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【8万字・プロレス記事詰め合わせ】馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……
2024-05-31 23:59450pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part124大好評記事8万字・プロレス記事詰め合わせで500円!!(税込み)◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
◎「海外修行で感じた異様な新日本プロレス」■AKIRAインタビュー②
◎K-1参戦、安生洋二の前田日明襲撃……リングス退団後の長井満也
◎ALL TOGETHER不入り/ロッシー小川に「ジャニー問題」はない■事情通Z
◎最高のプロレスラーだった曙さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
◎最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん■小佐野景浩
◎7月は「超サイバーファイトフェス」か■事情通Zの「プロレス 点と線」
◎00年代の怪しい目撃者“Show”大谷泰顕■松澤チョロの「脱線プロレス」◎ヒクソン来襲!! 安生道場破り、幻の長州戦真相――中村頼永インタビュー後編
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UWFやリングス、K-1まで、様々なリングで戦ってきた長井満也インタビューシリーズ第8弾! 今回はリングス退団後の長井満也です (聞き手/ジャン斉藤)
――前回の「リングス退団編」は大好評でした!
長井 今回は若い世代のプロレスラーも読んでいたみたいで「課金しちゃいましたよ」って言われましたよ(笑)。
――ありがたいお話です(笑)。長井さんが懸念されていた批判のほうもそこまでなかったみたいで。
長井 私のほうにはないですね。そこは斉藤さんが波風が立たないように書いてくださったからだと思います。どうしても自分が信じてる人、大好きな人のことがよく言われなければ波風は立つだろうし、何か言われても仕方ないなと思ってたんですけど。斉藤さんが編集後記でも気を使って書いていただいたんで、ボクは今回すごく助かりました。
――そこは時間が経っていることも大きいんじゃないかと思います。どこまで踏み込んでいけばいいかって年代によって違いますし。
長井 ボクも「どこまで話されますか?」って相談を受けることがあるんですよ。やっぱりリングスに関わってきた人間ってどこまで言っていいのか、ダメなのか。線を引くところってすごく難しいのかなって思いますね。
――ボクは後ろ向きなかたちじゃなかったら、ある程度はいいんじゃないかなってスタンスなんです。それでプロレスや格闘技、リングスの凄さが伝わればいいんじゃないかなと。
長井 誹謗中傷する内容でなければいいのかなと思っているんですけどね。
――まあどんな言い方をしても悪く受け取る人もけっこういるのかなと思います(笑)。
長井 今日は話を膨らませられなかったら申し訳ないんですけど(笑)。斉藤さんが編集後記でドン・中矢・ニールセンの名前を出されてましたけど、俺もニールセンとの試合が飛んだことがあったなと。
――ニールセンとはリングスでやるはずだったんですよね。
長井 競技としてやろうという話があったんですよ。ケガで流れて数ヵ月経ってからまたマッチメイクされて。日にちも決まってたんですけど、乗るはずだった飛行機にニールセンが乗ってなくて。
――ああ、当時はそんなことってよくありましたよね(笑)。
長井 あったんですよ。乗らなきゃいけない飛行機が着いたらニールセンが乗ってなかったことがあって。向こうのばっくれで試合が流れちゃったからショックだったんですよね。それから数年後だったのかな。それがK-1の会場だったのか、キックボクシングの会場だったかは思い出せないんですけど、会場にニールセンがいたんですよね。「あ、ニールセンだ」と思ったら、向こうもこっちを見てたんでペコリとしたら、ニールセンが私のほうに来てくれて「あの日リングスの会場に行かなくて申し訳なかった」と謝ってくれて「試合が怖かったんだ」と言ってくれました。
――そういう理由ですか!あれだけの猛者が……。
長井 ぶっちゃけボクにネームバリューがあるわけでもなかったところもあったのかなと。
――ニールセンは総合格闘技自体のキャリアはほぼなかったですけど、日本格闘技界の鍵となる試合をやってますね。
長井 新日本プロレスで前田(日明)さんとやって名前がガッと上がったから、キック界が使ったところもあったんでしょうね。
――佐竹雅昭さんがニールセンに勝ったことがK-1誕生に繋がってますし、ニールセンという存在がUWFやキックを盛り上げたところはあって。
長井 当時のスターでいえば、リングスに出てくれたロブ・カーマンもお亡くなりになりましたね。カーマンはリングスで角田信朗さんとやったじゃないですか。
――カーマンがリングスルールに挑戦して圧勝したという。K-1以前のスーパースターがよくやるなと。
長井 あれ、私が木村浩一郎選手とやったNKホールの大会だったんですよ。カーマン、めちゃめちゃかっこよかったですねぇ。あの時代にスマホとかあったら私も写真を撮ってもらいたかったくらいかっこよかったです(笑)。時代が違ったりしてたら、もっと世の中に出ていたのかなと思います。あのときカーマンの履いてたキックのパンツに虹や魚のマークが入っていたのかな。あの日はゴルドーも佐竹選手とやったんですが、ゴルドーも同じパンツを履いてるんですよ。どうやらゴルドーはパンツを忘れてきたカーマンに借りたらしいんです。
――そんなオランダの交流が!(笑)。当時は“まだ見ぬ強豪”が続々と来日してましたね。
長井 モーリス・スミスもそうですよね。私がリングス在籍中に全日本キックの試合に出てたじゃないですか。あれはシアトルのモーリス・スミスのジムに練習に行ったときにモーリスのトレーナーから「挑戦してみたらどうだ?」って勧められたからなんですよね。
――それで全日本キックのライセンスを取ったんですね。
長井 そのときにパンクラスの柳澤(龍志)選手も同じ日にライセンスを取りに来てたんですよね。ボクはそのときまで柳澤選手とまともに喋ったこともなかったですね。
――当時のリングスとパンクラスは超険悪な関係でしたねぇ。8万字・プロレス記事詰め合わせはまだまだ続く…… -
【9万字・格闘技記事詰め合わせ】鈴木千裕、川尻達也、篠塚辰樹、笹原圭一、手塚裕之……
2024-05-31 23:59450pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part123大好評記事9万字・格闘技記事詰め合わせで500円!!(税込み)
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part122◎RIZINフェザー級王者・鈴木千裕「RIZINを舐めるな!」◎「RIZINに潰れてほしくないから箱庭のままでいいよ!」■川尻達也
◎渡辺華奈は「世界」とどうやって戦ってきたのか■上田貴央のコーチ論
◎手塚裕之1万字インタビュー「田舎と米をナメるな!!」
◎笹原圭一のRIZIN46を「バーンといってドーン!!」と語ろう!
◎鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
◎篠塚辰樹の自由すぎるインタビュー「ベアナックルは怖くて面白い」
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川尻達也が振り返るRIZIN46有明!……のはずがPRIDEやDREAMの昔話を含めて2万字クラッシャートーク!(聞き手/ジャン斉藤) ☆Dropkickニコ生で配信されたものを再編集したテキストになります。
――今晩の配信のゲストは、お久しぶりの川尻達也さんです!
川尻 こんばんは!
――ツイッターによれば、いまのいままでジムのお掃除をされていたそうで。
川尻 はい。21時に終わって40分近く掃除してました。
――そんなに時間をかけるんですね。
川尻 めっちゃきれいにしてますよ。毎回消毒もするし、やっぱり汚いジムに人は来ないですよね。
――こう言っちゃなんですけど、いまから20年前の2004年頃、ボクが初めて川尻さんを取材したときのジムはかなり汚かったです!(笑)。
川尻 あー、どこですか? 総合格闘技TOPSかな。あそこは年3回くらいしか掃除してなかったですからね(笑)。
――ハハハハハ! そこは経験が活きてるわけですよね。
川尻 やっぱり女性の会員さんも多いし、汚かったり変な匂いがするところには来づらいじゃないですか。
――ちなみに女性会員はどれくらいいるんですか?
川尻 女性会員は4割くらいじゃないですかね。ほとんどの方は格闘技のことをよく知らないです。「朝倉未来の名前は聞いたことがある」「那須川天心のことはテレビで知ってます」と。知られているのは平本蓮選手ぐらいまでですね。
――じゃあ、川尻さんのことなんてご存じないわけですね!
川尻 全然知らないですよ(笑)。むしろそれが嬉しいです。ボクがジムを開くときに自分の名前で入会するんじゃなくて、格闘技を知らない人でも楽しんでほしいという目標があったんで。入会してから格闘技に興味を持ったりする人もいるし、超ド級の朝倉未来ファンもいますね。未来選手のグッズが出たらすぐに買うし、未来選手がPRしていた水も飲んでます(笑)。
――じゃあ「俺は朝倉未来がやっているブレイキングダウンの解説をやってるんだぞ!」と自慢できるじゃないですか。
川尻 こないだのRIZINの解説席で未来選手と並んだんですよ。モニターに映った未来選手とボクの写真を撮って、その朝倉未来ファンに「いいでしょ」ってLINEしました(笑)。
――普通にツーショットを撮ればいいのに。
川尻 いや、もう怖いじゃないですか(笑)。
――何を言ってるんですか(笑)。川尻さんがジムをオープンしたときにお祝いを持って行きたかったんですけども、あまりにも遠いので。近くで取材したついでに寄ろうと考えているうちに、ずいぶん時間が経ってしまいました。
川尻 もう4年経ちましたよ。
――経営は安定してるんですか?
川尻 まあまあ、ぼちぼち。皆さんのおかげでなんとか生きていけてます。格闘技ジムの経営って、いきなりは大金持ちにはなれないじゃないですか。たとえば、会員がいきなり10倍になったりしない。でも、在庫を抱えるわけでもないし、ちゃんとやれば赤字になることはないなって感じですよね。
――でも、元UFCファイターの川尻さんには近々泡銭が入ってくるじゃないですか。
川尻 あー、UFC集団訴訟のやつですよね。あれ、どうなってんすか。ジャンさんのせいでさ、めちゃくちゃ期待してたんですよ。ヘタしたら何千万円も入ってくるんじゃないかと思って、嫁と「どうする?」って話をしていたんですよ。そうしたら賠償金は思ったより低いんですよね?
――ですね。UFC集団訴訟に関してはボクが繰り返し発信していることで、水垣(偉弥)さんからも「ジャンさんのツイートで期待していたら……」と苦情が入ってますね(笑)。
川尻 いい迷惑ですよ。いくらくらい入るんですか?
――うーん、100万円ぐらい入ればいいほうかもしれないですね。
川尻 ですよねぇ。ジャンさんのツイートからすると、正直3000万とか入るのかなってワクワクしたんですよ
――原告側が妥協しちゃっただけでボクは何も悪くないですよ(笑)。川尻さんもUFCでそれなりに試合しているからけっこう入るかもしれないですよ。
川尻 いやいや、水垣くんに比べたらボクは10分の1ぐらいですよ。
――水垣さんはこの話を振ってくる川尻さんに迷惑がってましたよ。
川尻 水垣くんさ、配信番組に一緒に出たときにこの話を振ってもまったく乗ってこないんですよ。あの男は固いんですよねぇ。
――川尻さんや水垣さんの今後の生活ぶりから、賠償金の金額を判断しようと思ってます。
川尻 お金の話でいえば、ジャンさんに聞きたいことがあったんですよ。
――なんですか?
川尻 Dropkick、儲かってるでしょ?
――は?
川尻 ぶっちゃけ儲かってるんでしょ!?
――どうしたんですか、急に。
川尻 ボク、Dropkickに出るのは4年ぶりぐらいでしょ? 以前より出演料が増えてるんですよねぇ。
――べつに5倍10倍に上がってるわけじゃないですよ(笑)。
川尻 知りたいのはいま会員は何人いるかってことですよ。
――32人ですよ。
川尻 そんなわけないでしょ!
――本当は値段を上げたいくらいですよ。ただシステム上、値上げができなくて。
川尻 たしかに550円って安すぎません? それでも絶対に儲かってるよ、これ。
――ひとつだけ言えることは毎週2~3人取材して、1万字超えのインタビュー原稿を延々とまとめ続けるのは精神的変調をきたしかねないです。かれこれ12年間ホテルで缶詰作業している感じですよ!
川尻 コメント欄に「こんなに金の話ばかりする川尻達也は新鮮」ってコメントありますね(笑)。
――川尻さんはPRIDEに上がったら億万長者になれると思い込んでいた銭ゲバですよ。
川尻 そうですよ。五味隆典を倒したら、ファイトマネー3000万円になって年間3試合で9000万、スポンサーで1000万、年収1億円になると計算してPRIDEと契約しました。
――雑な計算!(笑)。
川尻 実際はそんなことなかったですよ。若さって恐ろしいですねぇ。
――今回のRIZIN46はそんな川尻さんだけしか語れないテーマも内包されていたんじゃないかなと。
川尻 えっ、どういうことですか? なんでも答えますからDropkickの会員数を教えてくださいよ!
――だから32人ですよ! まずRIZIN46のメイン、鈴木千裕vs金原正徳ですけど、川尻さんはどっちの勝利を予想してましたっけ?
川尻 ボクはさんざん金ちゃんとの古い関係を説いたあとに、鈴木選手の「1ラウンドKO勝ち」でした。今回はほぼ当てました。
――まあ、予想って2分の1じゃないですか。鈴木千裕の勝利予想はどこまで確信いていたものだったんですか?
川尻 いやあ、そこまで自信はなかったですね。どっちも勝つ可能性あるけど……ここで鈴木千裕にすると、また金ちゃんに怒られるじゃないですか。クレベル・コイケ戦のときもそうだったんですよね。で、今回も金ちゃんが勝ったら、またYouTubeの事前番組でネタになるのかなって(笑)。
――そんなヨコシマな理由! まあ実力は拮抗していたってことですね。
川尻 鈴木千裕が時代を作るんであれば、PRIDE武士道で10連勝した五味隆典みたいにどんな状況でも鈴木千裕は勝つだろうなって。もうひとついうと、金ちゃんのインスタを見たら、ケン・ヤマモト先生の治療を受けてたんですよ。
――あー、みんながお世話になっているケン・ヤマモト先生の治療を受けていたってことは……という読み!
川尻 そのあとのストーリーで「できることやろう」みたいに書いてあったので、これはどこかをケガしたのかなと。コンディションに不安があるってことを含めて、鈴木千裕の予想にしましたね。鈴木千裕はもう万全で絶好調だったと思うんで。
――じつは金原選手は身体のある部分を痛めていたっていう話を聞きましたね。
川尻 ああ、やっぱりそうなんですね。ヤマモト先生のところに行くってことは緊急ですからね。
――しかも金原選手は年齢も年齢ですしね。
川尻 41歳ですね。ボクも最後の試合が41歳ですけど、その前にアリ・アブドゥルカリコフとやったじゃないですか。試合後に動画を見たら、あまりにも動きが遅くてビビりましたもんねぇ。「ああ、俺、こんなに遅いんだ。これはもう無理だな」と思いましたね。
――自分の動きを見て判断したんですね……。
川尻 それでやめどきっていうのをずっと考えてて、誰かにぶっ飛ばされてからやめたいじゃないですか。
――それがRIZINライト級GP開幕戦のパトリッキー・ピットブル戦だったと。
川尻 PRIDE、DREAM、RIZINと3つのライト級GPに出ることになるし、そこで優勝できたらまた続けられるし、ぶっ飛ばされたらやめようと思ってましたね。
――40代になると身体だけじゃなくて、戦うモチベーションも重要ですよね。
川尻 自分の41歳のときでいえば、日本一を目指すことにはまだ自信はありましたけど、正直世界一を目指して格闘技に振り切ってやってきたから。そこで日本人ファイターと試合をすることは自分の中で考えられなかったですね、当時は。そしたらさ、フェザー級に朝倉未来選手が出てきて。もう1年ぐらい早く出てきてくれれば、俺も間に合ったかもしれないのに(笑)。
――戦う動機を探していた川尻さんは堀口恭司との対戦をぶち上げて、バンタム級のテストマッチをやったり。いまは階級を落とすことがトレンドですけど、川尻さんの意見を聞きたいなと。9万字・格闘技記事詰め合わせはまだまだ続く…… -
篠塚辰樹の自由すぎるインタビュー「ベアナックルは怖くて面白い」
2024-05-27 11:58200ptRIZIN初のベアナックルルールで激勝した篠塚辰樹インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・ブラックローズ大晦日の裏側■証言:セコンド大塚隆史・【格闘技ブームをつくった男】石井和義館長に訊く「国立競技場の借り方」
・ボクは最初からあのレベルの平本蓮を見ていたんです■石渡伸太郎・パク・シウ「大人になってもMMAなんて一切知らなかった」
――ベアナックルルールでの見事な勝利おめでとうございます。
篠塚 ありがとうございます。
――圧巻のKO勝ちでしたが、試合直前にお父様のほうがお亡くなりになってしまったということで。大変な状況だったわけですが、試合に出ないという選択はあったんですか?
篠塚 それはないす。1ミリもなかったです。試合に出て勝利を届けようって感じだったんで、出ないという判断はないですね。
――やっぱりメンタルにも響くところはあったと思うんですけども。
篠塚 そうですね。想像もしてなかったですし……なかなか、しんどかったですねぇ。
――それでいてRIZIN初のBKFCルール。見てるほうからするとかなり刺激的だったんですけども、実際にあの危険なルールで戦ってみてどうでした?
篠塚 いや、見たとおり、危ないですね。めちゃくちゃ危ないです(笑)。
――やっぱり危ないですか(笑)。
篠塚 いや、怖かったですよ。試合中も「危ねえ、危ねえ」みたいな。やっぱり危ないです。
――ベアナックルで「やってみたい」と思ったのは、怖さよりも魅力があったからですよね。
篠塚 そうっすね。やってみたかったです。実際にやってみて楽しかったですね。あのスリルは“アレ”でしか味わえないすね。
――篠塚選手はいままでボクシングやキックをやってきましたけども、それとはまた違った刺激がベアナックルにあったと。
篠塚 違うっすね。全然違うんですね。
――ケンカだと素手じゃないですか。篠塚選手はストリートファイトの経験は豊富だったりするんですか
篠塚 いや、そんなにないです。ちょっとだけです。大した戦歴でもないすね。まあ、ベアナックルはまだ武器を使ってくるわけじゃないから、まだいいです(笑)。
――武器がないだけマシですか(笑)。素手だとパンチの打ち方がボクシングやキックとまた違ってくるわけですよね。
篠塚 いや、全然違うっすね。グローブがあるとやっぱり振れるんで。素手で振っちゃうとすぐ打ち終わっちゃう。戦い方はボクシングで打ち方は空手。パンチの打ち方は振るんじゃなくて、ゴツゴツ、ゴツゴツみたいな。振ったら拳が折れちゃう。
――拳を痛めちゃうわけですね。本場アメリカのベアナックルだとガンガン振っている選手を見かけますけど。
篠塚 ああ、振る選手はいますね。
――あれは壊れてもいいという覚悟なんですかね。
篠塚 それか拳をスーパー鍛えているかじゃないですか。まあ素手でやっている奴はイカれてると思う。
――やっぱりグローブって拳を守るために大事なんですね。
篠塚 大事ですね、めちゃめちゃ(笑)。バンテージも超大事ですね。拳に何もないってのがやっぱヤバイすね。
――そこまでデンジャラスだと、ベアナックルでは頻繁には試合できない感じですか。
篠塚 そうっすねー。あれを年4回やるのは無理っす。絶対無理。すぐ壊れますよ。今回の試合はすぐ終わったんで、まだよかったすけど。あれ、5ラウンド殴り続けたら絶対にどっか壊れる。
――パンチで顔が腫れたりするほうがクローズアップされがちですけど、じつはパンチを打つほうも大変だと。
篠塚 やるほうも痛いすね。ちゃんと丁寧に殴らないと。頭を殴ったら拳が折れますからね。ちゃんと正確に狙える奴じゃなきゃ壊れるっすね。
――バイオレンスなイメージ先行ですけど、じつは技術が問われるという。
篠塚 だと思うんすね。ベアナックルのいろんな試合を見てもけっこう倒れない。ボコボコパンチが入っても効いてない。表面的にどんどんひどくなってくるんだけど。ピンポイント当てていかないと倒れないなって感じす。
――素手よりボクシングのグローブのほうが効くって言いますもんね。
篠塚 重みもあるから絶対グローブのほうが脳が揺れるんですね。素手だと「イテッ!」みたいな感じですね。グローブだとゴーンって効くと思います。でも、いまだに一発殴られた肩が痛いっすよ。ダメージはないんですけど。
――ダメージはないけど、痛さが残るんですね。
篠塚 普通にゲンコツって痛いじゃないですか。その痛さが残るみたいば感じ。
――最近キックでオープンフィンガーグローブマッチが流行ってますけど、それともまた違うんですね。
篠塚 違うっすね。グローブ、バンテージがある安心感は相当です。次の試合はどうなるかわかんないすけど、オープンフィンガーとバンテージがあるだけで、おもいっきりぶん殴れそうです。自信ついたっすね。
――ベアナックルをやったことでの気付きがあったわけですね。
篠塚 ですね。いい経験です。
――今回の試合にかなり反響があったことで、ベアナックルに手を挙げている選手がいますけど、甘く見ないほうがいいと思います?
篠塚 ああ、絶対に甘く見てるっすよ。「ホントにできるの?」って感じす。あのゼロ距離からいきなり殴りに行けるのか、オマエら?って。やれるならやってみてくれって感じ。
――篠塚選手が年4回はできないって言うくらいですからね。
篠塚 絶対に無理っすよ(笑)。アメリカでやってみたいですけどね。
――RIZINとベアナックルに出場しているジョン・ドットソン戦は面白そうですね。
篠塚 ああ、やれたらヤバイっすね。
――今回の試合はアメリカでやる話もあったじゃないですか。篠塚選手としてはどっちでやりたかったんですか。
篠塚 どっちでもいいですけども、アメリカでベアナックルを見たときの歓声がヤバかったす。そこは日本と違いますね。ちょっと当たったりするだけで、大歓声。あれを体験してみたい。この前の試合もKOしたら、けっこう気持ちよかったから、アメリカだったらもっと歓声がえぐいんだろうなって。
――そこは国民性の違いなんでしょうね
篠塚 じゃないですかね。日本は静かなんで。
――この試合前にこんなポストをしてましたよね。「相手が木村ミノルかと思った。一発もらったらさすがに北岡悟になる」って。これはどういう意味だったんですか?
篠塚 ハハハハハ。いや。べつに適当に考えたっす。ただ筋肉がでけえと思ったから木村ミノルみたいだなってことと、パンチをもらってボコボコにされたら北岡悟みたいな顔になるなって(笑)。
――そのまんまだったんですか!その北岡さんも反応しましたけども。
篠塚 怒ってましたね。しゃべったことも絡んだこともないんで、勝手に怒ってて……って感じで。
――篠塚選手、自由ですね!(笑)。
篠塚 そうっすね(笑)。・RIZINでMMAをやるはずだったが…
・ボクシングよりキック、キックよりMMAなのは
・格闘技をナメていた
・平本蓮とは待ち合わせはできない
・ベアナックルなら萩原京平と……まだまだ続く
この続きと鈴木千裕、川尻達也、篠塚辰樹、笹原圭一、手塚裕之……などの5月バックナンバーが450円(税込み)でまとめて読める「9万字格闘技記事詰め合わせ」セットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2200070この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
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00年代の怪しい目撃者“Show”大谷泰顕■松澤チョロの「脱線プロレス」
2024-05-23 10:10200pt
元『紙のプロレス』編集者・松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第13弾。今回は“Show”大谷泰顕さんがゲストです!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から¥150から購入できる松澤チョロの脱線プロレスシリーズ】・最強の格闘家ジョビンを現役復帰させる会
・高木三四郎大社長がやってきた・【月刊FANZA編集長】プロレスとアダルトビデオ■松澤チョロの脱線プロレス
・今成夢人のファンタスティックな話■松澤チョロの脱線プロレス
――松澤チョロさんの「脱線プロレス」コーナー、今回のゲストは“Show”大谷泰顕さんです!
チョロ 大谷さんとの付き合いはかれこそ20年以上になりますけど、実際に会うのは3年ぶりくらいですね。
Show みんなひさしぶり。というか、これはどういう企画なの?
――危なっかしい人をゲストに呼んで危なっかしい話をするコーナーです。
Show じゃあ、まったく俺向きじゃないや。
チョロ ヒャッ!? いやいや、めちゃめちゃ危なっかしいですよ。大谷さんはPRIDEやK-1、猪木さん周辺にも深く食い込んでいたから面白い話はいくらでも持ってるはずなんで。
――PRIDE・K-1の冷戦時代、どっちの団体にも食い込んでいたのは大谷さんだけなんですよね。
Show ちょっと待って。あのさ、その「危なっかしい」という言葉に引っかかるなあ。そこの誤解を説いておきたい。いや、誤解されてもいいんだけどさ……。
――開始早々、面倒くさい!(笑)。
Show あのさ、俺は思うのは、この業界は『東スポ』や『週プロ』とかさ、そういう人たちが作ってきてるわけじゃないですか。もちろん団体があって、そのニュースを伝える側がいて、いまはSNSが発達しちゃったからメディアの役割も全然変わってきちゃってるんだけど。それでも俺は『東スポ』や『週プロ』とかさ、そういう人たちが昔からやってきたから、この業界はなんとか残ってると思うわけ。
チョロ よ~くわかりました!! それで大谷さん、プロレス格闘技業界に携わって何年くらいですか?
Show いや、まだ話の途中。ごめんね。
チョロ あ、まだ続きますか。
Show だから俺は『東スポ』や『週プロ』の領域みたいなものはなるべく侵したくないわけ。その人たちがやらないことをなるべくやるように努力してる。ちょっと前だと、全日本プロレスの福田剛紀社長のインタビューだよね。これは絶対に『東スポ』や『週プロ』はやらないだろうなって。
――あれは「やらない」じゃなくて「やりたくない」んですよ!(笑)。
Show (聞かずに)だからまずは『東スポ』や『週プロ』の人たちに取材してもらって、俺はなるべくそれ以外から次に繋げる企画をいつも考えるようにしてるつもり。そうやって気を遣っていることがそういう人たちからどう思われているかはわかんないけど、「危険物処理班」みたいな仕事をなるべくやるように心がけてる。それを「危なっかしい」扱いするのはかまわないんだけど、俺はそういう心構えでやってるってこと。
チョロ 危なっかしいといえば、大谷さんってわりと炎上しがちで、大谷さんが担当していた猪木さんのYouTubeチャンネルも叩かれることが多かったですよね。
Show うーん、そこはどうなんだろ? それはそれでしょうがないよね。猪木さんって多面体の極知みたいな人だから、俺が「面白い」と思っても「そうじゃない」っていう人もいるし、いろんな見方をされる人でしょ。ただ、俺は猪木さんの亡くなる10日前にたまさか取材をやらせていただくことになっちゃったじゃないですか。
チョロ 「アントニオ猪木を最後に取材した男」ですよね。
Show 結果的に猪木さんの最後の言葉を届けてしまった責任はあるし、結局、最後の最後に猪木さんの骨を拾わせていただくなかの1人にもなった。まさか猪木さんの骨を拾うことになるなんて考えてもいなかったですよ。だから誰がどう思うかはともかく、俺の中では全うしていかなきゃいけないなっていう思いはあります。ごめんね、まだ前置きは続くんだけど……。
チョロ ヒャッ!? まだまだ続きますか(笑)。
Show ここから『紙のプロレス』の話にも繋がるんだけど、これは以前、斉藤氏には言ったかもしれない。俺はこの業界に30年くらい携わっていて、「この人はすごい」と思った人間が4人いる。
――そんな話、全然覚えてないです。
チョロ 当てていいですか? 石井館長、榊原(信行)さん、谷川貞治さん、ターザン山本さんの4人!
Show あー、惜しいかな。
チョロ じゃあ猪木さんが入ってるかな。
Show 猪木さんはすごい人だけど、ちょっと次元が違うよね(笑)。もちろん石井館長と山本さんもすごいけど、俺がどうこう言える人とは違うかなと。バラさんと谷川さんは入っている。残りの2人は山口(日昇)さんと、柳沢(忠之)さん。
チョロ 小さい判型の頃の『紙プロ』をやっていた2人。
Show 俺はこの4人はすごい世話になったし、兄貴だと思っているのね。だからチョロ氏と斉藤氏からこうやって話を聞かれるのは、2人が山口さんのところにいたから、という理由が俺にはあるんだよ。まあ2人は俺の兄貴の子供ってことだよね。
――大谷さんの親戚にはなりたくなかったですよ(笑)。
Show 俺はあの2人に猪木さんの見方を教わったというか……あっ、猪木さんといえばさ、これも余談なんだけど。
チョロ はい(笑)。
Show この業界にいる役割、役目ってなんだと思います?
チョロ まったくわかりません!
Show ひとつは選手を作る、ふたつ目は現象を作る。最後のひとつが歴史を繋ぐ。この3つだと俺は勝手に思ってんの。猪木さん関連でいえばサイモン・ケリー(WWE日本アドバイザー)、猪木元気工場の宇田川取締役はすごいなぁと思ってて。サイモン氏でいえばSareeeやら中嶋勝彦を含め、「闘魂」をどうこれから残すかを考えているし、宇田川氏でいえば『猪木展』をやったりして、選手や現象を作ったり、アントニオ猪木の何かを繋ごうとしているんだよ。そのやり方が合ってるかどうか知らんよ。でも、彼らが見ているのは後ろ(過去)じゃないのよ。先(未来)なんだよ。先を見て猪木さんをどう残すかみたいなのを考えた結果、奮闘してるんだなって。
――……話を聞いて思ったのは、Show大谷さんは身近で頑張っている人をしっかり評価してあげたいんだなって。でも、その褒め方が「仲がいいんだろうな」ってことがまず来ちゃうんですよね。たとえばSareee選手と闘魂がまったく結びつかないですし。
Show 仲が良いからじゃなくて、サイモン氏と宇田川氏の話をちゃんとすると……。
――しなくていいです!伝わりました!(笑)。
今回は00年代プロレス格闘技事情にうるさいジャン斉藤の発言が多めでした!チョロ 似たような話でいえば、最近の大谷さんは女子プロレスを猛プッシュしてるじゃないですか。
Show している。けど女子プロレスっていうよりも、それこそアントニオ猪木繋がりでSareeeと中島安里紗、SEAdLINNNGのたいよう南月代表という「絶滅危惧種」に遭遇したから、この人たちの凄さはどうにか伝えたいし、残してあげたい気持ちが強い。
チョロ でも、なんであんなに推しているんだろうって。大谷さんは本音が伝わりにくいんですよね。「この人、本当に何が好きなんだろう?」って。べつに好きなものをプッシュする必要もないし、ビジネスライクにやってもいいとは思うんですけど。たとえば昔の大谷さんだったらパンクラス好きのイメージがすごくあって。
Show たしかに昔は取材していたね。
――あの当時のパンクラスを推すのはよくわかるんですよ。でも、サイモンさんと宇田川さんを推す理由があまり見えてこないんですよね。
Show なるほど、伝わってないんだね。でも、パンクラスのときはわかるんだ。
チョロ あの当時のパンクラスは語りがいがあったはずだし、それこそ一般メディアに向けてプレゼンしやすいし、ビジネスにも直結したんだなと思いますよね。
――当時のパンクラス番といえば、ヤスカク(安田拡了)さんか大谷さんだし、パンクラス道場の永久会員でしたよね?
Show あ、入ってた! けど、パンクラスの話をしなきゃいけないのは、めんどくさいなあ。
――サイモンさんや宇田川さん以上に重要ですよ! 『紙プロ』は前田日明のジェレミー・ホーン引き抜き事件の裁判資料になったこともあって、パンクラスの取材をできなくなるんですけど。その前に『紙プロ』は『パンクラス公式本」の『矛』と『盾』を作ったじゃないですか。あれはShow大谷さんの持ち込み企画だったんですよね。
Show その話をするんだったら、俺と『紙プロ』がどうやって繋がったかという話からしなきゃいけないよね。
チョロ やっと本題に!(笑)。そこも具体的にはわからないですよね。気づいたら大谷さんが紙プロ編集部に出入りしていたから。
Show まず俺が東京に来たのは……。
チョロ そこから! やっぱり前置きが長い!(笑)。
Show ごめんね。上京したのがたぶん91年の5~7月ぐらいなんですよ。そこからいろんなツテをたどりながらやってくんだけど、93年の4月にK-1ができて、9月にパンクラスができた。その後、11月にUFCが生まれた。で、猪木政界スキャンダルも93年なんですよね。だから1993年ってすごい年なんですよ。
――中学校で休んで、新間寿さんの「アントニオ猪木のPKO」発言が飛び出した記者会見生中継を見ましたよ。
Show で、その猪木政界スキャンダルをきっかけに山口さんと柳沢さんは『猪木とは何か?』という本を作るじゃん。その本がバカ売れしたこともあって、翌年に『猪木とは何か?』の続編『キラー編』を出すでしょ。そこで俺は原稿を書かせてもらってるんだよね。そこが『紙プロ』との初めての繋がりっちゃ繋がりなんだ。
チョロ えっ、大谷さんって『キラー編』で書いてましたっけ。どういう理由で書くことになったんですか?
Show 東京に来てから、とある出版社でアルバイトを始めたんですけど。その出版社が出していた雑誌が休刊になって。これからどうするかってときに『JUNGLE』っていうプロレス雑誌をやることになって。
チョロ 『JUNGLE』!! ありましたねぇ。
Show そこで初めて猪木さんを取材した。場所は参議院会館だったけど、俺はもともとバリバリの新日本プロレス大好き人間だったわけ。80年代に「これはプロレスブームじゃない! 新日本ブームだ!」って新間寿さんが言ってたけど、ホントそこにズバリとハマって新日本オンリーだった。「新日本に非ずものはプロレスに非ず」というか。ただ、猪木さんじゃないんだよね。
――最初は「猪木さんの何が面白いかわかんない」というスタンスだったんですよね。
Show わかんない、わかんない。でも、俺は新日本プロレスファンだったから、猪木さんのインタビューなんかを読み尽くしてるわけ。だけど実際に猪木さんのインタビューをしたら、「あ、やっぱりこういうことを言うんだ」っていう確認作業になっちゃうのよ。「猪木さんはやっぱり『プロレスは闘いである』って言うんだな」とか。で、その取材をしたときに、猪木さんが「この業界を面白くできる奴はいねえのか?」ということを言ったの。それをコピーにして『JUNGLE』の表紙にしたら、山口さんと柳沢さんが反応して「面白い奴が猪木さんの周りに出てきたな」ってことで、俺に原稿依頼があったんだよね。そこで猪木vsブロディの初対決の記事を書いた。
チョロ 猪木さんインタビューをやるってことは、『JUNGLE』ではメインどころを任せられたりしてたんですか?
Show というか、一番初めは編集者が俺しかいなかったから。3ヵ月に1回くらいのペースだったし、当時はそういうプロレスムックがいっぱいあったよね。
チョロ そこから当時・池袋にあった紙プロ編集部に出入りするようになったんですね。
Show 山口さん、柳沢さんが……まあ、遊んでくれたんだよね。当時の俺は新日本プロレスしかわかんないけど、この人たちは新日本どころか猪木博士なんだなと。猪木さんに対して博士級の研究をしているというか。俺なんかは大学生のノリだから、もう世界が全然違うわけよ。・「猪木祭り」誕生までの裏側
・吉田豪の書評
・ターザン山本のブレーン
・PRIDEとK-1をプロデュースしていた男たち
・百瀬博教さんとの付き合い
・プロ格マガジン『SRS・DX』……2万字インタビューはまだまだ続く
この続きと馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……などの5月バックナンバーが450円(税込み)でまとめて読める「8万字プロレス記事詰め合わせ」セットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2200075この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
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7月は「超サイバーファイトフェス」か■事情通Zの「プロレス 点と線」
2024-05-22 16:27200ptプロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する事情通Zのコーナー。今回のテーマは7月は「超サイバーファイトフェス」かです!
【1記事から購入できるバックナンバー】・【燃えるマリーゴールド】ロッシー小川が悪いのか■事情通Zの「プロレス 点と線」
・頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
・齋藤彰俊インタビュー「名古屋の街の風紀を正していた高校時代」
・【新生FMW崩壊編】リッキー・フジ「解散興行もできずに終わっちゃいましたからねぇ……」
――Zさん! 『マリーゴールド』がマスコミに賄賂を渡したってホントですか?
事情通Z いきなり誤解することを言うな!旗揚げ戦が超満員だったからマスコミに大入り袋が配られただけだよ!
――いくら入ってたんですか?やましいことじゃないなら正直に言いなさい!
Z もらってないからって僻むんじゃないよ!
――ボクは某団体がお車代をマスコミに配りだしたときに「1000円2000円程度で気を遣うことになるのは面倒!」ってことで逃げ出した男ですよ! ただし10万円だったら即、魂を売ります。各団体の皆さん、今後はその金額でよろしくお願いします!
Z 大入り袋を配るのもロッシー小川さんが掲げる昭和っぽさはあるし、大入り袋をSNSにアップするマスコミの皆さんも昭和気質が抜けないよね(笑)。『マリーゴールド』は面白かったですよ。ロッシーさんらしさ全開というか、こういうことがやりたかったんだなって伝わってきた。これはいまのスターダムを否定するわけじゃないけど、年月を重ねて関わってくる選手やスタッフが増えて、ましてや親会社がバックに付いていると、やりたいことが諸事情でできないときもある。『マリーゴールド』は自由にやった。それぞれの試合に見どころがあって、ロッシー小川パッケージになっていたかなと。
――ロッシーさんの試合後の総括コメントで驚いたのは、旗揚げ戦の余韻に浸ることなく「激しい試合ばっかり続いてるのはどうなのか」って注文をつけていたことなんですよね。・アクトレス組の高評価
・ノアとマリーゴールドの同日興行
・新体制人事から見えるもの
・超目玉、竹下幸之介の新日参戦は
・乃蒼ヒカリの退団……まだまだ続く
この続きと馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……などの5月バックナンバーが450円(税込み)でまとめて読める「8万字プロレス記事詰め合わせ」セットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2200075この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
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【プレイバック】最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん■小佐野景浩
2024-05-18 16:46200ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。「最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん」を再掲載します!
<1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
令和の女子プロ! 小佐野景浩の東京女子プロレス講座
中嶋勝彦を見よう/「プロレスの仕組み」論
東京スポーツ新聞社制定「2023年度プロレス大賞」
追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク
G1クライマックスに圧倒的な価値観を!ALL TOGETHERに見えたリアルな関係
【永田三冠議論百出】全日本プロレスは大丈夫
清宮海斗の「顔面蹴り」と「平和ボケ」
プロレス大賞の選考は毎年難しい
岩谷麻優vsKAIRI IWGP女子王座の勝負論
私が愛した“若獅子”アントニオ猪木この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん
頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん
大谷晋二郎選手の試合中の事故について
『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
プロレスと結婚した風間ルミさん
武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」
『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…
☆この記事は2018年5月に掲載されたものです。 ――小佐野さんは馬場元子さんの訃報をどのタイミングで知ったんですか?
小佐野 私は全然知らなかった。『Gスピリッツ』編集部からの電話で『東スポ』のウェブに元子さんの記事が載っていることを初めて知ったんですよ。
――小佐野さんが知らないとなると、近親者以外は誰も……。
小佐野 おそらく渕(正信)さんや和田京平さんさえも知らなかったと思う。告別式とかすべて終わった段階で『東スポ』に連絡したんじゃないかな。そこには全日本プロレスがチャンピオンカーニバル中だったという配慮もあったんだろうね。
――馬場さんが立ち上げた全日本プロレスを最後まで気にかけていたということではありますねぇ。
小佐野 あくまで私の推測ですけどね。どこにも知らせないわけにはいかないから、時期を見て『東スポ』さんに報道してもらいなさい……という流れだったんじゃないかと。
――元子さんと最後にお会いになったのはいつだったんですか?
小佐野 それは去年の1月23日、元子さんの喜寿のお祝いです。喜寿の会での元子さん。ハワイ好きの元子さんのためにハワイアンな雰囲気に。
小佐野 元子さんの体調はあまりよくなかったということで、元子さんを元気づけようという趣旨もあってね。入院されていたこともあって、電話でしゃべれる機会はここ1年はなかった。私も元子さんもハワイ好きなので、ウチの家内が作ったフラワーレイを時々送ったりはしていて、そのお礼のメールが元子さんの姪御さんを通じて送られてきたり、昨年末には元子さんからハガキをもらったりはしてたけど。
――訃報を聞いたときはどう思われました?
小佐野 やっぱりショックだった。元子さんには取材抜きにして、ずっとお世話になっていたから。元子さんはもうプロレス界の方ではないし、ここ最近は個人的な付き合いをさせてもらっていたので、知り合いの方がお亡くなりになったという寂しさですよね……。
――小佐野さんと元子さんのお付き合いは相当長いですが、初めてお会いしたのはいつなんですか?
小佐野 1980年、私が大学1年のときに『月刊ゴング』でアルバイトを始めたんだけど、そのときに竹内(宏介、当時『月刊ゴング』編集長)さんに全日本の会場で「馬場さんの奥さん」として紹介されて。もう驚きましたよ。その当時、馬場さんが結婚していたなんてことは公にはされてなかったから。
――噂にもなってなかったんですか?
小佐野 何も知らなかった。プロレス界の中で隠してるわけでもなかったけど、わざわざ記事にする人もいなかった。プロレス業界の人はみんな知っていて、みんな馬場さんの奥さんとして接してるんだけど、世間には知らされてないだけ。公表されたのは82年の夏のことだから。
――小佐野さんが『月刊ゴング』でバイトを始めた2年もあとですね。
小佐野 馬場さんと元子さんはもともと1971年にハワイで結婚式を挙げてるんですよ。それからは一緒に住んでいるし、元子さんは巡業もついて回っていた。これは聞いた話だけど、ハワイで結婚式を挙げたときにある週刊誌にスクープされそうになった。でも入籍はしてない。そこは元子さん側の親の反対とかいろいろな理由があったみたいで。
――だから結婚式だけで籍は入れなかったんですね。
小佐野 だからその週刊誌には「記事にはしないでくれ。入籍したら記事にしていい」という話をして。そこの編集長は了解してくれて、その週刊誌の編集長が馬場さんとの約束を代々受け継いで、82年に入籍したときに「じゃあ書きますよ」と。そうなったら馬場さんもダメだとは言えない。
――それで元子さんの存在を公表することになったんですね。
小佐野 82年の七夕の日に、馬場さん1人で記者会見をやって結婚してることを明かしたんですよ。
――七夕に!(笑)。それまで世間的には馬場さんは独身として通ってたわけですよね。
小佐野 私だって馬場さんは独身だと思ってたくらいだからね。当時の私は18歳、元子さんは40歳、馬場さんは42歳ですよ。それから『ゴング』が週刊化されて、私は全日本プロレスの担当記者になったんだけど。広報の担当はいるんだけど、重要な取材のゴーサインを出すのは元子さんだった。
――その若さで馬場夫妻と向き合うのは大変だったんじゃないですか?
小佐野 巷でも言われてることだけども、元子さんは厳しい方だったからね。こっちも血気盛んなだから当然ぶつかるし。元子さん「これはなぜダメなんですか?」って聞いたら「私がイヤだからよ!」って言われてね(笑)。
――ハハハハハハハ! 「私がイヤだから」と言われたら困りますよ(笑)。
小佐野 「それじゃあ話にならないですよ!」なんて食い下がってね。そんな会話の繰り返しですよ。マスコミの中には元子さんが苦手だっていう人が多かった。私も何度かケンカしながらこうして最後まで付き合えたのは、何かあっても後に残らなかったからだと思う。元子さんもガーッと言うけども忘れちゃうし、私もあまり気にしない。何か言われたからといって元子さんのことが嫌いにはならなかった。・小佐野さんが「敵」認定されたとき
・馬場元子と三沢光晴、決裂の理由
・「それは馬場さんが悪い」と擁護しれくれた
・馬場さんのターザン山本に対するボヤキ……12000字インタビューはまだまだ続く
この続きと馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……などの5月バックナンバーが450円(税込み)でまとめて読める「8万字プロレス記事詰め合わせ」セットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2200075この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
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最高のプロレスラーだった曙さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
2024-05-18 16:26200ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は最高のプロレスラーだった曙さんです!
<1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
令和の女子プロ! 小佐野景浩の東京女子プロレス講座
中嶋勝彦を見よう/「プロレスの仕組み」論
東京スポーツ新聞社制定「2023年度プロレス大賞」
追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク
G1クライマックスに圧倒的な価値観を!ALL TOGETHERに見えたリアルな関係
【永田三冠議論百出】全日本プロレスは大丈夫
清宮海斗の「顔面蹴り」と「平和ボケ」
プロレス大賞の選考は毎年難しい
岩谷麻優vsKAIRI IWGP女子王座の勝負論
私が愛した“若獅子”アントニオ猪木この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん
頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん
大谷晋二郎選手の試合中の事故について
『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
プロレスと結婚した風間ルミさん
武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」
『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…
――今回のテーマは先日お亡くなりになりました曙さんです。世間的にはどうしてもボブ・サップにKO負けしたイメージが強くて、そのあとプロレスで大活躍していたことはあまり届いてないんですよね。
小佐野 そうなんだよねぇ。おくやみ記事を見ても、ほぼプロレスラー曙としてフィーチャーされてなかったことが非常に残念だった。
――プロレスラー・関係者の追悼ポストを見ると、曙さんのいい話や人柄が伝わるものばかりで、プロレス界には大きな足跡を残していたことがわかるんですけど、ニュースになるとプロレスよりは相撲や格闘技だったという。
小佐野 大相撲の横綱だったことが大きな見出しにはなるのはわかるんだけど、そのあとの格闘技のイメージが強いんだろうね。たとえば「プロレスで三冠ヘビー級王者になりました」というニュースは出てこない。
――曙さんが三冠王者だったことを知らない人のほうが多いかもしれないですね。曙さんのプロレス転向話を聞いたときはどう思われました?
小佐野 K-1に出ていた曙さんが2005年のWWEの日本公演で挨拶をして、レッスルマニアでデビュー戦をなし崩し的にやったじゃないですか。
――ビッグショーとの相撲マッチがプロレスデビュー戦なんですよね。
小佐野 W-1でグレート・ムタとやったあとに、全日本プロレスで正式にプロレスラーとして活動を始めた。ボクはあそこが彼の本当のプロレスデビューだと思ってるんですよ。
――レッスルマニアやムタ戦は違うと。
小佐野 だって、それまで受け身も何も教わってなくてリングに上がってたわけだから。ムタ戦のあとに全日本の道場で教わった。そのときのコーチはカズ・ハヤシだったんですよ。カズ・ハヤシから受け身やロープワークとか、いわゆるプロレスの基本的なことを教わって。本人いわく「自分は相手をロープに飛ばすほうで、飛ばされることはないんだけど、やろうと思えばちゃんとしたステップでロープワークできますよ」と。受け身に関しては、とくに後ろ受け身はキツかったらしいですよ。
――やっぱりあの巨体ですからねぇ。
小佐野 あとはコーチがジュニアヘビー級のカズ・ハヤシだから、どうしても横綱の体型と合わないわけですよ。あの当時に全日本に参戦していたジャマールやジャイアント・バーナードから聞いたら一発でできるようになったみたい。「彼らに教えてもらったら、後ろ受け身が取れるようになったから、やっぱり身体が違うとプロレスも違うんだなって思った」って。横綱にとってプロレスのイロハを教わったのがカズ・ハヤシだけど、大きな身体の使い方を学んだのはジャマールやジャイアント・バーナード。しかも練習パートナーがまだデビュー1年も経っていなかった諏訪魔だったこともよかったのかもしれない。曙さんの相手ができる日本人はなかなかいないからね。
――大相撲からの転向組は多かったんですけども、横綱クラスになっちゃうと大物すぎてうまくいかなかったこともあって、曙さんの期待値は正直あまり高くなかったところはありましたよね。
小佐野 たとえば輪島さんは本当に必死にやったんだけど、38 歳で全日本入団という年齢的な壁があった。北尾(光司)さんの場合はちょっとプロレスを舐めてたかなあ。「本気でやったら俺のほうが強いよ」って自信がありすぎたのかな。
――北尾さんがプロレス界で起こしたトラブルの根っこはそこですもんね。
小佐野 たとえば天龍さんにしたって前頭筆頭からの転向だから「ケンカだったら俺のほうが強いよって昔は思っていた」っていうし、あの田上明は十両まで昇進したけど、十両もなかなかなれるもんじゃないからね。
――要は選ばれし者としてのプライドが高かったってことですよね。
小佐野 田上より2ヵ月早く入門してた小橋建太は勝手にライバル視してたんだけど、田上にしてみれば年齢も違うし、そこらへんのアンちゃんと一緒にしてくれるなよって思うのは当然でね。逆に曙さんはうまくプロレスに順応したし、横綱として偉ぶった感じがまったくなくてすごくフランクな人だった。感心したのは第64代横綱が自分より若いプロレスラーに対して敬語を使っていたこと。「さん」づけで呼んでいた。曙さんからすれば「プロレスでは向こうのほうが先輩でしょ」って割り切りができていた。そうはいっても、なかなかできることじゃないんだけどね。
――K-1で負けが続いたことで「プロレスに懸けるしかない」という姿勢がそうさせたんですかね?
小佐野 いや、そういう必死さではなかったかなあ。もともとそういう性格だったんだろうし、純粋にプロレスを頑張っていたって感じかな。もともと子供の頃はハワイでプロレスを見てたって言ってたから。たとえばロック様(ドウェイン・ジョンソン)のお父さんのロッキー・ジョンソンやドン・ムラコの試合を見ていたし、やるつもりのなかった相撲よりプロレスのほうが馴染みがあったと。
――相撲をやるつもりはなかったんですね。
小佐野 彼はバスケットボールのスカラシップでハワイの大学に進んだけど、ホントは勉強したいのにバスケしかやらせてもらえないってことで大学をやめちゃったんだよ。曙さんは大学でホテルの経営学を学ぼうとしてたんだよね。ほら、ハワイは観光地だから。そんなときに東関親方(元・高見山)から声がかかって、「日本語を覚えるために日本で相撲をやろう」と。
――バスケをやるのはホテル経営学、相撲は日本語学習のため!(笑)。
小佐野 相撲で成功しなくても、3年くらい住めば日本語を覚えられる。ハワイに帰って観光の仕事をやるときに、日本語ができたほうがいいという理由だったみたい。新弟子は電話番もやらなきゃいけないから日本語が喋れないとどうにもならない。実際に1ヵ月で喋れるようになってたって言っていた。
――日本語習得が理由だったのに横綱まで登りつめたんだからすごい!(笑)。若貴兄弟というライバルにも恵まれたこともあって相撲ブームが起きましたね。
小佐野 若貴と一緒だし、あと力皇なんかも一緒だったはずだよ。
――いまは奈良でラーメン屋をやっている力皇さんですね。車が店に突っ込んでシャッターが破壊されてしばらく休業を強いられて大変だったみたいですけど。横綱はK-1デビューする前、天龍さんのWARに入るはずだったそうですよね。・WAR入り断念の顛末
・マネージャーをつけなかった理由
・貴乃花との再会舞台裏
・曙と元子さん、『王道』設立の真相
・馬場元子バッシングに思うこと……まだまだ続く
この続きと馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……などの5月バックナンバーが450円(税込み)でまとめて読める「8万字プロレス記事詰め合わせ」セットはコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2200075この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!
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「RIZINに潰れてほしくないから箱庭のままでいいよ!」■川尻達也クラッシャートーク
2024-05-14 10:44200pt川尻達也が振り返るRIZIN46有明!……のはずがPRIDEやDREAMの昔話を含めて2万字クラッシャートーク!(聞き手/ジャン斉藤) ☆Dropkickニコ生で配信されたものを再編集したテキストになります。【1記事から購入できるバックナンバー】・業界再編ならず? UFC集団訴訟は和解へ…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・【RIZIN神戸総括】笹原圭一の関東大会場4連戦やってやるって!
・【プレイバック】佐山聡に鉄拳指導された当事者が語る「地獄のシューティング合宿」
・ベラトール全面対抗戦実現の舞台裏■RIZIN海外事業部・柏木信吾
――今晩の配信のゲストは、お久しぶりの川尻達也さんです!
川尻 こんばんは!
――ツイッターによれば、いまのいままでジムのお掃除をされていたそうで。
川尻 はい。21時に終わって40分近く掃除してました。
――そんなに時間をかけるんですね。
川尻 めっちゃきれいにしてますよ。毎回消毒もするし、やっぱり汚いジムに人は来ないですよね。
――こう言っちゃなんですけど、いまから20年前の2004年頃、ボクが初めて川尻さんを取材したときのジムはかなり汚かったです!(笑)。
川尻 あー、どこですか? 総合格闘技TOPSかな。あそこは年3回くらいしか掃除してなかったですからね(笑)。
――ハハハハハ! そこは経験が活きてるわけですよね。
川尻 やっぱり女性の会員さんも多いし、汚かったり変な匂いがするところには来づらいじゃないですか。
――ちなみに女性会員はどれくらいいるんですか?
川尻 女性会員は4割くらいじゃないですかね。ほとんどの方は格闘技のことをよく知らないです。「朝倉未来の名前は聞いたことがある」「那須川天心のことはテレビで知ってます」と。知られているのは平本蓮選手ぐらいまでですね。
――じゃあ、川尻さんのことなんてご存じないわけですね!
川尻 全然知らないですよ(笑)。むしろそれが嬉しいです。ボクがジムを開くときに自分の名前で入会するんじゃなくて、格闘技を知らない人でも楽しんでほしいという目標があったんで。入会してから格闘技に興味を持ったりする人もいるし、超ド級の朝倉未来ファンもいますね。未来選手のグッズが出たらすぐに買うし、未来選手がPRしていた水も飲んでます(笑)。
――じゃあ「俺は朝倉未来がやっているブレイキングダウンの解説をやってるんだぞ!」と自慢できるじゃないですか。
川尻 こないだのRIZINの解説席で未来選手と並んだんですよ。モニターに映った未来選手とボクの写真を撮って、その朝倉未来ファンに「いいでしょ」ってLINEしました(笑)。
――普通にツーショットを撮ればいいのに。
川尻 いや、もう怖いじゃないですか(笑)。
――何を言ってるんですか(笑)。川尻さんがジムをオープンしたときにお祝いを持って行きたかったんですけども、あまりにも遠いので。近くで取材したついでに寄ろうと考えているうちに、ずいぶん時間が経ってしまいました。
川尻 もう4年経ちましたよ。
――経営は安定してるんですか?
川尻 まあまあ、ぼちぼち。皆さんのおかげでなんとか生きていけてます。格闘技ジムの経営って、いきなりは大金持ちにはなれないじゃないですか。たとえば、会員がいきなり10倍になったりしない。でも、在庫を抱えるわけでもないし、ちゃんとやれば赤字になることはないなって感じですよね。
――でも、元UFCファイターの川尻さんには近々泡銭が入ってくるじゃないですか。
川尻 あー、UFC集団訴訟のやつですよね。あれ、どうなってんすか。ジャンさんのせいでさ、めちゃくちゃ期待してたんですよ。ヘタしたら何千万円も入ってくるんじゃないかと思って、嫁と「どうする?」って話をしていたんですよ。そうしたら賠償金は思ったより低いんですよね?
――ですね。UFC集団訴訟に関してはボクが繰り返し発信していることで、水垣(偉弥)さんからも「ジャンさんのツイートで期待していたら……」と苦情が入ってますね(笑)。
川尻 いい迷惑ですよ。いくらくらい入るんですか?
――うーん、100万円ぐらい入ればいいほうかもしれないですね。
川尻 ですよねぇ。ジャンさんのツイートからすると、正直3000万とか入るのかなってワクワクしたんですよ
――原告側が妥協しちゃっただけでボクは何も悪くないですよ(笑)。川尻さんもUFCでそれなりに試合しているからけっこう入るかもしれないですよ。
川尻 いやいや、水垣くんに比べたらボクは10分の1ぐらいですよ。
――水垣さんはこの話を振ってくる川尻さんに迷惑がってましたよ。
川尻 水垣くんさ、配信番組に一緒に出たときにこの話を振ってもまったく乗ってこないんですよ。あの男は固いんですよねぇ。
――川尻さんや水垣さんの今後の生活ぶりから、賠償金の金額を判断しようと思ってます。
川尻 お金の話でいえば、ジャンさんに聞きたいことがあったんですよ。
――なんですか?
川尻 Dropkick、儲かってるでしょ?
――は?
川尻 ぶっちゃけ儲かってるんでしょ!?
――どうしたんですか、急に。
川尻 ボク、Dropkickに出るのは4年ぶりぐらいでしょ? 以前より出演料が増えてるんですよねぇ。
――べつに5倍10倍に上がってるわけじゃないですよ(笑)。
川尻 知りたいのはいま会員は何人いるかってことですよ。
――32人ですよ。
川尻 そんなわけないでしょ!
――本当は値段を上げたいくらいですよ。ただシステム上、値上げができなくて。
川尻 たしかに550円って安すぎません? それでも絶対に儲かってるよ、これ。
――ひとつだけ言えることは毎週2~3人取材して、1万字超えのインタビュー原稿を延々とまとめ続けるのは精神的変調をきたしかねないです。かれこれ12年間ホテルで缶詰作業している感じですよ!
川尻 コメント欄に「こんなに金の話ばかりする川尻達也は新鮮」ってコメントありますね(笑)。
――川尻さんはPRIDEに上がったら億万長者になれると思い込んでいた銭ゲバですよ。
川尻 そうですよ。五味隆典を倒したら、ファイトマネー3000万円になって年間3試合で9000万、スポンサーで1000万、年収1億円になると計算してPRIDEと契約しました。
――雑な計算!(笑)。
川尻 実際はそんなことなかったですよ。若さって恐ろしいですねぇ。
――今回のRIZIN46はそんな川尻さんだけしか語れないテーマも内包されていたんじゃないかなと。
川尻 えっ、どういうことですか? なんでも答えますからDropkickの会員数を教えてくださいよ!
――だから32人ですよ! まずRIZIN46のメイン、鈴木千裕vs金原正徳ですけど、川尻さんはどっちの勝利を予想してましたっけ?
川尻 ボクはさんざん金ちゃんとの古い関係を説いたあとに、鈴木選手の「1ラウンドKO勝ち」でした。今回はほぼ当てました。
――まあ、予想って2分の1じゃないですか。鈴木千裕の勝利予想はどこまで確信いていたものだったんですか?
川尻 いやあ、そこまで自信はなかったですね。どっちも勝つ可能性あるけど……ここで鈴木千裕にすると、また金ちゃんに怒られるじゃないですか。クレベル・コイケ戦のときもそうだったんですよね。で、今回も金ちゃんが勝ったら、またYouTubeの事前番組でネタになるのかなって(笑)。
――そんなヨコシマな理由! まあ実力は拮抗していたってことですね。
川尻 鈴木千裕が時代を作るんであれば、PRIDE武士道で10連勝した五味隆典みたいにどんな状況でも鈴木千裕は勝つだろうなって。もうひとついうと、金ちゃんのインスタを見たら、ケン・ヤマモト先生の治療を受けてたんですよ。
――あー、みんながお世話になっているケン・ヤマモト先生の治療を受けていたってことは……という読み!
川尻 そのあとのストーリーで「できることやろう」みたいに書いてあったので、これはどこかをケガしたのかなと。コンディションに不安があるってことを含めて、鈴木千裕の予想にしましたね。鈴木千裕はもう万全で絶好調だったと思うんで。
――じつは金原選手は身体のある部分を痛めていたっていう話を聞きましたね。
川尻 ああ、やっぱりそうなんですね。ヤマモト先生のところに行くってことは緊急ですからね。
――しかも金原選手は年齢も年齢ですしね。
川尻 41歳ですね。ボクも最後の試合が41歳ですけど、その前にアリ・アブドゥルカリコフとやったじゃないですか。試合後に動画を見たら、あまりにも動きが遅くてビビりましたもんねぇ。「ああ、俺、こんなに遅いんだ。これはもう無理だな」と思いましたね。
――自分の動きを見て判断したんですね……。
川尻 それでやめどきっていうのをずっと考えてて、誰かにぶっ飛ばされてからやめたいじゃないですか。
――それがRIZINライト級GP開幕戦のパトリッキー・ピットブル戦だったと。
川尻 PRIDE、DREAM、RIZINと3つのライト級GPに出ることになるし、そこで優勝できたらまた続けられるし、ぶっ飛ばされたらやめようと思ってましたね。
――40代になると身体だけじゃなくて、戦うモチベーションも重要ですよね。
川尻 自分の41歳のときでいえば、日本一を目指すことにはまだ自信はありましたけど、正直世界一を目指して格闘技に振り切ってやってきたから。そこで日本人ファイターと試合をすることは自分の中で考えられなかったですね、当時は。そしたらさ、フェザー級に朝倉未来選手が出てきて。もう1年ぐらい早く出てきてくれれば、俺も間に合ったかもしれないのに(笑)。
――戦う動機を探していた川尻さんは堀口恭司との対戦をぶち上げて、バンタム級のテストマッチをやったり。いまは階級を落とすことがトレンドですけど、川尻さんの意見を聞きたいなと。
・弱い奴は階級や練習環境を変えても強くならない
・「1.2倍速」で戦えるかどうか
・「箱庭と対世界」の議論
・DREAMという悪夢
・RIZINのみんなにあんな思いをしてもらいたくない
・UFCなんかに行きたくなかった
・ドーピング上等だった時代・ブレイキングダウンの解説をやる理由
・川尻達也vsトムソンの悲劇
・ジョビンさんは強くなかった
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笹原圭一のRIZIN46を「バーンといってドーン!!」と語ろう!
2024-05-12 15:08200pt
大会後恒例!RIZIN広報・笹原圭一さんのRIZIN46有明総括11000字です!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・【RIZIN神戸総括】笹原圭一の関東大会場4連戦やってやるって!
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――笹原さん! 今年初の関東圏の大会となったRIZIN46有明アリーナはめちゃくちゃ面白かったです。
笹原 いやぁ、RIZINを舐めてもらっちゃ困りますよ。
――ワハハハハ、自信満々ですね。
笹原 いまやRIZINは「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」の聖帝サウザー状態ですよ。誰がきても道なんか譲りませんよ!
――笹原さん、10代・20代の若者には通じない南斗聖拳ハラスメントはやめてください! それに5月6日有明アリーナで発表したけど、井上尚弥vsネリの噂を嗅ぎつけて回避してたのに!
笹原 いやあまぁ気分はサウザーなんですけど、さすがにモンスターには分が悪いかなと(笑)。有明アリーナはたまたま4月29日も空いてたんで、避けたんです。ボクシングとMMAと客層は違うとはいえ、もう同日なら話題性では完全に「ヒデブッ!」みたいな感じになっていたと思います(笑)。
――こんなにいい大会だったのに、格闘技ファンがALL TOGETHERできなかったかもしれないですよね(笑)。
笹原 もし同日回避できなかったら、社長のことだから井上尚弥vsネリに対抗するために「おい、笹原! 向こうがネリならこっちはダリだ!もうこうなったらロクク・ダリvsパッキャオを有明で組むぞ!」とか言い出しかねなかったので4月29日にスライドできて本当によかったです(笑)。
――そんなの(モハメッド・)アリ!?……という猪木さんばりのダジャレはともかくですね、大会終了後の榊原さんの総括会見では、ある記者が朝倉未来選手の「チケットが売れていない」というポストを背景抜きにぶつけたことで変な騒ぎになってましたけど。
笹原 未来選手のポストって、金原正徳選手の朝倉未来vs平本蓮の感想に対してのアンサーですよね。
――金原選手の「あの試合が盛り上がって本当に強い人たちの試合がそんなに盛り上がらないなら、日本のMMAは世界からどんどん遅れを取る」という発言に対して「会場のチケット売り切れないなんて日本のMMAは盛り上がってないなあ」とポストしたら、記者が榊原さんに「こんなこと言ってますが!」とご注進が入って(笑)。
笹原 なんですか、その地獄の伝言ゲームは(笑)。質問時間の制約があったりするのはわかるんですけど、そのうえで「朝倉未来はなぜそんなポストをしたのか」ということまで含めて伝えてほしいところですよね。だって調べればすぐわかることですし。
――「MMAの万人規模興行は世界を見渡しても稀である」という注釈つきで質問するべきだったんじゃないかなと。完売するに越したことないけど、「完売していない=不入り!」みたいに騒がれがちな風潮もどうかなって思いますし。
笹原 そこだけで切り取られて質問されると「売れてない」と思われちゃいますけど、実際はそうではないわけです。そもそも我々は1年間というスパンの中で興行をやってますが、変な話「今回は負けてもいいけど、これが布石となってべつのところで取り返せればいい」という考えもあるんですよね。こういうと「有明アリーナは負けたのか!」と切り取られそうですけど、有明は負けてないです(笑)。
――つまり将来の投資も兼ねた大会やマッチメイク、選手起用もあるってことですよね。
笹原 有明アリーナにあれだけ人が入って、あれだけ熱があるのはやっぱりすごいことだと思いますよ。
――かつてのRIZINはオールスターシステムで大規模興行をやってましたけど、いまは分散型でもやりくりできている。それってRIZINのブランド力が高まってるということですし、MMAファンが増えている証なんだなと。
笹原 ですね。間違いなく底上げはされていますよね。だからこそ、ネガティブな意見も含めていろいろな声が飛び交うこと自体は非常に健全だと思います。
――メインの鈴木千裕vs金原正徳の試合はいろいろな雑音を吹き飛ばしたわけですから、やっぱりリング上の説得力はすごいですよね。ゲスト解説の朝倉未来選手もやや唖然地味でしたもんね。
笹原 未来選手とは試合前にちょっとミーティングしたんですよ。そのときにメインの話をしたら「金原さんが絶対勝ちますよ」と言ってたんですよね。練習で肌を合わせて金原さんの強さを知っているから、そういう予想になるんでしょうけど。
――金原選手とロータス世田谷で練習している矢地祐介も試合開始直前のタイミングで「あえて言う❗️始まってみたら意外と力の差があってしっっっかり金原さんが勝つと思う🤔‼️」とポストして。その15分後に「悔しい、、、」と。
笹原 未来選手同様に金原選手と一緒に練習してその強さを知っているからこそですね。
――ヤッチくんはその後にアップしたYouTube感想動画も悔しさ一杯のコメントをしたことで炎上してましたけど、ホントに悔しかったんでしょうけど、最近は「SNSのお祭り男」ですよ(笑)。
笹原 矢地選手は金原選手の身体が万全じゃなかったことを匂わせていたそうですけど、たしかに金原選手の身体の状態はよくなかったんです。でも、金原選手にとっては戦極以来、15年ぶりのタイトルマッチ。「この試合が最後になってもいい」という覚悟で戦ったんだと思います。
――事前予想で今成(正和)さんが鈴木千裕について「こんなに奇跡は続くわけない」というコメントをしてたんですが、よく考えたら金原選手も40代であれだけの強さ、コンディションを維持してるのも奇跡的なんですよね。
笹原 たしかに、そうですよね。戦極チャンピオンがRIZINでチャンピオンシップに臨んでいるなんて奇跡以外の何物でもない(笑)。
――格闘技って本当に奇跡の引っ張り合いで、長年に渡って努力を積み重ねてきた金原選手の奇跡を信じたい人たちもいたんだろうな、と。
笹原 金原選手は前回のタイトルマッチからの15年間、ずっと不遇だったわけじゃないですけど、報われなかった時間は長いじゃないですか。だから会場の雰囲気はどちらかというと、チャンピオンの千裕選手が何かヒールっぽい感じでしたもんね。15年ぶりに大きな光を浴びるような舞台に立つとなったら、ベルトがどうこうとかじゃなくて、この15年間応援してくれた人に報いたいとなるのは自然ですよね。
――だから金原選手はたくさんの関係者が見てくれる首都圏の大会でやりたという意向もあったんでしょうね。
笹原 でも、そういう悲壮感や思いを平気で裏切るのが格闘技なんですよね。
――圧倒的現実、ですねぇ。
笹原 なのでボクは試合前の金原さんの状況や様子を聞くにつけて、「でもこういうときって..…」って思ってたんですよね。
――引退する覚悟や15年間の思いみたいなものが、いとも簡単に裏切られると。
笹原 まぁ我々はそういうのを散々見てきましたからね。ただそれにしても勝った千裕選手の戦い方は見事でした。本当にクレバーだったと思います。いつもより構えを低くしてタックルに対応できるようにして、一度テイクダウンを防いだあとは、一緒に見ていた柏木さんいわく「もう鈴木千裕は釣りをしてますよね」と。あとは金原選手の出方を待つだけ。先に手を出させて仕留めると。あのベテランの金原選手ですら、鈴木千裕の術中にハマってしまう。
――「ドーンといってバーンと倒すだけですよ!!」と言いながら。
笹原 金原選手が打ち合ったときにボクは運営本部で叫んでましたね。「打ち合うな!!」って(笑)。そこで打ち合ったら、確実にやられるじゃないですか。金原選手もそこはわかってるんですけど、打ち合いをさせちゃう鈴木千裕のゲームの達人ぶりですよ。
――「ドーンといってバーンと倒すだけですよ!!」と言いながら(2回目)。
笹原 じつはすごく緻密に考えてますよね。みんな騙されてますけど。
――バカのふりをしてるんですよね。でも、国歌吹奏のときの鈴木千裕のウォーミングアップぶりをみると騙されますよね(笑)。
笹原 ハハハハハハハ! まさしく“稲妻メンタル”ですよ。
――試合後のマイクもすごい元気よく喋ってるけど、ほとんどが宣伝だったからあんな勝ち方したあとなのにじつに冷静なんですよね。
笹原 千裕選手の対戦候補はたくさんいるから今後も楽しみですよ。ピットブル、クレベル・コイケとの再戦、朝倉未来vs平本蓮の勝者……誰とやっても面白いじゃないですか。千裕選手のビッグファイトを組みたいですよね。・金原正徳には最後までとことん付き合う
・“冬の時代”を生き抜いた選手にしかわからないこと
・スーチョルvs井上直樹の流れ?
・最高だった扇久保博正vs神龍誠の師弟劇場
・期待感を表現するのがプロ
・ベアナックルというより篠塚辰樹が面白い
・RIZINと日銀、オイルマネー……11000字インタビューはまだまだ続く
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RIZINフェザー級王者・鈴木千裕インタビュー「RIZINを舐めるな!」
2024-05-10 16:14200ptRIZINフェザー級王座を見事に防衛した鈴木千裕11000字インタビューです!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・「パトリシオと再戦しても勝てます」■鈴木千裕MMAコーチ 塩田“GoZo”歩
・RIZIN漢塾 塾長・石渡伸太郎“引退”1万字インタビュー
・業界再編ならず? UFC集団訴訟は和解へ…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
・MMAでも天才か? 久保優太「斎藤裕選手を乗り越えられる自信はあります」
――鈴木選手初の著書『夢を叶える「稲妻メンタル」』ですけど、なんと発売前に重版が決まったそうですね!
千裕 決まったっすわー! 本当よかったっす!
――発売前ということは予約が殺到しているということですから本当に凄いです!
千裕 テンション上がるっすよね、純粋に。
――売れるかどうかドキドキしているところもありました?
千裕 ありますよお。ボクひとりの作品じゃないんでね。本をつくってくれる人とか皆さんが関わってるんで、売れなかったらみんなが間違ってることになるじゃないですか。
――間違いまでは言い切れないですけど(笑)。
千裕 Amazonのスポーツ・アウトドアの売れ筋ランキングで一瞬だけ1位取ったので。ちょっと順位が落ちてるんですけど、テンション上がるっすね!
夢を叶える「稲妻メンタル」――そう考えると、やっぱり試合に勝つって大事なことなんですね。
千裕 勝ったからこそ道が開けますよね。だって、説得力ないですもん。負けたのに「本、買ってください」と言われても「買わねーよ」となるんで。
――メンタルを説いてる本だから、そこはよけいに。
千裕 でも絶対に勝つと思ってましたよ。アントニオ猪木も言いますよね。「出る前に負けること考えるバカいるかよ」って。チャリティーイベントをやった能登のみんなにも勝利を約束してたんで勝ててよかったです。
――その金原正徳戦はもの凄い試合でした。金原選手が組みついてきたときにテイクダウンされなかったことが勝敗を分けたという意見が多いようですが、そこは実際どうでした?
千裕 当然、金原選手がやりたいことはボクを倒してグラウンドに持ち込むことなんで、ファーストコンタクトを防げるというのは勝敗を大きく左右したのかなとは思います。というか、組んできたことで確信に変わるんですよ。「やっぱり組んで倒したいんだな」って。
――金原選手が最初に組んでくれたことで、相手のやりたいことが早めに見えたんですね。
千裕 フィジカルに関しても、組んだときに「いける」と思いましたしね。これだったら組み負けないと確信に変わりました。タックルにも反応できているし、組んでもパワー負けしない。これなら競り合えると思いましたね。
――あと鈴木選手の構えが低いのも印象的だったなって。
千裕 ああ、それは目線の問題ですね。ボクは目線を基準に構えるんですけど、金原選手はボクよりも背が低いんで、その目線に合わせただけです。それに、金原さんも腰が低いんで、そこに合わせたら必然的にそうなっちゃったのかなって。
――タックルを警戒して姿勢を低くしたわけでもないんですか?
千裕 いや、タックルを警戒して姿勢を低くすると、逆に反応が鈍くなるんですよ。低く構えている状態で顔に打撃をもらうと、その瞬間に身体がアップライトになっちゃうんで、相手はテイクダウンに入りやすいんですよね。だから、中間くらいの目線がベストなんです。
――それで自然とあの姿勢になったと。序盤にローを連発していたことも作戦だったんですかね?
千裕 作戦というよりは、向かい合ったときの相手のリアクションでローが蹴れるなと思ったんですよね。インローを蹴って反応がなかったんで「これ、カーフを蹴ってもたぶんカットできないな」と。組みにいきたい選手って前屈みになるんで、前足重心になるんですよ。だから、前足を上げられなくてカットできないんですよね。キックボクサーはうしろに重心が乗ってるんで、前足を蹴られてもカットできるんですけど。
――なるほど。タックルにせよ、カーフにせよ、そうやって金原選手がやりたいこと、できないことを瞬時に探っていったわけですか。
千裕 しかも、ボクはスピードが速いんで「これ、反応できないな」と思ってカーフ蹴ってたら、だんだん相手のリズムが乱れてきたんで。そこで、こっちの戦い方をつくっていこうかなと思いました。
――そのリズムですが、鈴木選手の試合のペースがめちゃめちゃ速く感じたんですよ。
千裕 ああ、それでいうと、もともと金原選手はどっしり構えてるタイプだから、リズムに関しては早くないですし、直立でゆっくりなんですよね。そうやってガードをちょっと下げてオープンスタンスで立ってるんで、逆にボクが速く見えたんですかね。
――鈴木選手は1.5倍ぐらいのスピードで戦ってるように見えました。
千裕 ボクは1ラウンドからフルスロットルでいくと言ってたじゃないですか。馬力全開でエンジンかけてるんで、動きも必然的に速くなりますよね。
――フルスロットルというのはパワーもだけど、スピードもってことですね。
千裕 セーブせずにどんどん前に出るということも含めてですよね。もうガス欠になってもいいと思ってたんで。
――24歳の鈴木選手にいきなりフルスロットルでやられると、さすがに金原選手はついてこれてないという読みなんですね。
千裕 それはもうわかってましたね。キャリア後半を迎えてる選手のエンジンと言えばいいんですかね。それは10代、20代のエンジンと違って、どうしても古びてくるんで。車のパーツみたいに替えられたらいいんですけど、替えれない。人間の場合はメンテナンスし続けるしかないんですけど、その部分では絶対に負けないし、そこで遅れを取ったらボクの負けですよ。
――若さで勝負するというのはそういうことですか。
千裕 やっぱりボクもいろんな先輩方を見てきてますし、人間はどうしても劣化してしまうんですよ。どんなにいい治療を受けても10代のパワーは戻らないんです。
――そこからローでリズムを崩して、ボディから連打と。終始、鈴木選手のペースだったんでしょうか?
千裕 やっぱりテイクダウンだけは怖かったですし、打ち合いでもストレートをもらってたんで、金原さんも金原さんなりのリズムは取れてたんだと思います。だから、そこはお互いに勝負はできていたってことですね。ただ、ボクのほうがあの日、一歩だけ上手だった。勝敗を分けたのはそこだけです。
――結果は宣言どおりの1ラウンドKOでした。ただ、事前の下馬評は金原選手有利の声も多かったですよね。
千裕 そりゃそうっすよ。やっぱり、みんなそう見ますよ。でも、ボクは「未来は自分で変える」と言ったじゃないですか。周りを変えるのはボクだし、結局リング上で戦うのはボクなんで。だから「黙って見てろ」と思ってましたね。煽りVでも「全員うるせえんだよ」とあったじゃないですか。本当にそのとおりの気持ちです。
――ちなみに、以前パトリシオ・ピットブル戦についてお話をうかがったときに鈴木選手は「打ち合わざるをえないように仕向けている」と言われてましたよね。まさに、今回の試合もそうだったんですかね。
千裕 まあでも、総合格闘技って打撃からスタートするじゃないですか。「打ち合いに仕向ける」といっても、よーいドンが打ち合いなんで勝手にそうなるんですよ。よーいドンでタックルが取れたらいいですけど、いきなりタックルは怖いから打ち合いで相手を乱してテイクダウンにいくわけじゃないですか。単発でタックル取れるのはアマチュアまで、もしくはブッチギリで強いレスラーしかできないですよね。
――ところで、今回はキックを含めて人生初の防衛戦ですし、震災地の能登を訪問されたりしていろんな方の思いを背負った試合だったと思うんですが、そういうプレッシャーの面はどうだったんですか?・国歌吹奏の件
・超RIZIN3も出たい
・ベラトールのベルトはいらない
・クレベルとの再戦は…
・矢地祐介の発言について
・朝倉未来選手スミマセン
・いまはUFCよりも……11000字インタビューはまだまだ続く
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