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記事 13件
  • 「見えなくなったもの、聞こえなくなったもの」

    2024-12-30 07:00  
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     老眼がこの一年で大きく進行した。 
     見えていたものが、見えなくなっていた。見えていると思っていたものが、見えていなかった。まったく見えていないわけじゃない。解像度が下がってしまったのだ。このくらい見えていれば問題ないだろうという過信がいけなかった。世界は加速度的に解像度を上げている。同じものを見ている人との間に齟齬や軋轢を生じさせていたことが何度もあった。
     

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  • 「がんばります」

    2024-12-27 07:00  
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     退院してベッドがひとつ空けば、次の子が入院して来るのが小児病棟だという。胸が痛い話だ。でも、それ以上に胸が痛くなる話を娘の入院中、何度か耳にした。
     

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  • 「小児病棟のサンタクロース」

    2024-12-25 07:00  
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     娘が入院したのはクリスマスが一週間後に迫った寒い日のことだった。
     

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  • 「全部あと回し」

    2024-12-23 07:00  
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     だるい。しんどい。でも倒れらてはいられない。
     

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  • 「手編みの靴下」

    2024-12-20 07:00  
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     毎年、冬になると母が手編みの靴下を編んでくれる。最初は娘にだけだったが、「私も欲しいです」と妻が言い、「ならついでに」とぼくの分も編んでくれるようになった。冬の朝、布団を出るときは必ずこれを履く。家で仕事をしているときもソックスではなくこれを履いている。手足が冷たくなる冬もこれを履いているだけで暖かい。
     

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  • 「愛着」

    2024-12-18 07:00  
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     若い頃は数年に一度車を買い換えていた。
    「節税対策になります」という税理士の先生のアドバイスだった。
     

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  • 「道草」

    2024-12-16 07:00  
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     下校時間が過ぎても娘が帰ってこない。
     

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  • 「真名瀬の残照」

    2024-12-13 07:00  
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     夕暮れの134号線を葉山に向かっていた。後部座席の娘は窓の外を見つめて黄昏れている。これから大好きなバレエレッスンなのに元気がない。また学校で何かあったのだろうか。心配になって話し掛ける。
     

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  • 「一日一漸」

    2024-12-11 07:00  
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      毎日何かひとつ締め切りがある(それはとても感謝すべきくことだし、うれしいことだ)。本当は二つも三つもあるのだけれど、一日にひとつしかできない。若い頃は頭を切り替えて二つも三つもこなしていたような気もするのだけれど、ひとつの原稿に対する責任感や到達度が上がったからか、もしくはぼく自身のパフォーマンスが落ちたかで当時のようには行かない。
     

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  • 「Your My Only Shinin' Star」

    2024-12-09 07:00  
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