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2022年3月の記事 4件

<菊地成孔の日記2022年3月21日 / 午前6時記す>

  Q/N/K、オーニソロジー、「ラディカルな意志のスタイルズ」「新音楽制作工房」が同時進行してるうちに、コロナで長期休講だったペン大が授業を再開し、ドキュメンタリー映画の音楽も1本やることになった。頭の中が音楽でいっぱいだ。ずっと鳴り続けている。オーニソロジーの曲を歌っている間に、シームレスにQNとの曲になったり、ラディカルな意志のスタイルズの個人練習をしていると、シームレスに新音楽のビートに乗ってたいたりする。これだけ音楽が好きな僕が、自分の音楽だけで頭がいっぱいになるという事態だけでも、緊急事態宣言である。以下、脳内が音楽でパンパンの緊事宣のまま書く。    コロナによって何の仕事もない時があって、スケジュール帳が真っ白だったが、あの時はあの時で楽しかったし、充実していた。どうせ統制時代なんていつか終わりは来るのだし、望外のバカンスだったと言えるだろう。金なんかなくたってどうにでもなる。毎日コンビニ飯食って東宝映画を見てゴロゴロしたり、運動したり、自炊したり、音楽を聴いて痺れたりしていた。僕はワーカホリックではあるが、仕事が無いと怖くなるとか体調を崩すとかいうことは全く無いとわかった季節だった。    今は今で絶好調だが、一番困っているのは、運動する時間がなく、物凄く食うので、ブクブク太ってしまっていることで、体調の方が若干ダウンしてる(病気しているとかでは無いですよ)こういう時に備えて買ったつもりのユニクロのスエットがきつくなってしまった。ストレッチは練習の合間にできるが、筋トレには時間がかかる。どうやって習慣化のグルーヴに乗り込めば良いのか?    などと書くと「潰れた飲食店の人々のことを考えたことがあるのか?」「医療の最前線で頑張っている人々のことを考えたことがあるのか?」とか言う正義の人々が、まだ現れるのかもしれない。お前の1000倍考えてるわ笑。つうか遥かそれ以前に聞くけど、じゃあ誰かオレのことを考えたことがあるのか?笑、<オレのことを考えてくれるのであれば、他人様のことも考えてやっても良い>これが真のフェアトレードというものであろう。自分のことを知りもしない人について、真剣に考えるのは慈善家、あるいは慈善家の気分に手軽になっているやつのすることだ。  

<菊地成孔の日記2022年3月9日 / 午後4時記す>

  ずっと「コラボレーションアルバムを制作中」としてきたが、情報公開となった。詳しくは「新音楽制作工房」のカタログ(YouTube内)をご覧いただきたいのだが、ラッパーのQNとN/Kが、コラボアルバム「Q/N/K(仮題)」を現在制作中である。    半分はバンドセットで、半分は「新音楽制作工房」のギルド構成員のビートにある。今の所、全8曲の予定である。ftのラッパーも決まってるのだが、まだ公表できない。ドミュニスターズとは全然違う味わいのヒップホップアルバムになるので、御期待を乞う。全く新しいJヒップホップの音像になりそうである。    とまれ、QNはご存知の通り、絵に描いたような天才タイプで、完成するまで、何がどうなるか全くわからない。最悪、作品は出ないかもしれない笑。QNはMVの監督をやると言っている。これはディスでは全くないので書くが、最初にデモをサミットに持って行ったら「どう捉えていのか全くわからないので」と、リリースを丁重に断られた(増田さんは大変恐縮して、サミットのグッズを山ほどくれた笑)。ヒップホップのレーベルから出そうと思っていたのだが、結局、弊社からのリリースとなった。今の所フィジカルの予定はない(配信とMV。要するに今、一番普通のやり方)。    このアルバムのバンドセット(こちらは僕がメンバーからアレンジまでプロデュースする)で、そのままオーニソロジーの新譜も制作する。内、1曲は、プロデューサーである僕からの委嘱という形で、新音楽製作工房の作曲家が1曲、僕が1曲提供している。「新音楽制作工房」の業務成績については、カタログ内で僕が不定期報告をしているので、そちらに詳しい。    これで、「新バンド(名前は決まってるのだが今の所未公開)」と小西祐果を擁する「菊地成孔クインテット」とぺぺの3本で、激動の22年をウォークさせる。  

<菊地成孔の日記2022年2月28日 / 午前4時記す>

 なんと驚いたことに2月が終わってしまった。ついこの間まで「岸辺露伴は動かない」の準備に勤しんだり、新音楽制作工房を立ち上げたりしていたと思っていたのに。    告白するけれども、実は今、学生のような気分だ。あらゆる意味で「<学者>のような気分」という方が些か正しいのだろうけれども、マインドが若々しいとうか青臭い。学生の頃は全く勉強しないやつだったんで、これはイメージになるが。    新しいバンドでカヴァーするスティーブ・コールマンの「HARMATTAN」という曲があり、シンプルな話、いわゆる「難曲」である。DCPRGで言えば「circle / line」に近く、難曲すぎて作曲者自身が1度も演奏したことがない(「circle / line」はトライはされたが完奏されなかった)。    「難曲」にも様々なリージョンがあるが、これは「多重録音の結果」と「作曲者の狂気(特に偏執性)」が結びついた形で、とてもシンプルな構造理解にかなりの時間がかかり(この件は、伝わりずらいと思うが、僕は構造読みは早い。特にリズム構造は本を読むように読めるが、和声の構造読みは音楽家平均よりも数ミリ低いぐらいである)、五線紙にぺんてるで何度もトライ&エラーを繰り返した後に(「大作家」コントみたいに、くしゃくしゃに丸めた五線紙で部屋がいっぱいになった)、実際に正しい構造読みができた時には「うわあああ!!こうなってたのかあ!!」と、学生のような気分になった。  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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