• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 20件
  • 【15万字・記事18本詰め合わせセット】扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天…

    2022-01-31 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part97大好評記事18本15万字で600円!!(税込み)
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    part97
    ◎“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太

    ◎ライフ・イズ・ビューティフル!! 扇久保博正“優勝記念”インタビュー

    ◎【大晦日波乱】井上直樹はなぜ失速したのか■水垣偉弥

    ◎ネットでも暴走するシバターvs久保優太

    ◎天心vs武尊の勝敗予想はまだ早い■鈴木秀明

    ◎伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」

    ◎笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り

    ◎【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」

    ◎佐伯繁DEEP代表が「浜崎vs伊澤」と「シバターvs久保」と「長南亮」を語る

    ◎扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ◎【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」

    ◎大晦日に公開プロポーズされた女性はどんな気分なのか■オギちゃんの彼女さん

    ◎コロナ禍から飛び出した“長与千種の遺伝子”ロシア人

    ◎齋藤彰俊インタビュー「名古屋の街の風紀を正していた高校時代」

    ◎日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス

    ◎新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    ◎ヒーロープロレス■渡辺宏志のインディ小話

    ◎「AEWには、あるべき多様性が欠如していた」…プロレスとポリティカル・コレクトネス

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉ストロングスタイル、Uスタイル、MMA、純プロレス……戦いのすべてを知り尽くした男、船木誠勝が語るシバターvs久保優太! 11000字でお届けします!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――大晦日RIZINのシバターvs久保優太八百長疑惑騒動についてお伺いします。船木さんはこの試合をどのようなかたちでご覧になったんですか?
    船木 大晦日のあの日、会場にいました。とある関係者の方と一緒に客席から見てまして。結局、この試合自体がテレビの視聴率のために組まれたものですよね。この試合は別物というか、自分はすごく白けて見てましたよ。シバターさんが勝っても「また去年(HIROYA戦)と同じだな……」っていうふうに見てました。
    ――船木さんはまるで興味がなかったと。今回の騒動の全体像は把握されてますか?
    船木 試合前に2人が電話していたという話ですね。最初はシバターさんがインスタグラムでメッセージを送って、久保選手が返事をしてしまったんですよね。試合する同士がそんなやり取りをしてる時点でまずダメじゃないですか。いままでそういう話って聞いたことないです。ある意味、日本の格闘技界において歴史的な瞬間が起きてしまったような気がしますね。
    ――八百長の証拠らしきものが表に出てきてしまったわけですもんね。
    船木 RIZINって真剣勝負を謳ってるじゃないですか。リアルファイトの中でそういう打ち合わせがあったら、その時点でダメですよね。「リアルファイト(打ち合わせあり)って書いてればOKですけど。「話し合いしても真剣にやりますよ」ってことならばOKです。それがありなんであれば、みんなやればいいと思うんですよ。相手がどんな戦法で来るかわからない。事前の打ち合わせを信じる・信じないはあなた次第じゃなくても、そういうことが面倒くさい人はもう取り合わなければいいし。でも、そこまでしたらみんな試合を見ないですよね。
    ――みんなが求める真剣勝負の格闘技ではないし、本当に面白く見られるものかといえば、そうではないでしょうね。
    船木 自分はそういう試合にまったく興味ないです。最近は試合前の記者会見なんかで選手同士が言い合いするじゃないですか。ああいったやり取りも自分はあんまり信用してないですよね。だって試合が終わったら、健闘を称えてすぐに抱き合うじゃないですか。
    ――試合前の舌戦がなかったことになることは多いです。
    船木 こっちからすると「いままでのあの勢いはなんだったんだろう?」って不思議に思っちゃうんですよね。本当に罵倒してるんであれば、試合が終わっても諦めない。すぐに握手をしたり抱き合ったりはしないと思うんですよ。最近はあえて盛り上げようとして、そういう発言を選手たちがしてるような気がしますね。
    ――そういうトラッシュトークをやることが、プロとしての評価のひとつになっているところはありますね。
    船木 だったら、もっと徹底してほしいなと思いますね。わざとやってるっていうふうな感じになっちゃうので。
    ――単なるパフォーマンスになっちゃうという危惧ですね。
    船木 本当に怒ってるときもあると思うんですけれども。プロレスなんかとくにそうですけど、プロの戦いですから。対戦相手との口喧嘩は付きものですよね。それこそモハメド・アリなんかベラベラしゃべるじゃないですか。でも、アリの試合はリアルファイトですよね。
    ――しかもアリのトラッシュトークは一流でした。
    船木 いまは昔と違ってSNSの中でも選手同士が喧嘩するじゃないですか。そこは現代的だなって気します。昔であれば、パンクラスとリングスも口喧嘩がすごかったですけど。
    ――90年代の勃発した船木さんや鈴木みのるさんのパンクラスと、前田日明さん率いるリングスの“リング外”抗争ですね。
    船木 あの頃はSNSはなかったですから「相手がこんなことを言っていた」という情報は記者や関係者から伝わるんです。昔は雑誌や新聞くらいしか情報を知る手段はなかったですからね。で、それに対する感想を記者の人に伝えたら、前田さんがまたこう返してきたと。最終的に自分は、もうそのやりとりが面倒くさいんで絶縁したんです。
    ――船木さんのリングス絶縁宣言はそういう経緯なんですね。相手の言い分を聞くのもイヤだし、返すのもイヤだと。
    船木 はい。前田さんには「もうしゃべらないでくれ」と思ってましたから。新生UWFが解散して、リングス、Uインター、藤原組の3つに分かれて。自分はその藤原組から離れてパンクラスを始めたじゃないですか。別れたところとは関わりたくなかったですし、何かあったら自分がケツ拭かなきゃいけないですよね。自分の試合に集中したいんで絶縁して区切ったんですけども本当にイヤでした。でも、その当時、前田さんとは新幹線の駅で、ばったり会うことがあって。リングスとパンクラスはすごく仲の悪い状態だったんですけども、挨拶に行けば、前田さんはちゃんと普通に接してくれるんです。
    ――直接、顔を合わせるとじつは何も起きなかったりしますし、そこはまさしくプロとしての煽り合いだった一面もあったんですね。ただ、前田さんと安生(洋二)さんの因縁は修羅場に発展して。99年11月14日、東京ベイNKホールのUFC日本大会のバックステージで、安生さんが前田さんを後ろから殴って失神させるという。
    船木 ありましたね。安生さんは前田さんに対して怒ってましたから。安生さんが何かあったら前田さんをやってやるという噂は出回っていたんですよ。ただ、何か起こるにしても口喧嘩から始まると思ってたんです。バックステージで前田さんが何かインタビューを受けてる姿が見えて、それが終わったら揉めるのかなって構えていたら、安生さんはいきなりバーンと殴って。
    ――この件でよくパンクラスを交えた陰謀論的に語られがちですけど、各高校の不良が一堂に会することになったら事件が起きないわけがなかったんだろうなって。
    船木 自分としては2人が接触しないことがいちばんだったんですけどね。安生さんは前田さんと以前、揉めたときに「家族の前で制裁してやる」と言われたことが引っ掛かったと思うんですよ。
    ――リングスはUインターとも揉めてましたね。その件はUインター側が脅迫罪で訴えるということで前田さんがいったん謝罪したけど、サムライTVのパーティーで小競り合いがあったり。
    船木 いまも口喧嘩はあるのに、なんでこういったトラブルが起きないのかなっていえば、結局YouTubeの再生回数とかでお金が発生するじゃないですか。みんな、そこにわざと乗っかってる気がしますね。お互いにYouTubeありきでやり合ってるみたいな。
    ――ビジネスとしての喧嘩ですか。
    船木 YouTubeをやってる人は、なんにしろ、そっちの方向にくっつける。それですごいお金を稼いでるじゃないですか。だからその部分でちょっと麻痺してるような気がします。
    ――シバターvs久保はまさにネットで消費されれば救われるという行動原理が事件を複雑化させてるところがありますし……。
    船木 他の格闘家や関係者もYouTubeでこの件を語るじゃないですか。自分なんか、正直あの試合はまったく論外なんですよ。それで再生回数を稼ぎたいと思わない。
    ――こうやって取材があればしゃべるけども、ってことですね。
    船木 たぶんこの取材が最後だと思いますし、自分のYouTubeチャンネルのほうへ質問が来たら、それはそれで答えますけども。自分からは「あの試合はどうのこうの」って積極的に話す気持ちにはなれないですよね。ホントにバカバカしいというか。
    ――しかし、リングスvsパンクラスの時代にYouTubeがあったら大変なことになってましたね。
    船木 大変ですよ。それこそ前田さんなんか、カメラを持って殴り込みに行くんじゃないですか(笑)。
    ――逆にYouTubeでコラボすることで関係が修復したかもしれないですけど(笑)。
    船木 いまの時代、怒ったからといって殴り込みとかしないじゃないですか。会ったら即喧嘩という事件なんか起きないんで。だから永遠に口喧嘩がSNSで続くんじゃないですか。それはそれですごい時代なんですけど。
    ――清算するなら試合で決着を付けるしかないし、もしくは安生さんみたいに本当にやっちゃうしかわけですもんね。安生さんの場合、ヒクソンの道場破りまでやっちゃう人ですし。
    船木 安生さんみたいにやっちゃう人が出てきたら、それこそもっと大変なことになりますね。
    ――話を戻すと、今回のシバターvs久保はネットによって事件が広まるという現代的な展開ですよね。
    船木 両者の電話の音声が流出したりとか、すごい生々しい。
    ――昔から八百長疑惑のかかった試合はありましたけど、証言以外で証拠が出てきたケースってないですし。 
  • 【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」

    2022-01-26 02:53  
    110pt
    日本人男子唯一のUFCファイターだった佐藤天が契約更新!……とはいっても最後の試合は2020年11月。もう1年以上も経過しているがいったい何があったのか? フロリダの名門サンフォードMMAでトレーニングに励む佐藤天に真相を直撃した(聞き手/ジャン斉藤)――今回、ギリギリでUFCとの契約更新が決まったと聞きました! 無事に契約できるまでは相当ヤキモキされたんじゃないですか?
    佐藤 そうですね(苦笑)。去年の春口ぐらいからずっと準備していたので。
    ――1年近くかかったと。マネジメントのシュウ・ヒラタさんからは「前向きな方向で話が進んでいる」と聞いていたんですが……もの凄く時間がかかりましたよね。
    佐藤 UFCからは去年の4月の段階で「フロリダに残ってくれるんだったら、イレギュラーなかたちになってもオファーします」ということで、そういった緊急オファーのときに正式な契約書が来るという感じだったんですよね。「1~2週間前のオファーが来る可能性が高い」ということで、UFCの大会スケジュールを見ながら常に試合の準備はしていたんですよ。でも、いつになっても決まらないんで、そこからは試合1週間前ぐらいに体重を落とせるようにずっと体重をキープしていた感じですね。
    ――……えっ!? つまり、コロナなどでのウェルター級の選手欠場に備えてずっと準備していたという?
    佐藤 はい(苦笑)。UFCって毎週大会がありますけど、興行がない週もあるじゃないですか。だから、そういうときに食べたいものを食べて、また体重をキープしてというのを4月から10ヵ月間やってましたね。
    ――……尋常じゃないですね(笑)。
    佐藤 なので、身体はキツかったんですけど、選手としてはブッ通しで練習に取り組めたというか。……まあでも、ストレスはありました(苦笑)。
    ――当然です!
    佐藤 ちなみに、緊急要員の中でも何番手というのがあるみたいで。
    ――いわゆるウエイティングリストですよね。UFCが契約したい選手の優先順位がつけられていて。そこに入ってなければ待てど暮らせどオファーはないという。
    佐藤 そこでも、リストの一番上のほうに入っているというのを聞いていたので。だから、自分としてはやっぱりこのチャンスがあるのに、ほかの団体に行くというのはイヤだったんですよね。まあ、ちょっと普通ではないですけど、それでもいいのかなって。
    ――佐藤選手のように上位に入っていてもなかなかオファーがないこともあると。
    佐藤 UFCって試合までに3回コロナの検査をするんで欠場者が出る可能性も低くはないんですけど、意外にも陽性者が出なかったので契約も進まずという(苦笑)。
    ――UFCにとっては出場選手が陰性だというのはいいことなんですけどねえ。
    佐藤 で、秋ぐらいですか。いよいよ、UFCのマッチメーカーから「試合をするのはかなり難しい状況だ」という話があって。だから、シュウさんからも「ほかの団体も考えておかないといけないよ」という話は挙がってましたね。
    ――そういう打診があったときに、心揺らぐものはあったんですか?
    佐藤 いや、シュウさんやコーチたちには「UFCでやりたいです」という話は伝えていました。正直、ほかの団体もUFCよりもファイトマネーが高いという感じでもなかったんで。コーチたちも「それだったらUFCを待とう」というスタンスだったんですけど……、また参戦が延びたときに、コーチたちも「試合ができないというのが一番よくないから」と。
    ――待っていたのにこんな対応をするUFCに対してイライラしませんでした?
    佐藤 まあ、自分が求められないというのはキツイところがあります。ただ、UFCにとってボクは外国人選手で、最後の試合で負けてチャンスをつかめなかったからこの環境にいるというのも理解していたので(4試合契約で2勝2敗)。……でも、やっぱり「コノヤロウ!」という気持ちはありましたね。
    ――それでも、ほかの団体と契約せずに我慢したことが、結果的によかったということですもんね。
    佐藤 「UFCを待つ」というボクの返事にシュウさんも困ったと思うんですけど、その段階でシュウさんもマッチメーカーにプッシュしてくれて、「2021年のうちに1試合はスクランブルで組む」というお話までいただいたんです。ただ、それと並行してほかの団体とも話をしたり、実際にオファーをもらって条件を聞いたりもしていました。そんな中で、12月4日の大会にUFCから1回オファーをいただいたんですよね。
    ――ああ、そう聞いています。
    佐藤 「ついに決まる!」という感じだったんですけど……今度はビザの問題でダメになりました(苦笑)。
    ――あらら。
    佐藤 それも、1週間前のオファーだったんですけど、いまビジネスビザで滞在しているので、UFCのほうでビザを変えてもらう必要があったんですよ。当初、それは3~4日で変えられるという話だったんですけど、運悪くこっちの祝日と被っちゃって……。「あと数日足りない」ということで流れてしまったんですよねえ。
    ――うわあ~。なかなかうまくいかないですねぇ。
    佐藤 で、ほかの団体からのオファーの中に、PFLの話もあって。PFLは4月からシーズンが始まるので、「いよいよ決断しないといけない」という中で2022年の年明けを迎えたんです。そんな中で、じつは1月半ばにもUFCの緊急オファーをもらったんですけど、それもまたビザの問題で飛んでしまって。
    ――佐藤選手ってUFCで試合が何度も飛んだりしてて、ハードラックなことが多いですね。
    佐藤 今度はコロナの影響でビザが3週間ぐらいないと変えられないという。だから、シュウさんとコーチ全員とでミーティングして「もし、これで本当にビザが間に合わなかったら、もうPFLにしよう」と。シュウさんも、UFCは上場した影響もあって、いつ正式オファーを出してくれるかわからないし、試合が決まらないのに契約書を出してもらうのはけっこう大変だと思うと言っていたので。
    ――上場企業であるがゆえに。
    佐藤 そしたら、次のシュウさんからの連絡で「UFC、決まりました」と。
    ――うわ~、本当に劇的な展開ですね!
    佐藤 でも、連絡をいただいたときのシュウさんの第一声は「いいニュースと悪いニュースがあります」と。で、「悪いニュースは、ビザが来週末の試合に間に合いませんでした」と。そして、「いいニュースはUFCが正式にコンタクトをくれました」という。
    ――なかなか粋な伝え方で(笑)。
    佐藤 だから「よかった~~!」と。本当に我慢して待ってた甲斐があったと思いましたね。
    ――佐藤選手ってUFCではけっこうトラブル続きでしたけど、最後の最後にいい目が出た感じですね。
    佐藤 綱渡りでしたけど、本当にここで決まらなかったらこれ以上アメリカにいられないというところまできていたんで。でも、周りも凄く動いてくれたんですよね。コーチたちもけっこういろんなところに当たってくれて。レスリングコーチの1人にカミという人がいるんですけど、カミなんかはあとでジムですぐ会えるのに、わざわざ電話くれて「昨日の夜にずっとキミのことを祈ってたよ」と。
    ――やさしい!
    佐藤 そういうエネルギーも働いたのかなと思います。
    ――しかも、シュウさんは土壇場でPFLよりもいい条件を引き出したと聞きました。どうやってそんなマネを(笑)。
    佐藤 はい(笑)。前回の試合で負けてますし、契約更新はちょっと上がるか横ばいだと聞いていたんですよ。その中で、自分は下がってでもやりますと伝えていたんですけど、さらにラッキーみたいなのはありましたね。まあ、更新する際は下がることはないらしいですけど。
    ――それは、佐藤選手自身がUFCといいコミュニケーションを取れているというのが大きかったんでしょうね。で、今回はそんな佐藤選手のファイター人生についてもうかがいたいんですが、大学まで柔道をされていた佐藤選手は、当時からMMAを見据えた練習をしていたと聞きました。<13000字インタビューはまだまだ続く>

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 扇久保博正に脱帽、朝倉海の諦めない心■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2022-01-26 02:20  
    150pt

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は1月3日にニコ生配信されたものを編集したものです)


    【1記事100円から購入できる過去記事】・平本蓮は誰からも逃げてないです


    ・【16000字】朝倉未来、平良達郎はUFCと契約できるのか
    ・マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題

    ・【仮想通貨詐欺】なぜ私はTDTのスポンサーオファーを断ったのか






    ――シュウさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!
    シュウ あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
    ――新年一発目の配信は、シュウさんにとっては残念なお話からスタートになってしまいますが……シュウさんがマネジメントする井上直樹選手が大晦日のRIZINバンタム級GPで扇久保博正選手に判定で敗れてしまいました。
    シュウ 今回のテーマは「脱帽」ですね。皆さんご存じのとおり、多くの選手が満身創痍のかたちでこのトーナメントに臨み、ボクも聞いてるけど扇久保選手だって決して万全な状態じゃなかったわけですからね。何を言おうがとりあえずノーエクスキューズですよ。完敗は完敗、扇久保選手に脱帽です。試合中に直樹くんの薬指が脱臼したとセコンドの水垣さんが明かしたそうですけど、それは試合の流れであることなんで、ケガも実力のうちですよ。そこでガチャガチャ言ってもしょうがないことですし、彼の弱点はMMAレスリングだっていうことは全員わかってたことじゃないですか。だからこそ練習先としてセラ・ロンゴを選んだんで。UFCバンタム級王者のアルジャメイン・スターリングもそうですけど、親分のクリス・ワイドマンやアル・アイキンタとか、アマレス出身が多いですし、ほかにもメラブ・ドバシビリ、マット・フレボラなどMMAレスリングが強い選手がいますから。
    ――UFCリリース後に井上選手の練習環境を再構築したわけですね。
    シュウ だけどコロナで1年半で日本に戻って来ざるをえなかった。結局どのスポーツみんなそうだと思いますけども、技術を習得して、それを身体に染み込ませてしっかり試合に自然に出るようになるのは簡単じゃないってことですね。そこを扇久保選手はしっかり教えてくれたってことですよ。だって扇久保選手は何年やってきたんですかって話で。
    ――キャリア6年ですからねぇ。ばっちりと染み込んでますね。
    シュウ 「簡単に俺に勝てると思うなよ」ってことですよ、やっぱり。それが事実だとボクは思ってます。あとやっぱり扇久保選手はモチベーションも高かったし、彼女にプロポーズできて最高のエンディングじゃないですか。
    ――きっと現役最後のチャンスぐらいのつもりで臨んだんでしょうね。
    シュウ 素晴らしいですよね。これからもうめちゃめちゃ有名になって金を稼いでほしいですよ。扇久保選手はTUFで決勝まで残ったのにUFCと契約できなくて。ボクは個人的におかしいとすごい思ってたんで、じつをいうとマッチメイカーのショーン・シェルビーに酒を飲んでるときに「フェアじゃねえだろ」みたいなこと言ってたんです。もしもこれがウチの選手がこんな扱いされたらたまらないじゃないですか。扇久保選手本人からしても納得いかなかったと思うんですよ。
    ――同時期に堀口恭司がUFCであまりいい扱いをされなかったりしてFAすることになりましたし、日本人ファイターの評価が微妙だったりしてて。
    シュウ いまでもハッキリ言いますけど、扇久保選手は取るべきだったと思いますよ。UFCって枠にかぎりがあるわけじゃないんですよ。いい選手だと思ったら、すぐに取りに行きますからね。だから、あのとき直樹くんが契約したから扇久保選手の枠がなくなったわけじゃないんですよ。それをモチベーションにしてくれたらそれは素晴らしいことだと思うけども。
    ――あの悔しさをパワーにしてきたわけですからね。
    シュウ とにかく直樹くんに関しては課題は明白になんで。ボス魅津希選手も「ショーン・サンテラ戦後での問題点を克服できてないんだから戻ってこい」と言ってました。試合後に反省会をしてるんですけど、アルジャメインがUFCのタイトルマッチをやるんですよ。その試合に向けてのキャンプに入るので、そこに合流するように言われてるんです。あと直樹くんが負けちゃったときのことも考えて、新規契約させていただいたスポンサーには、試合ごとじゃなくてみんな年間契約をお願いしたんですよ。つまり毎月お金が入ってくる。それで日本とアメリカの両方でアパートを持って、行ったり来たりして練習できるだけの経済面は確保してあるので。それにどのスポーツでもトップはアメリカと母国とか、良いとこどりの練習環境なんですよね。そしてそれにお金を使う。
    ――アメリカと母国に拠点を持つのがスタンダード。そういう備えがあってこそ試合に集中できると。
    シュウ 本当にスポンサーの皆様方、ありがとうございますってことなんですけども。落ちたら這い上がるしかないですよ。そして勝って結果を残すことがスポンサー様に対しても最大の恩返しですから。直樹くんは頑張ってくれると思うんですよ。負けず嫌いですから。
    ――井上選手は前回の金太郎戦が判定だったことが納得いかなくて、2試合ともフィニッシュしてやろうとしてたみたいですね。
    シュウ 聞きましたよ、それ。その点に関してはボク、ちょっと責任感じちゃって。前回の判定勝ちの内容にブーブー文句を言ってたじゃないですか。
    ――セコンドの水垣さんも責任を感じてましたよ。もっと気持ちよく試合に入らせてあげるのがボクの役割だったな、というふうに。
    シュウ いい経験になったと思いますよ。ただ、彼にも厳しいことを言いました。日本人最年少でUFCと契約したとか5連勝してたとか、これで全部なくなった。日本人ファイターのワン・オブ・ゼムになったからねと。そこはハッキリ言いました。だけど、この悔しさをどう糧にしてやっていくのか。そこを考えていくしかないじゃないですか。お姉さんの魅津希選手も電話で30分ぐらい説教してましたけども。
    ――ビッグボスが。
    シュウ ボスがカワイイのは、最後の10分ぐらいは自分も泣きながら説教してたんですよ……。
    ――弟思いのいい話ですね……。
    シュウ 朝倉海選手に関しても言わせてもらえば、彼も右拳の骨折があったみたいですけど。拳の骨折って再発の可能性がすごい高いですし、やっちゃったら完全100パーセントOKまで半年から1年を経過を見る人が多いんですよ。そういう状況で決勝まで勝ち上がった朝倉海選手はすごくよくやったと思いますよ。
    ――海選手は扇久保選手に負けたけど、1日2試合で拳を骨折したうえだったので。個人的にはプロ野球でいうと、シリーズ制覇したけど日本シリーズで負けたみたいな感覚なので、これで評価が下がるのは……。
    シュウ 1日2試合、しかも3ラウンド+3ラウンドですからね。公式記録としてどう扱うのかは難しいところですね。
    ――1日2試合のGP方式はいろいろと難しい時代なのかなっていう気がしますけど。
    シュウ プロモーターからしたらスターも生まれてくるし、ハプニングもあるからやりたいって気持ちはわかりますけども。
    ――ベラトールのGPは1年で納めない場合が多いじゃないですか。RIZINの場合だと大晦日をゴールに設定せざるをえないんですけど、開始が4月だとして16人参加だと8ヵ月で3大会のハードスケジュールですからね。
    シュウ それだったら1月ぐらいから始めてくれると、ちょっと間隔も空けられますしね。
    ――朝倉海選手が右手骨折してるのに決勝戦に出場したが、ドクターやリザーバーの意味があるのかということが議論になってますけど、これって最終的に選手の判断になっちゃうんですよねぇ。
    シュウ 藤田和之選手がPRIDE GPでマーク・ケアーに勝ったじゃないですか。その日のそのあとに行なわれたマーク・コールマン戦ではケガを抱えたままリングに上がったけど、ゴングと同時にタオルを投げた。あれでも試合はしたとなってファイトマネーは発生しますからね。それと同じで決勝戦に出て、準優勝でも500万円の賞金ですし、お金じゃない部分でもやっぱり戦いたいという気持ちは格闘家にあると思いますから。
    ――生命の危険がないケガではないとドクターもなかなか止められないところもあったりして。
    シュウ たとえば試合中でも明らかに折れたり、外れてるときは、レフェリーが止めることもありますよね、タップしなくても。
    ――クリス・ワイドマン戦で足を骨折したアンデウソン・シウバのように。1日2試合は難しいです。ワンマッチのドクターストップの基準を照らし合わせてもハレーションは起きますし。
    シュウ そこらへんのルールを明確にしなくちゃいけなかった点はあると思いますし、ワンナイトトーナメントの問題でもあると思いますね。ただ結局どの選手でも試合の反省点とプラス点ってあるじゃないですか。海選手のプラス点は最後の最後まで諦めなかったことですね。それは素晴らしいファイティング・スピリット。これは持って生まれたもので教えられるものじゃない。彼が上に行く素質があるってことを充分に証明してる。マイナス点は、これもまたディスってるって皆さん思ってほしくないのが、たしかにパンチ力があるのは明らかですよね。当たったら誰でも倒れるパンチを持っている。けど、そういうパンチを持ってる選手って世界レベルでいっぱいいるんですよ。アメリカの選手やコーチに話を聞くと、みんなが言うのは朝倉海はテイクダウンディフェンスに優れていると。だから面白いことを言う人がいるんですよ。彼は殴るというよりも、テイクダウンディフェンスの強さを中心にしたゲームプランを組み立てればいいんだって。となると、テイクダウンされてコントロールされて負けることが多い瀧澤選手相手だったから、やっぱり拳のことも考えてテイクダウンしてパウンドやエルボーで支配したほうがよかったんじゃないかなって。
    ――朝倉海選手の特性を活かした戦略を立てられたんじゃないかと。
    シュウ そうです。扇久保選手との試合でも、しっかりとテイクダウンをディフェンスしましたし、つかまれてもちゃんとコーナーに行ってうまくスイッチしたりだとか、素晴らしい技術は見せたと思うんです。これはプラス点ですよね。もうひとつの反省点は引き出しがもうちょっとほしいなと。右拳を壊したとはいえ、扇久保選手相手には難しいかもしれないけど、全面で戦っていればもっと違った内容になったかもしれないですし。あと4オンスのグローブじゃないですか。海選手は憂流迦選手や瀧澤選手のアゴが折ってますけども、逆のことをいえば4オンスだから、一発のパンチが重くなくてもコンビネーションで当てれば倒せるんですよ。そういうところも考えて、もうちょっといろんなトータルMMAを身に付けてくれば全然やれるチャンスあると思いますよ。そういうプラス点、マイナス点いろいろあったんですけど、朝倉海選手は見事に戦ったと思いますよ。
    ――海選手も井上選手もマイナス点をどう修正していくかなんですね。
    シュウ UFCの世界でもそうですけども、みんな修正、修正を繰り返してやっぱり強くなっていくものです。初めからパーフェクトの選手なんていないですよ。日本ファンが海選手にすごい期待したいのはわかるんですよ。UFCでもトップ10に行けるかといえば、どの世界もそんな甘くないですよ。逆にUFCで15位の選手がRIZINに来たからってすぐにチャンピオンになれますか。それはそれでそんなに甘くないですよね。それは海選手にかぎらず、あの修羅の国UFCで簡単に15位に入れると言える選手、世界のどこにいますかってことですよ。
    ――あの堀口選手ですらUFCのバンタム級ではやってみないとわからない世界ですね。
    シュウ 本当にそうです。堀口選手に勝ったセルジオ・ペティスだってUFCではフライの選手ですからね。フライでは1位だったかもしれないけど、バンタムではもう未知数。それは勝負事ですからやってみなくちゃわかんない。それこそ堀口選手とセルジオの試合は勝負事の怖さをある意味、証明してくれましたよね。ひとつの判断が勝負をひっくり返したわけですから。
    ――海選手も井上選手も修正点があるということはまだ伸びしろがあるっていうことですね。
    シュウ これはハッキリ言っちゃいますけど、UFCがドーピングの抜き打ち検査をするようになってから、チャンピオンの年齢層がぐんと上がりましたからね。
    ――ハハハハハハハハ。
    シュウ いまは20代後半から30代初めくらいのエクスペリエンス、要するに経験のある老獪な選手たちもチャンピオンになれる。これはライト級王者のチャールズ・オリベイラが証明してくれたじゃないですか。
    ――あんなに黒星を重ねたのにUFCチャンプに登りつめて。
    シュウ 直樹くんにも伸びしろがあると思いますし、やれると思うし。もう一回白紙に戻して練り直しですよ。頑張りゃいいんですよ、もう1回。ボクは何回も言ってるんです。日本人選手全員が海外で勝ってほしいから。
    ――浜崎朱加選手に完勝した伊澤星花選手は“vs世界”に向けて期待大ですね。
    シュウ すごかったね。伊澤選手は打撃に改善の余地があったと思ったんですけど、彼女は自分の得意な分野に引き込んで勝ちきりましたね。浜崎さんはアームロックが取れなかったことがちょっと厳しかったのかなと思うのと、自信があるからグラウンドにも付き合っちゃったよね。浜崎さんがこの結果を受けてまたゲームプランを変えてボクシング中心でやるんだったら、これはこれでわからないから。どうせ再戦するでしょ、この2人は。
    ――年内中には間違いなく再戦しますね。
    シュウ そうなるとそこでまた彼女も練り直してくるわけですし、本当にわかんないですよ、MMAって。1戦目に圧倒したからといって、2回目も圧倒できるかってそうじゃないことも多いんですよね。
    ――実力が拮抗していると善戦や戦術をどう生かしてくるかっていうのが作用するわけですよね。
    シュウ これね、言いたかったんですけどね、アメリカの選手ってけっこうRIZINを見てるんですよ。関係者とかも見てますよ。
    ――へえー!
    シュウ たとえば、アルジャメインだって直樹くんの試合を見てますし。その中でみんなが「これは素晴らしい」と褒めてるのはPPV応援コードのシステムですよ。
    ――PPVやチケットの購入者が「どの選手をお目当てに購入したのか」を選択するやつですね。<RIZINの世界的認知度が高い理由とは?17000字インタビューは会員ページへ続く>

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 佐伯繁DEEP代表が「浜崎vs伊澤」と「シバターvs久保」と「長南亮」を語る

    2022-01-20 10:48  
    DEEP代表・佐伯繁インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)【関連記事】・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り
    ・ライフ・イズ・ビューティフル!! 扇久保博正“優勝記念”インタビュー
    ・大晦日に公開プロポーズされた女性はどんな気分なのか■オギちゃんの彼女さん
    ・伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」
    ――佐伯さんがお正月を箱根の温泉宿で過ごしたという湯けむり情報をキャッチしました。
    佐伯 なんかいろいろとあったみたいだけど、蚊帳の外だしね(苦笑)。1月下旬には石渡伸太郎選手の引退興行を手伝うし、DEEPも2月3月と大会は立て込むから、正月くらいしか休めないんだよね。
    ――まあ、お正月はゆっくり休むものですし。大晦日RIZINはDEEP勢が活躍しましたが、なんといっても伊澤星花選手が浜崎朱加選手をTKOするというビッグアップセットが……。
  • “すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太

    2022-01-19 13:58  
    150pt

    ストロングスタイル、Uスタイル、MMA、純プロレス……戦いのすべてを知り尽くした男、船木誠勝が語るシバターvs久保優太! 11000字でお届けします!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【GLEATなU】船木誠勝「2021年のUWF」14000字インタビュー
    ・【検証「1984年のUWF」】船木誠勝「それは全然違いますよ」
    ・なぜリデットはノアを救い、GLEATを立ち上げたのか■GREATな社長・鈴木裕之
    ・【リデットUWF批評】北岡悟「UWFって格闘技をちゃんとやってないとできなくないですか?」
    ――大晦日RIZINのシバターvs久保優太八百長疑惑騒動についてお伺いします。船木さんはこの試合をどのようなかたちでご覧になったんですか?
    船木 大晦日のあの日、会場にいました。とある関係者の方と一緒に客席から見てまして。結局、この試合自体がテレビの視聴率のために組まれたものですよね。この試合は別物というか、自分はすごく白けて見てましたよ。シバターさんが勝っても「また去年(HIROYA戦)と同じだな……」っていうふうに見てました。
    ――船木さんはまるで興味がなかったと。今回の騒動の全体像は把握されてますか?
    船木 試合前に2人が電話していたという話ですね。最初はシバターさんがインスタグラムでメッセージを送って、久保選手が返事をしてしまったんですよね。試合する同士がそんなやり取りをしてる時点でまずダメじゃないですか。いままでそういう話って聞いたことないです。ある意味、日本の格闘技界において歴史的な瞬間が起きてしまったような気がしますね。
    ――八百長の証拠らしきものが表に出てきてしまったわけですもんね。
    船木 RIZINって真剣勝負を謳ってるじゃないですか。リアルファイトの中でそういう打ち合わせがあったら、その時点でダメですよね。「リアルファイト(打ち合わせあり)って書いてればOKですけど。「話し合いしても真剣にやりますよ」ってことならばOKです。それがありなんであれば、みんなやればいいと思うんですよ。相手がどんな戦法で来るかわからない。事前の打ち合わせを信じる・信じないはあなた次第じゃなくても、そういうことが面倒くさい人はもう取り合わなければいいし。でも、そこまでしたらみんな試合を見ないですよね。
    ――みんなが求める真剣勝負の格闘技ではないし、本当に面白く見られるものかといえば、そうではないでしょうね。
    船木 自分はそういう試合にまったく興味ないです。最近は試合前の記者会見なんかで選手同士が言い合いするじゃないですか。ああいったやり取りも自分はあんまり信用してないですよね。だって試合が終わったら、健闘を称えてすぐに抱き合うじゃないですか。
    ――試合前の舌戦がなかったことになることは多いです。
    船木 こっちからすると「いままでのあの勢いはなんだったんだろう?」って不思議に思っちゃうんですよね。本当に罵倒してるんであれば、試合が終わっても諦めない。すぐに握手をしたり抱き合ったりはしないと思うんですよ。最近はあえて盛り上げようとして、そういう発言を選手たちがしてるような気がしますね。
    ――そういうトラッシュトークをやることが、プロとしての評価のひとつになっているところはありますね。
    船木 だったら、もっと徹底してほしいなと思いますね。わざとやってるっていうふうな感じになっちゃうので。
    ――単なるパフォーマンスになっちゃうという危惧ですね。
    船木 本当に怒ってるときもあると思うんですけれども。プロレスなんかとくにそうですけど、プロの戦いですから。対戦相手との口喧嘩は付きものですよね。それこそモハメド・アリなんかベラベラしゃべるじゃないですか。でも、アリの試合はリアルファイトですよね。
    ――しかもアリのトラッシュトークは一流でした。
    船木 いまは昔と違ってSNSの中でも選手同士が喧嘩するじゃないですか。そこは現代的だなって気します。昔であれば、パンクラスとリングスも口喧嘩がすごかったですけど。
    ――90年代の勃発した船木さんや鈴木みのるさんのパンクラスと、前田日明さん率いるリングスの“リング外”抗争ですね。
    船木 あの頃はSNSはなかったですから「相手がこんなことを言っていた」という情報は記者や関係者から伝わるんです。昔は雑誌や新聞くらいしか情報を知る手段はなかったですからね。で、それに対する感想を記者の人に伝えたら、前田さんがまたこう返してきたと。最終的に自分は、もうそのやりとりが面倒くさいんで絶縁したんです。
    ――船木さんのリングス絶縁宣言はそういう経緯なんですね。相手の言い分を聞くのもイヤだし、返すのもイヤだと。
    船木 はい。前田さんには「もうしゃべらないでくれ」と思ってましたから。新生UWFが解散して、リングス、Uインター、藤原組の3つに分かれて。自分はその藤原組から離れてパンクラスを始めたじゃないですか。別れたところとは関わりたくなかったですし、何かあったら自分がケツ拭かなきゃいけないですよね。自分の試合に集中したいんで絶縁して区切ったんですけども本当にイヤでした。でも、その当時、前田さんとは新幹線の駅で、ばったり会うことがあって。リングスとパンクラスはすごく仲の悪い状態だったんですけども、挨拶に行けば、前田さんはちゃんと普通に接してくれるんです。
    ――直接、顔を合わせるとじつは何も起きなかったりしますし、そこはまさしくプロとしての煽り合いだった一面もあったんですね。ただ、前田さんと安生(洋二)さんの因縁は修羅場に発展して。99年11月14日、東京ベイNKホールのUFC日本大会のバックステージで、安生さんが前田さんを後ろから殴って失神させるという。
    船木 ありましたね。安生さんは前田さんに対して怒ってましたから。安生さんが何かあったら前田さんをやってやるという噂は出回っていたんですよ。ただ、何か起こるにしても口喧嘩から始まると思ってたんです。バックステージで前田さんが何かインタビューを受けてる姿が見えて、それが終わったら揉めるのかなって構えていたら、安生さんはいきなりバーンと殴って。
    ――この件でよくパンクラスを交えた陰謀論的に語られがちですけど、各高校の不良が一堂に会することになったら事件が起きないわけがなかったんだろうなって。
    船木 自分としては2人が接触しないことがいちばんだったんですけどね。安生さんは前田さんと以前、揉めたときに「家族の前で制裁してやる」と言われたことが引っ掛かったと思うんですよ。
    ――リングスはUインターとも揉めてましたね。その件はUインター側が脅迫罪で訴えるということで前田さんがいったん謝罪したけど、サムライTVのパーティーで小競り合いがあったり。
    船木 いまも口喧嘩はあるのに、なんでこういったトラブルが起きないのかなっていえば、結局YouTubeの再生回数とかでお金が発生するじゃないですか。みんな、そこにわざと乗っかってる気がしますね。お互いにYouTubeありきでやり合ってるみたいな。
    ――ビジネスとしての喧嘩ですか。
    船木 YouTubeをやってる人は、なんにしろ、そっちの方向にくっつける。それですごいお金を稼いでるじゃないですか。だからその部分でちょっと麻痺してるような気がします。
    ――シバターvs久保はまさにネットで消費されれば救われるという行動原理が事件を複雑化させてるところがありますし……。
    船木 他の格闘家や関係者もYouTubeでこの件を語るじゃないですか。自分なんか、正直あの試合はまったく論外なんですよ。それで再生回数を稼ぎたいと思わない。
    ――こうやって取材があればしゃべるけども、ってことですね。
    船木 たぶんこの取材が最後だと思いますし、自分のYouTubeチャンネルのほうへ質問が来たら、それはそれで答えますけども。自分からは「あの試合はどうのこうの」って積極的に話す気持ちにはなれないですよね。ホントにバカバカしいというか。
    ――しかし、リングスvsパンクラスの時代にYouTubeがあったら大変なことになってましたね。
    船木 大変ですよ。それこそ前田さんなんか、カメラを持って殴り込みに行くんじゃないですか(笑)。
    ――逆にYouTubeでコラボすることで関係が修復したかもしれないですけど(笑)。
    船木 いまの時代、怒ったからといって殴り込みとかしないじゃないですか。会ったら即喧嘩という事件なんか起きないんで。だから永遠に口喧嘩がSNSで続くんじゃないですか。それはそれですごい時代なんですけど。
    ――清算するなら試合で決着を付けるしかないし、もしくは安生さんみたいに本当にやっちゃうしかわけですもんね。安生さんの場合、ヒクソンの道場破りまでやっちゃう人ですし。
    船木 安生さんみたいにやっちゃう人が出てきたら、それこそもっと大変なことになりますね。
    ――話を戻すと、今回のシバターvs久保はネットによって事件が広まるという現代的な展開ですよね。
    船木 両者の電話の音声が流出したりとか、すごい生々しい。
    ――昔から八百長疑惑のかかった試合はありましたけど、証言以外で証拠が出てきたケースってないですし。<11000字インタビューはまだまだ続く>

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」

    2022-01-18 14:26  
    150pt
    2月開催予定のRIZIN LANDMARK出場が決定した平本蓮インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から¥110から購入できるバックナンバー】・【謎】堀口恭司はなぜ立ってしまったのか■水垣偉弥
    ・「日本MMA100年に一度の悪夢」堀口恭司敗戦から見える歴史的意義
    ・DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー
    ・平本蓮は誰からも逃げてないです■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ――今日は1月6日の取材になりますが、平本選手が出場される次のRIZIN LANDMARKの対戦相手はまだ決まってないんですよね?
    平本 相手はまだですね。怪物くん(鈴木博昭)が萩原京平に勝ったら怪物くんになるのかなとは思っていたんですけどね。なんかナメられてるし、ちょうどいい相手かなと思って。
    ――鈴木選手は萩原選手に判定で負けちゃいましたね。
    平本 でも、大晦日RIZINのリングでLANDMARK出場を発表することはあらかじめ決まってて。とっさに萩原との再戦を提案したんですけど。
    ――B案もC案も相手の都合もあって消えてしまったとか。
    平本 まあ、相手は本当に誰でもいいかなっていう。相手云々より総合格闘技としての完成度が違ってきてるので、ホントみんなをビックリさせられると思うんですよね。
    ――アメリカ修行の手応えがあるわけですね。
    平本 そうですね。とにかくUFCまで突き抜けたいというか。究極の格闘技スタイルを作りたいし、そういった片鱗を今度の試合で見せれるんじゃないかなと思ってて。
    ――そのためにも今年は試合をどんどんやっていきたいんですよね。
    平本 総合はやっぱり試合で経験してモノにしていく部分があるんですけど、試合に近い激しいスパーリングができてれば、絶対に試合にも活かせるなって。そういう練習をやれてるので心境的に楽な部分はありますね。前は「今日の試合は最高の動きをしよう」とか「今日は自分史上最強の試合をしよう」とか思ってたんですけど、アメリカで練習をしていく中で自分にどんどん自信がついていって。「今日の自分をがんばろう」という意識が持てるというか、自分のすべてを今日、出し尽くしてがんばればいいかなって。そういう余裕を持てるようになった感じすね。
    ――海外で気付かされることがあったんですね。
    平本 そうですね、はい。
    ――修行先のルーファスポーツにあっという間にとけ込んじゃうところが平本選手らしいなと。
    平本 ハハハハハハハ。本当にすごいタイミングでルーファスポーツに行けたなという感じすね。
    ――ルーファスポーツ所属でベラトールバンタム級王者のセルジオ・ペティスが堀口恭司選手と対戦する前で。
    平本 アメリカに行く前とかペティスのセコンド付くなんて思ってなかったんで。ビックリしますね(笑)。
    ――以前の取材によれば、スパーリングを通じてペティスの信頼関係を得たってことですけど。
    平本 それもあるし、自分から他の選手に声かけて打撃を教えたんですよ。
    ――自分から積極的に?
    平本 はい。そうしないと英語を覚えないし、自分から話かけないとマジでもったいないなというか、ただの旅行と一緒になっちゃうなと思ったんで。自分から英語でコミュニケーションを取ろうと意識しましたね。「こうすれば威力が出る」「スピードが早くなる」とか。打撃ってなんとなく感覚で打ってる選手が多いんですけど、ボクの中では確信を持って打つフォームというか、やり方があって。その教え方が向こうの選手にはすごく伝わりやすかったみたいで。「俺にも教えてくれ、俺にも教えてくれ」みたいな。
    ――平本蓮レッスン大盛況ですか(笑)。
    平本 打撃の部分でサポートができたんですよ。そのかわりにレスリングを習ったときに「打撃を教えてもらったときの動きだよ」みたいな感じで。要は動きの中でいろんな競技に通じるものがあって、そういう部分でコミュニケーションが繋がりましたね。
    ――身体の使い方を言語化できる平本選手もすごいんですけど、言葉が違うのにちゃんと伝わるのも面白いですね。
    平本 はい(笑)。「ショルダー、クローズクローズ」とかシンプルな単語でわかりやすく説明してて。英語の文法にこだわらずに思いついた単語ボンボンしゃべってたんですけど。それがけっこう伝わりやすかったのかな。
    ――交流を経て“日本からのお客様”ではなくなったんですね。
    平本 行く前はアメリカで現実を突きつけられて心が折れそうになったりするのかな……と思ったんですよ。最初はたしかにキツかったですけど、絶対モノにしてやると思って。まぁ楽しかったし、ドMだからできることなんですけど(笑)。
    ――えっ、平本選手ってドMなんですか。
    平本 はい(笑)。
    ――SNSからはそう見えないですね。
    平本 いやあ、アンチとかに「見てろよ!」って燃えますよ(笑)。
    ――燃料になってるんですね(笑)。そのペティスに堀口戦のセコンドを頼まれたときは驚かれたんじゃないですか。
    平本 最初インスタでセルジオからメッセージが来て。コーナーナントカカントカって書いてあったんですけど、ちょっと理解できなかったんです。翻訳アプリを使っても意味がわかんなくて。でも、セコンドをお願いされたっぽいなとは思ってて。次の日、ジムで「昨日のあのメッセージは試合を観に来ること興味ないってことですか?」って感じで聞いたら「いやいや、よかったらセコンドについてほしい」って言われて。マジか!?って感じですよ。
    ――大役ですよね。
    平本 しかもちょっと前に知り合ったばかりなのに。でも、ESTAが90日間で本当ギリギリだったんです。12月5日にアメリカから出ないと不法滞在になっちゃうんで(苦笑)。
    ――セコンドしたおかげで不法滞在(笑)。
    平本 ギリギリだけど、セコンドは絶対にやりたかったから「ぜひやらせてください」って。
    ――そこからチームの一員としても堀口戦に取り組んだんですか?
    平本 いや、その前からボクがセルジオとスパーするときは伝統派のステップをやってあげていたというか。ボクも伝統派の動きができるんで、堀口選手のマネをして。
    ――ああ、仮想・堀口恭司に。
    平本 とにかく堀口選手の映像を見まくったんですよ。前からなんとなく戦い方はわかってたんですけど、あらためて。重心の持って行き方、パンチを打つときの頭がどこに置いてあるか……すべてを細かく見て。たとえば朝倉海戦で堀口選手はステップを踏んでなかったんですよ。そのやり方でも戦えるってことですけど、今回のセルジオ戦はステップを踏んでくるんだろうなと。
    ――だからステップを踏んでスパーをやって。
    平本 ボクはあんまりステップを踏まないで戦うんで、堀口選手スタイルはメチャクチャ疲れたんですよ(苦笑)。死ぬほど、しんどかったですね。
    ――やってみてわかる堀口恭司スタイルの厳しさ。
    平本 堀口選手のあの運動量はすごいです。だからこそ、あの動きを5ラウンドやり続けるのはキツイんだろうなって。ずっとランニングしながら戦ってるのと同じですよ、言っちゃえば。
    ――それは尋常じゃない運動量ですねぇ。
    平本 その圧倒的スピードがあるから、あのステップに相手は混乱してハマっていくんですけど。人間って相手の動きに付き合おうとすると、どんどん疲れてくるんですよ。それにああいうスピード感のある選手に1R目からスピード勝負しちゃうと交通事故が起きちゃうというか。やっぱりスピードで上回る堀口選手にバチーンと決められたりしちゃうんで。でも、2R目、3R目には目が慣れるから、それまで絶対に焦っちゃいけないってことは試合前に伝えられたかなって。動きが早いけど絶対に大丈夫だからと。
    ――たしかにセルジオはガマンの戦いでしたね。試合自体は3Rまではすべてセルジオが取られて。
    平本 けど、あと2Rもあるし、セルジオ元気で堀口選手は落ちてきてたんで、むしろ3Rまでは取られてはいるけれども、決めきれられてはいないし、だんだん反応できるようになっているな、動きが見えてきたのかな……とは思ってて。で、4R目に堀口選手けっこう距離は近かったし、セルジオにテイクを切られてるんですよ。これはチャンスだぞと。キックの試合を見ててもあるんですけど、そろそろどっちか倒れるなみたいな距離感になっていたというか。
    ――そういう距離感があるんですね。
    平本 はい、そんな距離感があるんですよ。もうKOが来るぞ、みたいな。それはどっちかがテンパってる展開ですよね。
    ――距離感がおかしくなっちゃう。
    平本 そうですね。これは来るかもなって思った瞬間、セルジオのバックブローが当たったというか。
    ――そこはステップで疲労している堀口選手がちょっと攻め手が欠けたところで距離感が狂ってしまったと。
    平本 そうです。だからといって、堀口選手のステップがよくないとかじゃなくて、それは堀口選手のスタイルだし、最大の強みですよね。逆にセルジオはずっと冷静に戦える強靭なメンタルがある。5分5Rの長丁場になれば、どこか穴を突ける一瞬があるんじゃないかと。セルジオが勝つとしたら、そういう感じなのかなとは思っていたので。
    ――セルジオは3Rまで堀口選手に封じ込められたのに、まだ戦える体力と精神力が残っていたのがすごいですね。
    平本 いやあ、堀口選手はすごかったですよね。あのレスリングや、上を取ってフタする戦い方とか。近くで試合を見てて「日本人だからとか関係ないんだよ」と言ってることは伝わったすよね。2人ともレベルが高いからこその凄みのある試合だったなと。
    ――平本選手は3Rのインターバルのときにセルジオに近づいてアドバイスされてたじゃないですか。あれは何を伝えたんですか?
    平本 まぁ……作戦になっちゃうんで。また堀口選手とはトーナメントでも当たるかもしれないですよね(笑)。
    ――シークレットということですね(笑)。セルジオの試合後のインスタ初投稿は平本選手への感謝だったので、平本選手の存在は大きかったってことですね。
    平本 けっこう貢献できたんじゃないかとは思います。伝統派のタイミングの取り方や、これをやっておけば安全だと対策を説明したときに、セルジオから「you are smart!」って言われて。セルジオも才能がすごいんで、教えるとすぐにできるんですよ。でも……「あぁ、俺も早く試合してーな」って思いましたね(笑)。
    ――やっぱり自分が戦いたいですよね。
    平本 次の試合を見れば、みんなビックリするだろうなっていう楽しみがあるんで。楽しみ度でいえば、明日が明るいんですよ。総合格闘技に転向して最初に負けて、キックのときでもあんなに「負けた……」って思うことってなかったんですけど。本当に「負けた」と思ったんですよ。「総合格闘技に負けた」って。
    ――精神的にもそこまで打ちのめされたんですね。
    平本 それから楽しかったんですよ、練習が。本当にいい1年だったなって。本当に毎日楽しくて努力できたというか。小学生の頃に戻ったように単純に格闘技だけを考えられて。もしあそこで勝っていたら、ここまで熱心にやれてないと思うんです。
    ――「これでいいや」とブレーキが勝手にかかってしまう。
    平本 ホントに。だけど、あの負けがあるからとどまりを知らないというか。ああいう思いをしたくないから、誰にも負けたくないというのがあるから、言い訳できないように本気で練習をやろうと思って。それでどんどんのめり込むように練習できたというか。一番速く感じた1年かもしれないです、人生の中で。
    ――またアメリカに戻るんですよね? 試合が終わったら。
    平本 試合が終わったら戻ります。ただオミクロン株で先がわからないんで日本での練習環境もしっかり整えようと。それは日本に戻る前から思ってたんで、新しい体制でやってみようかなと。
    ――日本ではどこへ練習に?
    平本 これは載せられるのかな。<11000字インタビューはまだまだ続く>

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 「AEWには、あるべき多様性が欠如していた」…プロレスとポリティカル・コレクトネス

    2022-01-15 17:14  
    110pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「プロレスとポリティカル・コレクトネス」です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・反同性愛デモ集団の目の前で、ボーイフレンドとキスを交わしたプロレスラー

    ・ファンがWWEスーパースターを番組中に襲った恐ろしい理由
    ・名前は前田日明、北斗晶、憧れは葛西純…デスマッチファイターAKIRA
    ・視聴率戦争から見えたAEWの厳しくも明るい“現実”
    昨年、CMパンクやブライアン・ダニエルソン(元ダニエル・ブライアン)らをはじめとする元WWE選手らが多く参戦したこともあって、WWEを脅かすほどの勢いを増してきAEWが、年末から年始にかけてポリコレ騒動で炎上した。
    ポリコレ(ポリティカル・コレクトネスの略)とは、性別や人種などにより差別、偏見をせず、政治的・社会的に公正中立であるという考え方や概念のことである。これまでAEWは、多様性を重んじており、ファミリー感覚のアットホームな雰囲気を持つプロレス団体として、ファンから受け入れられており、ポリコレ問題とは無縁でもあった。
    しかし、AEWを退団した黒人女子レスラーが、「AEWには、あるべき多様性が欠如していた」と糾弾する。これまでファンベースな姿勢で反感を買うことなく、多くの支持を得てきたAEWが一転、批判を浴びる。そして、それを受けたAEWオーナー兼社長のトニー・カーンの心ない返答が、火に油を注ぐこととなってしまい、さらに炎上したのだった。

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • ヒーロープロレス■渡辺宏志のインディ小話

    2022-01-13 17:00  
    110pt

    クラシックなファイトスタイルで己の道を突き進むHEAT-UP所属のプロレスラー、インタビュー第4弾。今回はヒーロープロレスについて!(聞き手/ジャン斉藤)1記事から購入できる渡辺宏志のインディ回顧録シリーズ
    ①プロレスの青春! 新日本プロレス学校の最後を見届けた男



    ②90年代インディお金の悪い話、いい話!!③高野拳磁とPWC伝説■渡辺宏志塾長④インディ世直しできなかったハナシ

    ――渡辺さんはウルトラマンロビンさんのSGP(スペシャリスト・グローバル・プロレスリング)に長らく所属してましたよね。
    渡辺 ボクがPWCから離れて、IWA格闘志塾さんのほうで試合を出させていただいてるときに、ロビン選手と一緒になる機会が多かったんですね。それで一緒にやっていくうちに「よかったらウチに所属してやらない?」と誘われまして。そこからロビン選手から今後の計画といいますか、こういうことを企画してやっていきたいんだって話をしていただいて。
    ――ロビンさんはどんな計画を練っていったんですか?
    渡辺 いまとなってはもうホント大きく風呂敷を広げたもんだなっていう感想ですけど、「ウルトラマンロビン・ワールドツアー」っていう企画でした。
    ――たしかに大風呂敷。
    渡辺 その第1弾、第2弾を名古屋と東京ですでにやってるんですよ。日本の外に出てやるのはいつだと思っていたら、1人でロサンゼルスのインディ団体で試合をしたりしてて。
    ――単独ワールドツアーではありますね(笑)。
    渡辺 そこから先が続かなかったんですよね。協力するっつったって、「何すればいいの?」っていう感じでしたけど。他には関東進出の機会をどんどん増やしていって、認知度を高めていきたいっていうこととか。
    ――SGPはロビンさんの地元・名古屋で興行をやられてましたけど、どれくらいのペースで大会をやられてたんですか。
    渡辺 SGPの自主興行自体は、もう年に1回あるかないかで。
    ――あ、そんなもんなんですか。
    渡辺 たとえば地元でのイベントに便乗して、そのイベント内のプロレスをSGPプレゼンツというかたちでやっていたり。マンモスフリーマーケットという、テレビ愛知さんが主催する大きなイベントが毎年ゴールデンウィークにあって。その中にSGPのブースを作っていただいて、2日間試合をする。だからフリーマーケットの入場者は皆さん無料でプロレスが見られるんです。で、完全に売り興行ですから、SGPが赤字を出すことはないって。
    ――なるほど! よくできてますね。
    渡辺 SGPはだいたいゴールデンウィークどきの試合がほとんどで、ヘタすると年にそれ1回だったりしたんですけど。あるときは名古屋テレビさん主催のイベントや、大手の玩具メーカーが主催した大きなイベントに招致されたりだとか。
    ――ウルトラマンロビンさんって円谷プロ公認だったじゃないですか。他のおもちゃメーカーとのコラボは問題なかったんですか。
    渡辺 そこは大丈夫だったみたいですね。ただ問題があったのが、マンモスフリーマーケットのときだったんですけど。円谷プロのゲストキャラクターとして、怪獣ブースカの着ぐるみを出したんです。でもブースカはその当時朝日新聞のCMに出てたもんですから、電通を通して朝日新聞からクレームが来ちゃったんですよ。
    ――電通やら朝日新聞が出張ってくる展開に!
    渡辺 結局ロビン選手が朝日新聞と話し合って「朝日新聞のブースカですよ」を強調することを条件に収まって。だから当時のブースカの着ぐるみは朝日新聞のたすきを掛けてたんです。
    ――ウルトラマンを名乗る許可を得たこともそうですけど、そこらへんを収めちゃうロビンさんはすごいですね。
    渡辺 そうですね。ただ、ウルトラマンを名乗るっていうのは、これはもう亡くなられたその当時の社長だった円谷皐さんとの口約束みたいなもので。社長の意向だからっていうことで公認が通っていたと。
    ――ロビンさんがラジオ番組にアテンドする仕事をしていたときに、円谷皐さんを呼んだんですけど。そこで「ウルトラマンになりたいんです」ってお願いしたら実現したと。そのとき一緒にいた社長お付きのマネージャーが「こんなこと絶対にありえないことです!」と念を押されたとか。そりゃそうですよね(笑)。
    渡辺 それでも初の公認を取ったわけですから、そこはすごいなと。メキシコから新日本に来日したウルトラマンは完全に無許可でしたから。
    ――初代タイガーマスクと戦ったウルトラマンですよね。
    渡辺 あの初来日のときに、ウルトラマンの着ぐるみがエスコートするようなかたちで入場するシーンがテレビでも映されて。当時のウルトラマンを放送していたTBSからもクレームが来て、しばらくウルトラマン来日できなかったっていう裏話がありましたけど。メキシコじゃ普通にウルトラマンも活躍してれば、ウルトラマンタロウも出てきましたからね(笑)。
    ――国境を越えれば関係のない時代ですね(笑)。
    渡辺 全日本プロレスで高杉正彦さんがやっていたウルトラセブンは公認ではないんですけど、許可は得たかたちだったんですよ。だから日テレの中継にも堂々と出てましたし。でも公認っていうかたちはロビン選手が初めてだったと。
    ――円谷の体制が変わったあとに使用料が設定されることになったけど、とても払える金額じゃないから認可が取り消されて。
    渡辺 ウルトラマンロビンのキャラクターは引き続き使い続けてもいいけど、いままでのようなウルトラマンの怪獣キャラクターを使うのは許可とお金がかかるよっていう。

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 大晦日に公開プロポーズされた女性はどんな気分なのか■オギちゃんの彼女さん

    2022-01-12 21:12  
    110pt
    大晦日RIZINのリングでバンタム級JAPAN GP優勝者・扇久保博正から公開プロポーズをされた細川京香さんに話を聞いてきました!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・【超新星大晦日到来】伊澤星花 「どうやって負けるんだろう?と思ってました」
    ・強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
    ・日本レスリング&MMAの功労者・木口宣昭先生を語ろう■朝日昇
    ・セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」
    ――前代未聞の公開プロポーズで、もう一躍時の人ですね!
    京香 いやあ、なんか奇跡的にそうしてもらえましたねえ(笑)。こんなこと誰でも経験できるわけじゃないんで、本当に凄い経験させてもらいました。
    ――なんと言っても、地上波生放送ですから。
    京香 自分の顔があんなに大きくモニターに映っちゃうなんて……。凄い世界にいるなあって感じでした。
    ――やっぱり、反響は凄かったですか?
    京香 友達からテレビ画面を撮った写真がめちゃめちゃ送られてきましたねえ。というか、見たことのない数字のコメントの量でした。「この人、誰だ?」というのもけっこうありましたし。
    ――ただ、どさくさの中でプロポーズの行方はいったいどうなったのか(笑)。扇久保選手がリング上でプロポーズされて、京香さんは両手を挙げられてましたけど、あれはOKということでよろしいんでしょうか?
    京香 一応、あの両手を挙げたあとにOKの「◯」のサインを送ろうと思ったんですよ。でも、なんかへんなタイミングで向こうが先に「ありがとう!」みたいな感じになってしまったので(苦笑)。スタッフさんからは、急に「下に降りましょう!」という感じで連れていかれるし、こっちもテンションがおかしくなってるし。もう、周りの人の声も聞こえなくなっちゃってたんで、ホントに舞い上がってましたね。
    ――リングに上がったとき、公開キスを拒絶していたのも印象的でした(笑)。
    京香 いやあ、だって3万人とかが見ている前ですることじゃないですよお。まだ、私がグラビアアイドルとか大女優とかだったら、「おー!」と祝福してくれるかもしれないですけど、そのへんに歩いている一般人ですからね。そんな人間が、みんなの前でそんなことをするもんじゃないです、はい。
    ――でも自覚ないかもしれないですけど、京香さんはRIZIN界隈では立派な有名人ですよ。
    京香 いやいやいや! もう、ただただ冷ややかな視線を浴びるのが怖かったです。でも、けっこうみんな「わー!」と祝福してくれてた感じだったので安心はしたんですけど……あれは、ほんっっっとうにイヤでした!
    ――あらら。
    京香 というか、それ付き合ったばっかりのときもけっこう揉めたんですよ。「人前でそういうことするのイヤだ」という話で。
    ――たしかにどうかしてますよね(笑)。
    京香 でも、向こうはなんか熱いんですよねえ。手をつないだり、肩組んで歩いたり、そういうのが普通という考え方の人みたいで。でも、私は人様にそんなのをお見せするのはダメなんですよね!
    ――まあ、いずれにしてもハッピーエンドということで! というか、優勝したらプロポーズしてくれるんじゃないかという予感はあったわけですよね? RIZIN CONFESSIONSでも扇久保選手はそれを宣言されていましたし。
    京香 うーん、言うとしたらココしかないだろうなという感じではありましたけど……、まさか本当にあんなリング上からプロポーズされるとは思わなかったので。それに、正直優勝するとも思ってなかったんですよね。
    ――え! 優勝すると思ってなかったんですか?(笑)。
    京香 いや、一番強いとは思ってたんですけど、試合前はもう井上直樹選手のことで頭がいっぱいだったので。家の中でもずーっと「井上、井上、井上、井上……」という感じだったんですよ。だから、これは相当な嫉妬心や過去の因縁があるんだな、と。そしたら、初戦で対戦できることになったので、これはもう井上選手に勝てればなんでもいいやみたいな。本人も「とにかく井上に勝つ!」という感じだったので、私も「わかった!」ということで応援も準決勝に全力を注ぎました。
    ――じゃあ、試合前の家の中ではずっと井上選手への敵愾心が渦巻いていて。
    京香 でも、私は彼のツラかった時期を知らないんですよ。それに、どこまで過去のことを聞いていいかも微妙だったというか。だから、ちょっとずつ聞いていこうかなと思っていたんですけど、彼のテンションがそういう感じだったので、試合も含め、プライベートも含め、過去にどんなことがあって井上選手に執着しているのか、いろいろ聞いていった感じです。
    ――準決勝の井上戦が決まったときは会見での発言も印象的でしたが、あれは煽りでもなんでもなく、本当に扇久保選手の本心だったということなんですね。
    京香 だから、井上選手に勝てればそれで満足という感じでした。
    ――そして本当に勝っちゃいました。
    京香 いや~~~! 本当に「神様ありがとう!」だし、井上選手の勝利を予想していた人たちに対しては「見たか!」です。
    ――事前の下馬評は相当不利でしたから。
    京香 そうなんですよ。でも、「なんも知らないくせに言ってんじゃねーぞ!」と。朝倉海選手との試合がすぐに終わらせられちゃったり、春日井“寒天”たけし選手との対戦も「つまんない」とか言われていて。その2試合の印象が強いのか、それだけで評価されていたので、私もめっちゃイヤだったんですよね。だから、こっちも見たくない情報は全部シャットアウトしてました。
    ――ただ、京香さんはツイッターをやっていらっしゃるから、そういう情報はけっこう飛び込んできますよね?
    京香 どんどん来ます。だからもう、ピンピンピンピンって全部ブロックです!
    ――頼もしいです(笑)。
    京香 でも、私としては「井上選手には勝ってくれるだろう」とは思ってました。そこはもう、確信に近い感じでしたね。
    ――1ラウンド目は井上選手のペースでしたけど、2ラウンド目からは扇久保選手が形勢逆転していきましたもんね。
    京香 だから、1ラウンド目は「こんなはずじゃない!」とホントにドキドキしてました。でも、1ラウンド目が終わったときの顔を見たら、井上選手はけっこうキツそうだったけど、彼は集中している感じだったんで「これはいける!」と思ってました。
    ――その準決勝で大勝利を収めたわけですが……、そっからメインイベントまで待機時間がまた長いから応援するほうも大変でしたね(苦笑)。
    京香 いやあ、キツかったです(笑)。外に出るのも寒いし、ローストビーフ丼とステーキ串を食べながら待ってました。でも、こっちのメンタルとしてもどういう気持ちで待ってたらいいのか……。
    ――ローストビーフ丼とステーキ串ではメンタルは補えないところですよね。実際、どういう気持ちだったんですか?
    京香 正直、私としては「おぎちゃんは一番の目的は果たしたから満足しているだろうな」と思っていました。なので、私も満足していたんですよ。そして、きっと彼も「決勝戦は負けてもいいや」という感じで捨て身でいくと思ってたんで、なんかこっちも開き直っていたかもしれないです。
    ――とはいえ、朝倉海選手は一度負けている因縁の相手です。
    京香 そうなんですよお。もう、あの試合は悔しすぎて……。悔しいというのも、すべてを出して負けたのであれば扇久保のほうが弱いと言われてもいいんですけど、コテンパンにやられたわけじゃなく、そのメンタル的な部分まで封じ込められたことが本当に悔しくて。「ウチのおぎちゃんになんてことしてくれたんだ!」と思ってましたから。当時はそれで引退するとか言いはじめちゃったりしたんですよ。
    ――そ、そうだったんですか!?
    京香 もう、心が折れちゃったんですよねえ。だから、それを近くで見ている私も凄くツラかったです。
    ――でも、その相手に全ラウンド上回っての完勝です。
    京香 めっちゃ最高でしたね。テイクダウンをとったときには「それだよ!」と。ただ、その前の試合にお兄さんの朝倉未来さんが試合をしていたじゃないですか。そのときに会場で“みくるコール”が起こりましたよね。
    ――ああ、ありましたね。
    京香 あれを聞いて「斎藤(裕)選手、大丈夫かな……?」と。斎藤選手はおぎちゃんと一緒に練習したこともあるので応援していたんですけど、もしもああいう感じで朝倉海コールが起こったら、おぎちゃんは大丈夫かな……って。
    ――心配だった。でも、会場の空気も扇久保選手を応援している雰囲気はありましたよね。
    京香 そう。だから本当によかったなって。優勝できて本当にうれしかったですし、本当に奇跡みたいな感じでした。
    ――そのトーナメントですが、扇久保選手はことあるごとに京香さんに「支えてもらっている」とおっしゃっていましたよね。
    京香 いやあ、どうなんでしょうか……?
    ――扇久保選手や京香さんのSNSを見ると、普段の食事も凄くいい感じで。
    京香 いやいやいやいや、そのへんは人並みです。本当に生きるために必要な食事をつくっているだけなので。
    ――そこは、栄養とかも含めてすべて京香さんが?
    京香 いえ、まったくです! というか、試合がない期間は彼が食材を指定してくれることのほうが多いんですよね。もう、私が口を出せるレベルの人じゃなく、全部自分で管理しているので。だから、私は食材に火を入れているだけですね。

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!

     
  • 笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り

    2022-01-12 05:49  
    150pt


    毎大会恒例! 笹原圭一RIZIN広報のインタビュー!!  今回は大混乱の大晦日を振り返ります!(聞き手/ジャン斉藤)

    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【RIZIN.31】勝つことでみんなを喜ばせる選手はたくさんいる。だけど…■笹原圭一
    ・朝倉未来のRIZIN LANDMARKと東三河弁■笹原圭一・【謎】堀口恭司はなぜ立ってしまったのか■水垣偉弥・絶望を破壊する拳・YA-MAN「皇治、ちょっとおかしいんじゃないの?」


    ――大晦日の心地の良い余韻に浸るまもなくシバターvs久保優太の八百長疑惑が騒ぎになりました。
    笹原 ……斉藤さん、私のこと疑っていましたよね?(笑)。
    ――何を言ってるんですか。ボクが笹原さんのことを疑ったことなんて……いや、よく考えたらけっこうありますねぇ。
    笹原 まぁでも、社長の動画の中での話しどおり、RIZINに八百長なんかないですし、笹原が裏で糸を引いて今回の騒動を引き起こしたなんてことは一切ないです。
    ――榊原さんのあの動画がRIZINのスタンスとはいえ、“渦中の人”となった笹原さんにお聞きしたいんですけど。そも今回の騒動のきっかけは、久保選手がLINEの履歴や音声データを第三者を使って公開したことから始まっていますよね。榊原さんの声明だと契約の中に不正試合に関する項目はあるそうですが、こういう選手間のやりとりをどう取り締まっていくつもりですか?
    笹原 取り締まるというか、契約書の中に新たな文言を加えて縛りを入れることもしますけど、基本的には選手を啓蒙していくしかないかなって思っています。
    ――今回のRIZINの対応は遅かったというか、いまの時代って、こういうトラブルが起こったとき時ってより迅速な対応が求められるじゃないですか。
    笹原 もちろんそういう側面があることも理解しています。ここまで時間がかかったのって、慎重に状況を見極めていたからです。この件って一歩間違えると泥沼にはまりかねないと思ったので、迷っていたというよりも、慎重になっていたってことです。
    ――結果的にはシバター選手にも、久保選手にもペナルティを課さないという結論でしたね。
    笹原 音声データを流出させることも、勝つためにウソをついて騙すこともそりゃよくないことですよ。でもだからといって、たとえば彼らを永久追放処分にしてなんの解決になるのかって思うんです。だって結局カードを組んだのは我々ですし、最終的に責任を取るのはどこまでいってもRIZINですから。
    ――笹原さんも八百長を企てた一味の関係者として叩かれてましたが。
    笹原 もう、自分がジョン・テンタのように「この八百長野郎!」って言われる日が来るなんて思っていなかったですよ(苦笑)。
    ――北尾光司vsジョン・テンタの説明は時間がかかるので音声流出の説明をお願いします!
    笹原 シバター選手と久保選手のやり取りの中で「これはRIZINの笹原さんも了解している」というシバター選手の音声が流出して、笹原が八百長に関与しているみたいなことで騒ぎになった。でも最終的にはシバター選手が「あれは全部ウソでした」と種明かししたという流れですよね。
    ――笹原さんからすると、釈明も何も勝手に疑って、勝手にやっぱりアイツは白だったって認定されて、どうすりゃいいんだ?って感じですか。
    笹原 自分自身に何か後ろめたいことがあるわけでもないですし、まぁ時間が経てば真実は明らかになるし、笹原叩きも飽きるだろって思ってました(笑)。ただですね、今回の件で本来であればもっと注目される優勝した扇久保選手はじめRIZINファイターには本当に申し訳けない、という言葉しかありません。
    ――2022年も波乱の幕開けという感じですね。
    笹原 まぁ今年もいろんなことがあると思いますが、頑張りますよ!
    ……というわけで、ここからは大会翌日1月1日に収録した大会総括インタビューをお送りします!
    ――大晦日のRIZINは本当に盛り上がりました。
    笹原 ここ1~2年のあいだはコロナの入場規制があったんですが、久しぶりに満員のお客さんを入れられたことが本当に嬉しかったですよね。しかもアウトレット席も用意して、それも完売ですから。
    ――いまはコロナの規制も解かれてフルでお客さんが入れられますけど、だからって簡単にはフルハウスにはできない状況ですからね。やっぱりコロナで会場観戦の習慣が薄くなって……。
    笹原 そうですね。観戦形態が変わりつつあるなかで、これだけ入れられたのはこの1年間で作りあげたRIZINの熱の賜物だと思います。
    ――あと気になるのは視聴率ですね。
    笹原  視聴率も昨年より上回っているという速報値は出てますね。
    ――それは安心しました。視聴率10%を獲ってほしいというわけではなく、視聴率が低いというだけで「面白くないからだ」って烙印を押してくる通りすがりが多いので。
    笹原 ある意味、視聴率って不毛というか本当に意味があるんだろうかって思うことはあるんです。ただ、そこに背を向けて「そんなの関係ねぇ!」って小島よしおみたいなことを言うのも違うと思いますし。
    ――なぜこのタイミングでいきなり小島よしおなのかはあえて突っ込みませんが、地上波で大会を放送しているRIZINとしては、そこと向き合わざるえないってことですよね。
    笹原 そうです。視聴率ってある意味世間の審判を受けていることじゃないですか。メジャーイベントと名乗る以上は、そこから逃げずに勝負するしかなくて、格闘技をあまり知らない人にも「RIZINって面白いね」と言ってもらえるようやり続けますよ。
    ――そこで第1試合の“カズ・ジュニア”こと三浦孝太は明るい未来を感じさせる勝利ですよね。そしてメインイベントは錦鯉……じゃなくてベテランの扇久保博正が優勝するという(笑)。
    笹原 ハハハハハハ。 今回のRIZINって入学式があって卒業式があって、最後に結婚式までありましたからね。人生のすべてが詰まっていました。
    ――三浦孝太選手の対戦相手YUSHI選手は、解説のケンコバさんいわく新宿が煮詰まっていましたし。
    笹原  YUSHI選手は本当に最高のキャラクターだと思いましたね。技術的にはまだまだですけど、ハートの強さ、あの振る舞いは誰でもできるもんじゃない。 今回がRIZIN デビュー戦ですけど、「RIZIN7戦目くらいですか?」って思う人がいても不思議じゃないです(笑)。
    ――「華とは何か」講座をやってほしいぐらいですね(笑)。
    笹原 孝太選手の相手はもともとはブラジル人ファイターを用意していたんです。
    ――お父さんの三浦知良さんが10代の頃にサッカー修行した思い出の地。
    笹原 イメージしていたのはすっごく凶暴なブラジル人選手で、孝太選手と対照的なキャラクターです。でも、コロナで入国できなかったことで日本人選手を探すことになったんですね。
    ――YUSHI選手はもはや外国人というか、ファンタジーの住人だから孝太選手が引き立ちましたね。試合もスイングしました。
    笹原 アマチュア経験がなくてケンカもしたことがない 19歳の若者がいきなり大舞台で殴り合いができるって、その舞台度胸はアッパレでした。
    ――テーマ曲が『男はつらいよ』のリミックスという時点で只者ではないですよ(笑)。
    笹原 入場曲に関しては三浦夫妻と、孝太選手を指導している宮田和幸さんたちとミーティングしたときに三浦カズさんが「サザエさんほどじゃないけど国民的な曲で入場して盛り上げますよ」と。ボクはこの話を聞いた時点で、絶対に『キャプテン翼』だと勝手に思い込んでいたんですよ(笑)。
    ――ハハハハハ! 「蝶々サンバ♪ ジグザグサンバ♪」の。
    笹原 そうです。なので佐藤大輔さんにも「三浦孝太の入場曲は絶対にキャプテン翼!間違いないですよ!」って大興奮して伝えてたんですけど、「男はつらいよ」でした(笑)。
    ――「奮闘~、努力のかいもなく♪」、ハズレ(笑)。
    笹原 「男はつらいよ」はもともとカズさんが好きで、その影響で孝太選手も好きになったみたいで。これは私の勝手な見立てですけど、今回のRIZIN参戦でカズさんと孝太選手ってむちゃくちゃ向き合って、おそらくプロとしてこうあるべきだ、という話もしていると思うんですよ。でも孝太選手が子供のときって、カズさんは現役バリバリのサッカー選手としてあちこちに飛び回っていたじゃないですか。
    ――まさに寅さんですね。
    笹原  カズさんはいまも現役のサッカー選手ですけど、今回の孝太選手の参戦をきっかけにもう一度。子育てをしていて、ボクには三浦家の再生物語としての一面も見えるんです。2人の好きな寅さんは家庭を作らなかったけど、家族の話ですよね。
    ――戦後経済発展を遂げる日本は核家族化が進みましたけど、監督の山田洋次は「男はつらいよ」を通して家族の関係性を描こうとしてましたね。2019年に22年ぶりの制作された『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、いまどきこんな家族像を描くのかって驚くほどの怪作で。
    笹原  ご両親はリングサイドで見るか、控室で見るのか、それとも自宅観戦にするか当初は迷っていたんです。とくにお母さんは自分の息子が殴られる姿なんか見たくないじゃないですか。すでも悩んだ末にリングサイドで見たら、あんな激勝ですから本当に嬉しかったと思いますよ。
    ――日本で最も有名なサッカー選手の息子が格闘技のデビュー戦でサッカーボールキックで勝つんですからね。
    笹原  サッカーボールで仕留めた瞬間、 運営本部で飛び上がるくらい喜んでカズダンスを踊りかけましたよ(笑)。もうありえないじゃないですか。
    ――残り時間わずかの決着で。ロスタイムの決着だった“ドーハの悲劇”の逆バージョンですよ!
    笹原 スタッフから「笹原さんがあんな大興奮している姿、初めて見ました」と言われましたし(笑)。でも試合前のリングチェックで、ちゃんとサッカーボールキックの練習をしていたんですよね。なので偶然出たとかじゃなくて、ちゃんとイメージしていたんですよね。

    この続きと、扇久保博正、平本蓮、船木誠勝、伊澤星花、齋藤彰俊、佐藤天……などの1月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事18本の詰め合わせセット」はコチラ
    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2077653
    この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!