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2021年10月の記事 3件

<菊地成孔の日記 2021年10月11日午後6時記す>

 シン・大阪に向かうシン・幹線のシン・指定席でシン・犯人を探すべくこれを書いている。捜査のため、敢えてシン・横浜から乗り込んだ。これこそがシン・菊地成孔ならぬシン・松本清張の「シン・点と線」ともいうべき、、、、、ヤメた(「シン・点と線」は然るべき作家によって書かれるべきだと思うが)。    月に一度、小田急線に乗るのだが(その都度、自動券売機との決闘を行い、コロナ禍に於いてはほぼ無敗だけれども)、多くの方がご存知の通り、新宿駅の中で小田急線に乗るのはイージーだが、あらゆる駅で、新幹線に乗るのは比較的困難で、勢い駅内を色々移動するわけだが、新横浜の駅というものがこんなに、昭和の男にとって味わい深いものだとは知らなかった。木製の階段があるだけでうっとりする。一瞬。    指定席に着席し、明日、ビルボードで演奏するので、そのことについて書こうとしたのだが、先日、テレにをつけっぱなしにしていたら、その日は「笑いの日」だったらしく、「いつからそんな日が制定されたの」と発声しながら見ていたら、一日かけてお笑い番組をやり続けていて、我ながら驚くべきことに、メインイヴェントである「キング・オヴ・コント2021」までしっかり全部見てしまった。第一の感想は、<もうこの1年はお笑い番組はみなくて良い(「テレビ千鳥」以外)>。  

<菊地成孔の日記 2021年10月2日午後4時記す>

 今、スタジオでセイゲン・オノ氏の「COMME DE GARCONS(SACD2枚組)」を聞いている。来週の対談イベントは、僕からではなく、なぜかオノ氏からオファー賜ったものだが、このCDに収められている、オノ氏と川久保玲による、モードと音楽のペアリングは、少なくとも我が国のモード界においては、これを超える事は起こっていないと僕は思う。僕も死ぬまでにいつか残しておきたい仕事の一つだ(もう、モード批評はやっていないので、いつでもショー音楽のオファーは受け入れ態勢でいるが、今の所どのラベルからもオファーがない)。    録音は87年と88年の2年間に行われており、一時期は(キップハンラハン等と同じく)悪友、ぐらいの関係でいたジョン(ゾーン)のサックス、DC/PRGのインパルス盤に参加してくれ、いつでもペペトルメントアスカラールに入りたいと言ってくれたアート(リンゼイ)のギター、以下、ビルフリーゼルや、ラウンジリザーズやマテリアルのメンバー達、つまり、「あの時代のニューヨークシーン」の英雄達の演奏である。ジョンからは、奏法よりも (僕とジョンのノイズの出し方と、ノイズ以外の楽音とのスイッチングは、僕のそれとは全然違う。シンプルに言ってションは、サキソフォンとジャズを素材だと思っているが、僕はサキソフォンとジャズを愛している)病的な加速と混血性(特にアフリカでも中米でもなく、端的にブラジリアン)への体質的な執着がありーそれは当時のニューヨークでなければ生じ得ない一種のローカリティと時代性を嫌という程纏っている)。  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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