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記事 12件
  • 「効率とか合理性が重視される社会で子供を育てるということ」

    2019-02-27 07:00  
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     保育園に入れないと仕事ができないという悲痛な声を数多く目にする季節になったけれど、保育園に入れたからと言って必ずしも満足に仕事ができるわけではないというのが子供を保育園に預けて一年が経っての実感だ。
     

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  • 「3分間のロックンロールを作るよりも人間一人を育てることの方がよほど芸術的だ」

    2019-02-25 07:00  
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    「3分間のロックンロールを作るよりも人間一人を育てることの方がよほど芸術的だ」と言ったのはジョン・レノンだ。子育てをする父親と言われて未だ多くの人が真っ先に名前を挙げる人物かもしれない。僕自身、子育てにおいて壁にぶつかるたびにジョン・レノンはこういう時どうしていたんだろうと思うことがしばしぱある。時には、ジョンは本当にこれをやっていたのだろうかとすら疑うことも。そう思うくらい子育てには男性にとって辛い場面があったからだ。 

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  • 「子育てとは人の心を育てるものだったのか」

    2019-02-22 07:00  
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     横断歩道で転んだ娘が泣きそうになったとき、咄嗟に僕はこう言っていた。
    「つむぎのつはつよいのつ!」
     泣く寸前だった娘が顔を上げた。
    「…つむぎのつは、つよいのつ?」
     溢れる涙を必死に堪えようとしているように見えた。
     

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  • 「日曜午後六時半」

    2019-02-20 07:00  
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     突然四十度の熱を出した娘を救急病院へ連れて行った。インフルエンザの検査は陰性。「今夜は眠れそうにないね」と溜め息とともに家の駐車場で車を降りたら、眠っている娘を抱いた妻が夜空を見上げて言った。 

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  • 「泣いて喜んで」

    2019-02-18 07:00  
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     冬茜の空に子供の頃の理由なき切なさを呼び覚まされたりしながら保育園の門をくぐると、園庭で遊んでいた男の子たちから「つむちゃんのパパだ!」と次々に指を差された。中には一緒に靴を脱いで娘の教室に向かう僕について来る男の子までいる。何かあったのかなと首を傾げていると、先生が教えてくれた。
     

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  • 「おおきくなったら何になりたい?」

    2019-02-15 07:00  
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     今さっき、娘にそう訊かれた。何の前触れもなく、突然のことだった。答えに窮した。続けておもちゃのマイクを向けられた妻も同じだった。
     

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  • 「ただ好きが増えていく」

    2019-02-13 07:00  
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     パパ好き、ママ好き、と話し始めた頃から食後の歯磨きみたいに娘が言う。その後、ばあば好き、じいじ好き(妻の両親のこと)が加わり、パパのママ好き、パパのパパ好き(僕の両親のこと)が加わり、最近は「なんとか先生好き」がラインナップした。まるで誰かと出会うたびに登録者が増えていくスマホの電話帳みたいに。
     

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  • 「成熟した人間は、必要とされることを必要とする」

    2019-02-11 07:00  
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     違う、と娘が首を振った。妻が用意しておいてくれた服に着替えさせようとした時のことだった。今日はそれじゃないのだという。
    「じゃあ、好きなの選んでおいで」
     娘はどたどたとクローゼットに向かった。多少の時間は掛かっても無理強いはしないことにしている。いや、できるようになった。最近になってようやくだ。余裕を持って子供の自主的な行動を見守ることができるようになったのは。たとえ冬に半袖を着ると言っても、本人がどうしてもそれで出掛けるという時は一度はそのまま外に出してみる。当然寒い。本人が「カーディガン着る。コート着る」と言い出してようやく最初に着せようとしていた服を着せる、という具合だ。なんて遠回りなんだろうと思うと同時に、自分も親から見ればいくつになってもこうなんだろうなと苦笑も出る。 

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  • 「冠雪桜」

    2019-02-08 07:00  
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     海沿いの国道で河津桜が咲いた。1月だというのに冷たい雨もなく、暖かい日が続いていたからだろう。漁港を覗くと新ワカメが並んでいた。春の魚が並んでいた。水平線の向こうの富士山では雪解けも始まっていた。
     

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  • 「自由という見渡す限りの大海原で」

    2019-02-06 07:00  
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     たとえばアンケートなんかを記入していて職業欄があると、僕は迷わず「自由業」に丸をつける。「自営業」はなんとなく店舗を持つ仕事をイメージしてしまうし、「会社役員」となるとスーツは着ていないしなと気後れしてしまう。確定申告では仕事上の何が経費になるかを申告する必要があるので「文筆業」を名乗らせて貰っているけれど、心の中では胸を張ってそう言えるほど名前を知られているわけじゃないしなという気恥しさが拭い切れない。
     

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