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<ビュロ菊だより>No.28『内視鏡検査と歌舞伎座(どちらも天晴な日に)』
2014-05-22 10:00220pt
早くも、このメルマガで毎日、日記を書き、コメント欄にアンサーしていたのが懐かしくなるほどです。2年も3年も前の事ではないのに、要するに単に去年の事なのに。です。
それはきっと、50歳をまたいだからだと思われます。気がつけば来週51になりますが、50歳になってからこの1年で、ワタシはソウルに3度行き、ハワイに2度行き、伊勢丹には300度ほど行きましたが、友人、というには余りに大きな存在だった大学の先輩をガンで失い、恩師、というには余りに長く日常的な付き合いだったジャズクラブの従業員を同じ腹膜のガンで失い、これは無料世界に書いた事ですが、ハワイはそのショックで、気がついたらワイキキにいた、ぐらいの話しでした。
余り自分の状態が、良く解っていないまま(臨床の用語では「解離」と言います)今年に入りました。最初に断っておきますが、暗い話しや深い話しをしようというのでは全くありません。友人、知人がぽつりぽつりと亡くなり始める年、というのは、誰にだってやってきます。川勝正行さんが亡くなった2012年から、静かにずっと続いています。
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<菊地成孔の私塾「ペンギン音楽大学(略称ペン大)」より、各クラス新規入学のご案内>
2014-05-21 08:00
どうもどうも菊地です。久しぶりでペン大の生徒募集を行いますので、ご希望される方は以下を御熟読の上、手順に沿ってご応募ください。繰り返しますが御熟読願います。昨今の日本人は「熟読力」が極端に下がっている。とWHOの報告があります。
「ペン大」について、「え?何それ?」という方は、なんかそのう、えー適当にお調べください(熟読しろと言っておきながらソレか・笑)。非常にかいつまんで言うと、ワタシが個人で運営している私塾で、その名に反し、学校法人でも専門学校ですらなく、単にレンタルスタジオで行われるワタシの音楽理論の講義です。
生徒募集が不定期ですので、お手数ですが恥ずかしながら<拡散希望>とさせて下さい。
今回の募集クラスをご説明致します。正規入学(生徒名簿に登録され、カリキュラムによって進級するシステムです)のクラスが1つ、非正規の中期ゼミが2クラスです。
総てのクラスが1コマ -
動画コンテンツ「モダンポリリズム」補填テキスト
2014-05-11 10:00
動画コンテンツ「モダンポリリズム」補填テキスト
<割力(かつりょく)と積力(せきりょく)>
ポリリズム感獲得に勤しんでおられる皆さん菊地であります。ぜんぜん関係ありませんが、セヴンイレブンのグラタンコロッケバーガーを喰いながら書いています。マクドでとっくに無くなったのに、それが良い製品であると信ずれば作り続けるセヴン&アイの精神に感服せざるを得ない訳ですが、御存知の通りポップアナリーゼも「モダンポリリズム」に入ってから字幕が付かなく成りまして、これは以前の様に「あ、これは動画内で言い忘れた」といった補填やまとめの必要性が下がり、動画だけで充分(というか、情報が多すぎるぐらい)という判断に基づくものです。
が、現状最新である第16回に至りまして、ステップも1段階上がり、「ポリがけ」に入りまし -
「大儀見、そして駒野の公演不参加に関して(拡散を希望致します)」
2014-05-02 12:00ええええもう一週間前すか!という驚きのスタートも凡庸な、しかしそんな自分が嬉しくなくもない、ペペのツアー初日ですが、前回書いた通り、混成メンバーによるスタートとなりまして、しかしながら名古屋ブルーノートでは我ながらかなり良い演奏になり、安堵とともに強烈なリフレッシュを楽しみました。お越し頂いた皆様に感謝致します。
有料の世界(「ビュロー菊地チャンネル」)では、動画コンテンツ「キクチカメラ」で、名古屋ツアーに関する(演奏以外の→リハーサルやサウンドチェックはそこそこ写り込んでいます)あらましをワタシの自撮り動画にてご紹介しておりますが、まあまあこの日は何と、リハーサル後に夜走りで名古屋に前乗りする予定が、当日いきなり、ドライバーであり現場マネージャーである長沼が風邪で倒れまして、いきなり風雲急を告げたのですけれども、こうしたバックステージのトラブルも乗り越えまして、演奏ををやり遂げ、東京 -
「料理店の寝椅子 彼女たちとの普通の会話」3-4ソプラノ歌手の林正子さんと(全4回)
2014-05-01 10:00220pt
ビュロ菊だより「料理店の寝椅子──彼女たちとの普通の会話」3-3 ソプラノ歌手の林正子さんと
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├○ 対談メモ
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├○ 於)新宿某所
├○ 開始時刻) 2014年03月01日午後09時半
├○ 終了時刻) 2014年03月01日午前03時
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■アサリと菜の花の炊き込みご飯です
給仕 ご飯と味噌汁をお持ちしました。アサリと菜の花の炊き込みご飯です。お分けさせていただきます。
林 旬の食材ですね。いい香りです。(ご飯を一口嚙みしめて)ああ、アサリが大粒でおいしい! 菊地さん、故郷の味なんじゃないですか。
菊地 いや、銚子はもっとナスティですから(笑)。こんなに上品じゃないです。というか、端的に言って銚子は醤油の街で、食材の中枢が醤油なんですよ。醤油を味わうために、いろいろな食材がまわりを彩っている感じで。
林 千葉は好きですよ。最初にソニーから出したアルバムのジャケットは片貝で撮ったんです。うーん、味噌汁もすごくおいしい。100パーセント、出汁を自前でとっていますね。これを飲んだら自分の味噌汁は飲めません。
菊地 ここは、出汁は二番だけと決めていて、一番出汁は出さないんですって。値段のことを言うといやらしいですけど、食事だけだったら20ユーロ強ですよ。このレベルを求めて赤坂や銀座に行ったら大変なことになる。
林 驚きです。先日北欧に行って、レトルトカレーに2000円払ったばかりです。死にたくなりましたよ(笑)。でもワインを飲み始めたら、いくらお金があっても足りませんね。ボーヌでものすごく欲しいワインがあったのですが、835ユーロもしたので開けられませんでした。
菊地 ワタシ、シュヴァル=ブランの2005年を伊勢丹の地下で買ったんです。日本円で16万円でした。支払いだけ済ませて、後日マネージャーに取りに行ってもらったのですが、彼は酒のことをまったくわからない男なんですね。行ったら支配人みたいな人に取り囲まれたらしくて、帰ってくるだに「あのワインは何だったんですか!?」って。
林 高い宝飾を運ぶときに店員や警備員がぞろぞろとやってくる、あの状況ですね。贈り物とかでなく、菊地さんが個人的にただ飲みたくて買われたのですか。
菊地 ええ。なんか、情けないぐらいの話ですが、あれが生まれてから今までで一番旨い赤でした。その後、ブルーノートで自分の公演をやるときに、同じ銘柄をメニューに入れました。1杯1万5000円が完売しましたよ。林さんにご出演いただいたオーチャードホールのときも、ウェイティング・バーではバローロだのタンクレディだのをお客様に振る舞っているんです。
林 あら、まったく知りませんでした(笑)。私はいまだにバローロ・ボーイズに会ったことがないです。飲んでみたいですね、革命的なバローロを。
■ここでバンザイしましょう
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