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2014年5月の記事 5件

<ビュロ菊だより>No.28『内視鏡検査と歌舞伎座(どちらも天晴な日に)』

    早くも、このメルマガで毎日、日記を書き、コメント欄にアンサーしていたのが懐かしくなるほどです。2年も3年も前の事ではないのに、要するに単に去年の事なのに。です。  それはきっと、50歳をまたいだからだと思われます。気がつけば来週51になりますが、50歳になってからこの1年で、ワタシはソウルに3度行き、ハワイに2度行き、伊勢丹には300度ほど行きましたが、友人、というには余りに大きな存在だった大学の先輩をガンで失い、恩師、というには余りに長く日常的な付き合いだったジャズクラブの従業員を同じ腹膜のガンで失い、これは無料世界に書いた事ですが、ハワイはそのショックで、気がついたらワイキキにいた、ぐらいの話しでした。  余り自分の状態が、良く解っていないまま(臨床の用語では「解離」と言います)今年に入りました。最初に断っておきますが、暗い話しや深い話しをしようというのでは全くありません。友人、知人がぽつりぽつりと亡くなり始める年、というのは、誰にだってやってきます。川勝正行さんが亡くなった2012年から、静かにずっと続いています。  

「料理店の寝椅子 彼女たちとの普通の会話」3-4ソプラノ歌手の林正子さんと(全4回)

  ビュロ菊だより「料理店の寝椅子──彼女たちとの普通の会話」3-3 ソプラノ歌手の林正子さんと ┌───────────────────────────────┐ ├○ ├○ 対談メモ ├○ ├○ 於)新宿某所 ├○ 開始時刻) 2014年03月01日午後09時半 ├○ 終了時刻) 2014年03月01日午前03時 ├○ └───────────────────────────────┘     ■アサリと菜の花の炊き込みご飯です   給仕 ご飯と味噌汁をお持ちしました。アサリと菜の花の炊き込みご飯です。お分けさせていただきます。   林 旬の食材ですね。いい香りです。(ご飯を一口嚙みしめて)ああ、アサリが大粒でおいしい! 菊地さん、故郷の味なんじゃないですか。   菊地 いや、銚子はもっとナスティですから(笑)。こんなに上品じゃないです。というか、端的に言って銚子は醤油の街で、食材の中枢が醤油なんですよ。醤油を味わうために、いろいろな食材がまわりを彩っている感じで。   林 千葉は好きですよ。最初にソニーから出したアルバムのジャケットは片貝で撮ったんです。うーん、味噌汁もすごくおいしい。100パーセント、出汁を自前でとっていますね。これを飲んだら自分の味噌汁は飲めません。   菊地 ここは、出汁は二番だけと決めていて、一番出汁は出さないんですって。値段のことを言うといやらしいですけど、食事だけだったら20ユーロ強ですよ。このレベルを求めて赤坂や銀座に行ったら大変なことになる。   林 驚きです。先日北欧に行って、レトルトカレーに2000円払ったばかりです。死にたくなりましたよ(笑)。でもワインを飲み始めたら、いくらお金があっても足りませんね。ボーヌでものすごく欲しいワインがあったのですが、835ユーロもしたので開けられませんでした。   菊地 ワタシ、シュヴァル=ブランの2005年を伊勢丹の地下で買ったんです。日本円で16万円でした。支払いだけ済ませて、後日マネージャーに取りに行ってもらったのですが、彼は酒のことをまったくわからない男なんですね。行ったら支配人みたいな人に取り囲まれたらしくて、帰ってくるだに「あのワインは何だったんですか!?」って。   林 高い宝飾を運ぶときに店員や警備員がぞろぞろとやってくる、あの状況ですね。贈り物とかでなく、菊地さんが個人的にただ飲みたくて買われたのですか。   菊地 ええ。なんか、情けないぐらいの話ですが、あれが生まれてから今までで一番旨い赤でした。その後、ブルーノートで自分の公演をやるときに、同じ銘柄をメニューに入れました。1杯1万5000円が完売しましたよ。林さんにご出演いただいたオーチャードホールのときも、ウェイティング・バーではバローロだのタンクレディだのをお客様に振る舞っているんです。   林 あら、まったく知りませんでした(笑)。私はいまだにバローロ・ボーイズに会ったことがないです。飲んでみたいですね、革命的なバローロを。     ■ここでバンザイしましょう    

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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