• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 2件
  • <ビュロ菊だより>No.119「久しぶりで拳骨を使った感覚+」

    2016-11-26 10:00  
    220pt

    *前号までのあらすじ*3年がかりのプロジェクトである大西順子の復帰アルバムからブルーノート3デイズまで。という大仕事を無事に終え、あまつさえ途中にはMC漢との共演もあったが、若干のバカの闖入を除けば難なくこなし、次の大仕事である自分の3デイズに向けて歩みを進めた菊地成孔であった。しかし、DyyPRIDEがデジタルカメラを床に落として壊しちゃった。どうする菊地成孔。 

     

     <IXY時代の終わり>  

     私が「デジタルカメラ」、というか、自分のカメラを持って日々の写真を撮り始めたのは2006年からだから、丁度10周年が終わる頃だ。「8ミリカメラを買わず、ステレオセットを買ったお陰で音楽家に成った」という話しはそこらに書いているが、そこから先が飛んでいる。実のところ私は、かなり初期のHi8から、動画を撮り始めている。勿論、自主映画ではない。敢えて言えば自主AVだが、この話は、特定個人が想定され易いので口をつぐんで来たが、まあもう時効だろう。私の自室には、もう再生する事が出来ない(再生メディアがなくなってしまったのと、そもそも録画したソフト自体が劣化してしまった事に依る)、膨大な個人的なポルノムーヴィーがある。

     私は自分がポルノムーヴィー、ポルノフォト、ポルノではないポートレイト撮影の、大変高い才能がある事を、残念ながら知っている。料理もそうである。世に言う「考えない事にする」という行為は抑圧に限りなく近いので、あまり精神衛生に良くない。なので、可能な限り、何でも考えるようにはしているのだが、自分の音楽や文章の才能よりも、僅差でポルノとキュイジーヌの才能がある事は、物凄い精神的な圧力を使って、考えない様にしている。
     

    記事を読む»

  • <ビュロ菊だより>No.118「大西順子や挟間美帆について、あなたが知りたい二、三の事柄+」

    2016-11-02 10:00  
    220pt

    <大西順子や挟間美帆について、あなたが知りたい二、三の事柄>   

     私は巷間、大変な好色で、かつフェチ持ちの変態であり、日々、共演者やファンとセックスしているとすら誤解されているが、そのことに私の音楽自体が影響を与えているのは致し方ないと思う。強面の俳優は概ね、怖い人、もしくは優しい人だと推測され易い。私が大変な好色の健啖家か、もしくはインポテンツの潜在的ゲイだと推測されるのは、私の音楽を聴けば、むしろ自然な事ですらあると思う。 

     勿論、実際はそのどちらでもないし、では、大体どんなものかと言えば、そんな事は言える筈が無い。秘密だ。SNSは秘密を殺す。やがて秘密自体が絶滅種になるかも知れない。SNSの構造は原理的に露出と隠蔽しか生まない。「隠蔽は秘密では?」と思う御仁も多いかも知れないが、秘め事と隠し事では紙一重でまったく別物である。隠してしまえば、全く見えない。 

     少なくともプロデューサーとしての私は、現在まで、女性とばかり仕事をしている。男性は南博氏と類家心平氏だけで、おそらく両氏共に、作品は成功していないと思っている筈だ(私は作品に関しては自己愛的な狂人なので、どれも大傑作だと信じて疑わないが)、それに比べ、古くはSPANK HAPPYの原みどり氏、岩澤瞳氏から、UA氏、小泉今日子氏、JUJU氏、野宮真貴氏、菊地凛子氏、小田朋美氏、個人ではないが、女性がヴォーカルである、けもの、ものんくる、単体のアルバムは無いが、実質上のプロデュースワークである、I.C.I等々、巷間、そしてアーティスト本人の評価も、プロデューサーである私の(狂気に基づいた)個人的な評価と、ほぼ同等の評価を下さっている筈だ(セールのカウントは別として)。これは南、類家両氏に対する些かの批判でもなく、私が、少なくともプロデューサーとして仕事をする上で、とするが、女性との相性が良い。という事を示している。  

     この話を、公式、非公式を問わず話すと必ず「井上陽水さんとのコラボは素晴らしかったですよ」と言われる。私は井上氏をかなり女性に近いと評価している。一転して南、類家両氏に対する手放しの賞賛になるが、両氏は男性性の塊である。  

     余談の上に匿名だが、「J-POPで、かなり有名」という方からプロデュースの以来が来た事が何度かあるが、総て、話しを進めている過程で頓挫してしまった。単純に金銭的な理由等々、所謂おとなの事情という側面もあるが、話しを進めて行く中で、双方に「あ、あんまり上手く行かないかも」という予感が芽生えたから。というのがフロイディアンとしての正式コメントとすべきだろう。  

     大西順子氏が如何なる人物で、どういう過程で引退し、復帰し、復帰作のプロデュースをする事になったか?については、かなりの媒体で露出しているので、改めてここに書く事は無い。しかし、木を見て森を見ず、という格言通り、語れば語るほど、本質は盲点に置かれ易い。「Tea Times」は、私が初めて手がけた、「女性アーティストの100%のリアルジャズ作品」であるという事だ。
     

    記事を読む»