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記事 21件
  • 【プロレス記事9本7万字詰め合わせ】長井満也、JJジャックス、リンダマン、都電プロレス…

    2024-08-31 23:59  
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    ◎エル・リンダマンのグレイトなプロフェッショナルインタビュー
    ◎掣圏道SAプロレス、馬場元子さんの思い出■長井満也

    ◎【プレイバック】“日本の陽気な奴ら”JJジャックス解散の理由■AKIRAインタビュー③
    ◎昭和・新日本なら小川直也vs橋本真也の事件は起きていない■AKIRAインタビュー④
    ■事情通Zの「プロレス点と線」
    ・プロレススポンサー撤退騒動/新木場1stRINGの現在
    ・7月13日ノア武道館&マリーゴールド両国
    ・都電プロレス炎上/女子プロレスサイン会誹謗中傷
    ・「乱入・反則への反発」「観客動員」「ダイナマイト・キッドの甥」「丸森レア」
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉GLEATはなぜ「日本プロレスリング連盟」でグレイトさせてもらえないのか? 鈴木裕之代表インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤)――3周年大会のビッグマッチ前(7月1日)に申し訳ないんですけど、GLEATさんが各プロレス団体が連なる「日本プロレスリング連盟」に誘われていないことが話題になってます。
    鈴木 あ、そこから?(笑)。旗揚げ3周年がどうだったとかじゃなくて?
    ――すいません、急すぎますか(笑)。鈴木 まあ「グレイトします!」と宣言してから4年なんですけどね。
    ――ここまでの手応えはいかがですか?鈴木 正直コロナが明けても、どこのプロレス団体も集客に苦戦してるように見えるじゃないですか。
    ――コロナが明けでも客足が戻ってこないと言われてますね。鈴木 そうなんですよね。お客さんが戻ってこない。もしかしたらコロナ後半の時期のほうが集客がよかったんじゃないか……っていう見方もあると思うんですよ。要は徐々に規制が緩くなってきたから久しぶりに会場に行ってみよう、配信で見て面白かったから行ってみようとなった。コロナ禍でもなんだかんだやってきたジャンルでもあったんで。
    ――コロナ禍でも楽しめる数少ないエンタメだったからこそ集客もあったと。鈴木 そうそう。でも、飲み屋さんを含めて復活しちゃったから、選択肢として選びづらくなっちゃってるかもですね。コロナのときは5の中の1だったけど、いまは1000の中の1になっているというか。
    ――配信に慣れたせいで「無理に会場に行かなくてもいいのかな」というハードルの上がり方はないですか?鈴木 それも昭和の新日本さんで考えると、ゴールデンタイム中継で試合を見せておきながら、それでも会場にお客さんを引っ張ってきたんで。いまだってRIZINさんはすべての大会ではないけど、会場を埋めてますよね。だから配信はむしろ言い訳でしかなくて。
    ――言い訳(笑)。鈴木 はい(笑)。配信で見ることができたうえに会場まで行きたいまでにはならないだけなのかな。そこはコンプライアンスがたぶん一番ネックだなと思います。
    ――コンプライアンスですか?鈴木 たとえば昔のプロレスって“なんでもあり”で、いろいろとできたじゃないですか。たとえば実際の人間関係の悪さ、先輩後輩の確執なんかをリング上に転換していたから感情が出やすかったんだと思うんですよね。でも、いまはかつてのようなスクワット1000回とかの過酷な練習をさせたら、パワハラ、いじめ扱いになるわけですよ。誤解しないでほしいのは新弟子をイジメたほうがいいという話じゃないですよ(笑)。
    ――わかります!(笑)。昔のプロレスと比べてやっちゃいけないことがめちゃくちゃ増えている話は聞いてますね。鈴木 それはコンプライアンスが厳しくなったからですね。そういう意味でいえば、ブレイキングダウン的なものをプロレスでやったら大ブレイクしたかもしれない。
    ――あー、なるほど。ブレイキングダウンはコンプラ全盛の中で無法地帯ですね。鈴木 ブレイキングダウンがうまいのは「社会のドロップアウト組が人生再生のために集まってきます!」みたいなスタンスだってことを最初から謳っちゃってるじゃないですか。あれはノーコンプラってことですよ。
    ――じつは格闘技の乱闘やトラッシュトークにプロレスがわりを食ってるんじゃないかって思ってたんですよ。警察沙汰にもなった猪木さんの伊勢丹襲撃事件も、騒動自体はブレイキングダウンっぽくはありますよね。鈴木 いまのプロレスはああいうことはできないですよね。やっぱり人生って正しい道だけじゃない。ノーコンプラの中から生まれる憎悪をリングで消化するから面白い。いちばんお金を持っている団塊ジュニアと呼ばれている世代はまあノーコンプラなエンタメの中で育ったわけで。そういう層に向けた内容にしたいんだけど、いまはなかなかできないですね。
    ――ノーコンプラ世代が見たくなるものがつくりづらいと。鈴木 コンプラがあって選手はムチャできないのに、一部のファンはネットで凶暴化しがちなんですよね。憧れのはずだった選手にクソだなんだとマウントを取るし、もしくはモンスターペアレントとして見るようになっちゃってる。ネットだと選手よりファンのほうが強く見えるかもしれないですよ(笑)。でも、それは仕方ないところもありますよね。リングの神棚にいた選手たちが会場の物販ブースでファンを出迎えているわけですから。
    ――そこで選手と距離を勘違いしてしまうファンが出てくると。鈴木 いまGLEATがやっていることは、選手たちを神棚に戻すことです。簡単に会えないにしていく。お客様の特典としてサイン会をやるときもあるんですが、どこでもなんでも会えるようにはしないほうがいいし、プロレスラーの神々しさをどう作っていくか。幻想を作り直そうと。
    ――その作業を行なううえでもコンプラが厄介なわけですね。鈴木 そうですねぇ。コンプラによってニュージャンルになることを求められているのがこの5年ぐらいなんだと思います。プロレスという側の看板は変わらないんだけど、もう中身が違う。あり方を変えるにはいわゆるブレンキングダウンみたいに最初からノーコンプラを謳うか、もしくは2.5次元のお芝居みたいなアイドルチックなものに仕上げていくか。
    ――手っ取り早いのは2.5次元。鈴木 2.5次元は最初から2.5次元としてやってるから敵うわけないんですよ。その世界観が仕上がっているし、いわゆるシナリオがあるわけじゃないですか。だけどプロレスってプロレスラー同士の察知と想像力で作っていかなきゃいけないので。WWEはいわゆる世界トップレベルのシナリオライターが入ってると思うんですよ。日本はそうじゃなくて、そこは日本のプロレスの良さではあるんですけど、選手に任しているところがすごく多いので、選手が仕掛けないと動かないときもある。しかもそこは2人3脚じゃないですか。戦う者同士は憎悪を持ち合わなきゃいけないのに、相手と運命共同体になっちゃうんですけど。片方は頑張っても片方が乗らなかったら損するわけですから。
    ――ヘタすると仕掛け損、乗っかり損になってしまうこともあると。鈴木 そうそう。あといまはお客さんをなかなか驚かせることがむずかしいですよね。「こういう人が出るんだろうな」ってだいたい読めるっていうか。昔は「まだ見ぬ強豪」がプロレスの醍醐味としてあったわけだけど、いまは順当になってきちゃってるので。
    ――サプライズが起きてもプロレス内の出来事だったりしますね。鈴木 いまのプロレス界は朝倉未来なんか絶対に上げないですよね。
    ――ああ、たしかに。いまのプロレスはそういうモードは一切ない。鈴木 でも、これがWWEだとレッスルマニアに朝倉未来を上げちゃうんですよ。
    ――メイウェザーやローガン・ポールを上げちゃうWWEならやるでしょうねぇ。鈴木 朝倉未来のことを上げると思います。そこがいまの日本プロレス界にちょっと欠けちゃってることだと思う。今度未来選手と戦う平本蓮のことも上げないんですよね。
    ――これが20年前30年前なら、猪木さんが「なんか面白い奴がいるんだろ?ちょっと呼んでこいよ」って言いそうですね。かつてそういう仕掛けをやりすぎてプロレス界がグラついたこともあって、朝倉未来や平本蓮なんかをプロレスに上げるようとする企みが消え失せたんですけど。鈴木 平本選手はXでいつも炎上してるじゃないですか。いまのプロレス界だと、すぐにやめさせると思うんですね。でも、RIZINは泳がせるじゃないですか。
    ――まあ泳がせるというか、制御不能というか(笑)。鈴木 あれは平本選手の本当の感情が吐露した部分。そこはいちばんビジネスになるところなんですけど、そうなる前にいまの日本プロレス界は選手のことを制御しちゃってるんで。日常のトラブルを活かしているRIZINとブレイキングダウンはプロレス界の未来を考えるうえでけっこうポイントですね。ただ、プロレスとの違いでいえば、格闘技の場合は選手が何か起こしたらジムの責任になるじゃないですか。団体にも批判は起こるけど、選手個人やジムの責任になる。プロレスは団体の責任になりますからね。
    ――だからコンプラを重視しないといけないところはあると。鈴木 そこは枠組みの違いもありますし、やっぱりコンプラの壁がありますよ。
    ――GLEATの選手はそのへんはどういう雰囲気なんですか?鈴木 GLEATっていわゆる血の違う人間たちが集まった団体じゃないですか。プロレスの歴史的に外様の集まりって全部潰れているんですけど。全員が一蓮托生でGLEATの人間になるってことで3年間やってきて、これからは競争ですけど、そこはファンのニーズ次第。プロレスって勝ち負けだけじゃないですよね。負けても人気が出るのがプロレスだったりするわけで。
    ――この3年間、予想どおりにできてるところ、できなかったところはあるわけですよね。鈴木 おおむね予想というか、理想以上ではやれてますよね。当初は「GLEATなんか速攻終わるよ」みたいな声も多くて、ボクそこに異論なかったんですよ。「たしかにそうかもしれないな……」って(笑)。
    ――ハハハハハハハ。鈴木 コロナ禍から始まって、よく3年もったなみたいな。それも売上げ、動員数もどんどん上がって、最初は数千万だったのがもう億を超えていたり。成長率でいえば、プロレス業界で一番高い団体になるかなって思ってるんですね。
    プロレス記事9本7万字の詰め合わせセットはまだまだ続く
     
  • 【格闘技記事12本13万字】超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス…

    2024-08-31 23:59  
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    ◎愛憎の終着駅、新章の始発駅、超RIZIN3■笹原圭一
    ◎“奇跡の復帰戦”関原翔インタビュー 空白の726日間
    ◎UFCはなぜ堀口恭司との契約を見送ったのか
    ◎川尻達也vs鈴木芳彦「RIZIN開国の不毛な議論」23000字
    ◎井上直樹vsスーチョルを超RIZIN3でやらなかった理由■シュウ・ヒラタ
    ◎セコンド大塚隆史が見た朝倉未来戦「蓮くんは五輪アスリート級の取り組み方だった」
    ◎所英男46歳 ヒロヤに負けたら即引退SP
    ◎朝倉海というUFC日本大会実現へのラストピース
    ◎キラキラ?クヨクヨ? ケイト・ロータス12000字インタビュー
    ◎朝倉未来vs平本蓮に見えた打撃のプレッシャーとブランク■水垣偉弥
    ◎【KNOCK OUT代々木】五味隆典にやられた!■山口元気
    ◎斎藤裕は「格闘家・斎藤裕」をどう見ているのか
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉大会後恒例!RIZIN広報・笹原圭一さんの超RIZIN3総括17000字です!(聞き手/ジャン斉藤) *8月4日にDropkick note版に掲載された記事です
    ――笹原さん! 13年ぶりのさいたまスーパーアリーナスタジアムバージョン超満員の光景はいかがでしたか?
    笹原 まず一言いいですか? ……超RIZINが失敗すると思ってたヤツくたばれーー!!!
    ――ハハハハハハハ! いまはなんのオマージュなのか説明しづらいやつですよ!
    笹原 いやでもとにかくすごい熱気でした。RIZIN史上最大規模の大会で、最上級の熱狂を作り出すことができて、正直ホッとしています。
    ――超RIZIN3は試合も面白かったですよね。ボクはPRIDE直撃世代なのでいちばん大好きな団体は永久にPRIDEなんですけど、あの頃のMMAって技術的にも膠着になりがちで。今回はどの試合もスイングしていたし、大会場だけど試合に入り込めたのはちゃんとドラマも見えたからですよね。
    笹原 ですね。なかには「超RIZIN3より6月のRIZIN47代々木のほうが超RIZINじゃん!」とか「これのどこが『超』なの?」とか言っている人がいましたが、もう1回いいですか?くたばれーー!!!と(笑)。
    ――どっちのRIZINも笹原さんたちが作ってるんですけどね(笑)。超RIZIN3もRIZIN47も「どっちもRIZIN!」ということで。
    笹原 そうです。「RIZINはこうじゃなきゃダメだ」みたいな意識はないし、なんならそういう「かくあるべし」みたいなものって積極的にぶっ壊したいと思ってまし。
    ――感想としては「スタジアムバージョンに勝った」という感じがしましたね。あの大会場に勝てるコンテンツってなかなかないですよ。
    笹原 おっしゃるとおりです。ちなみにRIZINの前に宇多田ヒカル(7月24日)がスタジアムバージョンでライブをやってるんですよ。
    ――しかも2DAYSやって両日ともに超満員と聞きました。
    笹原 なので宇多田ヒカルさんは我々のことなど1ミリも視野に入っていないと思いますが、こっちは「宇多田に負けるか!」と勝手に力んで準備してたんです(笑)。
    ――久保優太選手の入場で熱唱していたサラちゃんが「RIZINの宇多田ヒカル」に見えてきました(笑)。今回のRIZINはパリ・オリンピックの真裏ですけど、これが20年前だったら「こちらが格闘技のオリンピック!」とか「対世間!」とか煽ってたはずなんですけど、対オリンピックのムードが1ミリもなし。そういう時代なんだなって思いましたね。
    笹原 社内では「オリンピックの影響はあるかな」なんて話はしてたんですけど、いまやそれぞれが独立した世界を築いて、みんなそれぞれ楽しんでいる。オリンピックはオリンピックで楽しめばいいし、RIZINはRIZINで楽しむ。タコツボ化しているなんて声もありますけど、これだけ趣味が多様化していると、「はい!全員注目!」と言ってもなかなか声が届かないですよね。
    ――いまでも「対世間」というか、ジャンルを世の中に届けようとする姿勢は必要なんですけど、そこに引っ張られてバランスをおかしくすることは過去のプロレス格闘技ではよくありましたね。
    笹原 まあウチの場合はいつもバランスを崩してますけどね(笑)。
    ――でも、まったく懲りていないと(笑)。
    笹原 「対世間」とか「対コア層」とかって要はバランスじゃないですか。状況によってホームランを狙うために大振りするときもあれば、格闘技ファンの熱を冷まさないように確実にミートすることもあると。前者が超RIZINで、後者がRIZIN47みたいな大会ってことです。
    ――50万件のTHE MATCH超えを目論んでいたPPVの手応えはありますか?
    笹原 社長も大会後の総括で「肉薄している数字」と言ってましたけど、RIZINの記録としては過去最高の数字になると思います。ただ、あらためて50万件という大台は、プロモーションしてどうこうなる数字じゃないって、実感しましたね。
    ――たしかに天心vs武尊の大きなトリガーって、直前で地上波放送がなくなったことですよね。
    笹原 もちろん天心選手はRIZIN地上波で何度も試合をして、テレビ番組に出てましたし、「やる・やらない」という話題を含めて長い時間かけて熟成されたことは大前提ですけど。
    ――天心vs武尊はやる・やらないを口に出すこともタブーだったりもしたから、スキャンダラスだったわけですよね。そこに直前で地上波放送中止というスキャンダルが起きて掛け算になったと。
    笹原 なので朝倉未来vs平本蓮はそういうスキャンダルという手段を使わずに4万人以上のお客さんを集めて、PPVもTHE MATCHに肉薄してるんだからとてつもないんですよ。そこは平本蓮の存在も大きいですけど、朝倉未来が築き上げてきたもの、RIZINと未来選手が築き上げてきたものってこんなに大きかったんだと感じました。だってボクも未来選手が負けたことに思いのほか、ショックを受けてますもん。
    ――そういうと「笹原さんが平本蓮に勝ってほしくなかったんだ!」と切り取られて怒り出すのがネットですよ!(笑)。
    笹原 そういう短絡的なことをいうアホには「くたばれーー!!!」しかないですね(笑)。未来選手が負けて「ひとつの時代が終わるのか……」とひさしぶりに心が揺さぶられたんですよね。
    ――そんな感情が湧き出たのはいつぶりですか?
    笹原 いつ以来だろう。パッと思い浮かばないくらいですけど……高田(延彦)さんがヒクソン・グレイシーに負けたときや、桜庭(和志)さんが負けたときともまた違う感覚ですね。
    ――高田さんや桜庭さんとははまた違ったショックがあった。
    笹原 2015年にRIZINが立ち上がった当初は年に3~4回のペースでしたし、知名度も全然なかった。RIZINがようやく世間に届き始めかけたところに朝倉未来が現れて、一緒にRIZINを大きくしていった感覚はありますね。一緒に築き上げた選手の中には、もちろん天心選手や堀口恭司選手とかたくさんいるんですけどね。
    ――そして、さいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンを超満員にするまでに至ったけど、その栄えある日に朝倉未来は勝ち名乗りを挙げられなかったという悲しさですね……。ボクのツイッターにもファンからいろんな意見が届くんですが、歴史認識が違うと思ったのは「RIZINは朝倉兄弟が出てから人気が上がった」というやつで。朝倉兄弟が出場したからRIZINが急浮上したわけではなく、時間をかけてコツコツ積み重ねて爆発に至ったところはありますよね。
    笹原 だって2018年の大晦日は天心vsメイウェザー、堀口恭司vsコールドウェルがありましたけど、朝倉兄弟の2人は午前中にやった「RIZIN 平成最後のやれんのか!」に出ていたわけですからね。最初からメインイベンターだったわけじゃないんですよね。
    ――だからこそ一緒にRIZINを作ってきた実感があるわけですね。
    笹原 未来選手と腹を割って何時間も話し合ったことがあるわけじゃないですし、「俺たち仲間だよね」なんて口に出しては言わないんですけど、やっぱり一緒にRIZINっていうのを作ってきた感情はしっかりある。彼が負けたことによってその「未来選手ともうこの先一緒に何かを作れない」という現実を突きつけられた感じです。
    ――喪失感は当然ありますよね……。朝倉未来って一国一城の主なんだけど、RIZINに対する献身性は感じますよね。そこはRIZINの企画が面白いし、決して安くないファイトマネーとかそれ相応の待遇を用意するから乗ってくるんでしょうけど。
    笹原 根っこは、やはりRIZINのことが好きなんだと思いますよ。変な話ブレイキングダウンや自分のYouTubeは自分の庭だから自由にできるけど、RIZINは自分でもどうなるかわからないスリルがあるじゃないですか。その不自由さがあるにもかかわらずRIZINに上がらずにはいられないのは、抗えない魅力があるからでしょう。
    ――FIGHT CLUB(オープンフィンガーキックのYA-MAN戦)にも出てみたけど、何か違うと。
    笹原 ちょっと浮気してみたけど、正妻はRIZINだと(笑)。
    ――未来選手は平本蓮に負けたら引退を表明してましたが、試合後のインスタで「自分が戦うのは一旦終わりにします」とメッセージ。ネットニュースは「朝倉未来引退!」と報じてますが、「一旦」ですもんね。
    笹原 まあそこは本人が決めることですからね。当然しばらくは休んだほうがいいと思いますし。
    ――榊原さんの「ファンをドン底に突き落としてこのまま終われるのか」という記事の見出しだけを読んで怒ってる人がいますけど。
    笹原 「金になる朝倉未来を辞めさせたくないんだろ。どこまでこき使えばいいんだ!」みたいなことを言っている人もいましたけど、表層の言葉だけ見て脊髄反射するんじゃなくて、もうちょっと思考を巡らせればあの言葉の真意が簡単にわかるんですけどね。
    ――「プロモーターがファイターを搾取している」みたいな構図を信じ込んじゃう人っていますよね。笹原さんの前でこういうのもなんですが、プロモーターは最終的にみんな負けるんですけどね……。
    笹原 不吉なことを言わないでください! 社長があんなこと言っているのはあえて口にしてるんですけどね。だってファイターなんて同情されたらおしまいですよ……って、まぁどれだけ説明してもわからない人には永遠にわからないと思うので、やめときます(笑)。
    ――諦めないでください!
    笹原 どんな格闘家も大一番で負けたときは「やめたい」という感情にとらわれることが多いんですが、時間が経つとその感情って変わってくる。でもだからと言って、朝倉未来はこの一戦に進退を賭けて臨んだわけで、その決意を翻意させようとか思っているわけじゃないですよ。しばらく身体を休めて、じっくり考えてくれればと思います。我々の意向どうこうじゃなくて、最優先されるのは彼の決断ですから。
    ――超RIZIN3が神がかっているなと思ったのは、朝倉未来vs平本蓮ポスターの「愛で殺せ」のコピーどおりのドラマになったことですね。このコピーは笹原さん考案ですよね?格闘技記事12本13万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…
     
  • 斎藤裕は「格闘家・斎藤裕」をどう見ているのか

    2024-08-31 12:09  
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    超RIZIN3で久保優太戦に臨む斎藤裕インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)


    【1記事から購入できるバックナンバー】・シューティング初代ライトヘビー級王者・川口健次インタビュー
    ・大混乱!! 続・パンクラス商標問題■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・クレベル・コイケのことが大好きになれる記事■Dropkick柔術部・橋本欽也
    ・パク・シウ「大人になってもMMAなんて一切知らなかった」
    *この記事はニコニコチャンネル停止中の7月2日にnoteに掲載されたものになります――合宿先のタイはいかがでしょうか?
    斎藤 いやあー、毎日暑いです(笑)。
    ――部屋のエアコンはちゃんと効いてますか? 神龍誠選手の部屋はエアコンが故障してて、タイに到着早々ホテルを変える羽目になったそうですけど(笑)。
    斎藤 エアコンは大丈夫なんですけど、ジムの練習スペースは巨大扇風機が回ってるくらいで……汗の量はとにかくハンパじゃないですね。だいぶ慣れてきてるんですけど。
    ――タイにはどれくらい滞在されるんですか?
    斎藤 あと2週間。まるまる1ヵ月滞在しますね。
    ――宿泊先はジムのゲストハウスですか?
    斎藤 いや、自分でホテルを借りてますね。
    ――なるほど。けっこうお金かかりますね。
    斎藤 でも、そこまではかからないですね。
    ――アメリカに行くよりは……という感じですかね。
    斎藤 アメリカの3分の1くらいだと思いますね。
    ――今回のタイ行きはいつぐらいから予定されてたんですか?
    斎藤 大晦日の試合が終わって今後のことをいろいろと考えてたんですけど。試合をやるんだったら、集中できる環境で練習をしてみたいなとずっと思ってて。7月28日に試合することが決まりそうなぐらいかな。どこか海外での練習場所をいろんな人に相談していたところ、タイのプーケットがいいんじゃないかと。それで行ってみようかなって。
    ――ここ数年プーケットで練習している格闘家はめちゃくちゃ多いですね。
    斎藤 そうですね。練習しているのはバンタオ・ムエタイ&MMAですけど、タイガームエタイもちょっと離れたところにありますし、けっこう日本人選手も来ていますね。練習も充実しているんですけど、生活でもいろんな学びが多くて。やっぱり英語でのコミュニケーションだったり、タイの文化というんですかね。違うカルチャーに触れてみると、意外とタイに対応できてるなって。
    ――自分の意外な一面を発見したと。
    斎藤 自分は秋田生まれで、田舎育ちなんですけどすごく適応能力があるんだなと思いました。
    ――東北出身のボクはよく「適応能力がない」と言われがちです(笑)。
    斎藤 いやあ、ボクも大丈夫でしたね(笑)。
    ――それくらいタイのほうが居心地はいいわけですね。
    斎藤 いや、食べ物はやっぱり日本のほうがいいですよね。それに自分は暑さがそんなに得意ではないんですけど、タイは湿度のある暑さですし……。
    ――東北出身は寒さに強いけど。
    斎藤 でもまあ、こっちの人はみんな明るいですね。いい雰囲気です。
    ――あまり細かいことを気にしない感じはあるかもしれないですね。タイ以外の候補地ってありました?
    斎藤 「ここだ!」というのはないんですけど、韓国はどうなのかなと思ってたぐらいです。韓国、いますごい強いんで。ブラックコンバットとかもそうですし、DEEPに出てる韓国人選手たちはみんな強いですよね。そんなに費用もかからないのかなって思ってましたけど。
    ――たしかに韓国も勢いがありますから練習場所としてはアリですね。タイで実際に練習してみてどうですか?
    斎藤 練習にすごく集中できますよね。1週間のあいだ月から金までスケジュールが決まっていて、自分に必要だと思ったクラスに参加してます。1時間くらいのクラスで、夕方にMMAのクラスがあるんですけど。壁レスの日があったり、MMAスパーが週2回、あとはレスリングやグラップリングには必ず参加するようにしていて。フィジカル、ノーギやキックボクシングのクラスもその都度、組み合わせてやっているような感じですね。
    ――暑さもあるからなかなかハードですね。
    斎藤 はい、かなり。肉体的にも消耗しているところでありますね。プーケットは観光地ですけど、どこかに遊びに行く気にならないというか……。
    ――所(英男)さんも金原さんと一緒にタイで練習してましたけど、練習がハードで何度か心が折れそうになったと。
    斎藤 ああ、気持ちはすごくわかりますねぇ(苦笑)。
    ――さっきの言葉にちょっと引っかかったんですけど、日本だとそこまで集中できないもんですか?
    斎藤 練習に集中できないわけじゃないんですけど。東京にいると、どうしても毎日が刺激的というか(笑)。
    ――東北人からすると、花の都・大東京に問題があると(笑)。たとえば金原(正徳)さんはジムも経営されてるから、海外だとそういう業務から離れて練習に集中できると言ってましたけど。
    斎藤 日本でも練習に集中できます。でも、立場的にもいろいろな話が入ってくるので。こっちからそんなに詮索もしてないんですけど、いろんな話が入ってくるんですよね(笑)。
    ――それがノイズだったりするわけですね。
    斎藤 まっすぐ試合に向かってやりたいなと思ってるんですけど、たとえば「久保優太くらい大丈夫でしょう」っていう声も届くんですよね。ボクは全然そんなふうには思ってないんですけど、あまり心に入れたくない。そういう情報を耳に入れないで、自分のペースで練習したい気持ちがすごくあって。
    ――海外だと情報を遮断して練習に取り組めると。
    斎藤 そうですね。知らない選手ばかりですけど、みんな明るいですし、練習の雰囲気もいいので、前向きに取り組めている状況ではありますね。
    ――知らない選手ばかりだから、スパーをやるにしても緊張感があるわけですよね。
    斎藤 いろんな階級のいろんな団体の選手がいますね。マススパーができないメキシコ人がいたり(笑)。
    ――危ない!(笑)。
    斎藤 PFLに出ているフェザー級の選手がパートナーとしてすごくやりやすいです。いろんな選手を見つけてはやってますね。
    ――ちなみにラーメンYouTuberとして、タイのラーメン屋は探訪されたんですかね?(笑)。
    斎藤 ハハハハハ。バンコクのほうにはたぶんあると思うんですけど、ちょっとまだ回れていないです。一応どんなものなのか興味はあるんですけど(笑)。意外と日本のお店も多いですよね。
    ――プーケットは観光地としても最高ですよね。
    斎藤 ビーチも近くにありますし、20分30分でショッピングモールがあったり、いい町だなって。練習先として行っちゃうとまあ楽しめないですね。試合前じゃないときにも来たいです。
    ――それで超RIZIN3の久保優太戦なんですけども、どのような流れで交渉があったんですか? 最初から久保優太一択だったのか、それとも他に候補はあったのか。
    斎藤 どこまで言っていいかはRIZINさんに確認してもらいたいんですけども……まず6月か7月か、どちらかに出る話から始まりました。
    ――6月の代々木か、7月の超RIZIN3か。
    斎藤 こないだの代々木でクレベルとアーチュレッタの試合がありましたけど、あのカードもどうなるかわからない感じでしたよね。
    ――そもそも当初はクレベルvsケラモフという話もありましたよね。でも、アゼルバイジャンで逮捕されたケラモフの拘束が解かれないから、クレベルvsダウトベックも候補に挙がったり。
    斎藤 自分のことでいえば、そのダウトベック戦のオファーもありましたね。
    ――ああ、斎藤選手は全然オッケーだったらしいですね。
    斎藤 はい。どういう順番だったのかな。他のカードもいろいろあったみたいで、軽く「アーチュレッタはどう?」みたいな話もあって。
    ――斎藤裕vsアーチュレッタ!
    ・久保優太という対戦相手
    ・打撃偏重時代のジャッジ
    ・芦澤竜誠vs皇治の乱闘のときは…
    ・扇久保vs神龍の先輩後輩の因縁に思うこと
    ・朝倉未来vs平本蓮で勝ってほしいのは…
    ・ベテランのあり方……1万字インタビューはまだまだ続く

    この続きと超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス……などの「12本13万字・格闘技記事」が600円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2202629この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
     
  • 「乱入・反則への反発」「観客動員」「ダイナマイト・キッドの甥」「丸森レア」■事情通Z

    2024-08-31 11:56  
    200pt
    プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する事情通Zのコーナー。今回のテーマは「乱入・反則への反発」「観客動員」「カオスなGLEAT」「ダイナマイト・キッドの甥」「丸森レア」です!【1記事から購入できるバックナンバー】・【燃えるマリーゴールド】ロッシー小川が悪いのか■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・【リングス退団編】俺はそんなことを絶対に言っていない■長井満也
    ・最高のプロレスラーだった曙さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・7月は「超サイバーファイトフェス」か■事情通Zの「プロレス 点と線」

    *この記事はニコニコチャンネル停止中の6月18日にnoteに掲載されたものになります


    ――「今年のG1クライマックスの目玉は竹下幸之介」「7月は月間を通して超サイバーフェスになる」というZさんの予言がビシバシ当たっています!
    事情通Z 断っておくと、事前にこの情報を握っていたわけではないです!(笑)。「こうなるんじゃないか」と読んだだけ。まあ今年のG1の目玉は竹下選手以外は考えられなかったから。
    ――たしかに竹下幸之介がいなかったらインパクトに欠けていたところはあったかも。
    Z 新日本はぶっちぎりで国内ナンバーワン団体だけど、決して絶好調ではない。長らくファンのあいだで不満の火種となっていたヒールユニットの試合への乱入・反則への反発が一気に爆発したりとネガティブな話題が多かった。
    ――「乱入・反則の阻止」を掲げたオーナーの木谷(高明)さんがEVILたちから黒スプレーを顔面に噴射されたり、新日本は「リングの出来事」として転がそうとしていますよね。ファンは本気で忌避しているから、そのへんはちょっとズレてると思うんですけど……。
    Z まあだから新日本が目指す方向性としては、やっぱりWWE的なプロレスだとは思うんですよ。オールドマニアは「ストロングスタイル!」「戦いがあるプロレス!」と叫ぶけど、現実的ではない。そもそも「IGFがどうなりましたか?」という話で。
    ――猪木さんのプロデュースの暗黒・新日本時代が記憶から消え失せている人も多いですねぇ。昭和のストロングスタイルは「プロ格闘技」がなかった時代だったから成立していた側面がありますよね。

    ・「乱入・反則への反発」
    ・「観客動員」
    ・「カオスなGLEAT」
    ・「ダイナマイト・キッドの甥」
    ・「丸森レア」……まだまだ続く

     
    この続きと長井満也、JJジャックス、リンダマン、都電プロレス……などの「プロレス記事9本7万字」が500円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2202633 この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
     
  • ぱんちゃん璃奈論~前向きに注文を打ち間違える彼女~

    2024-08-30 10:45  
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    ぱんちゃん璃奈論~前向きに注文を打ち間違える彼女~(文/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・「RIZINに潰れてほしくないから箱庭のままでいいよ!」■川尻達也クラッシャートーク
    ・【桜庭vs秋山、Dynamite!! USAの舞台裏】大沢ケンジ×礒野元「格闘技とルール」
    ・「佐山先生をUFCの殿堂に!」……川口健次✕朝日昇、青春のシューティング対談!!
    ・女性から見た「女子格闘家の減量」/元シュートボクシング王者・髙橋藍
    *2023年4月に掲載された原稿ですが、都知事選ポスター問題追記あり!!
    KNOCK OUTプロデューサー宮田充さんのインタビューが興味深いものになったので、サブテキストというわけではないが、ここではボクなりに「ぱんちゃん璃奈論」を展開してみたい。
    先日復帰した(2023年3月5日/坂本瑠華戦)ぱんちゃんだが、SNSでの言動から「反省していない!」などとお叱りの声が止むことはないが、事件前から一部のマニアからバッシングを浴びていたことはいまさら説明は不要だろう。かつては「ぱんちゃんをRIZINに出せ!」運動が展開されていたほどだったのに、なぜヒール化したのか。それはぱんちゃんが「超うっかり者なのに無駄に前向き」だったことも影響していたのではないだろうか。
    これまであらゆる媒体が「格闘技未経験の女の子がキックボクサーになった」というシンデレラストーリーを世に送り出してきた。Dropkickもご多分に洩れずに取材しているが、その「超うっかり者なのに無駄に前向き」な部分を掘り下げているので、あらためて紹介しよう。

    ・バイト先を転々として
    ・周囲困惑のプロ宣言
    ・無謀なタイ修行
    ・キックで得た自信が間違った方向に
    ・自分で何をやってるのかわかっていない「都知事選ポスター」騒動……まだまだ続く

    この続きと超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス……などの「12本13万字・格闘技記事」が600円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ
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  • 【KNOCK OUT代々木】五味隆典にやられた!■山口元気

    2024-08-30 10:19  
    200pt

    KNOCK OUT代表・山口元気氏が大盛況だった代々木大会を振り返る!(聞き手/ジャン斉藤)


    【1記事から購入できるバックナンバー】・極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
    ・篠塚辰樹の自由すぎるインタビュー「ベアナックルは怖くて面白い」
    ・鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
    ・吉田実代 鹿児島のヤンキーがボクシング世界王者になるまで
    *ニコニコチャンネル停止中の7月5日にnoteに掲載された原稿です。――KNOCK OUT代々木大会めちゃくちゃ面白かったです!
    山口 ありがとうございます!
    ――ボクはキックはそんなに詳しくない「キックぼんやり層」なんですけど、KNOCK OUTは企画が豊かだからか、非常に見やすかったですね。
    山口 それでいえば、今回のコンセプトはいかに環状線の外側の人たちに届けるかってことだったので。
    ――猪木さんの「環状線理論」ですか!(笑)。Dropkickで何度も掲載している那須川天心のたとえをここでも触れると……
    ①天心vsロッタン 環状6号線(自分から情報を集めるファン)
    ②天心vs堀口恭司 環状7号線(興味はあるが運営側が仕掛けないと見ないボンヤリ層)
    ③天心vsメイウェザー 環状8号線(格闘技に関心がなく強引に仕掛けないと振り向かない層)
    ――そんなコンセプトがあったから、キックファン以外も見たくなるイベントだったと。
    山口 純粋なキックを追い求めるのもいいんだけど、やっぱり試合を見てもらわないと始まらないなあと。賛否両論はありましたけど、大会を配信したU-NEXTさんからの報告ではU-NEXTで立ち技史上歴代ナンバーワンの視聴者数だったそうです。
    ――おお、まさに「環状線理論」で成功したと。
    山口 そうなりますね(笑)。キックファンは当然ですけど、いかに外側の人たちに見てもらえるかってことはすごく意識してたんで嬉しい結果です。
    ――やっぱり大注目はメインの鈴木千裕vs五味隆典のボクシングルールですけど、試合前から大変だったんじゃないかなって。
    山口 いやあ、めちゃくちゃ大変でしたね。いまでも面白がってる部分はボクはあるんですけど、「これが五味隆典か!?」って感じでしたねぇ(苦笑)。
    ――要はリングの外でも“戦い”があったわけですよね。
    山口 五味くんとは昔からの付き合いだったんですよ。以前は吉祥寺の近くにジムがあったじゃないですか。
    ――いまは東林間ですけど、吉祥寺から2駅の久我山にありましたね。
    山口 その頃はちょこちょことご飯を食べる機会があって。五味くんの面白さって言葉のセンスですよね。たまに吐く珠玉のセリフ。やっぱり一番痺れたのはPRIDE時代の「俺にはわかる。夜も眠れないはずだ」ってやつですね。
    ――2006年大晦日PRIDE男祭りの石田光洋戦・煽りVで飛び出したやつですね。
    山口 俺もその頃は現役だったのかな、もう違うかな。こんな言葉を吐けるファイターはすげえなって痺れちゃって。
    ――今回の五味選手は事前の記者会見から言葉がキレキレだったんですよね。一部のファンから「朝倉未来の名前を出すな!」ってバッシングされてたんですけど(笑)、いま会見で最も面白い格闘家ですよ。
    山口 千裕は会見のときから押されてたんですよねぇ。あのセンスはまだ千裕にはないですよね。
    ――そこは千裕選手も熟成されていくと思いますよ。
    山口 千裕もこれからなんですかねぇ。
    ――川尻達也もKNOCK OUTの実況席に呼ばれて、しゃべりで盛り上げてましたけど、2人とも時間をかけてメディア慣れしていったと思います!(笑)。
    山口 そこはベテランの味に千裕は遊ばれたというか。そこはボクも含めてですけど、最初から最後まで五味くん劇場にやられた。真っ直ぐなバカの千裕なんてやっぱり遊ばれちゃいますよねぇ。でも、千裕にとってすごくいい経験になったと思いますよ。だって五味くんは打ち合うような煽りだったけど、まったく打ち合うつもりはなかったですよね(苦笑)。
    ――「拳と拳のロックショーを見せる」と予告してましたね(笑)。
    山口 タックルは見せましたけど(笑)。かっこいいこと言うからガンガン攻めるのかなと思ったら、そこは勝負師ですよね。そこは千裕の力不足なところもあったんですけど、千裕はどこかでやっぱり萎縮しちゃった部分があったのか……会見でも思ったんですけど、五味くんが目の前にいると何も喋んなくなる。千裕は先輩・後輩とか上下関係をすごく意識するから。

    ――千裕選手は「記者会見の出席にうるさい男」ですから、礼儀をわきまえているというか。このオファーに五味選手は当初から乗り気だったんですか?
    山口 そうですね。今後の自分の道としてボクシングのスーパーファイト、レジェンドマッチを考えていたみたいで。
    ――五味選手はヒザが悪すぎてMMAはもう難しいみたいですね。
    山口 でもRIZINからその手のオファーはない。最後の試合から2年も時が経っちゃって、もう動けなくなる歳に近くなってる中だったこともあって、千裕戦のオファーもすごく喜んで。最初はすごくいい関係だったんですよ。
    ――ええと「最初は」ですか?
    山口 RIZINで千裕のパッキャオ戦が発表されるまでですよね(苦笑)。そこからまったく連絡が取れなくなったんです。
    ――うわー、そこから雲行きが怪しくなったわけですね(笑)。
    山口 あとで会ったときに「LINEブロックしてたんだよ」と言ってましたけど(笑)。RIZINのパッキャオ戦の発表は「ルール違反だ」って言われて、そこはKNOCK OUTじゃなくてRIZIN側の都合で発表してるわけですし。発表直前までボクもRIZIN側には「ちょっとやめてくれ」という話はしてたんですよね。やっぱり五味くんに対して失礼だし、パッキャオ戦の前座みたいになっちゃうわけですから。でもRIZINさんにも都合があるわけで。
    ――パッキャオ戦は山口さんのほうから五味選手に伝えたんですか?
    山口 そうです、発表前日に。悩んだんですけど、あらかじめ伝えたほうがいいなと思って「気分が悪いかもしれないけど、ごめんね」と送ったら「なんだかな」「とりあえず明後日(の公開練習)は行かないわ」って。公開練習前にリアリティ番組『THE KNOCK OUT FIGHTER』のチーム鈴木千裕vsチーム五味隆典の試合があるから、来ないのは困るんだけど、返信は返ってこない。電話しても出ない。
    ――そこでキャンセルしかねないのが五味隆典の恐ろしさ。普通は嫌がりながらもしぶしぶ来ますよ(笑)。
    山口 まあまあ面白いですね。そこは諦めるしかないというか、やっぱりトップに行くファイターは普通じゃない。そこはある意味で千裕もそうだし。
    ――そこは理屈じゃないと?
    山口 そういう選手だからこそお客さんを狂わす試合がやれるかもしれないですよね。俺は社会規範を守る人だったから、やっぱり凡人の選手で終わったというか(笑)。人を熱狂させるって、たぶん普通の人じゃできないんですよね。矢沢永吉とかもそうですよ。
    ――五味選手もPRIDE武士道のエースだった男ですから、そこはよくも悪くもネジが飛んでるんでしょうね。
    山口 確実に五味くんは世界で一番だったときがあるわけじゃないですか。そういうスーパートップと仕事をするのは初めてっちゃ初めて。だから勉強になったし、RIZINの榊原さんも大変なんだろうなって思いました(笑)。
    ――結局、五味選手と直接会って試合出場を取り付けたんですか?
    山口 五味くんのジムで3時間ぐらい話をして。それでも話がつかなくて「1回持ち帰ります」と。ジムの近くの喫茶店でどうしようかと3時間くらい会議しました。ボクの周りからは「違う相手を用意すれば」という声もあったんですよ。でも、千裕の「先生とやりたい」という希望を叶える企画だったし。対戦相手が五味くんだから意義がある。またジムに戻って五味くんと話をしたんですよ。まあ、なんとか……いろいろと大変でしたけど!(笑)。
    ――ビンビン伝わってきます!(笑)。正直パッキャオ戦はKNOCK OUTは関係ないですよね。
    山口 関係ないっちゃ、関係ない。でも、五味くんの中ではRIZINさんとグルになってるぐらいのイメージがあって。
    ――「鈴木千裕にそういう試合を受けさせるのはおかしいだろ」という感情もあるでしょうね。
    山口 それはあるでしょうね。でも、俺がやらせたくないと選手の耳に入る前に断っても、いまは情報化社会だから選手に届いちゃうんですよ。
    ――そこは昔と違いますよねぇ。
    山口 そこを俺の判断だけで断っていたら、やっぱり選手は心が離れるし恨みますよね。
    ――「他にもそういうことがあるんじゃないか」って疑心暗鬼になっちゃいますよね。
    山口 俺の立場だったらそりゃあやらせたくないですよ、あのパッキャオですからねぇ。でも、そこは止められない。千裕がやりたいなら、やるしかないよねって。
    ――いろいろと苦労されて五味戦は実現した甲斐はありました?
    山口 あったかなと思いたいです(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    山口 試合内容は全然、雷は落ちなかったんですけど(苦笑)。メインイベントまでお客さんが帰らずに、煽りVの後に試合への期待感から歓声が沸き上がって。これっていまの日本格闘技界でできてるのはRIZINだけじゃないですか。五味くんと千裕の試合は批判されるカードでもあったんですけど、あの光景を作り出せたなって。
    ――RIZINファンは慣れてるから気がついてないんですけど、MMAやキック、ボクシングって手売りによる選手の応援団的ファンが多いから、お目当ての試合が終わったらメインを見ずに帰っちゃうのは珍しくないんですよね。
    山口 そうそう、普通はみんな帰っちゃうじゃないですか。今回はプレリミナリーからのお客さんがメインまで残ってたんで。五味くんと千裕を軸にKNOCK OUTをより多くの人に知らせることには成功したんじゃないかなと思うんですよね。
    ・パッキャオ戦をやる意味も、やめたほうがいい理由もわかる
    ・ぱんちゃん璃奈選手の都知事選ポスター騒動
    ・龍聖vs久井に立嶋篤史vs前田憲作を見た
    ・ONEとの向き合い方
    ・UNLIMITEDは可能性がすごくあるルール
    ・KNOCK OUTは「打撃格闘技団体」…まだまだ続く!

    この続きと超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス……などの「12本13万字・格闘技記事」が600円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ
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  • 朝倉未来vs平本蓮に見えた打撃のプレッシャーとブランク■水垣偉弥

    2024-08-29 13:04  
    200pt

    北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語る超RIZIN3です(この記事はニコニコチャンネル停止中の8月3日にnoteに掲載されたものです)


    【1記事から購入できるバックナンバー】・アイルランドで見たコーナー・マクレガー■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・“最後の側近”甘井もとゆきが語るアントニオ猪木&ズッコ夫妻
    ・【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔
    ・UFCはなぜ堀口恭司との契約を見送ったのか
    ――今回は超RIZIN3の感想をお聞きします!
    水垣 よろしくお願いします。
    ――まずはなんといってもメインの朝倉未来vs平本連ですが、率直な感想はいかがでした?
    水垣 すぐに平本選手のパンチが当たっちゃいましたねぇ。ボクとしては、もうちょい長く試合を見たかったところはあったんですけど。ただ、試合が始まってからKOするまで、平本選手のほうが余裕があったし、試合を支配してたような感じがしましたね。朝倉選手がどこで流れを変えにいくのかなと見ていたんですけど。開始1~2分の空気感は平本選手のほうがよさそうだなと。実際、平本選手が徐々に打撃でペースをつくって、着実にフィニッシュまで持っていったので。いきなりバチンと打撃が当たったわけじゃなく、最後のフィニッシュまでの布石があっての決着ですよね。
    ――あの短い時間の中で、平本選手が組み立てた成果なんですね。
    水垣 最後もうまかったですよね。効かせるパンチのちょっと前にスイッチして右を打ってるんですよ。あれ、けっこうヒヤッとするぐらいのタイミングで当たってて。そこまで朝倉選手にダメージはなかったと思うんですけど、最後にダメージを与えた打撃は、同じようにスイッチするように見せかけて、結局スイッチせずに左を当てた。朝倉選手は惑わされたのかなと思いました。だから、平本選手はしっかり試合をつくったように見えましたね。
    ――解説の高阪剛さんは平本選手のステップの変化を見たうえで、このまま打ちに行くことを指摘してましたね。
    水垣 あれは試合が始まった直後でしたよね。「ステップをやめて腰を据えて打ちに行く体勢ですね」という感じで言ってたので、ボクも「なるほど、たしかに」と頷きました。そこで思ったのは朝倉選手はMMAの試合は1年ぶりくらいですよね。打撃のブランクはかなり響くので、それも影響したのかなって思いましたねえ。
    ――いくらスパーしてもブランクを埋めることは大変だってことですか。
    水垣 組みと打撃でいうと、打撃のほうが練習との乖離がけっこう大きいんですよ。本番でオープンフィンガーグローブで本気で殴り合うことを考えると……そこはボクも現役時代にけっこう悩みどころではありましたね。打撃のほうが試合間が空いちゃうとイヤだったなって。
    ――そこで工夫できることって何かあったんですか?
    水垣 いっぱい殴り合うぐらいですかねえ。
    ――シンプル!(笑)。
    水垣 試合に近い緊張感の中で殴り合うためにボクはボクシングジムに出稽古に行って、4ラウンドだけスパーしたり。相手のボクサーにもボクにもセコンドがついて、本当に試合みたいな感じで4ラウンド殴り合う。そんなことをいろんなボクシングジムでやらせてもらってたんですけど、実績のあるボクサーが用意されるから憂鬱でした……。
    ――憂鬱(笑)。それはボクシングジムにお願いするんですか?
    水垣 そこはウチのボス(渡辺喜彦 )が渡辺ボクシングジムとつながりがあったので、よく行かせてもらいました。相手はチャンピオンクラスだったり、のちに東洋のチャンピオンになったりしてるんで、本当にボコられましたよ(苦笑)。他にも横浜光ボクシングジムで内山高志さんに挑戦したボクサーともやらせてもらったり。そうやって試合に近い緊張感を味わっておくことは大事でしたね。
    ――望んでやりたい練習じゃないけれども(笑)。
    水垣 会長に「行くぞ!」と言われないと、なかなかできないですねえ(苦笑)。それでも14オンスのグローブでやるんで、やっぱりまだMMAの切り合いほどではないんですけどね。
    ――水垣さんとしては「その先の展開も見たかった」ということですけど、そこはテイクダウンの攻防だったりしますよね。
    水垣 そこは平本選手のプレッシャーを受けちゃってたんで、簡単には入っていけなかったのかなと。朝倉選手にどういうプランがあったのか、もちろん打撃勝負がAプランで、それでプレッシャー受けたら場合はプランBも当然あったと思うんですよ。そこは見たかったんですけどね。
    ――MMAのヴガール・ケラモフ戦、オープンフィンガーキックのYA-MAN戦もそうですけど、朝倉選手にどういうプランがあったのかが見えないまま終わる試合が続きましたよね。一方の平本選手は、前回のYA-MAN戦からまた変わったところは何かありました?
    水垣 確実にMMA慣れしてきてるところですけど、今回に関しては、どちらかというと「向こうも打撃勝負に来る」と読んでたんじゃないですかね?
    ――打撃勝負を想定していたと?
    水垣 ボクにはそういうふうに見えました。もちろんテイクダウンディフェンスはしっかり練習してきたうえで、とにかくスタンド勝負で向かうという雰囲気に見えました。
    ――テイクダウンの攻防がキーになるという見立てでしたよね。
    水垣 平本選手は思ったよりスタンドでプレッシャーをかけることができた。あれだけ相手にプレッシャーをかけられると、たとえ組みつかれたとしても対応できると思うんですよ。打撃に集中できた要因は、あの段階でだいぶプレッシャーかけられて、気持ち的に余裕ができて、自分の攻撃に集中できたからじゃないかなと。
    ――なるほど。格闘技はちょっとの攻防から一方的な展開になっちゃうから怖いですねぇ。
    水垣 「ちょっと今日ヤベエ」「パンチ見えないな」とか思っちゃうと、やっぱりどんどん引いてきちゃうし、悪循環。常に自分に自信を持って、やるべきことを平常心でやることが凄く大事だと思います。それこそ朝倉選手は「ちょっとなんかヤバいな」みたいなプレッシャーを受けているように感じました。
    ――水垣選手も試合が始まった瞬間に「今日はヤバいな……」と焦ることってありました?
    水垣 全然ありますよ。そうなったときにどうするかといえば、選手によって分かれると思うんですけど。それは引いちゃうタイプと、突撃しちゃうタイプ。ボクは後者でしたねぇ。UFCのコーディ・ガーブラント戦も、最初にガード上からパンチをもらったときに「パンチ超硬え! ヤベエ!」と。これはもうこっちが先に打撃を当てるしかないと思って打ち合いに挑んで散る……というのがボクの悪循環パターンで(苦笑)。
    ――でも、それはいい方向に転がることもあるわけですよね?
    水垣 いやあー、あんまりいい方向に転がったことはないですよ。博打は大抵、負けます。ドミニク・クルーズ戦も格上の相手だから「先になんとかしないと」という気持ちから、追っかけ回してカウンターでタックルもらって秒殺されるし。だから平常心で自分を信じて、多少相手のパンチが強くても「大丈夫!」と自分のスタイルを貫けたらよかったのに……と思ってます。
    ――打つ手がないから破れかぶれになるということですから、そこは本当に博打になっちゃうってことですね。
    水垣 結局、自分のスタイルが崩されてるんですよ。今回の朝倉選手はちょっと引いてたと思うんですけど、おもいきって前に出たとしても結局、自分が崩されてる状態なので、あんまりいい結果は出ないんじゃないかな……と思います。
    ――今回、朝倉選手がKO負けしたことでドランカーだったり、アゴの消耗を指摘する声もあります。
    水垣 まあ、朝倉選手がドランカーかというと、そうではないと思うんですけど……
    ・引退を決断するとき
    ・久保優太の恐ろしさ
    ・扇久保博正vs神龍誠の判定
    ・トップコントロールは無理にしない
    ・コーチとの相性……1万字インタビューはまだまだ続く

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  • 掣圏道SAプロレス、馬場元子さんの思い出■長井満也

    2024-08-29 12:50  
    200pt
    UWFやリングス、K-1まで、様々なリングで戦ってきた長井満也インタビューシリーズ第9弾! 今回はリングス退団後の長井満也です (聞き手/ジャン斉藤)
    長井満也インタビューシリーズ


    ①「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」②地獄の新生UWF新弟子③いつのまにか解散してしまった新生UWF④恐るべきプロレス団体リングスの真実⑤リングス伝説の佐竹雅昭戦とは何だったのか
     ⑥リングスジャパンは仲が悪かったのか?⑦【リングス退団編】俺はそんなことを絶対に言っていない


    ⑧K-1参戦、安生洋二の前田日明襲撃……リングス退団後の長井満也
    ☆この記事はニコニコチャンネル停止中の6月14日にnoteに掲載されたものになります――リングスを退団した長井さんはK-1からオファーを受けて現役を続行しますが、しばらくしてK-1を離れますね。
    長井 K-1をやったのは腰掛けのつもりじゃなかったですけど、それをきっかけにプロレスの世界に戻れるんじゃないのかな、という考えがあって。最初はK-1とプロレスを両立していけたらいいなと思っていたんですよ。どういう風にプロレスの世界に戻ればいいのかを模索していたときに、K-1で一緒だった安生(洋二)さんのマネージャーさんを通じて、佐山(聡)さんを紹介してもらったんです。
    ――それが掣圏道のSAプロレスなんですか?
    長井 そうですね。ボクはリングスタイルでしかプロレスをやったことがなくて、従来のプロレスを教えてもらうなら一番の人に習おうという話になって。そのとき佐山さんは北海道の旭川を本拠地に掣圏道をやっていたので。それで旭川まで行くことになったんです。
    ――やっぱりK-1よりプロレスだったんですね。
    長井 いやらしい話ですけど、K-1のファイトマネーってプロレスに比べたら全然いいんですよ。でも、毎月試合があるわけでもないし、年にできても数試合しかないから生活も厳しい。そういう事情もあってプロレスに戻りたいという気持ちがありましたね
    ――それで佐山さんに会われたんですね。
    長井 やっぱり佐山さんとはご縁もあったんでしょうね。佐山さんに「私は昔スーパータイガージムで指導していただいたんです」って伝えたら「オマエ、あのときの満也か」って覚えていてくれたんです。あれはすごい嬉しかったですね。何百人も生徒がいたわけですから。
    ――旭川はどんな環境だったんですか?
    長井 旭川に掣圏道のスポーサーになっている方がいたんです。向こうでプロモーターや不動産経営をされてて、旭川の市内にいくつかホテルを持ってて。そのひとつのホテルに私も住み込みました。佐山さんはどうだったのかな。ホテルだったのか、どこかにご自宅を借りてたのか、ちょっとわかんないですけど。
    ――掣圏道の興行にはプロレス部門のSAプロレス、MMAのアブソリュート、パウンドありの立ち技SAボクシングをやってましたけど、格闘技の試合に出ていたロシア人たちもそのホテルに泊まっていたわけですね。
    長井 そうですね。そのロシアの選手もホテルに泊まっていたんですが、プロレスの練習をするのはボクひとりだけだったんですよ(笑)。道場はホテルから徒歩で行けるくらいの距離にありました。いわゆる倉庫の中にフルサイズのリングが置いてあって、そこで練習しましたね。これがまたすごい話なんですけど、ボクと佐山さんの2人だけの練習だったんですよ。試合があるときは、当時バトラーツの選手と、まだ新日本の所属になってなかった4代目タイガーマスクが旭川まで来てたんですけど。
    ――基本は佐山さんとマンツーマン! 
    長井 ボクはスーパータイガージムで佐山さんから格闘技は教えてもらったことあるけど、プロレスはなかったんです。そもそも佐山さんがオーソドックスなプロレスを教える機会もなかったから、ボクはプロレス業界で佐山さんからプロレスを指導してもらった数少ない人間だと思います。リングスの頃も濃密でしたけど、佐山さんと付きっきりでのプロレス練習もなかなか濃密でした。ボクにとっては佐山さんは神様みたいな人だから、ホントに幸せな時間でしたね。
    ――佐山さんはUWF離脱以降、プロレスとは距離がありましたね。猪木さん経由で新日本に復帰して、UFOで小川直也の教育係をやっていたりしましたが……。
    長井 佐山さんはプロレスの考え方から、腕や足の取り方までを教えてくださって。いわゆる入門編ですよ。普段はボクと佐山さんだけなんですが、試合が近くなると、旭川に来たバトラーツの選手や4代目と模擬試合みたいなものをやって。
    ――要は練習試合ですね。
    長井 そこで佐山さんが「じゃあ、長井くんはヒールになったつもりでやってみようか?」と。
    ――佐山さんの口からそんなことが! 
    ・伝説のSAプロレスの実態
    ・馬場元子さんの思い出
    ・渕正信の付き人に
    ・川田利明の凄さ
    ・飯塚高史戦のアクシデント…11000字はまだまだ続く
     
    この続きと長井満也、JJジャックス、リンダマン、都電プロレス……などの「プロレス記事9本7万字」が500円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2202633 この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!

     
  • キラキラ?クヨクヨ? ケイト・ロータス12000字インタビュー

    2024-08-28 16:26  
    200pt

    超RIZIN3でRENAと対戦するケイト・ロータス12000字インタビューです!(聞き手/松下ミワ)


    【1記事から購入できるバックナンバー】・マァ⭐ティン(星野育蒔)に逢いたい■松澤チョロの女子格闘技・脱線トーク
    ・鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
    ・手塚裕之1万字インタビュー「田舎と米をナメるな!!」
    ・【こんな格闘家を応援したい!!】東陽子「子供と格闘技のために悪いこと以外はなんでもやった!」
    ――RIZIN47のリング上で超RIZIN3のRENA戦が発表されましたが、会場の歓声が凄かったですね!
    ケイト ありがたいことに(笑)。「ケイトー!」という叫び声が聞こえてちょっとホッとしました。もっとアウェイになるかなと思ってたので。
    ――え、アウェイだと思ってたんですか?
    ケイト ブーイングじゃないけど「誰やねん?」みたいな感じになるやろうなって。でも、普段からDEEPを見てくださってる方がいるんだなと思って安心しました。
    ――逆に、みんな「待ってました!」という感じの雰囲気でしたけど、ケイト選手にとってあの規模の会場で試合するのは初めてですよね?
    ケイト いままでないですね。だから、マイクのときもめっちゃ緊張してましたし、お客さんのことも「じゃがいも、じゃがいも!!」と思うようにしてました!(笑)。
    ――じゃがいも(笑)。そもそも、このRENA戦のオファーがあったのはいつぐらいだったんですか?
    ケイト いつだっけな? DEEPジュルエスの桐生祐子戦のあとなんですけど、なんとなく2人の対戦候補が耳に入ってきて、その中でRENA選手の名前を聞いたのが、たしか5月ぐらいですかね。そのあとRENA選手に決まった感じです。まあ、どっちにしろ厳しい戦いになるから、もう「よっしゃ、RIZINや!」という感じでしたね。RIZINは第一の目標としてたところなんで。
    ――ケイト選手にとって、そのRENA選手はどういう存在ですか?
    ケイト やっぱり女子格を引っ張ってきたのはRENA選手や浜崎朱加選手だったので、自分の中ではレジェンドです。しかも、軽量級で打撃で倒せる選手ってなかなか女子選手ではいないと思いますし、本当に憧れですね。
    ――RENA選手はRIZIN初期から参戦している選手ですが、とくに最近のRENA選手についてはどう見てます?
    ケイト うーん、そんな自分としては初期とそんなに大きい差は感じてないですけど、それこそMMAは経験値が強いと言われてる競技なので、その点は初期に比べて寝技であったりとかはうまくなっている印象はありますね。自分が「うまくなってる」なんて言ったら失礼かもしれないですけど。
    ――完全に総合格闘家になっているというか。
    ケイト もうキックの選手ではないと思います。ただ、自分も負けるなんて全然思ってなくて。
    ――勝機があるからこそ対戦したいということですもんね。
    ケイト もちろんですよ。やっぱりスタミナも寝技も負けないし、打撃面だけで見ても正直負けてるとは自分の中では思ってないので、全体として勝つイメージはあります。
    ――そこはもうトータル勝負という。
    ケイト 逆にいえば、自分がいま持っているものを全部ぶつけにいかないと勝てない選手だと思っているので、自分の持っている全部をぶつけにいこうと思っています。だから、決してキレイな試合にはならないと思っています。
    ――コーチの横田(一則)さんはどうおっしゃってるんですか?
    ケイト 同じですね。楽な試合には絶対ならへんからとは言われてるんで、いま毎日毎日その準備をやってるところです。本当に練習は誰よりもやってる自信がありますし、K-Clannの走り込みは本当にきついですから。
    ――あれ、本当にキツそうですもんねえ。
    ケイト いや、ホンマに頭おかしいんです(苦笑)。何回も言いますけど、本当に頭おかしいんですよ。
    ――ハハハハハ! それでよくやめないですね。
    ケイト やめるなんて選択肢にないんで。自分の目標に達してないし、ゴールラインに達してないのに途中で挫折するとかは……まあ一瞬、DEEP何戦目かで負けたときに「ああ、自分はこれ以上強くなれんのじゃないかな」と思った時期はありましたけどね。でも、さっぱりやめようとかは考えたことはないですね。人が頑張ってるときに、自分はのほほんと生きていたところもあるので、そのぶんもうちょっとできるよねという。
    ――ちなみに、その「のほほんと生きてた」時期というのは何をされていたんですか?
    ケイト うーん、高校時代も部活は何もやってなかったし、普通にインストラクターになりたいなと思いながらただただ筋トレしたりしてました。それで高校卒業後はインストラクターになったんですけど、でもその筋トレがMMAに活きるかというと100パーセントではないじゃないですか。それが「のほほんと生きてた」時代というか。
    ――どの時期か、バレー部に入ってたという話もありましたよね?
    ケイト それは中学ですね。でも自分は集団プレーが苦手なんですよ。勝っても目立たないじゃないですか。
    ――あ、そういう理由で?(笑)。
    ケイト あと協調性もないんで。集団競技は疲れるんですよ。自分は人に合わすことはできるんですけど、それに対してどんどん自分がしんどくなってくるというか。ずっと人間関係に気を使っておかないといけないみたいなのはちょっと合わなかったです。でも、MMAはそれはないんで。
    ――むしろ気を使いすぎる性格だからこそ集団競技が苦手という。
    ケイト そう、めっちゃ気使うんですよ。
    ――でも中・高と部活をやらなかったというのは、かなり時間を持て余しますね。
    ケイト だから、何もやってないです。本当に筋トレか遊びに行くか。
    ――グレたりはしなかったんですか?
    ケイト そんな、おっきなグレはないですよ。それこそ、MMAやってる人って煽りVとかで「おらおら~」みたいな感じの昔の映像が使われてますけど、全然そんなのもないですし。
    ――じゃあ、ちっちゃなグレはあるってことですか?(笑)。
    ケイト いやいやいや、ちょっと高校生っぽくグレてるだけですよ。もともと根暗で陰キャラなんで。強いていえば、あんまり家に帰らないとかですかね。だから、親に迷惑かけただけであって。
    ――警察には迷惑はかけてない、と。
    ケイト そんなんしたら、お兄ちゃんに殺されますもん!(苦笑)。
    ――ご家族は凄く厳しかったみたいですね(笑)。
    ケイト そうなんです、怖いんですよ。だから門限とかもめっちゃ厳しかったですね。それなのに、それを全部振り切って帰らなかったりしてましたねえ。むしろ、怒られるのがわかってるから帰らないとか。
    ――それって、余計怒られますよ(笑)。
    ケイト いや、もうわかってるんですけどね、バカだったんですよ。
    ――でも、ご家族の言うことはちゃんと聞いてたんですか?
    ケイト いや、聞かないです。というか、お兄ちゃんも高校は柔道で忙しかったし、自分の面倒を見るヒマもなかったですし、それこそお兄ちゃんが三重県の大学に行ってた頃は、自分は高3やったんですけど、もう「自由だー!」みたいな。それまでの反動がきちゃったんですよねぇ。
    ――でも、そうなるともっと上のお母さんが……。
    ケイト いや、お母さんも厳しいんですけど、高校生になるともう親に力負けするというのはなくなるじゃないですか。
    ――腕力ではもう同等だから(笑)。
    ケイト しかも、どんどん自分は筋トレで鍛えているわけですからね。でも、お母さんが癌になってから「ちゃんとしよう!」となりましたねえ。
    ――お母さんが癌になったことで考えが……。
    ケイト はい。自分が21歳のときだったんですけど、それでもう「しっかりしなきゃ」という。いや、それより「自分は親孝行も何もできてないな……」と。お母さんに胸張れる生き方をしてないなと思うようになって。
    ・ボディビル時代の身体のほうが好きだけど…
    ・SNSは怖い
    ・自分の顔は好きじゃない
    ・K-Clannの練習は頭がおかしい
    ・伊澤星花ちゃんにボコボコにされていた
    ・料理にはうるさい……12000字インタビューは会員ページへ続く

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  • ジョビンさんのメンバーシップ情報漏洩問題

    2024-08-28 16:18  
    200pt
    RIZIN情報漏洩問題について書いてます!(文/ジャン斉藤)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・【MMAミステリー】牛久絢太郎はなぜ引き込んだのか? ■セコンド横田一則
    ・評判の悪い映画『アントニオ猪木をさがして』について
    ・磯部師範がニコニコ語るクレベル・コイケの恐ろしさ
    ・イゴール・タナベの「上京物語」と「俺の家の話」

    みんな大好きジョビンさんがメンバーシップでRIZINの内定カードやプラニングされていたカードをリークしていた件が騒ぎになっています。ジョビンさんの仕業については以前からニコ生配信時にリスナーから情報が寄せられてましたが、今回メンバーシップで発信していた内容に関していえば、業界関係者であれば把握できるものではありました。ただまあRIZINサイドが情報をホイホイ与えるわけがなく、ジョビンさんはおそらくRIZIN周辺から取得していたと思われます。漏洩のルートを辿るのも一興ではありますが……ジョビンさんのようなことを「やってはいけない」というルールが施行されているわけではありません。では、なぜ多くの選手、関係者、マスコミが漏らさないか(ときおり間が抜けてお漏らしするケースも見受けられますが)。どこまでならリークは許されるのか――。ボクがこれまで見聞きしてきたことや、業界の暗黙のルールをもとに「ジョビン問題」を考えていきたいと思います。

    ・事前漏洩は営業妨害
    ・レスナーUFC200騒動事件
    ・小川直也vs吉田秀彦スクープ事件
    ・漏れなかった天心vs武尊……まだまだ続く

    この続きと超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス……などの「12本13万字・格闘技記事」が600円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2202629この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!