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「邂逅という名のタイムトラベル」
2021-11-29 07:00110pt時間というのは過去から未来へ、一方向に向かって流れていく。目に見えないその流れを捉えようと、人間は暦と時計を発明した。可視化することはできた。果たしてその流れを遡って過去に戻ることはできるのか。あるいは流れよりも早いスピードで未来へ行くことはできるのか。タイムトラベルという概念。それは実現できるのか。この問題について、物理学を始めとする多くの研究者が議論を重ねてきた。
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「生まれて初めて感謝された日」
2021-11-26 07:00110pt夜、仕事から帰ると、娘が待ちきれない様子で駆け寄ってきた。ちょっといいことがあるから来て。サプライズ―――隠しきれない隠し事をしているときの顔だ。何だろう、でも、先に手を洗ってうがいするからもう少し待っていて。
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「みんないるから淋しいんだよ」
2021-11-24 07:00110pt人が大勢集まる場所が苦手だ。学校とかパーティーとか。大勢がひとつの目的で集まっている場所が苦手だ。手持ち無沙汰というか、所在なげというか。自分を繕って人とペースを合わせるのが苦手な僕はいつもそういう場所で居たたまれないどんよりとした気持ちになる。打ち上げなんかでも、本当に話したい相手と1対1で話すか、相手が見つからなければ会場の隅でひとりで飲んでいること常だ。
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「罪悪感で君は泣く」
2021-11-22 07:00110pt生まれた時から、君は泣いてばかりいた。お腹が空いた。オムツが汚れた。人肌が恋しい。夕陽が落ちる(黄昏泣きって奴だ理由はよくわからない)。転んだ。眠い。淋しい。友達と喧嘩した。思い通りにならない。 そんな君が、最近は罪悪感で涙を流すことが多くなった。小さな胸を痛めて、さめざめと泣き始める。罪悪感と言っても、些細なことだ。
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「カレーはかぶるもの」
2021-11-19 07:00110pt子どもに給食があるのはとても有り難い。が、冷蔵庫に貼ってあるメニューをチェックしそびれると、悲劇が起こる。給食と夕食のメニューが、朝食と給食のメニューがかぶることだ。特に、カレー。「給食もカレーだったよ」 帰って来た君が夕食のカレーの匂いを嗅ぎつけ、鬼の首でも取ったようにニヤニヤしながら言うのを聞くのはこれで何度だろう。
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「15分だけの海で」
2021-11-17 07:00110pt半島を出られなかった日々が嘘のようだ。ほぼ毎日東京に遠出している。まだ公共交通機関は使わない車移動だが、以前のような日々が戻って来たようでもある。そのことがうれしくもあり、あの凪のような日々が恋しくもある。ここ数日は時化続きだけれど、毎朝バックミラーの向こうに遠ざかっていく潮の匂いが恋しくなる。
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「好きなように生きていいんだよ」
2021-11-15 07:00110pt行進が嫌いで、いつもひとりだけ列をはみ出していた。集合写真が嫌いで、いつもひとりだけ斜め上を見ていた。いつから、どうしてそうなってしまったのか。あるいは最初からそうだったのか。それはわからない。とにかく、みんなと同じであることに対する強い抵抗があった。 僕はそんな子どもだったんだけど、君はどうなんだろう。
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「タ行がカ行になってしまう娘が国旗を描いたら風刺画になっていた件」
2021-11-12 07:00110ptずっと舌足らずなんだと思っていた。タ行がカ行になってしまうこと。「たいこ」と言おうとすると「かいこ」に。「とけい」と言おうとすると「こけい」に聞こえてしまう。間違って憶えているのかもしれないと「しりとり」をしたら、ちゃんと「かるた」の次に「たいこ」と言うし「はと」の次に「とけい」と言うからやっぱり舌足らずなだけなんだろうと思っていた。
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「正義の味方が大嫌いな理由」
2021-11-10 07:00110ptウルトラマンが町を踏み潰しながら、怪獣と戦う姿に納得が行かなかった。怪獣に押し倒されたウルトラマンの巨体がビルを薙ぎ倒す。その下を逃げ惑う人々の姿を複雑な気持ちで見つめていた。セットを派手に壊すことで戦闘の壮絶さを描こうとしていたのだろうか。あるいは「絶対的な正義など存在しないんだよ」という真実を子どもたちにメッセージしていたのかもしれない。
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「さといもの詩」
2021-11-08 07:00110pt
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