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【13万字・記事15本詰め合わせセット】クレベル乱闘、鈴木千裕、ドーピング、たまアリ、長井満也……
2023-08-31 23:59600pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part115大好評記事14本12万字で600円!!(税込み)
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part115◎それでも乗りたい「苦役列車RIZIN」■笹原圭一の超RIZIN2感想
◎RIZINとUFCの違いは? 初心者に優しい「MMAとドーピング」講座■タケ ダイグウジ
◎朝倉未来の“焦り”が生まれた瞬間■水垣偉弥
◎「日本で一番遊んでいる格闘家」新居すぐるのヤバすぎる夜の話
◎【超RIZINの超アップセット】鈴木千裕「チャンスは平等には巡ってこない」
◎「パトリシオと再戦しても勝てます」■鈴木千裕MMAコーチ 塩田“GoZo”歩
◎堀口恭司のUFC復帰は現実的なのか
◎MMAジムを運営するとは何か?■石渡伸太郎塾長
◎ショーン・オマリー以前・以後のMMAシーン
◎さいたまスーパーアリーナ担当者に聞く「格闘技の聖地」になった理由
◎長井満也「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」
◎スーパースター・ビリー・グラハムのサイケデリックな世界■斎藤文彦INTERVIEWS
◎G1クライマックスに圧倒的な価値観を!■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
◎サインボードから巻き起こった女子レスラーの告発騒動
◎流血には許可が必要? AEW「禁止技・行為リスト」公開の衝撃
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大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビューです。今回は超RIZIN2を14000字で振り返ります(聞き手/ジャン斉藤)
――試合前からいろいろあった超RIZIN2ですけど、笹原さんは何がいちばん大変でした?
笹原 選手の欠場とかいろいろあってようやく大会を迎えて、「あー、よかった」と思っていたら最後に待ち構えたいたのが、クレベル(・コイケ)とピットブル軍団の乱闘ですよ!
――うわっ、それですか!(笑)。
笹原 この件はホントにグッタリしましたね……。
――鈴木千裕vsパトリシオ・ピットブル戦直後のリングサイドで両者の揉め事が始まって。いろいろあったあげく、クレベルがピットブル軍団の控室に殴り込んだとか。
笹原 ボクが控室に駆けつけたときには、イスが飛んでましたね(笑)
――ハハハハハハ。さすがブラジル人同士の喧嘩!
笹原 何がきっかけで始まって、何が起こったかは両陣営の言い分があるんでしょうけど。まず千裕vsパトリシオ戦後のリングサイドでパトリッキーとクレベルが揉めて、いったんは収まったというか、それで終わったように見えたんですよね。
――映像や画像がSNSに出ていましたけど、リング上で千裕選手がマイクで喋っているときに、2人がリング下で言い合いになってパトリッキーがクレベルの胸を突いたんですよね?
笹原 そうです。で、そのあとにボクがスタッフから呼ばれたんです。「リングサイドでクレベルが怒ってるからすぐ来てくれ」と。で、むっちゃ興奮しているし、ボクも呼ばれたとはいえ前後関係もわかんないし、とにかく落ち着かせようとしたんですけど全然会話になんなくて。「もういま話してもこりゃ無理だな」と思ったんで「あとで話そう」ということで、ひとまずクレベルに控室に戻るように促したんです。
――そうしたら……
笹原 そう、そのあとクレベルが1人でピットブルの控室に乗り込んだんですよ。ボクは控室に戻れと言ったけど、その控室じゃねーだろ!(笑)って。
――ハハハハハハ。
笹原 で、休憩に入ったくらいのタイミングで「笹原さん!YAVAYことになってます!早く控室に行ってください!」って連絡があって、走って駆けつけたらサトシやマルキーニョスもいて、ピットブル軍団とボンサイ軍団が揉みくちゃになってたんですよ。で、とにかく引き離さなきゃいけないと思って、クレベルを見つけて正面から抱きついて、控室から連れ出したんです。
――笹原さんが! ゲスト観戦してた飯伏幸太も止めに入って云々……みたいなツイートをしてましたね。
笹原 飯伏選手が現場にいたことは知らなかったですね。だって芸能人水泳大会の騎馬戦みたいになってましたから(笑)。サトシやマルキーニョスは全然冷静でしたけど、クレベルは興奮状態。ボクともフェイオフくらいの距離で言い合いになったんですよ。
――ピットブル軍団の次は笹原さんが標的に(笑)。
笹原 チャーリー柏木もピットブル軍団に胸ぐら掴まれていたみたいですし、もうとにかく無茶苦茶ですよ!(笑)。なんとかクレベルを落ち着かせて、広報のN野さんが「こっちよ!」みたいな感じで別の部屋に連れて行ったんです。でも怒りが収まらないパトリッキーたちがクレベルのことを探し回ってるんですよね。
――うわー!
笹原 「この部屋か!」みたいにひとつひとつ探し回っていて、ホントに獲物を探す猛犬状態だったんですよ。N野さんが機転を利かせて、クレベルたちがいる部屋の鍵をかけたので「ここにはいないな……」って事なきを得たんですけど。
――一歩間違えれば『シャイニング』のジャック・ニコルソンですよ(笑)。
笹原 N野さんも控室の扉をそっと開けて外を覗いたら、あの兄弟がガルルッ!みたいな感じでクレベルを探している姿を見て、背筋が凍ったって言ってました(笑)。クレベルたちが会場にいるとまた揉め事が起きるので、都内のホテルに帰らせようとしたんです。そうしたらサトシが「でも、ホテルもピットブルたちと同じだからね。アハハハハハハ!」って。
――またケンカになっちゃうよと(笑)。
笹原 まあサトシは笑うくらい冷静だったんですけど。そうそう、そのときも乱闘騒ぎを見ながら「ここブレイキングダウンじゃない、RIZINだよ!」って言ってたらしいです。
――さすがにそれは作り話でしょ!(笑)。
笹原 いやいや、ホントですよ!これサトシ本人から聞きましたから。
――超RIZINではなく超ブレイキングダウン感はありますけどね(笑)。
笹原 まぁそれくらいサトシは冷静で、ホテルもチェックアウトしてもらって、その日のうちに静岡に帰ってもらうことにしたんです。
――ピットブルたちもさすがに静岡までは追ってこないだろう、と(笑)。
笹原 で、クレベルはホテルに向かう車に乗る直前、ボクのところにやってきて「……ゴメンね」と謝ってきたんですよ。
――感動的なフィナーレ……じゃないんだけど、いい話っぽく聞こえます(笑)。
笹原 クレベルはその前にマルキーニョスに何か諭されてたんですよね。たぶんマルキーニョスから「クレベルよ、ケンカするのはまぁアレだけど、お世話になっている人たちにはちゃんと謝っておかなきゃダメだぞ」みたいなことを言われたんだと思います。
――ピットブル軍団とボンサイは仲直りしそうですか?
笹原 無理ですね(笑)。
――即答!
笹原 いや、これ正確にはピットブル軍団とボンサイチームが揉めたんじゃなくて、ピットブル兄弟とクレベルのあいだの揉め事ですからね。ピットブル兄弟とサトシ、マルキーニョスのソウザ兄弟はお互いに尊敬しあっていますから。
――サトシとマルキーニョスはこの騒動に巻き込まれたというか、止めようとしていた側ってことですね。
笹原 クレベルとボクが言い合いになったのも、クレベルは「自分はちゃんとRIZINの言うことを聞いてるのに、ピットブルブラザーズのことは、なんで許してるの? オマエは向こうの味方なのか」みたいなことをボクに言ってきたからなんですよ。
――「ササハラ、おまえはファミリーじゃないのか」と。
笹原 で、カチーンときたんですよ(笑)。オギちゃん(扇久保博正)からもファミリーと言われている俺に向かってそんなんこと言うのかと(笑)。で、大声で「俺はオマエの味方だし、オマエの気持ちを理解しているし、オマエが恥を欠かされたら戦うに決まってるだろ!」と。
――“江夏の21球”のときに「オマエに何かあったら、オレも一緒にユニフォームを脱ぐから」と励ました衣笠祥雄みたいです(笑)。
笹原 でも、どっちがいい悪いじゃなくて、みんなに迷惑をかけることしちゃダメだろ」と。このときに一番心配していたのは、次に試合を控えている選手のことですし、とにかく乱闘を収めて一大事にならないようにするために必死でした。
――クレベルvsピットブルブラザーズの決着戦はRIZINでありえますか? PRIDEのときもシュートボクセvsブラジリアン・トップチームの抗争がリング内外ですごかったじゃないですか。
笹原 たしかに。今回もブラジリアン同士ですけど、お互いのメンツがあるから、いったん火がつくと本当に誰にも止められないですよ。勝手に全面対抗戦が始まっちゃう感じですもん(笑)。
――榊原さんは試合後の総括コメントで「よくあること」という感じでしたね。
笹原 社長はリングサイドで試合を見ていたので全然知らなかったんですよ。あとから説明しましたけど。
――「リング上で決着だ」ってことで榊原さんは腕まくりしてそうですけど。
笹原 まぁでもこのケンカのそもそもの原因もよくわかりませんし、どっちがいいとか悪いという話じゃなくて、もうケンカ両成敗ですよね。クレベルが一方的に暴れたということでもないですし、彼の名誉のために言っておくとクレベルだけが悪いなんて、こっちは少しも思ってないですし。……って、ここまで試合の話は1ミリもしていないですよ!(笑)。
――では、あらためて。開始早々のアイポークでノーコンテストになった堀口恭司vs神龍誠はどうなるんですか?
笹原 もちろん再戦前提で動きますが、今回はベラトールでの初代フライ級王座決定戦だったじゃないですか。じゃあアメリカのベラトールで再戦をやるのかといえば、そういう簡単な話ではないんですよね。
――堀口恭司vs神龍誠って日本大会だから組まれたところがありますし。
笹原 そこはRIZINでやるのかを含めてベラトールとの話し合いになりますね。RIZINでやるにしても、大晦日まで引っ張らなくてもいいんじゃないかと思いますし。
――アイポークで続行できなかった神龍選手を非難する声がけっこうあるんですよね。
笹原 うーん、それはちょっとかわいそうですね。ドクターが何度か神龍選手に「見えるか、見えないか」のチェックしたじゃないですか。
――すぐに回復しないから時間を置いて何度かチェックしてましたね。
笹原 それでも「見えない」ということでレフェリーのストップが入ったんで、神龍選手を責めるのはちょっと酷だと思います。見えてれば、試合をしたでしょうから。あそこはベラトールパートで、競技運営はベラトールというかアメリカのコミッション管轄だったので、ボクらもどうすることもできなかったんです。レフェリーのジェイソンにあとから聞くとコミッションに規定されているとおりの対応をしていたようですし。まぁでもRIZINで同じようなことが起こったら、我々がスムースに対応できたかどうかわかりませんが、少なくともお客さんにはもう少しわかりやすくアナウンスはできていたと思います。
――変な話、ズル賢いファイターだったら「俺は被害者だ!」みたいにへたり込んだりして批判の矛先を変えていたと思うんですよね。
笹原 そこは神龍選手が非常に純粋だからだと思います。一方の堀口選手は4月のベラトールの試合もレイ・ボーグの体重オーバーで飛んでますし、ホントについていないですよね。
――体重オーバーの常習者レイ・ボーグは「フライ級のオファーだと聞いてビックリした」というくたいだから人災っぽいところがありますよ! RIZINでアイポークで試合中止になったことってないですよね?(編集部より/ギャビ・ガルシアvsオクサナ・ガグロエヴァがアイポークでノーコンテストになってました!)
笹原 ないですね。というかアイポーク自体そんなにないです。RIZINグローブの形状的にアイポークは起こりづらいんですよ。自然と拳が丸まるような形状なので。
――拳を骨折しやすいとか難癖をつけられたRIZINグローブをいまこそ褒めろと。
笹原 あれ、なんだったんですかねぇ。こうなったらUFCやベラトールはぜひRIZINのグローブを導入してほしいです! お値段は勉強しますよ(笑)。
――しかし、堀口選手を通して「カーフキック」に続いて「アイポーク」という言葉も知れ渡ったという。
笹原 佐伯さんなら「アイポーク? うまそうな豚肉だわ!とりあえず3人前!」とか言い出しかねない(笑)。
――その時々の流行りのワードってありますよね。最近はドーピング問題で、木村ミノル選手の検査結果を気にしてますね。
13万字・記事15本詰め合わせセットはまだまだ続く……
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さいたまスーパーアリーナ担当者に聞く「格闘技の聖地」になった理由
2023-08-26 16:26200pt“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナの関係者に話を聞きました!(聞き手/松下ミワ さいたまスーパーアリーナウェブサイトより)【1記事から購入できるバックナンバー】・辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ
・西川大和のサステイン契約問題■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・中村倫也「修斗、レスリング、PRIDEがUFCに連れて行ってくれた」
・萩原京平12000字インタビュー「平本蓮との再戦はお互いに勝ち上がってから」
――今日は“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナについて、ご担当のおふたりにインタビューさせていただきます!
大立目・川畑 よろしくお願いします。
向かって左が大立目 司さん、右が川畑尚也さん――おふたりは、いつ頃からさいたまスーパーアリーナのお仕事に携わっているんですか?
大立目 まず、ボクは格闘技の大会が初めて行なわれたPRIDE.12の頃はすでにここで働いていて、むしろこの会場ができるということで「オープニングから関わりたい」と思って転職してきた感じですね。
――最初から携わっている歴史の生き証人ですね。
大立目 前職はオーディオメーカーにいたんですけど、ずっと音楽が好きで、オープニングから関わりたかったのも、音楽でも使える会場ができるという話があったので。で、じつは実家がここから200メートルぐらいの場所にあるんですよね。さいたま新都心の駅がなかった頃から住んでましたから(笑)。
――めっちゃ近い(笑)。川畑さんはいかがですか?
川畑 ボクは2008年11月に入社したので、それこそPRIDEのときはただの視聴者でした。ボクが入った頃はDREAMの時代ですね。あとは戦極もやってたので、当時は「格闘技イベントっていろいろあるんだなあ」みたいな感じで。ボクも転職組で、その前はカリブ海専門の旅行会社で働いていたんですよ。
――それもまた特殊ですね(笑)。
川畑 ジャマイカ、キューバ、プエルトリコ、カリブ海だけを扱っている会社だったんですけど、当時はちょうど燃料サーチャージが異常に高騰していた時期で。遠方まで旅行に行く人が全然いなくなっちゃって、老舗の会社だったんですけど倒産しちゃったんです。そこで、転職活動していたときに、転職エージェントの方からいまの会社を紹介していただいて。当時は「スーパーアリーナって、名前は知ってるけど一度も訪れたことはないんだよなあ」と思いながらダメ元で入社試験を受けました。イベント業界についても未経験でしたが、縁があって入社することができて、いまはRIZINも担当をさせてもらってます。
――じゃあ、初めてのライブ格闘技は2008年末のDynamite!!だったんですかね?
川畑 そうです。もう「なんじゃこりゃ!」という感じでした。運営チームの人の多さと、12月31日なのに、あのみんなの汗かき具合(笑)。
――ハハハハハ! でも、先ほどの話だと、会場ができたときはまだ、さいたま新都心駅はなかったんですね。
大立目 いや、会場は2000年9月にオープンしたんですけど、駅は4ヵ月前の2000年5月にできてます。で、当時はオープニング前からイベンターさんやレコード会社さんに「会場ができますので」と営業したんですけど、最初はパンフレットすらもらってくれなかったんですよ。それこそ駅もまだ完成していないから「場所どこですか?」みたいな。
――いまの人気ぶりからは考えられないです!
大立目 9月にグランドオープンということで『SUPER DREAM GAMES』というバスケットボールの大会で幕を開けたんですけど。音楽ではV6がこけら落としですね。あと蜷川幸雄さんの『火の鳥』というミュージカルもやったんですよ。当時も『火の鳥』はお客さんがいっぱいでしたけど、いまやっても満員になるんじゃないかなあ。だから「スポーツ」「音楽」「文化」の三本柱のイベントをやっていきましょうと。で、そのときの「スポーツ」というのはバスケットボールのことだったんですけど、ここってプロレスのメッカと言われた大宮スケートセンターが近いということで、音楽系とは違ってプロレス・格闘技の団体さんからはわりと注目は高かったんです。さいたまスーパーアリーナのパンフレットより
――大宮スケートセンターは、それこそ第一次UWFの旗揚げ会場だったり。
大立目 とはいえ、ウチの会場使用料はけっこうお値段もしますので(笑)。簡単に使える感じでもなかったんですけど、当時PRIDEを主宰するドリーム・ステージ・エンターテインメント(以下、DSE)さんのプロデューサー加藤(浩之)さんですね。加藤さんから連絡があって「我々こういうイベントをやっているんですが、さいたまスーパーアリーナと一緒にここを本拠地にしてやっていきたい!」という熱いメッセージをいただきまして。
――その熱さが目に浮かびます(笑)。
大立目 音楽系のほうはこちらからお願いしないと来てくれなかった当時、DSEさんが熱烈なオファーをくれたので、そこに賭けてみようかなと思ったのがはじまりですね。最初の大会はクリスマス時期だったかなあ。
――PRIDE.12は12月23日が開催日ですね。
大立目 その前の大会のPRIDE.11を大阪城ホールまで観にいったんですよ。PRIDEはテレビでは観たことありましたけど、ライブで観たことはなかったので。あの大会って、たしかサザンオールスターズの桑田佳祐さんが歌ったイベントでしたよね?
――小川直也vs佐竹雅昭の応援歌を歌うということで、桑田さんがギターを持ってリングに登場したんですよね。
大立目 そういう演出を観て「面白いなあ」と。だから12月も盛り上がるなという予感がありました。で、その大阪城ホールでの大会が10月末だったんですけど、やっぱり初めての会場だったから大阪大会が終わってからほぼ毎日、会場までスタッフさんが下見に来てましたね。
――初めての会場だとそんなに準備に時間がかかるんですか。
大立目 やっぱりこれだけ大きな会場だと、どこがどうなってるのかを把握するために隅々まで確認する必要があるんですよね。楽屋をチェックしながら「桜庭さんはここの楽屋だな」「VIPはこの場所を使ってもらおう」とか。舞台チームは舞台チームで「こういう演出ができるな」とか。で、火薬だったり特殊効果だったり……まあ、当時はボクらもまだ確約できるようなルールがなかったので、一緒につくっていった感じだったんです。ちなみに、ここって消防でいうと当時は旧与野市の管轄だったんですけど、管轄内で初めての大型施設ですから、当時は大きなイベント開催を想定した細かな基準やルールがなかったんですよ。
――へえ~、面白いですね!
大立目 PRIDEってけっこう演出が派手じゃないですか。だから特効などの演出方法については消防さんと「こういうのをやりたいんですけど」という話をしながらコンサートの特効の基準も決まっていった感じですね。
――となると、じつはPRIDEの演出が特効の判断基準になってるという。
大立目 そうですね(笑)。PRIDE.12は初めての会場だということで、お客さんの期待感も凄かったんですよ。クリスマスが近いからということで、リングの上の空間にLEDモニターをクリスマスツリーの形につくったんですけど、それがすんごい時間がかかって(苦笑)。それをセンターに吊るんですけど、全然具合が悪くて。ちょっと仕込みすぎちゃったなと思いましたね。
川畑 いまでも仕込むボリュームとか熱量は相当ありますよね。
大立目 音楽コンサートだと全国ツアーとかで各地決まった演出をすることが多いけど、格闘技は何が起こるかわからないじゃないですか。1ラウンドで終わるかもしれないし、試合が膠着するかもしれない。そうなったら熱を持続させるために「ここであの発表をしちゃいましょう」とプランが変更されたり。
川畑 すべてが「生」なんですよね。
大立目 だから打ち合わせが一番多いんじゃない? 「箱打ち」と言って、会場で最終の打ち合わせをするんですけど、スタッフさんは300人ぐらい集まるから、大きな控室を2部屋ぶち抜いて使ってますから。
――300人!!
川畑 いまじゃ考えられないですけど、当時はまだタバコとかもみんな吸っていて。300人ぐらいの人が一斉に吸ってましたから、部屋の中が煙モクモクで真っ白になっていましたよね(苦笑)。
――“昭和”ですねえ。
川畑 その頃ぼくは新人だったので、打合せ後に灰皿を回収するんですが、一斗缶がすぐに満タンになっちゃうんですよ。もうそれぐらいみんな吸ってました(苦笑)。
大立目 打合せが煮詰まるとみんなタバコに火をつけてたよね。最初は全体の運営をやるんですけど、そのあと演出会議に入ったら「うーん……」と停滞して。「ちょっと大立目さん、川畑さん、こういう演出をやりたいんですけど」って、こっちが戸惑う提案があって(苦笑)。
――無理難題を言われるわけですね。
大立目 「うーん、じゃあ現地で一回確認しましょう」と。たとえば壁に360度LEDをつけて光らせるとかね。いまだったらCGでできることも多いんでしょうけど、当時は豆球で対応した演出とかもあったりして。
川畑 あと、PRIDEの頃は空撮とかもやってましたよね? 高田(延彦)さんが会場の屋根に登って。
大立目 ああ~、空撮は寒かったですねえ(しみじみと)。
――2003年PRIDE男祭りオープニングで、高田さんが屋上から開会宣言しましたね。大晦日はとくに演出プランが派手でした。
大立目 そう、高田さんのふんどし太鼓だったり、タップダンスだったり。
――それでいうと、超RIZIN2のフライングケージもよく成功したなって。
川畑 あの日も遅くまで何度もテストをやってました。時間を計りながら。
――まさか、あの照明の中をケージが通過できるとは思いませんでした。
川畑 そうですよね。お客さんの反応も凄くよかったですし。
大立目 でも、そういうのを演出にしちゃうところが凄いですよね。「リングとケージの入れ替えの時間どうするのかなあ」って思っていたんですけど、さすがに間を埋めてくるなあみたいな。
――ちなみに、PRIDE.12で初めて格闘技会場として使われて、当時はフジテレビでの地上波放送もあったと思いますが、それがPRになって利用者が増えたというのはありました?
大立目 ありましたね。PRIDEがこのさいたまスーパーアリーナを全国区にしてくれたので、そういう意味では我々としては思いは強いですよ。たぶん社員もそれがわかっているので、わりとPRIDEからの流れで「年末はやっぱり格闘技でいこうよ」と。年末ってやっぱり音楽系も含めて凄くニーズがあるんですよ。だから、PRIDEやDREAMもちょっと沈没しかけるときもありながら、スーパーアリーナと歩んできた歴史が格闘技にはあるので「なんとか頑張りましょう!」と。
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サインボードから巻き起こった女子レスラーの告発騒動
2023-08-26 16:11200pt
アメリカンプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはサインボードから巻き起こった女子レスラーの告発騒動です!
<1記事から買えるバックナンバー>・【月刊FANZA編集長】プロレスとアダルトビデオ■松澤チョロの脱線プロレス
・「パパはもうホームレスじゃないぞ。日本でも試合をするデスマッチファイターだ」
・令和に“昭和”なプロレスラーたちはどう生きるか■齋藤彰俊
・“最後のエスニック系ヒール”アイアン・シーク」■斎藤文彦INTERVIEWS
「AEWは女子部門をもっと充実させろよ。もっといいブッキングをしてくれ」
観客席を映すカメラがとらえたのは、会社へのブッキング批判ともとれるサインボードだった。テレビ画面に映っていたのは、ほんの数秒のことであったが、目ざといプロレスファンがそれを見逃すはずがなかった。そのサインボードの映像はSNSに投稿され、拡散されていく。そして、それが思わぬ波紋を広げることになるなどとは、そのときはまだ知るよしもなかった。
7月26日(現地時間)、水曜夜のAEWライブショー「ダイナマイト」は、米ニューヨーク州の州都オールバニーから生中継されていた。番組の終盤に行なわれた女子選手の試合、ブリット・ベイカー対タヤ・ヴァルキリー戦は2人が噛み合わず、技のミスがあったりと、どこかギクシャクした試合になった。この試合直後に、問題のサインボードは掲げられ、あろうことに生放送のテレビ画面の真ん中に映し出された。
X(旧ツイッター)に投稿されたサインボードの画像に対し、元レスラーたちが反応する。
1人は、元WCWのディスコ・インフェルノことグレン・ギルバーティ。最近はAEWについて苦言や皮肉を言うため、レスラーたちからも疎まれているベテランレスラーだ。今回もインフェルノは、「大勢いる観客の中から、あのサインボードを映すなんて、ディレクターとカメラマンはいい仕事をしているな」と嫌味を投稿する。
現在、IMPACT Wrestling(インパクト・レスリング)でコーチを務めるランス・ストームも、サインボードの投稿をリポストし、「(女子部門は)インパクト・レスリングを見なさい」と、自分の会社の宣伝に利用した。
そして、ベテラン女子レスラーのルフィストの投稿が物議を醸す。
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ショーン・オマリー以前・以後のMMAシーン
2023-08-24 16:46200pt
この記事はショーン・オマリー以前・以後のMMAシーンを語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り・ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・斎藤裕、平本蓮戦を振り返る…「ボクのほうが負けられない状況でした」
・【ROAD TO UFC!!】鶴屋怜「世界と戦える自信はあります」
・鬼越トマホーク坂井「プロレスはドロップアウトする人間が好きなジャンルなんです」
・2010年代のK-1とは何だったのか■現地観戦の鬼サーバル
――マネル・ケイプの試合がまた飛びかけました。対戦相手のカイ・カラフランスが練習中に脳震盪を起こしたことで欠場。ダナ・ホワイト・コンテンダー・シリーズ(以下DWCS)に出場予定だったフェリペ・ドス・サントスが代打でケイプと対戦することに。
斉藤 ケイプはUFCと契約後、3年間で5試合やってますが、なんとこれで7回も試合が流れている。ホントにかわいそうなんですけど、フライ級という階級の問題でもあるのかなあと。ケイプも一度計量オーバーしてるけど、7回のうち3回は計量絡みですよね。選手層のわりには計量トラブルが多い印象。
――UFCフライ級の平良達郎選手も2年間のあいだ3回も相手の計量トラブルに巻き込まれてますね。
斉藤 最軽量階級ということでけっこう無理やり落としてるところもあるのかも。あとケイプがアンラッキーなのは元王者フィゲイレード戦のキャンセル。ケイプは最初に2連敗しちゃったことで「強いわりにはおいしくないから無理して戦う必要はない」という評価なのかも。
――たしかに減量苦のフィゲイレードはケイプとやるならバンタム級に上げたほうがおいしいかも。
斉藤 ケイプはお祓いしたほうがいいと言われてますけど、RIZINとオギちゃん(扇久保博正)の呪いじゃないかなって(笑)。ケイプがRIZINバンタム級チャンピオンだったとき初防衛戦の相手はオギちゃんに予定だったけど、急遽UFCと契約しちゃったでしょ。
――そういえばあの頃のケイプは朝倉未来にもケンカを売ったり、てっきりRIZINに残留するとも思っていたら……。
斉藤 どうやらRIZINといろいろあったらしいんだよね。だからRIZINは同じUFC行きのイリー・プロハースカのことは熱烈応援だったのに、ケイプにはそっけない感じだったのかも。まあ勝てば「ウチのケイプが!」と騒ぎそうだけど(笑)。
――そういえばムサエフがベラトールで勝ったときに笹原さんが「ウチのムサエフが勝った!」みたいなツイートをしたら、お叱りの声が飛んでましたよね。「ウチのじゃないだろ」とか。
斉藤 あれ、DREAM時代からのネタなんですけどね(笑)。PRIDE崩壊後は日本中心から「日本発世界」の図式になってしまったことの自虐に加えて、それでも日本育ちの強さを誇りたいという意味もあったんですよ。とりあえずケイプはRIZIN事務所参りして、呪いを解消してほしいですね。
――今日はアルジャメイン・スターリングをKOしてUFCバンタム級王者に輝いたショーン・オマリーがテーマです。
斉藤 この試合の直前、Dropkickに「堀口恭司のUFC復帰は現実的なのか」という記事をアップしたんですけど、ショーン・オマリーの勝利と繋がってます。これでますます「実績があってもUFCに行ける時代じゃなくなった」と。再編が迫る非UFCのメジャーにとって、ショーン・オマリーの勝利は逆風になるんじゃないかという話をしてみようと思います。
この続きとクレベル乱闘、鈴木千裕、ドーピング、たまアリ、長井満也……などの8月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事15本」の詰め合わせセットはコチラ
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MMAジムを運営するとは何か?■石渡伸太郎塾長
2023-08-23 17:50200pt神田にジムをオープンした石渡塾長のインタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・斎藤裕、石渡伸太郎が生き抜いた“冬の時代”のマネジメント術■遠藤正吾
・計量オーバー、ドーピング、クマ襲来!! 嵐のRIZIN北海道■笹原圭一
・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
・極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
――8月10日に『ALMA FIGHT GYM PUGNUS』をオープンした石渡さんですけど、相当お忙しいみたいですね。『ALMA FIGHT GYM PUGNUS』https://pugnusmma.com/
石渡 嬉しいことなんですけど、ここまで忙しいのは予想外でしたね。体験って1日に1~2人とかポツポツなのかなと思ったら毎日2桁もいらっしゃって。
――毎日2桁!
石渡 お盆は来ないと思ってたんですけど、たくさんの人が来てくれて。いまは落ち着いて普通の状態になったんですけど。
――神田駅直結という場所もいいんでしょうね。
石渡 場所はいいと思います。自信を持って言えます(笑)。いまはどこにもジムがたくさんあるじゃないですか。お客さんがジムを選べる時代になってますよね。
――総合格闘技のジムって20年前は都内で2~3程度だったんですけどね。石渡さんは「ジム戦国時代」で勝負できる自信があるわけですか?
石渡 ボクはそのへん自信はあります(笑)。「どうぞ比べてください」と。いままで何回練習してもできなかったことが、ボクが教えればできるようになります! ボクは20年間毎日そんなことばっか考えながら格闘技をやってきてたんで、一般の方にも伝えられる自信はありますね。
――ジムの会員集客方法でいえば、キックや柔術が強いですよね。
石渡 ウチもキックや柔術が習えますけど、MMAをもっと売っていかなきゃいけないと思っていて。だって、みんなMMAから格闘技に興味を持ったり、ジムに通いだしたのに「MMAは難しくてできない」ってなってますよね
――たしかにMMAを習うのはけっこう難易度が高いですね。
石渡 それを可能にしたクラスがここにはございまして。
――宣伝っぽい言い回しです(笑)。
石渡 「誰でもMMA」っていうクラスがあるんですよ。どういうクラスかといえば、実際のMMAであった展開をボクがスタッフがやってみるんです。たとえば、このあいだの朝倉未来選手とケラモフの試合の攻防はみんな知ってますよね。
――大注目の試合でしたし。
石渡 あの攻防を50分間のクラスで皆さんができるようにします。
――あー、それは面白そうです!
石渡 もちろんあそこまで完璧にはできないんですけど、一個ずつ攻防をくり抜いて、ボクが丁寧に指導して50分経ったら「ケラモフの試合はこういうことだったんですね」と身をもってわかる。誰もが知っているMMAのシーンがちゃんと再現できるんです。
――それが「誰でもMMA。朝倉未来やケラモフの攻防が実体験できるわけですね。それは通いたくなりますけど、どこのジムでも流行りそうですよ(笑)。
石渡 いや、これは誰でも簡単にはできないと思います。ボクじゃないと無理。
――それはある程度のMMAのレベルにないと……ってことですかね。
石渡 自分でも言うのもなんですが、そうですね(笑)。その動きを真似すればいいってわけじゃないです。「足の位置がこうだったから」とか細かいディテールがいっぱいあるんですよ。いまはMMAが人気で、ジムにはMMAを見にきてくれた人たちがたくさんいるのに、入会したら「はい、キックボクシングですよ。はい、柔術ですよ。ミットを打って楽しかったでしょ?」でおしまいなのがイヤなんです。ただの運動不足解消、エクササイズでも全然いいんですけど、それだけではいけないなと。ただ、いちばんお客さんが入るのはキックボクシングなんですよね。柔術はいったん始めたら、なかなかやめないんですよね。だから「キックや柔術をやりましょう」ってなりがちなんですけど。みんなMMAに興味があるんだから、ちゃんとMMAを教えたいんですね。海外なんかはMMAジムはあたりまえのようにMMAを教えるんですよね。
――石渡さんはMMAを教えたいんですね。
石渡 そうですね。MMAに繋がるように柔術の細かいところをやり込んでもらいますし、そこは柔術のトレーナーともちゃんと連携していますし、キックも同じです。気が付いたらMMAができるようになります。たとえばMMAで腕十字をもっと強くタイトにできるようになりたい。だったら柔術クラスで腕十字を学びましょう。もっとしっかりとした打撃を打ちたい。では、キッククラスでやりましょうっていう感じで直結してるわけですね。ボクはキックだけなら弱いし、柔術だけでも弱い。ボクが強いのはMMAなんです。ボクはそのMMAを教えることができるんですね。ボクの時代にはMMAを教えてくれる人はいなかったんですけど。
――そんな時代からの経験を活かせると。
石渡 ボクもプロを指導するよりも全然楽しいですね。腹立つことがないんで。
――選手には腹が立つんですか(笑)。
石渡 選手には「なんでもっと頑張らないんだ!」っていう思いを持つじゃないですか。でも、一般の人はプロではないので頑張らせる理由なんてどこにもないです。疲れたら「どうぞ休んでください」と(笑)。
――いまは誰でも技術を語っちゃう時代だから気づきずらいですけど、MMAを教えるってけっこう難しいんですねぇ。誰でもできるわけはない。
石渡 そこは自信があります(笑)。なかなか「自信がある」とはみんな言えないと思いますけど。
――やっぱり石渡さんクラスにならないと難しい。
石渡 それこそ堀口恭司とかやればできるでしょうね。やっぱりあのくらいの選手ならできます。その次元でMMAをやってきた選手、命を懸けてやってきた選手は教えられると思います。
――ジムオープンまでの話を伺いたいんですけど、いつ頃から動いてたんですか?
石渡 約2年前ですね。引退してからです。
――ああ、石渡さんが引退してからもう2年経つんですね。2年のあいだに決まらなかったのは何が原因なんですか?
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G1クライマックスに圧倒的な価値観を!■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
2023-08-21 23:01200ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回はG1クライマックスです!
<1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
ALL TOGETHERに見えたリアルな関係 ■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
【永田三冠議論百出】全日本プロレスは大丈夫
清宮海斗の「顔面蹴り」と「平和ボケ」
プロレス大賞の選考は毎年難しい
岩谷麻優vsKAIRI IWGP女子王座の勝負論
私が愛した“若獅子”アントニオ猪木プロレス界の歌ウマ王は誰だ?
この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん
頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん
【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件
大谷晋二郎選手の試合中の事故について
DDT25周年……「文化系」から文武両道プロレスへ
『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
プロレスと結婚した風間ルミさん
武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」
『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…
――今回はG1クライマックスがテーマです!
小佐野 会場には一度も行けなかったんですが、新日本WORLDでは見てました。準決勝と決勝、あとは清宮海斗の試合は全部見てますね。
――新日本WORLDで視聴できるとはいえ、32人参加のリーグ戦を全部追っかけるのは難しいですよね。
小佐野 昔は週1回のテレビ放送だけだったからG1を全試合見ようにも見られなかったよね。そのテレビ放送だって1時間だからダイジェストなわけだし、専門誌で結果を追うだけで。
――いまは見ようと思うけど見れちゃうから、すべてチェックできてないことの罪悪感がありますね(笑)。
小佐野 全試合見てるファンってどれくらいいるんだろうね?
――まず家族持ちのライブ視聴はハードルが高いと思うんですよね。夜はほとんど時間を取られちゃうわけですし、あとからチェックするにしてもどんどん試合が溜まっていくという。
小佐野 自分の好きな選手の試合を優先して見るって感じなのかな。今回いちばん注目度が高かったのは、清宮と令和闘魂三銃士(辻陽太、海野翔太、成田蓮)の若手が集まったAブロックだったよね。
――ボクもAブロック全力派でした。怒られそうですけど、新日本ぼんやり層からすると「オカダの3連覇かかってる」って全然ピンときてなくて。
小佐野 たしかに大会前にオカダや内藤に興味が行ってなかったんだよね。どっちかっていうと、若いレスラーに興味があって。でも、試合が始まってみると、やっぱりオカダたちはすごいなって。若手はリーグ戦を誰も突破できず、準決勝はオカダ・カズチカvsEVIL、内藤哲也vsウィル・オスプレイ。決勝はオカダ・カズチカvs内藤哲也で優勝は内藤哲也。
――新鮮さや話題性はないけど、安定感のある感じで。
小佐野 落ち着くところに落ち着いたメンバーが残ったから、過程を見てないと「いつもと風景が変わってない」という印象はあるのかもね。でも、試合のクオリティはやっぱりすごいんだよね。
――勝つべき人間が勝ち上がったと。Aブロックから何かG1の風景が変わるんじゃないかという期待があったんですけどね。
小佐野 だから、いろんな意味で第1回のG1ってすごかったんだと思うよ。あのときのG1で三銃士(橋本真也、武藤敬司、蝶野正洋)が一気に大ブレイクしたけど、他のメンバーは藤波辰爾、長州力、ベイダー、ビガロ、ノートンでしょ。いまなら令和闘魂三銃士にオカダ・カズチカ、内藤、SANADA、ザック・セイバーJr.やオスプレイが争って、そこから令和三銃士がボーンと飛び抜けるようなものでしょ。
――しかもいちばん地味な存在だった蝶野正洋が優勝しちゃうんだからビックリしますよね。
小佐野 雰囲気的にいくと、成田蓮が優勝しちゃうみたいなもんだよね。でも、いくら会社が若手を売り出そうとしても、力量の問題はあるから。今回のG1を見るかぎり、トップと若手の力量の差は確実にあったと思うよ。
――札幌の開幕戦で海野vs成田で実況・解説が「なんでこのカードがメインじゃないんんだ」的な話をしてたんですが、この内容でメインはまだ厳しいなあと思ったんですよねぇ。
小佐野 今回のリーグ戦は20分一本勝負になったことが物議を醸したけど、若い選手のためのルールかなって気がした。これが30分一本勝負だったらちょっとつらかったんじゃないかな。たとえば内藤やオカダって、間をうまく取りながら試合を進めるから、彼らにとって20分一本勝負はけっこうな制約になったと思う。間をうまく使えないとなれば、普段とテンポを違ってくるしね。普段の試合も結果的には20分は超えてなかったりするだろうけど、そこはリミットを意識しない結果だから。20分一本勝負は長い試合を好むレスラーにはやりにくいルールだと思う。
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堀口恭司のUFC復帰は現実的なのか
2023-08-20 10:24200pt
この記事は堀口恭司のUFC復帰は現実的なのかを語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り・ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・斎藤裕、石渡伸太郎が生き抜いた“冬の時代”のマネジメント術■遠藤正吾【22000字】
・RIZINアゼルバイジャン大会はできるのか?■谷口洋和
・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
・西川大和、フェザー級転向■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
――各方面から証言がこぼれだしてますけど、クレベル・コイケとピットブル兄弟の乱闘はホントに最高ですね。
斉藤 乱闘を目撃したというか、そこに加わった笹原さんのインタビューも好評ですよね。両陣営以外の視点ってやっぱり重要だなって思いましたよ。サトシの「ブレイキングダウンじゃないよ、ここはRIZINだよ」発言とか、N野さんが控室の鍵をかけてピットブル兄弟の捜索をやりすごした件とか、事実は小説より奇なりで。証言が取れやすい時代だから立体的に見えるようになってますけど、昔だったら新日本プロレスの旅館破壊事件や前田日明邸・新生UWF解散事件のように尾ひれがついてたんじゃないかなと。
――伝説になりにくい時代だと。
斉藤 まあ伝説は伝説ですけど(笑)。一歩間違えれば傷害事件だから笑い話にするのは憚られる時代なんですけどね。
――マクレガーのバスアタックなんかは100%アウトの犯罪ですけど、マクレガーはいまでも普通に第一線で活躍してて。
斉藤 暴力を容認してるわけじゃないんですけど、格闘技は特殊なジャンルですよね。日本の場合は安生洋二の前田日明襲撃事件で一線を越えたときに「言い過ぎやり過ぎはよくないよね……」に落ち着いたんですけど。SNS時代に突入してトラッシュトークが通常運転になってますが、じつは洒落にならないケースも起きていて。これはRIZIN方面じゃない格闘家が相当言い過ぎちゃって、超物騒なことになりかけたことがあったんです。「そんなことが起きたら業界が終わるだろ!」と心配するほど……。
――外国人同士のトラッシュトークも会ってしまえば直接、手が出ちゃいますよね。
斉藤 会わないから事件化しないだけなんですけど、会ってしまったらクレベルとピットブルみたいになっちゃうわけですよ!
――そういう意味では日本人格闘家は大人なんですかね。
斉藤 いや、今後はわからないですよ。やっぱりアメリカで起きることは日本でも起こりますよ。
――でも、本気で噛みつかないと熱は生まれないんですよね。
斉藤 いまだと太田忍選手の朝倉海選手への対戦要求がいい感じでヒートを買ってますよね。海選手の復帰戦で即マッチメイクされるとは思わないし、こないだ流れたアーチュレッタ戦が妥当なんですけど。でも、これだけみんなが熱くなるってことは、プロモーターはビジネスチャンスとして捉えますよ。
――「見たくないってことは、じつは見たいってことだな」って、地獄のプロモーターが腕まくりする展開(笑)。
斉藤 太田選手はブロック・レスナーのような強くて憎たらしい魅力があるというか。太田選手が次戦でまたすごい勝ち方したら、展開次第では全然ありえますよね。
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スーパースター・ビリー・グラハムのサイケデリックな世界■斎藤文彦INTERVIEWS
2023-08-16 16:30200pt
80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマはスーパースター・ビリー・グラハムのサイケデリックな世界です!
Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■【WWEとUFCの合併】ビンス・マクマホンの幕引きはいつか
■猪木を語ることは自己の人生を語る行為である
■WWE総帥ビンス・マクマホン引退
■さらばストーンコールド、トリプルH、テイカー!! レッスルマニア38
■追悼“レイザー・ラモン”スコット・ホール
■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン
■晩年のロード・ウォリアーズ
■ロード・ウォリアーズの衝撃
■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー
■全女消滅後の女子プロレス新世界
■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった
■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた
■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」
■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期
■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇
■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」
■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る
■超獣ブルーザー・ブロディ
■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜
■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
――今回は先日お亡くなりになりましたスーパースター・ビリー・グラハムを語っていただきます。プロレスの歴史を変えたという評価もされるスーパースター・ビリー・グラハムですが、彼の存在を詳しく知らない世代へ向けて面白い話が聞けるんじゃないかと思います。
フミ よろしくお願いします。ビリー・グラハムはあまりにも日本での評価が低いというか、その歴史的な立ち位置とステータスが正しく伝わっていないことに憤りをすごく感じるんです。
――フミさんが憤るほど!(笑)。
フミ ボクは年代的にスーパースター・ビリー・グラハム直撃世代なんですけど、日本では評価が低いというよりは、あまりにも不当に評価を受けているといったほうが正しいかもしれません。グラハムがいなかったら、そもそもハルク・ホーガンは存在していません。ビリー・グラハムの影響を受け、グラハムのスタイル(ビジュアル)をコピーしたレスラーの名前を挙げたらきりがありませんが、まずアメリカで一般的な知名度がひじょうに高い元ミネソタ州知事、俳優、現在は政治評論家のジェシー・ベンチュラ、ロード・ウォリアーズのマネージャーだったポール・エラリングも現役時代はビリー・グラハムの完全コピーだった。馬場さん時代の全日本プロレスに何度か来日したオースチン・アイドル、リップ・ロジャースもグラハムのオマージュ。ほかにも何人もいますね。
――ビリー・グラハムのフォロワーがたくさんいるわけですね。
フミ プロレスラーになる前のハルク・ホーガンがフロリダでラッカスというバンドのベースを弾いていた時代、70年代のまんなかあたりですね、ビリー・グラハムの熱狂的なファンだったんです。ビリー・グラハムがNWAフロリダのリングに上がっていたときです。毎週水曜日にタンパのアリーナで試合があって、ホーガンはシーズンチケットを買って毎週必ずリングサイドの3列目の同じ場所に座ってビリー・グラハムの試合を観ていた。ローカルの常連客はそのホーガンの姿を記憶している。プロレスラーになる前のジェシー・ベンチュラは、AWAのミネアポリス・オーデトリアム定期戦でビリー・グラハムと同じタイダイ(絞り染め)のTシャツを着て「俺はビリー・グラハムの弟だ」ってホラを吹いて歩きまわっていた。これも年配の常連ファンがいまに記憶にとどめているローカル伝説なのです。
――みんな熱狂してたんですね(笑)。
フミ あのダスティ・ローデスも“アメリカンドリーム”のニックネームを名乗る前、ビリー・グラハムに「絞り染めのTシャツ、カッコいいからオレも着ていい?」と承諾を求めたというエピソードもあります。無断でパクるのはよくないですから。タイダイなグラハムの専売特許だったわけだし。
――なぜビリー・グラハムにそこまで人気があったんですか?
フミ スーパースター・ビリー・グラハム以前にもボディビルダー上がりの筋肉マン系レスラーはいることはいたんだけど、ド派手なロングタイツ、タイダイのロングタイツ、ヒザ下までの長いリングブーツ、サイケデリックな衣装を身に着け、ブロンドの髪を長く伸ばし、リング上で筋肉ポーズのルーティンを披露して観客との対話を成立させたレスラーは存在しなかった。ビリー・グラハムの場合は60年代後半から70年代のポップカルチャー、つまりサイケデリックだったり、アシッドだったり、ロック音楽でいえばジミー・ヘンドリックスやニール・ヤング的な世界観だったり、ウッドストックのフリー・スピリット(自由な魂)だったり、そういった時代の空気をプロレスのリングに持ち込んだ初めての、文字どおりスーポースターだった。
――時代の合わせ鏡的な存在だったんですね。
フミ あまりにも先端を行き過ぎたプロレスラーだったことで、そのカッコよさに感化されちゃった人がたくさんいたということですね。繰り返しますがスーパースター・ビリー・グラハムがいなかったら、ハルク・ホーガンもジェシー・ベンチュラもレスラーになってないんです。ジェシー・ベンチュラもまた日本での評価は高くありませんが、アメリカではビッグな存在。現役を引退後、WWEとWCWではカラーコメンテーターでしたし、映画俳優としてはアーノルド・シュワルツェネッガーの映画に何本も出ています。そして、ラジオのトーク番組で爆発的な人気を集め、環境派の言論人として政界進出に成功した。
――ジェシー・ベンチュラは『プレデター』にも出ていますね。
フミ ラジオのデスクジョッキーで人気者になったことが大きくて、最終的にはミネソタ州知事にまでなっちゃいました。そのベンチュラもそもそもはスーパースター・ビリー・グラハムに憧れてプロレスラーを志したわけです。
――グラハムがいなかったら、そのオマージュの筋肉マン系レスラーたちもも華々しくデビューすることはなかったわけですね。
フミ いまではあたりまえのヒザの下まで長いリングブーツを履いたのもビリー・グラハムが初めてです。たとえば、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンもヒザのすぐ下あたりまでのものすごい長いリングシューズを履いていたけれど、それもビリー・グラハムの流れなんです。もともとビリー・グラハムはプロレスラーになる以前からボディビルダーで、パワーリフティングでは非公式ながらベンチプレスの世界記録を持っていました。ベニスビーチの有名な『ゴールド・ジム』でアーノルド・シュワルツネッガーと一緒に撮った写真が流布されるような存在だったんです。
――ボディビルのほうでも名の知れた存在だったと。
フミ フットボールでもNFLを目指していたんですが、彼の場合はCFL、カナディアン・フットボール・リーグで何シーズンかプレーした。そのオフシーズンにカルガリーのスチュー・ハートさんからプロレスを学んだんです。
――名伯楽のスチュー・ハートに。
フミ じつはハート家の流れも汲んでいるんです。当時すでに50代だったスチュー・ハートさんが26歳だったビリー・グラハムを“ダンジョン”のマットの上でぎゅうぎゅう絞めたってことですね。
――ハート家の地下道場“ダンジョン”で。
フミ ビリー・グラハムは1970年1月、カルガリーで本名のウェイン・コールマンでデビュー戦をすませたあと、ホームタウンのアリゾナまで帰ってきてプロレスの仕事を探すんだけど、なかなかうまくいかなかった。日本のように団体の道場で練習してデビューできるシステムはなくて、当時のアメリカではどこかで自分でコネクションを作ってプロレスビジネスの中に足を踏み入れるしかなかった。そんなとき、グラハムはアリゾナのナイトクラブでドクター・ジェリー・グラハムと出会った。ドクター・ジェリー・グラハムは60年代に一世を風靡したグラハム三兄弟の長男で、次男がエディ・グラハム、三男がクレイジー・ルーク・グラハム。グラハム三兄弟といっても、典型的なレスリング・ブラザースで血のつながりはないですけど。ビンス・マクマホンが少年時代に一番憧れたレスラーがドクター・ジェリー・グラハムだった。なぜドクターかというと、リング上で相手に催眠術をかけちゃうギミックを売りものにしていたんです。
――催眠術レスラー!!
フミ そのドクター・ジェリー・グラハムは年齢もあってセミリタイア状態だったんですけど、若くてボディビルダー・タイプのビリー・グラハムの話を聞いて「だったら、俺の弟になりなよ」と誘った。メンバーチェンジを繰り返したディープ・パープルじゃないけど、第2期グラハム兄弟がここでスタートするわけです。
――ビジネス・ブラザーズというのは、血は繋がってないけど姉妹が売りの叶姉妹みたいなものなんですよね(笑)。
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【超RIZINの超アップセット】鈴木千裕「チャンスは平等には巡ってこない」
2023-08-13 20:24200pt超RIZIN2でベラトールフェザー級王者パトリシオ・ピットブルを撃破した鈴木千裕インタビューです(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
・西川大和、フェザー級転向■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
・RIZINアゼルバイジャン大会はできるのか?■谷口洋和
――超RIZIN2での激勝、凄かったです! パトリシオ“ピットブル”フレイレ選手から大金星を挙げて1週間、どういう心境だったんですか?
鈴木 まず、試合後3日間は眠れなかったです!
――うわ~、それほどアドレナリンが。
鈴木 目をつぶっていても余韻が凄くて。まだ、頭の中で試合がフラッシュバックしちゃってますねえ。もう、こんなことってないですよ。
――人生初ですか。
鈴木 最高の1日でした。格闘技人生というか、23年間生きてきた中で一番テンションが上がった日でしたから。人間、こんな次元に到達できるんだなと思ってブッ飛びましたね。
――今回は試合の約1週間前という緊急オファーで。ホベルト・サトシ・ソウザ選手はBBQをやってるときにパトリッキー戦の話が来て、鈴木選手はお菓子イベントやってるときにパトリシオ戦の話が来たという話を聞きました。
鈴木 オファーが来たのは福岡でのお菓子イベントの翌日ですね。
――そうだったんですね。
鈴木 なんかLINEと電話がすんごい来てて「なんだよお」と思ったんですけど、LINEに「ピットブル選手と試合が~~」と書いてあって。とりあえず電話しないと怒られると思って電話したら「ピットブル選手と試合どうだ?」「やります!」という。
――山口(元気・クロスポイント吉祥寺主宰)さんは受けるわけないと思って電話したみたいですけど。
鈴木 言ってましたよね。いやいや受けますって(笑)。だって、これでやっと払拭できるなと思ったので。
――クレベル戦の悔しさを。
鈴木 もうむしゃくしゃしてたんで。心のどっかで待ってたんでしょうね!
――それにしても、相手はベラトール王者のパトリシオ選手ですよ。
鈴木 誰でもいいからとりあえず試合したいなという感じだったんで、全部関係なかったっす! というか、最初は戦う相手が誰なのかわかってなくて。
――ホントですか(笑)。
鈴木 だんだん「萩原(京平)選手と一緒に練習していた人」というのがわかって、「強い人なんだな」というのはわかったんですけど。
――そこでもまだボンヤリしてますよ(笑)。
鈴木 自分との戦いですから。みんなそれぞれタイプがありますけど、ボクは自分の戦いだと思うので。あのー、ボクは正直言って「観る格闘技」には興味はないんですよ。だからピットブル選手も知らなかったですし、いまのUFCチャンピオンもベラトールチャンピオンもわからないです(キッパリ)。でも、プレイヤーとしてやるのは本当に好きで。あと、ジムの仲間とか仲間内の試合を観るのも好きなんですけど、それ以外の格闘技は知ろうとはしないんでね。
――でも、試合前は「パトリシオ選手とやってみたかった」という話もされてませんでしたっけ?
鈴木 そうそう。そのときはそう思っていたんですけど、忘れちゃうんですよっ!
――忘れちゃいますか(笑)。
鈴木 ただ、どんな相手でも格闘技はその日強い人が勝つんですよね。なんというか、ボクは本当に昔から言ってますけど、ジムとかでは格上・格下があるんですよ。結果を残しているかどうかを含めて格上・格下ってあるんですけど、試合のリング上ではないんですよ。本当にその日に強い人が勝つので。体重も含めてそれはいろいろ賛否両論ありますけど、ボクはその日に強い人が勝つと思ってます。じゃなかったらボクは勝てなかったです。だって、そうじゃないとボクが勝つっておかしいじゃないですか。
――キャリアの差はたしかに大きいですよね。
鈴木 でも、ボクがその日に強かった。それだけなんです。練習だと向こうが強いと思いますよ。でも、命を懸けたやり合いの中ではボクが優れていたということですね。
――鈴木選手って、相手が強いからビビっちゃったみたいなことって、これまでまったくないんですか?
鈴木 まあ、ビビってたという意味では大晦日の中原(由貴)戦は肋骨が折れてたんで怖かったですけど。あれは試合の1週間前だったし、ドクターにも「ヒビじゃないんですか?」「折れてるよ」と。あと、萩原選手との試合のときも右手靭帯をやっちゃってたんで打てなくて。それも怖かったです。
――それは、どっちも自分のコンディション的にということですよね。
鈴木 いや、みんなそんな感じで何かしらケガしてるんだと思いますよ。
――最後の打ち合いなんかも、相手の打撃をもらいながらも右が炸裂してました。
鈴木 あれは、もらっちゃってましたね。あれもじつは効いているんですけど、勝負だなと思って。それが格闘技の醍醐味ですから。やるかやられるかの瀬戸際が一番面白いところなので、充分楽しんだなと思います。
――以前、キックボクサーだからこそ打ち合いでの勝負は負けられないと言われてましたよね。
鈴木 それもあったと思います。あの打ち合いは、以前マルコス・リオス戦でイメージはついてたんで。体格も髭の生え方も同じじゃないですか。
――髭の生え方(笑)。
鈴木 渡慶次(幸平)先輩も同じ髭なんでね! イメージはバッチリでした。
――でも、中原戦もそうですけど、鈴木選手を目の前にするとMMA巧者でもなぜか打ち合っちゃうという。そこに何かあるんですかね?
鈴木 どうなんですかねえ? そう思われているならうれしいですけど。ただ、入りにくいんだと思いますよ。入ってこられないようにボクが攻撃を出しているのもあるんで。タックルに来たときにボクが合わせ技を見せてるから、入りたくても入れないという。
――だからこそ、相手もある程度打撃をやってからじゃないとという。
鈴木 そうそう、打撃を散らしてじゃないと単発ではタックルは取れないので。数発当ててからじゃないと難しいですよね。タックルだけ来たって、ボク全部切りますもん。打撃で散らされて集中が上にいったときに取られちゃうもんなんで。単発だったらほぼほぼ倒されないですね。
――パトリシオ選手って対抗戦でクレベル選手と試合しましたけど、試合内容的に物足りなさがあって。それも含めて鈴木選手がぶち抜いてくれたというのもありましたよね。
鈴木 やっとこうRIZINの……。
――RIZINの?
鈴木 いや、去年の年末からずっと友達には言ってたんですよ。去年、RIZIN勢がベラトールとの対抗戦で全敗して、「絶対、俺がやりかえしてやるからな!」って。それで日本人初の1勝が取れたんで、ちょっとそれはうれしいです。あと、前まではRIZINにはボクのファンはいないと思ってたんですけど、ボクを応援してくれる人がRIZINの会場でも増えてきてるんで、その人たちのためにも頑張ろうと思ってました。
――逆に、鈴木選手はRIZINに対する愛着はあるんですか?
鈴木 それは、やっと湧いてきましたね……(しみじみと)。
――それはよかったです(笑)。
鈴木 やっとというか、RIZINにもボクのファンがいてくれたんで。ボクはKNOCK OUTからRIZINに来て、KNOCK OUTのファンが格闘技をさせてくれていると思っていたんで、RIZINはアウェー感があったというか。「キックボクシングあがりが~~」みたいに思われていたと思うし、いろいろと騒動もありましたし。そういうのが、やっとなくなってきたというか。純粋に試合を見てメッセージを送ってくれる人がいるんですよ。「千裕選手の試合を観て格闘技始めました」「悩んでいたけど、千裕選手の試合を観て悩みが晴れました」とか。そうやって元気をもらってくれる人がいるので、ボクとしてはRIZINという第二の居場所ができたなという感じはありますね。KNOCK OUTあってのボクだけど、MMAでの居場所をつくれたのかなって。
――ちなみに、鈴木選手の試合後は、リングサイドでクレベルvsピットブル兄弟の一悶着もありましたが、リング上からその騒動は見えていたんでしょうか?・もともとは66キロ契約だった
・うどん屋で予備計量?
・誰がマックの店員やねん
・クレベルはヘタな打撃がうまい
・計量オーバーの気持ちはよくわかる
・まずはピットブルとのリマッチ……12000字インタビューはまだまだ続く
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それでも乗りたい「苦役列車RIZIN」■笹原圭一の超RIZIN2感想
2023-08-10 11:11200pt
大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビューです。今回は超RIZIN2を14000字で振り返ります(聞き手/ジャン斉藤)
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――試合前からいろいろあった超RIZIN2ですけど、笹原さんは何がいちばん大変でした?
笹原 選手の欠場とかいろいろあってようやく大会を迎えて、「あー、よかった」と思っていたら最後に待ち構えたいたのが、クレベル(・コイケ)とピットブル軍団の乱闘ですよ!
――うわっ、それですか!(笑)。
笹原 この件はホントにグッタリしましたね……。
――鈴木千裕vsパトリシオ・ピットブル戦直後のリングサイドで両者の揉め事が始まって。いろいろあったあげく、クレベルがピットブル軍団の控室に殴り込んだとか。
笹原 ボクが控室に駆けつけたときには、イスが飛んでましたね(笑)
――ハハハハハハ。さすがブラジル人同士の喧嘩!
笹原 何がきっかけで始まって、何が起こったかは両陣営の言い分があるんでしょうけど。まず千裕vsパトリシオ戦後のリングサイドでパトリッキーとクレベルが揉めて、いったんは収まったというか、それで終わったように見えたんですよね。
――映像や画像がSNSに出ていましたけど、リング上で千裕選手がマイクで喋っているときに、2人がリング下で言い合いになってパトリッキーがクレベルの胸を突いたんですよね?
笹原 そうです。で、そのあとにボクがスタッフから呼ばれたんです。「リングサイドでクレベルが怒ってるからすぐ来てくれ」と。で、むっちゃ興奮しているし、ボクも呼ばれたとはいえ前後関係もわかんないし、とにかく落ち着かせようとしたんですけど全然会話になんなくて。「もういま話してもこりゃ無理だな」と思ったんで「あとで話そう」ということで、ひとまずクレベルに控室に戻るように促したんです。
――そうしたら……
笹原 そう、そのあとクレベルが1人でピットブルの控室に乗り込んだんですよ。ボクは控室に戻れと言ったけど、その控室じゃねーだろ!(笑)って。
――ハハハハハハ。
笹原 で、休憩に入ったくらいのタイミングで「笹原さん!YAVAYことになってます!早く控室に行ってください!」って連絡があって、走って駆けつけたらサトシやマルキーニョスもいて、ピットブル軍団とボンサイ軍団が揉みくちゃになってたんですよ。で、とにかく引き離さなきゃいけないと思って、クレベルを見つけて正面から抱きついて、控室から連れ出したんです。
――笹原さんが! ゲスト観戦してた飯伏幸太も止めに入って云々……みたいなツイートをしてましたね。
笹原 飯伏選手が現場にいたことは知らなかったですね。だって芸能人水泳大会の騎馬戦みたいになってましたから(笑)。サトシやマルキーニョスは全然冷静でしたけど、クレベルは興奮状態。ボクともフェイオフくらいの距離で言い合いになったんですよ。
――ピットブル軍団の次は笹原さんが標的に(笑)。
笹原 チャーリー柏木もピットブル軍団に胸ぐら掴まれていたみたいですし、もうとにかく無茶苦茶ですよ!(笑)。なんとかクレベルを落ち着かせて、広報のN野さんが「こっちよ!」みたいな感じで別の部屋に連れて行ったんです。でも怒りが収まらないパトリッキーたちがクレベルのことを探し回ってるんですよね。
――うわー!
笹原 「この部屋か!」みたいにひとつひとつ探し回っていて、ホントに獲物を探す猛犬状態だったんですよ。N野さんが機転を利かせて、クレベルたちがいる部屋の鍵をかけたので「ここにはいないな……」って事なきを得たんですけど。
――一歩間違えれば『シャイニング』のジャック・ニコルソンですよ(笑)。
笹原 N野さんも控室の扉をそっと開けて外を覗いたら、あの兄弟がガルルッ!みたいな感じでクレベルを探している姿を見て、背筋が凍ったって言ってました(笑)。クレベルたちが会場にいるとまた揉め事が起きるので、都内のホテルに帰らせようとしたんです。そうしたらサトシが「でも、ホテルもピットブルたちと同じだからね。アハハハハハハ!」って。
――またケンカになっちゃうよと(笑)。
笹原 まあサトシは笑うくらい冷静だったんですけど。そうそう、そのときも乱闘騒ぎを見ながら「ここブレイキングダウンじゃない、RIZINだよ!」って言ってたらしいです。
――さすがにそれは作り話でしょ!(笑)。
笹原 いやいや、ホントですよ!これサトシ本人から聞きましたから。
――超RIZINではなく超ブレイキングダウン感はありますけどね(笑)。
笹原 まぁそれくらいサトシは冷静で、ホテルもチェックアウトしてもらって、その日のうちに静岡に帰ってもらうことにしたんです。
――ピットブルたちもさすがに静岡までは追ってこないだろう、と(笑)。
笹原 で、クレベルはホテルに向かう車に乗る直前、ボクのところにやってきて「……ゴメンね」と謝ってきたんですよ。
――感動的なフィナーレ……じゃないんだけど、いい話っぽく聞こえます(笑)。
笹原 クレベルはその前にマルキーニョスに何か諭されてたんですよね。たぶんマルキーニョスから「クレベルよ、ケンカするのはまぁアレだけど、お世話になっている人たちにはちゃんと謝っておかなきゃダメだぞ」みたいなことを言われたんだと思います。
――ピットブル軍団とボンサイは仲直りしそうですか?
笹原 無理ですね(笑)。
――即答!
笹原 いや、これ正確にはピットブル軍団とボンサイチームが揉めたんじゃなくて、ピットブル兄弟とクレベルのあいだの揉め事ですからね。ピットブル兄弟とサトシ、マルキーニョスのソウザ兄弟はお互いに尊敬しあっていますから。
――サトシとマルキーニョスはこの騒動に巻き込まれたというか、止めようとしていた側ってことですね。
笹原 クレベルとボクが言い合いになったのも、クレベルは「自分はちゃんとRIZINの言うことを聞いてるのに、ピットブルブラザーズのことは、なんで許してるの? オマエは向こうの味方なのか」みたいなことをボクに言ってきたからなんですよ。
――「ササハラ、おまえはファミリーじゃないのか」と。
笹原 で、カチーンときたんですよ(笑)。オギちゃん(扇久保博正)からもファミリーと言われている俺に向かってそんなんこと言うのかと(笑)。で、大声で「俺はオマエの味方だし、オマエの気持ちを理解しているし、オマエが恥を欠かされたら戦うに決まってるだろ!」と。
――“江夏の21球”のときに「オマエに何かあったら、オレも一緒にユニフォームを脱ぐから」と励ました衣笠祥雄みたいです(笑)。
笹原 でも、どっちがいい悪いじゃなくて、みんなに迷惑をかけることしちゃダメだろ」と。このときに一番心配していたのは、次に試合を控えている選手のことですし、とにかく乱闘を収めて一大事にならないようにするために必死でした。
――クレベルvsピットブルブラザーズの決着戦はRIZINでありえますか? PRIDEのときもシュートボクセvsブラジリアン・トップチームの抗争がリング内外ですごかったじゃないですか。
笹原 たしかに。今回もブラジリアン同士ですけど、お互いのメンツがあるから、いったん火がつくと本当に誰にも止められないですよ。勝手に全面対抗戦が始まっちゃう感じですもん(笑)。
――榊原さんは試合後の総括コメントで「よくあること」という感じでしたね。
笹原 社長はリングサイドで試合を見ていたので全然知らなかったんですよ。あとから説明しましたけど。
――「リング上で決着だ」ってことで榊原さんは腕まくりしてそうですけど。
笹原 まぁでもこのケンカのそもそもの原因もよくわかりませんし、どっちがいいとか悪いという話じゃなくて、もうケンカ両成敗ですよね。クレベルが一方的に暴れたということでもないですし、彼の名誉のために言っておくとクレベルだけが悪いなんて、こっちは少しも思ってないですし。……って、ここまで試合の話は1ミリもしていないですよ!(笑)。
――では、あらためて。開始早々のアイポークでノーコンテストになった堀口恭司vs神龍誠はどうなるんですか?
笹原 もちろん再戦前提で動きますが、今回はベラトールでの初代フライ級王座決定戦だったじゃないですか。じゃあアメリカのベラトールで再戦をやるのかといえば、そういう簡単な話ではないんですよね。
――堀口恭司vs神龍誠って日本大会だから組まれたところがありますし。
笹原 そこはRIZINでやるのかを含めてベラトールとの話し合いになりますね。RIZINでやるにしても、大晦日まで引っ張らなくてもいいんじゃないかと思いますし。
――アイポークで続行できなかった神龍選手を非難する声がけっこうあるんですよね。
笹原 うーん、それはちょっとかわいそうですね。ドクターが何度か神龍選手に「見えるか、見えないか」のチェックしたじゃないですか。
――すぐに回復しないから時間を置いて何度かチェックしてましたね。
笹原 それでも「見えない」ということでレフェリーのストップが入ったんで、神龍選手を責めるのはちょっと酷だと思います。見えてれば、試合をしたでしょうから。あそこはベラトールパートで、競技運営はベラトールというかアメリカのコミッション管轄だったので、ボクらもどうすることもできなかったんです。レフェリーのジェイソンにあとから聞くとコミッションに規定されているとおりの対応をしていたようですし。まぁでもRIZINで同じようなことが起こったら、我々がスムースに対応できたかどうかわかりませんが、少なくともお客さんにはもう少しわかりやすくアナウンスはできていたと思います。
――変な話、ズル賢いファイターだったら「俺は被害者だ!」みたいにへたり込んだりして批判の矛先を変えていたと思うんですよね。
笹原 そこは神龍選手が非常に純粋だからだと思います。一方の堀口選手は4月のベラトールの試合もレイ・ボーグの体重オーバーで飛んでますし、ホントについていないですよね。
――体重オーバーの常習者レイ・ボーグは「フライ級のオファーだと聞いてビックリした」というくたいだから人災っぽいところがありますよ! RIZINでアイポークで試合中止になったことってないですよね?(編集部より/ギャビ・ガルシアvsオクサナ・ガグロエヴァがアイポークでノーコンテストになってました!)
笹原 ないですね。というかアイポーク自体そんなにないです。RIZINグローブの形状的にアイポークは起こりづらいんですよ。自然と拳が丸まるような形状なので。
――拳を骨折しやすいとか難癖をつけられたRIZINグローブをいまこそ褒めろと。
笹原 あれ、なんだったんですかねぇ。こうなったらUFCやベラトールはぜひRIZINのグローブを導入してほしいです! お値段は勉強しますよ(笑)。
――しかし、堀口選手を通して「カーフキック」に続いて「アイポーク」という言葉も知れ渡ったという。
笹原 佐伯さんなら「アイポーク? うまそうな豚肉だわ!とりあえず3人前!」とか言い出しかねない(笑)。
――その時々の流行りのワードってありますよね。最近はドーピング問題で、木村ミノル選手の検査結果を気にしてますね。
・RIZINとドーピング検査
・AJマッキーの欠場理由をRIZINが発表しなかったワケ
・ムサエフvsアキラも中止の可能性があった
・鈴木千裕の今後
・また起用したくなるヒロヤの健闘ぶり
・深田えいみの花束騒動
・ケージorリング論争
・朝倉未来と「ベルト運」・オイルマネーがMMAを変える……14000字インタビューはまだまだ続く
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