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記事 16件
  • 【12万字・記事14本詰め合わせセット】極真幻想、三崎和雄、アイアン・シーク、新生K-1、アダルトビデオ…

    2023-07-31 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part114大好評記事14本12万字で600円!!(税込み)
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    part114☆極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
    ☆計量オーバー、ドーピング、クマ襲来!! 嵐のRIZIN北海道■笹原圭一
    ☆RIZINアゼルバイジャン大会はできるのか?■谷口洋和
    ☆格闘技団体運営の現実とは何か■ファイティングネクサス代表・山田峻平
    ☆三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
    ☆令和闘魂三銃士騒動/RIZINドーピング情報公開が進む
    ☆“最後のエスニック系ヒール”アイアン・シーク■斎藤文彦INTERVIEWS
    ☆令和に“昭和”なプロレスラーたちはどう生きるか■齋藤彰俊
    ☆旧世界の復活、QUINTET……リブートK-1から見えてくるもの
    ☆【月刊FANZA編集長】プロレスとアダルトビデオ■松澤チョロの脱線プロレス
    ☆西川大和、フェザー級転向■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ☆アリスターはなぜRIZINに上がれないのか/野次がいらない理由
    ☆「パパはもうホームレスじゃないぞ。日本でも試合をするデスマッチファイターだ」
    ☆スキャンダル・プロレス爆発!! CMパンクが帰ってきた
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    空手幻想が爆裂する極真世界王者・上田幹雄インタビュー!(聞き手・ジャン斉藤)
    ――先日の北海道大会ではRIZIN初勝利おめでとうございます!
    上田 ありがとうございます!
    ――上田選手のMMA2戦目はGRACHANで秒殺KO勝利を収めてますけど、 RIZIN&MMAデビュー戦となった高阪剛戦では悔しい思いをしているだけに、勝利の喜びは違いますか?
    上田 嬉しいというよりも一安心という感じですねぇ。これでやっとスタートができる。そこがいちばんです。RIZINという大舞台で勝って、皆さんに上田幹雄という空手家をアピールできたと思うので、ここから勝ち続けて「これだったら日本代表として世界で戦ってくれるな」と期待してもらうところまで進みたいです。そのスタート地点に立った感じですね。
    ――フィニッシュはすごかったというか、10連打近くを隙なく打てる打撃はホントにすごかったです!
    上田 そこは空手の稽古の賜物というか、自然な動きなんですよね。今回の試合だけでいえば、打撃が効いたことで関根選手の目線が目が定まってなかったから追撃できましたけど、空手のクセがまだ抜けきれてないなと。直さなきゃいけないところはまだまだあります。そういうのって、1日2日程度の練習で修正はできないので、何百回、何千回、何万回と稽古を繰り返すことでようやく変えられるのかなと。
    ――極真出身の空手家が「何百回、何千回、何万回」と口にすると説得力があります。ホントに1万回やるんだろうなと(笑)。
    上田 そうですね。やっぱり極真は回数が重要ですから(笑)。
    ――前回の高阪戦と比べて何か変わった点はありますか?
    上田 やっぱり気持ちですね。いちばんは自信を持って戦えたことというか。高阪さんのときは「とにかく勝たなきゃ!」「自分の良さを出さなきゃ!」と気負いしすぎてアタフタしていたところがあって。今回は「試合を楽しめば自然に自分の良さが出せる」くらいの感じで、すごく冷静に戦えたのが前回との違いです。そこは1年間稽古を続けたことで自信を持てたとは思いますね。話がずれちゃうかもしれないですけど、デビュー戦で負けて「これからどうしようか?」って悩んだときに、今回セコンドをやってもらった長谷川(賢)さんの紹介でGENに誘っていただいて。
    ――日本の中・軽量級の猛者が集まるGENですね。
    上田 GENでヘビー級の選手や岡見(勇信)さんとかトップファイターと練習したことで自信が持てましたね。MMAってホントに戦略戦というか、たとえば「組みvs立ち」だったら立ちではこっちが勝つけど、組み合ったらあっちが勝つことはよくあることじゃないですか。
    ――シチュエーション次第で、内容や結果は変わってきますね。
    上田 今回の試合はこっちの作戦が当てはまりましたけど、まだまだ勉強が足りないと思ってるんで。自分には打撃という大きな武器がありますが、あらゆる部分で標準化していかないと、ちょっと何かスキを突かれたときに崩れてしまうのがMMAですよね。
    ――極真空手出身の上田選手でいえば、レスリングや寝技への不安はどうなんですか?
    上田 ボクは柔道と相撲をやっていたので基礎的なものはできていると思っているので、レスリングの怖さはないですね。寝かされたら「なんとかしなきゃな」っていうぐらいで。そこは相手によってまた変わってくると思いますし、寝技がホントにすごくてどうにもできない相手も出てくるかもしれないから、そこはまた稽古で補っていくしかないです。ボクは空手出身なのでこれからもストライカー扱いだと思うんですけど、理想としてはオールラウンダーなんですよね。そうじゃないといまのMMAではこの先、勝てないです。でも、空手を捨てたわけじゃないんです。そこも空手の教えというか、やっぱり何がなんでも勝てというのは大山倍達総裁の教えですよね。
    ――極真空手創始者! 大山倍達総裁は空手というジャンルを超えて現在の格闘技界に多大な影響を与えてますね。  
    上田 大山総裁は「右手がダメになったら左手を使え。手がダメになったら右足を使え。右足がダメになったら左足を使え。それがダメになったら頭を使えよ。それでもダメだったら呪ってでも倒せ」と。それが大山総裁の教えですから。
    ――「呪ってでも倒せ」は名言すぎます(笑)。ただ、いまはこの大山総裁のお言葉にしてもそうですが、極真のロマンがなかなか伝わりづらい時代で……。
    上田 そこなんですよ! こんな言い方をすると、ちょっと悪口になっちゃうかもしれないですけど、時代に合ってない。でも、ボクはそこが大好きなんです(キッパリ)。
    ――上田選手、最高ですね!(笑)。
    上田 昭和的思考というか、昔ながらの日本男児、武士道の考えが極真には残ってて。それがいまのこの時代に合ってないからこそ、ボクはそこを守っていきたいし、追求していきたいし、もっともっと広めたいんですよね。
    ――同世代に上田選手みたいな方、います?
    上田 正直、同世代の人間にボクみたいな奴はいないです(苦笑)。 ボクは95年生まれなんですけど、大山総裁は94年にお亡くなりになってまして、かかってないんですけど。やるだけじゃなくて極真オタクというか。昔のことを調べれば調べるほど、どんどん大好きになって、一種のマインドコントロールに落ちてんじゃないかってくらい依存してるんですよ。
    ――令和の極真依存症!(笑)。
    上田 だからいまの世の中で極真の凄さが知れ渡ってないのがくやしいんですよねぇ。たとえばボクのことを知らない人から「身体がでかいけど、何やってるの?」と聞かれたことがあって。「極真やってます」「あ、極真は知ってる。いまって誰がチャンピオンなの?」って世界チャンピオンの自分に聞かれたりとか……。「自分です!」って恥ずかしくて言えない。そういうくやしさの積み重ねが自分を動かしたっていうか、MMA挑戦を決意させたところはあります。
    ――上田選手はひさしぶりの日本人世界王者ですから、MMA転向は周囲から止められませんでした?
    上田 止められたというか、やっぱり「なんでやめるの?」みたいなことを言われました。けど、もういてもたってもいられなかったです。
    ――極真の凄さがわからせたい!と。
    上田 ボクがよく考えてたのは「大山総裁なら何をしたのかな?」っていうことなんですよ。たとえば、いまの時代に大山総裁がいらしたら、絶対にRIZINに殴り込んでんだろうなって。28歳の大山総裁なら、やってるんじゃないかって思っちゃったんですよねぇ。
    ――もしくは「キミィ、ちょっとRIZINで叩いてきなさい」ってお弟子さんの尻を叩いてたかもしれない(笑)。しかし、全世界の20代で上田選手がいちばん大山総裁のことを考えてますよ!
    上田 本当に極真が大好きなんですよ。昔から歴史が好きというか、偉人の伝説や名言に興味があって。ボク、西郷隆盛が好きなんですけど、年1回かならず鹿児島まで西郷隆盛のお墓参りするくらいで。やっぱり伝説的な人物の逸話に「うわ、かっこいい!」って痺れちゃうんですよね。
    ――大山総裁のいちばん好きな話はなんですか?
    上田 やっぱり“牛殺し”ですよね。いまやったら大問題ですけど。あと何ヵ月も山籠りするのもすごいし、世間に戻りづらくするために眉毛を剃る。適切な言い方はできないですけど、強くなるためには頭のネジが外れた行動を取るのが極真の良さですよねぇ。
    ――大山総裁ってあの時代に筋トレをガンガンやって分厚い身体を作ってる時点で只者ではないですよね。
    上田 時代と逆境している感じがカッコいいっていうか、そういうところに憧れを持っちゃうんですよね。みんなが右に行くのに左に行くというか。
    ――その大山総裁に影響を受けたお弟子さんたちが、超人追及を引き継いで極真空手ブームが起きたわけですもんね。極真と新日本プロレスがなかったら、いまの格闘技界のかたちはなかったというか。
    上田 先生方もすごかったですよ。中村誠先生や山崎照朝人先生……もう名前を挙げたらキリがないですけど、皆さんがやってきたことは、先生方の前では言えないですけど……おかしいんですよ(笑)。
    ――ハハハハハハ! ズバリ「おかしい」のひとことに尽きますね(笑)。
    上田 そのおかしい人たちが1日何試合も殴り合ってるわけですからね。昔の先生方は「回数の超人」なんです。ボクたち世代は絶対にやらないと思うんですけど、とにかくなんでも1000回やるみたいな(笑)。
    ――何か練習するにやるにしても1000回(笑)。
    上田 いまの考えだとただ回数を重ねても意味がないと思われがちですが、空手の考えとしては「無駄を無駄と知るのは無駄じゃない」というものがあるんですよ。1000回やってみて身体がどう変化するのかを知る。意味がなかったことを知るのが空手の考えなんです。たとえば冬に滝を浴びる、夏に暑いところで稽古することもそう。冬の寒い中、滝を浴びたら風邪を引いて無駄かもしれない。でも、身体や精神が強くなる場合もある。心の底から1回やってみることが大事なんですよね。
    ――極限状態に追い込むことでしか、わからないものがあると。
    上田 それは百人組手も同じだと思うんです。
    ――極真最大の荒行、百人組手! 上田選手もチャレンジされましたが60人目でドクターストップ。コロナ禍の最中にやってるから、よりハードだったと思うんですよね。
    上田 百人組手をやってみてわかったことは……命の危険ですね(苦笑)。
    ――うわー! でも、八巻建弐先生とか過去の挑戦者も長期入院を強いられるほどですもんねぇ。
    上田 それぐらいやっぱり身体に毒ですね。急性腎不全でボクは2ヵ月は練習ができませんでしたから。
    ――……すごいなあ。でも、極真世界王者であるならば、百人組手はやらなきゃならないものだと。
    上田 やらなきゃならないですね(キッパリ)。そこから逃げたくはなかったです。極真世界王者の使命というか。
    ――上田選手も充分「おかしい」です(笑)。
    上田 ありがとうございます(笑)。記事14本12万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【月刊FANZA編集長】プロレスとアダルトビデオ■松澤チョロの脱線プロレス

    2023-07-26 14:16  
    200pt

    元『紙のプロレス』編集者・松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第10弾。今回は『月刊FANZA』編集長の大木テングーさんさんがゲストです!(聞き手/ジャン斉藤)

    【1記事から¥110から購入できます!】・今成夢人のファンタスティックな話■松澤チョロの脱線プロレス
    ・タノムサク鳥羽☓松澤チョロの「歯無したちが語るイブシとか危険なハナシ」
    ・辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    ・「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス



    ――今回の「松澤チョロの部屋」は、アダルトビデオマガジン『月刊FANZA』編集長の大木テングーさんがゲストです。大木さんはプロレス格闘技ファンであり、チョロさんの観戦仲間であり、Dropkickユーザーであると。
    大木 はい(笑)。チョロさんには『月刊FANZA』の原稿もお願いしていますね。
    チョロ いろんな意味でFANZAさんにはお世話になってます! 
    大木 今日はよろしくお願いします……って何を話せばいいんですかね?
    チョロ プロレスとアダルトビデオ(AV)って親和性が高いって昔からよく言われるじゃないですか。
    ――猪木さんは「戦いはセックスと同じだ」と言ってますね。
    チョロ ブル中野さんも「プロレスはセックスである」と言ってる。たしかに言わんとしてることはわかるけど、オレはそこは違うと思ってて。
    ――猪木さんとブル様に物申す松澤チョロ!(笑)。
    チョロ だってAVって基本は他人に見せるもんじゃん。でも、セックスはやっぱり見られることを意識してやるものじゃないし。
    大木 いきなり深い話というか、チョロさんのセックス論!  今日、ボクは必要でしたかね?(笑)。
    チョロ なのでセックスじゃなくて「AV=プロレス」のほうがしっくり来るというか。やっぱり視聴者を楽しませるってのが前提にありながら、その中でリアルなことが起きちゃうこともあったり。だからオレは、ながえスタイルという団体の作品が好きで……。
    大木 ながえスタイルはプロレス団体じゃなくて、AVメーカーですよ(笑)。 
    チョロ そうなんですけど、自分にとって、ながえスタイルは信頼がおけるというか、キレイだったり、かわいい女優さんが出るからって見るわけじゃなくて。作品にリアリティが感じられて好きっていうのが前提にあって。それは内容がハードとかじゃなくてね。
    大木 ながえスタイルはドラマの完成度が高く、リアリティがありますよね。ちなみにいまのAV界の主流はドラマなんですね。逆にいわゆる女優の素顔を見せるようなドキュメンタリーはあんまり流行ってないです。
    ――リアリティのあるドラマは好まれるけど、リアルなドキュメンタリー系が売れないのは面白いですね。
    大木 ここ数年でAV女優の表現力が向上したというのもあるし、SNSを見れば女優の素顔は充分見れますからね。アイドルと同じで、それ以上の闇や業みたいなものは見たくないでしょう。で、なんの話でしたっけ?(笑)。
    ――松澤さんの推しのプロレス団体は、ながえスタイルだって話です(笑)。
    チョロ 間違いではない(笑)。プロレスとAVって世間からいろいろと言われがちなジャンルなんだけど、プロレスのほうでもAVに距離が起きがちだったときもあったというか、プロレスでも下に見ていた時代はあったよね。そこでパッと思いつくのは、東城えみの騒動かなあ。新木場1stRINGでドレイク森松と「負けたら即AVデビューマッチ」をやって。東城えみが負けて、そのままリングでAV撮影。そうしたら当時新木場1stRINGを道場兼ホームリングにしていたJDスターが「AV撮影するなんて聞いてない」と猛抗議したやつ。
    ――「神聖なリングで!」とけっこうな騒ぎになりましたね。
    大木 ただ、メーカー側は「事前にAV撮影の許可を取ってる」と主張してるんですよね。そのメーカーはナチュラルハイというところで、そのへんはしっかりしてるメーカーなんですよ。たとえば海外まで行って飛行機をチャーターして、その中で痴漢AVを撮ったり。
    ――そういう話を聞くと、何か事実かはボンヤリ見えてきますね。
    チョロ 問題になった東城えみの作品はお蔵入りになったんだけど、ドレイク森松戦を撮り直して発売してるんですよね。ドレイクさんはこの件がきっかけでいったんプロレス界からフェードアウト、東城さんはその後もけっこうAVに出演してたんだけど。10年前くらいにロッシー小川が「東城えみがスターダムの会場に子供連れて見に来た」というツイートをしてて。いまは落ち着いてるんだと思ってたら、そのあとも母乳モノや妊婦モノで何本かAVに出演してるんだよなあ。
    大木 東城えみにめちゃくちゃ詳しい!(笑)。
    ――AVかポルノか不明ですけど、プロレスラーが初めて出演したのは元全日本プロレスのサムソン・クツワダさんかなと。カミプロで吉田さんが取材したときの担当がボクだったんですが、クツワダさんは「軽い気持ちで出たら、奥さんにメチャクチャ怒られた」とあっけらかんと語ってて。
    チョロ あとサスケさん名義の作品もあるんだけど、本人は認めてないんだよね(笑)。
    ――タイトルは『サスケのジュニアはヘビー級チャンピオン』ですよね。あれ、岩手県議員時代に発覚したんですけど、議員前の作品だから蒸し返す必要は問題はなくて。でも、当時のサスケは覆面登庁からはじまってマスコミのターゲットになっていたし、またサスケの対応が記事にしやすいんですよね。AVについても「まったくの別人。何者かが仕組んだとしか思えない」と否定したり(笑)。
    チョロ さすがサスケさん(笑)。でも、本人なんでしょ?
    ――その作品で共演した男優のミートボール吉野さんが「サスケさん本人だった」と撮影の状況も含めて具体的にに証言してますね。
    チョロ 最近も出演疑惑のある有名女子格闘家が「私は出てない」と言ってたしなぁ。まあでもサスケさんくらいゴシップ慣れしていても、政治家という立場的にAV出演は認められなかった時代だったんだろうなぁ。有名男優だったチョコボール向井さんが新生FMWでデビューしたときも、最初の頃は邪道・外道にボコボコにされてるんだよね。で、1回離脱して鍛え直して再チャレンジしたとか。エンタメ路線の新生FMWですらそんなに厳しいんだって。
    ――そのへんは時代と共に緩和されていったというか、00年代・中盤からプロレスとAVの距離は狭まっていくんですよね。新日本の練習生だったチョコさんが新日本のリングで永田(裕志)さんとシングルをやったり、武藤・全日本がAVメーカーのS1とコラボして後楽園ホールで興行をやって女優さんもたくさん出てきたり。
    チョロ そんなのあったなあ。武藤敬司引退DVDボックスに収録されてほしい! 無理かな(笑)。
    大木 新日本プロレスのレッスルランドにも夏目ナナがマスコット的に登場したことがありましたよね。あとプロレス関連で他にもいろいろと出ていた。
    ――夏目ナナに対してプロレス関係者からの「おじさん構文」メールラッシュが凄かったという噂は聞いたことあるなあ。<14000字対談はまだまだ続く>


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  • 極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」

    2023-07-21 16:46  
    200pt
    空手幻想が爆裂する極真世界王者・上田幹雄インタビュー!(聞き手・ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・平本蓮と空手をつなぐ日本格闘技のサーガ■剛毅會宗師・岩崎達也インタビュー
    ・押忍な身体能力!! なんでもやらせたくなる男“ブラックパンサー”ベイノア
    ・小笠原和彦のリアル・空手バカ一代! 「ボクは“やっちゃっていいよ”組なんです」
    ・空手家・青柳政司インタビュー「打倒プロレスの旅は終わらない」
    ――先日の北海道大会ではRIZIN初勝利おめでとうございます!
    上田 ありがとうございます!
    ――上田選手のMMA2戦目はGRACHANで秒殺KO勝利を収めてますけど、 RIZIN&MMAデビュー戦となった高阪剛戦では悔しい思いをしているだけに、勝利の喜びは違いますか?
    上田 嬉しいというよりも一安心という感じですねぇ。これでやっとスタートができる。そこがいちばんです。RIZINという大舞台で勝って、皆さんに上田幹雄という空手家をアピールできたと思うので、ここから勝ち続けて「これだったら日本代表として世界で戦ってくれるな」と期待してもらうところまで進みたいです。そのスタート地点に立った感じですね。
    ――フィニッシュはすごかったというか、10連打近くを隙なく打てる打撃はホントにすごかったです!
    上田 そこは空手の稽古の賜物というか、自然な動きなんですよね。今回の試合だけでいえば、打撃が効いたことで関根選手の目線が目が定まってなかったから追撃できましたけど、空手のクセがまだ抜けきれてないなと。直さなきゃいけないところはまだまだあります。そういうのって、1日2日程度の練習で修正はできないので、何百回、何千回、何万回と稽古を繰り返すことでようやく変えられるのかなと。
    ――極真出身の空手家が「何百回、何千回、何万回」と口にすると説得力があります。ホントに1万回やるんだろうなと(笑)。
    上田 そうですね。やっぱり極真は回数が重要ですから(笑)。
    ――前回の高阪戦と比べて何か変わった点はありますか?
    上田 やっぱり気持ちですね。いちばんは自信を持って戦えたことというか。高阪さんのときは「とにかく勝たなきゃ!」「自分の良さを出さなきゃ!」と気負いしすぎてアタフタしていたところがあって。今回は「試合を楽しめば自然に自分の良さが出せる」くらいの感じで、すごく冷静に戦えたのが前回との違いです。そこは1年間稽古を続けたことで自信を持てたとは思いますね。話がずれちゃうかもしれないですけど、デビュー戦で負けて「これからどうしようか?」って悩んだときに、今回セコンドをやってもらった長谷川(賢)さんの紹介でGENに誘っていただいて。
    ――日本の中・軽量級の猛者が集まるGENですね。
    上田 GENでヘビー級の選手や岡見(勇信)さんとかトップファイターと練習したことで自信が持てましたね。MMAってホントに戦略戦というか、たとえば「組みvs立ち」だったら立ちではこっちが勝つけど、組み合ったらあっちが勝つことはよくあることじゃないですか。
    ――シチュエーション次第で、内容や結果は変わってきますね。
    上田 今回の試合はこっちの作戦が当てはまりましたけど、まだまだ勉強が足りないと思ってるんで。自分には打撃という大きな武器がありますが、あらゆる部分で標準化していかないと、ちょっと何かスキを突かれたときに崩れてしまうのがMMAですよね。
    ――極真空手出身の上田選手でいえば、レスリングや寝技への不安はどうなんですか?
    上田 ボクは柔道と相撲をやっていたので基礎的なものはできていると思っているので、レスリングの怖さはないですね。寝かされたら「なんとかしなきゃな」っていうぐらいで。そこは相手によってまた変わってくると思いますし、寝技がホントにすごくてどうにもできない相手も出てくるかもしれないから、そこはまた稽古で補っていくしかないです。ボクは空手出身なのでこれからもストライカー扱いだと思うんですけど、理想としてはオールラウンダーなんですよね。そうじゃないといまのMMAではこの先、勝てないです。でも、空手を捨てたわけじゃないんです。そこも空手の教えというか、やっぱり何がなんでも勝てというのは大山倍達総裁の教えですよね。
    ――極真空手創始者! 大山倍達総裁は空手というジャンルを超えて現在の格闘技界に多大な影響を与えてますね。  
    上田 大山総裁は「右手がダメになったら左手を使え。手がダメになったら右足を使え。右足がダメになったら左足を使え。それがダメになったら頭を使えよ。それでもダメだったら呪ってでも倒せ」と。それが大山総裁の教えですから。
    ――「呪ってでも倒せ」は名言すぎます(笑)。ただ、いまはこの大山総裁のお言葉にしてもそうですが、極真のロマンがなかなか伝わりづらい時代で……。
    上田 そこなんですよ! こんな言い方をすると、ちょっと悪口になっちゃうかもしれないですけど、時代に合ってない。でも、ボクはそこが大好きなんです(キッパリ)。
    ――上田選手、最高ですね!(笑)。
    上田 昭和的思考というか、昔ながらの日本男児、武士道の考えが極真には残ってて。それがいまのこの時代に合ってないからこそ、ボクはそこを守っていきたいし、追求していきたいし、もっともっと広めたいんですよね。
    ――同世代に上田選手みたいな方、います?
    上田 正直、同世代の人間にボクみたいな奴はいないです(苦笑)。 ボクは95年生まれなんですけど、大山総裁は94年にお亡くなりになってまして、かかってないんですけど。やるだけじゃなくて極真オタクというか。昔のことを調べれば調べるほど、どんどん大好きになって、一種のマインドコントロールに落ちてんじゃないかってくらい依存してるんですよ。
    ――令和の極真依存症!(笑)。
    上田 だからいまの世の中で極真の凄さが知れ渡ってないのがくやしいんですよねぇ。たとえばボクのことを知らない人から「身体がでかいけど、何やってるの?」と聞かれたことがあって。「極真やってます」「あ、極真は知ってる。いまって誰がチャンピオンなの?」って世界チャンピオンの自分に聞かれたりとか……。「自分です!」って恥ずかしくて言えない。そういうくやしさの積み重ねが自分を動かしたっていうか、MMA挑戦を決意させたところはあります。
    ――上田選手はひさしぶりの日本人世界王者ですから、MMA転向は周囲から止められませんでした?
    上田 止められたというか、やっぱり「なんでやめるの?」みたいなことを言われました。けど、もういてもたってもいられなかったです。
    ――極真の凄さがわからせたい!と。
    上田 ボクがよく考えてたのは「大山総裁なら何をしたのかな?」っていうことなんですよ。たとえば、いまの時代に大山総裁がいらしたら、絶対にRIZINに殴り込んでんだろうなって。28歳の大山総裁なら、やってるんじゃないかって思っちゃったんですよねぇ。
    ――もしくは「キミィ、ちょっとRIZINで叩いてきなさい」ってお弟子さんの尻を叩いてたかもしれない(笑)。しかし、全世界の20代で上田選手がいちばん大山総裁のことを考えてますよ!
    上田 本当に極真が大好きなんですよ。昔から歴史が好きというか、偉人の伝説や名言に興味があって。ボク、西郷隆盛が好きなんですけど、年1回かならず鹿児島まで西郷隆盛のお墓参りするくらいで。やっぱり伝説的な人物の逸話に「うわ、かっこいい!」って痺れちゃうんですよね。
    ――大山総裁のいちばん好きな話はなんですか?
    上田 やっぱり“牛殺し”ですよね。いまやったら大問題ですけど。あと何ヵ月も山籠りするのもすごいし、世間に戻りづらくするために眉毛を剃る。適切な言い方はできないですけど、強くなるためには頭のネジが外れた行動を取るのが極真の良さですよねぇ。
    ――大山総裁ってあの時代に筋トレをガンガンやって分厚い身体を作ってる時点で只者ではないですよね。
    上田 時代と逆境している感じがカッコいいっていうか、そういうところに憧れを持っちゃうんですよね。みんなが右に行くのに左に行くというか。
    ――その大山総裁に影響を受けたお弟子さんたちが、超人追及を引き継いで極真空手ブームが起きたわけですもんね。極真と新日本プロレスがなかったら、いまの格闘技界のかたちはなかったというか。
    上田 先生方もすごかったですよ。中村誠先生や山崎照朝人先生……もう名前を挙げたらキリがないですけど、皆さんがやってきたことは、先生方の前では言えないですけど……おかしいんですよ(笑)。
    ――ハハハハハハ! ズバリ「おかしい」のひとことに尽きますね(笑)。
    上田 そのおかしい人たちが1日何試合も殴り合ってるわけですからね。昔の先生方は「回数の超人」なんです。ボクたち世代は絶対にやらないと思うんですけど、とにかくなんでも1000回やるみたいな(笑)。
    ――何か練習するにやるにしても1000回(笑)。
    上田 いまの考えだとただ回数を重ねても意味がないと思われがちですが、空手の考えとしては「無駄を無駄と知るのは無駄じゃない」というものがあるんですよ。1000回やってみて身体がどう変化するのかを知る。意味がなかったことを知るのが空手の考えなんです。たとえば冬に滝を浴びる、夏に暑いところで稽古することもそう。冬の寒い中、滝を浴びたら風邪を引いて無駄かもしれない。でも、身体や精神が強くなる場合もある。心の底から1回やってみることが大事なんですよね。
    ――極限状態に追い込むことでしか、わからないものがあると。
    上田 それは百人組手も同じだと思うんです。
    ――極真最大の荒行、百人組手! 上田選手もチャレンジされましたが60人目でドクターストップ。コロナ禍の最中にやってるから、よりハードだったと思うんですよね。
    上田 百人組手をやってみてわかったことは……命の危険ですね(苦笑)。
    ――うわー! でも、八巻建弐先生とか過去の挑戦者も長期入院を強いられるほどですもんねぇ。
    上田 それぐらいやっぱり身体に毒ですね。急性腎不全でボクは2ヵ月は練習ができませんでしたから。
    ――……すごいなあ。でも、極真世界王者であるならば、百人組手はやらなきゃならないものだと。
    上田 やらなきゃならないですね(キッパリ)。そこから逃げたくはなかったです。極真世界王者の使命というか。
    ――上田選手も充分「おかしい」です(笑)。
    上田 ありがとうございます(笑)。<極真幻想に痺れる11000字インタビューはまだまだ続く>

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  • 旧世界の復活、QUINTET……リブートK-1から見えてくるもの

    2023-07-20 11:26  
    200pt

    この記事はDropickニコ生配信された「K-1記者会見の感想」を編集したものです!(語り・ジャン斉藤)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・ぱんちゃん璃奈論〜前向きに注文を打ち間違える彼女〜
    ・那須川天心ボクシングデビュー前後の超雑談■現地観戦の鬼サーバル
    ・【ヤバイだろ】梅野源治「職人のままで終わりたくなかった」
    ・ぱんちゃん、木村ミノル、鈴木千裕……嵐のKNOCK OUT総括■宮田充プロデューサー

    いやあ、K-1新体制記者会見がいろんな意味で面白かったですね。「これから何が起きるんだろう?」ってハラハラドキドキして、今度の横浜大会も見逃せないというか。
    この会見前日に中村拓己K-1プロデューサーの退任が発表された時点でSNSはザワザワが止まらず。後任にはカルロス菊田氏が就きました。カルロス菊田氏は昔から格闘技界に関わってますが……これ、K-1に限ったことではないんですが、プロレス格闘技界の肩書と役割ってけっこう曖昧というか、どこまでがプロデューサーの仕事なんだろうと。中村氏は少なくともRIZINにおける榊原さん的な役割ではなかったように見えました。たとえばTHE MATCHのときのK-1側の窓口は映像制作会社の関(巧)氏だった。関氏は普段からK-1のマッチメイクに関わってきたといわれていますが、中村氏もマッチメイクには携わっているはずだし、RIZINの柏木さんもマッチメーカーと言われてるけど、柏木さんがひとりで決めてるわけでもない。表に出てる人間の顔だけでは団体の方向は判断しづらいのかなと。
    人事方面に関してはあまり深く考えずに見ていくと、今回の記者会見は、K-1ブランドのリニューアルをエンターテインメント・ショーとして見せたというとこですよね。<噂のONE日本大会ですべてが見える!?>

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  • 「パパはもうホームレスじゃないぞ。日本でも試合をするデスマッチファイターだ」

    2023-07-20 11:18  
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    アメリカンプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは“セントルイスの蜜穴熊”ことニール・ダイアモンド・カッターです!
    <1記事から買えるバックナンバー>・17歳の外国人女子高生レスラー、後楽園のメインに立つ
    ・遺されたエディ・ゲレロファミリーの告発と確執
    ・WWEが人種差別的なストーリー? シナリオライターの告発

    ・堕ちたデスマッチファイターは、わずかな希望にバンプを取り続ける

    7月某日、羽田空港に一人の男が降り立った。
    小柄だが、どこか只者ではない、一目見てヤバそうな曲者的な雰囲気だ。アメリカ・セントルイスからはるばるやってきた男は、日本の地を踏むのは初めてだという。
    「YOUは何しに日本へ?」
    小柄で獰猛な蜜穴熊のような雰囲気を持つ、その男はこう答える。
    「日本にデスマッチをやりに来た。葛西純とデスマッチがしたいんだ」
    ここ最近、SNS上で「デスマッチ」という言葉がトレンドワードとして注目を集めたことがあった。その背景として、新日本プロレスのエル・デスペラードが、6月3日に行われたアメリカGCWのデスマッチトーナメントに出場したり、7月4日と5日に新日本プロレスのリング上でデスマッチを行ったことが挙げられよう。そして、それに大きく関わっていたのが、デスマッチのカリスマこと“狂猿”葛西純だった。
    葛西はデスペラードが参戦したGCWのデスマッチトーナメント「TOS 8」の最後に電撃乱入し、滅多に葛西を見ることができないアメリカの観客たちを狂喜乱舞させる。飛行機嫌いである葛西が、この乱入をするためだけに遠路アメリカまで遠征するほどの入れ込み具合であり、アメリカのファンに葛西純の存在感をまざまざと見せつけた。また、7月4日に後楽園ホールで行われた新日本プロレスの「NJPW STRONG」大会では、メインイベントでデスペラードと組み、ジョン・モクスリーとホミサイド相手にデスマッチで対戦。新日本プロレスのリング上にノコギリ、フォーク、竹串、カミソリ十字架ボードなどの鋭利なデスマッチアイテムを持ち込み、会場にいた観客だけでなく、配信を見ていたファンやSNSで成り行きを追っていた者たちを熱狂させたのだった。
    日米を股にかけ、その圧倒的なカリスマ性を見せつけたことから、デスマッチは日本でもアメリカでも、今もなお葛西純を中心に回っているとも言えよう。
    そんなデスマッチのカリスマに対しては、不躾とも言える要求なのかもしれない。
    「葛西純とデスマッチがしたいんだ」
    そう語る男の名は、“セントルイスの蜜穴熊”ことニール・ダイアモンド・カッター。

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  • 令和に“昭和”なプロレスラーたちはどう生きるか■齋藤彰俊

    2023-07-17 12:01  
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    齋藤彰俊インタビュー第6弾は令和に“昭和”なプロレスラーたちはどう生きるかです!(聞き手/ジャン斉藤)①「名古屋の街の風紀を正していた高校時代」


    ②「W★ING参戦、新日本プロレスvs誠心会館」③「新日本プロレス道場で過ごした日々」④「平成維震軍の愉快な仲間たち」⑤伝説のバー『ココナッツリゾート』はこんな店だった

    ――彰俊さんがお世話になっているザ・グレート・カブキさんの居酒屋が12月に閉められることになりました。
    彰俊 自分もそういうふうにお聞きしてまして。カブキ師匠は出勤する日を調整しながらお店に出られてるんですよね。たしか週3~4だったと思うんですね。
    ――カブキさんは75歳。閉店理由は体調的な理由もあるそうですね。彰俊さんが東京に来られたときは、カブキさんのお店に泊まられていたんですよね。
    彰俊 はい、お店の2階です。あそこはもともとカブキさんの奥さんの実家だったらしくて、2階は住居だったんです。カブキさんのご自宅はべつにあるので、自分が東京に来たときは使わせていただいて。
    ――そこは自由にしていいと。
    彰俊 「店の鍵を持ってろ」とおっしゃっていただいたんですけど、何かあると迷惑がかかるので。お世話になるときだけ連絡を入れておじゃましています。お店が終わったあとはカブキ師匠とちょっとお酒を飲ませていただいて、師匠はご自宅に帰って、自分は階段を登って(笑)。2階で寝ていると、昼頃から1階で師匠が仕込まれている音が聞こえてくるんですね。で、夜遅くまでお店をやってますから。
    ――なかなかハードな仕事ですよね。彰俊さんとカブキさんとの繋がりは平成維震軍のときですよね。
    彰俊 そうですよね。維震軍のときに、いちばん飲みに行ってたのはカブキ師匠だったので。前にもお話したと思うんですけど、越中(詩郎)さんからは「カブキさんとは絶対に飲みに行くな」って注意されてたんですよ(笑)。
    ――その理由はカブキさんが酔うと怖いから(笑)。
    彰俊 はい、師匠の目が座ったときは危ないですね(笑)。自分と飲むときはどちらかというとちょっと面白い話に発展することが多くて、あんまりエキサイティングな感じにならないですけどね。覚えてるのは北海道巡業のときに、転々する居酒屋を次から次に移って、ビール1杯飲んだら「次に行くぞ」と。お酒の量というよりも、炭酸が抜けなくて困りましたね(笑)。
    ――アルコールじゃなくて炭酸がキツイと(笑)。
    彰俊 師匠もお酒が強いので、昔は朝までよく飲みました。翌日の巡業バスの中でちょっと寝ようとすると「彰俊、いま何時だ?」って聞いてくるんです。で、またうつらうつらすると「彰俊、いまだ何時?」って(笑)。
    ――時間がわからないわけがないですよ(笑)。
    彰俊 そこはプロレスラーは朝まで飲んだくらいじゃ、へこたれるもんじゃないぞとってことですね。いまのアスリートタイプのプロレスラーとは違って、昭和のプロレスラーのあるべき姿っていうんですかね。プロレスラーはいついかなるときでも強くなくてはいけないと。その教えがすごくプラスになってますし、自分自身もプロレスラーにはそういう強いイメージを持っていたので。
    ――カブキさんは相撲社会のしきたりが強い日本プロレス出身ですもんね。怒らせたら怖いですし。
    彰俊 自分はそんなに怒られたことはないんですが、覚えてるのは大田区体育館で昭和維新軍と平成維新軍がお互いの存続を懸けて……みたいな試合があって。自分たちが勝ったから、会場の外でマスコミを集めて昭和維新軍の旗を燃やすことになったんです。自分が旗にアルコールをかけて、師匠が火をつけたんですけど、アルコールをチョロチョロしかかけなかったから、そんなに燃えなかったんですよね。そうしたら師匠が「バカヤロー! もっとかけろ!」ってアルコールをぶっかけたら、火が一気に燃え上がって「バカヤロー! 早く消せ!!」ってものすごい勢いで怒られましたね(笑)。
    ――彰俊さんは悪くないじゃないですか!(笑)。カブキさんとは世代差があるのに維新軍の絆がいまでも続いているのはいい話です。
    彰俊 やっぱり平成維震軍の中ではいちばん話をしていたとは思います。ちなみに師匠はお酒を一日も欠かしていないはずなんですよ(笑)。
    ――日プロ時代から飲みっぱなしかもしれない(笑)。
    彰俊 休肝日がなかったはずですね。お店でも、ある程度料理が出たりするとお客さんと一緒に飲んだり。師匠は基本、芋焼酎ですね。
    ――彰俊さんに休肝日はあるんですか?

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  • アリスターはなぜRIZINに上がれないのか/野次がいらない理由

    2023-07-17 11:17  
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    この記事はDropickニコ生配信された「ジャン斉藤の雑談1週間」を編集したものです!テーマは醤油ニキ/アリスター・オーフレイム引退/伊藤裕樹vsヒロヤ/NHK猪木vsアリ/野次はいらない/……などなど!【1記事から購入できるバックナンバー】・【フライ級が来た!!】DEEPの殴り者、伊藤裕樹インタビュー
    ・【配信時代を語る】DEEPはなぜU-NEXTに入ったのか■佐伯繁
    ・猪木を語ることは自己の人生を語る行為である■斎藤文彦INTERVIEWS
    ・辻結花、星野育蒔…みんながスマックガールに夢見た時代■篠泰樹☓松澤チョロ

    ちょっと前にファイティング・ネクサスの山田代表に団体運営の現実をテーマにお話を伺ってます!【活動9年目!】格闘技団体運営の現実とは何か■ファイティングネクサス代表・山田峻平
     最近は選手の自主イベントが流行り気味ですが、そうそう簡単に本物志向は目指せないし、かといってエンタメに奔ればうまくいくわけでもなくて。山田代表のインタビューを通していろいろと感じてくれたら嬉しいですね。底辺拡大は重要なんだけど、RIZINやブレイキングダウンみたい話題性の高いイベントもあるから、「やってみようかな」となる。競技と興行の両輪を回すことの大切さ。
    あと三崎和夫さんのインタビューも面白いです! クレベル・コイケと長渕剛を語るという(笑)。なぜボンサイ柔術と繋がり、なぜ長渕剛と合うかがすごくよくわかるんじゃないかなと。三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由

    ちなみにボクも長渕剛は大好きなんですけど、アルバム『昭和』までのファンなんですよね。それまでの長渕剛は自分の弱さを吐き出すスタイルだったんですが、『昭和』以降はみんなの弱さを説教する感じになって。それはそれで面白い。これは2017年の曲ですが、マネージャーを説教する『嘆きのコーヒーサイフォン』という曲も最高なんですよ!
    https://www.youtube.com/watch?v=M7IEszEO6oo
    仕事ができないマネージャーに北朝鮮やロシアの情勢を持ち出して説教する長渕さんの姿が容易に想像できるし、三崎さんとすごく相性がいいんだろうと思います!(笑)。
    最初のニュースはこれです。自称インフルエンサー「醤油ニキ」を傷害容疑で逮捕 男子大学生の顔面殴りけがさせた疑い 「ブレイキングダウン」に出場も
    「ブレイキングダウン」の名物男がクラブでナンパしたことをきっかけに女の子の友人とケンカになって……最近は醤油で人生を狂わされてる人が多いですね。「女の子を助けに来た大学生が役に立ってねえじゃん」みたいなリプがけっこうあったんですが、この対応はいろんな意味で正しいのかなと。だって相手を殴って逮捕されちゃったほうがバカバカしいですから。殴られてケガをするのもイヤなんですけど、正当防衛のハードルもけっこう高いですし。理想は揉め事には関わらないってことですけどね。

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  • 西川大和、フェザー級転向■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2023-07-13 11:43  
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    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回も12000字で語ります(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)

    【1記事150円から購入できる過去記事】・計量失敗のペナルティはどうあるべきか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ・サトシ・ソウザ 人生はたまに負けるのがちょうどいい

    ・ぱんちゃん璃奈論〜前向きに注文を打ち間違える彼女〜

    ・「自分に負けました」……平本蓮、斎藤裕戦を反省する


    ――シュウさんはいまどちらにいらっしゃるんですか。
    シュウ いまはニューヨークに戻ってますよ。3週続けてアトランタでPFLがあったので、ニューヨークから行ったり来たりしてまして。往復200ドルくらいで行けるので、ホテル代を使うくらいだったら、こっちのほうが安上がりなんですよね。
    ――ずっとアトランタにホテル住まいってのもなかなかですよねぇ。そのPFLでは日本人選手(工藤諒司、東陽子、西川大和)はそれぞれ連敗、6戦全敗してしまってプレーオフ進出はなりませんでした。
    シュウ なかなか厳しい現実だったってことですね。
    ――来シーズンの契約は3人ともどうなるかわからない感じですか?
    シュウ 基本的にPFLはリーグ形式なので1年契約なんです。そしてどの選手もPFL側は1年契約を延長する権利を持ってるんですね。厳密には2回まで。ということは、サバイバルしてリリースされなければ3年契約と考えていいと思います。
    ――優勝者が翌年、他の団体にすぐに移られても困りますよね。
    シュウ 工藤選手は昨シーズンはいいパフォーマンスを見せたので、今年も呼ばれたんですけど。ボクはマネジメントとして来年もなんとか入れるために当然、動きます。工藤選手は負けたとはいえトップ4とやらされてるわけですからね。PFLは8月と11月にプレーオフがあるじゃないですか。そのときにワンマッチを組めないかという話はしたいですね。で、PFLの来シーズンに関しては、PFLはリーグ戦とスーパーファイトの2部門に分けてやるみたいなんです。
    ――PFLと契約した元UFCヘビー級王者のガヌーはスーパーファイト部門で戦うと発表されてますね。
    シュウ PFLの選手枠が広がるのかなと思いつつも、ベラトール買収の噂もあるので。そうなると選手が溢れることで新規契約や更新を控える可能性もありますよね。だからいまのうちに来年のことを決めたいんですよ。
    ――PFLのベラトール買収は現実的なんですか?
    シュウ まずベラトールは親会社のバイアコムはもうこれ以上ベラトールに投資をしたくないということを明確にしてるので。要するに売却先を探してるわけですよね。スコット・コーカー以下、いまのスタッフの更迭は避けれない事実という感じですかね。候補はいろいろと挙がってるんですが、いちばん可能性が高いのはPFLだと思うんですよ。結局のところ、ストライクフォースと末期と同じ状況に陥った。つまりコーカーとそのスタッフは、またひとつのポテンシャルのあった団体の経営に失敗したということですね。
    ――ガヌーやジェイク・ポールと大型契約しましたし、PFLは金がありますねぇ。
    シュウ PFLはどうしても代表のレイ・セフォーばかり目がいってしまってますが、PFLの本当のトップはレイ・セフォーの上に2人いるわけであって。CEOのピーター・マレーは元アンダーアーマー副社長、その前はエンデバーの副社長をやっていた人物。もう1人というかいちばん偉い創始者で会長のドン・デイビスは、29歳のときにシカゴ・カブスの筆頭弁護士になり、そこから2000億円とかの投資をしているファンドマネージャーになった方なんですよ。日本のファンでも聞いたことあると思われるDraftKingとかZipcarとかの大株主でもありますし。
    ――資金が潤沢なわけですねぇ。
    シュウ この前発表されたタイソン・フューリーvsガヌーもサウジアラビアのファンドがバックにいるんですけど、ちょうど一ヵ月ぐらい前に風間敏臣選手の撮影でエクストリーム・クートアにいったときに、レイが練習してたんで話したんですけど「金曜日にサウジアラビアに行くんだ」と言ってましたけど、あれはフューリーとガヌーの試合、そしてベラトール買収のための資金調達のために行ったんだと思うんです。
    ――オイルマネーは強いですねぇ。
    シュウ だから資本が違うんですよね。PFLはUFCと同じESPNで流れてるわけですし、ベラトールのロースターを手に入れて、完全にUFCのタイトルオーバーになりたいってことなんですよね。日本の関係者からは「ベラトールの名前は残すんですかね?」と聞かれますが、これ、聞いてくるの日本の方々だけなんですよ。それは、ベラトールというブランド名がどんだけ市場に浸透されてないか、みんな理解しているからなんです。
    ――知名度はUFCと相当、差がありますよね。トップファイターのファイトマネーはいいんですけど。
    シュウ やっぱり有料ケーブル・配信局であるSHOWTIMEで流れているベラトールはを見ているのは、ホントにコアなファンだけなんですよ。SHOWTIMEはボクシングも流してまして、基本としては映画やドラマが中心なんですけど、その映画・ドラマ部門でも、HBO、ネトフリからはかなり引き離されてるんですね。さらにはアメリカだとフールーとディズニーとESPNを一つのパッケージとしてサブスクできるんですよ。そしてベラトールというネーミング。これがまずわかりづらいですよね。スペイン語市場が大きいとは、すぐにストンとみんなの頭の中に入るネーミングじゃないですか。それと比べると、PFLはプロフェッショナル・ファイターズ・リーグですからね。誰がどう見てもファイトスポーツだと一目瞭然のネーミング。
    ――まんまですね(笑)。
    シュウ そしてESPNという誰もが認める北米のナンバーワンスポーツ局で流れている。もうね、完全に市場の認知度のレベルが違うんです。コーカー政権のベラトールが10年かけてやってきたこと、できなかったことを、5年で達成しているのがPFLなんです。
    ――PFLの大型買収計画が現実化すると、他の選手契約は後回しにされてもおかしくないから、シュウさんとしては早めに決めたいってことですね。
    シュウ 東選手に関しては、今回彼女は明らかに適正階級ではなかったこともあって、結果としては2連敗になりましたけど。
    ――ライト級のリーグ戦でしたけど、東選手にとっては階級上のチャレンジ。女子のフェザーもバンタムもなかなかチャンスが巡ってこないですね……。
    シュウ もちろん来年もやらせてあげたいんだけど、PFLは女子バンタム級を作ってくれないかなと思ってるんですよね。で、西川大和選手に関しては、フェザー級に階級を下げます。
    ――おお!
    シュウ 今回の試合後に西川選手と話をしまして、彼本人も納得しました。じつはPFL初戦の前日の晩に西川選手の家族やサポーターの方たちとご飯を食べたんですけど、私はそのときに「これから世界レベルでやっていくにはライト級では厳しいんですよ」と言ったんです。いままで同じ日本人相手ならなんとかなったかもしれないですけど、どうしても体格差が……。
    ――西川選手ってライト級では小さいほうですし、外国人相手だと2階級差くらい感じますよね。
    シュウ 西川選手が技術的な部分で劣ってるところはないんですが、どうしてもフィジカル差があって。・西川大和はバンタム級でも…
    ・RIZINとドーピング検査
    ・「選手で稼ぐ」じゃなくて「選手を勝たせて稼ぐ」
    ・○○○○と△△△△はRIZINとの契約が切れている
    ・神龍誠の契約はけっこう特殊?……などなど12000字インタビューはまだまだ続く

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  • 令和闘魂三銃士騒動/RIZINドーピング情報公開が進む

    2023-07-08 17:11  
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    この記事はDropickニコ生配信された「ジャン斉藤の雑談1週間」を編集したものです!テーマは令和闘魂三銃士騒動/RIZINドーピング情報公開/ウエイトはやらないほうがいい?/ボクシング替え玉……などなど!【1記事から購入できるバックナンバー】・遺されたエディ・ゲレロファミリーの告発と確執
    ・伝説のバー『ココナッツリゾート』はこんな店だった■齋藤彰俊
    ・元・娘婿サイモン・ケリーが語るアントニオ猪木「倍賞美津子さんのサプライズは……」
    ・JMOC講習会/武尊PPVの値段……■ジャン斉藤の雑談1週間

    大会後恒例のRIZIN笹原(圭一)さんインタビューで興味深かったのは、ドーピング関連の記述ですね。RIZINがドーピング検査を自主的にやっていることはDropkickで触れてきましたけど、なかなかオフィシャルのコメントは取れてない中、今回は木村ミノル選手の件もあって情報公開が進んだという。笹原さんによればドーピングの専門チームがあって、検体採取回数も明らかになった。
    タイトルマッチ出場選手のドーピング検査をやっているパンクラスもそうですが、情報公開されていない謎はあるんですけど。これはあくまで噂レベルですが「検査に引っかかった選手もいる」「怪しいと思われていた選手はシロだった」という話もあるんですよね。

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  • 三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由

    2023-07-08 15:59  
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    PRIDEウェルター級GP王者にして秋山成勲との死闘は伝説となっている三崎和雄。最近はクレベル・コイケをはじめとするボンサイ勢のセコンドで姿を見かけることが多いが、いったいなぜ? クレベル計量失敗の真相と合わせてその関係を13000字で伺いました!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・【ゆるやかな狂気】横山武司「日本の柔術家で俺が最もMMAに向いている」
    ・ヴガール・ケラモフ「憧れだったPRIDEの続きができて夢のようだよ」
    ・斎藤裕、石渡伸太郎が生き抜いた“冬の時代”のマネジメント術■遠藤正吾【22000字】
    ・「自分に負けました」……平本蓮、斎藤裕戦を反省する
    ――RIZIN北海道大会は凄くいい大会でしたけど、メインイベントのクレベル・コイケ選手が計量オーバーとなってしまって……三崎さんはクレベルのセコンドにつかれてましたけど、以前からボンサイ勢とは親密な間柄ですよね。
    三崎 言ってしまえば、彼らとはファミリーなんですよね。
    ――“家族”ですか! 今日は計量オーバーの件を含めて、ボンサイ勢とのその絆についてお話を伺わせてください。
    三崎 わかりました。今回の経緯をお話しすると、クレベルはタイでキャンプをしていて2週間前に日本に帰ってきたんですよ。帰国時に最初に聞いたのは「体重どう?」と。クレベルは「あと2週間あるから大丈夫」という感じだったんですけど、実際にいつもに比べてそんなに超過しているわけではなく、2週間あればきっちり落とせる範囲の体重だったんですね。そこから順調に落ちてはいったんですけど……。まあ、クレベルは計量2日前の段階でいつも3.5キロ~4キロぐらいプラスで、計量前日に2キロぐらい落としちゃうんです。今回も計量前日に予定どおり2キロぐらいは落としているんですけど、これがいつもの倍も時間がかかっているんですよ。
    ――うわっ、その時点でちょっと異変を感じていたんですね。
    三崎 普通だと、シャドーやミット打ちなどちょっとしたワークアウトをするとだいたい1・5キロぐらいは落ちちゃうんですけど、それが全然落ちなくて。追加でサウナで汗を出してやっと2キロを落としたんです。ただ当日、まあ時間があるから落とせるだろうという判断があったんでしょうけど……。じつは、ボクはちょっと別の用事があったので、計量の当日に北海道に入ったんですよね。
    ――そうだったんですね。
    三崎 当日の14時ごろに北海道に入って。ホテルに着いたのは14時30分とか15時とか。なので、計量はサトシ(・ソウザ)に任せてたんですけど、当日はサトシから何度も電話がかかってきて「先生ヤバい、落ちないよ……」と。クレベルは最後はもう痙攣して汗も出ない状態になってしまったようなんです。
    ――汗が出ない状態なんてあるんですね……。
    三崎 で、これははっきりと原因はわからないです。身体のメカニズムや体質にもよると思いますし、尿酸値も測っているわけではないので。ただ、想像ですけどおそらく身体の中に塩分が残っていたのかな、と。つまり、身体に塩分が残っていると水分をホールドしちゃうので、水が抜けないんですよね。
    ――浸透圧の原理で。
    三崎 なので、よく水抜きでやるのは、身体の塩分濃度をなるべく薄くして、ほとんど塩がない状態にするんです。そうするとサウナとかに入ったときにギュッと水が絞られて脱水状態になるんですよ。減量というのはあえてその脱水状態をつくるというか、計量のときに一瞬だけ脱水状態にするんですよね。まあ、内臓にも負担がかかるし身体によくはないんですけど。今回のクレベルは、おそらく塩分が多少残っていて、最後に水が抜けない状態になってしまったと思われます。
    ――塩分濃度というのは、前日に食べた食事とかが関係するんですか?
    三崎 いやー、たぶんですけど、タイから帰ってきてからの時間が短かったので。
    ――ああ~、タイ料理って塩分が高いと聞きますよね。
    三崎 でも、2週間あるからそうじゃないという考えもできるし、真相はわからないです。いずれにしても、結果はオーバーになってしまったので、最後は400グラムをどうしても落とせない状態で規定の14時を迎えてしまったということですね。
    ――じゃあ、三崎さんがホテルに着いた時点で、もうアウトということだったんですね。
    三崎 そう。ボクがホテルに着いたときにはもう彼らは部屋にいて、いつもの様子じゃなかったという感じでした。
    ――クレベル自身はどんな感じだったんですか?
    三崎 いつもだったらすぐにハグして話をするんですけど、もうベッドに座ったまま下を向いて。クレベルの隣に座って肩を抱きしめたら、一気にブワーっと泣き出しましたね……。まあ、そのときはボクもあんまりいろんなこと話してもしょうがないんで、しばらくそのまま時間を過ごして。ただ、大事なことはもう1回気持ちを切り替えてリングに上がることなのでね。
    ――その時点では、鈴木千裕選手側の「試合をする」という判断はもう決まっていたんですか?
    三崎 ボクがホテルに着いたときには、もう試合はやることにはなっていました。ベルトの行方やペナルティ云々はわからないですけど、試合は成立するという話で。だから、ボクはセコンドとしてしっかり戦わせないといけないので、どうやって気持ちを切り替えるか。その日は公開計量もありましたよね。だから、移動のバスの中でもずっとクレベルの隣に座ってましたね。
    ――また公開計量の場に出なきゃならないというのが精神的にきついですよね。
    三崎 でも、ボクがクレベルに最初に言ったのは「チャンピオンも完璧な人間じゃない」と。「もちろん失敗することも間違いをおかすこともある。だけど、明日リングに上がったときは100パーセントのチャンピオンじゃないといけない。今回計量失敗してしまったことはしょうがないし、オマエも完璧じゃない、俺も完璧じゃない、だけど明日リングに上がるときは100パーセントのクレベル・コイケとして上がらなきゃいけない」……そんな話をしていました。
    RIZIN CONFESSIONSではクレベルの傍らに付きそう三崎和雄の姿がたびたび登場する――クレベルはチャンピオンであり、当日はメインインベンターでもありました。
    三崎 やっぱり、アマチュアとプロでは見られ方が違うし、チャンピオンになればさらに見られ方が違う。そこは絶対に付き纏ってくることで、プレッシャーや不安、孤独からは逃げることはできないんですよ。だから今回のクレベルはプロとしては失格ですけど、人生においては経験してよかったと思っています。いまの「よかった」という言葉は誤解しないでほしいんです。やっぱり人生すべてが順風満帆で終わるわけじゃないですから。こういうミスをしてクレベルがどうやってこの先、生きていくかですよね。
    ――計量が終われば、今度はリカバリーですよね。
    三崎 リカバリーはね、クレベルはやっぱり落ち込んで食欲もないし、いつもだったら水分とったりいろいろやんなきゃいけないんだけど、何もできてないんですよ。でも、ボクの役目はメンタルを切り替えること、あとは身体をできるだけベストな状態に近づけること、もうこのふたつなので、水分補給や栄養補給をボクが頑張ってやるようにしました。それでもあんまり食欲がなかったから、関根(シュレック秀樹)さんや怪物くん(鈴木博昭)も含めてみんなでご飯にいって、いつもどおりの時間を過ごしながらご飯を食べるようにして。
    ――そして試合当日ですが、その日はどんなふうに迎えたんですか?
    三崎 当日はね、これはやっぱりクレベルの凄いところで、ボクは隣の部屋だったんですけど、当日起きて顔を見たら、もう前日とは全然違う、いつもの戦う顔になってました。だから「ああ、これは何も心配ないな」と。クレベルはね、ファイターとしても強いんだけど、人間的な強さを持っている人なんですよ。生きるためのサバイバル能力というか。それは申し訳ないけど、サトシやマルキーニョス(マルコス・ヨシオ・ソウザ)よりもサバイバル能力がありますよ。
    ――それは何が違うんですかね?
    三崎 サトシやマルキーニョスも貧しかったかもしれないけど、やっぱりお父さんの英才教育を受けたエリートだから。だけど、クレベルはただのやんちゃなブラジル人。
    ――「雑草魂」というか。
    三崎 ホント雑草なんですよ。それがもともと持っているものなのか、環境のせいなのかわからないですけど、やっぱり細かいところにも気がつくし、それは自分がどうやって生き残るかを肌感覚でわかっている人間なので。
    ――危機察知能力が高い。
    三崎 だから、自分が試合だろうがなんだろうがいつも周りのことを見ているし、とにかくめちゃくちゃ優しいんです。いちばん……と言ったら周りがどういうかわからないですけど、彼はいちばん優しいですよね。
    ――そして、試合は完璧でした。
    三崎 まあ、試合というのはどんなに実力差があっても、リングに上がったら50:50だと思うんですけど、実力で言ったら相手には申し訳ないけど相当な差があったと思いますよ。だって、クレベルは世界の強豪と数々試合をしてきてますから。KSWだって並大抵の選手だとチャンピオンになれないですよ。言葉は選ばないといけないですが、オバケみたいな選手と試合をしたら普通は勝てないです(苦笑)。
    ――“オバケみたいな選手”って意味深です!(笑)。
    三崎 だから日本での試合となると、試合の勝ち負けはわからないですけど、実力差は凄くあると思います。
    ――今回の試合は、千裕選手のハードトレーニングが注目されていましたけど、クレベル選手も確実に強くなっていますよね。
    三崎 クレベルもね、最初はぜんぜんフィジカルトレーニングをやらなかったんですよ。ボクが彼と出会ったのは2011年なんですけど、当時はまだヒョロヒョロで。もちろんMMAをやっていなかった頃だけど。だから、フィジカルをやりはじめたのもKSWに出るようになってからじゃないですか?
    ――そこも“オバケみたいな選手”と戦うために……ってことですね。
    三崎 マルキーニョスはウエイト大好きなんですよ。サトシはそんなに好きではないけど、ちょっとやるのかなあ。でも、クレベルは全然やらなかったです。でも、KSWでオバケたちと対峙するためには……ということだったんでしょうね。あと、強くなっているという意味では、世界トップレベルのグラップリング技術がある中で、クレベルは打撃でもキックボクサーとやりあえるぐらいの実力はあると思いますよ。器用なんでしょうね。クレベルはMMAファイターとしても素晴らしいですよ。
    ――ところで、その2011年の三崎さんとボンサイ勢との出会いはどういう感じだったんですか?・サトシの父アジウソンの素晴らしさ
    ・ボクは彼らの“お父さん”代わり
    ・三崎和雄が長渕剛を支える理由
    ・井岡一翔、AK-69との関係
    ・やっぱり「日本人は強いんです!」
    ・“命懸けのセコンド”……などなど13000字はまだまだ続く


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