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記事 13件
  • 「女らしさ、男らしさ」

    2017-10-30 07:00  
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     女だったから「鉄の天井」にぶつかった、と都知事は今回の選挙を振り返っていた。女性議員の割合は10%を僅かに越えただけだったと新聞は報じていた。2020年までに(猫も杓子も2020年までにという目標設定はどうなんだろうと思うのだけれど)指導的地位にある女性を3割にするという政府目標を大きく下回ったという評価とともに。
     

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  • 「佐島産か、モーリタニア産か。」

    2017-10-27 07:00  
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     選挙報道の影に隠れ、全国ネットのニュース等であまり報じられることはなかったけれど、台風21号による高潮で太平洋側の漁港などでは大きな被害を受けたところが少なくない。
     

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  • 「長い雨」

    2017-10-25 07:00  
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     いつから降り出したのか忘れてしまったくらいの雨景色だ。そもそも秋の長雨というのはこんなにも物悲しいものだったろうか。窓から見える海辺の町はまるで色を失くした記憶の中の風景のような静けさだ。
     

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  • 「怒ること、叱ること」

    2017-10-23 07:00  
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     怒るのは簡単だ。でも、叱るのは難しい。
     辞書には「怒る」とは高まった感情を相手にぶつけること。「叱る」とは目下の者を良い方向へと指導すること。そして子育て本にはよく「子供には怒るのではなく、叱るようにすること」と書かれている。
     

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  • 「本だけが理解者だった」

    2017-10-20 07:00  
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     子供の頃は本だけが友達だった。休み時間の教室で、昼休みの図書室で、西日の射し込む団地の六畳間で、いつも本を読んでいた。配られた国語と社会と道徳の教科書は毎年一学期の2週目には熟読し終えてしまっているので授業中はただ聞いているフリをしていた。
     

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  • 「砂に遊ぶ」

    2017-10-18 07:00  
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     砂で遊んだ時のあの感触が、今もこの手に残っていたことに胸が高鳴った。泥で遊んだあの記憶を、今もこの手が忘れていなかったことにしみじみした。どこで誰と遊んだのかはもう憶えてはいなかったけれど。
     

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  • 「いち」

    2017-10-16 07:00  
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      僕らが最初に出来るようになった自己紹介は、自分の年齢を告げることだったのかもしれない。
     

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  • 「海が好きなのは、海に集う人々が好きだからなのかもしれない」

    2017-10-13 07:00  
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     鳶が旋回する空の下、小さな岬でコーヒーを飲んだ。降り注ぐ陽射しがまさしく秋麗と呼ぶにふさわしい日曜の午後だった。海へと続く芝生の上では娘が妻の手に掴まって歩く練習をしている。裸足で芝生の感触を味わうように歩を進めている。太陽の温もりを大地から感じているのだろう。気持ち良さそうに笑っている。
     

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  • 「柿と信号機」

    2017-10-11 07:00  
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     海沿いのランニングコースの途中に1本の柿の樹がある。枝垂れ柳のように庭先から歩道に伸びているおかげで見上げると頭の上にたわわな実が広い空を背景に揺れている。
     

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  • 「選び取り」

    2017-10-09 07:00  
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     〈やりたいこと〉が見えたのはいつだったろう。〈できること〉が分かったのはいつだったろう。その上で〈やるべきこと〉を決めたのはいつだっただろう。考えている以上に早かったような気もするし、今もまだ決めかねているような気もする。
     娘が一歳になった。両親を招いてささやかなお祝いをした。子供を持つまで知らなかったのだけれど、一歳の誕生日には「一升餅」と「選び取り」という儀式をするものだと両親から教わった。
     「一升餅」というのは一升分(1.8㎏)の米で炊いた丸餅を背負って歩かせるという、やらされる側からすればなんとも理不尽で迷惑な儀式だ。一生食べ物に困らぬようにという願いとともに、歩き始めた子供が早々にどこかへ行ってしまわぬようにという祈りが込められているという。
     とはいえ10月の初旬だ。お世話になっている農家さんでは例年年末に餅をつく。そもそも餅米の脱穀もまだだろう。というわけで近所のパン屋

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