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【15万字・記事19本詰め合わせセット】高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎……
2022-05-31 23:59600pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part101大好評記事19本15万字で600円!!(税込み)
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part101
◎世界のTK“引退激勝”高阪剛16000字インタビュー
◎臼田勝美インタビュー「念願のデビュー前に藤原組をやめたのは……」
◎荒唐無稽テキスト「デスマッチがプロレス界をダメにした10の理由」
◎いまこそ振り返りたい堀口恭司が耕したバンタム級の歩み
◎堀口恭司敗戦/平良達郎2週間スライドのポイント■解説・水垣偉弥
◎天心vs武尊ルール問題のポイントは「10-10」の境目■サーバル
◎【vsK-1】RISEライト級王者・原口健飛インタビュー【THE MATCH】
◎朝倉海、中井りんはUFCと契約できるのか。サトシはオリベイラに勝てるのか?
◎『週刊ポスト』RIZIN記事の感想……PRIDEとRIZINの違いとは?
◎【牛久、伊澤!!】一言多い有能コーチ・横田一則が語るRIZIN2冠のウラ側
◎岡見勇信が語る世界に勝つ方法「中村倫也にGSPの姿が見えた」
◎また飲酒運転で逮捕! 元祖ディーバ、サニーの“暴走”人生
◎ダチョウ倶楽部・上島竜兵とプロレス
◎飯伏幸太LINE暴露騒動とは何か?■事情通Zの「プロレス 点と線」
◎時代と寝る平良達郎、歴史的快挙の渡辺華奈
◎YUSHI10000字インタビュー「“いけてる感じの男”になる方法」
◎DEEPはなぜ好調なのか/ぼんやり層がTHE MATCHを楽しむ方法
◎誠実のプロレスラー・大谷晋二郎を信じろう■松澤チョロの脱線プロレス
◎平本蓮vs安保瑠輝也消滅の内幕■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
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RIZIN35の引退試合をTKO勝ちで締めくくった「世界のTK」こと高阪剛16000字インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)
──引退試合、お疲れさまでした。劇的で感動的なフィナーレでした!
TK ありがとうございます。
──はじめに気になったのは入場曲がストーンローゼスの『ドライヴィング・サウス』ではなかったことなんですが……。
TK ああ、そこから入りますか(笑)。はい、今回はモトリー・クルーでした。
──『ワイルド・サイド』ですよね。
TK じつは『ワイルド・サイド』はリングスのデビュー戦のときに使おうと思っていた曲なんです。
──あっ、そういう曲だったんですね。
TK 使いたかったんですけど、デビュー戦だから早くリングに出ていかなくちゃいけないから。
──ああ、新人の分際では曲に合わせて入場できないってわけですね。「Wild Side!!」のサビを歌うまでにリングインしている可能性がある(笑)。
TK はい。なので、デビュー戦はスティーブ・ヴァイにしたんですけど。
──リングスって選手それぞれにオリジナルテーマ曲が用意されてましたよね?
TK ありましたけど、自分は頑なに使わず……(苦笑)。
──ハハハハハハ! こだわりがあったんですね。
TK 長く使ったのは『ドライヴィング・サウス』ですけど、「オリジナルを作ります」って言われたときに、自分は「たぶん使わないと思いますけど」って言ったら「じゃあ寄せた曲を作るので」と。『ドライヴィング・サウス』に似た曲を作ってもらったんです。
──リングスオリジナル入場曲のアルバムも発売されてますけど、『ドライヴィング・サウス』がモチーフだったんですか!
TK で、実際にその曲を聞いたら「……すいません、やっぱり使えません」って感じで(苦笑)。
──でも、しっくりいかなかったんですね(笑)。
TK はい。「1回だけ使ってください」って頼まれたから1回くらいは使ったんですけど、本物がいいなぁと。
──ある程度キャリアを積んだら、間をおいて入場できるわけですよね。 『ワイルド・サイド』に変えようとは思わなかったんですか?
TK 『ドライヴィング・サウス』は長く使っていたし、入場曲って勝ったときまたかかるじゃないですか。そのときのいいイメージが 『ドライヴィング・サウス』にはあったんですよ。そういうこともあったりしたんで、ずっと使い続けていたところはあったんですよね。
──今回の引退試合で『ワイルド・サイド』を使うことはいつぐらいに決めたんですか?
TK もう試合が決まったときには。キャリアがどうのとか関係なく試合がやりたいっていう思いがあったんで。だから自分もデビュー戦のつもりでいこうと。だからいままで1回も使ったことのない、デビュー戦で使おうと思っていた『ワイルド・サイド』にしたんですね。そういう経緯があったんです。
──めちゃくちゃいい話です! 『ワイルド・サイド』の「Save the blessings for the final ring, amen」という歌詞にかけてるのかなと思っていたり。
TK いや、歌詞のところまで見てなかった(笑)。
──じゃあ深読みしすぎですね(笑)。
TK じつは理由は他のところにありましたね。本当にデビューのときに使いたかったくらいモトリー・クルーが大好きだったし、あの年代のロックが大好きで。そもそもボクがロックに芽生えたのはKISSの『デトロイト・ロック・シティ』。小学校5年くらいで聴いて、そこからなんで。
――ボクはモトリー・クルーは後追い世代なんですけど、モトリーって『ワイルド・サイド』が収録されたアルバム『ガールズガールズガールズ』からスタイルが変わったじゃないですか。
TK そうですよね。『ガールズガールズガールズ』前のモトリーも好きなんですけど、ポップすぎて。モトリーはライブにも行ったんですけど、そのときはヴォーカルのヴィンス・ニールが抜けたあとで、ヴォーカルはジョン・コラビだったんですよ。
――ちょっと微妙だったグランジ路線時代のモトリーですね。でも、それはそれで貴重です!
TK あれは大学のときですね。でも、トミー・リーのドラムが見られるからいいかと。
──トミー・リーの360度の回転ドラムは、ロックぼんやり層のボクでも痺れます! しかし、今回の引退試合がなかったら『ワイルド・サイド』で登場する高阪剛は見れなかったかもしれないんですね。
TK まぁ使ってないでしょうね。今回の相手の上田(幹雄)くんはMMAデビュー戦ですけど、自分のキャリアをひけらかすような試合をやりたくなくて。自分は毎試合毎試合、全力で試合をしたいという気持ちが強いんですけど、どうしてもやっぱり自分の思いと違う見方が先行することもあったりして。先輩だとか先駆者とかリング上がったらそんなものは関係ないんで。
──その姿勢が入場曲に込められてたんですね。
TK なので、自分なりにパッと思いついたのがあれっていうか。入場はこれでいこう、と。
──「神は細部に宿る」という感じでプロですね。
TK いや、そんなことない、そんなことない(笑)。
──結果は極真世界王者相手に打撃で勝ったわけですけど。試合前からガンガン攻めようと。
TK そこに何年か前にたどり着いたんです。要は相手がどうのこうのじゃなくて自分の戦いをしっかりとやると。
──何年前にたどりついたんですか?
TK 結局ぐるぐる回ってるんですね。「俺ってこうだよね」って自分で自分のことを再認識したっていうのが何年か前。「何年か前」っていうかもうずいぶん昔だけど(笑)。
──高阪さんくらいのキャリアでも“自分探し”をしてるってことですね。
TK 自分は中学時代に柔道を始めたんですけど、試合で勝っていた時期があったんです。滋賀県で決勝まで行って、全国大会まで行ったり。そのときの柔道は、いわゆるガチャガチャ柔道。要はバカみたいに攻めまくって体力だけで戦ってたんですね。だから体力勝負になって相手のほうに体力があった場合は負けているんですよ。そういう柔道で最初は始まったんですけど、高校や大学でやるようになって、技術が必要なんじゃないの?と。それで技術を学んでいったんですけど、全然成績は上がってないんですよ。それは自分の本質が見えなくなっていたんじゃないかなって。それを総合の中でも気づいて。
──それが数年前。
TK でも、それは何周もしているんですよ。「やっぱり攻撃しなきゃ!」「でも技術も必要だよね」「いやでも結局、俺ってこうじゃん」って自問自答を繰り返しながら、いまに至る。思い返せば、何度も何度も巡って時間が過ぎていったなって。
──今回の引退試合では自分の原点に立ち返ったと。
TK はい、そうですね。「ここだろう」という確信は自分の中にあった。「自分はこうじゃなきゃ何も生まれないよ」って。
──確信はしてるけど、迷ってしまったのはなんなんですか?
TK いや、迷いはまったくないです(笑)。
──でもぐるぐる回っちゃうんですね?
TK そこはもう何周もしてますね。やっぱり自分がいままでやってきたことってトライ・アンド・エラーの繰り返しで。やってダメだった、そのダメからまた何かを見出す。またダメ、また見出す。その繰り返しだったんです。それはいまもそうなんですけど、それはすごく大事だなと思っていて。だからそこはすごく練り込んだ感が自分にはあって。
──同じ場所をぐるぐる回ってるように見えるけど、じつはそうではないということですね。
TK そうです。自分の身体の核となるものが一周回ることでできるんです。一周回るというより、塗り重ねていくイメージですね。それがどんどん分厚くなっていくのが格闘技なのかなって思ったり。
──そうやって分厚くなる前でやめざるをえないケースもありますよね。ここまで戦えた高阪さんの身体の頑丈さが……。
TK それはもう間違いないと思います(笑)。途中でこれはマズイなっていう故障もあったんですけど、なんだかんだで完治したので。
──高阪さんってたまにとんでもない殴り合いをするときがありますけど、いまの話を聞いて納得しました!
TK そういうことだと思います。UFCでいうとバス・ルッテンとの試合なんかは、カウンターのタックルやグラウンドのポジションの使い方とかすごく練習していたんです。
――1999年1月9日のUFCヘビー級王座挑戦者決定戦の死闘ですね。
TK あのときはリングス所属のまま、シアトルに移って練習していたんですけど。モーリス・スミスやフランク・シャムロック、ジョシュ・バーネットやジョン・ルイスとか、そういう選手たちと「これからはこういう戦いが必要なんじゃないか」と練っていた時代でもあったんで。
──いまは「強くなるならアメリカ!」となってますが、20年以上前に画期的なことをやってましたよね。高阪さんの引退試合が発表されたときに、バス・ルッテンとの試合を見返したんですけど、戦略的な戦い方で。「最近の試合ですよ」って言われても驚かないというか。
TK そうですか(笑)。あのときは試合のやり方としても「このプランで行こう。それがもし崩れたらこのプランで行こう」と。いまのUFCの選手がやっているプランAからプランCまで用意しておくかたちに近かったのかもしれないです。
──時代の先頭を走っていたわけですね。あの時代のUFCってまだアングラ感が漂ってましたよね。
TK アスレチックな方向に向かおうとしていた時代の過渡期でしたね。ルールも毎大会ごとに変わっていて。ルッテン戦は1R12分で、オーバータイムが3分。その前までは15分1Rだったんです。
――5分3ラウンドになるまで時間はけっこうかかってますよね。それにしても15分1Rからの1R12分+3分という変更って(笑)。
TK 15分だと最後にガス欠しちゃう奴がいるから、どこかで切ろうってことになって。12分にして、残り3分だったらどんだけ疲れていてもできるだろうと。あの時代はホントに試行錯誤の繰り返しで。UFCの大会が終わるじゃないですか。あのときはSEGという会社がUFCを運営してたんですけど、そこの社長がホテルの部屋にファイターを集めて「今日はこういう試合が多かった。何かルールで意見ないか?」ってミーティングを始めるんです。15万字・記事19本詰め合わせセットはまだまだ続く…… -
平本蓮vs安保瑠輝也消滅の内幕■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
2022-05-28 15:23150pt多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は4月24日にニコ生配信されたものを編集したものです)
【1記事100円から購入できる過去記事】・平本蓮vs鈴木千裕決定の裏側/キッズMMAのパウンドについて
・扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題
・【仮想通貨詐欺】なぜ私はTDTのスポンサーオファーを断ったのか
――今日は月に一度のお楽しみ、シュウ・ヒラタさんのMMAマシンガントークということで。ベラトールの堀口恭司選手の試合(パトリック・ミックス戦)は残念な結果になっちゃいました。判定は3-0、三者48-47の1ポイント差とはいえ内容的にはかなり差があったんじゃないかっていう印象でしたけど、シュウさんはどういうふうにごらんになりました?
シュウ 試合を見て思ったんですけど、ミックスは打撃をポンポン出すわけじゃなく、中央に陣取って、堀口選手にプレッシャーをどんどん与えていくスタイルは、前戦のセルジオ・ペティスとちょっと似てましたよね。
――それはつまり堀口恭司対策のベーシックワンができていたんじゃないか、と。
シュウ 共通の対策に見えました。堀口選手のファイトスタイルはステップ踏んで出入りするものなので、そうなると彼が入ってくるところをカウンターで狙おうと。それプラスやっぱりミックスとはかなりリーチ差がありますからね。体格差をうまい具合に使われたという感じですね。
――タイプは違いますけど、以前のダリオン・コールドウェル戦も体格差で不利な局面がありました。
シュウ そうですね。ただコールドウェルの場合は、ちょっとあんまり詳しく言えないけど、ちょっと性格的や試合前の調整、準備という点に問題があるんで……。
――ボクもいろいろと聞いてますけど、性格的にムラがあるみたいですね。
シュウ そこはミックスとは全然違うと思うんですよ。堀口選手はUFCではフライ級でやってて、そこに見合った体格なんで。バンタムだと体格差を利用されて、厳しい戦いを強いられてますね。
――「フライ級でやればいいじゃないか」という声がありそうですが、最近ベラトールでフライ級の試合はたまに組まれますが、フル稼働はしてないという。
シュウ しっかりした階級はないですね。
――ただし、UFCのフライ級とベラトールのバンタム級なら、後者のほうが扱いがいいし、ファイトマネーも断然いいと。
シュウ そういうことですよね。それに堀口選手の適正はフライだけど、バンタムでもやれるだけの実力は持っているわけですから。
――そこは間違いないですね。
シュウ あとは戦い方だと思うんですよね。相手は研究してくるし、もちろん堀口選手も考えてやってるんですけども。ちょっと大振りが多かったんじゃないかなって印象を受けたんですけどね。あくまで印象で統計を見てるわけではないんですけど。そこは1ラウンド目にバックを取られて攻め込まれた影響もあったと思うんです。解説のジョン・マッカーシーは1ラウンドはミックスの10-8を付けたじゃないですか。あの内容だと「10-8をつけられた」っていう危機感はあったと思うんですよ。
――堀口選手からすれば2ポイント取り返さないといけないと。
シュウ KO決着するか、やっぱりポイントを稼がなくちゃいけないので、印象的なショットをバチンと当てようとする。どうしても大振りに見えるような一発狙いに繋がってしまったのかなっていう部分はありますよね。
――そしてまたバックを取られないように慎重さが求められますね。
シュウ ミックスがまたバックを取りにくることは絶対にわかってると思うんですよ。しっかり対策はしてたと思うんですけれども、あれって対策はなかなか難しいんですよね。水垣(偉弥)くんがUFCでブライアン・ボウルズとやったときも、スタンドでバックを取られて、振っても落ちない。下になると完全に印象が悪くなる。スタンディングで後ろに乗られたときの対処法はすごく難しいんです。あの1ラウンド目に完全に制圧されちゃった印象が残ってしまったのがターニングポイントだとは思いました。どうしてもメンタリティーとして追っかけなくちゃいけないですから。
――実際の1ラウンドのジャッジは「10-9」でしたけど、精神的に違ってくるというか。
シュウ それにこのクラスになるとちゃんと対策を練ってくるんで、どっちに転んでもおかしくない試合になりますよね。RIZINだってトップのせめぎ合いになってくると、その日のゲームプランや体調、ケガとかも関わってきますよ。
――堀口選手の次の試合は年末のベラトール日本大会になると言われてますが……。
シュウ そういうことになりますよね。私がRIZINの榊原さんだったら、対戦相手の選択肢はひとつでしょう。
――誰ですか。
シュウ セルジオ・ペティスとの再戦ですよ。
――うわっ、榊原さんが考えそうなマッチメークですね(笑)。
シュウ ケガが治るかどうかはわからないし、現実的には厳しいかもしれないけど……。やっぱりファンはそのカードが一番見たいですよね。もしくは扇久保(博正)選手との3度目の試合はどうなんですかね。
――うーん、この流れで日本人対決あんまりピンとこないですねぇ。ベラトールで外国人に2連敗しているので、ベラトールの外国人相手に勝ってもらうほうがいいのかなと。
シュウ そっちのほうが盛り上がりますよね。いずれにしても年末までちょっと試合間隔が空くので、しっかり休んでリフレッシュしてほしいですよね。
――この配信が記事になる頃には正式に発表されてると思いますが、6月から開催される「ROADtoUFC」トーナメントに日本人選手が何名がエントリーするそうですね、
シュウ それでいうと『パウンドストーム』の両国大会は、UFCのマッチメーカーがすごい興味を示したんですよ。注目している選手は3人ですよね。言わなくてもわかるのはメインの中村倫也選手。試合数が少ないとはいえ、素材も間違いないですし。UFCのアジアトーナメントだったら、UFCが一応目指しているところは、10戦以下の選手、若い選手に発掘がメインですから。そこを考えると、中村選手はいまの日本で当然着目されてしかるべきだと思います。
――中村選手は『パウンドストーム』のメインでアリアンドロ・カエタノに判定勝ちを収めました。
シュウ カエタノに勝ったのはすごいデカイと思うんですよ。彼もやっぱりUFC一歩手前の選手でしたし。中村選手の「ROADtoUFC」に関しては近日中に決まると思いますけど(後日正式に発表)。いまの日本はたとえばRIZINやONEと契約のある選手が多いわけですし。契約のない選手たちのリストを見たときに、素材的には中村倫也はピカイチ一だと思うんで。ボクならUFCのマッチメイカーのショーン・シェルビーに「取っといたほうがいいと思う」って推します。中村選手のエントリーは間違いないと思いますが、あとどうなるかですね……。
――朝倉海選手がダナ・ホワイトと面談したことで「ROADtoUFC」出場か……なんて騒ぎになりましたけど、これはオーディション企画なので。海選手はRIZINとの契約が残ってるはずだし、あれだけのキャリアや市場性がある選手はわざわざ出る必要はないですよね。
シュウ RIZINやONEの有望な選手は複数回契約を結んでますし、朝倉海選手ほどのキャリアのファイターがいまさらコンテンダーシリーズには出ませんよ。「ROADtoUFC」で3試合やるなら、RIZINで3試合やればいいわけですし。
――「ROADtoUFC」クラス以上の選手は呼べるはずですし。
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誠実のプロレスラー・大谷晋二郎を信じろう■松澤チョロの脱線プロレス
2022-05-23 16:51150pt
ZERO1オフィシャルサイトより松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第5弾。今回は大谷晋二郎さんを語ります!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から¥110から購入できます!】・日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス
・「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス
・橋本真也を最後に取材した男・松澤チョロが語る「ゼロワン時代の破壊王」
・『紙のプロレス』は鬼畜系だったのか〜小山田圭吾と原稿チェック問題〜■松澤チョロ・世界最遅! シバターvs久保優太を語ろう■松澤チョロの脱線プロレス
――大谷晋二郎さんが試合中の事故で大ケガを負ってしまいました……。
松澤 『紙のプロレス』時代、大谷さんのことは何回か取材したことがあるし、同じゼロワンでも橋本真也さんなんかと比べたら破壊力は落ちるけど、試合はもちろん、インタビューもかなり面白い人だったよねぇ。
――弁が立つプロレスラーですよね。
松澤 ただ、破壊王(橋本真也のあだ名)と一緒で、最後まで俺の名前は覚えてもらえなかったと思う。カミプロで名前を知ってるのは会長(山口日昇)と、ささきぃくらいじゃないかな。
――ゼロワンの会場や事務所をしょっちゅう出入りしていた松澤さんが名前を覚えられてないのは意外ですね。
松澤 他のマスコミみたいに「今日はどう?」みたいにフランクに話しかけられるタイプでもなかったし、最後までツーカーではなかった。昔と変わっていなければ大谷さんは溝の口付近に住んでるはずだけど。溝の口のパチンコ屋にいる姿を何度か見かけて、挨拶するべきかどうか悩んだことはあったなあ。挨拶しても気まずい空気になるのはイヤだから、結局しなかったけど。
――溝の口は新日本や全日本の道場からアクセスがいいから、あの周辺に住んでるレスラーが多くて。巡業合間の時間潰しからみんなパチンコ好きになって、溝の口のパチンコ屋を覗けばば誰かしらプロレスラーの姿があったんですよね。
松澤 そうそう。俺にとって「2大・報われてほしいプロレスラー」の女子代表は井上京子で、男子は大谷晋二郎なんだよ。2人ともプロレスラーとしてのポテンシャルは当然すごいんだけど、団体経営で苦しんだところはあって……。井上京子は団体経営で何千万も借金を背負って、お金のために総合格闘技に出たりしてね。もともとプロレスの天才だから、時代が違えば海外とかでも成功した可能性が全然あったんだけど、後輩や周りを守るためにプロレスラー人生を捧げてしまった。大谷さんも井上京子と似たイメージがあるんだよね。自らの成功を捨てて、ゼロワンのために尽くしてきたというか。
――じつはゼロワンって好調だった時期は短いんですよね。活動21年間の中で最初の1年くらいですよ……。
松澤 伝説の旗揚げ戦は大成功だったよね。
――その旗揚げ戦が大成功しちゃったことでトラブルが起きて。そもそも新日本の衛星団体としてスタートしたんですけど、旗揚げ戦が儲かりすぎたことで新日本と破壊王が揉めたんです。旗揚げ戦会場の両国は新日本が押さえていたし、永田(裕志)さんもメインに出ていたけど、新日本のレスラーがそれっきりだったのは揉めたからで。
松澤 最初の団体名は「新日本プロレスリング ゼロ」だったしね。
――のちに破壊王の右腕となるフロントの中村祥之さんは監査役として新日本から送り込まれて、べつに破壊王寄りの社員じゃなかったんですよ。中村さんは新日本に戻らず、そのままゼロワンに残留したんですけど。
松澤 中村さんはリキプロ出身で破壊王というより長州派だったからね。まあ遅かれ早かれ新日本から出たんだろうなって感じはするけど。
――当時はみんな野望を抱えていた時代ですよね。大谷さんの場合も野心があったからゼロワンに移籍したんでしょうし。
松澤 大谷さんと破壊王は師弟関係ってわけではなかったでしょ?
――大谷さんは破壊王の付き人を2年間やりましたけど、破壊王軍団ではなかったですね。同時期にゼロワンに移籍した高岩(竜一)さんは破壊王軍団でしたけど。あの当時の新日本って給料を下げられたレスラーは1人もいなかったうえにバブルでしたから。高岩選手クラスでも年俸1000万円以上。離脱は金銭に不満というよりは、プロレスラーとしての野心、もっと強い言葉でいえばエゴでしょう。大谷さんなんて凱旋帰国直後の移籍ですから。
松澤 大谷さんはジュニアで評価されてからの海外修行だから、無名のヤングライオンのケースとは違うよね。もう名前があって「これから」ってときにゼロワンに移籍。
――現場監督時代の長州さんとは険悪だったからゼロワンに移籍……という話もありましたが大谷さんいわく、そうではなくて。大谷さんと長州さんが揉めたのは、大仁田厚の新日本参戦が話題になっている頃に「何が長州力だ! いまはジュニアのシリーズなんだからジュニアの闘いを見ろ!」とマスコミにアピールしたら現場批判と受け止められた。それで試合前の控室に呼び出されて口論になって長州さんから「もう帰れ!」とキレられて。その後、お互いが言い過ぎたってことで和解したそうですけど。
松澤 あの当時はみんな自己主張が激しかったよね。金本浩二さんもさんざん会社に文句を言っていたし、藤田和之さんや安田忠夫さんも結局外に出たし……って安田さんの場合は借金問題でクビに近いけど。それでもPRIDEに出て一攫千金を狙ったわけだし。
――ただ、高岩さんは衛星団体としてのゼロワンに移籍したイメージだったみたいですよ。破壊王に入団を直訴したら、新日本の契約を更改してこいと命じられて。で、新日本と契約したんだけど、旗揚げ直後の給料日にお金が振り込まれてないから新日本に電話をしたら「あなたは新日本の選手じゃない」と突き放されて。
松澤 え、何それ!? すごい話だ(笑)。
――大谷さんの場合は新日本離脱という意識はあったみたいです。ただまあ会場は新日本が押さえているけど、興行は破壊王の会社がやっていたり、破壊王と新日本のあいだになんの契約もなかったりと、いい加減にもほどがあって。
松澤 逆にいえば、そんな感じでいい加減だからこそ、衛星団体としてスタートしたのにノアの三沢(光晴)さんも協力してくれたんだろうね。あの旗揚げ戦がコケていたらプロレスの歴史は違っていたんだろうけど、結果的にめっちゃ盛り上がったから。
――00年代の佐藤正行編集長時代の『週刊プロレス』の中では、ゼロワン旗揚げ戦詳細号がいちばん売れたみたいです。ちなみに当時のボクはカミプロに入る前で無職だったんですが、同日に後楽園ホールの修斗で山本KID徳郁のプロデビュー戦があって。総武線で両国に向かうか、途中の水道橋で降りるか悩みましたよ。最終的にKIDを選んだのでアンデウソン・シウバの日本デビュー戦も目撃できたんですけど。
松澤 KIDデビュー戦とゼロワン旗揚げって同じ日だったんだ! あれ、KIDのデビュー戦ってそんなに話題になってたんだっけ?
――いや、マニアは要注目って感じで、そこまでは話題になってないですね。当時は修斗四天王ブームも一段落していたので、お客さんはそうでもなくて。ゼロワンの大爆発を聞いて「選択ミスしたなー」と思ったもんですけど。
松澤 いや、ゼロワン旗揚げかKIDデビュー戦かで迷ってたジャン斉藤もすごいよ。まあでもゼロワンの旗揚げ戦はホントに盛り上がったから現場で体感できてよかった興行の一つだよね。
――1億円近く売り上げたみたいですよね。まだ新日本仕切りだった第2戦の日本武道館はノア側の事情で三沢光晴と小川直也の初対決(タッグマッチ)の発表がギリギリになったんですけど。三沢vs小川目当てで当日券が5000枚近く売れたみたいですからね。そりゃあカネで揉めるなって。
松澤 当日券5000枚って、いま考えてもとんでもない数字だよなぁ。まあでも振り返るとゼロワンってスキャンダル系の話がよく出がちな団体だったよね。別冊宝島でもよく取り上げられていたし。
――旗揚げ直後にやっていた別ブランド『真撃』も、主催者のステージアが倒産しちゃって、けっこうな額の未払い金が発生してたんですよね。ちなみにステージアはプロレスイベントだった2000年『猪木祭り』の主催者でもあって。
松澤 ゼロワンって親会社がしょっちゅう変わっているよね。たぶん把握できてる人ってなかなかいないでしょ。他にもキングスロードを吸収したり、ビッグマウス・ラウドも傘下に収めたり、女子部門の『プロレスリングSUN』があったり。
――『プロレスリングSUN』は女子プロレス史の中でも黒歴史ですね……。
松澤 それこそ大谷体制になってからも、レフェリーの笹崎勝己さんが社長になったり、かと思えば最近は大仁田さんの側近だった神尊仁さんが社長になったりして、ようやく大谷さんの負担も減るのかなぁと思ってたのになぁ。
――面倒くさいから表記上はゼロワンで統一してますが、いまのZERO1は、破壊王がやっていたZERO-ONEとは別団体なんですよね。
松澤 破壊王時代のゼロワンはそこそこ長く続いたように見えるけど、短かったよね。実質3年ちょっと。
――そのあいだもずっとトラブル続き。マーク・ケアー参戦も大騒ぎになったじゃないですか。ケアーとPRIDEの契約はもう切れていたんだけど、PRIDEの怪人・百瀬(博教)さんに挨拶がなかったということで問題になって。破壊王がインターコンチネンタルホテルのスイートルームに閉じこもって、仕方なく中村さんが詫びを入れに行ったら、もともと2人は面識があって「なんだよ、オマエだったのか」と一件落着。
松澤 あったねぇ。選手引き抜きでいえば、前田(日明)さんとも何かなかったっけ?
――ディック・フライ&ハンス・ナイマンのオランダ勢が『真撃』に参戦したときですね。リングスは活動停止中で2人とも契約はなかったそうですけど、当時は契約がなくても簡単には手が出せない時代で。揉め事にならなかったのは、破壊王が猪木さんの影響で葉巻にハマりだした時期で、恵比寿のウエスティンホテルのシガーバーに行ったら葉巻好きの前田さんとばったり遭遇。葉巻を通じてわだかまりが溶けたという、すごくいい話なんです。
松澤 知らなかったけど、煙に巻かれたいい話! それでいうと、リングスを退団した直後のヤマヨシ(山本宜久)も破壊王は引っ張ろうとしたみたいで。破壊王からヤマヨシに電話がかかってきて「3000万でどうや?」みたいな。
――マーク・ケアーには3試合6000万円の金額を提示してたらしいから、金銭感覚が壊れすぎ!
松澤 でも、それはあいだに入った関係者の行き違いがあって御破算になったんだけど。破壊王はプロレスしかやらせる気はない。でも、ヤマヨシは小川直也と真剣勝負がしたいからプロレスはやる気ない。そうこうしているうちに「ヤマヨシが何千万じゃないと出ないと言ってる」みたいな噂が流れたことに破壊王が怒って、そのまま疎遠になっちゃったんだよね。最近ヤマヨシ自身がYouTubeで明かしてたけど。<14000字の大谷晋二郎語りはまだまだ続く>
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
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DEEPはなぜ好調なのか/ぼんやり層がTHE MATCHを楽しむ方法
2022-05-23 16:35130ptこの記事はDEEPはなぜ好調なのか/ぼんやり層がTHE MATCHを楽しむ方法を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・朱里インタビュー「チャンピオンになって、ASUKA選手とプロレスのリングで再会したいです」
・谷津嘉章、興行という灰色の世界を語る――「プロレスとヤクザ」
・【デビュー20周年と100戦目】KEI山宮インタビュー――パンクラシストの憧れと死を見つめて
・折原昌夫インタビュー後編「天龍さんの引退試合を見に行かなかったのは……」
「DEEPの好調ぶりを語ろう」という配信タイトルをつけた自分が言うのもなんですけど、今度のビッグマッチにしてもマッチメイク的は通常モードですよね。いや、べつに物足りないと言ってるわけではないんですけど!(笑)。
RIZINとDEEPはやっぱり違う団体なので比較論はナンセンスなんですけど、最近のDEEPはカード発表のたびに「RIZINよりいい」と褒めたくなる雰囲気作りがうまくできてるところはあります。
このメルマガで口を酸っぱくして言い続けてきましたが、ボクは生まれ変わって格闘家になるなら絶対にDEEPを選ぶと。ファイトマネーは悪くないし、試合も定期的に組んでくれるし、RIZIN出場を配慮してくれるし、UFCやONEに快く送り出してくれるし、ケンカ別れしても許してくれるし、引退興行も組んでくれるし。……あ、生え抜きじゃなくてもDEEPファイターヅラできたうえに、DEEPと縁がなくても引退興行も協力してくれるんですけどね。佐伯さん、雑食すぎるでしょ(笑)。
ボクは00年代中盤から修斗、パンクラス、DEEPに良くも悪くも差はないと見てきたんですが、DEEPはいろんな意味で自由だから軽く扱われるところもあって。数年前は選手や格闘関係者から「DEEPはもう終わった」とか「佐伯さんのやり方ではダメだ」とか悪口がすごかったんですよ。「そんなに他と違いがあるのかなー」って疑問だったんですけど。たとえば選手が移籍するにしても、修斗やパンクラスの場合はスキャンダラスに語られないところはありますよね。DEEPだからイジられやすいところはある。フレンドリーさもひとつの味かもしれません。
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YUSHI10000字インタビュー「“いけてる感じの男”になる方法」
2022-05-19 09:57150pt圧倒的なスターのオーラをまとうYUSHIインタビュー(聞き手/松下ミワ)【1記事110から購入できるバックナンバー】・強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
・菊地成孔☓佐藤大輔■「ローリング20」におけるRIZINと東京オリンピックの行く末
・ボンサイ柔術の戦友が語るクレベル・コイケの強さ■関根シュレック秀樹
・レスリングエリートをMMAファイターに育てる方法■宮田和幸インタビュー
――RIZIN LANDMARKでの勝利、サイコーでした!
YUSHI ホントですか? ありがとうございます!
――スカッとしたKO勝ちだったので反響も凄かったんじゃないですか?
YUSHI 反響自体は大晦日のほうが大きかったですけど、今回は勝てて成長した姿を見せられたので、それでけっこう連絡いただいたりしましたね。「一番よかったよ」と言ってくれる人もいたので、やっててよかったなと。
――それだけインパクトがあったのは、前日に対戦相手のZENKI選手がだいぶ計量オーバーしちゃったのもありますよね。
YUSHI ああ、ねえ(苦笑)。
――逆に、負けられない戦いになっちゃいましたが。
YUSHI まあ、当初から「ヒーローvs悪者」みたいな構図で見せるような感じはあったんですけど、計量オーバーで「そこまで悪者になるんだ……」みたいな(苦笑)。でも、周りからは「逆にYUSHI持ってるじゃん!」と言われたんですよね。
――へえ~!
YUSHI 「ちょっとハンデを背負ってたぐらいのほうが、勝ったときに盛り上がるんじゃない?」という話をされて、「確かにそういう考え方のほうがいいな」と。だから、当日は絶対にぶっ飛ばしてやろう気持ちで挑みました。
――というか、その方の助言は素晴らしいですね。
YUSHI 自分が尊敬している人に何かあるたびに連絡を取ったりして、自分がリスペクトしている人と話すことで「こういうふうに見られてるよ」とヒントをもらってる感じなんですよ。最終的には自分でジャッジするんですけど、今回の体重オーバーも「なんかムカつきました」と言ったら、「逆にYUSHI持ってるじゃん」と。それで「あ、そういうふうに頑張ればいいんだ」と気づけたので、けっこう助かりましたね。
――ただ、体重差4キロということで、実際の試合は大変じゃなかったですか?
YUSHI それに、リカバリーの制限もなかったんですよ。
――あ、たしかにそのへんは何もアナウンスがなかったような……。
YUSHI ボク、言ったんですけどねえ。結果、向こうが負けてもファイトマネー半額で、向こうが勝っても公式記録にならないということで。でも、それだとボクにメリットは何もないんでね(苦笑)。
――唯一のメリットは絶対に黒星がつかないということですよね。
YUSHI だから、当日は7キロぐらいの差はあったかもしれないです。自分が上を取ったときに、あんなに簡単に返されることって同じ階級ぐらいだとほぼなかったので。そこは自分も自信があるところだったんですけど、けっこうコロッと返されたんで体重差はどうしても感じたところはありました。
――寝技もそうですけど、打撃の圧も違いました?
YUSHI まあ、打撃は右だけ気をつけていれば大丈夫かな、と。パンチのフォームもそんなにキレイじゃないし、ボク自身カウンターを練習していたんで、けっこうパンチが交差していたのは自分が練習してきた右のカウンターを合わせて交差していたということなんですけど。最後はそれがしっかり合ったので、倒せてよかったです。
――試合前には「KOで倒す」と予言されていましたが。
YUSHI ハハハハハ、なので今回は有言実行ですね!(眩しい笑顔で)。
――本当に眩しすぎる勝利でした! それにしても、前回の三浦孝太戦よりもYUSHI選手の攻撃が多彩だったので、相当練習しているんだろうなという印象を受けました。
YUSHI いや~、相当練習しましたよ!(笑)。
――やっぱりそれも大晦日で負けたことが悔しかったから。
YUSHI 正直、大晦日の試合も勝てると思って出たので。でも、実際はマグレでもなく実力の差で負けましたから。体重差はあったんですけど、そもそも向こうは19歳で初戦だし、実力としては寝技の展開でも負けちゃダメだったなと思っていて。そういう気持ちもあったので、練習して強くなって次は応援してくれた人を喜ばせてあげないと、なんか負けて終わるのはダサいし。それが努力につながったのかなと思いますね。
――噂によると、いろんな仕事をそっちのけで練習ばかりしていたそうですね。
YUSHI 今年入ってからは練習しかしてなかったです(笑)。
――ハハハハハ! さすがに、会社の人に怒られませんでした?
YUSHI まあ、怒られる立場にいないというのもあるんですけど、自分の頑張っている姿をSNSとかを通して見せていかないと納得はしてもらえないのかなというのはありました。ボクはボクで頑張っていることがあって、それが仕事につながっていることを理解してくれれば、ボクのことも応援してもらえるだろうし。ホントはアピールするのは好きじゃないけど、そういう理由もあって練習に行ってる姿は出してましたね。
――確かに、インスタにはいろんな練習風景が上がってましたね。
YUSHI 本当は「何も練習してないよ」という感じで出て強いのが理想だったんですけどね(笑)。でも、年齢的にもキャリア的にもそんなことはないし、応援してくれる人たちはやっぱり頑張っている姿を見て応援してくれると思うし。ボクがめっちゃ努力することによって夢が叶うことを伝えられたら、まあちょっとは刺激を受けてもらえるじゃないですか。だから、あえてストイックに頑張っている姿を上げてましたね。
――そういうSNSでの発信や入場シーンも含めて、TUSHI選手って自分で自分のハードルを上げてるところがありますよね?
YUSHI でも、それが一番頑張れるんですよ。あえてハードルが上がることを言っちゃったほうが。まあ、平本蓮くんとかまで言っちゃうと行き過ぎですけど……。
――あ、平本蓮選手はハードルを上げすぎですか(笑)。
YUSHI 正直、あれは行き過ぎだからツライだろうなと思いますけど、ボクは自分の手の届く範囲で「これはいかなきゃいけないぞ」ということがあったら、その目標を言うんですよ。それがデカすぎるとプレッシャーになりすぎるし、デカいことを言いすぎて「実力がないヤツ」と言われるのもイヤなので、自分でいけるラインを把握しながら、そのラインのデカいことを言って「やるしかない」というプレッシャーにさせてますね。
――そういう姿勢もYUSHI選手のカッコよさにつながってると思うんですが、今日はYUSHI選手が思う「カッコいいとは何か?」みたいな話もうかがいたくて。
YUSHI ああ、ぜひぜひ!
――そもそも、ファッションも含めて人とカブることがキライなんですよね?
YUSHI はい。だから「あのブランドの服だよね?」よりも、「それ、どこに売ってるの?」と言われるほうがうれしいですし、そっちのほうがカッコいいと思いますね。たまにポーズで誰もが知っているブランドのレアなヤツとかも買ったりしてましたけど、いまは唯一無二のカッコよさを出しているほうがいいなと思ってて。
――でも、毎回毎回大変じゃないですか?
YUSHI 大変なのかな? 自分が好きなことですからね。無理してたら大変だと思うんですけど、自分の中でつくりあげて「よっしゃ、これ自信あるぞ」というものを人に評価してもらえると「しめしめ」と思いますけど。
――それに、ずっと人の目にさらされているのもけっこうなストレスというか。
YUSHI うーん、でもずっとそれをやってきたんで、大変だという思いはないですね。唐突にそれをやろうとするとキツイと思いますけど。
――一瞬でも気を抜くと「ダサい瞬間を見られてしまうんじゃないか……」と思ったり。
YUSHI ああ、そういうプレッシャーもないです。実際、ダサいというか、ボク抜けてるところはめちゃめちゃあるんで(笑)。そういうのを知っている人は「まあ、YUSHIだしな」みたいな。そういうのも含めて主役でいたいというのはありますね。
――ちなみに、今日の服も非常に主役級ですよね!
YUSHI ああ、これですか? これはボクの友達がやっているブランドなんですけど、まだ全然知られてないし、たぶん普通の人は着ないんだろうなという服で。夏とかだったら普段着で来てもいいですしね。
――普段着といっても、普通の人が着こなすのは大変ですよ(笑)。
YUSHI え、ダサいってことですか?
――いやいや、それが似合うぐらいカッコよくないとダメな服だな、と。
YUSHI まあ、自分で似合うもの似合わないものはわかってるし、そういうのをけっこう研究してきたというか。もう小さい頃からカッコつけだったから、どうやったら自分をよく見せられるのかを研究し尽くして行き着いたのがいまなので、ファッションも髪型も人とカブらずに自分だけの“いけてる感じ”を出せるかを考えているというか。
――そういう「自分はカッコよくあるべきだ」みたいに目覚めたのは、何がきっかけがあったんですか?
YUSHI なんですかね? そのクラスならクラスで一番目立っている、一番カッコいい人に憧れがあったから「そういうふうになりたい」みたいな。自分が昔からそうだったわけじゃないから、そこに憧れがありましたね。で、その中で魔裟斗さんだったり、木村拓哉さんだったり、G-DRAGONだったり、そのへんにめちゃめちゃ影響を受けたんで、その3人が自分の中で衝撃を受けて真似しようと思って見てた人で。だから「ボクはそれを全部ハイブリットにした人間になろう!」みたいな。
――じゃあ、小学校の頃も自分のクラスで自分よりもカッコいい人がいたら追い抜きたい、と。YUSHI 追い抜きたい! 小学校の頃から自分が一番目立ちたいみたいなところがありましたから。まあ、それはホスト時代もそうですけど、ずっとそれでやってきたので。<カッコよくなる方法を教える1万字インタビューはまだまだ続く>
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時代と寝る平良達郎、歴史的快挙の渡辺華奈
2022-05-18 19:09130ptこの記事は時代と寝る平良達郎、歴史的快挙の渡辺華奈を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・朝倉海を最初から最後まで褒め称える会
・青木真也に降り続ける『やれんのか!』の雨
・【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
・いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー
渡辺華奈選手がベラトールで、平良達郎選手がUFCでそれぞれ勝利しました! いやあ、日本人格闘技ファンにとっては素晴らしい週末になりましたねぇ。海外MMAの日本人の試合って週末の昼間にやるから、試合で負けると落ち込んだまま休日を過ごすことになっちゃうんですけどね(笑)。
まず渡辺選手、ワタカナさんは日本格闘技の歴史的にも、とてつもないことをやってるんですよね。何かというとメジャーイベントで、女子フライ級の国際戦を4戦連続やって、3勝1敗で勝ち越して、フィニッシュ2回ですよ? MMAレコードの評価は「誰に勝ってるのか」が重要なわけですけど、ワタカナさんが勝ってる相手は全員ベラトールで実績がある選手。 格下相手のチューンナップファイトではない。これだけのキャリアをこなすって、UFCやベラトールのメジャーで数年は戦わないと達成できないわけですから、なかなかの茨の道を歩いている。ワタカナさんは年内に行なわれると噂のベラトール日本大会で、王者リズ・カムーシュへ挑戦&リマッチ濃厚でしょう。堀口恭司の凱旋マッチは組まれるとなれば、もはやRIZINなベラトール。「ベライジン!」とドラクエの魔法みたいなことを唱えたくなるほど楽しみですよ。
そして平良選手はUFCデビュー戦とは思えない落ち着いた戦いぶりでした。試合内容としては完勝ですし、プロレス格闘技でスターになる選手って勝手に事件が降り掛かって求心力を手にするんですよね。
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飯伏幸太LINE暴露騒動とは何か?■事情通Zの「プロレス 点と線」
2022-05-18 18:33130ptプロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する事情通Zのコーナー。今回はコロナ禍で飯伏幸太LINE暴露騒動とは何か?です!【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・齋藤彰俊インタビュー②「W★ING参戦、新日本プロレスvs誠心会館」
・DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
・さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38■斎藤文彦INTERVIEWS
・【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏
――Zさん! 飯伏幸太選手がガーシーならぬブーシーなツイートでプロレス界を騒がせています!
事情通Z 大変なことになってるねぇ。きっかけはおそらく3月のJUST TAP OUT後楽園ホールでTAKAみちのくのセコンドについたこと。飯伏選手は昨年10月のG1クライマックス優勝決定戦でケガをして以降、欠場中なんだけど。会社に許可を取らず、新日本以外の興行で表立った行動に出たと。やっぱり欠場中は基本的には表舞台には出ないのが鉄則だから。
――あのセコンド事件から今回のLINE暴露に繋がるんですか。
Z でも、あれって3月のことでしょ。あれから何があって今回の告発に繋がるのか……いろいろと不満はあったみたいことは、ここ最近のブーシーツイートからも伺い知れることだけど。
――外様扱いがどうのとか、パワハラがどうのとか。「反社」というツイートもあったことで「ここにもY氏が登場!?」って週刊ポストを読み直しました。
Z 笑えないネタを投下するんじゃないよ! こうなった大きな理由は先にも触れたG1のケガだと思う。おそらく思ったよりも重傷なんだろうね。腕立て伏せやバーベルも全然できていないことはツイートでも明らかにしている。
――ニュージャパンカップも当初はエントリーしてましたよね。
Z 結局欠場したけど、出場に関してのコミュニケーションがうまく取れていなかったんじゃないかな。飯伏選手からすれば復帰なんて到底無理だったとツイートからは推測できる。
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ダチョウ倶楽部・上島竜兵とプロレス
2022-05-16 16:38130ptこの記事はダチョウ倶楽部・上島竜兵とプロレスを語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤) 画像は紙のプロレスRADICAL NO.63より【1記事から購入できるバックナンバー】・『紙のプロレス』は鬼畜系だったのか〜小山田圭吾と原稿チェック問題〜■松澤チョロ・『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」・追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール■斎藤文彦INTERVIEWS・【こじらせU系】高田延彦という最強の空洞■小説家・樋口毅宏
ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんがお亡くなりになりました。上島さんの芸能界での活躍は、世代によって見え方が違ってくると思うんですけど、プロレス方面でも非常に重要な存在だったことを振り返りたいと思います。
ダチョウ倶楽部は3人ともプロレス格闘技大好きで、上島さんもかなりのプロレスマニアでした。ボクは『紙のプロレス』編集者時代に一度取材したことがあるというか、吉田豪さんが聞き手で、その企画の編集担当だったんです。上島さんたちは当時の『紙プロ』が触れられてこなかった全日本・ノア系のレスラーたちと親交が深かったことで、知られざる全日本ネタに触れられたことが新鮮だった記憶があります。
このエピソードは上島さんが亡くなったことを受けて一般メディアがあらためて取り上げていますが、志村けんさんとダチョウ倶楽部を繋いだのは、双方と交流のあった川田利明でした。その時期については馬場・全日本プロレス時代、三沢光晴全日本社長時代、全日本・ノア分裂後と諸説あるんですが、紙プロの記事によれば三沢時代の日本武道館大会後のことでした。<会員ページへ続く> -
また飲酒運転で逮捕! 元祖ディーバ、サニーの“暴走”人生
2022-05-15 10:53130ptアメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはまた飲酒運転で逮捕! 元祖ディーバ、サニーの“暴走”人生です!
<1記事から買えるバックナンバー>・これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件
・アメリカインディの雄ROHの始まりと終わり、そしてAEWへ
・元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件
・AEW設立メンバー、コーディ・ローデス離脱
90年代に元祖ディーバとしてアイドル的人気を誇り、絶大な人気を博したサニーことタミー・リン・シッチは、プロレス史にその名を残すレジェンドだった。2011年に行われたWWE殿堂入り式典ではWWEディーバ(女子選手)たちがプレゼンターとなり、“女子選手の地位向上”を果たしたサニーの偉大なる功績を祝したのだった。
そのサニーが、5月6日、飲酒による危険運転致死傷罪により、また逮捕されてしまった。
“また”と書いたのは、殿堂入りの翌年からのこの10年で、20回近くも逮捕されているからである。
今回、逮捕されたのは、今年3月25日、飲酒運転により衝突事故を起こし、追突された車に乗っていた男性を死亡させてしまったためである。
元祖ディーバとして、あれほどの人気を誇ったサニーだが、殿堂入り以降の彼女は、残念ながら現役時代の華やかさとは裏腹に、その名前も栄光も汚し、ファンを悲しませ続けている。
サニーの逮捕歴は、殿堂入りした翌2012年9月11日、コネチカット州で、当時、付き合っていた男性(プロレスラー)に対し、酔って暴力を加えたことから始まった。
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岡見勇信が語る世界に勝つ方法「中村倫也にGSPの姿が見えた」
2022-05-15 10:11150ptUFC、中村倫也から木村健悟まで語る岡見勇信15000字インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・“修斗伝承者”中村倫也 日本格闘技界の歴史と未来を背負う男
・恐るべき北の闘争家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和インタビュー
・【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」
・髙谷裕之インタビュー「LDH martial arts」が格闘技の未来をつくる
――岡見さんが指導に携わるLDH martial artsの中村倫也選手がROADtoUFCの切符を勝ち取りました。中村選手はまだプロ3戦(全勝)ですが、その怪物ぶりは凄まじいですね。
岡見 強いですよねぇ。倫也に関してはボクは見守ってるほうではあるんですけど、間近で見た倫也の強さであったりとかをお伝えできたらな、とは思っていて。
――岡見さんが育った時代はMMA黎明期で、いまのように環境が整備されてない時代でしたよね。
岡見 そうですねぇ。デビューしたのは22年前。懐かしいですね。
――いまの練習環境は羨ましかったりするんじゃないですか。
岡見 まあ、あの頃はあの頃で、ならではの面白さがあったんですけどね。いまはMMAというものがある程度、確立されているんですけど。当時は何もわからない状況だったことの面白さはあって。羨ましさはとくには……時代が違うんで、なんとも言えないんですけど。
――ABEMAで放映された『FIGHTER BATTLE AUDITION』でも和術慧舟會時代の特訓を取り入れてますけど、あくまでスペシャルメニューって扱いですよね。
岡見 そうですね(笑)。補強や階段走りとかの根性練習。久保(豊喜)社長や守山(竜介)さんの指導は拓大柔道のエッセンスですよね。
――いわゆる柔道の鬼・木村政彦イズムですよね(笑)。
岡見 はい(笑)。いま思うと、あの根性練習がなければ、いまの自分はなかったと思うので。だから『FIGHTER BATTLE AUDITION』の合宿では、そのエッセンスを存分に入れたり。普段の練習では、またちょっと全然違うかたちなんですけど。
――根性練習は必要だけど、基本は合理的な練習ってことですね。
岡見 根性練習ばっかりだと厳しいってことは経験上わかっているので。自分が経験したことや、高谷(裕之)さんが経験したことも……高谷さんは慧舟會以外では、田中塾で揉まれてきたので。
――初代シューター・田中健一さんの格闘結社田中塾!和術慧舟會と田中塾のエッセンスがLDHに紛れ込むってすごい話ですね(笑)。
岡見 ハハハハハハハハ。高谷さんから話を聞くと、田中塾の練習は合理的だったみたいで。だからあんなに田中塾からトップ選手が出てきたと思うんですよね。
――そんな中から輩出された中村倫也というファイターはどう見てるんですか?
岡見 倫也のレスリングの実績はピカイチですし、そもそも彼のバックボーンはホントにMMAをやるために生まれてきたようなものですから。
――パウンド解禁前後の修斗から総合格闘技に触れ続けてきたサラブレットですよね。
©SUSTAIN/SUSUMU NAGAO岡見 彼の練習を初めて見たときにビックリしたんですよね。その身体能力の高さに衝撃を受けたというか、「これはすごいな……」と。ボクとは体格が違うので、なんとも言えない部分もあったんですけど。ちょっと組んで見みた感じ、単なるトップのレスラーでは収まらないものがあるなと。
――「単なるトップのレスラー」でも充分すごいですけど。(笑)
岡見 倫也は他の練習仲間を圧倒するんですけど。倫也はいろいろなところに出稽古に行ってたので「練習で誰にやられるの?」「誰がイヤ?」って聞いたんですよ。そういう質問するぐらいの強さが伝わってきたんで。
――ちなみに中村選手はその質問になんと答えたんですか?
岡見 そのとき答えたのは「上久保(周哉)選手がちょっとやりづらいですね。強いですね」って。
――まあ、上久保選手は誰もがやりずらそうですけど(笑)。
岡見 そんな質問をしちゃうぐらいの衝撃で。彼の場合、昔から寝技を練習してただろうから。いろいろ培っていた中にレスリングが入ってたんだろうなって感じですよね。
――中村選手はデビュー戦のマッチメイクから、見ようによってはチャレンジ的なマッチメイクですよね。
岡見 最初は修斗で論田愛空隆ですよね。
――論田選手とはかなりキャリア差がありましたが、周囲もデビュー戦から自信があったってことですか?
岡見 倫也のデビュー戦の相手については高谷さんやLDHの方々がいろいろと話をしていて。ただ「いきなり論田愛空隆か……」とは正直思いました。愛空隆がプロになる前ですけど、サンディエゴのほうで一緒に練習したことがあって。彼の試合を見ていたり応援はしていたので、実力や実績はわかっていたので。ただ、これは愛空隆とか相手は関係なく、倫也が負ける姿が想像できなかったんですよ。
――はっはー!デビュー戦から。
岡見 ちょっとイタズラな気持ちを加えれば、「倫也はどうなったら劣勢になってしまうのか」と。そういった部分もちょっと見てみたいなと感じさせるぐらいの強さ。
――岡見さんがそう思っちゃうくらいですか!
岡見 最初から強かったんですよねぇ(しみじみと)。
――練習では強くても本番になってみると……ってケースもよくありますよね。
岡見 その怖さはすごくありましたね。負けるとしたら、パンチをタイミングでもらってしまって、何か起きちゃうのかなって。それはどんな選手にもあることですけど、逆に倫也が負けるとすれば、それぐらいなのかなっていうイメージがボクの中ではあって。変な話、ボクも同じ体格だったら、倫也とガチガチやってみたかったなって(笑)。
――中村倫也を試してみたい。
岡見 正直、そう思いましたよ。倫也とガチガチ勝負してみてえなって。強さに触れてみたい。見てるだけでもわかるんですけど、本気でぶつかり合ったとき一番わかるんで。「あ、これかあ」みたいな。
――そういう期待が飛び級のマッチメイクにも現われていたってことですね。
岡見 高谷さんが中心となって倫也を教えて、高谷さんが感じる倫也の強さや弱点であったりをわかってて。最終的にはデビュー戦は論田愛空隆で行こうと。ボクはさっきも言ったように「論田愛空隆かあ。怖いなあ」って。勝つとは思ってたんですけど、ハイキックで……。ああいったフィニッシュシーンはボクの中ではイメージしてなくて。だけど、まあ本人の中ではしっかりとイメージできてた、狙ってたっていうふうにいってたんで。そうだったのか、やっぱり見えてるところがちょっと1つ違うんだなって。
――デビュー戦から怪物ぶりを感じたんですね。
岡見 あんな勝ち方をデビュー戦でするんですから、倫也のすごさをあらためて感じましたね。
――2戦目もパウンドにより25秒でTKO勝ち。
岡見 あのときはケガをしたり、コンディションを崩してて、ちゃんとした練習を積めなかった部分があったんですよね。本人の中でもすごい不安だったっていうふうに言ってたんですけど。試合開始早々、相手が飛び込んできたところをパンチで合わせて倒す。あれは倫也と高谷さんの中で突っ込んでくるっていうのがわかったみたいで。だからって狙ってできるようなもんじゃないんですけど(笑)。ボクとしてはアッパレとしか言いようがなかったです。いったい倫也はどうやって弱ったり、追い込まれるかたちになるのかを見てみたい。日本の枠では、彼はそういう姿は見せることはないんじゃないかなって思ってました。
――そしてLDH主催のイベントPOUNDSTORM両国大会で、初の国際戦に挑みましたね。
岡見 あの相手(アリアンドロ・カエタノ)で正直、それが見れると思ったんですよ。
――中村倫也が追い込まれる姿が。
岡見 カエタノはそれぐらいの相手ですよね。今回の相手を決めるのもけっこう悩んだんですよね。海外の選手で何人か候補がいてですね、Aランク、Bランク、ランクで分けてあって、カエタノはもちろんAランク。カエタノの映像を見て「倫也はちょっと相性が悪いな」と思ったんですよ。レスリングがいいかたちで通用しないというか。下からの関節、サブミッションが得意な選手。打撃も荒くてアブレシプだったので、ちょっとこのクラスはまだ早いかなって思ってたんですけど、倫也の中では視野に入ってて驚いたんですけど。
――中村選手自身は行けると。
岡見 実績がもちろんある相手なので、勝てばUFCがかなり近づくというのはわかるんですけど。「ちょっと大丈夫かな」って周りもすごい不安だったので。もう1回考え直しましょうという話もあったんですけど、倫也が「いや、大丈夫です」と。
――中村選手が決断したんですね。
岡見 今回もコンディション的にはケガもあったので、万全の状態ではなかったんですけど、それでもあれくらいの試合はしますから。カットはしたにせよ、追い詰められた姿は見せなかったっていうのがボクの中での印象ですね。しっかり勝ち切ったっていう。
――カットして血が流れてるから苦戦してる感はあったけど。
岡見 パンチのカウンターで交錯したのは危なかったんですけど。結局危ないシーンはあそこぐらいで、あとは寝技でコントロールして。カエタノのレベルでも劣勢になる姿を見せなかったんだな、と。実績や経験もあった選手なんですけど。あの落ち着いた戦いぶりは、ホントにデビュー3戦目の選手なのかっていう驚きがあります。身内だから褒めてるんだろうと思われそうですけど(苦笑)。
――いや、それくらいの勝ち上がりぶりですね(笑)。
©SUSTAIN/SUSUMU NAGAO岡見 並のファイターならあんだけ血が出てたら焦るし、自分の得意なテイクダウンに固執しちゃったりすると思うんですけど、落ち着いてて。いま思うとホントに重なったのはGSPだったんですよ。
――元UFCウェルター級王者のスーパースター!
岡見 落ち着いて打撃を作って、距離を作って、相手がぶれたところにタックルを合わせてテイクダウンをしっかり取り、そしてそこから安定した寝技、グラウンドでコントロールして勝つ。その落ち着きぶりと、戦いの作り方がGSPを見てるかのような試合ぶりだったんで。身内だからこんなに褒めてるんじゃないかって周りの方は思うかもしれないですけど(笑)。
――3戦すべてキャリア上の選手とやったら、どこかで劣勢な場面は出てくるはずですよね。
岡見 普通は出ますね。ホント唯一カエタノのパンチでカットした部分ぐらいですね。
――カエタノは下から中村選手の首をずっとホールドするだけだったじゃないですか。あれって何を狙ってたと思いますか?
岡見 ああなるとあそこからは何もできないんです。できないので、ああせざるをえなかった。あと血が出てるのがわかったと思うんで、首を抱えることで圧迫して、出血を狙ってたのかなと。
――派手に血が流れたのは首を圧迫したせいもあるんでしょうね。
岡見 血が出てなければあまりにも無意味な動きだったので、それを狙っていたのかなって。あんなに血が出るから、これはもしかしたら止められちゃうかなって正直思ったんですけど。
――血のわりにはそこまで傷口は深くなく、って感じで。
岡見 カエタノの試合映像を見るかぎり、下からギロチン、十字、三角がすごくアグレッシブでいい選手だったので。倫也も寝技が強いのは知ってるんですけど、ひとつもピンチはなかったんじゃないですかね。大したもんだなって純粋にそう思ってるんですよ。身内贔屓だと絶対に思われますけど(笑)。
――それ、3回目です(笑)。
岡見 ボクが倫也の練習を見てるのは、自分の勉強のためでもあるんですよね。彼のアップの仕方からして、すごいんですよ。レスリングで培ってきた身体能力があるから、すさまじい動きでアップしたり。いろんなことを考えて練習をやっているし、ここまで考えて格闘技に向き合ってるんだなと。そういう人間には、なかなか出会ったことがなかったので、彼に教えるというわけではなく、自分が勉強させてもらってるというか。
――そして6月からのROAD toUFCに参加すると。
岡見 このタイミングでROAD toUFCがあるのがすごいですよね。ここ最近のUFCはコロナもあってアジアというか日本に対して興味を持ってもらえなかった中で、ROAD toUFCというイベントが開かれる。そこはいままで彼が努力して厳しい試練を乗り越えてきたってことでいえば、神様からのギフトだなっていう。そういったものはすごく感じますね。
――ROAD toUFCHA3試合のトーナメントですね。
岡見 出る選手のレベルがまだわからないので、なんとも言えないんですけど。ただまあ、いまの戦い方であったり、倫也のコンディションを見ると……厳しい展開はどっか出てくる可能性はあると思うんですけど、充分に優勝する実力はいまの段階であるのかなと。1戦1戦勝負ではあるんですけど、年末までじっくり3試合をかけてやるのは、倫也にとってもプラスなのかなって。最近だとUFCと契約するために、どういった道に進んでいいのかわからなかったじゃないですか。ここで勝てばUFCに行けますっていうのが、なかなか見づらい時代だったので。
――今回のROAD toUFCは勝ち続ければいいわけですもんね。
岡見 その道筋は完全にわかっているので、UFCを目指す選手からすると、こういう舞台が整ったのはありがたいでしょうね。これが来年だったらちょっと遅かったと思うんですよね。コロナがもうすぐ明けるとは思うんですけど、海外でなかなか試合できないという状況もあるでしょうから。また日本で試合を何試合か積むことになるだろうし……。このタイミングはベストなのかなって思ってます。
――中村選手は27歳という年齢ですし。
岡見 そのあたりは倫也も焦りは持ってるんで。『格闘DREAMERS』やLDH所属のファイターたちはみんな若いんで。高校生から20代前半の子たちも多いので、倫也が年長になりますからね。
――こうやって中村選手がUFCと契約できれば、あとに続く若い選手の励みになりますね。
岡見 それは大きいですけど、流れが早いですよね。もうUFCへの挑戦が始まるのかと思うと、ボク自身ついていけない部分も……この前オーディションやってたよな、みたいな(笑)。それは彼が掴み取ったものだし、前回のカエタノはかなり飛び級の相手だったので、そこのジャンプアップは大きかったかなと思います。
――最近「vs世界」で日本人はなかなか勝てないと言われています。UFCのミドル級で勝ち続けて14勝を挙げ、タイトルマッチも経験した岡見さんからすると、何か思うところってあります?・岡見勇信が語る世界に勝つ方法・選手育成システムを築き上げた和術慧舟會の強み・新日本プロレス・木村健悟からの電話……などなど15000字インタビューは続く
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