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香港出張
2018-03-30 23:51105pt日本の外務大臣として二十年ぶりの香港訪問となる出張でした。
1997年の香港返還の式典に当時の池田行彦外務大臣が訪問したのが日本の外務大臣のバイの訪問の最後です。
二十年ぶりというのは、香港を訪問することを目的とする訪問ということで、香港で開催される国際会議に参加するため等で香港を訪問した外務大臣はこの間に何人かいました。
それでも最後に香港を訪問した外務大臣は、麻生太郎外務大臣になります。
「一国二制度」の下、高度な自治を有する香港は、返還以来の二十年、大いに発展を遂げました。
一人当たりGDPも日本より高く、最近でも3%を超える成長を実現しています。
また、昨年は220万人を超える香港人が日本を訪れました。
今や実に週450便の飛行機が日港間を飛び、香港からチャーター便を含めて20近くの日本の空港に直行便があります。
日本から香港を訪問する人の数は一時、年間100万人を切るところまで落 -
外務省の業務改革
2018-03-30 22:57105pt外務省の業務改革、そのX弾!(いくつめか忘れました。)
領事局外国人課による在北京日本大使館におけるアプリによるビザ業務の合理化です。
これまで申請者が手書き(や手入力)でやっていた査証申請書が、スマートフォンのカメラでパスポートを撮影すると氏名やパスポート番号を自動入力し、QRコード化できるスマホアプリの活用も可能となります。
実現までに一定の時間は必要ですが、申請者が楽になるだけでなく、領事部でこれまで旅券と申請書を分けてまず申請書のバーコードをスキャンして旅券の人定事項をスキャンしていたのが、QRコードで一気に読み取ることができれば、データ入力の作業時間が五分の一になります。
次に領事局政策課による領事システムの統合です。
以前は領事システムには、なんと旅券発給管理システム、査証事務支援システム、在留届等管理システムの三つの独立したシステムがあり、それぞれに専用の端末がありました。
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ブーゲンビル島
2018-03-30 18:11105ptパプアニューギニアの東にブーゲンビル島があります。
「地理的なソロモン諸島」の一部ですが、国家としてはパプアニューギニアの一部です。(ソロモン諸島にはソロモン諸島という国があります。)
1885年にドイツの植民地となり、第一次世界大戦を経てオーストラリアの国際連盟委任統治領となりました。
第二次世界大戦中に、山本五十六連合艦隊司令長官が搭乗機を撃墜され戦死したのがこの島の上空で、その機体の残骸は島のジャングルに残されています。
この島における日本軍の戦没者は約33,500名にのぼり、これまでに約10,000柱の遺骨が収容されました。
1975年にブーゲンビル島を含むパプアニューギニアが独立しました。その後、1988年にこの島にあるパングナ銅山の利益配分や環境破壊を巡り、反政府運動が巻き起こり、それがブーゲンビルの独立運動に発展しました。
その後、ブーゲンビル革命軍(BRA)とパプアニューギ -
ワシントン出張
2018-03-19 22:17105pt北朝鮮情勢の変化を受けて、ワシントンに出張しました。
米国の政府高官及び訪米中の韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と北朝鮮に関しての意見交換をしました。
まず、北朝鮮が対話を求めてきたということについて、日米韓が主導し、中露の支持も得て実施してきた国連安保理決議に基づいた経済制裁が効果を上げてきたという認識を確認しました。
世界各国が北朝鮮のこれまでの行動に対して、「国交」断絶や「大使」の追放といった強い措置を取ってきたこと、北朝鮮が貿易により外貨収入を得ることができない厳しい制裁措置を取ってきたこと、石油製品を厳しく制限したこと、北朝鮮労働者の受け入れを制限したことなどとともに、トランプ大統領がすべての選択肢がテーブルの上にあると繰り返して発言するとともに、米韓の合同軍事演習や日米の共同訓練や日米韓の安全保障協力をきっちりと進めてきたことなどが、しっかりと効果を上げてきたという評 -
RCEP
2018-03-15 23:45105ptTPP11が署名され、日EUのEPAも大枠合意に達しました。
日本の自由貿易に関する次の手はRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership)です。
ASEANの10か国と日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの合計16か国による広域経済圏を実現しようという試みです。
実現すれば、世界の人口の約半分、世界のGDP及び貿易総額の約3割を対象とする経済圏になります。
RCEPの参加国で、日本の貿易総額の47%を占めることになります。
日本の貿易総額に占める割合 (*はRCEP参加国)中国 21.6%*ASEAN 15.0%*韓国 5.7%*オーストラリア 3.6%*インド 1.0%*ニュージーランド 0.4%*アメリカ 15.8%EU 11.9%その -
制裁の効果
2018-03-14 23:35105pt北朝鮮がいよいよ対話を求めてきました。
国際社会全体による経済制裁に耐えられなくなってきたのでしょう。
これまで日米韓三カ国は緊密に連携しながら中露両国の協力も得て、北朝鮮に対する経済制裁をかつてないほど強化する国連安保理決議を実現してきました。
国連安保理決議が完全に履行されれば、北朝鮮の貿易による外貨収入はほぼ枯渇し、石油精製品の輸入は2017年初頭に比べて89%削減されます。
外貨収入の柱の一つであった海外の北朝鮮労働者も、続々と受け入れ国からの送還が始まっています。
さらに日米韓、EUをはじめ多くの国々が、連帯して、国連安保理決議を超えて、北朝鮮への更なる圧力を呼びかけてきました。
国際社会の中には、例えばヨルダンのように北朝鮮と断交した国もあります。
その他にもUAE、クウェート、ペルー、スペインをはじめ多くの国々が、自国の大使を召還したり、また、北朝鮮の大使を追放または受け入れ -
いわゆる「ロヒンギャ」問題
2018-03-08 22:16105pt最近、ニュース等で「ロヒンギャ」と呼ばれる人々のことが取り上げられます。
「ロヒンギャ」とは、ミャンマーのラカイン州に住むイスラム教徒の人々のことを指します。
ミャンマーの国民は圧倒的大多数が仏教徒で、イスラム教徒である「ロヒンギャ」の人々は村ごと焼き討ちにあったりして、そのほとんどが国境を超えてバングラデシュに避難しています。
実はミャンマー政府は彼らのことを「ロヒンギャ」とは呼びません。「ロヒンギャ」という呼称はそう呼ばれる部族がいることを示唆しますが、ミャンマー政府は「ロヒンギャ」という部族は存在しない、彼らは国境を超えてきて住み着いたベンガルのイスラム教徒だと主張しています。
日本政府は、この問題になるべく中立的な立場で関与するために、ロヒンギャという言葉を使わず、「ラカイン州のイスラム教徒」と呼ぶことにしています。
この問題を平和裏に解決するためにはミャンマー政府が当事者としてし -
外務大臣就任200日
2018-03-07 22:15105pt昨年8月3日に第145代外務大臣に就任して以来、200日を過ぎました。
この間に外国出張16回、出張日数76日、訪問国・地域はのべ35か国・地域になりました。
このうちモザンビーク、バーレーン、モルディブは日本の外務大臣として初訪問になります。
オマーン訪問は平成2年の中山太郎外務大臣以来の訪問となりました。
出張に伴う総飛行距離は284,501km、地球を7.1周したことになります。
ちなみに地球と国際宇宙ステーションの間を355往復した計算になります。
バイ(2か国間)及び3カ国間での外相会談は77か国との間でのべ107回、4か国以上の外相会談を含めると116回になります(3月4日時点)。
最も多いアメリカのティラソン米国国務長官との会談は、日米のバイ会談が5回、日米韓あるいは日米豪といった3カ国会談が4回、その他に電話会談が5回になります。
その他にはカン・ギョンファ韓国外交部長官が
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