-
サヘル
2019-08-31 20:01105ptアフリカのサハラ砂漠の南をサヘルと呼びます。 この地域には、西からモーリタニア、セネガル、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、チャドの八カ国が連なります。 今、ここでのテロ組織の活動が、一部の国を不安定化させています。 G7外相会合、G7サミットそしてTICAD7で、このサヘルをいかに安定させるかが議題に取り上げられています。 事の起こりは、アルジェリアで誕生したアルカイダ系のテロ組織でした。 このテロ組織がマリに進出し、2000年代に地元の部族と関係を築きました。 2011年にリビアのカダフィ政権が崩壊すると、カダフィの傭兵だったトゥアレグ族が武器とともにマリ北部に帰還し、地元で活動していた独立を目指すトゥアレグ族反政府組織と結びつき、2012年1月に武装蜂起しマリ北部を制圧しました。 その後、アンサール・アル・ディーンなどの過激主義組織が対立組織を駆逐し、短期間 -
アフリカ!
2019-08-26 15:14105ptいよいよTICAD7が横浜で始まります。 アフリカの現状をおさらいしてみましょう。 2001年から2019年(見込み)までの平均経済成長率を比較すると、先進国の平均が1.8%に対して、アフリカは4.6%です。 人口は、現在、アジアが40億人を超えているのに対して、アフリカは10億人を超えている程度です。 しかし、2095年には、アジアの47億人に対してアフリカは42億人とせまるようになります。 アフリカにはエジプト、リビア、アルジェリア、ナイジェリア、アンゴラといった天然ガスの埋蔵量で世界のトップ20に入る国がいくつもあり、石油でもリビア、アルジェリア、ナイジェリア、アンゴラは埋蔵量がトップ20に入ります。 そのほかの鉱物資源も豊富ですが、多くの国では産地から港までの輸送が困難で、なかなか資源を活用できていない現状もあります。 日本企業にとっては、拡大する市場を見据えた消費地あるいは生産拠 -
輸出管理について
2019-08-25 19:39105pt輸出管理とは この夏、「輸出管理」という言葉がニュースを賑わせました。 輸出管理とはなにか、まずは入門編です。 冷戦時代には、西側諸国は、対共産圏輸出統制委員会(ココム)を設立し、東側諸国に対して厳しい輸出管理を行っていました。 冷戦終了後は、通常兵器が特定の国・地域に過剰に蓄積されることを防ぐために、通常兵器そのものに加え、通常兵器と民生品の両方に使用可能な物資や技術の輸出を管理するためにワッセナー・アレンジメント(WA)が、1996年7月に設立されました。 意外なところで民生品が大量破壊兵器やミサイルの開発に転用される可能性があります。だからこそ、輸出管理は厳格に運用されなければなりません。 例えば、ラケットやゴルフクラブのシャフトに使われる炭素繊維は、ミサイルに利用されます。 シャンプーに含まれるトリエタノールアミンは、マスタードガスの原材料となります。フリーズドライ食材の製造機は、 -
西バルカン・イタリア訪問
2019-08-19 23:35105pt8月12日 11:15 羽田発 16:25 フランクフルト着 20:40 フランクフルト発 23:50 ソフィア着 12年ぶりの日本の外務大臣のブルガリア訪問です。 8月13日 08:15 打ち合わせ 09:00 ボリソフ首相表敬 09:45 ザハリエヴァ外相と市内散策 ソフィア教会・聖アレクサンダル・ネフスキー寺院
10:30 日ブルガリア外相会談テタテ 10:55 日ブルガリア外相会談全体会合 11:35 共同記者発表 12:00 ザハリエヴァ外相主催昼食会@エステ 15:15 旧市街視察(温泉広場・セルディカ遺跡) 16:00 SEGAゲームス視察 ブルガリアに進出したSEGAゲームスの開発拠点を視察しました。 18:35 ソフィア発 19:15 ウイーン着 夕食 21:15 ウイーン発 22:05 リュブリャナ着 日本の外務大臣のスロベニア訪問は初めてです。 8月14日 -
ミクロネシア3国編
2019-08-13 17:29105pt日本の外務大臣として初めてとなるミクロネシア三カ国訪問です。 8月5日 18:40 ナンディ発 所要時間7時間弱です。 22:15 コロール着 ミクロネシア3カ国に日本の外務省が訪問するのは初めてです。 8月6日 08:30 打ち合わせ 09:00 コロール発ペリリュー島へ レメンゲサウ大統領、マルグ国務大臣、マツタロウ駐日大使に同行いただいて、ボートでペリリュー島を訪問。 レメンゲサウ大統領 左はマルグ国務大臣、私、駐パラオ大使 波が荒れていたので、島を縫うように進み、予定よりも時間がかかりました。 10:10 ペリリュー島着 10:40 西太平洋戦没者の碑に献花 上皇上皇后両陛下も献花をされた戦没者の碑に献花しました。 ここから、 10:55 米陸軍第81歩兵師団慰霊碑に献花 米軍の慰霊碑です。 米軍が上陸したオレンジビーチにあります。 -
フィジー編
2019-08-11 17:43105pt二週間にわたった出張の報告、いよいよフィジー編。
8月3日
ここからフィジーまでのチャーター便には記者団が乗れるスペースがないので、同行記者団はバンコクまでになります。 14:50バンコク発 11時間35分の夜行便です。 揺れました。 8月4日 06:50 ナンディ着 スバの空港が工事中で、チャーター便が着陸できないので、ナンディで商用便に乗り換えます。 08:30 ナンディ発 09:00 スバ(ナウソリ空港)着 13:00 在留邦人との昼食会 フィジーに60年お住いの方や最近、国際機関に赴任してきた方まで、集まっていただき、現地情勢を伺いました。 14:20 打ち合わせ 16:30 カバの儀式@フィジー外務省 外務省の中で、カバの儀式が行われました。 クジラの歯に紐をつけたものが手渡され、日本でいえば祝詞のようなものが語られると、カバの粉 -
ASEAN関連外相会合
2019-08-10 17:12105ptバングラデシュ・ミャンマーからバンコクのASEAN関連外相会合に移動します。
7月31日 13:55 ネピドー発 16:15 バンコク着 19:20 日越外相ワーキングディナー いよいよASEAN関連外相会議に関連する日程が始まります。 8月1日 07:35 打ち合わせ 08:45 日韓外相会談 短時間の全体会議に続き、人数を絞った話し合いを行いました。 09:55 日ASEAN外相会議 日本とベトナムが共同議長です。 ベトナムがASEANの中で対日調整国を務めています。 11:10 日中外相会談 11:35 打ち合わせ 11:55 日英外相ワーキングランチ ラーブ新外相と中華料理を食べながらのワーキングランチ。 初顔合わせです。
イギリスの外相は、私が外務大臣になってから、ボリス・ジョンソン、ジェレミー・ハントに続いて3人目となりまし -
バングラデシュ・ミャンマー出張
2019-08-09 23:44105pt今回の出張は、まず、ラカイン州からの避難民の問題でバングラデシュとミャンマーを訪問しました。 その後、バンコクでASEAN関連外相会合、そして島嶼国歴訪と続きます。 今回は、フィジーのナンディ・スバ(ナウソリ空港)の往復を除いて、チャーター便での移動です。 ダッカ・ネピドー間やバンコク・フィジー間、そして島嶼国間の移動は、商用便では直行便がなく、移動だけで日程がつぶれてしまいます。 7月29日 17:00 羽田発 20:20 ダッカ着 20:45 ダッカ襲撃テロ事件現場にて献花 事件当時はレストランだった現場の家には、オーナーのご家族が住んでいらっしゃいますが、夜遅くにもかかわらず、現場に献花をさせていただきました。
7月30日 07:30 打ち合わせ 09:00 ダッカ空港発 前回はバングラデシュ軍のヘリによる移動でしたが、今回は、ここもチャーター便で移動で -
戦後処理について
2019-08-06 15:03105pt第二次世界大戦に関する戦後処理の多くは、サンフランシスコ平和条約で行われました。 サンフランシスコ平和条約第1条は、45カ国との間で戦争の終了をうたっています。 第2条では、日本の領土権の放棄が規定され、朝鮮半島、台湾、千島列島・南樺太、南太平洋の諸島が分離地域となりました。 第14条(a)で、連合国に対する賠償が規定され、また、日本の在外財産に関しては、連合国が処分できることとされました。 サンフランシスコ講和会議には52カ国が招待されました。 カンボジア・ラオス・ベトナム・中国の4カ国は招待されませんでした。 ビルマ・インド・ユーゴスラビアの3カ国は招待されたにもかかわらず、参加しませんでした。 また、カンボジア・ラオス・ベトナムの3カ国は、招待されていなかったにもかかわらず、参加しました。 その結果、サンフランシスコ講和会議には52カ国が参加しました。 その52カ国のうち、チェコスロ -
ホルムズ海峡続き
2019-08-04 13:13105ptホルムズ海峡続き。 各国の原油輸入量に占めるホルムズ海峡依存度(2018年。単位:万バレル/日。出典:国際エネルギー機関(IEA)、各国貿易統計、中国税関統計、インド・コマーシャルインテリジェンス・統計総局統計等) 国名等 総輸入 ホ海峡 依存度 日本 307 265 87%中国 918 334 36%韓国 307 227 74%インド 457 285 62%英国 100 2 2%独国 173 11 6%仏国 108 26 24%伊国 132 48 36%欧州4国計514 85 17%米国 850 157 18% 欧州・米国と比べて日本のホルムズ海峡への依存度の高さが際立ちます。
1 / 1