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大臣折衝
2024-12-28 22:45105pt来年度予算の政府原案が、今年は例年よりも遅れて、12月27日に閣議決定されました。
しかし本当ならば、2日程度早く、予算プロセスを終わらすことができたはずです。
現在の予算策定プロセスの大詰めに「大臣折衝」と呼ばれるものがあります。
概算要求に始まって、財務省と各省庁の事務方が、来年度予算をめぐってずっと交渉をしてきますが、事務方同士で決められなかった予算に関して、各省の大臣と財務大臣が、大臣同士で「折衝」をして、最後決めるのがこの「大臣折衝」です、いや、そのはずです。
昔は、本当にそうだったのかもしれません。
しかし、現在は違います。
各省の予算は実際のところ、すでに決まっています。
その中で、もっともらしい予算を選んで、大臣折衝のために取っておいて、最後、大臣が財務省と折衝して「勝ち取った」ことにする、そのためのセレモニーが大臣折衝です。
各省の大臣と財務大臣の大臣折衝に丸々2日かかり -
おすすめの一冊「アートコレクター入門」
2024-12-25 21:30105pt不定期連載のおすすめの一冊です。
「アートコレクター入門」 田中千秋 平凡社
銀座の老舗画廊「秋華洞」の田中千秋社長が、「春草堂」という画廊の社長「田中千春」という仮の名前でアートに関する講座の講師として登場し、日本のアートやアート市場をわかりやすく説明するという内容です。
自民党のアート市場活性化小委員長を拝命した私としては、まず、アートやアート市場に関する基本的な勉強もしなければということで、丸の内のオアゾを二時間ほどかけてまわって数冊の本を選びました。
その中でも、取り上げているテーマの幅の広さとわかりやすさではピカイチです。
登場人物はみんなフィクションですが、この本で取り上げられている芸術家や作品はもちろんのこと、画廊やギャラリー、アートフェアなどすべて実在するものです。
実は、この本でも取り上げられている世界的なアートフェアを日本に誘致するプロジェクトなども実際に文化庁が進め -
アート市場の活性化
2024-12-23 21:02105ptこの秋の自民党内の人事で、アート市場活性化小委員会(アート小委員会)の委員長を拝命しました。
日本のアート市場は、バブルの頃はそれなりに世界の中で存在感を示していましたが、バブル崩壊後はぎゅっと縮小して、2023年の日本のアート市場の売上約950億円は、世界市場の中でシェア1%程度となってしまいました。
日本国内で行なわれたアートのオークションの平均落札価格は861,800円と世界の平均落札価格602万円と比べてかなり低く、ほとんど(91%)の作品が1万ドル未満で売買されています。
日本のアート市場は国内向けの取引が中心で、2023年のギャラリーとディーラーの売上の84%が国内向けでした。
これまで世界のアート市場はロンドン、ニューヨーク、香港という三つの拠点を中心にまわっていましたが、香港の政治状況が一変し、今後もこれまでと同じような地位を維持できるか疑問視されている中で、韓国とシンガ -
外相経験者フォーラム
2024-12-16 17:45105ptクリントン政権で国務長官を務めたマデリン・オルブライト女史は、自由闊達に国際情勢を議論し、必要ならば何か行動を起こすことができるようにと、各国の外務大臣経験者が定期的に集まるフォーラムを立ち上げました。
私もオルブライト国務長官の教え子兼外務大臣経験者ということで、このフォーラムに加えていただいておりましたが、これまで国会日程との関係もあり、なかなか出席できませんでした。
Aspen Ministers Forum(AMF)と呼ばれるこのフォーラムは、今年はスイスのルガノで開催され、私も出席しました。
フォーラムの内容はオフレコが前提のため、具体的な内容には触れられないことをお許しください。
12月12日 22:45 羽田発 NH203
衆議院本会議で補正予算と予算関連法案の採決終了と共に羽田に向かいます。
12月13日05:30 フランクフルト着
07:15 フランクフルト発 NH615 -
消費税の還付
2024-12-03 23:59105pt外国人旅行客が日本国内で買った物品の消費税は、これまで免税店の店内で行なわれていました。
しかし、これを利用した不正行為が摘発されていることもあり、外国人旅行客の消費税の還付を出国時の空港で行うための準備が進められています。
私は、そもそもこの還付をやめるべきだと思います。
それだけでおよそ2400億円の税収増になります。
今後、政府の目標通りに外国人旅行客が増えていけば、この額は4000億円近くになるでしょう。
もともと消費税の還付は、輸出品について行なわれています。
輸出品に消費税をかけると、その分、価格が上昇し競争力が損なわれます。
海外市場での競争力を維持するために輸出品には消費税をかけないというのは理解できますが、すでに国内で購入された物の消費税を還付する必要はないのではないでしょうか。
外国にもさまざまな日本の魅力は十分に伝わっていますから、今さら買い物した物の消費税が還付され -
年金を考える
2024-12-03 00:00105pt私は、初当選以来、年金改革を訴え続けてきました。
ここでもう一度、年金問題を取り上げます。
国民年金加入者(第一号被保険者と呼ばれます)は基礎年金(国民年金)を受け取ります。
厚生年金加入者は、基礎年金(国民年金)と厚生年金を受け取ります。
また、厚生年金加入者を夫(妻)に持つ専業主婦(夫)は、第三号被保険者として、保険料を納付することなく基礎年金(国民年金)を受け取ることができます。
基礎年金は、満額で月額68,000円です。ところが国民年金にだけ加入していた人が、今、実際にもらっている年金額の平均は、51,607円しかありません。
それは現役時代に保険料の免除や未納があったためです。
年金の保険料免除を受けると、その期間に相当する年金は減額されます。
全額免除された期間相当分の年金は満額の二分の一、半額免除された期間は四分の三だけ受け取ることができます。
基礎年金の財源の半分が保険料、
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