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「土に始まり、土に終わる」
2021-04-30 07:00110pt娘を保育園に送った足で車で五分ほどのところにある子安の里山へ行く。夏野菜の準備だ。夢中になると時間を忘れてしまうのでアルバム一枚分と決めている。誰もいない畑でマスクを外し、音楽と鳥の囀りを聴きながら無心で汗を流していると気持ちが前向きになっていく。
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「僕の非日常」
2021-04-28 07:00110pt -
「カラダがくれたプレゼント」
2021-04-26 07:00110pt -
「げんきなおやすみ」
2021-04-23 07:00110ptしくじった。菜園が塩害でやられた。前夜の暴風雨と朝からの初夏の陽射しで収穫間近のスナップエンドウなんかが一部枯れ始めていた。強い陽射しを受ける前に水で洗い流しにこなければいけなかったのに。
「しくじったぁ」と大きな声で叫んでいた。悔恨の情が誰もいない里山にこだまする。悔しいなぁ。切ないなぁ。「あ、でも、こっちは元気だよ」 娘が元気な株を見つけて、小さな手で実ったばかりのスナップエンドウを収穫し始める。
二人で平日の午前中に里山に来たのは、
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「ノスタルジック・オートバイ」
2021-04-21 07:00110pt風薫る新緑の季節になると熱いエンジンの鼓動に懐かしさを憶える。郷愁とでも言うのか。渇いた風を切ってただ前に進んでいく刹那。過ぎてゆくものを振り返ることのできない潔さ。身体の奥に微かに残っているあの感覚が本物だったのかどうか確かめてみたくなる。
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「子どもに『みんなもやっているからいいでしょ?』と言われたらなんて答えますか?」
2021-04-19 07:00110pt子どもって無責任だよな、とつくづく思う。 特に思うのは「え? でもみんなもやってるよ?」「だってみんな持ってるし」「みんなもやってるからいいでしょ?」と「みんな」を引き合いに出してくるとき。
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「忘れ得ぬ日々が支えてくれる」
2021-04-16 07:00110pt僕自身は誰かに管理されることに抵抗感の強い子どもだった。行進が嫌いでいつも少しだけ列をはみ出して歩いた。先生の号令の下で一致団結しているクラスメートたちをひとりだけ冷たい目で見ていた。通知表には毎年「協調性がない」と書かれ続けた。
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「なにもしない日曜日」
2021-04-14 07:00110ptできないことが多過ぎるせいだろうか。家にいるとついできることを探してやってしまっている。おかげで休みがない。正確には、休みがあっても休めていない。
そういうときは海へ行く。マスクを外して深呼吸する。縮こまった身体をめいっぱい伸ばす。大きな欠伸がでた。浜辺に腰掛けると砂の粒子に残った太陽のぬくもりが伝わってきた。初夏のような陽射しだ。波打ち際で上半身裸の少年たちが海と戯れている。ヨットが帆を上げて沖へ向かっていく。僕は波の音にチューニングを合わせる。やがて、波以外の音は聞こえなくなっていく。
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「見ることと観察すること、会話することと対話すること」
2021-04-12 07:00110pt2「君は見ているが、観察していない」という名探偵ホームズの言葉が『絵を見る技術』という書籍に引用されていた。絵画もまた漫然と見るのではなく、ある程度の知識をもって見つめることで多くの情報と洞察が得られる、という目から鱗のような話だった。同時にとても腑に落ちる話でもあった。絵画はともかく、子どもに関しては「見ている」というより「観察している」という実感がずっと自分の中にあったからだ。
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「僕は誰に謝っているんだろう」
2021-04-09 07:00110pt一年前の春、この海辺の町ではマスク姿で歩いている人はまだ少なかった。マスクが品薄だったこともあったのかもしれないけれど、そもそもコロナ以前から人通りが少なかったからする必要がなかったのかもしれない。それが一年経った今はどうだろう。大して人が増えたわけではないのに、マスクをしていない人はひとりもいない。
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