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記事 13件
  • 「Forget me not(私を忘れないで)」

    2017-01-30 07:00  
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      強い南西風が入って来て波がうねりを上げている。間近に迫った新月の影響で潮位が上がっていたのと相まって大時化の様相だ。波間には漁船の代わりに朝早くから波乗りを楽しむ人々の姿がある。海面は青い空を鏡のように映し出した勿忘草色。そう、勿忘草の花のような緑掛かった水色だ。冬の底を一旦抜け出したようなあたたかい陽気だった。
     

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  • 「アンチエイジングとしての寛容さを」

    2017-01-27 07:00  
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     寛容さを失うことは「老い」の特徴のひとつでもあるという論調が何年か前、話題になったことがあった。当時も今も様々な意見はあるだろう。ただ何かにつけて社会全体への謝罪を求める、そして自分が少しでも迷惑だと感じる他者を許容しないことがもはや当然のことになって来た「不寛容社会」が、「高齢化社会」の同義語だと言われれば納得がいく自分もいる。
     

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  • 「もしかして仕事に行きたくないんじゃなくて会社に行きたくないんじゃないですか?」

    2017-01-25 07:00  
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     フリーランスの美容師というものが存在することを僕は知らなかった。固定の美容室に勤務するのではなく、かといって独立して自分の店を持つわけでもない。「鏡貸し(めんがし)」と呼ばれる美容施設を借りて、直接予約を取った客のカットなどを行うのだという。PRなどの集客活動はインスタなどのSNSで使うので広告費も掛からない。店を持つことに比べてリスクも小さい。場所や時間に縛られることもない。自由だ。
     

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  • 「三つ子の魂百まで」

    2017-01-23 07:00  
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     娘が眠れずに激しく泣き喚いている時に気がつくと口にしてしまっている言葉がある。
    「眠たいなら泣いてないで眠ればいいのに」
     もちろん眠たいのに眠れないから泣いているのは十分理解している。眠ったら起きられないのではないかと赤ん坊が不安に感じているからだということも、交感神経と副交感神経の切り替えが上手にできないからだというメカニズムも育児書で読んだ。だから決して本気で言っているわけじゃない。でも気がつけばそう言ってしまっているのだ。愛情たっぷりの溜め息混じりに、赤ちゃん言葉まで使って。
     

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  • 「笑顔という名の流れ星」

    2017-01-20 07:00  
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     粉雪が舞った翌朝、幾分寒さの和らいだ葉山の海岸に僕らはいた。
     

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  • 「泣いたりしないで」

    2017-01-18 07:00  
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     今もこの日を忘れないのは、25歳だったあの朝と、この記憶が地続きであることを噛みしめる為でもあるのかもしれない。
     

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  • 「じゃんけんとワクチン」

    2017-01-16 07:00  
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      八丈島にすら雪をもたらすかもしれないという強烈な寒波がこの海辺の町にも到来している。時化で昨日からこの辺りでは漁も休みだ。浜の居酒屋では漁師さんたちが「仕方ねえや」とビール片手に笑っているだろう。何もかも吹き飛ばされたせいで海の向こうには真っ白な雪の降り積もる稜線が美しいけれど、一歩出ただけで芯まで凍える空気の中を走り出すほどの覇気もない。こんな日は家に閉じ籠もってあたたかいコーヒーでも飲みながら粛々と仕事をしていようと言いたいところだけれど、どうしても家族揃って外出しなければならない予定があった。
     

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  • 「2045年の海景色」

    2017-01-13 07:00  
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     日本老年学会(という社団法人が存在することも知らなかった。文京区湯島にあるそうだ)が現在65歳以上とされいる「高齢者」の定義を75歳以上にという提言をしたという。巷では年金の受給年齢を引き上げようとしているのだろうという懸念の声も数多く聞かれたけれど、個人的には願ったり叶ったりの提言だった。その理由は
     

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  • 「確かなもの」

    2017-01-11 07:00  
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     七草粥を二杯ずつ食べてから海へ向かった。浜では御幣焼きが行われている。お飾りなどを焚き上げ地元のみんなと正月の神様を見送るのだ。海のミネラルをたっぷりと含んだ清冽な空気を吸い込む。ここからまた新しい1年が始まってゆく。
     

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  • 「ユビキリ」

    2017-01-09 07:00  
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     最初に「ユビキリ」したのはいつ誰とだったろう。真冬の並木道、初めて好きになった年下の女の子の冷たくなった小指だったかもしれないし、夏休みの夜、同じ年なのに男心をくすぐるようなことばかり確信犯的にして楽しんでいた小悪魔みたいな女の子のマニキュアが眩しい小指だったかもしれない。ユビキリなんてそれくらい遠い記憶だ。でもちゃんと身体が覚えている。というより小指の記憶なんて人生でそのくらいなのかもしれない。
     

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