事は那須川天心vs武尊を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【こじらせU系・第4弾】中井祐樹「サンキューUWF」
    ・ダチョウ倶楽部・上島竜兵とプロレス
    ・“怪物くん”鈴木博昭インタビュー「そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ……」
    ・【知りたいんでしょ!?】日本レスリングが東京五輪で強かった理由■保高幸子
    ある大物プロレスラーが「感覚が激する、それを感激という」と口にしたことがあった。前田日明だったか、忘れてしまったが……2022年6月19日、東京ドーム、那須川天心vs武尊、THE MATCH。世紀の一戦に多くの人間の感覚が激したことだろう。「天心はなぜ打ち合わないんだ!」という無理筋な批判だって感激がなせるわざだ。
    この試合のみ解説席に参加したK-1の中村拓己プロデューサーも感情が乱されていた。武尊敗戦を受けての茫然自失ぶりは、K-1のトップとしてひじょうに正しい。もし天心が負けていたら、RISEの伊藤隆代表も同様の振る舞いだったに違いない。
    我々ファンとしても、応援している選手の勝ち負けは、自分の生き方を肯定・否定されたかのような錯覚に陥る。それだけでその選手に自分を投影したり、愛しているという証でもある。勝利に歓喜したり、敗北に絶望するのは何ものにも代え難い瞬間。自分がなぜ格闘技を見ているのか、なぜ感覚が激するのか……その答えの最大公約数の場がTHE MATCHだった。この続きと、天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠…などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事20本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2106753この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • 【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2022-06-22 09:56  
    150pt
    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件です。

    <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    大谷晋二郎選手の試合中の事故について
    DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ
    『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
    新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
    令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
    東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
    プロレスと結婚した風間ルミさん
    武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」

    『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
    冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…


    ――小佐野さんはサイバーフェスの中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件はどう思われましたか? 中嶋選手の強烈な張り手を食らった遠藤選手が脳震盪から続行不可能になったわけですけど……。
    小佐野 解説者として現場にはいたんだけど、あのときは解説担当の試合ではなかったので、控室のモニターで見てました。テレビカメラだと角度的によくわからなかったんだよね。張り手は一瞬だし、どんなふうに手が当たっていたのかは全然見えてない。ただ、試合に関係のない坂口征夫がすぐにリングに上がってきて、遠藤を介抱したでしょう。やっぱり坂口が来たことで異常を感じたね。
    ――起きてはいけないアクシデントだったと。
    小佐野 どうしてこれだけ大きな話題になったかというと、今大会に至るまでのノアとDDTのお互いのディスり合いがすごかったからだよ。
    ――だからファンも余計に火がついてしまった現状があるわけですね。
    小佐野 余計に騒ぎになったんだと思う。サイバーファイトグループの4団体(DDT、ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレス)が集結して、提供試合や対抗戦があったんだけど。とても同じグループとは思えないディスり合いをしてた挙げ句の張り手だった。大会前の記者会見でも勝彦の張り手で小峠(篤司)が脳震盪を起こして、腰から崩れ落ちたりなんかして。それを見ていた秋山(準)が「あれはダメだろ」とツイートしてたから、なおさらだよね。
    ――よくできた流れだったわけですよね。
    小佐野 ダークマッチのDDT提供試合で、平田一喜の張り手でマッスル坂井が腰から崩れるシーンもあったりしたから。
    ――「張り手」がひとつのキーワードだったけど、選手や主催者の思惑を超えて転がりはじめたところはありますね。
    小佐野 正直、「見た人がどう感じたのか」でいいんですよ。「アクシデントだ」と思ってもいいし、「こういう展開を見せるのか」でもいいし、「これは許せない!」と怒ってもいいし、「DDTは弱いな」でもいいし……いろんな見方あると思うけど、見た人がどう解釈するかだから。
    ――自由に受け止めるのがプロレスってことですね。
    小佐野 目の前で起きたことをどう捉えてどう語るのかっていうのもプロレスの醍醐味。
    ――問題として捉えてもいいけど、「こんなのはプロレスじゃない!」と否定するとプロレスの存在が問われかねないですね。
    小佐野 それはあるよ。たとえば前田日明が長州力の背後から顔面を蹴ったのと一緒で。前田の行為が「プロレス道にもとる」みたいな話になっちゃったけど、「プロレスって反則以外は何してもいいんじゃないの?」と。
    ――あの前田さんの行為を「プロレス道にもとる」と批判した猪木さんのコメントに興ざめした印象があるんですが……。
    小佐野 マスコミや記者によっては捉え方は違うと思ったけど、私もすっごい違和感を覚えた。「じゃあ、プロレスはうしろから蹴っちゃいけないんですか?」って話になるから。結局、故意にやったか・やらないかなんて本人にしかわからないし、当時の私は全日本プロレスの担当。天龍革命の最中で、天龍さんが輪島さんの顔面をボッコボコに蹴って、輪島さんの顔に靴紐の跡がつくような激しいプロレスを見ていたから。猪木さんの発言には違和感はあったのが正直なところ。ただ、これは遠藤が大事に至らなかったから、こう言えるのであって。あまり例には出したくはないけど、大谷晋二郎のようなことになってしまったら……大問題になってるよね。
    ――やっぱり起きてはいけない事件ではあるわけですね。
    小佐野 今回の件は技術的なミスだと思う。
    ――それは張り手を見舞った中嶋選手のミスですか?
    小佐野 そう、打ったほうのミス。だって相手をKOするために張り手合戦をやるわけではない。要は互いの心意気というか、意地をぶつけ合うための張り手合戦。チョップの応酬もそうでしょ。
    ――一撃必殺を狙う技ではないですね。
    小佐野 一撃必殺だったら相手はディフェンスする。でも、そうじゃないから。チョップや張り手合戦で防御したら「こいつ逃げた」って印象になるしね。中嶋勝彦がこれでKOしてやろうと思ってやったとしたら、それはレスラーとしてどうかなと思うけど、どう見ても違うでしょう。
    ――倒れた遠藤選手を片足で踏みつけるようにフォールにいったのは、状況判断も兼ねてですよね。様子を見ていた。
    小佐野 あのまま足を乗っけてればフォール勝ちだったけど、勝彦はあえてカウント2で外してるわけだから。勝彦は遠藤が起きあがってくることを想定していたし、やっぱり試合を成立させたいっていうのは当然あるだろうからさ。
    ――つまり張り手でKOするつもりはなかったわけですよね。
    小佐野 だからそこは勝彦のミスなんだと思うし。
    ――遠藤が気を抜いていたってわけでもない。
    小佐野 それはないと思う。脳震盪に打たれ弱いとか関係ないよ。
    ――猪木さんや長州さんがロープブレークでも油断はするな、クリーンブレイクはないんだって姿勢ですけど。それとはまた違いますよね。
    小佐野 それとは違うもの。だって、あれはお互いに打ち合おうっていうもので、隙きあらば倒してやろうってものじゃないんだから。
    ――この騒動に火がついたのは、リング上で秋山さんが中嶋選手に詰め寄ったり、コメントブースで「プロレスをちゃんとやろうぜ」と批判したこともあります。
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  • 【UFCトーク】イリーの愛すべき不安定さ、風間敏臣vs中村倫也の展望■水垣偉弥

    2022-06-20 10:18  
    130pt

    北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るイリーの愛すべき不安定さ、風間敏臣vs中村倫也の展望(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)

    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・世界のTK“引退激勝”高阪剛16000字インタビュー
    ・朝倉海、中井りんはUFCと契約できるのか。サトシはオリベイラに勝てるのか?
    ・岡見勇信が語る世界に勝つ方法「中村倫也にGSPの姿が見えた」
    ・堀口恭司敗戦/平良達郎2週間スライドのポイント■解説・水垣偉弥

    ――『ROADtoUFC』ABEMA中継の2日連続解説、そしてUFCシンガポール大会の解説と、水垣さんにとってはハードな1週間でした!
    水垣 いやあ、怒涛の1週間でしたねぇ。ABEMAの中継はギリギリに決まったんですよ。もともとボクはナンバーシリーズだけで。FIGHT PASのほうでは宇野(薫)さんが『ROADtoUFC』の解説を担当することになってたので、完全に気を抜いてるところでのオファーで……。
    ――『ROADtoUFC』は東南アジアのまだ知られてない選手がけっこう出ましたから事前の準備も大変ですよね。まずUFCシンガポール大会ですが、イリー・プロハースカがUFC3戦目でライトヘビー級王座獲得。最終ラウンドの逆転劇にはビックリしました。
    水垣 いやあ、ホントにビックリしましたね。何回も「もうダメそうだな……」ってシーンから盛り返して。それはお互いさまで、テイシェイラがダメそうだなって場面もあったし。結局最終5ラウンド目まで勝負はもつれましたからね。
    ――ただ最終ラウンドにイリーがテイクダウンを許して、マウントまで取られたときは「今度こそ終わった……」って観戦の集中力が切れかけたんですよね(笑)。
    水垣 ボクも「終わったな……」と思いました。何度目の「終わった……」なのかわからないですけど(笑)。あのまま1本は取られないにしても「判定でもイリーの勝ちはないな」っていう感じもしたんで。
    ――ところが……ですもんね。
    水垣 いやあ、まさかイリーが1本勝ちするとは思わなかったですよね。
    ――テイシェイラがいちばん「えっ、まさか極めにくるの?……」って驚いたでしょうね(笑)。
    水垣 ボクの戦前の予想では、イリーが勝つなら早い段階のKO勝ちだったんですけど。遅い段階での1本勝ちはまったく予想外でしたね。
    ――5ラウンドにイリーが一本勝ちする確率は0.02パーセントだった……みたいなデータがあったとか。
    水垣 いやあ、それくらいの確率ですよねぇ。
    ――イリーのファイトスタイルって危なっかしくて結果的にシーソーゲームの面白さが発生しますね。
    水垣 基本的に普通に攻撃をしているだけだと思うんですけどね。
    ――なぜか面白い試合になってしまう(笑)。
    水垣 ピンチからの脱出能力も高い。もう毎回ピンチに陥っても、そこから盛り返しますから。正直、ボクにはよくわからないです(笑)。
    ――ハハハハハハ! 得体が知れないから北米でも人気があるんでしょうね。堅実に戦おうとすれば、それはイリーの良さが消えちゃうというか。
    水垣 そんな気がします。普通の選手になっちゃいそうですね。将来的にまとまりを見せるのかもしれないですけど、早急に固くやろうとすると失敗するような……。徐々に安定感を出していけばいいんじゃないですかね。
    ――相手もやりにくいですよね。「もう勝てるのかな……」って思ったところで、平然とカムバックしてくるわけですから。
    水垣 あれをやられると精神的に疲れちゃったりもすると思いますけどね。「……えっ、もうダメそうだったじゃん」みたいな(笑)。
    ――UFCデビュー戦のオーズデミア戦の序盤もそんな感じですもんね。
    水垣 最初に効かされてから逆転した感じですもんね。でも、あのファイトスタイルでUFCのタイトルを防衛し続けるのは、けっこうしんどいかなあと……。
    ――なかなか大変ですか。
    水垣 最強のチャレンジャーをずっと迎え撃つわけですから、あの安定感だとヘタしたら2回に1回ぐらい落としちゃいそうな……と言いつつ3連勝してそのままチャンプになっちゃった……って言い方もアレですけど(笑)。
    ――おかしなことやってるわけですね(笑)。
    この続きと、天心vs武尊、平良達郎、渡辺華奈、張り手事件、イリー戴冠…などの6月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事20本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2106753この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事130円から購入できます!
     
  • 新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方■「斎藤文彦INTERVIEWS」

    2022-06-20 09:53  
    130pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは新日本プロレスvsAEW「禁断の扉」の行方です!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38

    ■追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール
    ■【お家騒動】シェイン・マクマホンがWWEをクビに?


    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

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    ――今回のテーマは新日本プロレスvsAEWの対抗戦なんですが、その新日本の飯伏幸太選手がSNSで暴走しています。
    フミ 非常に現代的な騒ぎですね。これを問題とするか、問題としないのかは意見がわかれるところではあると思いますが、飯伏選手が公開したLINEの画面はすごく生々しくてリアルでした。あのLINEのやり取りがツイッターに公開されると、ほぼ瞬時にポジティブなものもネガティブなものもありとあらゆるレスポンスがたくさんついていって、それがずっと長く延びていくのもたいへん現代的だと思いました。
    ――プロレスのスキャンダルっていまに始まったことじゃないんですけど、こういったかたちで露出するのはSNS社会ですね。
    フミ まさにソーシャルメディアの時代、SNS全盛の現実そのものが現代的だし、登場人物の飯伏幸太も非常に現代的なプロレスラー。彼は新日本の野毛道場出身ではありません。新日本のヤングライオン出身の選手だったら、ああいうふうにツイートすることでメディア(というか世間)に情報を開示することに二の足を踏むというか、沈黙を守ると思います。野毛の合宿所育ちのヤングライオンとヤングライオン卒業生たちは、いい意味でも悪い意味でもコメントにブレーキをかける訓練、あまりよけいなことはいわずだいたいのことは黙っておくというお作法みたいなをたたき込まれているし、それが美徳であり一種の処世術になっている。
    ――飯伏選手は新日本流の教育を受けてきてないわけですね。
    フミ DDTという団体のメインイベンターだった選手が、メジャー新日本に発掘され、スカウトされるかたちで年間契約し、正式に入団して、G1を制覇してIWGP世界ヘビー級チャンピオンにまでなった。ものすごいことです。でも、飯伏が野毛道場育ちで、もし元ヤングライオンだったとしたら、こういったトラブルが表に出る可能性はすごく低かったと思います。アメリカのマニア層のこの騒動に対する反応がまた面白いんです。英語圏の人たちは飯伏がどんなツイートをしているのか興味があるので、Google翻訳にかけるわけですね。でも、飯伏の日本語はGoogleでは翻訳できないというか、うまく英語化しないんです。
    ――飯伏言語は翻訳できない日本語(笑)。
    フミ ロスト・イン・トランスレーションじゃないけれど、理路整然とした日本語だってGoogleの翻訳機にかけると、変な翻訳が出てきますから、飯伏のツイートがきっちり日本語のニュアンスどおりに翻訳されていないこともあって、今回の話にはおかしいくらい尾ひれがついていきました。アメリカのマニアのあいだでは、日本から観察しているとずいぶん荒唐無稽なストーリーがかなりすごいスピードで広がっていくんです。もちろん、個人の感想とか個人レベルでの予想とか、どう見ても不正確と思われる情報とこれは正確と判断するに足りると思われる情報とがまったく同じスピードで画面にアップされていく。でも、情報内容がソートされずにです。これもまたSNSの現在進行形的な現象です。
    ――ユークス体制の新日本プロレスで、ここまでのスキャンダルはそうそうなくて。昔の新日本は頻繁に起きて、リングで活かそうとしてうまく転がったり、不発に終わったり。
    フミ それがアントニオ猪木の世界論であるならば、揉め事はすべてリングの中に持ち込め、リング上で決着をつけろとなるかもしれないですね。しかし、その場合も選手同士の行き違いを試合に昇華しなさいという発想ですが。生産的といえばひじょうに生産的な発想なんです。
    ――今回は新日本プロレスの関係者とのあいだのトラブルですね。
    フミ この騒動がどうなるかは推移を見守るしかないですが、飯伏の気持ちになって考えてみるとを、このまま元のサヤに収まって新日本プロレスのリングに上がることはむずかしいんじゃないかなと感じます。SNSにコメントを公開した時点で、もう、気持ちが切れちゃっているんじゃないかなって。新日本は新日本で、首脳陣の話ですが、それはそれで仕方ないと納得しなければならない部分もある。やっぱり新日本の選手層は厚いし、プロレスラーの感覚からすると、自分より上にいた選手が1人抜けることはチャンスなんですね。そういう状況そのものを(自分にとって)ポジティブに受け止める選手もけっこういるんじゃないかな思いますね。
    ――プロレスは「俺が、俺が!」の世界ですもんね。飯伏問題はこのあとの展開を見るとして……新日本プロレスが電撃的に発表した、アメリカのプロレス団体AEWとの対抗戦です。
    フミ イベントのタイトルが「禁断の扉(Forbidden Door)」。「禁断の扉が開いた」というのは本来、第三者が“評価”として言うべきことで、当事者が言うことじゃないんですけどね(笑)。
    ――以前から新日本からAEWに選手が派遣されていたので、もともと開いていたんですが、トップレスラー同士の接触は初ですね。
    フミ どちらかといえば、アメリカのマニア層のほうがこの対抗戦に興奮しているんですね。今回の対抗戦は6月27日(現地時間は6月26日)にシカゴで行われますが、開催場所が日本でないこと、新日本はそれまでジュニアのリーグ戦やIWGP世界ヘビー級王座を巡る流れがあったりしますから。6月に入らないとなかなかプロモーションは難しい。5月中旬の大会発表の時点では日本とアメリカでファンの温度差はすごくあったんです。
    ――アメリカのマニアには新日本プロレスのことはWWEに次ぐ団体として認知はされているけど、AEWは勢いはあるとはいえ発足して数年だから、日本のファンはそこまで詳しくなかったりするかもですね。
    フミ 実際、新日本ワールドのほうでも、ようやくAEWのテレビ番組『ダイナマイト』と『ランペイジ』が日本語の実況・解説付きで配信されるようになった。レギュラーで映像がないと、日本のファンにとってもあまりピンと来ない。新日本ワールドの中にレギュラー番組というかたちで届けられるわけだから、これは両団体の業務提携に関してはこれまでよりも何歩も何歩も前進したことはたしかですね。アメリカ開催のPPV、今回の対抗戦は日本時間では月曜日午前9時開始だから、ライブ視聴が無理なファンも多いですよね。
    ――社会人は有給を取るしかないですねぇ。
    フミ もちろん動画配信なので、時間に関係なくオンデマンド方式でいつでも観られるのですが、やっぱりライブ(生配信)の価値が高いですよね。PPV1番組あたりの値段は4980円。アメリカではPPVはすでに30年以上、テレビ文化の日常として定着しているので、これくらいのグレードのイベントだったらそれほど理不尽に高い価格設定ではないです。だけど、新日本ワールドに毎月1000円払って見ている契約世帯が、さらに1番組あたり4980円を払いなさいって言われると、なかなかいい値段だなっていうイメージはたしかにありますね。
    ――日本のプロレスにPPVはまだ根付いてないですね。フミ 今年1月、横浜アリーナで開催された新日本プロレスとプロレスリング・ノアの交流戦もPPV生配信(視聴は1回のみ)で約4000円が課金されるシステムでした。ビッグイベントに対して4000円、5000円クラスの“チケット代”の設定は、ネット上のビジネスモデルとしてすでに定着しつつあるのかなという感覚はありますね。
    ――おそらく新日本とノアのPPVに強烈な手応えもあったんでしょうね。フミ いろんな他ジャンルの同年代の友人、知人たちに話を聞いても、日本人、外国人を問わずビッグアクトのコンサートを生配信で観るには4000円、5000円は高くないですよという返事が来る。「動画配信なのに5000円は高くないか」というのは、あくまでも東京や関東エリアに住んでいて比較的会場に足を運びやすい人たちの感覚で、地方在住のお客さんは東京のライブを観に来るために交通費や宿泊費など余分な出費がかかったりするわけです。5000円程度でライブ配信が観られるのであれば決して高くはない。消費者のほうでこの新しいビジネスモデルを認めている。
    ――PPVは昔からあるシステムですけど、ビジネスモデルにしっかりと組み込まれていくってことですね。
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  • 日本に外国人はやってこない? ROADtoUFC準優勝でも契約?■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2022-06-18 04:54  
    130pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は5月28日にニコ生配信されたものを編集したものです)


    【1記事100円から購入できる過去記事】・平本蓮vs安保瑠輝也消滅の内幕■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・平本蓮vs鈴木千裕決定の裏側/キッズMMAのパウンドについて
    ・扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題

     

    ――きょうは月に1度のお楽しみ、シュウ・ヒラタさんのMMAマシンガントークなんですが……シュウさん、かなりお忙しいみたいですね。
    シュウ そうですね。ボク、ニューヨークの道端に座ってやってます。
    ――えっ、どういうことですか(笑)。
    シュウ 平田直樹&樹選手に密着しているABEMAのカメラマンさんが明日、日本に帰るんですけど、PCR検査を忘れてまして。いまから連れていかないといけないんです。
    ――そんな状態でやっていただくのは申し訳ないんですけども(笑)。平田兄妹はABEMAの海外修行プロジェクトの一環として、ニューヨークに来てるんですね。
    シュウ はい。私はABEMAのコンサルタントとして、選手たちの受け入れ先を提案して交渉、手配してケアするということをやってるんですけども。どこのチームも簡単に受け入れてくれるわけじゃないんですよ。
    ――よく「アメリカン・トップチームに行けばいい」という声がありますけど、あそこに入るのは大変だったりしますね。
    シュウ 大変です。たとえば行けたとしても、事前にしっかりと話しておいて、プライベートレッスンとかも全部ブッキングするんですけども。そうなってくると有名コーチになればなるほど、有名な選手もいっぱい抱えちゃってるんで時間があまりないんですよね。
    ――やっぱり1人で見れる人数は限界がありますもんね。
    シュウ あります。もっとぶっちゃけなこと言っちゃえば、1試合3000万円ぐらい稼ぐ選手を見てるコーチは、その選手からパーセンテージもらうことを考えたときに、5パーセントでも150万円もらえるわけですからね。
    ――それだと日本からやってきた見知らぬ選手に、どれくらい親身になって指導できるかっていう話になっちゃいますね。
    シュウ そうなんですよ。ですから今回はABEMAさんの力をお借りして、それなりのフィーをコーチにオファーしてます。そういった交渉がすごく難しいんですよ。
    ――やっぱり予算があるといっても、時間をお金で買える場合と、買えない場合もありますもんね。
    シュウ そうなんですよ。お金を出せば面倒を見てくれるわけじゃないですからね。他の選手の試合が入ったら、コーチはそっちをサポートしなくちゃいけないわけですし。有名チームになるほど、選手なんて毎週のように試合してますからね。
    ――ゲストに時間を割いていると、いま指導している人の信用すら失いかねないってことですね。
    シュウ ですから海外修行は、きっかけだと思うんです。本当は数年間とか腰据えないと成果はえられないですよ。まずは、なるべく選手に合ったコーチまたは練習環境を選びたいですよね。樹選手の場合はグラップラーじゃないですか。フィニッシュ力も付けなくちゃいけないということで。今回は何箇所か提案した中から、彼女が10th Planetとセラ・ロンゴを選んだんですけども。10th Planetは和気あいあいとしていて、一般会員や女子も多くて楽しく練習できる感じなんですよ。セラ・ロンゴの場合はほとんどがプロ志向で、クラスも細かく緻密な感じで、マンツーマンの練習が多い環境なんですね。やっぱりクラスを教えてくるのがアルジャメイン(・スターリング)やマット・フレボラのようなUFCファイターだったり、練習相手もアルジョ(チームメイトはアルジャメインのことをこう呼んでます)とかメラブ(・ドバリシビリ)とかだから、トップ中のトップが一緒にやってくれるんで。
    ――濃密な練習ができるんですね。
    シュウ 今日はこれからガチスパーなんですけども。樹選手にとってはビッグデーだと思いますよ。自分の実力を測れる日だと思いますし。
    ――ニューヨークには村田夏南子選手も来てますし、魅津希選手に平田選手もいる。日本の女子トップが揃うのはなかなかいい絵ですね。
    シュウ いまや夏南子ちゃんがセラ・ロンゴをすごく気に入っちゃいまして。向こう2カ月ぐらいトライするためにニューヨークに来ることになったんですけど。ニューヨークの女子部は魅津希ちゃんが仕切ってるんですよ。若い子たちの面倒を見ていて女子部のボスになってますね。
    ――新庄ばりのBIGBOSS宣言をしてもらいたいですね(笑)。
    シュウ 平田兄妹が言っているのは、日本の練習に比べると技術重視なんですよね。ものすごい細かい技術を何回も教えて、その反復練習がすごく多いと。そこに大きな違いを感じるみたいですね。あとフィジカルのトレーナーにしても、10th Planetとセラ・ロンゴの2種類の違ったものを経験してるんで。こういった経験は何事にも代えられないことだと思うので、これからどうするかを考えてほしいですよね。
    ――以前からシュウさんが言われてるように、1回行ってみて、それをどう活かしていくかが重要だと。
    シュウ そうなんです。ぶっちゃけた話をしちゃうと、観光ビザだと3ヵ月以上こっちにいれないわけですから。もっと長く滞在できるO-1ビザを取るのにだいたい70万ぐらいかかるんですよ。それに飛行機代と宿泊費、場所によっては車を借りることを考えると200万ぐらいないと無理ですね。普通の若者にとって200万なんて絶対に無理だと思うんですよね。
    ――UFCとか北米のメジャーと契約を結ぶんだったら、違うんでしょうけど。
    シュウ UFCと契約したら、UFCを通じてP-1ビザを取ってくれるんで。これがあれば契約期間内はアメリカにずっと住めるんですよ。そうなると、ビザの問題もなくなりますから、70万円は頭痛の種からなくなるわけですよね。
    ――堀口選手がアメリカン・トップチームに行けたのは、いろいろな条件をクリアできたからで。けっこうハードルが高いってことですね。
    シュウ あと堀口くん、それから佐藤天選手、それから井上直樹くん、魅津希ちゃんは、なんだかんだ言っても3年据えてるわけですよ。直樹くんはパンデミックのおかげで、いったん日本に戻しましたけど。やっぱり数年はいないと厳しいですよ。ですから直樹選手の場合は、1年ちょいでパンデミックになって戻って、それでやっとまたNYでの練習を再開できたんで、これから、あと2〜3年やれば、いろいろと弱点を克服でいるようになるのでは?と期待してます。彼ももう25歳ですからね。本気でUFCのトップ、つまりMMAの世界で頂を目指すのなら、もうそろそろ年齢的にもギリギリだと思っています。これを言ったら怒られるかもしれないですけど、プロレスの海外修行とは違いますからね。数ヶ月メキシコとフロリダあたりに海外修行に行って、なぜか短期期間で身体がデカくなって都合よくタイトルとか獲って「凱旋帰国」してましたけど、それは競技の世界ではありえないことですからね。アートでもスポーツでも、ほんのちょっと数ヵ月行っただけで劇的にうまくなったりとか強くなるんなら、みんなやりますよね。
    ――最近の日本格闘家はアメリカ修行ブームですけど。井上姉弟は普通に黙々とずっと続けていますね。
    シュウ 魅津希ちゃんなんて、3年間1日も帰ってないですからね。ちゃんと復帰して勝つまで帰る気はないと思いますよ。ここから次の話題につなげると、直樹くんのRIZINでの試合も決まったんですよ。
    ――7月2日の沖縄大会だけじゃなくて、先々のカードまで決まっているという話は聞いてるんですけど。直樹選手のカードも決まってるんですね。
    シュウ 決まってますね。佐々木憂流迦選手の試合も決まっていますし。
    ――憂流迦選手がバンタム級にまた下げるという考えもあるそうですが、次の試合はどうなるんでしょうか。○朝倉海、メラブ、井上直樹の三角関係は? 
    ○『ROADtoUFC』は半年前から準備できていれば…
    ○負けた風間俊臣が選ばれたのはフィニッシュ力
    ○レイ・ロンゴとは何者か
    ○有力選手をかっさらイーグルFC、BKFC……まだまだ続く!
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  • いったい何が? コロナ陰性「偽造」証明書の偽造事件?

    2022-06-18 04:05  
    130pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはいったい何が? コロナ陰性「偽造」証明書の偽造事件?です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・天国へ旅立ったダニー・ハボック……最後の試合は日本のために
    ・また飲酒運転で逮捕! 元祖ディーバ、サニーの“暴走”人生
    ・これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件
    ・アメリカインディの雄ROHの始まりと終わり、そしてAEWへ
    「コロナウイルス陰性証明書を偽造するよう指示され、大量のインチキ証明書を作成した」
    5月25日、フェイスブックに投稿された暴露告発が波紋を投じる。
    「(証明書を偽造を指示したのは)米インディー団体GCWオーナーのブレット・ローダーデールだ」
    この衝撃的な告発を投稿したのは、アメリカ西海岸の小さなインディー団体でプロモーター兼プロレスラーとして活動しているマイキー・ゴードン。プロレスラーとしては“ダーティー”ロン・マクドナルドと名乗り、ハンバーガー店マクドナルドのキャラクター、ドナルドのような白塗りのピエロメイクを施してデスマッチをする選手である。
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