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記事 13件
  • 「ぼくのおっぱい」

    2017-11-29 07:00  
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     人間に身体的特徴による性別というものがあることを赤ん坊はいつどのように認識するのだろう。
     

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  • 「陽だまりのブランコ」

    2017-11-27 07:00  
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     揺れるブランコから見上げると眩しい冬の陽射しの下で色づいた紅葉の葉も乾いた風に揺れていた。平日の午前11時。団地の公園には寒さのせいか人影もなく、僕らは陽だまりを独占していた。
     

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  • 「船長の双眼鏡」

    2017-11-24 07:00  
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    「お前のところは景色が良いからこういうのがあってもいいだろう」
     父親にしか許されないようなどこか一方的な言葉とともに、父から双眼鏡を譲り受けた。カメラメーカーであるミノルタ(現在はコニカミノルタ)製のコンパクトながらそれなりに本格的な逸品だった。
     

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  • 「冬晴」

    2017-11-22 07:00  
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     陽だまりを探しに、日曜日の浜に出た。砂浜にはまだ高潮の爪痕が色濃く残っていて、流木や蛎殻や朽ち果てた残骸があちこちに打ち上げられたままだ。
     

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  • 「中学生の教育論」

    2017-11-20 07:00  
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     娘にごはんを食べさせるのをやめた。今までは決まった時間に椅子に坐らせ、エプロンをつけ、目の前に置いたごはんをスプーンで掬って、あるいは手掴みで食べるのを促すなどしていたのをぜんぶやめた。僕らが食べるときに同じようにローテーブルに娘のごはんを置いて「ごはんだよ」と伝えるだけ伝えて、あとは放っておく。近寄って来ては見ているだけの時もあるし、味噌汁の具を手掴みで食べていることもある。僕らのごはんに手を伸ばして食べるときもある。スプーンで食べようとしてどうしても上手に食べられず、それでも食べたいと思うときは僕か妻にスプーンを差し出す。そうやって頼まれたときだけようやく食べさせてやるようにした。 
     

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  • 「親孝行」

    2017-11-17 07:00  
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     孫を抱かせることが親孝行だなんて思ったことは一度もない。親の為に家を建てたり、海外旅行に連れて行ったりという経済的な恩返しこそが親孝行だと刷り込まれて育った世代だからかもしれない。だから上記の3つのうち孫を抱かせるくらいしかできていないのはふがいないことだと今でもどこかで思っているし、後ろめたい気まずさもあった。
     

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  • 「本という種を蒔く」

    2017-11-15 07:00  
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     実を言うと他人に本や音楽を薦めることに抵抗があった。ひとつには自分を曝け出すのが恥ずかしいという思いが。もうひとつ自分には気がつけばベストセラーやヒット曲といった多くの人が好んでいるものとは違うものに強い共感を抱く傾向があると知った時点で、どうせ分かって貰えないだろうという諦めがあった。
     

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  • 「ねんね」

    2017-11-13 07:00  
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     乳児は「ミルクが飲みたい」という根源的な生の欲求をどのような身体表現、そして言葉で親に伝えるのだろう。
     

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  • 「僕がまだ上手にできないこと」

    2017-11-10 07:00  
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     他人との関わり方は自分を写す鏡だと思う。反応が正直で素直な子供だと尚更そう感じる。
     

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  • 「盛者必衰」

    2017-11-08 07:00  
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       三連休は神社の境内から聞こえるお囃子が町内に鳴り響いていた。七五三の大祭だ。宵宮には町内会の模擬店も出て、賑わっていた。境内ではしゃぎ回る子供たちをビールに焼き鳥を手にした大人たちが微笑んで見守っている。ここで暮らし始めたばかりの頃は七五三の大祭に直接関係する子供と家族以外の住民が集まって賑わっていることの意味が正直良く分かっていなかった。だけど今は分かる。子供は集落のみんなで育てるものというのが昔からの常識として根強く生き続けているからだ。
     

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