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記事 14件
  • 「変わることを選んだ人へ、そして変わらないことを選んだ人へ」

    2021-03-31 07:00  
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     自分の人生がある場所は、人それぞれであるべきだ。かくいう僕は両親が住んでいるという理由だけで、好きになれなかった街で十八歳まで不自由な思いをし続けたせいか、余計に人生がある場所を自分本位で選びたいという想いが強いのかもしれない。
     

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  • 「木の芽時症候群」

    2021-03-29 07:00  
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     突然のにわか雨のように、人生というのはなかなか思い通りにいかないものだ。なんてことを子どもと人生をともにし始めて改めて感じているる。子どもが体調を崩すたびに親である僕らはお互いの仕事も含めて予定変更を余儀なくされる。そのたびに、あぁ、オレも子どもの頃、こうやって親の世話になっていたんだなぁ、と遅蒔きながら感謝で手を合わせる。当たり前だと思っていたことは当たり前じゃなかったというか、今度は自分が子どもにとっての当たり前にしていく番なのだろう。いつ雨が降っても子どもが濡れないように差してあげられる傘を常に隠し持っているのが親なのかもしれない。
     

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  • 「命を育てることは自分自身を育てること」

    2021-03-26 07:00  
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     東京の知人から郊外に家庭菜園ができる小さな畑を借りたと連絡があったのは冬の終わり頃だった。この春から子どもと一緒に棚田を手伝い始めることにしたという知人もいる。
     

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  • 「雨のドライブ」

    2021-03-24 07:00  
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      あいにくの雨だった。畑に出たかったけれど、そうもいかない。娘は窓の外の真っ白な海を見て憂鬱そうにしている。てるてる坊主を作って窓辺に下げている。保育園の友達と遊ぶ約束をしていたそうだ。浜で落ち合うことにしていたらしい。「あめいやだなぁ。そとであそびたいなぁ」 窓を叩く雨とうねるような高波を見ながら娘が繰り返し呟く。
     

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  • 「大事なことは海で話そう」

    2021-03-22 07:00  
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     いつもそこに海があって良かったと思うのは、家族と大事な話をしなければならないときかもしれない。
     

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  • 「おともだちと同じものが欲しい」

    2021-03-19 07:00  
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    「ティッシュをいれるポーチがいるの、ズボンにつけるやつ」 朝、娘が唐突にそんなことを言い始めた。しまいには先生が持ってきて下さいと言っているとまで言い始めた。「本当に? 先生に聞いてもいい?」 妻の言葉に口籠もる。なんてことはない。友達がズボンにつけていたポケットポーチと同じものが欲しかっただけだ。
     

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  • 「あたらしい毎日」

    2021-03-17 07:00  
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     恋をすると世界が輝いて見えるなんて言うけれど、あながち嘘じゃないんだろうと娘を見ていて思う。 赤く染まった葉っぱ。 ジャングルジムの一番上から見る青い空。 ミモザという名前を覚えたばかりの黄色い花。
     そういったものを数分に一度見つけては「パパ、みてみて」とキラキラした目で僕を見上げる。「つむちゃん、これすきなの」と教えてくれる。
     

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  • 「半島の夜」

    2021-03-15 07:00  
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     午後八時、凪の潮騒が聞こえてくる静けさに妻がぽつりと言った。「なんか、島で暮らしているみたいだよね」 二時間ほど前には眩しさに目を細めなければならないほどの夕陽に染まっていた海と空は漆黒の闇に包まれている。街灯りはほとんどなく、江ノ島の灯台が規則正しい心音のような明滅を繰り返しているだけだ。
     

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  • 「潮溜まり」

    2021-03-12 07:00  
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     潮溜まりができていた。 娘はおもむろに靴を脱ぎ、裸足でじゃぶじゃぶと水の中に入っていく。去年や一昨年までの躊躇みたいなものは微塵もない。この海辺の町で生まれ、歩き始める前から浜で遊んでいるのを実感する。
     

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  • 「海」

    2021-03-10 07:00  
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     毎日海を見て生きているからこそ、十年前のあの日を忘れることはない。
     広島での三日間公演というライブの仕事の真っ最中だった。地震が発生した日は休演日で、僕は当時大阪で暮らしていた結婚前の妻の部屋にいた。一年前に三浦半島の海沿いに建つ今の家に引っ越したばかりだった。東北の沿岸を数十メートル級の大津波が襲った様子をテレビ中継で何度も目の当たりにした後も自宅のある沿岸部一帯には津波警報が発令され続けていた。
     

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