-
【14万字・記事23本詰め合わせセット】吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN…
2021-12-31 23:59600pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part96大好評記事23本14万字で600円!!(税込み)
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
part96
◎平本蓮は誰からも逃げてないです■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
◎強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
◎日本レスリング&MMAの功労者・木口宣昭先生を語ろう■朝日昇
◎こじらせU系・第3弾!! 黒いパンツのプロレスラー中村大介「“UWFごっこ”にはしたくない」
◎【謎】堀口恭司はなぜ立ってしまったのか■水垣偉弥
◎「日本MMA100年に一度の悪夢」堀口恭司敗戦から見える歴史的意義
◎天心vs武尊ノーコメントの理由を推測する
◎斎藤裕vs朝倉未来「日本一心」な再戦
◎斎藤裕「お互いに万全ではないけど、いまの大変な状況だったら、やるしかない」
◎「皇治は俺たちのスーパースター♪」誕生秘話■アーティスト「強」インタビュー
◎絶望を破壊する拳・YA-MAN「皇治、ちょっとおかしいんじゃないの?」
◎【超新星大晦日到来】伊澤星花 「どうやって負けるんだろう?と思ってました」
◎天心vs武尊 きっと君は来ない ひときりのクリスマス・イブ
◎天心、武尊、五味、名高……大晦日のすれ違い人間交差点
◎【格闘技と視聴率講座】なぜカズジュニアは大晦日に出られるのか
◎牛久絢太郎vs神田コウヤは忖度判定だったのか?■DEEP代表・佐伯繁
◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
◎斎藤文彦INTERVIEWS
対抗戦?交流戦?新日本vsノアから見えてくる2022年
WWE番組放送終了が意味するもの
アイスリボンの選手大量退団■事情通Zの「プロレス 点と線」
反同性愛デモ集団の目の前で、ボーイフレンドとキスを交わしたプロレスラー
ファンがWWEスーパースターを番組中に襲った恐ろしい理由
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)
――大晦日前ということでいろいろと情報が錯綜してるんですけども。まず聞きたいのがシュウさんがマネジメントしている平本蓮選手が朝倉未来選手とハードな甘噛みを展開してまして。
シュウ ハハハハハ。格闘技ファンからも平本くんはイジメられちゃってますね。
――未来選手は平本蓮批判というよりは、煽ってるように見えるんですけどね。いつか実現するかもししれない平本戦をいまから。
シュウ ボクもそう思いますよ。ですから、平本くんのマネジメントとしては「話題にしていただいてありがとうございます!」という感じです。
――まあでもSNSって善悪を分けがちだから「1年も試合をしてないのに大口を叩いてる平本蓮はおかしい!」っていう風潮になっちゃうんですけど。
シュウ たしかに平本くんはデビュー戦で負けたあと試合してないですし、SNSでアクティブな部分がありますからアンチがいっぱいいるのはすごいわかるんですよ。さっきもRIZINの笹原さんとやり取りしたんですけど、「もしも井上直樹選手が平本くんみたいなSNSでアクティブだったら和製コナー・マクレガーになってましたね」と(笑)。
――マクレガー級のアクティブさ!
シュウ 平本くんの今後に関しては、言えることと言えないことがあるんですけど。まず平本くんが「対戦相手を選んでる」みたいなこと言われてますけど、それはまったくないですね。いままで打診レベルや正式オファーで断ったことは1回もないんですよ。
――なるほど。
シュウ 「周りの人が止めてるんじゃないか」みたいなことも言われてますけど、ある意味それはちょっと正しいです。ボクはやっぱりマネージャーですから、彼をしっかり育てないといけないと思ってるんで、いきなり経験のある選手とやるのはちょっと待ったほうがいいんじゃないかと。本人は全然ノーと言ったことないですね。平本蓮選手のファンに言いたいことは、常に短期プラン長期プランを考えてますから、長期プランってのは当然、彼は世界の最高峰を目指すわけですから。そこからブレてはいけないってことはボクがいっつも彼に言うことなんで。――どこの情報なんですかね、「相手を選びまくってる」っていうのは。
シュウ これはボク、思うんですよ。もしかしたら打診レベルで「平本くんとやるかもしれないよ」と声をかけられた選手がいるのかもしれないですね。
――いわゆるリストアップされたわけですね。
シュウ はい、団体側からしたらプランB、Cを用意するのはあたりまえなんで「これ、やる気はある?」ぐらいのことは選手側に聞くんですよね。ボクは選手のやりたいことを最優先しますけど、同時に団体さんにも必ず聞くのは「団体としての理想はどうですか?」「平本選手にどういう選手を当てたいですか?」と。それでいうとRIZINさんから提案いただいてるプランニングはボクらが考えてるのとほとんど一致してるんですよ。
――コメント欄には「いや、怪物くん(鈴木博昭)が平本戦のオファーがあったと言っていた」とありますけど、まさしくリストアップされたってことなんしょうね。それにあれは平本選手がアメリカに行くタイミングでしたから、どのみち試合ができるわけがないという。
シュウ もしかしたら対戦候補として名前が挙がったのかもしれないですけどね、主催者との会話の中で。
――基本的に打診とオファーの違いが理解されてない場合が多いですよね。候補としてリストアップされただけなのに「逃げられた!」とか。
シュウ そうなんですよね。打診と正式オファーの違いを理解してない選手は多いですね。けどね、これ、簡単な線引きの仕方があるんですよ。対戦相手と日にちとルールだけでなくて、ファイトマネーがいくらなのか、初参戦の選手なら1試合契約なのか複数試合契約なのか。そこまで具体的にすべての条件出ましたか?ここだと思うんです。それが出てなかったら、すべては打診です。ビジネスですから、そう考えるのが普通だと思っているんです。「試合をしたい!」といつでも思っている選手が多いですし、それがRIZINとなるとなおさらだと思うんです。だから早合点してしまうのもすごくわかるんですけど、ビジネス的に考えれば、そういうことなんですよね。ですから朝倉未来選手に対して「いつでもやってやるぞ」って言ってるから、それは朝倉未来ファンにとっては「そんな偉そうなこと言ってるなら早くやれよ」と言いたくなるのはわかるんですよ、すごく(笑)。だけどもプロだからね。いずれ朝倉未来選手とやるんでしたら、そのための準備が必要なんですよ。それは競技者としても、そしてプロモーター側からしてもプロアスリートからしても、タイミング、舞台、条件とかいろいろとあるんですよね。プロですから。そこらへんの街の喧嘩ではないんですよね。そう考えると、すぐやるもんでもないし、もったいないじゃないですか。やるんならもっとしっかりとPRと宣伝に時間をかけて、という見方もできると思いますし。みんなが見たい見たいと言ってくれてるんですから、どこかでは期待に応えるべきだし、RIZINさんも組みたい試合だとは思いますよね。
それをじつを言うと誰よりも理解しているのが未来選手なんじゃないか、とわたしは思っているんです。だからこそ、いまから平本くんに絡んでくれてるんだと思ってます。彼はそういう点では優秀なビジネスマンですね。そう私は考えてます。
――朝倉未来vs平本蓮って“金の大雨”が降るカードですからね。この配信でも「白川陸斗とやれ」というコメントがよく寄せられるんですけど、キャリアが全然違うから正直ありえないじゃないですか。それが仮にナンバーシリーズやLANDMARKのメインでやって“金の雨”が降るなら別ですけど。
シュウ それはわかります。今回の大晦日に出ないことに関しても、オミクロン株の影響で隔離期間がまた長くなったことが理由のひとつとしてあるんですね。白川選手に関しては、この記事の加筆・訂正をするにあたり、初めて彼のYouTubeを見たんですね。「大晦日に出れませんでした」という報告の動画でした。彼がその中でこう言ってたんです。「支持率、数字、話題性です」と。これ、すごく正しいと思うんです。ただ彼の言う「数字」とは何なのか?戦績なのか?果たしてYouTubeの登録者数とかTwitterのフォロワーの数なのか? プロなんだからどっちも大切と言えばそうでしょう。けど普通に考えて競技の世界で、勝率5割よりやや上の戦績しか残せていない選手が、ジムで「いや、けど俺のほうがフォロワーが多い」とか言っても、「は!?」という話になるじゃないですか。
――ツイッターのフォロワー数は目安にしかすぎないですよね。
シュウ やっぱりスポーツですからね。わたしは勝負師たちの世界であるべきだと思うんです。これ、前にも自分のブログで書いたことがあるんですけど、前にNBAのマジック・ジョンソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダンとチャールズ・バークレーとパトリック・ユーイングの5人が、ホテルの部屋でビール飲みながら雑談しているうちに「誰がベストのプレイヤーか?どこのチームがベストか?」という激しい討論になったそうなんです。そのときに、バードはバークレーとユーイングに「おまえらは(チャンピンシップ)リングを持ってないんだから」と一言も発言させてもらえなかったんですよ。
――ああ、そこは譲れない線なんですね。
シュウ この感覚は大切だと思うんです。白川選手は一部のファンには朝倉兄弟のバーターで入ったんだろ、と揶揄されているみたいですけど、たしかにDEEPでバンタムの大塚(隆史)選手に負けた後にRIZINに出たんで、そう思われても仕方ない部分はあると思うんです。けど彼はそのRIZIN初戦で萩原京平選手に負けたあとに、DEEPで1試合勝ってからまたRIZINに戻るという、いわゆる「正統的なルート」でカムバックを果たして、いまRIZINで3連勝中ですから。そこには自信を持って、あとはどの「数字」を気にするのか?どこを目指しているのか?永ちゃんがどんなに人気が出ようが本が売れようがCMや映画やドラマに出ようが、アーティストとして常に音楽性とライブパフォーマンスを何よりも重視してきたように、格闘家として、どこを一番重要視するのか?これを考えて頑張ってほしいと思いました。――話を平本選手に戻すと、外国人は入国禁止だから修行先のルーファスポーツの人間がセコンドにつけないのも大晦日に試合ができない理由のひとつで。
シュウ 以前この配信で、平本選手のアメリカでの練習場所候補は5ヵ所くらいあったという話をしたじゃないですか。そのときからボクはルーファスポーツが一番いいなと思ってて。その時点でルーファスポーツ所属のセルジオ・ペティスと堀口くんがベラトールでやることがだいたい決まってたんですよ。そのジムに平本くんが行くことで、何かしら話題にもなるなって考えてたんです。
――そこまで考えてたんですか!
シュウ 平本くんはアンソニー・ペティス選手にも憧れてるみたいな部分もあったし、セルジオと練習できるようになれば得るものは大きいですしね。ほかにもあそこのチームって、ストッツ選手みたいにガチガチのレスリングタイプもいるのに、会長のデュークが元キックの選手でもあるせいか、みんな普通に打撃もできるんですよ。これ平本選手も「あそこにいるプロ全員普通にK-1に出れますね」と言ってましたけど、そういう環境に行ってほしかったんです。そうすると、「なら、MMAの試合に勝つためにどうしたらいいのか?」だけを考えるようになるんですよね。日本人って真面目だから、総合格闘技なんだから、すべてできるようにならないといけないと考える人が多いと思うんですよね。それはいいと思いますし、正しい考え方なんですけど、それと同時に「ここ頑張っても無理だから、ここで勝負する」という考えも必要になると思うんですよね。
――どの領域で勝負するかってことですね。ジャンケンでいえばパーではチョキに絶対に勝てないけど、グーでは勝てる。
シュウ 要は大昔からレスリングをずーっとやってきた選手にレスリング勝負を挑んだって、それは無理があるじゃないですか。それなら他の部分で勝つことを考えないといけない。そうなったときに、やはり元キックの選手だったコーチのほうが平本選手に合うと思ったんですよね。それにデュークは元K-1の選手で兄貴は日本のK-1にも出ていた、ということは自分も日本で試合をしたかったという思いもある人ですし、日本の格闘技業界の良さもわかっている人なんですよね。そっちのほうがいろいろと平本選手に教えるときにモチベーションが上がると思いますし。
――実際に平本選手はセルジオのセコンドに抜擢されましたね。
シュウ 誤解しないでほしいのは、ボクはデュークに平本くんをセコンドにつけてくれなんて頼んだこと1回もないんですよ。セルジオから選んでくれたんです。やっぱりいい経験になるのでノーの選択肢はなかったですね。仮にセコンドにつけなかったとしても、ボクは平本くんを会場に誘うつもりだったんです。ああいう試合を肌で感じられる機会ってそんなにないですからね。
――平本選手とセルジオは想像以上の絆で結ばれてるみたいですね。
シュウ ボクはこう思うんですよ、ジムを選んだりしてセッテイングしたのはボクかもしれないけど、そんなのは0.1%くらいの力ですよ。やっぱりひとりでアメリカに乗り込んで現地で一生懸命頑張ったのは平本くん。99.9%は彼が築いたもの。だってあのセルジオを含め、ルーファスポーツの選手たちにも認められたんですから、そこは評価されることだと思うんですよね。あらためてあのチームにいる選手たちを見ていただければわかると思いますが、軽量級から中量級までいい選手が揃っているんです。たとえばUFCのコンテンダーズとかに出ている選手もいるんで、平本くんからしたら、そのあたりの選手と練習していく中で自分の実力も測れるんですよね。UFCに辿りつくためには、自分はあと何をやらないといけないのか、とかも。平本くんはそういったことが感覚的にわかることができる人間だと思うんで。
――短期間で認めてもらったのはすごいですね。
セルジオ・ペティスが平本蓮のセコンドで来日平本蓮がベラトール参戦!?木村ミノルのドーピング疑惑騒動の見解堀口恭司はしばらく休むべきか……13000字インタビューは会員ページへ続く!
-
平本蓮は誰からも逃げてないです■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
2021-12-28 20:51110pt
多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)
【1記事100円から購入できる過去記事】・【16000字】朝倉未来、平良達郎はUFCと契約できるのか
・マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題
・【仮想通貨詐欺】なぜ私はTDTのスポンサーオファーを断ったのか
・修斗はローカルなのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
――大晦日前ということでいろいろと情報が錯綜してるんですけども。まず聞きたいのがシュウさんがマネジメントしている平本蓮選手が朝倉未来選手とハードな甘噛みを展開してまして。
シュウ ハハハハハ。格闘技ファンからも平本くんはイジメられちゃってますね。
――未来選手は平本蓮批判というよりは、煽ってるように見えるんですけどね。いつか実現するかもししれない平本戦をいまから。
シュウ ボクもそう思いますよ。ですから、平本くんのマネジメントとしては「話題にしていただいてありがとうございます!」という感じです。
――まあでもSNSって善悪を分けがちだから「1年も試合をしてないのに大口を叩いてる平本蓮はおかしい!」っていう風潮になっちゃうんですけど。
シュウ たしかに平本くんはデビュー戦で負けたあと試合してないですし、SNSでアクティブな部分がありますからアンチがいっぱいいるのはすごいわかるんですよ。さっきもRIZINの笹原さんとやり取りしたんですけど、「もしも井上直樹選手が平本くんみたいなSNSでアクティブだったら和製コナー・マクレガーになってましたね」と(笑)。
――マクレガー級のアクティブさ!
シュウ 平本くんの今後に関しては、言えることと言えないことがあるんですけど。まず平本くんが「対戦相手を選んでる」みたいなこと言われてますけど、それはまったくないですね。いままで打診レベルや正式オファーで断ったことは1回もないんですよ。
――なるほど。
シュウ 「周りの人が止めてるんじゃないか」みたいなことも言われてますけど、ある意味それはちょっと正しいです。ボクはやっぱりマネージャーですから、彼をしっかり育てないといけないと思ってるんで、いきなり経験のある選手とやるのはちょっと待ったほうがいいんじゃないかと。本人は全然ノーと言ったことないですね。平本蓮選手のファンに言いたいことは、常に短期プラン長期プランを考えてますから、長期プランってのは当然、彼は世界の最高峰を目指すわけですから。そこからブレてはいけないってことはボクがいっつも彼に言うことなんで。――どこの情報なんですかね、「相手を選びまくってる」っていうのは。
シュウ これはボク、思うんですよ。もしかしたら打診レベルで「平本くんとやるかもしれないよ」と声をかけられた選手がいるのかもしれないですね。
――いわゆるリストアップされたわけですね。
シュウ はい、団体側からしたらプランB、Cを用意するのはあたりまえなんで「これ、やる気はある?」ぐらいのことは選手側に聞くんですよね。ボクは選手のやりたいことを最優先しますけど、同時に団体さんにも必ず聞くのは「団体としての理想はどうですか?」「平本選手にどういう選手を当てたいですか?」と。それでいうとRIZINさんから提案いただいてるプランニングはボクらが考えてるのとほとんど一致してるんですよ。
――コメント欄には「いや、怪物くん(鈴木博昭)が平本戦のオファーがあったと言っていた」とありますけど、まさしくリストアップされたってことなんしょうね。それにあれは平本選手がアメリカに行くタイミングでしたから、どのみち試合ができるわけがないという。
シュウ もしかしたら対戦候補として名前が挙がったのかもしれないですけどね、主催者との会話の中で。
――基本的に打診とオファーの違いが理解されてない場合が多いですよね。候補としてリストアップされただけなのに「逃げられた!」とか。
シュウ そうなんですよね。打診と正式オファーの違いを理解してない選手は多いですね。けどね、これ、簡単な線引きの仕方があるんですよ。対戦相手と日にちとルールだけでなくて、ファイトマネーがいくらなのか、初参戦の選手なら1試合契約なのか複数試合契約なのか。そこまで具体的にすべての条件出ましたか?ここだと思うんです。それが出てなかったら、すべては打診です。ビジネスですから、そう考えるのが普通だと思っているんです。「試合をしたい!」といつでも思っている選手が多いですし、それがRIZINとなるとなおさらだと思うんです。だから早合点してしまうのもすごくわかるんですけど、ビジネス的に考えれば、そういうことなんですよね。ですから朝倉未来選手に対して「いつでもやってやるぞ」って言ってるから、それは朝倉未来ファンにとっては「そんな偉そうなこと言ってるなら早くやれよ」と言いたくなるのはわかるんですよ、すごく(笑)。だけどもプロだからね。いずれ朝倉未来選手とやるんでしたら、そのための準備が必要なんですよ。それは競技者としても、そしてプロモーター側からしてもプロアスリートからしても、タイミング、舞台、条件とかいろいろとあるんですよね。プロですから。そこらへんの街の喧嘩ではないんですよね。そう考えると、すぐやるもんでもないし、もったいないじゃないですか。やるんならもっとしっかりとPRと宣伝に時間をかけて、という見方もできると思いますし。みんなが見たい見たいと言ってくれてるんですから、どこかでは期待に応えるべきだし、RIZINさんも組みたい試合だとは思いますよね。
それをじつを言うと誰よりも理解しているのが未来選手なんじゃないか、とわたしは思っているんです。だからこそ、いまから平本くんに絡んでくれてるんだと思ってます。彼はそういう点では優秀なビジネスマンですね。そう私は考えてます。
――朝倉未来vs平本蓮って“金の大雨”が降るカードですからね。この配信でも「白川陸斗とやれ」というコメントがよく寄せられるんですけど、キャリアが全然違うから正直ありえないじゃないですか。それが仮にナンバーシリーズやLANDMARKのメインでやって“金の雨”が降るなら別ですけど。
シュウ それはわかります。今回の大晦日に出ないことに関しても、オミクロン株の影響で隔離期間がまた長くなったことが理由のひとつとしてあるんですね。白川選手に関しては、この記事の加筆・訂正をするにあたり、初めて彼のYouTubeを見たんですね。「大晦日に出れませんでした」という報告の動画でした。彼がその中でこう言ってたんです。「支持率、数字、話題性です」と。これ、すごく正しいと思うんです。ただ彼の言う「数字」とは何なのか?戦績なのか?果たしてYouTubeの登録者数とかTwitterのフォロワーの数なのか? プロなんだからどっちも大切と言えばそうでしょう。けど普通に考えて競技の世界で、勝率5割よりやや上の戦績しか残せていない選手が、ジムで「いや、けど俺のほうがフォロワーが多い」とか言っても、「は!?」という話になるじゃないですか。
――ツイッターのフォロワー数は目安にしかすぎないですよね。
シュウ やっぱりスポーツですからね。わたしは勝負師たちの世界であるべきだと思うんです。これ、前にも自分のブログで書いたことがあるんですけど、前にNBAのマジック・ジョンソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダンとチャールズ・バークレーとパトリック・ユーイングの5人が、ホテルの部屋でビール飲みながら雑談しているうちに「誰がベストのプレイヤーか?どこのチームがベストか?」という激しい討論になったそうなんです。そのときに、バードはバークレーとユーイングに「おまえらは(チャンピンシップ)リングを持ってないんだから」と一言も発言させてもらえなかったんですよ。
――ああ、そこは譲れない線なんですね。
シュウ この感覚は大切だと思うんです。白川選手は一部のファンには朝倉兄弟のバーターで入ったんだろ、と揶揄されているみたいですけど、たしかにDEEPでバンタムの大塚(隆史)選手に負けた後にRIZINに出たんで、そう思われても仕方ない部分はあると思うんです。けど彼はそのRIZIN初戦で萩原京平選手に負けたあとに、DEEPで1試合勝ってからまたRIZINに戻るという、いわゆる「正統的なルート」でカムバックを果たして、いまRIZINで3連勝中ですから。そこには自信を持って、あとはどの「数字」を気にするのか?どこを目指しているのか?永ちゃんがどんなに人気が出ようが本が売れようがCMや映画やドラマに出ようが、アーティストとして常に音楽性とライブパフォーマンスを何よりも重視してきたように、格闘家として、どこを一番重要視するのか?これを考えて頑張ってほしいと思いました。――話を平本選手に戻すと、外国人は入国禁止だから修行先のルーファスポーツの人間がセコンドにつけないのも大晦日に試合ができない理由のひとつで。
シュウ 以前この配信で、平本選手のアメリカでの練習場所候補は5ヵ所くらいあったという話をしたじゃないですか。そのときからボクはルーファスポーツが一番いいなと思ってて。その時点でルーファスポーツ所属のセルジオ・ペティスと堀口くんがベラトールでやることがだいたい決まってたんですよ。そのジムに平本くんが行くことで、何かしら話題にもなるなって考えてたんです。
――そこまで考えてたんですか!
シュウ 平本くんはアンソニー・ペティス選手にも憧れてるみたいな部分もあったし、セルジオと練習できるようになれば得るものは大きいですしね。ほかにもあそこのチームって、ストッツ選手みたいにガチガチのレスリングタイプもいるのに、会長のデュークが元キックの選手でもあるせいか、みんな普通に打撃もできるんですよ。これ平本選手も「あそこにいるプロ全員普通にK-1に出れますね」と言ってましたけど、そういう環境に行ってほしかったんです。そうすると、「なら、MMAの試合に勝つためにどうしたらいいのか?」だけを考えるようになるんですよね。日本人って真面目だから、総合格闘技なんだから、すべてできるようにならないといけないと考える人が多いと思うんですよね。それはいいと思いますし、正しい考え方なんですけど、それと同時に「ここ頑張っても無理だから、ここで勝負する」という考えも必要になると思うんですよね。
――どの領域で勝負するかってことですね。ジャンケンでいえばパーではチョキに絶対に勝てないけど、グーでは勝てる。
シュウ 要は大昔からレスリングをずーっとやってきた選手にレスリング勝負を挑んだって、それは無理があるじゃないですか。それなら他の部分で勝つことを考えないといけない。そうなったときに、やはり元キックの選手だったコーチのほうが平本選手に合うと思ったんですよね。それにデュークは元K-1の選手で兄貴は日本のK-1にも出ていた、ということは自分も日本で試合をしたかったという思いもある人ですし、日本の格闘技業界の良さもわかっている人なんですよね。そっちのほうがいろいろと平本選手に教えるときにモチベーションが上がると思いますし。
――実際に平本選手はセルジオのセコンドに抜擢されましたね。
シュウ 誤解しないでほしいのは、ボクはデュークに平本くんをセコンドにつけてくれなんて頼んだこと1回もないんですよ。セルジオから選んでくれたんです。やっぱりいい経験になるのでノーの選択肢はなかったですね。仮にセコンドにつけなかったとしても、ボクは平本くんを会場に誘うつもりだったんです。ああいう試合を肌で感じられる機会ってそんなにないですからね。
――平本選手とセルジオは想像以上の絆で結ばれてるみたいですね。
シュウ ボクはこう思うんですよ、ジムを選んだりしてセッテイングしたのはボクかもしれないけど、そんなのは0.1%くらいの力ですよ。やっぱりひとりでアメリカに乗り込んで現地で一生懸命頑張ったのは平本くん。99.9%は彼が築いたもの。だってあのセルジオを含め、ルーファスポーツの選手たちにも認められたんですから、そこは評価されることだと思うんですよね。あらためてあのチームにいる選手たちを見ていただければわかると思いますが、軽量級から中量級までいい選手が揃っているんです。たとえばUFCのコンテンダーズとかに出ている選手もいるんで、平本くんからしたら、そのあたりの選手と練習していく中で自分の実力も測れるんですよね。UFCに辿りつくためには、自分はあと何をやらないといけないのか、とかも。平本くんはそういったことが感覚的にわかることができる人間だと思うんで。
――短期間で認めてもらったのはすごいですね。
セルジオ・ペティスが平本蓮のセコンドで来日平本蓮がベラトール参戦!?木村ミノルのドーピング疑惑騒動の見解堀口恭司はしばらく休むべきか……13000字インタビューはまだま続く!
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
天心、武尊、五味、名高……大晦日のすれ違い人間交差点
2021-12-26 21:36110ptこの記事は那須川天心vs五味隆典を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
・セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」
・【RIZIN.31】勝つことでみんなを喜ばせる選手はたくさんいる。だけど…■笹原圭一
・DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー
吉成名高選手とRIZINのトラブルってクレベル・コイケ問題と同じで、どっちがいい悪いの話ではないと捉えてるんですよね。 RIZINの主張はもっともだし、名高選手の言い分もおかしくはない。 RIZINからすれば「なんのためにここまでやってきたの?」ってことだし、条件にこだわる名高選手も間違ってはいない。そして那須川天心は圧倒的なAサイドなので名高選手の条件を飲むわけがない。そのすり合わせ作業である交渉が実を結ばなかっただけで。
で・す・け・れ・ど・も。ここまで両陣営が険悪になる話ではないと思うんですよね。条件云々の衝突、ディスコミュニケーションによる交渉決裂なんて、そこらへんにいくつも転がってる話で。そのたびにこうやって揉めるわけじゃないですよね。だからホントに不思議で。もしかしたら、まだ表に出てない話があるのか……。
12月上旬に行われたRIZINと名高選手の交渉は、彼が所属するエイワスポーツジムの中川会長は不在。RIZIN側にとっては初対面となる名高サイドのマネジメントが姿を現したしたそうです。株式会社グッドチョイスエンタテインメント、PaniCrew YOHEY氏。音楽系の事務所。土壇場も土壇場でRIZINと名高サイドはどんな話し合いが行なわれたのか。
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
天心vs武尊 きっと君は来ない ひときりのクリスマス・イブ
2021-12-26 21:29
(C)K-1 この記事は那須川天心vs武尊を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・瀧澤謙太「朝倉海くんには打撃で倒せるイメージしかない」
・朝倉未来のRIZIN LANDMARKと東三河弁■笹原圭一
・なぜ「皇治は俺たちのスーパースター」なのか■宮田充
・「いい人」佐々木健介が嫌われる“正直スマンかった”理由■松澤チョロの脱線プロレス
ヒマで持てない格闘技ファンの皆さん、クリスマスイブ聖なる夜の配信にお集まりいただきありがとうございます。……といっても、クリスマス・イブがロマンチックなのは10代20代前半くらいですよ。安心してください。落ち込まないでください。どちらかというと家庭持ちの方がクリスマスは大変ですよね。パーティーに頑張ったり、子供のためにサンタクロースに扮装したり。
ちょっと前にPPVの価格問題で学 -
【全文】榊原信行「名高選手への言い回しが感情的になりすぎた」
2021-12-26 20:52RIZIN CEO榊原信行氏がRIZIN事前特番「RIZIN.33」アオらナイトの中で、吉成名高との交渉決裂騒動について再び言及した。以下、言及箇所全文。
会見でお伝えしたとおりはであるんですけど、まずちょっと冒頭でボクの言い回しが感情的になりすぎちゃって、補足説明というか。名高選手とか名高選手の関係者が見てるかどうかはあれですけど。
決して名高選手のことを揶揄してるわけではなくて、RIZINに出てきてくれる前からもうムエタイの天才、ラジャダムナンとルンピニーの2つのチャンピオンを獲って。打倒・那須川天心を掲げていくのが名高選手のひとつのテーマで。そういうところも含めて、ボク自身の力不足を含めて、感情的な表現も多くて、少し言い過ぎたのかな、みんながイヤな思いをされたのであれば、この場を借りてきちっとお詫びしたいと思うし。
ただ、表現が間違ったところ、荒っぽくなったところはあるかもしれないで -
絶望を破壊する拳・YA-MAN「皇治、ちょっとおかしいんじゃないの?」
2021-12-23 17:26110ptRISE2021ブレイクファイターのYA-MANがRIZIN大晦日に参戦!対戦相手は皇治だ!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー
・【16000字】朝倉未来、平良達郎はUFCと契約できるのか■シュウ・ヒラタ
・なぜ「皇治は俺たちのスーパースター」なのか■宮田充
・RIZIN女子格新風!! 大島沙緒里の寝技はこうして磨かれた■1万字インタビュー
――YA-MAN選手はRIZIN初参戦ですが、主戦場のRISEの記者会見とは何か違いがありましたか?
YA-MAN RISEの会見では最初にフェイス・トゥ・フェイスから始まって、そのあとにお互いのコメントという感じですけど、今回は両者一緒に入場だったので。そこはいつもと違うなあというのはありました。
――その違いぐらいで、とくに緊張もしなかったと。
YA-MAN 緊張って、自分はあんまりしたことがないですから。試合のときも緊張はしないですし。唯一緊張するのは計量のときですね。体重計に乗る前が一番緊張します。
――「計量オーバーしたらどうしよう……」と。
YA-MAN そうそう。でも、そこが終わったらもう全然。
――今回の試合は大晦日に行なわれるということで、注目度がかなり高い試合になりますね。
YA-MAN まあ、そこもあんまり気にしないっす。本当に自分が自分の仕事をやるだけなので。いい試合をしさえすれば盛り上がってくれるじゃないですか。だから、自分はただ面白い試合をするだけですね。たぶん、緊張する人ってみんな勝ちたいからじゃないですか?
――たしかにそうですけど、YA-MAN選手は勝ちたくないんですか?
YA-MAN 自分の場合は関係ないっすね。みんな「負けたらどうしよう」「いままでやってきたことが全部崩されちゃう」とか、そういう不安を抱えながら戦うから緊張すると思うんですけど。自分は勝ち負けよりも面白い試合をしたいというのが一番なんで。負けても派手に散ればいいや!みたいな。
――もとからそういう考え方なんですかね。
YA-MAN いや、最初からじゃないですよ。そう思うようになったのは、今年の2月にRISEの横浜アリーナ大会で戦ったのがきっかけですね。
――つい最近じゃないですか!
YA-MAN そうですね(笑)。ああいう大きい舞台は初めてだったんですけど、そこで負けて3敗目を喫してしまったんですよ。自分はプロデビューをしたときに「3敗したら引退しよう」と決めていたんですけど。それでも「キックは楽しいから続けたいなあ……」と思っていたら、RISEのオープンフィンガーマッチの話がきたんですよね。
――RISE初の試みとなった、山口侑馬とのオープンフィンガーマッチですね。
YA-MAN そこで「もう、ここで結果を残せなかったらやめよう」と。ただ、その結果というのは勝ち負けではなくて。面白い試合をしようと思って戦ったら、そこでいい試合ができたんですよね。
――何かが吹っ切れたうえにKO勝ちしたという。©RISE
YA-MAN だから、やっぱり負けにビビったらダメだな、と。そこからです。負けてもいいから倒しにいく、というのを意識するようになったのは。
――そこからの躍進が凄いですもんね。北井智大を1RKO、そして大方の予想を覆して中村寛に判定勝ち。半年足らずで大晦日に抜擢されるほどの存在になりましたけど、本人としてもそういう飛躍の実感はあります?
YA-MAN まあ……、あります(笑)。というか、自分はそんなにないんですけど、周りが変わったっすよね。
――それはチヤホヤしてくれるから?
YA-MAN それもありますし、渋谷とか歩いてたら「この前の試合観ました」とか。
――ああ、知らない人からも声をかけられるように。
YA-MAN 後楽園の会場に試合を観に行っても「一緒に写真撮ってください」とか。だから、自分はそんなに変わったつもりはないんですけど、周りですよね。
――本人が浮き足立ってるわけでもなく。
YA-MAN 浮き足立ってる……? 浮き足立ってはないと思うんですけど……会長、どう思いますか?
宮城大樹(TARGET SHIBUYA会長) まあ、ちょっとね(笑)。
YA-MAN 浮き足立ってるみたいです(笑)。
――いや、天狗になるぐらいじゃないと面白くないですよ(笑)。でも、こうやって一気にブレイクしていくというのは面白いですよね。RIZINの榊原さんも会見で「キックの試合を観ても食指が動く選手は全然いないけど、YA-MAN選手は自信を持って送り込める」という感じでしたし。
YA-MAN そこは本当にRISEのおかげです。RISEが新しい取り組みをスタートして、そこにピックアップしていただいたからこそ“いま”があるので。
――そんな中で、今回RIZIN参戦のオファーが来たときはどう思いました?
YA-MAN 皇治が沖縄大会のときに自分の名前を出してたんで、「これはあるかもしれない」とは思っていましたけど。それからオファーはなかったので……。
――もう試合はないだろうと。
YA-MAN さすがに2週間前にオファーがなかったら試合はないかなと思っていたんですけど……実際は大会まで2週間を切りそうだったので「もうないわ」と思ってめっちゃラーメン食ってたら、急遽オファーが来たんですよね(笑)。
――ハハハハハハ! 対戦が決まった皇治選手は、シバター戦のことでゴチャゴチャしていたじゃないですか。あの劇場はどうご覧になってたんですか?
YA-MAN まあオファーがあったわけではないので、全然気にしてなかったです。実際に今回の話が来たときに「じつは、皇治選手はシバター戦のことでいろいろあって……」という話を聞いても「あ、そうなんだ」というぐらいですね。
――じゃあ、話がきたときは即答というか。
YA-MAN はい。そこは会長からはいつでも戦える姿勢を作っておくように言われているんですよ。一度、3週間前にオファーをもらったことがあったんですけど「体重が無理です」ということで断ったんですよね。そこでけっこう怒られて(苦笑)。
――プロとはいつなんどき戦うべきだと。
YA-MAN そうですね。この前、RISEの宮﨑小雪選手が急遽参戦したことがあったんですけど、会長からは「オマエ、あれがプロってヤツだよ。2週間前のオファーでも試合ができるのがプロだから」と。なので、急なオファーでも試合ができるように準備はしています。そうしたら、こういうオファーがきたので、それはもうやるしかないですよね。
――ちなみに、12月17日にもRIZINのカード発表記者会見がありましたけど、じつは皇治vsYA-MANもそのタイミングで発表されるとうかがっていました。それが皇治選手とシバターの騒動の余波を受けて延期になって、12月21日の発表になりましたけど、それについてはどう思われました?
YA-MAN いやマジ、ムカつきました!
――というか、17日は会見場にも来られていたんですよね?
YA-MAN 来てましたよ! 朝10時半集合だったんで、朝めっちゃ早く起きて髪の毛を切りに行って。
――あ、そういう準備も。
YA-MAN 試合が決まったのがその前日で、次の日が会見だったんですよね。だから、専属のスタイリストさんに連絡して無理やり「明日、朝からお願いできないですか?」と。それで髪も切ってもらったのに……。だから、周りの人たちにマジで申し訳なくて。だから、本当にムカつきました。
――そのあとに「コウジもシバターも格闘家じゃないからしょうがないか」とツイートしていたのは、その怒りもあって。
YA-MAN なんだろう、本当にあの人たちは全部自分ら都合じゃないですか。それに関してマジでムカつきましたから。
――でも、そんな裏事情をバラすこともないギリギリのツイートだったんで、凄く大人だなと思いました(笑)。
YA-MAN ああ。そこは、ふたりの件があったばっかりだったし、皇治戦がなくなったわけではないので、変に公開しないでくれと言われてたんで。だから、ギリギリというか、自分が思っていることを遠回しに伝えたという感じですかね。
――よけいなことを言うと、試合が壊れちゃうかもしれないですからね。
YA-MAN 本当にそういう可能性もあったので。そこを回避するために試合のことは触れないように発言をしていこうかなと思ってました。
――そういう怒りもありながら、会見では皇治選手をリスペクトする姿勢も垣間見えた気がします。
YA-MAN まあ、皇治がキックボクシング業界を盛り上げたというのは間違いないと思っていて。そこに関してはスゲえなと思ってますから。昔、武尊選手と試合したときなんかは、強者に立ち向かう勇気とか、挑戦する気持ちとか、たしかに試合で感じるものがあったので。でも、最近はもう成り上がっちゃったのかなって。これ以上、上を目指さなくていいのかなというのを感じたので、本当に自分が思ったことを言っただけですね。
――最近は大げさに煽る選手が多いですけど、YA-MAN選手の発言は素直な煽りでいいなあ、と。
YA-MAN それって、ファンのみんなが思っていることを言ったからだと思うんですよ。「皇治ちょっとおかしいんじゃないの?」と。もともとの皇治ファンもそうですし、最近皇治のファンになった人も思ってると思いますし。自分はみんなが思っていることを代弁しただけですね。
――……YA-MAN選手、凄く真面目ですね!
YA-MAN ハハハハハ! そうですか?
――もうちょっとオラオラした雰囲気を想像していたんですけど、全然そんなこともないですし。
YA-MAN まあ、そうですね。自分はお母さんに「義理人情を大事にしろ」ということで育てられたんで。
――ああ、その話もぜひうかがいたかったんですよ。RISEでの中村寛戦後のマイクで、自分が育った家庭環境のことを話されていたので。「自分の家庭は複雑で、お父さんはポン中で刑務所行ったりしてて、おじいちゃんとおばあちゃんも養育費持ってどっか行っちゃうし」というマイクは非常に衝撃的でした。それは物心がついたときからそうだったんですか?
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年■斎藤文彦INTERVIEWS
2021-12-23 16:25110pt
80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年です!
Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
■AEWはWWEのライバルになりえるのか
■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は? ■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン
■晩年のロード・ウォリアーズ
■ロード・ウォリアーズの衝撃
■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー
■全女消滅後の女子プロレス新世界
■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった
■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた
■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」
■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期
■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」
■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る
■超獣ブルーザー・ブロディ
■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜
■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』
■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
――2022年1月8日、横浜アリーナで開催される新日本プロレスとノアの対抗戦はアメリカではどんな反響でしょうか?
フミ 反響はすごいです。WWEに飽きちゃっててAEWに拠り所を求めてるアメリカのマニア層からすると、新日本とノアのストリーミング配信に英語の実況解説がついたことで以前にも増して日本のPuroresuに対する注目度、関心が高まっているんですね。 でも、全カード発表となってフタを開けてみたらメインイベンタークラスのシングルマッチが実現しないということで……。
――あ、そこはアメリカのファンもちょっと肩透かしを食らった感じなんですね。
フミ そのあたりは「対抗戦か、交流戦か」という日本的な解釈にも関係してくると思うんです。発表された全カードを見ると若手以外はシングルマッチはなしで、タッグマッチや6人タッグ、10人タッグなどがズラリと並んでいますよね。
――メインが10人タッグということには、ちょっとビックリしましたね。
フミ 試合そのものの勝敗がついても、勝負としての白黒つかないこの感じをどう解釈したらいいのか。開催決定記者会見のときの武藤敬司のコメントは「殺伐とした対抗戦の時代じゃないだろう」というニュアンスのものだった。 闘魂三銃士や四天王と呼ばれた世代の中で唯一現役の武藤選手は、かつての対抗戦の雰囲気を知ってるプロレスラーですよね。
――UWFインターナショナルとの全面対抗戦では新日本の大将でしたね。あの対抗戦に参加して今回も出場するのは武藤敬司に永田裕志、あと桜庭和志ですか。
フミ 新日本vsUインターのとき永田選手と桜庭選手はまだ若手で第1試合のタッグマッチで戦いましたが、3人とも置かれた状況は当時と現在とではまったく違いますよね。
――武藤さんと桜庭さんはノア側ですもんね。 信じられない。
フミ 他に表現がないから今大会を「対抗戦」と銘打ってはいますが、はっきりと勝者と敗者をイメージさせるようなシングルマッチがカードにはなかったのは、もちろん武藤選手の意思が働いたわけではないでしょうけれど、結果的に対抗戦というよりは交流戦に近いものになった。 武藤選手のあの発言は今回の対抗戦をどう捉えるかの大きなヒントになりますが、それでも団体同士の対抗戦にはシングルマッチを期待するのがプロレスファンですよね。 今回発表された対抗戦のキービジュアルには新日本とノアの3選手が睨み合ってるものでした。鷹木信悟は中嶋勝彦と、棚橋弘至は武藤敬司と、オカダ・カズチカと清宮海斗が睨み合っている。これを見るかぎり、この選手たちのシングルマッチが実現することを想像させるものでしたよね。
――ところがどのシングルマッチは実現せず……。
フミ 棚橋弘至vs武藤敬司あたりがひとつの落とし所になるのかなと思ったらそれもなかった。 タッグ版のオールスター戦なのかなぁと思っちゃうところはありますよね。今回の1・8横浜アリーナが始まりで、今後も新日本とノアの対抗戦は続くんだろうという予想はできるんですけが。今大会は新日本ワールドでは生配信されませんし、テレビ朝日のワールドプロレスリングでも中継はされない。
――サイバーファイトの『WRESTLE UNIVERSE』でも後日配信ですね。
フミ ビジネスにおける交渉事は「誰がボールを持ってるか?」という話になりますが、今回はこの対抗戦を生配信するABEMAがボールを持ってるように見えますね。これはABEMAプロデュースのイベントなんですよという明確なエビデンス。 かつては存在しなかったネット上の有料動画配信というまったく新しいビジネスモデルが成立していて、これからのプロレスは配信の時代なんですよということを伝えるものかもしれない。
――今回はABEMAがボールを持ってるからこそ白黒つけるまでには至らないと。
フミ 白黒ついちゃったというケースとしては先ほどちょっとお話した1995年10月9日の新日本とUインターの全面対抗戦がありました。全面対抗戦で負け越して、武藤敬司vs高田延彦の大将戦のも落としたUインターは翌96年には団体が崩壊してしまったという歴史的事実がある。団体対抗戦というものは、そもそもおたがいの存亡を懸けた戦いでなければ成立しないのではないか? もちろん、ひとつの仮説ではありますが。
――対抗戦にはそういう幻想はありますね。
フミ そこで次に考えるべきなのは、いまの時代はプロレスというジャンルのその成り立ちのような部分が昔よりもはるかにオープンに議論にされるようになっていて、プロレス用語として存在しない「勝ちブック」「負けブック」という誤った造語がネット上ではあたりまえに使われている現実があります。実際にプロレスラーや関係者はそんな言葉は使わないんですが、それでもネット世代にはプロレス用語として認知されている。
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
【格闘技と視聴率講座】なぜカズジュニアは大晦日に出られるのか
2021-12-20 15:31110ptこの記事は大晦日RIZINの視聴率を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
・前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏
・『紙のプロレス』は鬼畜系だったのか〜小山田圭吾と原稿チェック問題〜■松澤チョロ
・【1・4事変】小川直也は“真相”を明かしたのか
いまのRIZINが燃えやすいのはRIZIN自体がリアリティショー化してるからだと見てるんですね。SNSやYouTubeなどで可視化されることで、そこに関わる選手・関係者はみんな登場人物になる。武尊選手が床屋に行っただけで騒がれたり、笹原さんが野菜の件で炎上したり。「燃える野菜」って何か哲学的! 劇場化して加速すると振り返らずに前しか見ないから、思考がシンプルに陥りやすいし、「善悪」という簡単な答えを求めがちにもなります。そこには天心vs武尊の行方という巨大なミステリーが興味を異常に加速させるポイントになってますよね。
RENAvsパク・シウ、祖根寿麻vs太田忍、三浦孝太vs YUSHIが発表された会見も、天心vs武尊の行方が見えないからすごく悪く言われがちで。「そもそもこのカード自体が見たくない!」っていう意見は尊重するんですけども、大晦日にとって意味がないカードかというと、決してそうではないのかなと。ボクも年末になると毎年同じような解説をしてるというか、それはRIZIN以降、格闘技ファンになった方も多いですし、会員が31人しかいない噂もあるDropkickメルマガには何の影響力もないってことなんですけど。今日はあらためて「大晦日格闘技のあり方」を解説しようと思ってます。
さっき挙げた3カードでいえばRENAvsパク・シウはコア層にも届くカードですし、キャリア3戦目の太田選手がベテランオールラウンダーの祖根選手に挑むってなかなかハードで興味深いんですけど。三浦孝太vsYUSHIの“親の七光り”カードも含めて「これぞ大晦日」だと思います。 これらが絶対に視聴率が獲れるかといえば、水物なのでやってみないとわからないですけど、テレビ対策ではあることは間違いなくて。 我々格闘技ファンは「曙vsボブサップ症候群」に陥りやすくて、つまり超弩級なカードじゃない世間が本当に注目しないんじゃないと不安になるし、逆に「こんなので数字が獲れるかよ」とバカにしたくなる。でも、ワンカードで視聴率を獲ったのって、じつは 2003年のTBS『Dynamite!!』の曙vsボブ・サップだけなんです。
この『Dynamite!!』は、21時からの2時間半番組でした。この翌々年、その『Dynamite!!』を視聴率で上回ったフジテレビ『PRIDE男祭り』は、小川直也vs吉田秀彦がメインの5時間超の長尺番組。このときはいまの大晦日にも受け継がれる「駅伝方式」で高視聴率を獲得したんです。ちなみに瞬間最高は小川直也vs吉田秀彦ではなくタレント金子賢の試合。あれは裏のNHK紅白が休憩時のニュース番組の時間帯を見計らって放り込んだから、まあどの試合でも瞬間最高になったんですけど、いずれにせよ金子賢は求められた役割を見事に果たしたわけです。
で、この駅伝方式は何かといえば、地上波格闘技って、格闘技をあまりよく知らない一般層が見るんです。そうなると、ぼんやり層に少しでも引っかかりそうな知名度や肩書を持つ選手を並べて5時間45分という長尺番組をつないでいく。となると格闘技ファンが求めるものとは違ってくる。たとえば『PRIDE男祭り』でジャイアント・シルバが重宝されたのは「身体がデカイ」というだけで、それなりの数字を獲っていたから大晦日に3回も出場した。ジャイシルは最終的に『Dynamite!!』に引き抜かれるという冗談みたいな現実も起きました。
いまコメント欄に「たすきをつなぐ RIZIN駅伝」と書き込みがありましたが、お正月の箱根駅伝よりも一足先にバトンバトルをやっている。ただ、RIZINが箱根と違うのは走る区間が完全に決まってない。格闘技はすぐに試合が終わってしまうかもしれないし、内容によっては編集されてダイジェスト扱い、最悪カットせざるをえない。となると、バトンを任せられる選手候補は何人いてもいいし、カズ・ジュニアが“親の七光り”で10分20分でも走ってくれるなら超ありがたいわけです。一般メディアも取り上げてますしね。太田選手は金メダリストじゃなくて、デビュー戦ではないから世間的に新鮮さはないだろうという見方は理解できますし、当時の進行や試合内容によっては放送されるかといえばわからない。 でも、バトンをつなぐ役割をこなせる存在ではあって。 以前のRIZINには、こうしてバトンを持って走れる人材が少なかった。2019年の大晦日は当時売出し中だった朝倉兄弟を持ってしても大晦日史上ワーストの視聴率だったわけですから。
というわけで、テレビ向けに制作するから、どうしても格闘技ファンにとっての豪華カードと、大晦日テレビ向けのカードはズレがちにはなります。 「今年は外国人が入国できないからカードが弱い」という感想はたしかに正解。 ボクもサトシvsジョニー・ケースの再戦はものすごく見たかったです。 でも、逆に格闘技を知らない一般層からするとサトシvs矢地祐介のほうがまだ見やすいはずなんですよ。やっぱり矢地選手は一般的に知られてますから。それで爆発的な数字を獲れるかといえば、それはまた違う話なんですけど、そういったすれ違いがプロモーターと格闘技ファンのあいだに生じている。それでもバンタム級GPのリザーブを含めた4試合、斎藤裕vs朝倉未来、萩原京平vs鈴木博昭、浜崎朱加vs 伊澤星花と痺れるカードが揃ってるわけですからね。こういうカードがあたりまえのように見られるのも地上波のバックアップがあるからですよ。
ちなみに去年の大晦日生中継5試合とそれぞれの瞬間最高視聴率です。
浜崎朱加vs山本美憂 7.4% 1R決着
五味隆典vs皇治 8.5% ※フルラウンド
朝倉未来vsドミネーター 9.0% 1R決着
天心vsクマンドーイ10.7% ※フルラウンド
堀口恭司vs朝倉海 9.3% 1R決着
1R決着が3試合。これがもうちょっと接戦になれば数字はもっと伸びたと言われてますね。衝撃1R決着がそのまま数字に結びつかないジレンマ。この生中継枠までを浅倉カンナ、スダリオ剛vsミノワマン、シバターvsHIROYAという世間が引っかかりそうな試合でつないだ。おそらく今年は以下の5試合が20時あたりからの生中継っぽいですけど……
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
牛久絢太郎vs神田コウヤは忖度判定だったのか?■DEEP代表・佐伯繁
2021-12-18 17:50110ptDEEP代表・佐伯繁インタビュー!! 議論を呼んだ牛久絢太郎vs神田コウヤの判定、そして伊澤星花、パク・シウについて!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題■シュウ・ヒラタ
・“怪物くん”鈴木博昭インタビュー「そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ……」
・DEEP代表・佐伯繁「勘・違・い・す・る・な!!」
・RIZIN女子格新風!! 大島沙緒里の寝技はこうして磨かれた■1万字インタビュー
――佐伯さん! RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎の凱旋試合となったDEEP王座防衛戦の神田コウヤ戦はいつもより注目度が高かったこともあり、牛久選手の判定勝利が議論になってますね。
佐伯 判定に関していえば、すべてをお任せしているJMOC(日本MMA審判機構)さんと一緒にYouTubeなんかで話をしたいなと思ってるんですよ。やっぱりジャッジってあることないこと言われがちじゃないですか。今回の結果を受けて「RIZIN王者だから牛久に勝ちにしたんじゃないか」と言う人も出てくるでしょ。そんなことありえないんだけど。
――陰謀論で染まっちゃう人はいるでしょうね。
佐伯 そんな陰謀が本当にあるんだったら1億円払ってもいいよ!
――ハハハハハハ! 1億円チャンス!
佐伯 レフェリーや関係者の証言とかがあるんだったら本当に1億円払いますよ。
――正直これくらいのクロスゲームは1大会に2〜3試合はありますよね。他の試合はそこまで注目されてないから議論にならないだけで。
佐伯 悪いけど、どっちを勝たせようなんて考えてジャッジをやってる人間なんていないですから。そんなものが通る世界ではない。だってプロモーターからしても「これは揉めるだろうな」っていう判定が出るくらいだから。そういうときは逃げたくなりますよ(笑)。
――プロモーターの意のままにできるものではないと。
佐伯 それはRIZINや他の団体にしたってそうだよ。こっちが勝ったら先が面白くなるな……って試合でも逆のジャッジが出たりするでしょ。もしジャッジを変えられるなら、その方法を教えてほしい。1億円払いますよ!(笑)。
――皆さん、またも1億円のチャンスです!
佐伯 まあ応援してる選手のほうが勝ってるように見えたりするからね。「牛久29-28ならわかる」という声もあるけど、「牛久30-27」というフルマークに怒ってる選手、関係者もいるでしょう。
――判定の内訳として、「牛久29-28」が2人、「牛久30-27」が2人、「神田29-28」が1人で、牛久選手の「4-1」という結果ですね。
佐伯 自分は3ラウンド目に関しては牛久選手が取ったと思いました。
――そこは同意見です。
佐伯 でも、1ラウンドと2ラウンドは正直どちらでもおかしくないんですよ。どこをポイントとして取るか。どこの位置で見たか。正直どっちについてもおかしくないから「牛久30-27」もありえるという話で。で、DEEPはRIZINと違ってラウンド事にマストでつけないといけない。
――どっちがこのラウンドを取ったのかを明確すると。
佐伯 決定的な差がなくても「10-9」をつけなきゃいけない。それで牛久選手に3ラウンドすべてつけたジャッジがいたから「30-27」。試合内容に圧倒的差があったわけではないんですよ。そういったジャッジのシステムをあまり理解をされてなくて。
――DEEPの5人ジャッジシステムも理解されてないですよね。「4-1」という結果に「そんなに差がない!」と怒ってる人がいたり。
佐伯 それは「4-1」という内容をあらわすものじゃないんだけどね。――4人と1人に支持が分かれたと。佐伯 ウチはタイトルマッチのときはジャッジ5人制で5方向の角度からやってるんですよ。
――人数を増やせば文句が出ないだろうということで導入されたけど、それでも文句は出る(笑)。
佐伯 難しい判定だったことはたしかです。何かちょっと内容が違っていたら神田選手の勝ちだったと思える内容だから。ドローがあったらドローをつけちゃう。内容的には10-9じゃなくて10-9.5だったかもしれない。でも、どうしても10-9を付けないといけないから。
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
2021-12-16 18:13110ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021です!
<1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>プロレスと結婚した風間ルミさん
武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」
『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…
――今月のテーマは、小佐野さんが選考委員の1人を務めた東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021についてお伺いします!
小佐野 今年は蝶野正洋と小橋建太が特別選考委員として参加。選考委員は19人。第1次投票で過半数の10票を上回ったら決定。過半数を満たなかったら上位3名もしくは2名に絞って投票するするというかたちで選考されました。☆MVP 鷹木信悟
☆ベストバウト 潮崎豪vs武藤敬司☆最優秀タッグ賞 タイチ&ザック・セイバーJr. ☆殊勲賞 ジェイク・リー
☆敢闘賞 竹下幸之介☆技能賞 グレート-O-カーン ☆女子プロレス大賞 林下詩美
☆新人賞 荒井優希
――MVPは新日本プロレスの鷹木信悟選手でした。
小佐野 MVPは鷹木と武藤敬司の一騎打ち。鷹木14票、武藤5票。一発で鷹木に決定しましたね。
――今年はこの2人が妥当ですよね。
小佐野 MVPは逃したけど、武藤は58歳にしてGHCのチャンピオンになったり、DDT、ノア、東京女子の3団体が集結したサイバーフェスでは禁断のムーンサルトを披露したよね。
――人工関節のヒザをマットに打ち付けると「もう二度と歩けなくなる」と、お医者さんにめちゃくちゃ怒られたやつですね。
小佐野 負けたけど、あのムーンサルト一発で主役を奪ったからね。新日本はコロナでリング上をだいぶ狂わされたところもあって、鷹木もコロナにかかってしまった。負傷欠場でカードの変更を余儀なくされる大変な状況の中、その鷹木が新日本を引っ張っていった。東京オリンピック直前の東京ドーム大会では棚橋弘至を挑戦者に迎えてのIWGP世界王座タイトルマッチだったけど、あのとき世間はオリンピック一色の中、オリンピック以外のニュースを取り上げるということで取材に来た新聞記者があの試合を見て感動したというか、オリンピック一辺倒じゃないという印象を持つくらい存在感があったと言ってたね。
――鷹木信悟はコロナやケガなんかのトラブルがなかったら、こういう展開になってなかったかもしれませんが、そのチャンスを逃さないのが鷹木信悟の強さですね。
小佐野 鷹木が受賞会見でも言っていたけど、「運とタイミング」というものがあるから、それを掴めるか掴めないか。あと彼のファイトスタイルはどちらかっていうとクラシカルなものに近いでしょ。新しいんだけど、昭和のプロレスファンも馴染めるようなもの。飯伏幸太や内藤哲也がいる中、そこも差別化できたのかもしれないよね。
――鷹木信悟は完全なアスリートプロレスではないってことですね。
小佐野 そうだね。かといって、そういったアスリートプロレスの要素がないわけではない。そんなに身体を大きくないんだけど、パワーでも勝負できる。2018年の全日本のチャンピオン・カーニバルで、巨体の石川修司と互角の勝負をしちゃったしね。あとドラゲー出身ということもあって弁も立つ。
――これでMVPは新日本プロレスの11年連続受賞ですけど、今年は「また新日本か……」という印象ではなかったですね。
小佐野 新日本プロレス所属レスラーの受賞が続いてる中でも、鷹木が風穴を開けた感じはあるよ。棚橋やオカダ・カズチカ、内藤だったりが代わる代わる取り続けてきた中、今回は鷹木がポンと出てきたわけだから。なんだかんだ業界を動かしてるのは新日本プロレスなので、新日本を引っ張ってる存在がMVPを取るのはある意味で当然の流れなのかもしれないけど。
――ベストバウトはノアの潮崎豪vs武藤敬司のGHCヘビー級選手権試合。
この続きと、吉成名高、平本蓮、堀口敗戦、中村大介、伊澤星花、YA-MAN……などの12月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「14万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラhttps://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2072140この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
1 / 3