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記事 8件
  • 社会保障改革2025-5 支払基金改革

    2025-01-30 23:40  
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    社会保障改革のためには、効率化、合理化も必要です。
    医療そのものの効率化、合理化はもちろんですが、それに関連する事務の効率化も進めています。
    その一つが医療機関から請求された診療報酬を審査し、支払うための機関である支払基金の改革です。
    私は、2015年に安倍内閣の行政改革担当大臣に就任し、支払基金の効率化に着手しました。
    2015年当時、支払機関は、47すべての都道府県に支部の事務所を持ち、都道府県ごとに請求の審査をしていました。
    かつて支払の請求が紙で行われていた時には都道府県ごとの支部が必要だったかもしれませんが、請求が電子化されるにしたがって、支部の必要性は薄れていきました。
    また、審査が都道府県ごとに行われていたために、審査にばらつきがあり、この県では認められている請求が隣の県では認められないというようなことが起きていました。
    さらに2015年当時には、まだ紙のレセプトがかなり残り

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  • 社会保障改革2025-4 第3号被保険者制度

    2025-01-26 22:55  
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    「年収の壁」を無くすのであれば、いまの第3号被保険者制度の廃止が必要です。ただし、この制度を前提に人生設計をしてきた方もいますから、決定から廃止まで一定期間をおき、廃止の際にすでに一定以上の年齢になっている人にはこの制度を維持することは当然です。さらには、現在ある産前産後の保険料免除のみならず、例えば、ご自身の健康状態、障害をお持ちのお子さんの子育て、親御さんの介護などで働きに出られない人への配慮も欠かせません。
    「収入の壁」は、所得税というよりも社会保険料によるものです。
    年金の第2号被保険者(厚生年金)の配偶者が、第3号被保険者として、年金保険料を負担することなく、満額の基礎年金をもらうことができるという制度がこの壁を作ってしまっています。
    第3号被保険者という制度を維持する限り、壁は必ず残ります。
    この制度は、サラリーマンの妻が専業主婦であるという前提で約40年前に作られたもので、今

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  • 鴨猟2025

    2025-01-17 20:58  
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    天皇陛下より、埼玉鴨場にお招きいただきました。


    「鴨の捕獲」という冊子が同封されています。
    宮中の伝統ある鴨猟の方法が記載されています。

    コロナ後、初めてのお招きです。
    埼玉鴨場の様子です。



    こんな格好で五人ずつ、十人一組で出かけます。


    コートと帽子をお借りして、叉手網という網を持ちます。
    鷹匠が、元溜という池から訓練されたアヒルを使って細い掘り割りに鴨を誘導します。



    掘り割りが細いため、鴨はなかなかうまく飛び立てません。
    そこを叉手網で捕まえます。
    捕まえた鴨は羽交い締めにしておきます。


    捕まえた鴨は足輪を付けて放鳥します。
    その後、養殖の合鴨料理をご馳走になります。

    合鴨の肉、ねぎ、大根おろし、ほうれん草のおひたし、漬物です。
    炭を使って右上の鉄板で焼きます。
    飲物は日本酒またはお水。
    さらに、

    はぜの揚げ物。

    けんちん汁。

    茶碗蒸し。

    ごはん。

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  • 社会保障改革2025-3 医療保険料改革の必要性

    2025-01-16 22:30  
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    現役世代の保険料の負担を軽減したいと考えています。
    2021年度の医療保険ごとの保険料の流れをまとめたものです。(日本総合研究所作成)

    2021年度に、協会けんぽの保険料収入は9兆9千億円ありましたが、この年度の医療保険の給付額は6兆7千億円でした。
    ところがこの年度に、協会けんぽから後期高齢者支援金として2兆2千億円、前期高齢者納付金として1兆6千億円が支出されています。
    大企業の健保組合の場合、2021年度の保険料収入は合計して8兆3千億円、医療保険の給付は4兆2千億円でした。
    そしてやはり後期高齢者支援金として2兆円、前期高齢者納付金として1兆6千億円が支出されています。
    協会けんぽの場合、働く人が納めた健康保険の保険料の約38%が「支援金」として、協会けんぽの外に支出され、健保組合の場合、約43%が「支援金」としてやはり健保組合の外に支出されています。
    「保険」というものは、本来

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  • マイナンバーカードと暗号

    2025-01-11 22:10  
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    マイナンバーカードを取得して5年経ったので、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れて更新しなければならないのが面倒だ、オンラインでできないのかといったご意見が寄せられています。
    マイナンバーカードの有効期限が10年なのにマイナンバーカードの電子証明書の有効期限を5年としているのには理由があります。
    あなたが持っているマイナンバーカードの電子証明書には、オンラインで通信している時に第三者になりすまされないようにするために暗号が使われています。
    マイナンバーカードに使われている暗号は、2048ビットのRSA暗号という、現在世界で最も使われている種類の暗号です。
    しかし、どんな暗号も未来永劫に安全ではありません。
    スーパーコンピュータの進化や量子コンピュータの導入などで、処理能力が向上すると、現在は安全な暗号もやがては比較的簡単に解読されてしまうようになります。
    現在使われている2048

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  • 社会保障改革2025-2 独立推計機関

    2025-01-06 07:56  
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    金利が上昇していく中、財政規律を保つため、政治的に中立に経済予測を推計する独立機関が必要です。
    独立推計機関は、そのときどきの政治的思惑に左右されず、国民的な議論のベースを提供するために、政治的に中立な立場から税や社会保障制度などの議論に必要な基礎データや将来予測を示す公的機関です。
    楽観的に将来を予測することで、不都合な現実から逃げ、将来世代にツケを回す傾向は世界中で見られます。
    そこで近年多くの先進国で財政規律のゆるみを予防するために、政治から一定の独立性を持つ「独立推計機関」が設置されています。
    独立推計機関は、透明性の高い政策論議に貢献します。
    世界金融危機後の2010年代にOECDやEUが独立推計機関の設置を推進したこともあり、いまやOECD加盟国の約8割で独立推計機関が設置済みです。
    政府の経済官庁が長期予測をすれば、ときの政権に都合の悪い情報は出にくくなり、下手をすればデータ

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  • 社会保障改革2025-1

    2025-01-04 21:40  
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    2024年の年金の財政検証に基づいた年金の改正が2025年に予定されています。
    しかし、これまでに厚労省が提示した改革案は、厚生年金の積立金を勝手に国民年金のために使ってしまおうというこれまで以上に年金に対する国民の信頼を損なうようなもの等であったり、与党としても到底受け入れられない、また、受け入れるべきでないものです。
    わが国の年金制度は、明確なビジョンを欠いたまま小幅な修正が繰り返されてきたこともあり、極めて複雑なうえに実態がありのままに説明されておらず、かつ、合理的ではない仕組みが随所に見られます。
    例えば、国民年金と基礎年金の違いやマクロ経済スライドの仕組みを正確に答えられる人が果たしてどれだけいるでしょうか。
    また、夫(妻)が第2号被保険者であればその妻(夫)は第3号となりえるのに対し、夫(妻)が第1号であれば妻(夫)は第3号となり得ないことや、そもそも保険料を全く支払わない第3

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  • Happy New Year & Season's Greetings

    2025-01-01 06:30  
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